種々の図面中の似通った参照符号は似通った要素を表している。
図1はウェハ100の上面図を示している。ウェハ100は超小型演算装置、チップセット装置、又は記憶装置などの集積回路装置を少なくとも1つ形成するように処理される半導体ウェハである。例えば、ウェハ100はスタティックRAM装置の集合を形成するために用いられ得る。ウェハ100はシリコン、ガリウム砒素、又はインジウム燐を含み得る。
ウェハ100はダイ部分105の配列を有する。ウェハ100はさいの目状にダイシングされ、あるいは、ダイ部分105を分離するようにその他の処理が施され、個々の集積回路装置を形成するためにパッケージ化され得るダイスの集合を形成する。各々のダイ部分105は1つ以上のレイアウト片110を有する。レイアウト片110はダイ部分105のうちのパターンを有する部分である。レイアウト片110内で規定されるパターンは一般に、ダイ部分105から形成される集積回路装置の機能に寄与する。
図2はウェハ100上のレイアウト片110の一部分の断面図である。図2に示された処理段階では、レイアウト片110は基板205、パターン層210、及びレジスト層215を有する。基板205はベースウェハ又は先行する処理中に形成された別の層である。パターン層210はレイアウト片110のうちのパターンが付けられる部分である。パターン層210はマイクロエレクトロニクス装置の全体又は一部を形成するためにパターンが形成される。パターン層210は、例えば二酸化シリコン若しくは窒化シリコン等の電気絶縁体、p型若しくはn型にドープされたシリコン等の半導体材料、又は銅若しくはアルミニウム等の導電層とすることができる。レジスト層215はパターンをプリントするための1つ以上の技術に敏感な材料である。例えば、レジスト層215はポジ型又はネガ型のフォトレジストであり得る。なお、図3乃至12の記載では、レジスト層220はポジ型のフォトレジストであると仮定する。レジスト層215はパターンを形成するために露光され、現像される。図3は潜像(latent image)300を形成するための露光後のレイアウト片110の上面図であり、図4はその断面図である。潜像300の上面は、レイアウト片110の全体又は一部分を占める長さ320及び幅315を有する長方形又は正方形である。潜像300は露光されたライン305及び露光されていないスペース310が交互になったシリーズを有する。ライン305は均一な幅315を有し得る。スペース310は均一な幅320を有し得る。幅315、幅320は等しくてもよいし、等しくなくてもよい。潜像300内のライン305・スペース310はピッチ325を有する。特徴部のピッチとは特徴部の最小の空間周期性である。例えば、ライン305のピッチ325は露光されたライン305の幅315とその隣のスペース310の幅320との和である。ピッチ325は0.5以下のk1因子を生じ得る。k1因子はレイリーの光解像度表現で用いられる用語であり、空気中では次の等式で与えられる。
k1 =(ピッチ/2)・(NA/λ)
ここで、NAは潜像300をプリントした装置の開口数であり、λは潜像300をプリントするために用いられる電磁放射線の波長である。例えば、光学システムの開口数が1に近づくと、k1因子は0.25に近づくことができる。
ライン305は、電子ビームリソグラフィ、干渉リソグラフィ、並びに位相シフトマスク及び光近接補正技術を用いた光リソグラフィ等の数多くの異なるリソグラフィ技術の中の任意の技術を用いて露光され得る。例えば、波長λ1の平行(collimated)干渉ビーム対を用いてレジスト215を露光することによる干渉リソグラフィを用いて、ピッチ325がλ1/2に近いライン305が露光され得る。直交ビーム対は、ビームスプリッタを用いて単一源を分割し、2つの対向するミラーからの反射を干渉させることによって発生され得る。あるいは、前記対は他の干渉技術を用いることによって発生され得る。
ライン305・スペース310は、ライン305を露光するために用いられるリソグラフィ技術の特質を示す特徴部を表示する。例えば、ライン305が干渉リソグラフィを用いて露光されるとき、ライン305・スペース310は、干渉リソグラフィ及び、k1因子の特質を示す解像度を示し得る。ここで、k1因子が0.25に近づくと、投影プリントシステム及びその技術の不完全性のために生じるタイプの形状歪みが最小となる。例えば、ライン305・スペース310は、マスク、レンズ、投影光学系を用いること、及び/又は電子の後方散乱、のために生じる不完全性を伴うことなく形成され得る。ライン305・スペース310はまた、干渉リソグラフィ技術によってもたらされる比較的大きな焦点深度による影響も示すことができる。例えば、干渉リソグラフィ技術による比較的大きな焦点深度は、特に、高い開口数が視野深度と、理想的な平坦度を有さない実世界の基板にプリントする能力との双方を制限している光学システムと比較して、特徴部の本質を示す寸法を正確に制御することを可能とする。
ライン305・スペース310は、ウェハ100上のレイアウト片110の付加的な特徴部の形状を定めるために用いることができる。例えば、図5に示されるように、レジスト層215はトレンチ505のシリーズを定めるために現像され得る。レジスト層215は必要に応じてベーキング又はキュアされ、そして、図6に示されるように第2のレジスト層605がレジスト層215上に形成され得る。レジスト層605はトレンチ505を充填してもよいし、上を覆ってもよい。レジスト層605は、例えばウェハ100上のフォトレジストをスピンコートすることによって形成され得る。
レジスト層605は、レジスト層215上に直接形成されてもよいし、層間保護層(図示せず)上に形成されてもよい。保護層はその後に不要な露光がされないように層205を保護するために充分高い吸収係数を有する。保護層はまた、層215と層605とが接触するのを防ぎ、それらを分離する機能も果たし得る。
図7は、潜像700を形成するためにレジスト層605が露光された後のレイアウト片110の上面図、図8はその断面図である。潜像700は1つ以上の露光されない領域705、710、715、720を有し得る。潜像700は任意に形作られ、その中で非露光領域705、710、715、720は繰返しの整列又は配置を含む必要はない。非露光領域705、710、715、720は所望の大きさとされ、1つ又はそれ以上のトレンチ505を跨ぐようにトレンチ505にそれぞれ位置付けられる。非露光領域705、710、715、720はトレンチ505に沿って任意の位置で1つ又はそれ以上のトレンチ505を跨ぎ得る。
潜像700内の非露光領域705、710、715、720はピッチ725で形成され得る。領域ピッチ725は、領域720の幅と隣の最も近い領域705、715への最短の距離との和である。例えば、領域要素ピッチ730はラインピッチ325の2倍の大きさとなり得る。領域ピッチ730はこのように0.5より大きい又は等しいk1因子を生じる。例えば、同じ放射電磁波の波長が用いられると仮定すると、領域ピッチ725ではk1因子は0.7より大きくなる。
領域ピッチ725は比較的大きなk1因子を生じるので、潜像700は、ライン305を露光するために用いられるリソグラフィシステム及びその技術と比較して、低い解像度を有するリソグラフィシステム及びその技術を用いて形成され得る。例えば、もしライン305が、0.25にほぼ等しいk1因子と波長λ1とを有する干渉リソグラフィシステムを用いて形成されるとすると、潜像700は同一の波長λ1と0.5より大きいk1因子とを有する光リソグラフィシステムを用いて形成され得る。例えば、潜像700は古くからのバイナリー光リソグラフィシステム又は、実現可能な解像度及びライン305・スペース310と潜像700との間の重ね合わせ精度が低い光投影リソグラフィ等の他のリソグラフィシステムを用いて形成され得る。
潜像700によってトレンチ505を露出又は遮蔽することは、レジスト605を硬化した後、トレンチ505の繰返し配列に不規則性を導入するために用いることができる。言い換えれば、潜像700の任意の形状が、レイアウト片110内の特徴部の周期的な再現を止めるために用いることができる。例えば、1つ又はそれ以上のトレンチ505の連続性がトレンチ505に沿って任意の位置で終わらされる。
図9及び10は、追加処理を行った後の図8と同一面に沿った断面図である。詳細には、図9はレジスト層が現像された後、選択されたトレンチ505を跨ぐ領域705、710、715、720が残されたレイアウト片110を示している。レジスト層605は必要に応じてベーキングされ、図10に示されるように、レイアウト片110のパターン層210内のトレンチ1005の形状を示すためにエッチングが為される。例えば、トレンチ1005はドライプラズマエッチングを用いて形状を定められる。トレンチ1005はライン305の特徴を受け継ぐ。ここで、ライン305の特徴とは、ライン305を露光するために用いられるリソグラフィ技術に特有のものである。例えば、ライン305が干渉リソグラフィを用いて露光されるとき、トレンチ1005は干渉リソグラフィ及びk1因子の特質を示す解像度を受け継ぐ。ここで、k1因子が0.25に近づくと、投影プリントシステム及びその技術の不完全性によって生じるタイプの形状歪みが最小になる。
図11は、レジスト層220、605(領域705、710、715、720も含む)が剥離された後のレイアウト片110の上面図、図12はその断面図である。レジスト除去後、レイアウト片110のパターン層210は、不規則なトレンチ1005の任意の配列を有する。これは、不規則性が、潜像300に固有の繰返しに導入されたことによる。トレンチ1005は潜像300を形成するために用いられるリソグラフィ技術で利用し得るピッチによって制限されるピッチ325を有する。潜像300に不規則性が導入された後、小さなピッチである潜在するライン305の少なくとも幾つかの連続性が削除されている。この連続性の削除は、マイクロエレクトロニクスデバイスを製造する際に用いるレイアウトパターンを形成する結果となり得る。
図13乃至20はラインの複合的なパターニングのためのもう1つの技術を例示している。詳細には、図13はネガ型フォトレジスト層1310を有するレイアウト片1305の断面図を示している。ネガ型レジスト層1310は潜像1315を形成するために露光されている。潜像1315は、露光されたライン1320及び露光されていないスペース1325が交互になったシリーズを有する。ライン1320は均一な幅1330を有する。スペース1325は均一な幅1335を有する。幅1330と幅1335とは等しくてもよいし、等しくなくてもよい。潜像1315内のライン1320はピッチ1340を有する。ラインピッチ1340は0.35より小さいk1因子を生じ得る。K1因子は0.31より小さくもなり得る。例えば、k1因子は0.25に近づくことができる。
ライン1320は、電子ビームリソグラフィ、干渉リソグラフィ、並びに位相シフトマスク及び光近接補正技術を用いた光リソグラフィ等の数多くの異なるリソグラフィ技術の中の任意の技術を用いて露光され得る。例えば、ライン1320は波長λ1の干渉平行レーザビーム対を用いて露光され、λ1/2に等しいピッチ1340を有するライン1320を露光し得る。
ライン1320・スペース1325は、ライン1320を露光するために用いられるリソグラフィ技術の特質を示す特徴部を表示する。例えば、ライン1320が干渉リソグラフィを用いて露光されるとき、ライン1320は、干渉リソグラフィ及びk1因子の特質を示す解像度を有する。ここで、k1因子が0.25に近づくと、投影プリントシステム及びその技術の不完全性のために生じるタイプの形状歪みが最小となる。スペース1325はまた、干渉リソグラフィ技術によってもたらされる比較的大きな焦点深度による影響も示すことができる。
露光されないスペース310は、ウェハ1310上のレイアウト片1305の付加的な特徴部の形状を定めるために用いることが可能である。図14は、レジスト層1310が2回露光され、非露光スペース305の領域1405、1410、1415、1420を露光した後の、レイアウト片1305の上面図であり、図15はその断面図である。露光領域1405、1410、1415、1420は任意の形状とされ、繰返しの整列又は配置を含む必要はない。露光領域1405、1410、1415、1420は所望の大きさとされ、スペース1325に沿って任意の位置にあるスペース1325の部分を露光するために、露光されたライン1320及び露光されていないスペース1325の領域に対してそれぞれ位置づけられる。この露光は露光されないスペース1325の連続性を分断し、それによって、潜在するライン1320、1325の繰返し配列に不連続性を導入することができる。
露光領域1405、1410、1415、1420はピッチ1425で形成され得る。領域ピッチ1425は、領域1420の幅1430と隣の最も近い領域1405、1415への最短の距離1435との和である。例えば、領域要素ピッチ1430はラインピッチ1340の1.5倍の大きさとなり得る。領域ピッチ1430はこのように0.4より大きいk1因子を生じる。例えば、同じ放射電磁波の波長が用いられると仮定すると、領域ピッチ1430ではk1因子は0.7より大きくなる。
領域ピッチ1430は比較的大きなk1因子を生じるので、領域1405、1410、1415、1420は、ライン1325を露光するために用いられるリソグラフィシステム及びその技術と比較して、低い解像度を有するリソグラフィシステム及びその技術を用いて形成され得る。例えば、もしライン1325が、0.25にほぼ等しいk1因子と波長λ1を有する干渉リソグラフィシステムを用いて形成されるとすると、領域1405、1410、1415、1420は同一の波長λ1と0.5にほぼ等しいk1因子を有する光学リソグラフィシステムを用いて形成され得る。例えば、領域1405、1410、1415、1420は古くからのバイナリー光リソグラフィシステム又は、実現可能な解像度及びライン305・スペース310と領域1405、1410、1415、1420との間の重ね合わせ精度が低いインプリント・電子ビームリソグラフィシステム又は直接描画の光又は電子ビーム等の他のリソグラフィシステムを用いて形成され得る。
図16は、トレンチ1605のシリーズを規定するレジスト層1310がベーキング及び現像された後のレイアウト片1305の断面図である。図17に示されるように、レイアウト片110のパターン層210内のトレンチ1705の形状を定めるためにエッチングが為される。例えば、トレンチ1705はドライプラズマエッチングを用いて形状が定められる。トレンチ1705はライン1320・スペース1325の特徴を受け継ぐ。ここで、この特徴は、ライン1320を露光するために用いられるリソグラフィ技術に特有のものである。例えば、ライン1320が干渉リソグラフィを用いて露光されるとき、トレンチ1705は干渉リソグラフィ及びk1因子の特質を示す解像度を受け継ぐ。ここで、k1因子が0.25に近づくと、投影プリントシステム及びその技術の不完全性によって生じるタイプの形状歪みが最小になる。
図18は、レジスト層1310(露光領域1405、1410、1415、1420を含む)が剥離された後のレイアウト片の上面図、図19はその断面図である。レジスト層1310除去後、レイアウト片110のパターン層210は、不規則なトレンチ1705の任意の配列を有する。これは、不規則性が潜像1315に固有の繰返しに導入されたことによる。トレンチ1705は潜像1315を形成するために用いられるリソグラフィ技術で利用し得るピッチによって制限されるピッチ1340を有する。潜像1315に不規則性が導入された後、ウェハ100上の小さなピッチを有する潜在するスペース1325の少なくとも幾つかの連続性が削除されている。その結果、マイクロエレクトロニクスデバイスに用いられるレイアウトパターンが形成され得る。
図20は複合的な光リソグラフィシステム2000である。システム2000は周囲の囲い2005を有する。囲い2005はクリーンルーム又は、基板に形状をプリントするのに適したその他の場所とし得る。囲い2005はまた、環境安定性、並びに、浮遊微小粒子及びその他のプリント欠陥要因に対する保護の両方を提供するために、クリーンルーム内に置かれた専用の囲まれたシステムとしてもよい。
囲い2005は干渉リソグラフィシステム2010及びパターニングシステム2015を囲む。干渉リソグラフィシステム2010は、共同して基板の干渉パターニングを提供する平行(collimated)電磁放射線源2020及び干渉光学系2025を有する。パターニングシステム2015は、多数の異なる基板パターニング方法の内の何れを用いてもよい。例えば、パターニングシステム2015は電子ビーム投影システム、インプリント焼き付けシステム、又は光投影リソグラフィシステムとすることができる。パターニングシステム2015はまた、電子ビーム直接描画モジュール、イオンビーム直接描画モジュール、又は光直接描画モジュール等のマスクレスのモジュールとしてもよい。システム2010、2015は共通のマスク搬送サブシステム2030、共通のウェハ搬送サブシステム2035、共通の制御サブシステム2040、及び共通のステージ2045を共有する。マスク搬送サブシステム2030はマスクをシステム2000内で位置合わせする装置である。ウェハ搬送サブシステム2035はウェハをシステム2000内で位置合わせする装置である。制御サブシステム2040は1つまたはより多くのシステム2000内の特性又は装置を長期にわたって統制する装置である。例えば、制御システム2040はシステム2000内の装置の位置若しくは動作、又は、周囲の囲い2005内の温度若しくはその他の環境特性を統制する。
制御システム2040はまた、ステージ2045を第1の位置2050と第2の位置2055との間で移動させる。ステージ2045はウェハをしっかり掴むためのチャック2060を有する。第1の位置2050で、ステージ2045及びチャック2060は、掴んだウェハをパターニングシステム2015にパターニング処理のために差し出すことができる。第2の位置2055では、ステージ2045及びチャック2060は、掴んだウェハを干渉リソグラフィシステム2010に干渉パターニング処理のために差し出すことができる。
チャック2060及びステージ2045によるウェハの適切な位置合わせを確実にするため、制御サブシステム2040は位置合わせセンサー2065を有する。位置合わせセンサー2065はウェハの位置を(例えば、ウェハのアライメントマークを用いて)変換・制御し、干渉リソグラフィシステム2010用いて形成されたパターンを、パターニングシステム2015で形成されたパターンに揃えることができる。このような位置合わせは、上述のように干渉形状の繰返し配列の中に不規則性を導入したとき、利用することができる。
図21はパターニングシステム2015の光リソグラフィの実施例を示している。詳細には、パターニングシステム2015はステップ・リピート式投影装置とし得る。そのようなパターニングシステム2015は照明系2105、マスクステージ2100、及び投影光学系2115を有する。照明系2105は電磁放射線源2120及びアパーチャ・コンデンサ2125を有する。放射線源2120は放射線源2020と同一としてもよいし、完全に異なるデバイスとしてもよい。放射線源2120は放射線源2020と同一の又は異なる波長を放射する。アパーチャ・コンデンサ2125は、マスクステージ2100上での投影の均一性を高めるために、放射線源2020からの電磁放射を集め、平行とし、フィルターし、かつ焦点を合わせるための1つまたはより多くのデバイスを有する。パターニングシステム2015はまた、必要に応じて、投影システムの瞳内の照明を成形するために、瞳フィリング成形光学系(pupil filling shaping optics)(図示せず)を有する。
マスクステージ2100はマスク2130を投影経路内で支持する。投影光学系2105は画像の大きさを縮小するための装置を有する。投影光学系2105はフィルタリング投影レンズを有する。ステージ2045は、照明系2105によって、マスクステージ2100及び投影光学系2115を介して露光するために、掴んだウェハを繰り返し移動させることができる。位置合わせセンサー2065は、露光が干渉形状の繰返し配列に揃えられることを確実にし、繰返し配列に不規則性を導入する。
図22は複合的パターニングで用いられるマスクレイアウトを発生させるための処理2200を示している。処理2200は装置製造業者、マスク製造業者、又は半導体ファウンドリ等の単独又は協力して行動する1以上の主体によって遂行される。処理2200はまた、その全体又は一部が、機械が読取可能な命令セットを実行するデータ演算装置によって遂行され得る。
処理2200を遂行する前記主体は、2205で設計レイアウトを受け取る。設計レイアウトとは処理後の基板が所望する物理的設計である。設計レイアウトは機械で読取可能な形式で受け取られる。受け取られた設計レイアウトはレイアウト片の所望の物理的設計を含む。レイアウト片の物理的設計はトレンチ及びトレンチ間のランドの集合を有する。トレンチ及びランドは直線状かつ平行である。トレンチ及びランドはレイアウト片全体にわたり規則的に繰り返される必要はない。例えば、トレンチの連続性はレイアウト片の任意の位置で分断されてもよい。図23はこのような設計レイアウト2300を示している。
図22を参照すると、2210で処理2200を遂行する前記主体は干渉パターン配列レイアウトを受け取る。干渉パターン配列レイアウトとは電磁放射線の干渉によって基板に形成される所望のパターンである。干渉パターン配列レイアウトは機械で読取可能な形式で受け取られる。干渉パターン配列レイアウトは干渉リソグラフィ技術を用いて形成されることが意図される。例えば、干渉パターン配列は平行なライン及びそのライン間のスペースの配列とし得る。図24はこのような干渉パターン配列レイアウト2400の一例を示している。
図22を参照すると、2215で前記主体は設計レイアウトと干渉パターン配列レイアウトとの間の差異を導出することができる。設計レイアウトと干渉パターン配列レイアウトとの間の差異を導出することは、設計レイアウト内のトレンチを、干渉パターン配列レイアウト内のライン又はスペースに位置合わせすること、並びに、設計レイアウト内の不規則性が干渉パターン配列レイアウトと完全に重なることを妨げている位置を導出することを有する。
前記導出は、設計レイアウトが干渉パターン配列レイアウトと完全には重ならない位置を表す残余レイアウトを生じることが可能である。残余レイアウトは機械で読取可能な形式である。前記差異は残余レイアウト内の位置が2つの取り得る状態の内の1つしか取れないブール(Boolean)である。
図25は残余レイアウト2500の一例を示している。残余レイアウト2500はブール差である。詳細には、残余レイアウト2500は重ならない状態にある第1の区域2505と、重なる状態にある切れ目のない第2の区域2510を有する。
図22に戻り、2220で前記主体は残余レイアウト内の区域のサイズ変更を行い得る。残余レイアウトのサイズ変更は、変更された機械で読取可能な残余レイアウトをもたらす。例えば、干渉パターン配列は平行なライン・スペースの配列であるとき、現状の区域の大きさはライン・スペースに垂直な方向に拡大される。図26は、このようにD方向に拡大された後の残余レイアウト2500を示している。幾つかの区域が結合されている。
図22に戻り、2225で前記主体は残余レイアウトを用いてプリントマスクを作成することができる。プリントマスクはサイズ変更された残余レイアウトから作成され、干渉パターン配列等の繰返し配列に不規則性を導入するための、任意形状をした特徴部を作り出す。プリントマスクの作成は、プリントマスクレイアウトの機械で読取可能な記述を作成することを有する。プリントマスクの作成はまた、マスク基板にプリントマスクを明白に具現化することを有する。
複合的パターニングは有利であることがわかる。例えば、単一のレイアウト片は、高解像度システム又はその技術を用いて特徴部のパターンが付けられ、そして、それら特徴部の影響は低解像度システム又はその技術を用いて修正又は削除さえもされ得る。例えば、旧世代の一般的に低解像度の装置が、高解像度の特徴部の影響を修正するために用いられることが可能であり、旧装置の寿命を延ばすことができる。高解像度システムは高解像度の特徴部の製造に充てる一方で、高解像度の特徴部の連続性の修正には低価格の低解像度システムを用いることによって、パターン密度が増加され、処理コストが削減される。例えば、高解像度だが比較的廉価な干渉システムが、比較的廉価な低解像度システムと結合されて、多額の設備投資なしで、高品質な高解像度パターンを形成することが可能となる。干渉システムを用いて形成されたパターンの配置は低解像度システムで変更できるので、干渉システムの適用性が向上する。特に、干渉システムは干渉パターンの形状や配置によって制約されない任意の特徴部の配置を形成するために用いられ得る。
実施について多く記載してきたが、それにもかかわらず、様々な変更が為されることが理解されるであろう。例えば、ポジ型及びネガ型のレジストの両方が用いられ得る。異なる波長を利用するリソグラフィ技術が、同一基板を処理するために用いられ得る。半導体基板以外の基板がパターニングされ得る。従って、その他の実施は添付の請求項の範囲に含まれる。