JP2007336732A - ステータ - Google Patents

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Abstract

【課題】圧粉磁心を用いたステータの強度確保と、省スペース化とを両立させる。
【解決手段】ステータコアは、分割コア20を周回方向に円筒形に並べて作られる。分割コアのコアバック50の上端面60には、穴62,64が設けられている。そして、上端面には、貫通孔66,68が開けられた補強リング40が配置され、リベット70,72によって結合される。これにより、隣接する分割コアとの間では、側面58を通じてのみならず、補強リング40を通じても応力が伝達される。
【選択図】図2

Description

本発明は、モータに用いられるステータ、特に、圧粉磁心を利用したステータを構築するための技術に関する。
下記特許文献1には、磁性粉体の焼結により成形した分割コアを用いて、ステータを生成する技術が開示されている。具体的には、円筒形のハウジング内に、台形形状の分割コアを交互に並べてステータを組み立てている。
下記特許文献2には、円環状のコアバックの内周面に設けられた凸部に、ティースの凹部を嵌合させてステータを構成する技術が開示されている。この技術では、コアバックとティースの少なくとも一方が磁性粉体で成形される。
下記特許文献3には、ティースを備えた複数の分割コアを組み合わせてステータを構成する技術が開示されている。この技術では、分割コアの一側面に円弧状の凹部を設け、他側面に円弧状の凸部を設けて隣接する分割コア同士を嵌合させることで、広い面で外力を受け止め、応力の集中を防止している。ただし、各分割コアは、積層部材の積層により作成されている。下記特許文献4には、隣り合う分割コア同士の重なり部をボルトによってフレームに固定する技術が開示されている。この技術は、磁束の通り道となる面同士を確実に接触させ、磁束を通りやすくするものである。下記特許文献5には、円筒形のコアバックに複数のティースを嵌合してステータを固定する技術が記載されている。
特開2004−328965号公報 特開2003−224940号公報 特開2005−39992号公報 特開平11−275830号公報 特開平11−127549号公報
圧粉磁心は、低損失材料を用いると強度が低下するため、高応力に対する強度が不足する。しかし、上記特許文献1乃至5には、圧粉磁心に作用する応力を低下させる技術は開示されていない。
本発明の目的は、圧粉磁心を用いたステータに対する応力集中を防止することにある。
本発明の別の目的は、圧粉磁心を用いたステータの強度確保と、ステータの省スペース化とを両立させる技術を確立することにある。
本発明のステータは、圧粉磁心により成形された複数の分割コアが周方向に並べられ、円筒形状に構成されたステータコアと、ステータコアの円筒形状に対応した環形状の部材であって、圧粉磁心よりも高強度の素材により作られ、各分割コアに結合された補強部材と、を備える。
ステータは、モータに用いられる部品である。モータにおいては、ロータとステータの間の電磁気的作用により、ロータが回転する。ステータは、このロータを囲むように(通常はロータの外側に)設置される。
ステータは、ロータに作用する磁束(磁界)を作り出すステータコアと、ステータコアの強度を補強する補強部材とを備える。ただし、補強部材が磁束の通り道の一部を担っていてもよい。そして、ステータコアは、複数のティースと、これらの背後に設けられるコアバックとを備える。ティースは、コイルが巻かれ、コイルに適当な電流が流されることで、磁極として機能するものである。また、コアバックは、ティースの背後に設けられ、ティース間における磁束の通り道として機能する。ステータコアは、分割コアを円筒形状の周方向に並べることで、円筒形状に構成されている。
分割コアは、通常、少なくとも一つのティースと、その背後のコアバックを備える。この分割コアは、圧粉磁心の成形により作られる。すなわち、典型的には、鉄粉等の磁性粉末と樹脂等の絶縁物を含む圧粉磁心を型を用いて固めることで、型に応じた形状をもつ分割コアが作られる。成形にあたっては、焼結や焼き鈍し等の付随的な処理を施してもよい。なお、分割コアを製造するにあたっては、製造手順を簡略化する観点からは、ティースとコアバックを一体的に成形することが望ましいが、例えば、ティースにコイルを巻きやすくするといった観点からは、ティースとコアバックを別々に成形し、ティースにコイルを巻いた後に両者を組み立てることも可能である。
補強部材は、ステータコアの形状に対応した環形状(ステータと同様の円筒形状であってもよいが、ステータほどの厚みを持たない形状も含める意味で環形状と呼んでいる)に作られている。そして、個々の分割コアのコアバックと結合されることで、ステータの強度を補強する役割を果たしている。補強部材は、圧粉磁心よりも高強度の素材により作られる。圧粉磁心よりも強度が強いとは、単位面積、単位体積又は単位質量あたりの強度が高い部材をいう。ここで、強度とは、適当な外力によって、弾性もしくは塑性変形を受けにくい度合い、または、破壊されない度合いをいう。強度の例としては、引っ張り力に耐える伸張強度、圧縮力に耐える圧縮強度、剪断力に耐える剪断強度などを挙げることができる。圧粉磁心よりも高強度の素材は、圧粉磁心の特性によって相対的に変化するが、敢えてそのような素材を例示すれば、冷間圧延鋼板(SPCC)やアルミなどを挙げることができる。
なお、圧粉磁心は、一般に、圧縮強度は比較的高いが、伸張強度は比較的低いという特性をもつ。そこで、この観点からは、補強部材として伸張強度が比較的強い部材を採用することが効果的であり、また、圧粉磁心に作用する伸張の力を吸収するように補強部材とステータコアとを結合することも有効であると言える。さらに、圧粉磁心は、一般に、高応力の下で強度が低下する特性をもつ。この観点からは、補強部材として高応力の下での強度が低下しない部材を採用することが望ましいと考えられ、また、圧粉磁心に作用する応力を吸収するように補強部材とステータコアとを結合する方が良いとも言える。
この構成によれば、補強部材により、各分割コアに作用する応力を分散させることができるため、補強部材を用いない場合に比べ、高強度のステータを作ることができる。特に、高応力の下での強度が低下しない素材を補強部材として用いることで、ある程度の強度と、ある程度の省スペース性(あるいは軽量性)とを両立させたステータ(そしてモータ)を作ることが可能となる。
本発明のステータの一態様においては、各分割コアと補強部材とは、圧粉磁心よりも高強度の素材により作られた結合部材を用いて結合される。結合部材とは、結合に用いられる第三の部材をいう。結合部材の例としては、リベット(ピン)、ボルト、カシメ部材などを挙げることができる。例えば、リベットと補強部材とを溶接するなど、さらに結合を強固にする処理が行われてもよい。
本発明のステータの一態様においては、各分割コアと補強部材には、穴構造が設けられ、各分割コアと補強部材とは、この穴構造に前記結合部材を入れられて結合される。特に、圧入(打ち込み)や捻入(ねじ込み)などにより結合部材を穴構造に入れた場合には、強度を高める効果が期待できる。結合部材としては、穴に入れやすい観点からはリベットやボルトのように細長の直線的形状が採用されるが、U字型部材などを採用してもよい。
本発明のステータの一態様においては、分割コアに設けられた穴構造は、分割コアの成形時に一体成形される。これにより、あとから加工して穴構造を作り出す必要がなくなる。これは、電磁鋼板の積層によってステータを作る場合には採用できない態様であり、圧粉磁心を使用するからこそ採用できる利点であると言える。
本発明のステータの一態様においては、各分割コアに設けられた穴構造は、分割コアの表面に対し該垂直に形成されている。そして、結合部材は、分割コアの表面に対し該垂直に入れられる。該垂直とは、垂線に対し10度以内、特に好ましくは3度以内程度をいう。これにより、一般に、ステータコアの表面に比較的バランスよく応力が作用するようになる。また、本発明のステータの一態様においては、各分割コアに設けられた穴構造は、当該ステータと対になるロータの周回方向に対し該垂直に形成されている。そして、結合部材は、ロータの周回方向に対し該垂直に入れられる。これにより、結合部材は、ステータが受ける回転反力(トルク)に対して垂直の方向から力を受けることになる。よって、ロータがどちら向きに回転しても、また、加速でも減速でも分割コアから結合部材へと(そして補強部材へと)安定して力を伝達することが可能となる。なお、この構成とは異なり、結合部材を斜めに入れることも可能である。これにより、回転方向における前方または後方の一方からの力を十分に受け止められるようになる。結合部材を異なる斜め方向に入れ、回転方向における両方向からの力を十分に受け止められるようにしてもよい。
本発明のステータの一態様においては、各分割コアと補強部材には、相対応する嵌合構造が設けられ、各分割コアと補強部材とは、この嵌合構造の嵌合により結合される。つまり、少なくとも一方に突起部(突起帯や突起群でもよい)が設けられ、他方に穴部(貫通孔や溝でもよい)が設けられ、これらが嵌合することで結合が行われる。結合を強化するため、接着剤を利用してもよい。また、本発明のステータの一態様においては、分割コアに設けられた嵌合構造は、分割コアの成形時に一体成形される。
本発明のステータの一態様においては、各分割コアは、隣接する分割コアと相互に結合され、各分割コアと補強部材とは、一箇所で結合される。この構成では、分割コア同士が結合されるため、補強部材と各分割コアのコアバックを一箇所で結合しても、分割コアの振動や位置ずれなどを抑制することが可能となる。なお、一箇所で結合されているとは、結合可能な領域全体のある一部分で結合されていることをいう。一点ではなく、ある程度の拡がりを持っていても良いが、線状または面状に大きく拡がることは想定していない。一箇所で結合した場合には、結合のための処理が簡単になる。また、本発明のステータの一態様においては、各分割コアと隣接する分割コアとには、相対応するコア間嵌合構造が設けられ、各分割コアと隣接する分割コアとは、コア間嵌合構造の嵌合により結合され、コア間嵌合構造は、分割コアの成形時に一体成形される。
本発明のステータの一態様においては、補強部材は、ステータコアの円筒形状の端面(そして各分割コアの端面)に配置される。端面とは、円筒形状の端の面をいう。補強部材の一部は側面へと拡がっていてもよいが、補強部材が端面にのみ配置されると、体格を小さくする(省スペース化する)上で有利となる。
本発明のステータの一態様においては、補強部材は、ステータコアの円筒形状の一端面にのみ配置される。一般には、一端面にのみ設ければ、十分な強度を確保できると考えられ、また、組み立ても容易となる。しかし、バランスを重視する場合や、十分な強度を確保できない場合には、この構成の代わりに、両端に補強部材を設けることも有効である。
本発明のステータの一態様においては、補強部材は、ステータコアの円筒形状の外周面に配置される。補強部材は、外周面を全面的に覆うものであってもよいし、一部のみを覆う(つまり幅狭に作られる)ものであってもよい。
本発明のステータの一態様においては、各分割コアと補強部材とは、二箇所または三箇所以上で結合される。この構成は、隣接する分割コアが結合されない場合に、特に有効である。つまり、隣接する分割コアを結合しなくても、分割コアの動きの自由度を奪い、位置ずれの抑制を図ることが可能となる。二箇所にした場合には、比較的結合が簡単となり、三箇所(特に三角形をなす三箇所)だと動きの自由度を厳しく制限できる点で有効である。
本発明のモータは、前記ステータと、前記ステータの内側に配置されたロータと、を備える。前記ステータを採用することで、比較的高い強度をもち、かつ、体格を小さくしたモータを実現することができる。
図1は、本実施の形態にかかるステータ10の概略的な構成を示す斜視図である。ステータ10は、円筒形状に作られている。このステータ10の中央には、ロータが配置され、モータが構築される。
ステータ10は、ステータコア12を備えている。そして、ステータコア12は、18個の分割コア20,22,...を周方向に並べて作られている。各分割コア20,22,...は、ステータコア12の円筒の外壁を構成するコアバック(ヨークとも呼ばれる)と、コアバックから内側に突き出たティース30,32,...を備えている。ティース30,32,...は、その周囲に巻かれるコイルと、コイルに流される電流によって、ロータの回転運動を制御する磁極として機能し、コアバックは磁極間に伸びる磁束の通り路として機能する。
ステータコア12の上端には、冷間圧延鋼板で作られた補強部材としての補強リング40が設置されている。そして、補強リング40は、各分割コア20,22,...のコアバックと結合されている。なお、この例では、ステータコア12の下端には、補強リングは設けられていない。これは、上端の補強リング40のみで必要な強度を確保できていること、また、上端の補強リング40のみを設けるほうが組み立ての容易性と省スペース性に優れていることなどの理由による。
図2は、図1のステータコア12の一部分について示した分解図である。図には、一つの分割コア20と、補強リング40の一部、及びこれらを結合するリベット70,72が示されている。
分割コア20は、突起状のティース30と、その背後に位置する板状のコアバック50とを備える。ティース30は、コアバック50の内壁面56の中央付近から突き出た柱部52と、その先端に設けられた幅広のアーチ面部54とからなる。そして、柱部52は、内壁面56に比べて幅狭に作られており、その周囲にはコイルが巻かれる。また、アーチ面部54は、その内側に配置されるロータと近接するように、アーチ形状につくられている。
コアバック50の側面58は、平坦に作られており、隣接する分割コアのコアバックと接触するように配置されるが、直接的に結合されることはない。コアバック50の上端面60も平坦に作られており、補強リング40の平坦な下面と密着する。また、コアバック50の上端面60には、距離をあけて二つの穴62,64が作られており、補強リング40には、対応する貫通孔66,68が開けられている。そして、リベット70,72は、それぞれ、貫通孔66、68を貫いて穴62,64に圧入され、補強リング40と分割コア20とを密着固定させる。これにより、コアバック50には、リベット70,72を通じて剪断力が作用し、応力の一部を開放することとなる。なお、リベット70,72と補強リング40とを、穴62,64への圧入前あるいは圧入後に溶接によって一体化し、両者の結合を高めることも有効である。二つの穴62,64は、コアバック50の上端面60に対し垂直に開けられており、リベット70,72は、コアバック50の上端面60に対し垂直に差し込まれる。したがって、リベット70,72は、加速時にも減速時にも、順回転時にも逆回転時にも、コアバック50から横向きの力(リベットに垂直な方向からの力)を受ける。
図示した分割コア20は、圧粉磁心の成形により一時に作られる。すなわち、ティース30、コアバック50、及び穴62,64が同時に成形される。また、隣接する分割コアも、図示した分割コア20と同形状であり、同様にして圧粉磁心の成形により作られる。そして、各分割コアは、ティースにコイルを巻かれた後、補強リング40にリベットで固定される。こうして作られたステータ10は、別途作成されたロータとともにモータのハウジングに設置され、これによりモータが作られる。
モータの運転は、コイルに適当な電力を供給することで行われる。これにより、分割コアの各磁極とロータとの間で磁気的相互作用が生じ、ロータが加速あるいは減速される。この時、各分割コアには、この磁気的相互作用にともなう反力を受ける。そして、この反力は、各分割コアの内部においては、応力として作用することになる。
一般に、圧粉磁心の強度は、低損失材料を用いると低下する傾向がある。一方、各分割コア、そして、各分割コアが並べられたステータコアは、急激な加速や減速にともなう応力に耐えるだけの強度をもつ必要がある。ところが、圧粉磁心は、電磁鋼板などに比べて強度、特に伸張に対する強度が小さい。そこで、ステータコアの体格を大きくするなどして強度を高める必要が生じる。
しかし、図1,2に示したステータ10では、各分割コアを補強リング40に結合させているため、各分割コアに作用する応力は、隣接する分割コアとの接触面を通じてだけでなく、補強リング40を通じても広い範囲に分散されることになる。つまり、各分割コアに作用する応力は低下し、各分割コアに要求される強度は小さくて済むことになる。また、各分割コアからの応力が作用する補強リング40は、高い強度特性をもつ冷間圧延鋼板を用いて作られている。したがって、圧粉磁心を用いて補強を行う場合に比べて、小さな断面積で必要な強度を確保することができる。つまり、ステータ10は、圧粉磁心を主として構成した場合に比べ、小さく作ることができる。
続いて、図3乃至図5を用いて、変形例について説明する。
図3は、変形例にかかるステータ80の概略的な構成を示す斜視図である。ステータ80は、図1に示したステータ10とほぼ同様にして作られている。すなわち、圧粉磁心の成形により作られた18個の分割コアを円筒形状に並べることで、ステータコア82が作られており、また、ステータコア82は円筒形状をなす冷間圧延鋼板製の補強リング84によって補強されている。ただし、ステータ80では、ステータ10とは異なり、補強リング84はステータコア82の外周面を全面的に覆うように設置されている。そして、補強リング84とステータコア82との結合は、補強リング84の上端面で行われている。
図4は、ステータコア82を構成する一つの分割コア90について示した斜視図である。この分割コア90は、図2に示した分割コア20とほぼ同様に構成されており、ティース91とコアバック92とを備える。しかし、コアバック92の上端面には、穴が設けられていない。また、コアバック92の一方の側面には、下端から上端にわたって円柱形状の凸部94が設けられている。そして、上端側では、凸部94の先には、上端面よりも上側に突き出てた突起部96が設けられている。さらに、コアバック92の他方の側面には、下端から上端にわたって円柱形状に凹んだ凹部98が設けられている。これらの凸部94、突起部96、及び凹部98は、圧粉磁心によって分割コア90を成形する際に、同時に作り出される。
各分割コアは、図4に示した分割コア90と同様にして作られている。すなわち、その一方の側面には、凸部が作られ、他方の側面には凹部が作られている。そして、ステータコア82を組み立てる際には、隣り合う分割コアを上下方向にスライドさせることで、互いの凸部と凹部とが嵌合される。つまり、ステータコア82は、隣り合う分割コア同士が結合され、変形しにくく作られている。
図5は、ステータコア82と補強リング84の結合の様子を説明する部分的な斜視図である。図においては、ステータコア82のうち、隣り合う二つの分割コア90,100の一部を示している。両分割コア90,100は、凸部と凹部とが嵌合されて、密着固定されている。そして、その外側は補強リング84によって囲われている。
ステータコア82の上端面は、両分割コア90,100の各コアバック92,102によって平坦に作られている。ただし、両分割コア90,100の境界では、分割コア90の突起部96が上方に飛び出している。そして、この突起部96には、補強リング84の結合部110の孔が嵌め合わされている。結合部110は、ステータコア82の側面を覆う主要部と一体的に作られており、主要部に対して直角に内側に折り曲げ加工されている。このため、突起部96と結合部110とを嵌め合わせることで、ステータコア82と補強リング84とが結合されることになる。
なお、図1,2に示したステータ10では、補強リング40と各分割コアとは、それぞれ二つのリベットを用いて、二箇所で結合された。これに対し、ステータ80では、補強リング84は各分割コアと、それぞれ一つの突起部により一箇所で結合されている。しかし、ステータ80では、隣り合う分割コア同士が互いに嵌合されているため、分割コア同士のガタつきを防ぐことができる。また、ステータ80では、補強リング84の内周面全体がステータコア82の外周面全体と接するように作られており、全体の形状が安定化する利点も生じている。
以上に示した実施形態は、さらに様々に変形することができる。
一例としては、図3に示したようなステータコア82の外周面を覆う補強リングを、リベットによってステータコアに結合する態様を挙げることができる。リベットにより結合する場合には、例えば、図5に示した突起部96のような折り曲げ部を補強リングに設け、ステータコアの上端面と折り曲げ部とをリベット結合するようにしてもよい。また、折り曲げ部は設けず、ステータコアの外周面に対してリベットを圧入し、結合することも有効である。
また、ステータコアと補強リングとの間の力の伝達箇所を分散させることも有効である。図1乃至図5を用いて説明した例のように、一箇所または二箇所でのみ分割コアと補強リングとを結合した場合には、この一箇所または二箇所の点において、分割コアに応力が集中してしまうことも考えられる。そこで、三箇所以上の点において結合を行ったり、線状または面状の結合を行って、応力の集中を避けることが有効となる。また、結合箇所を拡げるのではなく、接触のしかたを変えることで応力を分散させることも可能である。例えば、分割コアと補強リングとの接触面を同形状に波打たせることで、接触面を通じて応力が伝えられるようになる。さらには、リベットや突起部の直径を太くしたり、全長を長くしたりすることで、応力を分散することも有効であろう。
ステータの概略的な構成例を示す斜視図である。 図1のステータを構成する分割コアの分解図である。 変形例にかかるステータの概略的な構成を示す斜視図である。 図3のステータを構成する分割コアの斜視図である。 図3のステータの分割コアと補強リングとの結合例を説明する図である。
符号の説明
10,80 ステータ、12,82 ステータコア、20,22,90,100 分割コア、30,32,91 ティース、40,84 補強リング、50,92,102 コアバック、52 柱部、54 アーチ面部、56 内壁面、58 側面、60 上端面、62,64 穴、66,68 貫通孔、70,72 リベット、94 凸部、96 突起部、98 凹部、110 結合部。

Claims (15)

  1. 圧粉磁心により成形された複数の分割コアが周方向に並べられ、円筒形状に構成されたステータコアと、
    ステータコアの円筒形状に対応した環形状の部材であって、圧粉磁心よりも高強度の素材により作られ、各分割コアに結合された補強部材と、
    を備えることを特徴とするステータ。
  2. 請求項1に記載のステータにおいて、
    各分割コアと補強部材とは、圧粉磁心よりも高強度の素材により作られた結合部材を用いて結合されることを特徴とするステータ。
  3. 請求項2に記載のステータにおいて、
    各分割コアと補強部材には、穴構造が設けられ、
    各分割コアと補強部材とは、この穴構造に前記結合部材を入れられて結合されることを特徴とするステータ。
  4. 請求項3に記載のステータにおいて、
    分割コアに設けられた穴構造は、分割コアの成形時に一体成形されることを特徴とするステータ。
  5. 請求項3に記載のステータにおいて、
    各分割コアに設けられた穴構造は、分割コアの表面に対し該垂直に形成されていることを特徴とするステータ。
  6. 請求項3に記載のステータにおいて、
    各分割コアに設けられた穴構造は、当該ステータと対になるロータの周回方向に対し該垂直に形成されていることを特徴とするステータ。
  7. 請求項1に記載のステータにおいて、
    各分割コアと補強部材には、相対応する嵌合構造が設けられ、
    各分割コアと補強部材とは、この嵌合構造の嵌合により結合されることを特徴とするステータ。
  8. 請求項7に記載のステータにおいて、
    分割コアに設けられた嵌合構造は、分割コアの成形時に一体成形されることを特徴とするステータ。
  9. 請求項1に記載のステータにおいて、
    各分割コアは、隣接する分割コアと相互に結合され、
    各分割コアと補強部材とは、一箇所で結合されることを特徴とするステータ。
  10. 請求項9に記載のステータにおいて、
    各分割コアと隣接する分割コアとには、相対応するコア間嵌合構造が設けられ、
    各分割コアと隣接する分割コアとは、コア間嵌合構造の嵌合により結合され、
    コア間嵌合構造は、分割コアの成形時に一体成形されることを特徴とするステータ。
  11. 請求項1に記載のステータにおいて、
    補強部材は、ステータコアの円筒形状の端面に配置されることを特徴とするステータ。
  12. 請求項11に記載のステータにおいて、
    補強部材は、ステータコアの円筒形状の一端面にのみ配置されることを特徴とするステータ。
  13. 請求項1に記載のステータにおいて、
    補強部材は、ステータコアの円筒形状の外周面に配置されることを特徴とするステータ。
  14. 請求項1に記載のステータにおいて、
    各分割コアと補強部材とは、二箇所または三箇所以上で結合されることを特徴とするステータ。
  15. 請求項1乃至14のいずれか1項に記載のステータと、
    前記ステータの内側に配置されたロータと、
    を備えるモータ。
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