JP2007331687A - クローラ走行装置 - Google Patents

クローラ走行装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2007331687A
JP2007331687A JP2006168447A JP2006168447A JP2007331687A JP 2007331687 A JP2007331687 A JP 2007331687A JP 2006168447 A JP2006168447 A JP 2006168447A JP 2006168447 A JP2006168447 A JP 2006168447A JP 2007331687 A JP2007331687 A JP 2007331687A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
arm portion
drive arm
drive
link
airframe
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2006168447A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoichi Nakasa
陽一 仲佐
Tatsuya Yamane
達也 山根
Takashi Saito
崇 齊藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Agricultural Machinery Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Agricultural Machinery Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Agricultural Machinery Co Ltd filed Critical Mitsubishi Agricultural Machinery Co Ltd
Priority to JP2006168447A priority Critical patent/JP2007331687A/ja
Publication of JP2007331687A publication Critical patent/JP2007331687A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Harvester Elements (AREA)
  • Lifting Devices For Agricultural Implements (AREA)

Abstract

【課題】下降位置から機体を上昇させる際の起動トルクを大きく確保でき、シリンダ装置を等速駆動させた際の機体の昇降速度の変化が少ないクローラ走行装置を提供する。
【解決手段】作用アーム部13Rを水平に回動させた下降状態でリンク12Rには最大負荷トルクが作用する。油圧シリンダ15による駆動アーム部14Rの回動範囲を回動軸22Rよりも上昇側(後方)に制限して、作用アーム部13Rを水平に回動させた際に油圧シリンダ15がほぼ90度の角度で駆動アーム部14Rを駆動するように、作用アーム部13Rと駆動アーム部14Rとの交差角度および油圧シリンダ15の配置を定めてある。
【選択図】図2

Description

本発明は、コンバイン等の機体を支持して走行するクローラ走行装置に関し、詳しくはトラックフレームに対する機体の相対高さを調整するための機構に関する。
左右のクローラ走行面の傾きを相殺して機体を水平に保持したり、クローラ走行面の沈み込み量を相殺して地表からの機体高さを保持するクローラ走行装置を装備したコンバインが実用化されている。
特許文献1には、駆動アーム部と作用アーム部とを有して機体側の回動軸で回動可能に支持されたリンク部材を備えたクローラ走行装置が示される。ここでは、作用アーム部がトラックフレームに取り付けられ、シリンダ装置が駆動アーム部を駆動してリンク部材に回動軸回りのトルクを作用させている。そして、リンク部材の回動位置に応じてトラックフレームに対する機体の相対高さが設定される。
また、トラックフレームに沿って配置された前後のリンク部材の駆動アーム部を相互に接続して前後のリンク部材の回動を連繋させるロッド部材を備えており、後方のリンク部材に伝達されたシリンダ装置の駆動力は、ロッド部材を通じて前方のリンク部材を回動させる。前後のリンク部材が平行リンク機構を構成しているので、リンク部材の回動に伴って、機体は、水平に保持された状態で昇降する。
特開平7−274670号公報
特許文献1に示されるクローラ走行装置では、水平に配置されたシリンダ装置が、後方のリンク部材の駆動アーム部を回動軸の前後に渡っていわゆる振り分け駆動するので、下降位置から機体を上昇させる際の起動トルクが不足する。水平な作用アーム部が機体重量による最大負荷トルクを発生させる一方で、回動軸を挟んで作用アーム部と反対側に回動された駆動アーム部は、実効駆動半径が小さいため、小さな駆動トルクしか発生できないからである。
また、シリンダ装置を等速駆動させると、振り分け駆動に伴う実効駆動半径の変化に起因して、駆動アーム部が垂直になる回動位置を挟んで機体の昇降速度が不自然に変化するので、機体の昇降が円滑でなく、運転者にストレスを与えてしまう。
本発明は、下降位置から上昇させる際の起動トルクを大きく確保でき、シリンダ装置を等速駆動させた際の機体の昇降速度の変化が少ないクローラ走行装置を提供することを目的としている。
請求項1のクローラ走行装置は、転輪(19)を支持するトラックフレーム(11)と、駆動アーム部(14R)と作用アーム部(13R)とを有して機体(1)側の回動軸(22R)で回動可能に支持され、前記作用アーム部(13R)が前記トラックフレーム(11)に取り付けられたリンク部材(12R)と、前記駆動アーム部(14R)を駆動して前記リンク部材(12R)に前記回動軸(22R)回りのトルクを作用させるシリンダ装置(15)とを備え、前記リンク部材(12R)の回動位置に応じて前記トラックフレーム(11)と前記機体(1)との相対高さが設定されるクローラ走行装置(2R,2L)において、前記機体(1)の下降位置にて、前記シリンダ装置(15)の駆動方向と前記駆動アーム部(14R)とのなす角度が、昇降過程中最大かつ90度以下となるように、前記シリンダ装置(15)を配置したものである。
請求項2のクローラ走行装置は、請求項1の構成において、前記リンク部材(12F、12R)が前記トラックフレーム(11)に沿って一対配置され、前記駆動アーム部(14F、14R)を相互に接続して一対の前記リンク部材(12F、12R)の回動を連繋させるロッド部材(16)を備え、前記ロッド部材(16)に駆動される従動側の前記リンク部材(12F)は、駆動アーム部(14F)と作用アーム部(13F)との交差角度が、前記シリンダ装置(15)に接続される駆動側の前記リンク部材(12R)の前記交差角度より大きく、駆動側の前記駆動アーム部(14R)は、前記ロッド部材(16)の接続位置と前記回動軸(22R)とを結ぶ直線が従動側の前記駆動アーム部(14F)と平行になるように、前記シリンダ装置(15)の接続位置(25)と前記回動軸(22R)とを結ぶ直線(35)から離間した位置(24R)に前記ロッド部材(16)が接続されているものである。
なお、上記括弧内の符号は、図面と対照するためのものであるが、これにより特許請求の範囲に何等影響を及ぼすものではない。
請求項1に係る本発明によると、リンク部材が最大負荷トルクを受ける下降位置からの機体の上昇時に駆動アーム部の実効駆動半径が最大となり、シリンダ装置がリンク部材に最大駆動トルクを作用させる。従って、下降位置から上昇開始する際のシリンダ装置の負担が軽減され、軽減された負担に基づいてシリンダ装置を選択し、軽減された応力状態に基づいてリンク部材を強度設計できるので、部材の小型化軽量化、小型化による設計自由度の拡大を通じて、低コストでメンテナンス性に優れたクローラ走行装置を提供できる。
そして、機体の上昇過程では、リンク部材の負荷トルクが減るのと連動して駆動アーム部の実効駆動半径が短くなるので、昇降過程を通じてシリンダ装置に要求される駆動力の変化が小さくなる。そして、必要な駆動力の裏返しで、シリンダ装置を等速駆動した際の昇降速度の変化も少なくなり、機体の昇降が円滑で自然なものとなり、運転者にとってストレスの少ない快適な運転環境を提供できる。
請求項2に係る本発明によると、駆動側の駆動アーム部と従動側の駆動アーム部とが平行でない場合でも、駆動側の駆動アーム部に従動側の駆動アーム部と平行な仮想的な駆動アーム部を準備できる。従って、平行でない一対の駆動アーム部の間でロッド部材を用いた平行リンク機構を構成して、一対のリンク部材を等しい速度で等しい角度づつ回転させることができる。これにより、トラックフレームに対して機体を水平に保持したまま、振動や揺動少なく昇降させることができる。
また、従動側の駆動アーム部が昇降過程で振り分け動作となるので、ロッド部材の駆動に係る駆動アーム部の実効駆動半径が最大の範囲を利用でき、ロッド部材および駆動アーム部の応力が軽減される。従って、上昇駆動が安定するとともに、駆動アーム部の小型化、薄型化、軽量化を通じて昇降機構をコンパクトに構成できる。
以下、図面に沿って本発明の一実施形態のコンバインを説明する。本発明のクローラ走行装置は、以下に説明する実施形態の限定的な構成には限定されない。機体1を昇降可能に支持してクローラ走行する限りにおいて、実施形態の構成の一部または全部を、その代替的な構成で置き換えた別の実施形態でも実現可能である。コンバイン10への装備にも限定されない。
<コンバイン>
図1は本発明の一実施形態であるコンバインを斜め前方から見た外観図である。図1に示すように、本実施形態のコンバイン10の機体1は、左右一対のクローラ走行装置2L、2Rによって支持され、湿地帯や凹凸のある植付圃場でも走行可能である。
機体1の後部には、刈り取った穀稈から穀粒等を分離する脱穀機5が搭載され、機体1の前部には、植立穀稈を刈り取る前処理部3が配置されている。コンバイン10の進行方向右側に片寄せて運転席4が配置され、運転席4の後方に、脱穀機5で分離された穀粒等を一時貯留する貯留タンク6が設けられている。
左右一対のクローラ走行装置2L、2Rは、独立した昇降機構によって機体1の左右を支持しており、左右のクローラ走行装置2L、2Rの昇降機構の昇降量は、機体1の傾きおよび高さの検知結果に基いて自動的に調整される。これにより、植付圃場の凹凸、クローラ走行装置2L、2Rの沈み込み量差等によらず、機体1は植付圃場面から一定の高さで水平に保持される。
また、従来機種と同様に、不図示の車高レバーを運転席4に備えており、運転者が、車高レバーを操作して、機体1の左右傾き角度や車高を手動で任意に調整して、コンバイン10による作業を行うことも可能である。
クローラ走行装置2L、2Rは、機構的には同一に構成されているので、以下では、機体1の進行方向左側に配置されたクローラ走行装置2Lについて説明する。
<クローラ走行装置>
図2は機体を下降させた状態のクローラ走行装置の構成の説明図、図3は機体を上昇させた状態のクローラ走行装置の構成の説明図である。図2に示すように、クローラ走行装置2Lは、駆動輪18によって駆動されて循環するクローラ20の内周を、トラックフレーム11に回転自在に支持された複数の転輪19に案内させている。トラックフレーム11は、前後の回動軸22F、22Rでそれぞれ軸支された前後のリンク12F、12Rを介して機体1(図1)のメインフレーム9に取り付けられている。
機体1(図1)のメインフレーム9は、左右のクローラ走行装置2L(2R)の間隔に位置して、前側の回動軸22Fで前側のリンク12Fを軸支し、後側の回動軸22Rで後側のリンク12Rを軸支している。リンク12Fは、回動軸22Fを回転軸とするクランク機構であって、外側に配置された作用アーム部13Fと内側に配置された駆動アーム部14Fとを回動軸22Fで固定して一体に回動させる。リンク12Rは、回動軸22Rを回転軸とするクランク機構であって、外側に配置された作用アーム部13Rと内側に配置された駆動アーム部14Rとを回動軸22Rで固定して一体に回動させる。
リンク12Fの作用アーム部13Fは、回動軸23Fでトラックフレーム11に取り付けられ、リンク12Rの作用アーム部13Rは、回動軸23Rでトラックフレーム11に取り付けられる。図2に示すように、作用アーム部13F、13Rを水平に回動させた状態が機体1(図1)を最も下降させた状態である。そして、図3に示すように、作用アーム部13F、13Rの先端側を下方へ約40度回動させた状態が機体1(図1)を最も上昇させた状態である。
後側の駆動アーム部14Rの先端に固定されたピン25に油圧シリンダ15の出力軸26が回転可能に軸支される。油圧シリンダ15の取り付け部21は、メインフレーム9に対して回動可能に取り付けてある。油圧シリンダ15は、図2に示すように、駆動アーム部14Rを水平に押して本体1(図1)の上昇を開始させ、図3に示すように駆動アーム部14Rを斜め下方に押して本体1(図1)の上昇を完了する。
前後のリンク12F、12Rの駆動アーム部14F、14Rを接続して配置されたロッド16は、油圧シリンダ15に駆動された後側の駆動アーム部14Rの回転を前側の駆動アーム部14Fに伝達して前後のリンク12F、12Rの回動を連繋させる。後側の駆動アーム部14Rにロッド16を取り付けるピン24Rは、駆動アーム部14Rの中心線から前側へ離間して配置されているので、ピン24Rと回動軸22Rとを結ぶ仮想的なリンクは、前側の駆動アーム部14Fとほぼ平行である。これにより、前後の駆動アーム部14F、14Rが平行でないにもかかわらず、前後のリンク12F、12Rは等しい角速度で等しい角度だけ同一方向に回転して、昇降過程で機体1(図1)の前後方向の傾きや揺動を発生させない。
<駆動アーム部>
図4は駆動アーム部の部品としての平面図(図2中では側面図に対応)である。機体1(図1)の左右のクローラ走行装置2L、2Rは左右対称に構成されているので、前後のリンク12F、12Rも左右対称に裏返した構成となって、本来はクローラ走行装置2L、2Rに対して別部品を準備する必要がある。また、左右のクローラ走行装置2L、2Rにおける前後のリンク12F、12Rも外観が異なる別部品である。しかし、本実施形態では、リンク12F、12Rを組立て式として、リンク12F、12Rを構成する部品の共有化率を高めた。
図4に示すように、駆動アーム部14Rは、スプライン34で回動軸22Rに接続する構成としたので、駆動アーム部14Rと作用アーム部13Rとの交差角度をスプラインピッチで任意に設定可能となり、左右のクローラ走行装置2L、2Rにおける回動軸22Rと作用アーム部13Rとを一体に固定した部品は、例えば機種が異なっても共通に利用できる。
また、駆動アーム部14Rも、油圧シリンダ15を接続するピン孔31と回動軸22R(図2)を挿入するスプライン34の中心とを結ぶ直線35を挟んで左右対称な外観とすることにより、左右のクローラ走行装置2L、2Rで共有させた。ロッド16(図2)を接続するためのピン孔32、33は、直線35を挟んで左右対称な位置に振り分けて準備した。ピン孔32は、左側のクローラ走行装置2Lで使用され、ピン孔33は右側のクローラ走行装置2Rで使用される。なお、図2、図3では、駆動アーム部12Rにおけるピン孔33側部分を図示略した。
<ロッド>
図5はロッドの構成の説明図、図6は補強部材の変形例の説明図である。図5中、(a)は側面図、(b)はA−A断面図である。図6中、(a)は第1変形例、(b)は第2変形例である。
図5の(a)に示すように、ロッド16は、右ねじを形成した接続部41Fと左ねじを形成した接続部41Rとを両端に配置した丸棒43の中間位置に補強部材42を固定している。図5の(b)に示すように、補強部材42は、溶接44によって丸棒43に固定されている。
図2に示すように、ロッド16は、前側に右ねじを形成したキャップ28Fを接続し、後側に左ねじを形成したキャップ28Rを接続し、キャップ28F、28Rをロックナット29F、29Rで緩み止めして組み立てられる。ロッド16によって規制されるピン24Fとピン24Rとの距離を調整する際には、ロックナット29F、29Rを緩めて、ロッド16を右回転させることによりピン24Fとピン24Rとの距離が短縮され、左回転させることにより増大する。距離調整後、ロックナット29F、29Rは再びキャップ28F、28Rに向かって締め込まれる。
図5の(b)に示す補強部材42は、スパナに拘束される平面部を構成して、スパナを用いた丸棒43の回転を可能にする。
図6の(a)に示すように、第1変形例のロッド116は、図5の(b)に示す丸棒43にL字型の補強部材142を溶接144により固定して、スパナを用いた丸棒43の回転を可能にしている。
図6の(b)に示すように、第2変形例のロッド216は、図5の(b)に示す丸棒43にロ字型の補強部材242を溶接244により固定して、スパナを用いた丸棒43の回転を可能にしている。
<本実施形態と比較例との比較>
図7は本実施形態のクローラ走行装置の昇降機構の動作の説明図、図8は比較例のクローラ走行装置の昇降機構の動作の説明図である。図7、図8中、(a)は下降時、(b)は上昇時、(c)は下降時と上昇時との比較である。
図7の(a)に示すように、本実施形態のクローラ走行装置では、リンク12Fとリンク12Rとが平行リンク機構を構成するので、回動軸22Fと回動軸22Rとを結ぶ直線(メインフレーム9:図2)は、回動軸23Fと回動軸23Rとを結ぶ直線(トラックフレーム11:図1)と平行に保持された状態で昇降する。
作用アーム部13F、13Rを水平にしたとき、作用アーム部13F、13Rの全長がそのまま有効負荷半径となるので、回動軸22F、22Rに作用する負荷トルクは最大となる。しかし、油圧シリンダ15の駆動方向と駆動アーム部14Rの角度は90度に近い最大角度α1となるので、駆動アーム部14Rのほぼ全長がそのまま実効駆動半径(駆動アーム部14Rの長さ×sinα1)となって最大駆動トルクを発生する。このため、油圧シリンダ15の出力が小さくても、最大負荷トルクに打ち勝って機体1を上昇開始できる。
図7の(b)に至る上昇過程では、油圧シリンダ15の駆動方向と駆動アーム部14Rの角度は最大角度α1から最小角度α2まで単調に減少するため、実効駆動半径が次第に減少して油圧シリンダ15による駆動トルクは次第に減少する。しかし、並行して、作用アーム部13F、13Rが次第に起立して実効駆動半径を減少させるため、機体1の重量が同じでも回動軸22F、22Rに作用する負荷トルクも単調に減少する。
このような本実施形態のクローラ走行装置2Lと比較して、図8の(a)に示すように、本実施形態におけるピン24Rと回動軸22Rとを結ぶ直線上に油圧シリンダ15を接続した比較例を考える。比較例のクローラ走行装置は、特許文献1に示される機体の昇降機構に相当しており、油圧シリンダ15が回動軸22Rの直上位置を挟む前後に振り分け回動させて機体を昇降させる。
比較例のクローラ走行装置でも、リンク12Fとリンク112Rとが平行リンク機構を構成して機体1(図1)を平行に保持して昇降させる。また、作用アーム部13F、13Rを水平にしたとき、作用アーム部13F、13Rの全長がそのまま有効負荷半径となるので、回動軸22F、22Rに作用する負荷トルクは最大となる。
しかし、油圧シリンダ15の駆動方向と駆動アーム部14Rの角度は90度を越えた最大角度β1となるので、最大駆動トルクとなる90度の場合に比較して実効駆動半径が小さくなり、その分油圧シリンダ15の出力を高めないと、負荷トルクに打ち勝って機体1を上昇開始できない。つまり、最も駆動トルクを要する最低位置からの上昇開始時に最大駆動トルクが得られない。
そして、図8の(b)に至る上昇過程で、最大トルクとなる90度の位置では、作用アーム部13F、13Rが少し起立して実効駆動半径を減少させるため、負荷トルクも少し減少している。従って、駆動トルクの増減と負荷トルクの増減とが相殺されないので、昇降過程を通じた油圧シリンダ15の必要な駆動力の変動が大きくなる。駆動力の変動の裏返しで、油圧シリンダ15を等速作動させた際の昇降速度の変化も大きくなる。
以上説明したように、本実施形態のクローラ走行装置2Lでは、リンク12Rが最大負荷トルクを受けるリンク12Rの回動位置で、駆動アーム部14Rの実効駆動半径が最大となり、油圧シリンダ15がリンク14Rに最大駆動トルクを作用させる。そして、リンク14Rの負荷トルクが減るのと連動して駆動アーム部14Rの実効駆動半径が短くなるので、駆動トルクの増減と負荷トルクの増減とが相殺され、昇降過程を通じて油圧シリンダ15に要求される駆動力の変化が小さくなる。
そして、必要な駆動力の裏返しで、油圧シリンダ15を等速駆動した際の昇降速度の変化も少なくなり、機体1の昇降が円滑で自然なものとなり、運転者にとってストレスの少ない快適な運転環境を提供できる。
また、作用アーム部13Rを水平位置から下方に回動させて機体1を上昇させるので、下降位置から上昇開始する際に、水平な作用アーム部13Rによる最大負荷トルクと油圧シリンダの起動負荷とが重なる。しかし、このとき油圧シリンダ15は、駆動アーム部14Rを通じてリンク12Rに最大駆動トルクを発生するので、下降位置から上昇開始する際の油圧シリンダ15の負担が軽減される。軽減された負担に基づいて油圧シリンダ15の容量を選択し、軽減された応力状態に基づいてリンク12Rの強度を設計できるので、これらの部材の小型化軽量化、小型化による設計自由度の拡大を通じて、低コストでメンテナンス性に優れたクローラ走行装置2Lを提供できる。
また、駆動アーム部14Rと作用アーム部13Rとの交差角度を鋭角に設定したため、駆動アーム部14Rは、駆動アーム部14Fと作用アーム部13Fとの交差角度が鈍角の駆動アーム部14Fとは平行とならない。しかし、駆動アーム部14Rの中心から離間した位置にピン24Rを配置して、駆動アーム部14Fと平行な仮想的な駆動アーム部を準備している。
従って、平行でない一対の駆動アーム部14F、14Rの間でロッド16を用いた平行リンク機構を構成して、一対のリンク12F、12Rを等しい速度で等しい角度づつ回転させることができる。これにより、トラックフレーム11に対して機体1を水平に保持したまま、振動や揺動少なく昇降させることができる。
また、駆動アーム部14Fが昇降過程で振り分け動作となるので、リンク12Fの駆動に係る駆動アーム部14Fの実効駆動半径が最大の範囲を利用でき、リンク12Fおよび駆動アーム部14Fの応力が軽減される。
また、駆動アーム部14Rにおけるロッド16の接続位置を駆動アーム部14F側に設定できるので、上昇過程の駆動アーム部14Rにおけるロッド16の作用点が油圧シリンダ15の作用点よりも後方となって、駆動アーム部14Rの断面の応力状態が引っ張りとなり、ねじり応力が発生しない。従って、上昇駆動が安定するとともに、駆動アーム部14Rの小型化、薄型化、軽量化を通じて昇降機構全体をコンパクトに構成できる。
なお、下降する際は逆に断面の応力状態が圧縮となり得るが、重力加速度を越えるような急加速を用いない限り、機体1重量によってロッド16は引っ張り状態に保たれ、断面の応力状態が圧縮となることは無い。
本発明の一実施形態であるコンバインを斜め前方から見た外観図である。 機体を下降させた状態のクローラ走行装置の構成の説明図である。 機体を上昇させた状態のクローラ走行装置の構成の説明図である。 駆動アーム部の部品としての平面図である。 ロッドの構成の説明図である。 補強部材の変形例の説明図である。 本実施形態のクローラ走行装置の昇降機構の動作の説明図である。 比較例のクローラ走行装置の昇降機構の動作の説明図である。
符号の説明
1 機体
2R、2L クローラ走行装置
3 前処理部
10 コンバイン
11 トラックフレーム
12R、12L リンク部材(リンク)
13F、13R 作用アーム部
14F、14R 駆動アーム部
15 シリンダ装置(油圧シリンダ)
16 ロッド部材(ロッド)
19 転輪
20 クローラ
21 本体取り付け部
22F、22R 回動軸
23F、23R 回動軸
24F 24R ピン

Claims (2)

  1. 転輪を支持するトラックフレームと、
    駆動アーム部と作用アーム部とを有して機体側の回動軸で回動可能に支持され、前記作用アーム部が前記トラックフレームに取り付けられたリンク部材と、
    前記駆動アーム部を駆動して前記リンク部材に前記回動軸回りのトルクを作用させるシリンダ装置と、を備え、
    前記リンク部材の回動位置に応じて前記トラックフレームと前記機体との相対高さが設定されるクローラ走行装置において、
    前記機体の下降位置にて、前記シリンダ装置の駆動方向と前記駆動アーム部とのなす角度が、昇降過程中最大かつ90度以下となるように、前記シリンダ装置を配置したことを特徴とするクローラ走行装置。
  2. 前記リンク部材が前記トラックフレームに沿って一対配置され、
    前記駆動アーム部を相互に接続して一対の前記リンク部材の回動を連繋させるロッド部材を備え、
    前記ロッド部材に駆動される従動側の前記リンク部材の駆動アーム部と作用アーム部との交差角度が、前記シリンダ装置に接続される駆動側の前記リンク部材の前記交差角度より大きく、
    駆動側の前記駆動アーム部は、前記ロッド部材の接続位置と前記回動軸とを結ぶ直線が従動側の前記駆動アーム部と平行になるように、前記シリンダ装置の接続位置と前記回動軸とを結ぶ直線から離間した位置に前記ロッド部材が接続されていることを特徴とする請求項1記載のクローラ走行装置。
JP2006168447A 2006-06-19 2006-06-19 クローラ走行装置 Pending JP2007331687A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006168447A JP2007331687A (ja) 2006-06-19 2006-06-19 クローラ走行装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006168447A JP2007331687A (ja) 2006-06-19 2006-06-19 クローラ走行装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2007331687A true JP2007331687A (ja) 2007-12-27

Family

ID=38931554

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006168447A Pending JP2007331687A (ja) 2006-06-19 2006-06-19 クローラ走行装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2007331687A (ja)

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01169488U (ja) * 1988-05-20 1989-11-29
JPH026688U (ja) * 1988-06-28 1990-01-17
JPH03224876A (ja) * 1990-01-29 1991-10-03 Kubota Corp 農作業車用クローラ走行装置
JPH0445108U (ja) * 1990-08-20 1992-04-16
JPH0486592U (ja) * 1990-11-30 1992-07-28
JPH06239272A (ja) * 1993-02-19 1994-08-30 Seirei Ind Co Ltd 無限軌道車の車高調節装置
JPH07237568A (ja) * 1994-03-02 1995-09-12 Yanmar Agricult Equip Co Ltd 移動農機のクローラ調節装置

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01169488U (ja) * 1988-05-20 1989-11-29
JPH026688U (ja) * 1988-06-28 1990-01-17
JPH03224876A (ja) * 1990-01-29 1991-10-03 Kubota Corp 農作業車用クローラ走行装置
JPH0445108U (ja) * 1990-08-20 1992-04-16
JPH0486592U (ja) * 1990-11-30 1992-07-28
JPH06239272A (ja) * 1993-02-19 1994-08-30 Seirei Ind Co Ltd 無限軌道車の車高調節装置
JPH07237568A (ja) * 1994-03-02 1995-09-12 Yanmar Agricult Equip Co Ltd 移動農機のクローラ調節装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2007022427A (ja) クローラ走行型作業車
JP5006854B2 (ja) 作業機
JP2000083446A (ja) コンバインの走行装置
JP4751777B2 (ja) クローラ走行装置
JP2007331687A (ja) クローラ走行装置
JP3270975B2 (ja) クローラ走行装置の水平制御機構
JP3570958B2 (ja) クローラ走行型作業車
JP2001270477A (ja) クローラ走行型作業車
JP2002096775A (ja) クローラ走行型作業車
JP5806585B2 (ja) 作業車両
JP2020124949A (ja) 二輪車
ES2958830T3 (es) Mecanismo de acoplamiento para una carrocería de vehículo
JP3399190B2 (ja) 作業車における車体ローリング装置
JPH0948372A (ja) 移動農機のクローラ走行装置
JP3464968B2 (ja) クローラ走行型作業車
JPS63149275A (ja) 作業車のクロ−ラ走行装置
JP5844426B2 (ja) 作業車両
JP3397535B2 (ja) 田植機の昇降リンク構造
JP2719731B2 (ja) クローラ走行車輌
JPH04215579A (ja) クローラ走行装置
JP2535075B2 (ja) 作業車のクロ―ラ式走行装置
JPH0672361A (ja) 作業機の走行装置
JP2001260957A (ja) クローラ走行装置およびそのクローラ走行装置を用いた作業車両
JP2544090Y2 (ja) 苗植機
JPH04108313A (ja) コンバイン等の作業機の走行装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090227

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110131

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110201

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110401

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20111004

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20120327