JP3570958B2 - クローラ走行型作業車 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、クローラ走行装置を用いた、コンバインやトラクタ等の農作業車、あるいは、運搬車や土木・建設車両等のクローラ走行型作業車の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
上記のようなクローラ走行装置を採用したクローラ走行型作業車としては、従来より下記の構造のものが知られている。
[1]機体フレームの下方で左右両側に一対のクローラ走行装置を備え、その夫々のクローラ走行装置のトラックフレームを、前記機体フレームとの間に介在させた中間車体に対して、左右各別に相対上下位置変更自在に構成することにより左右傾斜調節自在に構成し、機体の前後傾斜については、前記中間車体に対して、機体フレームを、機体前端側の回動支点周りで後方側を上下揺動変位させることにより調節するように構成されている(例えば、特公平3−61422号公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記[1]に記載の従来技術によると、機体の左右傾斜の調節と前後傾斜の調節との両傾斜の調節が可能であり、圃場条件に対応させての機体走行姿勢の調節が可能である点で有用なものである。
しかしながら、この従来構造のものでは、原動部等を搭載する機体フレームと、クローラベルトを案内する接地転輪を備えるトラックフレームとの間に、トラックフレームに対しては左右各別に相対的な平行上下移動、機体フレームに対しては相対的な前後傾斜調節を行う中間車体を要するものであり、その全体構造が複雑、かつ、大掛かりなものとなり易いという問題がある。
また、前後傾斜の調節を行うに、機体前端側を回動支点として後端側を上下位置変化させる構造であり、傾斜調節度合いを大きくしようとすると、その傾斜調節のための駆動機構も調節範囲の広い大型のものと成らざるを得ないものであった。
【0004】
本発明の目的は、上述のクローラ走行型作業車における機体走行姿勢の調節に関し、その走行姿勢調節のための構造を、比較的簡単な構造で、かつ小型化されたもので提供しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
〔請求項1にかかる発明〕
上記目的を達成するために講じた本発明における技術手段は、請求項1に記載のように、クローラ走行装置に搭載された機体フレームを、機体前方側の支点周りで後方側が上下位置変化する状態と、機体後方側の支点周りで機体前方側が上下位置変化する状態とに上下位置調節自在に構成したクローラ走行型作業車において、
原動部を搭載した機体フレームと、クローラベルト内周の接地側を案内する複数の接地転輪を配設したトラックフレームとを備え、この機体フレームとトラックフレームとを、昇降駆動機構を介して相対上下位置変更自在に構成すると共に、前記機体フレーム側に設けた駆動輪と、前記トラックフレーム側の接地転輪とにわたってクローラベルトを巻回してクローラ走行装置を構成し、
このクローラ走行装置を機体フレームの下方で左右両側に配設し、それぞれのクローラ走行装置に設けられた昇降駆動機構を、前後一対の揺動リンクと、その各揺動リンクの揺動駆動方向を各別に選択して揺動駆動する駆動手段とで構成するとともに、
前記一対の揺動リンクのうち、後方側の揺動リンクが、機体フレーム側に枢支された主リンクと、その主リンクに一端側を連結され他端側をトラックフレームに連結された副リンクとからなる屈折リンクで構成されていることを特徴とする。
【0006】
このように機体フレームの前後傾斜調節を行うに際し、機体前方側の支点周りで傾斜調節を行うときは後方側を上下位置変化させ、機体後方側の支点周りで傾斜調節を行うときは前方側を上下位置変化させて行うようにしているので、支点と力点との間隔を大きくして駆動装置の出力としてはあまり大きなものを要しないだけではなく、前端側と後端側とに調節範囲を分担したものであるから、個々の駆動装置の調節代は分担された範囲で済むことになる。したがって、個々の駆動装置としては、作動範囲を比較的狭くした小型のもので構成することが可能となる。
【0007】
【0008】
上記のように構成すると、機体フレームとトラックフレームとの間に設けられた昇降駆動機構を機体の左右姿勢の調節と、前後姿勢の調節との双方の調節手段として兼用できるので、この調節手段を別途設ける従来の構造のように、構造の複雑化や装置の大型化を回避し易いという作用もある。
【0009】
また、昇降駆動機構として用いられる前後一対の揺動リンクのうち、後方側の揺動リンクが機体フレームとトラックフレームとの連結点間距離の変化を許容する副リンクを備えて屈折リンクに構成されているので、機体フレームとトラックフレームと前後の揺動リンクとで構成されるリンクが完全な限定リンクではなく、リンク装置としての連結構成だけをみれば不限定リンクとなる。
しかしながら、前後の揺動リンクは、夫々が前向き油圧シリンダーと、後向き油圧シリンダーとでその揺動が規制されているので、その規制がない不限定リンクのように、全く動きを特定できないものではない。
そして、この疑似的な不限定リンクを構成したことと、前記の各揺動リンクの揺動駆動方向を、単なる同方向の動きだけしかできない構造ではなく、各別に動き方向を選択して揺動駆動する駆動手段を備えることとの相乗により、前後の揺動リンクを前後で同方向に揺動させての高さ調節、ならびに、前後で異なる方向へ揺動させての前後傾斜調節、の何れの作動形態をも選択することができる。
また、この調節のための構造を、後方側の揺動リンク箇所での屈折リンク構造によって行うものであるから、揺動リンクの枢支点からトラックフレームとの連結点までの距離が長くならざるを得ないこの構造を、前方側の揺動リンク部分に設ける必要がない。したがって、前方側の揺動リンク部分で前記距離を長くした場合に比べて、トラックフレームの前端側における左右方向でのブレを生じ難くし、走行安定性を増すことができる。
【0010】
〔請求項2にかかる発明〕
また、請求項2に記載のように、昇降駆動機構の駆動手段を前向き油圧シリンダーと後向き油圧シリンダーとで構成し、かつ、この各油圧シリンダーを前後の揺動リンクの前後間隔内に配設すると、各油圧シリンダーへの油圧配管を集約的に配設することができるともに、油圧シリンダー自体の配設スペースを、他装置との干渉が少ない箇所に確保し易い。
【0011】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の好ましい実施の形態の一例を説明する。
〔全体の構成〕
本発明のクローラ走行型作業車の一例として示すコンバインは、図1に示すように、脱穀装置20を搭載した機体フレーム2の下側に左右一対のクローラ走行装置1を備え、前記脱穀装置20の前部側に操縦部21、ならびに原動部22を備え、さらに前記脱穀装置20の前方側における機体固定部の固定軸芯P周りでの揺動により前端側が昇降調節自在に構成された刈取部23を備えたものである。
【0012】
〔クローラ走行装置〕
図2にコンバインのクローラ走行装置部分を示す。
このクローラ走行装置1は、機体フレーム2に後述する昇降駆動機構4を介して昇降自在に連結されたトラックフレーム3と、そのトラックフレーム3の機体進行方向後方側端部に取り付けられた緊張用遊転輪33と、トラックフレームの長さ方向の複数箇所に設けられた接地転輪5と、機体前方側で前記機体フレーム2側に固定された駆動輪11と、機体前後方向での中間位置で前記機体フレーム2に固定された上部ガイド輪12と、これらの駆動輪11、接地転輪5、緊張用遊転輪33、及び上部ガイド輪12にわたって巻回されたゴム製のクローラベルト10とから構成されている。
【0013】
前記トラックフレーム3は、昇降駆動機構4の前後一対の揺動リンク40と連結された角パイプ状の主フレーム部分31と、その主フレーム部分31の後端側で、主フレーム部分31に対して内接状態に嵌合して長さ方向で出退自在に装着された角パイプ状の延長フレーム部分32とから構成され、その延長フレーム部分32の後端部に前記緊張用遊転輪33が支持されている。
【0014】
前記緊張用遊転輪33は、前記延長フレーム部分32に軸受け支持されているとともに、前記主フレーム部分31の後端部との間で、ネジ機構を利用した位置調節機構34により連結され、トラックフレーム3長さ方向で位置調節、ならびに位置固定自在に構成されている。
【0015】
前記接地転輪5は、トラックフレーム3に回転軸を支承された複数の固定接地輪50と、トラックフレーム3の前後方向でのほぼ中間部位置で、そのトラックフレーム3の上辺箇所に設けられた回動支点53周りで揺動自在に、かつ、巻きバネで下向きに回動付勢された揺動アーム52の先端部に支持された可動接地転輪51とで構成され、クローラベルト10の内周面に接して遊転回動するように構成されている。
この固定接地転輪50および可動接地転輪51のそれぞれは、前記トラックフレーム3に形成された軸受部、および揺動アーム52に形成された軸受部に回転自在に支持された回転軸36の両端部に、一対の回転輪体を一体回転するように取り付けて構成され、その一対の回転輪体が、クローラベルト10の左右幅方向での中央部に位置する一対の芯金突起の左右両側位置でクローラベルト10内周面と接当するように構成されている。
【0016】
前記接地転輪5は、クローラベルト10の基準の接地作用領域L1に対応させて設けられている。
この基準の接地作用領域L1とは、トラックフレーム3に固定支持された前端の固定接地転輪50と後端の固定接地転輪50との間隔であり、クローラ走行装置1の全長よりは当然に短かく設定され、この基準の接地作用領域L1の前端とクローラ走行装置1の前端との間の領域が前部接地領域L2に、前記基準の接地作用領域L1の後端とクローラ走行装置1の後端との間の領域が後部接地領域L3に夫々設定されている。
基準の接地作用領域L1は、硬質の平坦な走行路面でも常に接地するように側面視で直線的に構成されているが、前部接地領域L2は、その接地面が前上がりに、後部接地領域L3では少し(約5度前後)後ろ上がりの傾斜面に形成されている。
これは、機体を旋回させる際に、クローラ走行装置1の接地面の前後長さが短い方が、その旋回を抵抗少なく行う上で有効であることと、走行路面が湿地などである場合に、基準の接地作用領域L1のみならず、後部接地領域L3や前部接地領域L2の部分をも、クローラ走行装置1接地面積を確保する役割を担うようにすることとの、双方の目的を達成するための構成である。
この場合、機体全体の重心Gは、基準の接地作用領域L1の中間位置に近い箇所であるところの、前から第3番目の固定接地転輪50と、後ろから第2番目の固定接地転輪50との間隔L4内に位置するように、全体の重量バランスを設定してある。
【0017】
前記固定接地転輪50の配設箇所において、左右の回転輪体の間には、クローラベルト10の左右の芯金突起18の間に位置して、クローラベルト10の左右方向への移動を制限することにより、外れ止めの機能を発揮する橇状の脱輪防止ガイド37を設けてある。
【0018】
前記機体フレーム2側には、駆動輪11と上部ガイド輪12とが設けられている。このうち駆動輪11は、機体フレーム2に固定された伝動ケースから動力を伝達され、クローラベルト10と係合して駆動力を伝達するように構成されている。
上部ガイド輪12は、クローラベルト10の上部側の内周面との接当により遊転回動するように機体フレーム2に支承されている。そして、機体フレーム2に対するトラックフレーム3の上下方向での遠近移動や、前傾・後傾の姿勢変化により、クローラベルト10の所要巻回長が多少変化することに伴うベルト上部側の弛みを規制することができるように、その機体フレーム2上における配設位置を設定されている。
【0019】
〔昇降駆動機構〕
前記昇降駆動機構4は、機体フレーム2とトラックフレーム3とを、前後二箇所で連結する揺動リンク40と、その前後の揺動リンク40を各別に揺動駆動する前向き油圧シリンダー4A及び後向き油圧シリンダー4Bとで構成され、これが左右のクローラ走行装置1の夫々に備えられている。
前後の各揺動リンク40は、ベルクランク状に形成され、その屈折点箇所近くで機体フレーム2に揺動自在に軸支されている。そしてこの軸支箇所から一方向へ延びる第一延出腕部分42に前記油圧シリンダー4A,4Bが連結され、他方向へ延びる第二延出腕部分43に前記トラックフレーム3側が枢支連結されている。
【0020】
上記の揺動リンク40のうち、前方側の揺動リンク40は第一延出腕部分42と第二延出腕部分43とを一体に形成したベルクランク状に形成されたものであるが、後方側の揺動リンク40は、トラックフレーム3との連結側である第二延出腕部分43に副リンク41が装着されたものである。つまり、この後方側の揺動リンク40は、前記第一延出腕部分42と第二延出腕部分43とで構成されるベルクランク状の主リンクに、前記副リンク41が組み合わされて屈折リンク構造を構成しているものであり、この主リンク及び前記副リンク41を含めて揺動リンク40と称する。
そして、前記副リンク41のトラックフレーム3側の端部は、図2に示されるように、トラックフレーム3の下部近くでトラックフレーム3に連結されている。
【0021】
前記揺動リンク40は、各延出腕部分42,43のうち、トラックフレーム3側への第二延出腕部分43が、図3に示すように、機体フレーム2を最も低くした走行姿勢では、機体前方側の第二延出腕部分43がほぼ水平方向の後方側へ延出された姿勢に位置され、機体後方側の第二延出腕部分43が水平よりも少し上向きとなる状態で後方側へ延出された姿勢に位置されている。
そして、この姿勢から図2に示すように、機体フレーム2を最も高くした走行姿勢では、トラックフレームが前記姿勢から前方下方へ揺動して、トラックフレーム3の全体を前方下方側へ移行させる姿勢となる。
このとき、機体フレーム2とトラックフレーム3との間の上下間隔は広くなるが、トラックフレーム3の全体が緊張用遊転輪33をも含めて前方へ移行することで、クローラ走行装置全体の前後長さが少し短くなり、クローラベルト10の巻き掛け周長はさほど変化しない。
【0022】
上記のように、機体フレーム2を最も高くした状態では、図2に示されるように、前方側の揺動リンク40の第二延出腕部分43と、後方側の揺動リンク40の第二延出腕部分43との接地面に対する傾斜角度をみると、後者の角度が前者よりも緩やかである。
このことは、前方側の揺動リンク40の下降側への動作角度範囲内におけるトラックフレーム3の下降に伴う前方への移動を効果的に行わせるために有効であり、後方側の揺動リンク40の下降側への動作角度範囲内におけるトラックフレーム3の下降方向への動きを効率よく行わせる上で有効である。
このような前後の揺動リンク40の動き範囲を前後で異ならせることができるのは、後方側の揺動リンク40が前述のように副リンク41を備えるものであるから可能となったものである。
【0023】
このとき、揺動リンク40の作動を司る油圧シリンダー4A,4B側の動きとしては、次のような動作形態となる。
[a]平行最下降位置
前後の揺動リンク40が図3に示す状態であるとき、後方の揺動リンク40に対する後向き油圧シリンダー4Bは、最短収縮姿勢にあり、前方の揺動リンク40に対する前向き油圧シリンダー4Aは、最大伸長姿勢にある。これによって、機体フレーム2が走行路面に対してほぼ平行な姿勢で、対地的には最も低くなる。(図3参照)
[b]平行最上昇位置
前後の揺動リンク40が図2,図6に示す状態であるとき、後方の揺動リンク40に対する後向き油圧シリンダー4Bは、最大伸長姿勢にあり、前方の揺動リンク40に対する前向き油圧シリンダー4Aは、最短収縮姿勢にある。これによって、機体フレーム2が走行路面に対してほぼ平行な姿勢で、対地的には最も高くなる。(図2,図6参照)
[c]前傾姿勢位置
前後の揺動リンク40が図4に示す状態であるとき、前方側の揺動リンク40に対する前向き油圧シリンダー4Aと、後方側の揺動リンク40に対する後向き油圧シリンダー4Bとは、共に最大伸長姿勢にある。これによって、機体フレーム2は、前方が低く後方が高い前傾姿勢となる。(図4参照)
[d]後傾姿勢位置
前後の揺動リンク40が図5に示す状態であるとき、前方の揺動リンク40に対する前向き油圧シリンダー4Aと、後方の揺動リンク40に対する後向き油圧シリンダー4Bとは、共に最短収縮姿勢にある。これによって、機体フレーム2は、前方が高く後方が低い後傾姿勢となる。(図5参照)
[e]左右傾斜姿勢
右または左の何れかに傾斜させる際には、右または左の一方のクローラ走行装置1を前記[a]または[b]の状態にし、他方をそれとは逆の状態にすればよい。
【0024】
上記[a]〜[e]のように、各油圧シリンダー4A,4Bを制御して夫々の揺動リンク40の揺動角度を調節することにより、上記5種の姿勢の他、その中間的な姿勢に変更することができる。
【0025】
前記副リンク41は、上述のように機体姿勢を前後に傾斜させる場合のリンク長さ変更手段として用いられているものであるが、昇降駆動機構4を構成する各油圧シリンダー4A,4Bや各揺動リンク40自体の製作誤差や、組み付け誤差、あるいは長期の使用に伴うガタの発生などの、多少の寸法精度上の誤差を吸収する機能も損なうことなく備えているので、昇降駆動機構4の作動を円滑に行わせる上でも有用である。
【0026】
〔制御装置〕
上記の動作形態を得るための制御装置は、次のように構成される。
クローラ走行型作業車としてのコンバインの刈取部23に、走行機体に対する刈取部23の揺動変位量を検出するポテンショメータからなる刈高さセンサー66を備え、機体フレーム2上に、重力式の左右傾斜角センサー62と前後傾斜角センサー64とを備えている。
これらの各センサー62,64,66に対する基準値を定める設定器63,65,67と、上昇、中立、下降、の各指令を出力するための昇降操作レバー81とを機体フレーム2上の操縦部21に設けてある。
【0027】
図7に示されるように、上記の入力系の各センサー62,64,66及び昇降操作レバー61からの信号は、機体に備えられたマイクロコンピュータ利用の制御装置60に入力され、この制御装置60からの出力によって制御される電磁弁45が前記油圧シリンダー4A,4Bの作動を制御して機体姿勢の制御が行われる。
刈取作業中においては、刈高さセンサー66の検出値が刈高さ設定器67で設定された高さに維持されるように、刈取シリンダー68を作動させる刈り高さ制御を実行すると共に、後述するような走行機体の姿勢制御が同時的に行われる。
【0028】
左右傾斜角センサー62が、機体の左右傾斜が、左右傾斜角設定器63で設定された傾斜角度範囲から外れたことを検出すると、設定角度範囲に復元するように、左側の前向き油圧シリンダー4Aと後向き油圧シリンダー4B、または、右側の前向き油圧シリンダー4Aと後向き油圧シリンダー4Bを、同時に同量づつ駆動操作して、機体左右姿勢を修正する。
このとき、左右何れの側の前向き油圧シリンダー4Aと後向き油圧シリンダー4Bとを駆動操作するように選択するかは、左右の前向き油圧シリンダー4Aと後向き油圧シリンダー4Bとの夫々に備えられているストロークセンサー44が、そのストローク限界に達していないかを判断して、機体フレーム2の対地高さが低くなる側に制御し、ストローク限界に達していると判断されると逆の側の前向き油圧シリンダー4Aと後向き油圧シリンダー4Bを逆方向に操作する。
【0029】
前後傾斜角検出センサー64が、機体の前後傾斜が、前後傾斜角設定器65で設定された傾斜角度範囲から外れたことを検出すると、設定角度範囲に復元するように、左右の前向き油圧シリンダー4A、または、左右の後向き油圧シリンダー4Bを、同時に同量づつ駆動操作して、機体前後姿勢を修正する。
このとき、前後何れの側の前向き油圧シリンダー4A、または後向き油圧シリンダー4Bを駆動操作するように選択するかは、前向き油圧シリンダー4Aと後向き油圧シリンダー4Bとの夫々に備えられているストロークセンサー44が、そのストローク限界に達していないかを判断して、機体フレーム2の対地高さが低くなる側に制御し、ストローク限界に達していると判断されると逆の側の前向き油圧シリンダー4Aと後向き油圧シリンダー4Bを逆方向に操作する。
【0030】
機体フレーム2全体の昇降操作は、前記昇降操作レバー61の上昇、もしくは下降操作により、その操作されている間だけ、左右の前向き油圧シリンダー4Aと後向き油圧シリンダー4Bとのすべてに対して、同時に同量だけ圧油を給排することによってその高さを制御する。
【0031】
〔実施の形態の別例〕
[ 1] 前後何れか一方の揺動リンク40が、機体フレーム2とトラックフレーム3との連結点間距離の変化を許容するために備える融通機構としては、上記実施の形態で示した副リンク41を用いるものに限らず、例えば、トラックフレーム3側に長孔を形成し、その長孔によって融通機構を構成したものなど、任意の構造を採用してもよい。
[ 2] 機体の前後または左右の傾斜が設定値以上であるとき、前後もしくは左右の何れの側の前向き油圧シリンダー4Aや後向き油圧シリンダー4Bを作動させるかは、実施の形態のようにストロークセンサー44の検出結果で判断するものに限らず、別途選択スイッチを設けて、人為的に制御装置60に直接指令するようにしてもよい。
[ 3] 前記制御装置60自体についても、必ずしもこれを備えなければならない訳ではなく、操作スイッチを設ける等して、直接バルブ操作しても構わない。
【0032】
【発明の効果】
請求項1に記載のように構成したことにより、機体フレームとトラックフレームと前後の揺動リンクとで構成されるリンクが不限定リンクとなり、この不限定リンクを構成する前記の各揺動リンクの揺動駆動方向を各別に選択して揺動駆動する駆動手段を備えることとの相乗により、前後の揺動リンクを前後で同方向に揺動させての高さ調節、ならびに、前後で異なる方向へ揺動させての前後傾斜調節、の何れの作動形態をも選択することができる。
【0033】
また、この高さ調節と、前後傾斜調節の何れの作動形態をも、左右ローリング調節のために用いられる昇降駆動機構を有効に利用し、これに、前述の融通機構と、前後各別の駆動手段を備える程度の簡単な構造の付加によって得られる利点がある。
【0034】
請求項2に記載のように、屈折リンク構造を採用して、前後傾斜調節のための融通機構を比較的簡単な構造で構成することができ、かつ、その前後傾斜調節量の設定も、屈折リンクを構成する各リンク長さの設定によって割合簡単に行い易い。
【図面の簡単な説明】
【図1】コンバインの全体を示す側面図
【図2】クローラ走行装置の全体を示す側面図
【図3】クローラ走行装置の使用形態を示す説明図
【図4】クローラ走行装置の使用形態を示す説明図
【図5】クローラ走行装置の使用形態を示す説明図
【図6】クローラ走行装置の使用形態を示す説明図
【図7】クローラ走行装置の制御系を示すブロック図
【符号の説明】
1 クローラ走行装置
2 機体フレーム
3 トラックフレーム
4 昇降駆動機構
10 クローラベルト
11 駆動輪
40 揺動リンク
41 副リンク
4A,4B 油圧シリンダー
Claims (2)
- クローラ走行装置(1)に搭載された機体フレーム(2)を、機体前方側の支点周りで後方側が上下位置変化する状態と、機体後方側の支点周りで機体前方側が上下位置変化する状態とに上下位置調節自在に構成してあるクローラ走行型作業車であって、
原動部(22)を搭載した機体フレーム(2)と、クローラベルト(10)内周の接地側を案内する複数の接地転輪(5)を配設したトラックフレーム(3)とを備え、この機体フレーム(2)とトラックフレーム(3)とを、昇降駆動機構(4)を介して相対上下位置変更自在に構成すると共に、前記機体フレーム(2)側に設けた駆動輪(11)と、前記トラックフレーム(3)側の接地転輪(5)とにわたってクローラベルト(10)を巻回してクローラ走行装置(1)を構成し、
このクローラ走行装置(1)を機体フレーム(2)の下方で左右両側に配設し、それぞれのクローラ走行装置(1)に設けられた昇降駆動機構(4)を、前後一対の揺動リンク(40)と、その各揺動リンク(40)の揺動駆動方向を各別に選択して揺動駆動する駆動手段とで構成するとともに、
前記一対の揺動リンク(40)のうち、後方側の揺動リンク(40)が、機体フレーム(2)側に枢支された主リンク(42,43)と、その主リンク(42,43)に一端側を連結され他端側をトラックフレーム(3)に連結された副リンク(41)とからなる屈折リンクで構成されていることを特徴とするクローラ走行型作業車。 - 昇降駆動機構(4)の駆動手段を前向き油圧シリンダー(4A)と後向き油圧シリンダー(4B)とで構成し、この各油圧シリンダー(4A,4B)を前後の揺動リンク(40)の前後間隔内に配設してある請求項1記載のクローラ走行型作業車。
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