JPH07277234A - コンバインの走行装置 - Google Patents
コンバインの走行装置Info
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- JPH07277234A JPH07277234A JP2430695A JP2430695A JPH07277234A JP H07277234 A JPH07277234 A JP H07277234A JP 2430695 A JP2430695 A JP 2430695A JP 2430695 A JP2430695 A JP 2430695A JP H07277234 A JPH07277234 A JP H07277234A
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Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【目的】 所望の機体高さおよび左右傾斜姿勢を維持し
て好適に収穫作業を行うことができるコンバインを得
る。 【構成】 クローラ走行装置1を構成するに、機体フレ
ーム2の前進方向側に駆動用輪体5を間に伝動ケース1
0を配備し、遊転自在な転輪7および緊張輪8を支持フ
レーム6を装備するとともに、上下動可能な可動転輪1
5を装備し、前後一対の揺動リンク12,12を備えた
リンク機構11を介して前記機体フレーム6に相対上下
動可能に支持し、駆動用輪体5、転輪7、および、緊張
輪8に亘ってゴム製のクローラベルト9を巻回し、後側
の揺動リンク12と一体揺動する操作アーム12aを上
方に向けて延出し、その前方側の機体フレーム2部位と
に亘って油圧シリンダ14を架設し、支持フレーム6を
機体フレーム6に相対上下動させるよう構成し、機体フ
レーム2に対して相対下降するにつれて前進方向側に移
動するようにリンク機構11の揺動方向を設定する。
て好適に収穫作業を行うことができるコンバインを得
る。 【構成】 クローラ走行装置1を構成するに、機体フレ
ーム2の前進方向側に駆動用輪体5を間に伝動ケース1
0を配備し、遊転自在な転輪7および緊張輪8を支持フ
レーム6を装備するとともに、上下動可能な可動転輪1
5を装備し、前後一対の揺動リンク12,12を備えた
リンク機構11を介して前記機体フレーム6に相対上下
動可能に支持し、駆動用輪体5、転輪7、および、緊張
輪8に亘ってゴム製のクローラベルト9を巻回し、後側
の揺動リンク12と一体揺動する操作アーム12aを上
方に向けて延出し、その前方側の機体フレーム2部位と
に亘って油圧シリンダ14を架設し、支持フレーム6を
機体フレーム6に相対上下動させるよう構成し、機体フ
レーム2に対して相対下降するにつれて前進方向側に移
動するようにリンク機構11の揺動方向を設定する。
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、作業車のクローラ走行
装置に関する。 【0002】 【従来の技術】クローラ走行装置を有した作業車におい
て、走行地盤の左右傾斜にかかわらず機体が前後方向視
で水平になるようにしたり、走行地盤が機体前後方向視
で水平であっても機体が左右に傾斜するようにする等、
走行地盤に対する機体の左右傾斜を調節できるようにな
ったものとしては、従来、例えば実開昭59-18823号公報
に示されるものがあった。すなわち、クローラ走行装置
の全体を機体に対してローリング操作できるように構成
されているのである。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】上記従来構成の場合、
クローラ走行装置を走行機体に対してローリングするこ
とを許容する融通を、走行機体からクローラ走行装置へ
の伝動構造に備えさせねばならず、伝動構造が複雑にな
る不都合があった。本発明の目的は、機体の走行地盤に
対する傾斜調節ができるものを伝動構造の簡素化を図り
ながら得られるように、かつ、傾斜調節がスムーズにで
きるようにすることにある。 【0004】 【課題を解決するための手段】本発明による作業車のク
ローラ走行装置における特徴構成は、左右一対のクロー
ラ走行装置夫々のクローラ駆動用輪体を伝動ケースを介
して走行機体に取付け、一対の前記クローラ走行装置の
少なくとも一方において、クローラ接地部用輪体及びク
ローラ緊張用輪体の支持フレームを前記走行機体に対し
て下降するほど前記クローラ駆動用輪体に接近するよう
に揺動リンク機構を介して前記走行機体に連結すると共
に、前記支持フレームを前記走行機体に対して昇降操作
する駆動機構を設け、前記揺動リンク機構を構成する
に、前記走行機体に枢着した前後一対のメイン揺動リン
ク、一対の前記メイン揺動リンクを連動連結する連動リ
ンク、及び、一対の前記メイン揺動リンクの一方と前記
支持フレームまたは前記連動リンクとを連結するサブ揺
動リンクを設けた点にあり、その作用及び効果は次の通
りである。 【0005】 【作用】駆動機構を操作すると、揺動リンク機構のため
に、前記支持フレームがこれの全長における走行機体と
の間隔変化が同一またはほぼ同一になる状態で昇降し
て、クローラベルトの接地部がこれの全長における走行
機体との間隔変化が同一またはほぼ同一になる状態で昇
降するのであり、しかも、この接地部昇降にかかわら
ず、かつ、クローラ駆動用輪体を走行機体に固定してあ
るにもかかわらず、クローラベルトの緊張度合の変化が
全くあるいはあまり生じないのである。なぜならば、図
図に示すように、たとえば前記支持フレーム6が下降し
ても、クローラ駆動用輪体5と最前方のクローラ接地部
用輪体7との間隔が下降前より長くなるのに対して、ク
ローラ駆動用輪体5とクローラ緊張用輪体8との間隔が
下降前より短くなり、全輪体にわたる巻掛け長さに下降
前との変化が生じないとかあまり生じないように、揺動
リンク機構の設定によってできるからである。つまり、
クローラ駆動用輪体を走行機体に固定したままでも、ク
ローラベルト接地部の全体を昇降できる。連動リンクが
一対のメイン揺動リンクを連結し、駆動機構のリンク機
構操作力を一対のメイン揺動リンクのいずれにも確実に
伝達させて揺動操作される両メイン揺動リンクにこじれ
が出にくいようにする。一対のメイン揺動リンクに製作
誤差や組付け誤差があっても、こじれが発生しなくてス
ムーズに揺動作動する状態にメイン揺動リンク、支持フ
レーム、走行機体及び連動リンクの夫々を連結すること
をサブ揺動リンクが可能にする。 【0006】 【発明の効果】左右一対のクローラ走行装置の少なくと
も一方にてクローラベルト接地部の全体の昇降操作がで
きることにより、機体の走行地盤に対する傾斜の調節が
できるものでありながら、クローラ駆動用輪体を走行機
体に固定できることにより、走行機体からクローラ駆動
用輪体への伝動構造に傾斜調節のための融通を設ける必
要がなくなり、伝動構造の簡略化ができて経済面で有利
にできた。連動リンク及びサブ揺動リンクのこじれ防止
作用により、リンク機構の揺動操作を円滑にかつ確実に
行わせられるようになり、機体の傾斜調節が精度よくか
つスムーズにできるようになった。 【0007】 【実施例】図4に示すように、左右一対のクローラ走行
装置1, 1を備え、かつ、脱穀装置3を搭載した走行機
体の前部に、植立穀稈を引起こすと共に刈取り、刈取り
穀稈を脱穀装置3に供給する前処理装置4を設けて、コ
ンバインを構成してある。 【0008】左右のクローラ走行装置1, 1はいずれも
同一構造であるため、以下、左側のクローラ走行装置1
についてのみ説明する。 【0009】図1及び図2に示すように、走行機体を構
成する機体フレーム2に伝動ケース10を介して取付け
たクローラ駆動用輪体5、前記機体フレーム2に後述の
揺動リンク機構11を介して連結した支持フレーム6に
取付けた複数個のクローラ接地部用輪体7及びクローラ
緊張用輪体8の夫々に亘ってゴム製のクローラベルト9
を巻回して成り、伝動ケース10からの動力によりクロ
ーラ駆動用輪体5を駆動して、クローラベルト9を駆動
するようにしてある。 【0010】前記揺動リンク機構11は、機体フレーム
2に枢着した前後一対のメイン揺動リンク12, 12、
これらメイン揺動リンク12,12を連動連結するよう
に、一方のメイン揺動リンク12の操作アーム部12a
と他方のメイン揺動リンク12の操作アーム部12aと
に両端側を各別に連結してある伸縮調節自在な連動リン
ク13、リンク機構構成部材の製作誤差や組付け誤差に
起因するこじれを防止するように、機体前方側のメイン
揺動リンク12と前記支持フレーム6とを連結してある
サブ揺動リンク19の夫々から構成してある。機体後方
側の前記メイン揺動リンク12の操作アーム部12aに
油圧シリンダ14のロッド部14aを連動させてあり、
もって、駆動機構としての油圧シリンダ14により機体
フレーム2に対して支持フレーム6を昇降操作できるよ
うにしてある。そして、前記油圧シリンダ14は、右側
の支持フレーム6も同様に昇降操作できるように、左右
に配設されており、これら油圧シリンダ14, 14夫々
を各別に操作することにより機体の走行地盤に対する傾
斜調節ができるようにしてある。 【0011】さらに詳述すれば、油圧シリンダ14が操
作部12a及び連動リンク13を介して前後一対のメイ
ン揺動リンク12,12のいずれも操作力を伝達して一
対のメイン揺動リンク12,12を揺動操作するよう
に、この揺動に伴い支持フレーム6が機体フレーム2に
対して下降するほど前記クローラ駆動用輪体5により接
近する状態で機体フレーム2に対して昇降するようにし
てある。そして、支持フレーム6が下降するほどクロー
ラ駆動用輪体5に接近することから、支持フレーム6の
昇降にかかわらず、全輪体5,7,8に亘るクローラベ
ルト9の巻掛け長さに昇降前との変化が生じないか、あ
るいはあまり生じないのである。 【0012】尚、図2の15は遊転輪体であり、この遊
転輪体15を支持する支持アーム16が横軸芯周りで上
下揺動自在でかつ下降側へ付勢した状態で設けられてい
る。又、図1及び図2の17は、前記クローラベルト9
の張り具合いを調節するための螺軸であり、この螺軸1
7に備えた回転操作部17aを操作することにより前記
支持フレーム6に対して前記クローラ緊張用遊転輪体8
を備えたスライドフレーム18を前後方向に伸縮させる
ようにして、クローラベルト9の張り具合いを調節する
ようにしてある。 【0013】〔別実施例〕前記実施例では、両支持フレ
ーム6,6を昇降させることにより機体の傾斜調節をす
るようにしたが、一方6のみを昇降させるようにして実
施してもよい。又、前記実施例では、サブ揺動リンク1
9を前方側のメイン揺動リンク12と支持フレーム6と
の間に設けたが、一対のメイン揺動リンク12,12の
一方と支持フレーム6または連動リンク13との間であ
ればどこに設けてもよい。本発明は、コンバインに適用
できる他、土工機等のクローラ走行装置を備えた各種の
作業車に適用することができる。 【0014】尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を
便利にするために符号を記すが、該記入により本発明は
添付図面の構成に限定されるものではない。
装置に関する。 【0002】 【従来の技術】クローラ走行装置を有した作業車におい
て、走行地盤の左右傾斜にかかわらず機体が前後方向視
で水平になるようにしたり、走行地盤が機体前後方向視
で水平であっても機体が左右に傾斜するようにする等、
走行地盤に対する機体の左右傾斜を調節できるようにな
ったものとしては、従来、例えば実開昭59-18823号公報
に示されるものがあった。すなわち、クローラ走行装置
の全体を機体に対してローリング操作できるように構成
されているのである。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】上記従来構成の場合、
クローラ走行装置を走行機体に対してローリングするこ
とを許容する融通を、走行機体からクローラ走行装置へ
の伝動構造に備えさせねばならず、伝動構造が複雑にな
る不都合があった。本発明の目的は、機体の走行地盤に
対する傾斜調節ができるものを伝動構造の簡素化を図り
ながら得られるように、かつ、傾斜調節がスムーズにで
きるようにすることにある。 【0004】 【課題を解決するための手段】本発明による作業車のク
ローラ走行装置における特徴構成は、左右一対のクロー
ラ走行装置夫々のクローラ駆動用輪体を伝動ケースを介
して走行機体に取付け、一対の前記クローラ走行装置の
少なくとも一方において、クローラ接地部用輪体及びク
ローラ緊張用輪体の支持フレームを前記走行機体に対し
て下降するほど前記クローラ駆動用輪体に接近するよう
に揺動リンク機構を介して前記走行機体に連結すると共
に、前記支持フレームを前記走行機体に対して昇降操作
する駆動機構を設け、前記揺動リンク機構を構成する
に、前記走行機体に枢着した前後一対のメイン揺動リン
ク、一対の前記メイン揺動リンクを連動連結する連動リ
ンク、及び、一対の前記メイン揺動リンクの一方と前記
支持フレームまたは前記連動リンクとを連結するサブ揺
動リンクを設けた点にあり、その作用及び効果は次の通
りである。 【0005】 【作用】駆動機構を操作すると、揺動リンク機構のため
に、前記支持フレームがこれの全長における走行機体と
の間隔変化が同一またはほぼ同一になる状態で昇降し
て、クローラベルトの接地部がこれの全長における走行
機体との間隔変化が同一またはほぼ同一になる状態で昇
降するのであり、しかも、この接地部昇降にかかわら
ず、かつ、クローラ駆動用輪体を走行機体に固定してあ
るにもかかわらず、クローラベルトの緊張度合の変化が
全くあるいはあまり生じないのである。なぜならば、図
図に示すように、たとえば前記支持フレーム6が下降し
ても、クローラ駆動用輪体5と最前方のクローラ接地部
用輪体7との間隔が下降前より長くなるのに対して、ク
ローラ駆動用輪体5とクローラ緊張用輪体8との間隔が
下降前より短くなり、全輪体にわたる巻掛け長さに下降
前との変化が生じないとかあまり生じないように、揺動
リンク機構の設定によってできるからである。つまり、
クローラ駆動用輪体を走行機体に固定したままでも、ク
ローラベルト接地部の全体を昇降できる。連動リンクが
一対のメイン揺動リンクを連結し、駆動機構のリンク機
構操作力を一対のメイン揺動リンクのいずれにも確実に
伝達させて揺動操作される両メイン揺動リンクにこじれ
が出にくいようにする。一対のメイン揺動リンクに製作
誤差や組付け誤差があっても、こじれが発生しなくてス
ムーズに揺動作動する状態にメイン揺動リンク、支持フ
レーム、走行機体及び連動リンクの夫々を連結すること
をサブ揺動リンクが可能にする。 【0006】 【発明の効果】左右一対のクローラ走行装置の少なくと
も一方にてクローラベルト接地部の全体の昇降操作がで
きることにより、機体の走行地盤に対する傾斜の調節が
できるものでありながら、クローラ駆動用輪体を走行機
体に固定できることにより、走行機体からクローラ駆動
用輪体への伝動構造に傾斜調節のための融通を設ける必
要がなくなり、伝動構造の簡略化ができて経済面で有利
にできた。連動リンク及びサブ揺動リンクのこじれ防止
作用により、リンク機構の揺動操作を円滑にかつ確実に
行わせられるようになり、機体の傾斜調節が精度よくか
つスムーズにできるようになった。 【0007】 【実施例】図4に示すように、左右一対のクローラ走行
装置1, 1を備え、かつ、脱穀装置3を搭載した走行機
体の前部に、植立穀稈を引起こすと共に刈取り、刈取り
穀稈を脱穀装置3に供給する前処理装置4を設けて、コ
ンバインを構成してある。 【0008】左右のクローラ走行装置1, 1はいずれも
同一構造であるため、以下、左側のクローラ走行装置1
についてのみ説明する。 【0009】図1及び図2に示すように、走行機体を構
成する機体フレーム2に伝動ケース10を介して取付け
たクローラ駆動用輪体5、前記機体フレーム2に後述の
揺動リンク機構11を介して連結した支持フレーム6に
取付けた複数個のクローラ接地部用輪体7及びクローラ
緊張用輪体8の夫々に亘ってゴム製のクローラベルト9
を巻回して成り、伝動ケース10からの動力によりクロ
ーラ駆動用輪体5を駆動して、クローラベルト9を駆動
するようにしてある。 【0010】前記揺動リンク機構11は、機体フレーム
2に枢着した前後一対のメイン揺動リンク12, 12、
これらメイン揺動リンク12,12を連動連結するよう
に、一方のメイン揺動リンク12の操作アーム部12a
と他方のメイン揺動リンク12の操作アーム部12aと
に両端側を各別に連結してある伸縮調節自在な連動リン
ク13、リンク機構構成部材の製作誤差や組付け誤差に
起因するこじれを防止するように、機体前方側のメイン
揺動リンク12と前記支持フレーム6とを連結してある
サブ揺動リンク19の夫々から構成してある。機体後方
側の前記メイン揺動リンク12の操作アーム部12aに
油圧シリンダ14のロッド部14aを連動させてあり、
もって、駆動機構としての油圧シリンダ14により機体
フレーム2に対して支持フレーム6を昇降操作できるよ
うにしてある。そして、前記油圧シリンダ14は、右側
の支持フレーム6も同様に昇降操作できるように、左右
に配設されており、これら油圧シリンダ14, 14夫々
を各別に操作することにより機体の走行地盤に対する傾
斜調節ができるようにしてある。 【0011】さらに詳述すれば、油圧シリンダ14が操
作部12a及び連動リンク13を介して前後一対のメイ
ン揺動リンク12,12のいずれも操作力を伝達して一
対のメイン揺動リンク12,12を揺動操作するよう
に、この揺動に伴い支持フレーム6が機体フレーム2に
対して下降するほど前記クローラ駆動用輪体5により接
近する状態で機体フレーム2に対して昇降するようにし
てある。そして、支持フレーム6が下降するほどクロー
ラ駆動用輪体5に接近することから、支持フレーム6の
昇降にかかわらず、全輪体5,7,8に亘るクローラベ
ルト9の巻掛け長さに昇降前との変化が生じないか、あ
るいはあまり生じないのである。 【0012】尚、図2の15は遊転輪体であり、この遊
転輪体15を支持する支持アーム16が横軸芯周りで上
下揺動自在でかつ下降側へ付勢した状態で設けられてい
る。又、図1及び図2の17は、前記クローラベルト9
の張り具合いを調節するための螺軸であり、この螺軸1
7に備えた回転操作部17aを操作することにより前記
支持フレーム6に対して前記クローラ緊張用遊転輪体8
を備えたスライドフレーム18を前後方向に伸縮させる
ようにして、クローラベルト9の張り具合いを調節する
ようにしてある。 【0013】〔別実施例〕前記実施例では、両支持フレ
ーム6,6を昇降させることにより機体の傾斜調節をす
るようにしたが、一方6のみを昇降させるようにして実
施してもよい。又、前記実施例では、サブ揺動リンク1
9を前方側のメイン揺動リンク12と支持フレーム6と
の間に設けたが、一対のメイン揺動リンク12,12の
一方と支持フレーム6または連動リンク13との間であ
ればどこに設けてもよい。本発明は、コンバインに適用
できる他、土工機等のクローラ走行装置を備えた各種の
作業車に適用することができる。 【0014】尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を
便利にするために符号を記すが、該記入により本発明は
添付図面の構成に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】クローラ走行装置の切欠き平面図
【図2】クローラ走行装置の側面図
【図3】図2におけるIII−III線断面図
【図4】コンバイン全体の側面図
【符号の説明】
1 クローラ走行装置
5 クローラ駆動用輪体
6 支持フレーム
7 クローラ接地部用輪体
8 クローラ緊張用輪体
12 メイン揺動リンク
13 連動リンク
14 駆動機構
19 サブ揺動リンク
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】 【提出日】平成7年3月15日 【手続補正1】 【補正対象書類名】明細書 【補正対象項目名】全文 【補正方法】変更 【補正内容】 【書類名】 明細書 【発明の名称】 コンバインの走行装置 【特許請求の範囲】 左右一対のクローラ走行装置(1)を備えた走行機体の
前部に刈取前処理装置(4)を連結するとともに、走行
機体上に脱穀装置(3)を搭載したコンバインの走行装
置において、 前記クローラ走行装置(1)を構成するに、機体フレー
ム(2)の前進方向側に駆動用輪体(5)を配備し、左
右クローラ走行装置(1)の各駆動用輪体(5)の間に
伝動ケース(10)を配備し、遊転輪(7)および緊張
用遊転輪(8)を支持フレーム(6)に装備するととも
に、支持フレーム(6)の前後方向中間部位に上下動可
能な可動転輪(15)を装備し、この支持フレーム
(6)を、前後一対の揺動リンク(12),(12)を
介して前記機体フレーム(6)に相対上下動可能に支持
し、前記駆動用輪体(5)、遊転輪(7)、および、緊
張用遊転輪(8)に亘ってゴム製のクローラベルト
(9)を巻回し、前記揺動リンク(12),(12)を
揺動駆動する油圧シリンダ(14)を設け、かつ、この
揺動リンク(12),(12)の揺動方向を、前記支持
フレーム(6)が前記機体フレーム(2)に対して相対
下降するにつれてその支持フレーム(6)が前進方向側
に移動するように設定してあることを特徴とするコンバ
インの走行装置。 【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、左右一対のクローラ走
行装置で走行するよう構成したコンバインの走行装置に
関する。 【0002】 【従来の技術】湿田でのコンバイン作業においてはクロ
ーラ走行装置が圃場に沈下することが多く、この際に機
体を所望レベルまで持ち上げるための手段として、例え
ば実開昭58-174385 号公報で示されれるように、接地側
遊転輪を備えた支持フレームをリンク機構を介して機体
フレームに連結し、リンク機構を油圧シリンダで揺動駆
動して支持フレームを機体フレームに対して相対的に昇
降することで、左右のクローラ走行装置におけるクロー
ラベルトの接地部側を機体に対して同量づつ同期して相
対昇降させるように構成したものが知られている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかし、上記公知の技
術は、左右のクローラ走行装置における各支持フレーム
を同調して同方向に昇降作動させる構造であったため
に、機体を平行に昇降することはできるが、機体の左右
傾斜を修正する機能は備えておらず、湿田において左右
のクローラ走行装置での沈下量に差があって機体が左右
に傾斜した場合、畝立てされた麦などの収穫において左
右のクローラ走行装置の一方が畝上を走行し他方が畝間
を走行して機体が左右に傾斜するような場合、あるい
は、付設した機器や収穫物の重量によって機体自体の左
右重量バランスが崩れて左右に傾斜するような場合、な
どにおいては対応できないものであった。また、上記公
知例では、緊張用遊転輪を機体フレーム側に装備してい
るので、支持フレームを機体フレームに対して相対下降
させた際のクローラベルトの巻き掛け長さの増大を吸収
するために、緊張用遊転輪をクローラベルトの張力によ
って前方に後退変位させる構造、つまり自動テンション
構造にしたものである。しかし、緊張用遊転輪を自動テ
ンション構造にして自由に動けるようにすると、例えば
後進時にクローラ走行装置が畦等にぶつかった際に緊張
用遊転輪がベルト緩み側に変位してクローラベルトに緩
みを生じてしまい、これに起因して脱輪が発生するとい
う不都合な事態を招き易いものである。そしてまた、そ
の緊張用遊転輪の移動量も、支持フレームの昇降量に応
じて、昇降量が大きいほど大きく移動させられるように
設定する必要があり、支持フレームの昇降量が大きいほ
ど緊張用遊転輪の自動テンションによる緊張力の変化も
大きくなるという特性から、自動テンション構造を採用
したものでは、クローラベルトの張力を一定に保つこと
が困難で脱輪あるいは昇降がスムースに行えない、又
は、支持フレームの昇降量をあまり大きく設定し難いと
いった各種の問題があった。さらにまた、この種のコン
バインでは、一つの圃場での作業が終了すると次の圃場
へ移行する際、畦を乗り越えて移動することがよくあ
る。このとき機体が∧型に屈折して、畦に乗り上げたク
ローラ走行装置の前端側が、畦を越えて着地するとき、
落差が大きくて強い衝撃を受ける、あるいは、機体の前
端部が前のめりとなって刈取前処理装置の前端部が土中
に突入して損傷するなどの問題があった。本発明はこの
ような点に着目してなされたものであって、クローラ走
行装置の昇降構造に改良を加えることで、機体高さや、
機体左右傾斜調節を任意かつ適切に行うことができ、湿
田および畑地にかかわらず所望の機体高さおよび左右傾
斜姿勢を好適に維持して良好にコンバイン作業を行うこ
とができ、かつ、畦の乗り越えも安全かつ容易に行い易
い構造のコンバインの走行装置を提供することにその目
的がある。 【0004】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に講じた本発明の技術手段は次の通りである。すなわ
ち、本発明は、、左右一対のクローラ走行装置を備えた
走行機体の前部に刈取り前処理装置を連結するととも
に、走行機体上に脱穀装置を搭載したコンバインの走行
装置において、前記クローラ走行装置を構成するに、機
体フレームの前進方向側に駆動用輪体を配備し、左右ク
ローラ走行装置の各駆動用輪体の間に伝動ケースを配備
し、遊転輪および緊張用遊転輪を支持フレームに装備す
るとともに、支持フレームの前後方向中間部位に上下動
可能な可動転輪を装備し、この支持フレームを、前後一
対の揺動リンクを介して前記機体フレームに相対上下動
可能に支持し、前記駆動用輪体、遊転輪、および、緊張
用遊転輪に亘ってゴム製のクローラベルトを巻回し、前
記揺動リンクを揺動駆動する油圧シリンダを設け、か
つ、この揺動リンクの揺動方向を、前記支持フレームが
前記機体フレームに対して相対下降するにつれてその支
持フレームが前進方向側に移動するように設定してある
ことを特徴とする。 【0005】 【作用】本発明の構成によると、左右のクローラ走行装
置の各支持フレームを同方向に同量づつ機体フレームに
対して相対的に駆動昇降することで機体を平行に昇降す
ることができ、また、左右のクローラ走行装置の各支持
フレームを各別かつ任意に機体フレームに対して相対的
に駆動昇降することで、左右のクローラ走行装置の各接
地部の機体フレームに対する高さを異ならせ、もって機
体の左右傾斜を調節することが可能となる。各支持フレ
ームを昇降させる作動において、例えば、支持フレーム
が機体フレームに対して接近した上昇状態(機体高さが
低い状態)から相対下降操作されて機体が相対的に駆動
上昇操作されると、支持フレーム前部の遊転輪と駆動用
輪体との上下の距離が増大するが、支持フレーム全体が
駆動用輪体側に近づいて、駆動用輪体と支持フレーム後
部に設けた緊張用遊転輪との距離が短くなるために、支
持フレームを機体フレームに対して相対的に下降させた
場合にクローラベルト巻掛け長さを下降前のそれと略同
一にしてクローラベルトの張力を略一定に保って支持フ
レームの昇降をスムースにおこなうことができる。しか
も、遊転輪及び緊張用遊転輪を装備した支持フレームを
昇降させるものにして、クローラベルトにゴム製のベル
トを用いたものであるが故に、揺動リンクの揺動に伴う
支持フレームの昇降によって生じる昇降量と前後移動量
の差異などから、ベルト周長に全く変化が生じない状態
に保って移動させることは困難であるが、本発明では、
ベルトを一定周長に保って支持フレームを昇降させるた
めの揺動リンクの軌跡、支点位置などに多少の誤差があ
っても、これをベルト自体の弾性を利用して吸収させる
ことにより、クローラベルトの周長を略一定に保っての
支持フレームの昇降を効果的に行わせることができる。
さらに、コンバインは籾タンク、排ワラ処理装置などを
搭載しているため前バランスにしているのが一般的であ
るが、支持フレームの降下を駆動輪の設置してある前進
方向側へ移行させておこなうので、前バランスにしてあ
る機体を前のめりに傾斜せしめて刈取前処理装置の刈刃
が土中に突っ込むことを防止して刈取作業に支障を来す
弊害、駆動用輪体の間の伝動ケースでの泥押しによる走
行阻害を防ぐことができる。揺動リンクと油圧シリンダ
により支持フレームに対する機体フレームの平行度を確
保して機体を安定した姿勢で昇降することができる。そ
して、機体が次の圃場へ移動する際には、畦乗り越えの
時にクローラ走行装置の支持フレームを下降させて車高
を上げると、前バランス状態であった機体の重心を後方
側へ移行させることができるとともに、クローラ走行装
置が支持フレームの前後方向中間部位に上下動可能な可
動転輪を装備しているので、畦の高さの割に畦を乗り越
えるときの走行機体の姿勢変化を緩やかなものとし、畦
上からの降下時に走行機体が前のめりになることを少な
くし、走行機体の前端側の落下量、刈取前処理装置の先
端部が土中に突込むといったことを少なくすることがで
きる。 【0006】 【発明の効果】従って、本発明は以下のような効果を発
揮する。すなわち、 本発明によると、左右のクローラ走行装置の各接地
部を機体に対して各別に相対昇降させることができるの
で、同調昇降操作によって機体を平行に昇降させたり、
各別任意の昇降操作によって機体の左右傾斜を調節する
ことができ、圃場条件に応じ、また、機体自体の左右重
量バランスに対応して機体の左右傾斜姿勢を好適に維持
しての作業走行が可能となり、刈取作業性能に優れたコ
ンバインを得ることができる。 遊転輪および緊張用遊転輪を装備した支持フレーム
を昇降させるものにして、ゴム製のクローラベルトとの
組合せにより、クローラベルトの巻き掛け長さを常に略
一定に維持し、かつ、その緊張状態も略一定に維持した
状態で支持フレームの昇降をスムースに行うとともに脱
輪の少ないものにし、クローラベルトの周長を略一定に
保っての支持フレームの昇降をより効果的に行わせるこ
とができる。 機体を安定した姿勢で昇降することができるととも
に、又、コンバインの走行装置が沈下する湿田で機体を
上昇して刈取作業をする場合に機体が前のめりになって
刈刃が土中に突入して刈取作業を困難にすることを防ぐ
とともに、伝動ケースの泥押しによる走行阻害を防ぐこ
とができる。 畦乗り越えの際、例えばクローラ走行装置の支持フ
レームを下降させて車高を上げた状態でおこなえば前バ
ランス状態の機体重心を後方側へ移行させられるととも
に、可動転輪を備えることにより畦越えを緩やかなもの
にするとともに、畦上からの降下時に走行機体が前のめ
りになることを少なくして、走行機体前端側の落下量、
急降下量を少なくし、畦を越えての着地時に、刈取前処
理装置の前端部が土中へ突入するなどによる損傷を避け
易い。 【0007】 【実施例】図4に示すように、左右一対のクローラ走行
装置1, 1を備え、かつ、脱穀装置3を搭載した走行機
体の前部に、植立穀稈を引起こすと共に刈取り、刈取り
穀稈を脱穀装置3に供給する前処理装置4を設けて、コ
ンバインを構成してある。 【0008】左右のクローラ走行装置1, 1はいずれも
同一構造であるため、以下、左側のクローラ走行装置1
についてのみ説明する。 【0009】図1及び図2に示すように、走行機体を構
成する機体フレーム2に伝動ケース10を介して取付け
た駆動用輪体5、前記機体フレーム2に後述の揺動リン
ク機構11を介して連結した支持フレーム6に取付けた
複数個の遊転輪7及び緊張用遊転輪(張力を調節する機
能を持った遊転輪)8の夫々に亘ってゴム製のクローラ
ベルト9を巻回して成り、伝動ケース10からの動力に
より駆動用輪体5を駆動して、クローラベルト9を駆動
するようにしてある。 【0010】前記揺動リンク機構11は、機体フレーム
2に枢着した前後一対のメイン揺動リンク12, 12、
これらメイン揺動リンク12,12を連動連結するよう
に、一方のメイン揺動リンク12の操作アーム部12a
と他方のメイン揺動リンク12の操作アーム部12aと
に両端側を各別に連結してある伸縮調節自在なロッド1
3、リンク機構構成部材の製作誤差や組付け誤差に起因
するこじれを防止するように、機体前方側のメイン揺動
リンク12と前記支持フレーム6とを連結してあるサブ
揺動リンク19の夫々から構成してある。機体後方側の
前記メイン揺動リンク12の操作アーム部12aに油圧
シリンダ14のロッド部14aを連動させてあり、もっ
て、駆動機構としての油圧シリンダ14により機体フレ
ーム2に対して支持フレーム6を昇降操作できるように
してある。そして、前記油圧シリンダ14は、右側の支
持フレーム6も同様に昇降操作できるように、左右に配
設されており、これら油圧シリンダ14, 14夫々を各
別に操作することにより機体の走行地盤に対する傾斜調
節ができるようにしてある。 【0011】さらに詳述すれば、油圧シリンダ14が操
作部12a及びロッド13を介して前後一対のメイン揺
動リンク12,12に操作力を伝達して一対のメイン揺
動リンク12,12を揺動操作するようにし、この揺動
に伴い支持フレーム6が機体フレーム2に対して相対下
降するほど前後方向で前記駆動用輪体5の存在する前方
側に移動する状態で機体フレーム2に対して昇降するよ
うにしてある。そして、支持フレーム6が相対下降して
も、駆動用輪体5と支持フレーム6に設けた最前方の遊
転輪7との距離が下降前より長くなるのに対して、支持
フレーム6全体が前後方向で駆動用輪体5存在側に移動
することで駆動用輪体5と緊張用遊転輪8との距離が下
降前より短くなり、クローラベルト巻掛け径路長さの増
加分〔最前方の遊転輪7と駆動用輪体5との間〕と減少
分〔駆動用輪体5と緊張用遊転輪8との間〕とが相殺し
て、支持フレーム6を機体に対して相対下降させた場合
の駆動用輪体5および遊転輪7並びに緊張用遊転輪8に
亘るクローラベルト巻掛け径路長さは下降前のそれと略
同一となる。 【0012】尚、図2の15は支持フレーム6の前後方
向中間部位に設けられた可動転輪であり、この可動転輪
15を支持する支持アーム16が横軸芯周りで上下揺動
自在でかつ下降側へ付勢した状態で支持フレーム6に設
けられている。又、図1及び図2の17は、前記クロー
ラベルト9の張り具合いを調節するための螺軸であり、
この螺軸17に備えた回転操作部17aを操作すること
により前記支持フレーム6に対して前記緊張用遊転輪8
を備えたスライドフレーム18を前後方向に伸縮させる
ようにして、クローラベルト9の張り具合いを調節する
ようにしてある。 【0013】〔別実施例〕前記実施例では、サブ揺動リ
ンク19を前方側のメイン揺動リンク12と支持フレー
ム6との間に設けたが、一対のメイン揺動リンク12,
12の一方と支持フレーム6またはロッド13との間で
あればどこに設けてもよい。 【0014】尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を
便利にするために符号を記すが、該記入により本発明は
添付図面の構成に限定されるものではない。 【図面の簡単な説明】 【図1】クローラ走行装置の切欠き平面図 【図2】クローラ走行装置の側面図 【図3】図2におけるIII−III線断面図 【図4】コンバイン全体の側面図 【符号の説明】 1 クローラ走行装置 2 機体フレーム 3 脱穀装置 4 刈取前処理装置 5 駆動用輪体 6 支持フレーム 7 遊転輪 8 緊張用遊転輪 12 揺動リンク 14 油圧シリンダ 15 可動転輪
【手続補正書】 【提出日】平成7年3月15日 【手続補正1】 【補正対象書類名】明細書 【補正対象項目名】全文 【補正方法】変更 【補正内容】 【書類名】 明細書 【発明の名称】 コンバインの走行装置 【特許請求の範囲】 左右一対のクローラ走行装置(1)を備えた走行機体の
前部に刈取前処理装置(4)を連結するとともに、走行
機体上に脱穀装置(3)を搭載したコンバインの走行装
置において、 前記クローラ走行装置(1)を構成するに、機体フレー
ム(2)の前進方向側に駆動用輪体(5)を配備し、左
右クローラ走行装置(1)の各駆動用輪体(5)の間に
伝動ケース(10)を配備し、遊転輪(7)および緊張
用遊転輪(8)を支持フレーム(6)に装備するととも
に、支持フレーム(6)の前後方向中間部位に上下動可
能な可動転輪(15)を装備し、この支持フレーム
(6)を、前後一対の揺動リンク(12),(12)を
介して前記機体フレーム(6)に相対上下動可能に支持
し、前記駆動用輪体(5)、遊転輪(7)、および、緊
張用遊転輪(8)に亘ってゴム製のクローラベルト
(9)を巻回し、前記揺動リンク(12),(12)を
揺動駆動する油圧シリンダ(14)を設け、かつ、この
揺動リンク(12),(12)の揺動方向を、前記支持
フレーム(6)が前記機体フレーム(2)に対して相対
下降するにつれてその支持フレーム(6)が前進方向側
に移動するように設定してあることを特徴とするコンバ
インの走行装置。 【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、左右一対のクローラ走
行装置で走行するよう構成したコンバインの走行装置に
関する。 【0002】 【従来の技術】湿田でのコンバイン作業においてはクロ
ーラ走行装置が圃場に沈下することが多く、この際に機
体を所望レベルまで持ち上げるための手段として、例え
ば実開昭58-174385 号公報で示されれるように、接地側
遊転輪を備えた支持フレームをリンク機構を介して機体
フレームに連結し、リンク機構を油圧シリンダで揺動駆
動して支持フレームを機体フレームに対して相対的に昇
降することで、左右のクローラ走行装置におけるクロー
ラベルトの接地部側を機体に対して同量づつ同期して相
対昇降させるように構成したものが知られている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかし、上記公知の技
術は、左右のクローラ走行装置における各支持フレーム
を同調して同方向に昇降作動させる構造であったため
に、機体を平行に昇降することはできるが、機体の左右
傾斜を修正する機能は備えておらず、湿田において左右
のクローラ走行装置での沈下量に差があって機体が左右
に傾斜した場合、畝立てされた麦などの収穫において左
右のクローラ走行装置の一方が畝上を走行し他方が畝間
を走行して機体が左右に傾斜するような場合、あるい
は、付設した機器や収穫物の重量によって機体自体の左
右重量バランスが崩れて左右に傾斜するような場合、な
どにおいては対応できないものであった。また、上記公
知例では、緊張用遊転輪を機体フレーム側に装備してい
るので、支持フレームを機体フレームに対して相対下降
させた際のクローラベルトの巻き掛け長さの増大を吸収
するために、緊張用遊転輪をクローラベルトの張力によ
って前方に後退変位させる構造、つまり自動テンション
構造にしたものである。しかし、緊張用遊転輪を自動テ
ンション構造にして自由に動けるようにすると、例えば
後進時にクローラ走行装置が畦等にぶつかった際に緊張
用遊転輪がベルト緩み側に変位してクローラベルトに緩
みを生じてしまい、これに起因して脱輪が発生するとい
う不都合な事態を招き易いものである。そしてまた、そ
の緊張用遊転輪の移動量も、支持フレームの昇降量に応
じて、昇降量が大きいほど大きく移動させられるように
設定する必要があり、支持フレームの昇降量が大きいほ
ど緊張用遊転輪の自動テンションによる緊張力の変化も
大きくなるという特性から、自動テンション構造を採用
したものでは、クローラベルトの張力を一定に保つこと
が困難で脱輪あるいは昇降がスムースに行えない、又
は、支持フレームの昇降量をあまり大きく設定し難いと
いった各種の問題があった。さらにまた、この種のコン
バインでは、一つの圃場での作業が終了すると次の圃場
へ移行する際、畦を乗り越えて移動することがよくあ
る。このとき機体が∧型に屈折して、畦に乗り上げたク
ローラ走行装置の前端側が、畦を越えて着地するとき、
落差が大きくて強い衝撃を受ける、あるいは、機体の前
端部が前のめりとなって刈取前処理装置の前端部が土中
に突入して損傷するなどの問題があった。本発明はこの
ような点に着目してなされたものであって、クローラ走
行装置の昇降構造に改良を加えることで、機体高さや、
機体左右傾斜調節を任意かつ適切に行うことができ、湿
田および畑地にかかわらず所望の機体高さおよび左右傾
斜姿勢を好適に維持して良好にコンバイン作業を行うこ
とができ、かつ、畦の乗り越えも安全かつ容易に行い易
い構造のコンバインの走行装置を提供することにその目
的がある。 【0004】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に講じた本発明の技術手段は次の通りである。すなわ
ち、本発明は、、左右一対のクローラ走行装置を備えた
走行機体の前部に刈取り前処理装置を連結するととも
に、走行機体上に脱穀装置を搭載したコンバインの走行
装置において、前記クローラ走行装置を構成するに、機
体フレームの前進方向側に駆動用輪体を配備し、左右ク
ローラ走行装置の各駆動用輪体の間に伝動ケースを配備
し、遊転輪および緊張用遊転輪を支持フレームに装備す
るとともに、支持フレームの前後方向中間部位に上下動
可能な可動転輪を装備し、この支持フレームを、前後一
対の揺動リンクを介して前記機体フレームに相対上下動
可能に支持し、前記駆動用輪体、遊転輪、および、緊張
用遊転輪に亘ってゴム製のクローラベルトを巻回し、前
記揺動リンクを揺動駆動する油圧シリンダを設け、か
つ、この揺動リンクの揺動方向を、前記支持フレームが
前記機体フレームに対して相対下降するにつれてその支
持フレームが前進方向側に移動するように設定してある
ことを特徴とする。 【0005】 【作用】本発明の構成によると、左右のクローラ走行装
置の各支持フレームを同方向に同量づつ機体フレームに
対して相対的に駆動昇降することで機体を平行に昇降す
ることができ、また、左右のクローラ走行装置の各支持
フレームを各別かつ任意に機体フレームに対して相対的
に駆動昇降することで、左右のクローラ走行装置の各接
地部の機体フレームに対する高さを異ならせ、もって機
体の左右傾斜を調節することが可能となる。各支持フレ
ームを昇降させる作動において、例えば、支持フレーム
が機体フレームに対して接近した上昇状態(機体高さが
低い状態)から相対下降操作されて機体が相対的に駆動
上昇操作されると、支持フレーム前部の遊転輪と駆動用
輪体との上下の距離が増大するが、支持フレーム全体が
駆動用輪体側に近づいて、駆動用輪体と支持フレーム後
部に設けた緊張用遊転輪との距離が短くなるために、支
持フレームを機体フレームに対して相対的に下降させた
場合にクローラベルト巻掛け長さを下降前のそれと略同
一にしてクローラベルトの張力を略一定に保って支持フ
レームの昇降をスムースにおこなうことができる。しか
も、遊転輪及び緊張用遊転輪を装備した支持フレームを
昇降させるものにして、クローラベルトにゴム製のベル
トを用いたものであるが故に、揺動リンクの揺動に伴う
支持フレームの昇降によって生じる昇降量と前後移動量
の差異などから、ベルト周長に全く変化が生じない状態
に保って移動させることは困難であるが、本発明では、
ベルトを一定周長に保って支持フレームを昇降させるた
めの揺動リンクの軌跡、支点位置などに多少の誤差があ
っても、これをベルト自体の弾性を利用して吸収させる
ことにより、クローラベルトの周長を略一定に保っての
支持フレームの昇降を効果的に行わせることができる。
さらに、コンバインは籾タンク、排ワラ処理装置などを
搭載しているため前バランスにしているのが一般的であ
るが、支持フレームの降下を駆動輪の設置してある前進
方向側へ移行させておこなうので、前バランスにしてあ
る機体を前のめりに傾斜せしめて刈取前処理装置の刈刃
が土中に突っ込むことを防止して刈取作業に支障を来す
弊害、駆動用輪体の間の伝動ケースでの泥押しによる走
行阻害を防ぐことができる。揺動リンクと油圧シリンダ
により支持フレームに対する機体フレームの平行度を確
保して機体を安定した姿勢で昇降することができる。そ
して、機体が次の圃場へ移動する際には、畦乗り越えの
時にクローラ走行装置の支持フレームを下降させて車高
を上げると、前バランス状態であった機体の重心を後方
側へ移行させることができるとともに、クローラ走行装
置が支持フレームの前後方向中間部位に上下動可能な可
動転輪を装備しているので、畦の高さの割に畦を乗り越
えるときの走行機体の姿勢変化を緩やかなものとし、畦
上からの降下時に走行機体が前のめりになることを少な
くし、走行機体の前端側の落下量、刈取前処理装置の先
端部が土中に突込むといったことを少なくすることがで
きる。 【0006】 【発明の効果】従って、本発明は以下のような効果を発
揮する。すなわち、 本発明によると、左右のクローラ走行装置の各接地
部を機体に対して各別に相対昇降させることができるの
で、同調昇降操作によって機体を平行に昇降させたり、
各別任意の昇降操作によって機体の左右傾斜を調節する
ことができ、圃場条件に応じ、また、機体自体の左右重
量バランスに対応して機体の左右傾斜姿勢を好適に維持
しての作業走行が可能となり、刈取作業性能に優れたコ
ンバインを得ることができる。 遊転輪および緊張用遊転輪を装備した支持フレーム
を昇降させるものにして、ゴム製のクローラベルトとの
組合せにより、クローラベルトの巻き掛け長さを常に略
一定に維持し、かつ、その緊張状態も略一定に維持した
状態で支持フレームの昇降をスムースに行うとともに脱
輪の少ないものにし、クローラベルトの周長を略一定に
保っての支持フレームの昇降をより効果的に行わせるこ
とができる。 機体を安定した姿勢で昇降することができるととも
に、又、コンバインの走行装置が沈下する湿田で機体を
上昇して刈取作業をする場合に機体が前のめりになって
刈刃が土中に突入して刈取作業を困難にすることを防ぐ
とともに、伝動ケースの泥押しによる走行阻害を防ぐこ
とができる。 畦乗り越えの際、例えばクローラ走行装置の支持フ
レームを下降させて車高を上げた状態でおこなえば前バ
ランス状態の機体重心を後方側へ移行させられるととも
に、可動転輪を備えることにより畦越えを緩やかなもの
にするとともに、畦上からの降下時に走行機体が前のめ
りになることを少なくして、走行機体前端側の落下量、
急降下量を少なくし、畦を越えての着地時に、刈取前処
理装置の前端部が土中へ突入するなどによる損傷を避け
易い。 【0007】 【実施例】図4に示すように、左右一対のクローラ走行
装置1, 1を備え、かつ、脱穀装置3を搭載した走行機
体の前部に、植立穀稈を引起こすと共に刈取り、刈取り
穀稈を脱穀装置3に供給する前処理装置4を設けて、コ
ンバインを構成してある。 【0008】左右のクローラ走行装置1, 1はいずれも
同一構造であるため、以下、左側のクローラ走行装置1
についてのみ説明する。 【0009】図1及び図2に示すように、走行機体を構
成する機体フレーム2に伝動ケース10を介して取付け
た駆動用輪体5、前記機体フレーム2に後述の揺動リン
ク機構11を介して連結した支持フレーム6に取付けた
複数個の遊転輪7及び緊張用遊転輪(張力を調節する機
能を持った遊転輪)8の夫々に亘ってゴム製のクローラ
ベルト9を巻回して成り、伝動ケース10からの動力に
より駆動用輪体5を駆動して、クローラベルト9を駆動
するようにしてある。 【0010】前記揺動リンク機構11は、機体フレーム
2に枢着した前後一対のメイン揺動リンク12, 12、
これらメイン揺動リンク12,12を連動連結するよう
に、一方のメイン揺動リンク12の操作アーム部12a
と他方のメイン揺動リンク12の操作アーム部12aと
に両端側を各別に連結してある伸縮調節自在なロッド1
3、リンク機構構成部材の製作誤差や組付け誤差に起因
するこじれを防止するように、機体前方側のメイン揺動
リンク12と前記支持フレーム6とを連結してあるサブ
揺動リンク19の夫々から構成してある。機体後方側の
前記メイン揺動リンク12の操作アーム部12aに油圧
シリンダ14のロッド部14aを連動させてあり、もっ
て、駆動機構としての油圧シリンダ14により機体フレ
ーム2に対して支持フレーム6を昇降操作できるように
してある。そして、前記油圧シリンダ14は、右側の支
持フレーム6も同様に昇降操作できるように、左右に配
設されており、これら油圧シリンダ14, 14夫々を各
別に操作することにより機体の走行地盤に対する傾斜調
節ができるようにしてある。 【0011】さらに詳述すれば、油圧シリンダ14が操
作部12a及びロッド13を介して前後一対のメイン揺
動リンク12,12に操作力を伝達して一対のメイン揺
動リンク12,12を揺動操作するようにし、この揺動
に伴い支持フレーム6が機体フレーム2に対して相対下
降するほど前後方向で前記駆動用輪体5の存在する前方
側に移動する状態で機体フレーム2に対して昇降するよ
うにしてある。そして、支持フレーム6が相対下降して
も、駆動用輪体5と支持フレーム6に設けた最前方の遊
転輪7との距離が下降前より長くなるのに対して、支持
フレーム6全体が前後方向で駆動用輪体5存在側に移動
することで駆動用輪体5と緊張用遊転輪8との距離が下
降前より短くなり、クローラベルト巻掛け径路長さの増
加分〔最前方の遊転輪7と駆動用輪体5との間〕と減少
分〔駆動用輪体5と緊張用遊転輪8との間〕とが相殺し
て、支持フレーム6を機体に対して相対下降させた場合
の駆動用輪体5および遊転輪7並びに緊張用遊転輪8に
亘るクローラベルト巻掛け径路長さは下降前のそれと略
同一となる。 【0012】尚、図2の15は支持フレーム6の前後方
向中間部位に設けられた可動転輪であり、この可動転輪
15を支持する支持アーム16が横軸芯周りで上下揺動
自在でかつ下降側へ付勢した状態で支持フレーム6に設
けられている。又、図1及び図2の17は、前記クロー
ラベルト9の張り具合いを調節するための螺軸であり、
この螺軸17に備えた回転操作部17aを操作すること
により前記支持フレーム6に対して前記緊張用遊転輪8
を備えたスライドフレーム18を前後方向に伸縮させる
ようにして、クローラベルト9の張り具合いを調節する
ようにしてある。 【0013】〔別実施例〕前記実施例では、サブ揺動リ
ンク19を前方側のメイン揺動リンク12と支持フレー
ム6との間に設けたが、一対のメイン揺動リンク12,
12の一方と支持フレーム6またはロッド13との間で
あればどこに設けてもよい。 【0014】尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を
便利にするために符号を記すが、該記入により本発明は
添付図面の構成に限定されるものではない。 【図面の簡単な説明】 【図1】クローラ走行装置の切欠き平面図 【図2】クローラ走行装置の側面図 【図3】図2におけるIII−III線断面図 【図4】コンバイン全体の側面図 【符号の説明】 1 クローラ走行装置 2 機体フレーム 3 脱穀装置 4 刈取前処理装置 5 駆動用輪体 6 支持フレーム 7 遊転輪 8 緊張用遊転輪 12 揺動リンク 14 油圧シリンダ 15 可動転輪
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 左右一対のクローラ走行装置(1)を備えた走行機体の
前部に刈取り前処理部(4)を連結するとともに、走行
機体上に脱穀装置(3)を搭載したコンバインにおい
て、 前記クローラ走行装置(1)を構成するに、機体フレー
ム(2)の前進方向側に駆動用輪体(5)を配備し、左
右クローラ走行装置(1)の各駆動用輪体(5)の間に
伝動ケース(10)を配備し、遊転自在な転輪(7)お
よび緊張輪(8)を支持フレーム(6)を装備するとと
もに、支持フレーム(6)の前後方向中間部位に上下動
可能な可動転輪(15)を装備し、この支持フレーム
(6)を、前後一対の揺動リンク(12),(12)を
備えたリンク機構(11)を介して前記機体フレーム
(6)に相対上下動可能に支持し、前記駆動用輪体
(5)、転輪(7)、および、緊張輪(8)に亘ってゴ
ム製のクローラベルト(9)を巻回し、後側の前記揺動
リンク(12)と一体揺動する操作アーム(12a)を
上方に向けて延出し、この操作アーム(12a)とその
前方側の機体フレーム(2)部位とに亘って油圧シリン
ダ(14)を架設し、操作アーム(12a)を前記油圧
シリンダ(14)で揺動駆動することで支持フレーム
(6)を機体フレーム(6)に相対上下動させるよう構
成し、支持フレーム(6)が機体フレーム(2)に対し
て相対下降するにつれて支持フレーム(6)が前進方向
側に移動するように前記リンク機構(11)の揺動方向
を設定してあることを特徴とするコンバイン。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7024306A JP2788611B2 (ja) | 1995-02-13 | 1995-02-13 | コンバイン |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7024306A JP2788611B2 (ja) | 1995-02-13 | 1995-02-13 | コンバイン |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP63161444A Division JPH07108671B2 (ja) | 1988-06-28 | 1988-06-28 | コンバインの走行装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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- 1995-02-13 JP JP7024306A patent/JP2788611B2/ja not_active Expired - Lifetime
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