JP3319047B2 - コンバインの水平制御車体 - Google Patents

コンバインの水平制御車体

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JP3319047B2
JP3319047B2 JP17966893A JP17966893A JP3319047B2 JP 3319047 B2 JP3319047 B2 JP 3319047B2 JP 17966893 A JP17966893 A JP 17966893A JP 17966893 A JP17966893 A JP 17966893A JP 3319047 B2 JP3319047 B2 JP 3319047B2
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、コンバインの水
平制御車体に関する。
【0002】
【従来の技術、および発明が解決しようとする課題】コ
ンバインの作業時に、軟弱な土壌面では走行装置のクロ
−ラの沈下によって車体がピッチングやロ−リングを起
すことが多いが、これらのピッチングやロ−リングに対
して車体を水平状態に保持するため、ピッチングには前
後方向の一端部を支軸としたピッチングフレ−ムによる
左右のクロ−ラの上下動により対応させ、ロ−リングに
はこのピッチングフレ−ムに連結したロ−リングフレ−
ムによる左右のクロ−ラの各別の昇降作用により対応さ
せるようにしている。
【0003】しかし、コンバインでは重量の変動が大き
い穀粒タンクをレイアウトの都合上、右側でかつ後方側
寄りに配置するのが一般的であり、このため穀粒タンク
の穀粒貯留量が満杯に近くなるに従って、この穀粒タン
クが配置された側のクロ−ラに掛かる重量が増大し、軟
弱な土壌面の推進時に穀粒タンク側のクロ−ラが土壌面
に潜って沈下し、しかもこのクロ−ラは後部側がより大
きく沈下する傾向にある。このため、クロ−ラのピッチ
ング及びロ−リング対応を必要とするのは、車体重量の
変動が大きい側のクロ−ラについてのみであり、反対側
のクロ−ラについては殆どこの対応を必要としない。に
も拘わらず、この不必要なピッチング及びロ−リング装
置による無駄なコストが付加されていると共に、車体重
量の増大により湿田適応性も低下させている。
【0004】そこでこの発明は、車体重量の変動が大き
い側のクロ−ラについてのみ、車台に対してピッチング
及びロ−リング制御を行わせるようにするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明は、左右一対の
クローラ1からなる走行装置5を備える車台2の前部に
立毛穀稈を分草し引起して刈り取ると共に刈取穀稈を後
方側へ搬送する刈取装置9を設け、上記車台2上左側に
は刈取装置9からの穀稈を脱穀する脱穀装置8を載設
し、右側には操作制御を行なう操作装置10や座席11
を配設すると共に この座席11の後方側で脱穀装置8の
側方には上記脱穀装置8の穀粒を回収する穀粒タンク7
を配設したコンバインにおいて、車台2を構成するフレ
ームのうち縦フレーム左13の下部側にクローラフレー
ム29を固定して設け、このクローラフレーム29には
後部転輪25と接地転輪26とを軸承すると共に前端側
の駆動輪28とに亘って左側クローラ1を設け、車台2
を構成するフレームのうち縦フレーム右13の下部側に
ピッチングフレーム3をその前端側を支点として後端側
を上下に回動可能に支持し、該ピッチングフレーム3の
後端側と上記縦フレーム右13後端側との間にピッチン
グシリンダ18の伸縮によって上記ピッチングフレーム
3を前端側を支点に後端側が上下に回動すべく当該ピッ
チングシリンダ18に連動するピッチングリンクアーム
16を設け、上記ピッチングフレーム3の下側に、四点
平行リンクを形成すべく前・後ローリングリンクアーム
20を介してローリングフレーム4を支持し、ローリン
グリンクアーム20と上記ピッチングフレーム3との間
には、伸縮によって上記ローリングフレーム4をピッチ
ングフレーム3に対して平行姿勢で上下すべくローリン
グシリンダ21を設け、上記ローリングシリンダ21に
は後部転輪25と接地転輪26とを軸承すると共に前端
側の駆動輪28とに亘って右側クローラ1を設け、上記
ピッチングフレーム3,ピッチングシリンダ18及びロ
ーリングシリンダ21をローリングフレーム4に対して
機体の中央側に変位すべく配設してなるコンバインの水
平制御車体の構成とする。
【0006】
【作用、および発明の効果】上記の構成によれば、コン
バイン作業において、軟弱な土壌面を走行するときに
は、車体重量の変動が大きい穀粒タンクが配設されてい
る側の右側クローラ1が、穀粒貯留量の増大に伴って土
壌面に潜って沈下することにより走行が蛇行したり阻害
されたりする。このため貯留量が初期の間では右側クロ
ーラ1は土壌面にほぼ平行に沈下するので、このときは
ローリングシリンダ21の作動によりピッチングフレー
ム3に対してローリングフレーム4を平行に下降させる
ローリング制御を行ない、その後貯留量が満杯に近くな
るに従って右側クローラ1の後部側がより大きく沈下す
るので、このときは、ピッチングシリンダ18の作動に
ってピッチングフレーム3を前端側を支点に後端側が
下動すべくなして、即ち、車台2に対してピッチングフ
レーム3の沈下側を下動させるピッチング制御を行なう
ことにより、車台2右側の穀粒タンク側のクローラ1に
ついてのみローリングおよびピッチング制御による対応
を行なうことによって、車体を水平状態に保持させるこ
とができる。
【0007】このように、コンバインの作業時に軟弱な
土壌面において、車体重量の変動が大きい側のクロ−ラ
1が重量の増加により沈下したときは、このクロ−ラ1
側についてのみロ−リング及びピッチング制御による対
応を行うことによって、車体を水平状態に保持させるこ
とができるので、従来の如く、左右両側のクロ−ラ1に
共にロ−リング及びピッチング装置を設けるが如き無駄
なコストの付加や、車体重量の増加による湿田適応性の
低下を招くようなこともなく、無駄なコストと無駄な重
量を排除して、経済性及び湿田適応性の向上を図りうる
ものである。更に上記ピッチングフレーム3,ピッチン
グシリンダ18及びローリングシリンダ21をローリン
グフレーム4に対して機体の中央側に変位すべく配設さ
れるものであるから、片側にピッチング及びローリング
フレームを構成しても機体の左右バランスを崩し難いも
のである。
【0008】
【発明の実施の形態】以下に、この発明の実施例を図面
に基づいて説明する。コンバインの車台2の下部側に土
壌面を走行する左右一対のクロ−ラ1を有する走行装置
5を配設し、この車台2上に、フィ−ドチェン6に挟持
して供給される穀稈を脱穀し、この脱穀された穀粒を選
別回収して一時貯留する穀粒タンク7を備えた脱穀装置
8を載設する。この脱穀装置8の前方側に立毛穀稈を分
草し引起して刈取ると共に、この刈取った穀稈を後方側
へ搬送しながら横倒れ姿勢に変更して該フィ−ドチェン
6へ受渡しする刈取装置9を、土壌面に対して昇降自在
なるよう該車台2の前端部へ装架して設ける。この刈取
装置9の右方側にコンバインの操作制御を行う操作装置
10と、この操作のための座席11とを設け、この座席
11の後方側で該脱穀装置8の右方側に該穀粒タンク7
を配設して、これらの走行装置5,脱穀装置8,刈取装
置9,操作装置10等によってコンバインの車体12を
構成する。
【0009】前記車台2の中央右側で縦方向に位置させ
た縦フレ−ム右13の前端下部に支持枠14を設け、こ
の支持枠14に支持ピン15によって、該縦フレ−ム右
13の下側に位置するピッチングフレ−ム3の前端部を
回動可能に枢支する。このピッチングフレ−ム3の後端
部に、L字形のピッチングリンクア−ム16の一端部を
回動可能にピン連結し、このピッチングリンクア−ム1
6の中間部を、該縦フレ−ム右13の後側下部に固着し
たピッチング支持メタル17に枢支すると共に、その他
端部に、油圧等によって伸縮作用するピッチングシリン
ダ18の可動側ピストン18aの先端部をピン連結し
て、このピッチングシリンダ18の固定側を該縦フレ−
ム右13の後端部にピン連結して構成する。
【0010】該ピッチングフレ−ム3の右下側にほぼ平
行に隣接してロ−リングフレ−ム4を配設し、該ピッチ
ングフレ−ム3の前側及び後側下部に各々固着したロ−
リング支持メタル19に、逆くの字形の前及び後ロ−リ
ングリンクア−ム20の中間部を各々枢支すると共に、
その各一端部を該ロ−リングフレ−ム4の前側及び後側
の適応位置に各々ピン連結する。該後ロ−リングリンク
ア−ム20の他端部に、油圧等によって伸縮作用するロ
−リングシリンダ21の可動側ピストン21aの先端部
をピン連結して、このロ−リングシリンダ21の固定側
を該ピッチングフレ−ム3の上部に設けた固定枠22に
ピン連結して設け、該後ロ−リングリンクア−ム20の
該ピスン21aの近傍位置と、該前ロ−リングリンクア
−ム20の他端部とを連結杆23によって四点平行リン
クを形成するよう各々ピン連結して構成する。もって、
上記ピッチングフレーム3,ピッチングシリンダ18及
びローリングシリンダ21をローリングフレーム4に対
して機体の中央側に変位すべく配設してなる。
【0011】該ロ−リングフレ−ム4の後端上部から後
方に向けて、両側の支持ア−ム24に支持された後部転
輪25を前後調節可能に保持する両側の支持ア−ム受2
4aを固着すると共に、該ロ−リングフレ−ム4の外側
面下部側に所定の間隔をおいて複数個の接地転輪26を
回動自在に軸承し、これらの後部転輪25及び複数個の
接地転輪26と、前端部において走行ミッションケ−ス
27から動力を伝達する駆動輪28とによって、右側の
クロ−ラ1を巻掛け張設して構成する。
【0012】車体12の適宜位置に配設した複数のセン
サによって、車体12の傾斜状態を検出したときは、こ
の検出情報を受けて演算を行い、この演算結果によって
自動的に前記ピッチングシリンダ18及びロ−リングシ
リンダ21を作用させる制御装置(図面省略)を、前記
操作装置10の周辺位置に配設して構成する。また、前
記ピッチングフレ−ム3が車台2に対して平行位置で、
前記ロ−リングフレ−ム4が最上位値にあるとき、この
ロ−リングフレ−ム4と相対する縦フレ−ム左13の下
側位置に、該ロ−リングフレ−ム4と同形状のクロ−ラ
フレ−ム29を固定して設け、このクロ−ラフレ−ム2
8に、該ロ−リングフレ−ム4と同じ位置に同じ要領で
配設した、前記後部転輪25及び複数個の接地転輪26
並びに駆動輪28とによって、左側のクロ−ラ1を巻掛
け張設して構成する。
【0013】次に、以上の構成による作用について説明
する。車体12を走行装置5により走行させてコンバイ
ン作業を行うが、この作業において脱穀し選別された穀
粒は穀粒タンク7に貯留されるが、この様な状態のとき
土壌面が軟弱な場合には、この穀粒タンク7が配置され
ている右側のクロ−ラ1が、該穀粒タンク7の重量を受
けて土壌面に潜り沈下することになる。
【0014】この沈下は、該穀粒タンク7の充填率が少
ないときには車体12の前後バランスが余り片寄らない
ため右側のクロ−ラ1はほぼ平行に沈下し、この沈下し
た右側のクロ−ラ1と沈下しない左側のクロ−ラ1とに
よって車台2が右側下がりに傾斜してロ−リングするの
で、このとき、これらの沈下や傾斜状態を検出したセン
サの情報により制御装置で演算を行い、この演算結果に
よってロ−リングシリンダ21を作用させ、この作用に
より前及び後ロ−リングリンクア−ム20と連結杆23
とによる四点平行リンクが作用して、ロ−リングフレ−
ム4を右側のクロ−ラ1の沈下量に応じてピッチングフ
レ−ム3に対して平行に下降させて、右側下がりに傾斜
した該車台2を元の水平状態に復帰させるロ−リング制
御が行われる。
【0015】また、このような該ロ−リングフレ−ム4
の下降によるロ−リング制御を行っているときに、前記
穀粒タンク7が満杯に近くなって重量が増大してくる
と、右側のクロ−ラ1は更にその後部側がより大きく沈
下して該車台2が後側下がりに傾斜してピッチングする
ので、このとき、これらの沈下や傾斜状態を検出したセ
ンサの情報により制御装置で演算を行い、この演算結果
によってピッチングシリンダ18を作用させ、この作用
によりピッチングリンクア−ム16が下方回動して、前
記ピッチングフレ−ム3を前端部の支持ピン15を支点
として、その後方側を右側のクロ−ラ1の沈下量に応じ
て下動させて、後側下がりに傾斜した該車台2を元の水
平状態に復帰させるピッチング制御が行われる。
【0016】このようにして、前記穀粒タンク7が充填
率の変化により重量の変動が大きく該車台2が複雑に傾
斜したとしても、該穀粒タンク7側のクロ−ラ1をロ−
リング制御とピッチング制御の組合わせにより対応させ
ることによって、比較的容易に水平状態を維持すること
ができる。図2に、ロ−リング制御時に更にピッチング
制御を付加したクロ−ラ1の下降状態を示す。
【0017】また、図5に示す如く、ロ−リング制御は
該穀粒タンク側のクロ−ラ1のみの装備とし、ピッチン
グ制御については左右側のクロ−ラ1に共に装備させる
ことにより、土壌面の凹凸等により左右側のクロ−ラ1
の前部または後部が上下動するピッチングを、逆方向に
作用させて抑えることができるので、該穀粒タンク7に
よる後側下がりの傾斜の修正を行いうると共に、前記刈
取装置9の刈高さを一定に保って、安定した刈取作業を
行わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】コンバインの全体を示す側面図。
【図2】走行装置のクロ−ラ制御機構とその作用を示す
側面図。
【図3】走行装置のクロ−ラ制御機構を示す平面図。
【図4】走行装置のクロ−ラ制御機構とその作用を示す
正面図。
【図5】走行装置のクロ−ラ制御機構を示す平面図。
【符号の説明】
1 クロ−ラ 2 車台 3 ピッチングフレ−ム 4 ロ−リングフレ−ム

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 左右一対のクローラ1からなる走行装置
    5を備える車台2の前部に立毛穀稈を分草し引起して刈
    り取ると共に刈取穀稈を後方側へ搬送する刈取装置9を
    設け、上記車台2上左側には刈取装置9からの穀稈を脱
    穀する脱穀装置8を載設し、右側には操作制御を行なう
    操作装置10や座席11を配設すると共にこの座席11
    の後方側で脱穀装置8の側方には上記脱穀装置8の穀粒
    を回収する穀粒タンク7を配設したコンバインにおい
    て、車台2を構成するフレームのうち縦フレーム左13
    の下部側にクローラフレーム29を固定して設け、この
    クローラフレーム29には後部転輪25と接地転輪26
    とを軸承すると共に前端側の駆動輪28とに亘って左側
    クローラ1を設け、車台2を構成するフレームのうち縦
    フレーム右13の下部側にピッチングフレーム3をその
    前端側を支点として後端側を上下に回動可能に支持し、
    該ピッチングフレーム3の後端側と上記縦フレーム右1
    3後端側との間にピッチングシリンダ18の伸縮によっ
    て上記ピッチングフレーム3を前端側を支点に後端側が
    上下に回動すべく当該ピッチングシリンダ18に連動す
    るピッチングリンクアーム16を設け、上記ピッチング
    フレーム3の下側に、四点平行リンクを形成すべく前・
    後ローリングリンクアーム20を介してローリングフレ
    ーム4を支持し、ローリングリンクアーム20と上記ピ
    ッチングフレーム3との間には、伸縮によって上記ロー
    リングフレーム4をピッチングフレーム3に対して平行
    姿勢で上下すべくローリングシリンダ21を設け、上記
    ローリングシリンダ21には後部転輪25と接地転輪2
    6とを軸承すると共に前端側の駆動輪28とに亘って右
    側クローラ1を設け、上記ピッチングフレーム3,ピッ
    チングシリンダ18及びローリングシリンダ21をロー
    リングフレーム4に対して機体の中央側に変位すべく配
    設してなるコンバインの水平制御車体。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101776469B1 (ko) * 2016-03-15 2017-09-19 두산중공업 주식회사 블레이드 운송차량의 각도조절장치

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR101776469B1 (ko) * 2016-03-15 2017-09-19 두산중공업 주식회사 블레이드 운송차량의 각도조절장치

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