JP2007022427A - クローラ走行型作業車 - Google Patents
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Abstract
【課題】 クローラ走行型作業車における機体走行姿勢調節のための構造を、比較的簡単な構造により、高速走行を行うにも良好なもので提供する。
【解決手段】 クローラ走行装置1の昇降駆動機構4を構成する前後一対の揺動リンク40と、トラックフレーム3との連結箇所に、揺動リンク40に対してトラックフレーム3を弾性的に支持させるための緩衝機能付きの連結手段7を介装し、この連結手段7は、揺動リンク40とトラックフレーム3との前後及び上下方向での相対移動を所定範囲内で許容するように構成されている。
【選択図】 図2
【解決手段】 クローラ走行装置1の昇降駆動機構4を構成する前後一対の揺動リンク40と、トラックフレーム3との連結箇所に、揺動リンク40に対してトラックフレーム3を弾性的に支持させるための緩衝機能付きの連結手段7を介装し、この連結手段7は、揺動リンク40とトラックフレーム3との前後及び上下方向での相対移動を所定範囲内で許容するように構成されている。
【選択図】 図2
Description
本発明は、クローラ走行装置を用いたコンバインやトラクタ等の農作業車、あるいは、運搬車や土木・建設車両等の、クローラ走行型作業車の改良に関する。
上記のようなクローラ走行装置を採用したクローラ走行型作業車としては、従来より下記の構造のものが知られている。
[1]機体フレームの下方で左右両側に一対のクローラ走行装置を備え、その夫々のクローラ走行装置のトラックフレームを、前後左右の各位置に設けられた昇降機構により各別に駆動昇降操作できるように構成して、左右ローリング制御、及び前後ピッチング制御を行なうように構成し、クローラベルトの案内用転輪をトラックフレームに設けた支点軸周りで天秤揺動自在に装着したもの(例えば、特許文献1参照)。
[1]機体フレームの下方で左右両側に一対のクローラ走行装置を備え、その夫々のクローラ走行装置のトラックフレームを、前後左右の各位置に設けられた昇降機構により各別に駆動昇降操作できるように構成して、左右ローリング制御、及び前後ピッチング制御を行なうように構成し、クローラベルトの案内用転輪をトラックフレームに設けた支点軸周りで天秤揺動自在に装着したもの(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載の従来構造のものでは、次のような問題がある。
すなわち、機体フレームに対する左右のトラックフレームの姿勢変更で、機体の左右傾斜と前後傾斜との両傾斜の調節が可能であるが、この調節を行うだけでは、圃場における局部的な凹凸によって生じた機体の傾斜にも反応して制御が行われるため、凹凸の多い圃場では、制御の安定性にかける傾向がある。
また、トラックフレームに設けた枢支軸周りで転輪を天秤揺動させることによって、局部的な凹凸を乗り越えるようにした構造では、その局部的な凹凸によって機体全体が傾斜する頻度もしくは量が少なくなるように機能するので、無用な姿勢制御を回避して制御の安定性を増すことになるが、これだけでは、圃場全体の傾斜や、凹凸の範囲が、転輪の天秤揺動領域よりも広い場合に所期の機能を発揮することができない。
この従来技術では、上記の転輪の天秤揺動の構造と、機体フレームに対するトラックフレームの姿勢制御との併用によって、局部的な凹凸にも、広範囲の傾斜にも対応できる走行姿勢調節が行えるように構成されている点では有用なものである。
しかしながら、このような併用構造を備える従来の技術によっても、機体を高速で走行させようとした場合、前記昇降駆動機構による機体フレームに対するトラックフレームの姿勢制御では、姿勢変化が検出されてからの制御であるため、良好な応答性を得難く、制御のハンチングが生じ易くて、適切な制御を行い難いという問題がある。また、転輪を天秤揺動させる構造では、高速で凹凸部に接当した転輪が跳ねて、凹凸の大きさの割に大きく揺動作動したり、凸部と凸部の間の凹部に反応しないまま転輪が通り過ぎるなど、圃場の凹凸形状に倣った揺動形態とならないことがあり、これによってクローラベルトが外れ易くなるなどの問題があった。
すなわち、機体フレームに対する左右のトラックフレームの姿勢変更で、機体の左右傾斜と前後傾斜との両傾斜の調節が可能であるが、この調節を行うだけでは、圃場における局部的な凹凸によって生じた機体の傾斜にも反応して制御が行われるため、凹凸の多い圃場では、制御の安定性にかける傾向がある。
また、トラックフレームに設けた枢支軸周りで転輪を天秤揺動させることによって、局部的な凹凸を乗り越えるようにした構造では、その局部的な凹凸によって機体全体が傾斜する頻度もしくは量が少なくなるように機能するので、無用な姿勢制御を回避して制御の安定性を増すことになるが、これだけでは、圃場全体の傾斜や、凹凸の範囲が、転輪の天秤揺動領域よりも広い場合に所期の機能を発揮することができない。
この従来技術では、上記の転輪の天秤揺動の構造と、機体フレームに対するトラックフレームの姿勢制御との併用によって、局部的な凹凸にも、広範囲の傾斜にも対応できる走行姿勢調節が行えるように構成されている点では有用なものである。
しかしながら、このような併用構造を備える従来の技術によっても、機体を高速で走行させようとした場合、前記昇降駆動機構による機体フレームに対するトラックフレームの姿勢制御では、姿勢変化が検出されてからの制御であるため、良好な応答性を得難く、制御のハンチングが生じ易くて、適切な制御を行い難いという問題がある。また、転輪を天秤揺動させる構造では、高速で凹凸部に接当した転輪が跳ねて、凹凸の大きさの割に大きく揺動作動したり、凸部と凸部の間の凹部に反応しないまま転輪が通り過ぎるなど、圃場の凹凸形状に倣った揺動形態とならないことがあり、これによってクローラベルトが外れ易くなるなどの問題があった。
本発明の目的は、上述のクローラ走行型作業車における機体走行姿勢の調節に関し、その走行姿勢調節のための構造を、比較的簡単な構造により、高速走行を行うにも良好なもので提供しようとするものである。
〔解決手段1〕
上記目的を達成するために講じた本発明のクローラ走行型作業車における技術手段は、請求項1に記載のように、クローラ走行装置に搭載された機体フレームを、機体前方側の支点周りで後方側が上下位置変化する状態と、機体後方側の支点周りで機体前方側が上下位置変化する状態とに上下位置調節自在に構成してあるクローラ走行型作業車において、
原動部を搭載した機体フレームと、クローラベルト内周の接地側を案内する複数の遊転輪を配設したトラックフレームとを備え、この機体フレームとトラックフレームとを、昇降駆動機構を介して相対上下位置変更自在に構成すると共に、前記機体フレーム側に設けた駆動輪と、前記トラックフレーム側の遊転輪とにわたってクローラベルトを巻回してクローラ走行装置を構成し、
このクローラ走行装置を機体フレームの下方で左右両側に配設し、それぞれのクローラ走行装置に設けられた昇降駆動機構を、前後一対の揺動リンクと、その各揺動リンクの揺動駆動方向を各別に選択して揺動駆動する駆動手段とで構成するとともに、
前記各揺動リンクと前記トラックフレームとの連結箇所に、前記揺動リンクに対してトラックフレームを弾性的に支持させるための緩衝機能付きの連結手段を介装し、
この連結手段は、揺動リンクとトラックフレームとの前後及び上下方向での相対移動を所定範囲内で許容するように構成されている、ということである。
上記目的を達成するために講じた本発明のクローラ走行型作業車における技術手段は、請求項1に記載のように、クローラ走行装置に搭載された機体フレームを、機体前方側の支点周りで後方側が上下位置変化する状態と、機体後方側の支点周りで機体前方側が上下位置変化する状態とに上下位置調節自在に構成してあるクローラ走行型作業車において、
原動部を搭載した機体フレームと、クローラベルト内周の接地側を案内する複数の遊転輪を配設したトラックフレームとを備え、この機体フレームとトラックフレームとを、昇降駆動機構を介して相対上下位置変更自在に構成すると共に、前記機体フレーム側に設けた駆動輪と、前記トラックフレーム側の遊転輪とにわたってクローラベルトを巻回してクローラ走行装置を構成し、
このクローラ走行装置を機体フレームの下方で左右両側に配設し、それぞれのクローラ走行装置に設けられた昇降駆動機構を、前後一対の揺動リンクと、その各揺動リンクの揺動駆動方向を各別に選択して揺動駆動する駆動手段とで構成するとともに、
前記各揺動リンクと前記トラックフレームとの連結箇所に、前記揺動リンクに対してトラックフレームを弾性的に支持させるための緩衝機能付きの連結手段を介装し、
この連結手段は、揺動リンクとトラックフレームとの前後及び上下方向での相対移動を所定範囲内で許容するように構成されている、ということである。
上記のように、左右両側のクローラ走行装置に設けられた昇降駆動機構を、前後一対の揺動リンクと、その各揺動リンクの揺動駆動方向を各別に選択して揺動駆動する駆動手段とで構成するとともに、前記各揺動リンクと前記トラックフレームとの連結箇所に、揺動リンクに対してトラックフレームを弾性的に支持させるための緩衝機能付きの連結手段を介装して、揺動リンクとトラックフレームとの前後及び上下方向での相対移動を所定範囲内で許容するように構成してある。つまり、前記トラックフレームは、昇降駆動機構によって機体フレームに対する姿勢を制御されるように支持されているとともに、前後の揺動リンクとトラックフレームとの連結箇所に介装される緩衝機能付きの連結手段が、トラックフレームを前後各別に上下位置変更可能な状態で弾性的に支持している。
このため、圃場の局部的な凹凸に対しては前記緩衝機能付きの連結手段が有効に作用して、無用なトラックフレームの姿勢変化を回避できるので、トラックフレームの頻繁な姿勢制御を必要とせず、また、広範囲の傾斜に対しては、昇降駆動機構による姿勢制御を有効に作用させて適切な姿勢制御を行える。そして、機体を高速走行させた場合には、前記緩衝機能付きの連結手段が、昇降駆動機構による昇降制御や、天秤揺動する場合の転輪の上下作動よりも、圃場の凹凸に応答性よく反応して的確なクローラベルトの支持を行える。
そして、この緩衝機能付きの連結手段は、上述のような上下方向の緩衝作用の他に、揺動リンクとトラックフレームとの連結部分では、連結部材の弾性変形の状態によって前後方向の融通を生じさせることにもなる。つまり、機体フレームに対するトラックフレームの傾斜などによって各揺動リンク間で揺動角度差が生じた場合、その揺動角度差に伴う前後の揺動リンク間の僅かな前後方向距離の変化を、連結手段の弾性変形の仕方によって吸収する。
このため、圃場の局部的な凹凸に対しては前記緩衝機能付きの連結手段が有効に作用して、無用なトラックフレームの姿勢変化を回避できるので、トラックフレームの頻繁な姿勢制御を必要とせず、また、広範囲の傾斜に対しては、昇降駆動機構による姿勢制御を有効に作用させて適切な姿勢制御を行える。そして、機体を高速走行させた場合には、前記緩衝機能付きの連結手段が、昇降駆動機構による昇降制御や、天秤揺動する場合の転輪の上下作動よりも、圃場の凹凸に応答性よく反応して的確なクローラベルトの支持を行える。
そして、この緩衝機能付きの連結手段は、上述のような上下方向の緩衝作用の他に、揺動リンクとトラックフレームとの連結部分では、連結部材の弾性変形の状態によって前後方向の融通を生じさせることにもなる。つまり、機体フレームに対するトラックフレームの傾斜などによって各揺動リンク間で揺動角度差が生じた場合、その揺動角度差に伴う前後の揺動リンク間の僅かな前後方向距離の変化を、連結手段の弾性変形の仕方によって吸収する。
〔解決手段2〕
また、請求項2に記載のように、各揺動リンクとトラックフレームとの連結箇所に設けられる緩衝機能付きの連結手段を板バネ材で構成するとよい。
また、請求項2に記載のように、各揺動リンクとトラックフレームとの連結箇所に設けられる緩衝機能付きの連結手段を板バネ材で構成するとよい。
上記解決手段2のように構成すると、解決手段1に記載の発明と同様の作用を発揮することに加え、緩衝機能付き連結手段として、上下方向のほか、前後方向にも僅かながら融通を有した機構を単なる板バネ材の使用によって構造簡単に構成することができる。
すなわち、各揺動リンクとトラックフレームとを板バネ材で連結すると、トラックフレームに作用する上下方向の外力を、板バネを介して揺動リンクに伝えることになるので、板バネの弾性復元力を利用して上下方向の外力を緩衝することになる。
そして、この板バネ材は、上述のような上下方向の緩衝作用の他に、揺動リンクとトラックフレームとの連結部分では、板バネの変形方向によって前後方向の融通を生じさせることにもなる。つまり、機体フレームに対するトラックフレームの傾斜などによって各揺動リンク間で揺動角度差が生じた場合、その揺動角度差に伴う前後の揺動リンク間の僅かな前後方向距離の変化を、板バネ材の変形の仕方によって吸収する。
すなわち、各揺動リンクとトラックフレームとを板バネ材で連結すると、トラックフレームに作用する上下方向の外力を、板バネを介して揺動リンクに伝えることになるので、板バネの弾性復元力を利用して上下方向の外力を緩衝することになる。
そして、この板バネ材は、上述のような上下方向の緩衝作用の他に、揺動リンクとトラックフレームとの連結部分では、板バネの変形方向によって前後方向の融通を生じさせることにもなる。つまり、機体フレームに対するトラックフレームの傾斜などによって各揺動リンク間で揺動角度差が生じた場合、その揺動角度差に伴う前後の揺動リンク間の僅かな前後方向距離の変化を、板バネ材の変形の仕方によって吸収する。
〔解決手段3〕
上記目的を達成するために講じた本発明のクローラ走行型作業車における請求項3に記載の技術手段は、クローラ走行装置に搭載された機体フレームを、機体前方側の支点周りで後方側が上下位置変化する状態と、機体後方側の支点周りで機体前方側が上下位置変化する状態とに上下位置調節自在に構成してあるクローラ走行型作業車において、
原動部を搭載した機体フレームと、クローラベルト内周の接地側を案内する複数の遊転輪を配設したトラックフレームとを備え、この機体フレームとトラックフレームとを、昇降駆動機構を介して相対上下位置変更自在に構成すると共に、前記機体フレーム側に設けた駆動輪と、前記トラックフレーム側の遊転輪とにわたってクローラベルトを巻回してクローラ走行装置を構成し、
このクローラ走行装置を機体フレームの下方で左右両側に配設し、それぞれのクローラ走行装置に設けられた昇降駆動機構を、前後一対の揺動リンクと、その各揺動リンクの揺動駆動方向を各別に選択して揺動駆動する駆動手段とで構成するとともに、
前記トラックフレームを、機体前方側の前トラックフレームと機体後方側の後トラックフレームとの前後一対のフレーム部材で構成して、前後の各揺動リンクを前トラックフレームと後トラックフレームとの夫々に各別に連結し、
前トラックフレームと後トラックフレームとを、連結手段を介して互いに連結するとともに、この連結手段を、各トラックフレーム間での前後及び上下方向での相対姿勢変化を所定範囲内で許容する弾性部材で構成してある、ということである。
上記目的を達成するために講じた本発明のクローラ走行型作業車における請求項3に記載の技術手段は、クローラ走行装置に搭載された機体フレームを、機体前方側の支点周りで後方側が上下位置変化する状態と、機体後方側の支点周りで機体前方側が上下位置変化する状態とに上下位置調節自在に構成してあるクローラ走行型作業車において、
原動部を搭載した機体フレームと、クローラベルト内周の接地側を案内する複数の遊転輪を配設したトラックフレームとを備え、この機体フレームとトラックフレームとを、昇降駆動機構を介して相対上下位置変更自在に構成すると共に、前記機体フレーム側に設けた駆動輪と、前記トラックフレーム側の遊転輪とにわたってクローラベルトを巻回してクローラ走行装置を構成し、
このクローラ走行装置を機体フレームの下方で左右両側に配設し、それぞれのクローラ走行装置に設けられた昇降駆動機構を、前後一対の揺動リンクと、その各揺動リンクの揺動駆動方向を各別に選択して揺動駆動する駆動手段とで構成するとともに、
前記トラックフレームを、機体前方側の前トラックフレームと機体後方側の後トラックフレームとの前後一対のフレーム部材で構成して、前後の各揺動リンクを前トラックフレームと後トラックフレームとの夫々に各別に連結し、
前トラックフレームと後トラックフレームとを、連結手段を介して互いに連結するとともに、この連結手段を、各トラックフレーム間での前後及び上下方向での相対姿勢変化を所定範囲内で許容する弾性部材で構成してある、ということである。
上記解決手段3のように構成すると、前記トラックフレームは、昇降駆動機構によって機体フレームに対する姿勢を制御されるように支持されているとともに、前後のトラックフレームどうしが弾性部材で構成された連結手段により前後各別に上下位置変更可能に弾性的に支持されている。
このため、圃場の局部的な凹凸に対しては前記弾性部材で構成された連結手段が有効に作用して、無用なトラックフレームの姿勢変化を回避できるので、トラックフレームの頻繁な姿勢制御を必要とせず、また、広範囲の傾斜に対しては、昇降駆動機構による姿勢制御を有効に作用させて適切な姿勢制御を行える。そして、機体を高速走行させた場合には、前記緩衝機能付きの連結手段が、昇降駆動機構による昇降制御や、天秤揺動する場合の転輪の上下作動よりも、圃場の凹凸に応答性よく反応して的確なクローラベルトの支持を行える。
さらに、この解決手段3に記載の発明では、前トラックフレームと後トラックフレームとの前後一対のフレーム部材でトラックフレームを構成し、各トラックフレーム間での上下方向での相対姿勢変化を所定範囲内で許容する弾性部材で構成された連結部材により、前トラックフレームと後トラックフレームとを連結してあるので、機体フレームに対する前後のトラックフレームの相対姿勢を夫々各別に姿勢制御することが可能となる。したがって、走行中、機体前方側と後方側とで、走行路面の傾斜が途中で異なる状態で走行するような箇所でも、その異なる傾斜の夫々に適合した姿勢に前後の各トラックフレームの姿勢制御を行って、走行路面の状況によく適合したクローラベルトの支持を行えるものである。
このため、圃場の局部的な凹凸に対しては前記弾性部材で構成された連結手段が有効に作用して、無用なトラックフレームの姿勢変化を回避できるので、トラックフレームの頻繁な姿勢制御を必要とせず、また、広範囲の傾斜に対しては、昇降駆動機構による姿勢制御を有効に作用させて適切な姿勢制御を行える。そして、機体を高速走行させた場合には、前記緩衝機能付きの連結手段が、昇降駆動機構による昇降制御や、天秤揺動する場合の転輪の上下作動よりも、圃場の凹凸に応答性よく反応して的確なクローラベルトの支持を行える。
さらに、この解決手段3に記載の発明では、前トラックフレームと後トラックフレームとの前後一対のフレーム部材でトラックフレームを構成し、各トラックフレーム間での上下方向での相対姿勢変化を所定範囲内で許容する弾性部材で構成された連結部材により、前トラックフレームと後トラックフレームとを連結してあるので、機体フレームに対する前後のトラックフレームの相対姿勢を夫々各別に姿勢制御することが可能となる。したがって、走行中、機体前方側と後方側とで、走行路面の傾斜が途中で異なる状態で走行するような箇所でも、その異なる傾斜の夫々に適合した姿勢に前後の各トラックフレームの姿勢制御を行って、走行路面の状況によく適合したクローラベルトの支持を行えるものである。
〔解決手段4〕
また、請求項4に記載のように、前トラックフレームと後トラックフレームとの、進行方向に対する左右横方向での相対姿勢変化を規制する規制手段を設けるとよい。
また、請求項4に記載のように、前トラックフレームと後トラックフレームとの、進行方向に対する左右横方向での相対姿勢変化を規制する規制手段を設けるとよい。
このように、前トラックフレームと後トラックフレームとの左右横方向での相対姿勢変化を規制する規制手段を設けると、前後のトラックフレームが左右横方向で腰折れするような相対的な姿勢変化を抑制して、これに起因したクローラベルトからの脱輪を防止し易い。
解決手段1で示すように構成したことにより、圃場の局部的な凹凸に対しては緩衝機能付きの連結手段が有効に作用して、無用なトラックフレームの姿勢変化を回避できるので、トラックフレームの頻繁な姿勢制御を必要とせず、また、広範囲の傾斜に対しては、昇降駆動機構による姿勢制御を有効に作用させて適切な姿勢制御を行える。そして、機体を高速走行させた場合には、前記緩衝機能付きの連結手段が、昇降駆動機構による昇降制御や、天秤揺動する転輪の上下作動よりも、圃場の凹凸に応答性よく反応して的確なクローラベルトの支持を行なって、クローラベルトの脱輪を生じるおそれ少なく高速走行を行える利点がある。
解決手段2で示すように構成したことにより、解決手段1によって得られる効果に加えて、次のような利点がある。
すなわち、揺動リンクとトラックフレームとを緩衝機能付きの連結手段である板バネ材で連結することにより、上下方向での緩衝作用を得ることの他に、揺動リンクとトラックフレームとの連結部分では、板バネ材の変形方向によって前後方向の融通を生じさせることにもなる。つまり、機体フレームに対するトラックフレームの傾斜などによって各揺動リンク間で揺動角度差が生じた場合、その揺動角度差に伴う前後の揺動リンク間の僅かな前後方向距離の変化を、板バネ材の変形の仕方によって吸収することができ、このように緩衝手段と融通手段との役割を板バネ材で兼用して、構造の簡素化を図ることができる。
すなわち、揺動リンクとトラックフレームとを緩衝機能付きの連結手段である板バネ材で連結することにより、上下方向での緩衝作用を得ることの他に、揺動リンクとトラックフレームとの連結部分では、板バネ材の変形方向によって前後方向の融通を生じさせることにもなる。つまり、機体フレームに対するトラックフレームの傾斜などによって各揺動リンク間で揺動角度差が生じた場合、その揺動角度差に伴う前後の揺動リンク間の僅かな前後方向距離の変化を、板バネ材の変形の仕方によって吸収することができ、このように緩衝手段と融通手段との役割を板バネ材で兼用して、構造の簡素化を図ることができる。
解決手段3で示すように構成したことにより、次のような利点がある。
すなわち、圃場の局部的な凹凸に対しては前記緩衝機能付きの連結手段が有効に作用して、無用なトラックフレームの姿勢変化を回避できるので、トラックフレームの頻繁な姿勢制御を必要とせず、また、広範囲の傾斜に対しては、昇降駆動機構による姿勢制御を有効に作用させて適切な姿勢制御を行える。そして、機体を高速走行させた場合には、前記緩衝機能付きの連結部材が、昇降駆動機構による昇降制御や、天秤揺動する転輪の上下作動よりも、圃場の凹凸に応答性よく反応して的確なクローラベルトの支持を行なって、クローラベルトの脱輪を生じるおそれ少なく高速走行を行える利点がある。
さらに、この解決手段3に記載の発明では、前トラックフレームと後トラックフレームとの前後一対のフレーム部材でトラックフレームを構成し、各トラックフレーム間での上下方向での相対姿勢変化を所定範囲内で許容する弾性部材で構成された連結手段により、前トラックフレームと後トラックフレームとを連結してあるので、機体フレームに対する前後のトラックフレームの相対姿勢を夫々各別に姿勢制御することが可能となる。したがって、走行中、機体前方側と後方側とで、走行路面の傾斜が異なる状態で走行するような箇所でも、その異なる傾斜の夫々に適合した姿勢に前後の各トラックフレームの姿勢制御を行って、走行路面の状況によく適合したクローラベルトの支持を行える利点がある。
すなわち、圃場の局部的な凹凸に対しては前記緩衝機能付きの連結手段が有効に作用して、無用なトラックフレームの姿勢変化を回避できるので、トラックフレームの頻繁な姿勢制御を必要とせず、また、広範囲の傾斜に対しては、昇降駆動機構による姿勢制御を有効に作用させて適切な姿勢制御を行える。そして、機体を高速走行させた場合には、前記緩衝機能付きの連結部材が、昇降駆動機構による昇降制御や、天秤揺動する転輪の上下作動よりも、圃場の凹凸に応答性よく反応して的確なクローラベルトの支持を行なって、クローラベルトの脱輪を生じるおそれ少なく高速走行を行える利点がある。
さらに、この解決手段3に記載の発明では、前トラックフレームと後トラックフレームとの前後一対のフレーム部材でトラックフレームを構成し、各トラックフレーム間での上下方向での相対姿勢変化を所定範囲内で許容する弾性部材で構成された連結手段により、前トラックフレームと後トラックフレームとを連結してあるので、機体フレームに対する前後のトラックフレームの相対姿勢を夫々各別に姿勢制御することが可能となる。したがって、走行中、機体前方側と後方側とで、走行路面の傾斜が異なる状態で走行するような箇所でも、その異なる傾斜の夫々に適合した姿勢に前後の各トラックフレームの姿勢制御を行って、走行路面の状況によく適合したクローラベルトの支持を行える利点がある。
解決手段4で示すように構成したことにより、解決手段3によって得られる効果に加えて、次のような利点がある。
すなわち、前トラックフレームと後トラックフレームとの左右横方向での相対姿勢変化を規制する規制手段を設けると、前後のトラックフレームが左右横方向で腰折れするような相対的な姿勢変化を抑制することになるので、これに起因したクローラベルトからの脱輪を防止し得る利点がある。
すなわち、前トラックフレームと後トラックフレームとの左右横方向での相対姿勢変化を規制する規制手段を設けると、前後のトラックフレームが左右横方向で腰折れするような相対的な姿勢変化を抑制することになるので、これに起因したクローラベルトからの脱輪を防止し得る利点がある。
次に、本発明の好ましい実施の形態の一例を説明する。
〔全体の構成〕
本発明のクローラ走行型作業車の一例として示すコンバインは、図1に示すように、脱穀装置20を搭載した機体フレーム2の下側に左右一対のクローラ走行装置1を備え、前記脱穀装置20の前部側に操縦部21、ならびに原動部22を備え、さらに前記脱穀装置20の前方側における機体固定部の固定軸芯P周りでの揺動により前端側が昇降調節自在に構成された刈取部23を備えたものである。
〔全体の構成〕
本発明のクローラ走行型作業車の一例として示すコンバインは、図1に示すように、脱穀装置20を搭載した機体フレーム2の下側に左右一対のクローラ走行装置1を備え、前記脱穀装置20の前部側に操縦部21、ならびに原動部22を備え、さらに前記脱穀装置20の前方側における機体固定部の固定軸芯P周りでの揺動により前端側が昇降調節自在に構成された刈取部23を備えたものである。
〔クローラ走行装置〕
図2にコンバインのクローラ走行装置部分を示す。
このクローラ走行装置1は、機体フレーム2に後述する昇降駆動機構4を介して昇降自在に連結されたトラックフレーム3と、そのトラックフレーム3の機体進行方向後方側端部に取り付けられた緊張用遊転輪33と、トラックフレームの長さ方向の複数箇所に設けられた接地転輪5と、機体前方側で前記機体フレーム2側に固定された駆動輪11と、機体前後方向での中間位置で前記機体フレーム2に固定された上部ガイド輪12と、これらの駆動輪11、接地転輪5、緊張用遊転輪33、及び上部ガイド輪12にわたって巻回されたゴム製のクローラベルト10とから構成されている。
図2にコンバインのクローラ走行装置部分を示す。
このクローラ走行装置1は、機体フレーム2に後述する昇降駆動機構4を介して昇降自在に連結されたトラックフレーム3と、そのトラックフレーム3の機体進行方向後方側端部に取り付けられた緊張用遊転輪33と、トラックフレームの長さ方向の複数箇所に設けられた接地転輪5と、機体前方側で前記機体フレーム2側に固定された駆動輪11と、機体前後方向での中間位置で前記機体フレーム2に固定された上部ガイド輪12と、これらの駆動輪11、接地転輪5、緊張用遊転輪33、及び上部ガイド輪12にわたって巻回されたゴム製のクローラベルト10とから構成されている。
前記トラックフレーム3は、昇降駆動機構4の前後一対の揺動リンク40と連結された長尺の角パイプ状の主フレーム部分31と、その主フレーム部分31の後端側で、主フレーム部分31に対して内接状態に嵌合して長さ方向で出退自在に装着された角パイプ状の延長フレーム部分32とから構成され、その延長フレーム部分32の後端部に前記緊張用遊転輪33が支持されている。
前記緊張用遊転輪33は、前記延長フレーム部分32に軸受け支持されているとともに、前記主フレーム部分31の後端部との間で、ネジ機構を利用した位置調節機構34により連結され、トラックフレーム3長さ方向で位置調節、ならびに位置固定自在に構成されている。
前記接地転輪5は、トラックフレーム3に回転軸を支承されて遊転するように設けられた複数の遊転輪50を、クローラベルト10の内周面に接して遊転回動するように構成されている。それぞれの遊転輪50は、前記トラックフレーム3に形成された軸受部、および揺動アーム52に形成された軸受部に回転自在に支持された回転軸36の両端部に、一対の回転輪体を一体回転するように取り付けて構成され、その一対の回転輪体が、クローラベルト10の左右幅方向での中央部に位置する一対の芯金突起の左右両側位置でクローラベルト10内周面と接当するように構成されている。
前記接地転輪5は、クローラベルト10の基準の接地作用領域L1に対応させて設けられている。
この基準の接地作用領域L1とは、トラックフレーム3に固定支持された前端の遊転輪50と後端の遊転輪50との間隔であり、クローラ走行装置1の全長よりは当然に短かく設定され、この基準の接地作用領域L1の前端とクローラ走行装置1の前端との間の領域が前部接地領域L2に、前記基準の接地作用領域L1の後端とクローラ走行装置1の後端との間の領域が後部接地領域L3に夫々設定されている。
基準の接地作用領域L1は、硬質の平坦な走行路面でも常に接地するように側面視で直線的に構成されているが、前部接地領域L2は、その接地面が前上がりに、後部接地領域L3では少し(約5度前後)後ろ上がりの傾斜面に形成されている。
これは、機体を旋回させる際に、クローラ走行装置1の接地面の前後長さが短い方が、その旋回を抵抗少なく行う上で有効であることと、走行路面が湿地などである場合に、基準の接地作用領域L1のみならず、後部接地領域L3や前部接地領域L2の部分をも、クローラ走行装置の1接地面積を確保する役割を担うようにすることとの、双方の目的を達成するための構成である。
この場合、機体全体の重心Gは、基準の接地作用領域L1の中間位置に近い箇所に位置するように、全体の重量バランスを設定してある。
この基準の接地作用領域L1とは、トラックフレーム3に固定支持された前端の遊転輪50と後端の遊転輪50との間隔であり、クローラ走行装置1の全長よりは当然に短かく設定され、この基準の接地作用領域L1の前端とクローラ走行装置1の前端との間の領域が前部接地領域L2に、前記基準の接地作用領域L1の後端とクローラ走行装置1の後端との間の領域が後部接地領域L3に夫々設定されている。
基準の接地作用領域L1は、硬質の平坦な走行路面でも常に接地するように側面視で直線的に構成されているが、前部接地領域L2は、その接地面が前上がりに、後部接地領域L3では少し(約5度前後)後ろ上がりの傾斜面に形成されている。
これは、機体を旋回させる際に、クローラ走行装置1の接地面の前後長さが短い方が、その旋回を抵抗少なく行う上で有効であることと、走行路面が湿地などである場合に、基準の接地作用領域L1のみならず、後部接地領域L3や前部接地領域L2の部分をも、クローラ走行装置の1接地面積を確保する役割を担うようにすることとの、双方の目的を達成するための構成である。
この場合、機体全体の重心Gは、基準の接地作用領域L1の中間位置に近い箇所に位置するように、全体の重量バランスを設定してある。
前記遊転輪50の配設箇所において、左右の回転輪体の間には、クローラベルト10の左右の芯金突起18の間に位置して、クローラベルト10の左右方向への移動を制限することにより、外れ止めの機能を発揮する橇状の脱輪防止ガイド37を設けてある。
前記機体フレーム2側には、駆動輪11と上部ガイド輪12とが設けられている。このうち駆動輪11は、機体フレーム2に固定された伝動ケースから動力を伝達され、クローラベルト10と係合して駆動力を伝達するように構成されている。
上部ガイド輪12は、クローラベルト10の上部側の内周面との接当により遊転回動するように機体フレーム2に支承されている。そして、機体フレーム2に対するトラックフレーム3の上下方向での遠近移動や、前傾・後傾の姿勢変化により、クローラベルト10の所要巻回長が多少変化することに伴うベルト上部側の弛みを規制することができるように、その機体フレーム2上における配設位置を設定されている。
上部ガイド輪12は、クローラベルト10の上部側の内周面との接当により遊転回動するように機体フレーム2に支承されている。そして、機体フレーム2に対するトラックフレーム3の上下方向での遠近移動や、前傾・後傾の姿勢変化により、クローラベルト10の所要巻回長が多少変化することに伴うベルト上部側の弛みを規制することができるように、その機体フレーム2上における配設位置を設定されている。
〔昇降駆動機構〕
前記昇降駆動機構4は、機体フレーム2とトラックフレーム3とを、前後二箇所で連結する揺動リンク40と、その前後の揺動リンク40を各別に揺動駆動する前向き油圧シリンダ4A及び後向き油圧シリンダ4Bとで構成され、これが左右のクローラ走行装置1の夫々に備えられている。
前後の各揺動リンク40は、第一延出腕部分42と第二延出腕部分43とを一体に形成したベルクランク状に形成され、その屈折点箇所近くで機体フレーム2に揺動自在に軸支されている。そしてこの軸支箇所から一方向へ延びる第一延出腕部分42に前記油圧シリンダ4A,4Bが連結され、他方向へ延びる第二延出腕部分43に前記トラックフレーム3側が枢支連結されている。
前記昇降駆動機構4は、機体フレーム2とトラックフレーム3とを、前後二箇所で連結する揺動リンク40と、その前後の揺動リンク40を各別に揺動駆動する前向き油圧シリンダ4A及び後向き油圧シリンダ4Bとで構成され、これが左右のクローラ走行装置1の夫々に備えられている。
前後の各揺動リンク40は、第一延出腕部分42と第二延出腕部分43とを一体に形成したベルクランク状に形成され、その屈折点箇所近くで機体フレーム2に揺動自在に軸支されている。そしてこの軸支箇所から一方向へ延びる第一延出腕部分42に前記油圧シリンダ4A,4Bが連結され、他方向へ延びる第二延出腕部分43に前記トラックフレーム3側が枢支連結されている。
このように構成された昇降駆動機構4において、本発明では、特に揺動リンクとトラックフレームとの取り付け構造を次のように構成している。
すなわち、図2〜図4に示すように、揺動リンク40とトラックフレーム3とを連結する連結手段7は、各揺動リンク40の端部に備えた連結軸70と、トラックフレーム3の上面側において長手方向での離れた2位置に立設した左右一対のブラケット3Aの間に、抜き差し可能に架設してある固定軸71との間にわたって板バネ材72を介装して構成されている。
この板バネ材72は、両端部を筒状に巻回して前記固定軸71に外嵌する筒状係合部72Aを形成した第1バネ板と、その上側に層状に重ね合わせた第2バネ板、第3バネ板、及び、揺動リンク40の端部の前記連結軸70に外嵌する枢支部を備えた枢支連結体72Bとで構成され、これらを層状に重ね合わせた状態で上下向きの連結ピン72Cで連結固定して構成されている。
前記ブラケット3Aには、上記第1バネ板の両端部に形成される筒状係合部72Aに嵌入される前記固定軸71の外径よりも前後方向径が少し大きい内径を有した長孔を設けて、筒状係合部72Aの内径と前記連結軸70の外径との間に、径の差による多少の融通41を生じさせているのである。これは、前方の揺動リンク40と後方の揺動リンク40との間で揺動角度の差が生じたとき、その揺動リンク40の角度差に伴う、前後の連結軸70同士の間隔が、前記角度差がない場合よりも変化することを、各板バネ材72の姿勢変化による融通とともに許容するためのものである。
このように前記連結軸70の外径との間における前記ブラケット3Aに形成された融通41は、板バネ材72の長さが充分に長く、かつその板バネ材72の弾性変形のみによって、前後の揺動リンク40の角度差による連結軸70同士の間隔距離の変化を吸収できる場合には設ける必要がない。
すなわち、図2〜図4に示すように、揺動リンク40とトラックフレーム3とを連結する連結手段7は、各揺動リンク40の端部に備えた連結軸70と、トラックフレーム3の上面側において長手方向での離れた2位置に立設した左右一対のブラケット3Aの間に、抜き差し可能に架設してある固定軸71との間にわたって板バネ材72を介装して構成されている。
この板バネ材72は、両端部を筒状に巻回して前記固定軸71に外嵌する筒状係合部72Aを形成した第1バネ板と、その上側に層状に重ね合わせた第2バネ板、第3バネ板、及び、揺動リンク40の端部の前記連結軸70に外嵌する枢支部を備えた枢支連結体72Bとで構成され、これらを層状に重ね合わせた状態で上下向きの連結ピン72Cで連結固定して構成されている。
前記ブラケット3Aには、上記第1バネ板の両端部に形成される筒状係合部72Aに嵌入される前記固定軸71の外径よりも前後方向径が少し大きい内径を有した長孔を設けて、筒状係合部72Aの内径と前記連結軸70の外径との間に、径の差による多少の融通41を生じさせているのである。これは、前方の揺動リンク40と後方の揺動リンク40との間で揺動角度の差が生じたとき、その揺動リンク40の角度差に伴う、前後の連結軸70同士の間隔が、前記角度差がない場合よりも変化することを、各板バネ材72の姿勢変化による融通とともに許容するためのものである。
このように前記連結軸70の外径との間における前記ブラケット3Aに形成された融通41は、板バネ材72の長さが充分に長く、かつその板バネ材72の弾性変形のみによって、前後の揺動リンク40の角度差による連結軸70同士の間隔距離の変化を吸収できる場合には設ける必要がない。
前記揺動リンク40は、各延出腕部分42,43のうち、トラックフレーム3側への第二延出腕部分43が、図3に示すように、機体フレーム2を最も低くした走行姿勢では、機体前方側の第二延出腕部分43がほぼ水平方向の後方側へ延出された姿勢に位置され、機体後方側の第二延出腕部分43が水平よりも少し上向きとなる状態で後方側へ延出された姿勢に位置されている。
そして、この姿勢から図2に示すように、機体フレーム2を最も高くした走行姿勢では、トラックフレームが前記姿勢から前方下方へ揺動して、トラックフレーム3の全体を前方下方側へ移行させる姿勢となる。
このとき、機体フレーム2とトラックフレーム3との間の上下間隔は広くなるが、トラックフレーム3の全体が緊張用遊転輪33をも含めて前方へ移行することで、クローラ走行装置全体の前後長さが少し短くなり、クローラベルト10の巻き掛け周長はさほど変化しない。
そして、この姿勢から図2に示すように、機体フレーム2を最も高くした走行姿勢では、トラックフレームが前記姿勢から前方下方へ揺動して、トラックフレーム3の全体を前方下方側へ移行させる姿勢となる。
このとき、機体フレーム2とトラックフレーム3との間の上下間隔は広くなるが、トラックフレーム3の全体が緊張用遊転輪33をも含めて前方へ移行することで、クローラ走行装置全体の前後長さが少し短くなり、クローラベルト10の巻き掛け周長はさほど変化しない。
上記のように、機体フレーム2を最も高くした状態では、図2に示されるように、前方側の揺動リンク40の第二延出腕部分43と、後方側の揺動リンク40の第二延出腕部分43との接地面に対する傾斜角度をみると、後者の角度が前者よりも緩やかである。
このことは、前方側の揺動リンク40の下降側への動作角度範囲内におけるトラックフレーム3の下降に伴う前方への移動を効果的に行わせるために有効であり、後方側の揺動リンク40の下降側への動作角度範囲内におけるトラックフレーム3の下降方向への動きを効率よく行わせる上で有効である。
このような前後の揺動リンク40の動き範囲を前後で異ならせることができるのは、連結手段7が板バネ材72で構成されていることと、前記融通41を備えるものであるから可能となったものである。
このことは、前方側の揺動リンク40の下降側への動作角度範囲内におけるトラックフレーム3の下降に伴う前方への移動を効果的に行わせるために有効であり、後方側の揺動リンク40の下降側への動作角度範囲内におけるトラックフレーム3の下降方向への動きを効率よく行わせる上で有効である。
このような前後の揺動リンク40の動き範囲を前後で異ならせることができるのは、連結手段7が板バネ材72で構成されていることと、前記融通41を備えるものであるから可能となったものである。
このとき、揺動リンク40の作動を司る油圧シリンダ4A,4B側の動きとしては、次のような動作形態となる。
[ a] 平行最下降位置
前後の揺動リンク40が図3に示す状態であるとき、後方の揺動リンク40に対する後向き油圧シリンダ4Bは、最短収縮姿勢にあり、前方の揺動リンク40に対する前向き油圧シリンダ4Aは、最大伸長姿勢にある。これによって、機体フレーム2が走行路面に対してほぼ平行な姿勢で、対地的には最も低くなる。(図5参照)
[ b] 平行最上昇位置
前後の揺動リンク40が図2,図8に示す状態であるとき、後方の揺動リンク40に対する後向き油圧シリンダ4Bは、最大伸長姿勢にあり、前方の揺動リンク40に対する前向き油圧シリンダ4Aは、最短収縮姿勢にある。これによって、機体フレーム2が走行路面に対してほぼ平行な姿勢で、対地的には最も高くなる。(図2,図8参照)
[ c] 前傾姿勢位置
前後の揺動リンク40が図6に示す状態であるとき、前方側の揺動リンク40に対する前向き油圧シリンダ4Aと、後方側の揺動リンク40に対する後向き油圧シリンダ4Bとは、共に最大伸長姿勢にある。これによって、機体フレーム2は、前方が低く後方が高い前傾姿勢となる。(図6参照)
[ d] 後傾姿勢位置
前後の揺動リンク40が図7に示す状態であるとき、前方の揺動リンク40に対する前向き油圧シリンダ4Aと、後方の揺動リンク40に対する後向き油圧シリンダ4Bとは、共に最短収縮姿勢にある。これによって、機体フレーム2は、前方が高く後方が低い後傾姿勢となる。(図7参照)
[ e] 左右傾斜姿勢
右または左の何れかに傾斜させる際には、右または左の一方のクローラ走行装置1を前記[ a] または[ b] の状態にし、他方をそれとは逆の状態にすればよい。
[ a] 平行最下降位置
前後の揺動リンク40が図3に示す状態であるとき、後方の揺動リンク40に対する後向き油圧シリンダ4Bは、最短収縮姿勢にあり、前方の揺動リンク40に対する前向き油圧シリンダ4Aは、最大伸長姿勢にある。これによって、機体フレーム2が走行路面に対してほぼ平行な姿勢で、対地的には最も低くなる。(図5参照)
[ b] 平行最上昇位置
前後の揺動リンク40が図2,図8に示す状態であるとき、後方の揺動リンク40に対する後向き油圧シリンダ4Bは、最大伸長姿勢にあり、前方の揺動リンク40に対する前向き油圧シリンダ4Aは、最短収縮姿勢にある。これによって、機体フレーム2が走行路面に対してほぼ平行な姿勢で、対地的には最も高くなる。(図2,図8参照)
[ c] 前傾姿勢位置
前後の揺動リンク40が図6に示す状態であるとき、前方側の揺動リンク40に対する前向き油圧シリンダ4Aと、後方側の揺動リンク40に対する後向き油圧シリンダ4Bとは、共に最大伸長姿勢にある。これによって、機体フレーム2は、前方が低く後方が高い前傾姿勢となる。(図6参照)
[ d] 後傾姿勢位置
前後の揺動リンク40が図7に示す状態であるとき、前方の揺動リンク40に対する前向き油圧シリンダ4Aと、後方の揺動リンク40に対する後向き油圧シリンダ4Bとは、共に最短収縮姿勢にある。これによって、機体フレーム2は、前方が高く後方が低い後傾姿勢となる。(図7参照)
[ e] 左右傾斜姿勢
右または左の何れかに傾斜させる際には、右または左の一方のクローラ走行装置1を前記[ a] または[ b] の状態にし、他方をそれとは逆の状態にすればよい。
上記[ a] 〜[ e] のように、各油圧シリンダ4A,4Bを制御して夫々の揺動リンク40の揺動角度を調節することにより、上記5種の姿勢の他、その中間的な姿勢に変更することができる。
〔制御装置〕
上記の動作形態を得るための制御装置は、次のように構成される。
クローラ走行型作業車としてのコンバインの刈取部23に、走行機体に対する刈取部23の揺動変位量を検出するポテンショメータからなる刈高さセンサ66を備え、機体フレーム2上に、重力式の左右傾斜角センサ62と前後傾斜角センサ64とを備えている。
これらの各センサ62,64,66に対する基準値を定める設定器63,65,67と、上昇、中立、下降、の各指令を出力するための昇降操作レバー61とを機体フレーム2上の操縦部21に設けてある。
上記の動作形態を得るための制御装置は、次のように構成される。
クローラ走行型作業車としてのコンバインの刈取部23に、走行機体に対する刈取部23の揺動変位量を検出するポテンショメータからなる刈高さセンサ66を備え、機体フレーム2上に、重力式の左右傾斜角センサ62と前後傾斜角センサ64とを備えている。
これらの各センサ62,64,66に対する基準値を定める設定器63,65,67と、上昇、中立、下降、の各指令を出力するための昇降操作レバー61とを機体フレーム2上の操縦部21に設けてある。
図7に示されるように、上記の入力系の各センサ62,64,66及び昇降操作レバー61からの信号は、機体に備えられたマイクロコンピュータ利用の制御装置60に入力され、この制御装置60からの出力によって制御される電磁弁45が前記油圧シリンダ4A,4Bの作動を制御して機体姿勢の制御が行われる。
刈取作業中においては、刈高さセンサ66の検出値が刈高さ設定器67で設定された高さに維持されるように、刈取シリンダ68を作動させる刈り高さ制御を実行すると共に、後述するような走行機体の姿勢制御が同時的に行われる。
刈取作業中においては、刈高さセンサ66の検出値が刈高さ設定器67で設定された高さに維持されるように、刈取シリンダ68を作動させる刈り高さ制御を実行すると共に、後述するような走行機体の姿勢制御が同時的に行われる。
左右傾斜角センサ62が、機体の左右傾斜が、左右傾斜角設定器63で設定された傾斜角度範囲から外れたことを検出すると、設定角度範囲に復元するように、左側の前向き油圧シリンダ4Aと後向き油圧シリンダ4B、または、右側の前向き油圧シリンダ4Aと後向き油圧シリンダ4Bを、同時に同量づつ駆動操作して、機体左右姿勢を修正する。
このとき、左右何れの側の前向き油圧シリンダ4Aと後向き油圧シリンダ4Bとを駆動操作するように選択するかは、左右の前向き油圧シリンダ4Aと後向き油圧シリンダ4Bとの夫々に備えられているストロークセンサ44が、そのストローク限界に達していないかを判断して、機体フレーム2の対地高さが低くなる側に制御し、ストローク限界に達していると判断されると逆の側の前向き油圧シリンダ4Aと後向き油圧シリンダ4Bを逆方向に操作する。
このとき、左右何れの側の前向き油圧シリンダ4Aと後向き油圧シリンダ4Bとを駆動操作するように選択するかは、左右の前向き油圧シリンダ4Aと後向き油圧シリンダ4Bとの夫々に備えられているストロークセンサ44が、そのストローク限界に達していないかを判断して、機体フレーム2の対地高さが低くなる側に制御し、ストローク限界に達していると判断されると逆の側の前向き油圧シリンダ4Aと後向き油圧シリンダ4Bを逆方向に操作する。
前後傾斜角検出センサ64が、機体の前後傾斜が、前後傾斜角設定器65で設定された傾斜角度範囲から外れたことを検出すると、設定角度範囲に復元するように、左右の前向き油圧シリンダ4A、または、左右の後向き油圧シリンダ4Bを、同時に同量づつ駆動操作して、機体前後姿勢を修正する。
このとき、前後何れの側の前向き油圧シリンダ4A、または後向き油圧シリンダ4Bを駆動操作するように選択するかは、前向き油圧シリンダ4Aと後向き油圧シリンダ4Bとの夫々に備えられているストロークセンサ44が、そのストローク限界に達していないかを判断して、機体フレーム2の対地高さが低くなる側に制御し、ストローク限界に達していると判断されると逆の側の前向き油圧シリンダ4Aと後向き油圧シリンダ4Bを逆方向に操作する。
このとき、前後何れの側の前向き油圧シリンダ4A、または後向き油圧シリンダ4Bを駆動操作するように選択するかは、前向き油圧シリンダ4Aと後向き油圧シリンダ4Bとの夫々に備えられているストロークセンサ44が、そのストローク限界に達していないかを判断して、機体フレーム2の対地高さが低くなる側に制御し、ストローク限界に達していると判断されると逆の側の前向き油圧シリンダ4Aと後向き油圧シリンダ4Bを逆方向に操作する。
機体フレーム2全体の昇降操作は、前記昇降操作レバー61の上昇、もしくは下降操作により、その操作されている間だけ、左右の前向き油圧シリンダ4Aと後向き油圧シリンダ4Bとのすべてに対して、同時に同量だけ圧油を給排することによってその高さを制御する。
図10、及び図11に示すように、機体水平操作は人為的な操作によって行うこともできる。
すなわち、上述のように、各傾斜角検出センサ62,64の検出信号に基づいて制御装置が機体姿勢を自動的に制御するのではなく、モード切換信号を出力するモード切換スイッチ69からの入力信号に基づいて、後述する足元操作機構8からの入力信号に基づいた機体水平制御が行われるように構成してある。
すなわち、上述のように、各傾斜角検出センサ62,64の検出信号に基づいて制御装置が機体姿勢を自動的に制御するのではなく、モード切換信号を出力するモード切換スイッチ69からの入力信号に基づいて、後述する足元操作機構8からの入力信号に基づいた機体水平制御が行われるように構成してある。
図10に示すように足元操作機構8は、操縦部デッキに備えられた足乗せ操作盤80と、その足乗せ操作盤80の裏面側の操縦部デッキ上で多数配置された操作方向感知スイッチ8a〜8fとで構成され、各操作方向感知スイッチ8a〜8fで検出された操作方向に基づいて前記制御装置60が各電磁弁45を操作するように構成されている。
すなわち、足乗せ操作盤80は、裏面側に装備した復帰バネ81により、踏面がデッキ面と平行になる中立姿勢に復帰付勢されており、操縦者の足を乗せた状態で、その中心部から放射方向の各位置へ操作可能であるように、球軸受け82を介して支持されている。 この足乗せ操作盤80の下側のデッキ面には、図11に示すように、機体進行方向の前方側に「後上げスイッチ8a」、後方側に「前上げスイッチ8b」、左側に「右上げスイッチ8c」、右側に「左上げスイッチ8d」、斜め左前方側に「右後上げスイッチ8a」、斜め右前方側に「左後上げスイッチ8a」、斜め左後方側に「右前上がりスイッチ8e」、斜め右後方側に「左前上がりスイッチ8f」が配置されていて、操作盤80の踏み込まれた箇所の感知スイッチ8a〜8fが感知作動信号を制御装置60に出力するように構成されている。
すなわち、足乗せ操作盤80は、裏面側に装備した復帰バネ81により、踏面がデッキ面と平行になる中立姿勢に復帰付勢されており、操縦者の足を乗せた状態で、その中心部から放射方向の各位置へ操作可能であるように、球軸受け82を介して支持されている。 この足乗せ操作盤80の下側のデッキ面には、図11に示すように、機体進行方向の前方側に「後上げスイッチ8a」、後方側に「前上げスイッチ8b」、左側に「右上げスイッチ8c」、右側に「左上げスイッチ8d」、斜め左前方側に「右後上げスイッチ8a」、斜め右前方側に「左後上げスイッチ8a」、斜め左後方側に「右前上がりスイッチ8e」、斜め右後方側に「左前上がりスイッチ8f」が配置されていて、操作盤80の踏み込まれた箇所の感知スイッチ8a〜8fが感知作動信号を制御装置60に出力するように構成されている。
したがって、例えば、足乗せ操作盤80を前方側へ踏み込んだ場合には、その操作を後上げスイッチ8aが感知して、左後シリンダ4Bと右後シリンダ4Bとが同時に作動し、足乗せ操作盤80を後方側へ踏み込んだ場合には、その操作を前上げスイッチ8bが感知して、左前シリンダ4Aと右前シリンダ4Aとが同時に作動する。
足乗せ操作盤80を左側へ踏み込んだ場合には、その操作を右上げスイッチ8cが感知して、右前シリンダ4Aと右後シリンダ4Bとが同時に作動し、足乗せ操作盤80を右側へ踏み込んだ場合には、その操作を左上げスイッチ8dが感知して、左前シリンダ4Aと左後シリンダ4Bとが同時に作動する。
足乗せ操作盤80を左前方側へ踏み込んだ場合には、その操作を右後上げスイッチ8aが感知して、右後シリンダ4Bが作動し、足乗せ操作盤80を右前方側へ踏み込んだ場合には、その操作を左後上げスイッチ8aが感知して、左後シリンダ4Bが作動する。
同様に、足乗せ操作盤80を左後方側へ踏み込んだ場合には、その操作を右前上げスイッチ8bが感知して、右前シリンダ4Aが作動し、足乗せ操作盤80を右後方側へ踏み込んだ場合には、その操作を左前上げスイッチ8bが感知して、左前シリンダ4Aが作動する。
このように、足乗せ操作盤80を踏み込んで感覚的に傾けた方向の感知スイッチが操作信号を制御装置に出力して、操作盤80の傾きと同様に機体姿勢を制御することになる。特に旋回中に後進を伴いながら機体姿勢の制御を行う場合など、操縦者が後方を見ながらどのシリンダを操作するかなどの煩雑な判断を要さず、感覚的に足乗せ操作盤80を傾けるだけで容易に所望の方向の傾き状態を得やすいものであり、操作性に優れている。
また、この場合、特別にモード切換スイッチ69を設けずに、足乗せ操作盤80による操作が行われていれば、その操作を傾斜検出センサによる制御に優先して操作し、足乗せ操作盤80での操作が行われていなければ前記傾斜検出センサによる自動的な制御が行われるように構成してもよい。
足乗せ操作盤80を左側へ踏み込んだ場合には、その操作を右上げスイッチ8cが感知して、右前シリンダ4Aと右後シリンダ4Bとが同時に作動し、足乗せ操作盤80を右側へ踏み込んだ場合には、その操作を左上げスイッチ8dが感知して、左前シリンダ4Aと左後シリンダ4Bとが同時に作動する。
足乗せ操作盤80を左前方側へ踏み込んだ場合には、その操作を右後上げスイッチ8aが感知して、右後シリンダ4Bが作動し、足乗せ操作盤80を右前方側へ踏み込んだ場合には、その操作を左後上げスイッチ8aが感知して、左後シリンダ4Bが作動する。
同様に、足乗せ操作盤80を左後方側へ踏み込んだ場合には、その操作を右前上げスイッチ8bが感知して、右前シリンダ4Aが作動し、足乗せ操作盤80を右後方側へ踏み込んだ場合には、その操作を左前上げスイッチ8bが感知して、左前シリンダ4Aが作動する。
このように、足乗せ操作盤80を踏み込んで感覚的に傾けた方向の感知スイッチが操作信号を制御装置に出力して、操作盤80の傾きと同様に機体姿勢を制御することになる。特に旋回中に後進を伴いながら機体姿勢の制御を行う場合など、操縦者が後方を見ながらどのシリンダを操作するかなどの煩雑な判断を要さず、感覚的に足乗せ操作盤80を傾けるだけで容易に所望の方向の傾き状態を得やすいものであり、操作性に優れている。
また、この場合、特別にモード切換スイッチ69を設けずに、足乗せ操作盤80による操作が行われていれば、その操作を傾斜検出センサによる制御に優先して操作し、足乗せ操作盤80での操作が行われていなければ前記傾斜検出センサによる自動的な制御が行われるように構成してもよい。
図12に示すように、このコンバインでは、脱穀装置20の扱室で、フィードチェーンが設けられた側とは反対側の側壁20Aに、開口20Bが設けられており、この開口20B部分に、扱室に併設されているグレンタンク9の一部が膨出して入り込んでいる。
このグレンタンク9は、そのメンテナンス時には、図中の矢印方向に開放操作自在に構成されており、グレンタンク9を開放側へ操作すると、扱室の側壁20Aには、前記開口20Bが大きく開いた状態となり、この開口20Bを通して、目視による扱胴20Cや選別装置20D等の扱室内の点検を行うことも可能である。
尚、図中の符号20Eは、前記開口20B内へグレンタンク9の膨出部分が入り込んだ状態で、その開口20Bが閉塞された状態に密封するためのウエザーストリップである。
このグレンタンク9は、そのメンテナンス時には、図中の矢印方向に開放操作自在に構成されており、グレンタンク9を開放側へ操作すると、扱室の側壁20Aには、前記開口20Bが大きく開いた状態となり、この開口20Bを通して、目視による扱胴20Cや選別装置20D等の扱室内の点検を行うことも可能である。
尚、図中の符号20Eは、前記開口20B内へグレンタンク9の膨出部分が入り込んだ状態で、その開口20Bが閉塞された状態に密封するためのウエザーストリップである。
〔実施の形態の別例1〕
図13に示すように、トラックフレーム3を構成するにあたり、前述の実施の形態で示した単一トラックフレーム3ではなく、前トラックフレーム3Aと後トラックフレーム3Bとの対で構成したものを採用してもよい。この場合には、前後の各揺動リンク40を前トラックフレーム3と後トラックフレーム3Bとの夫々に各別に連結し、前トラックフレーム3Aの後部と後トラックフレーム3Bの前部とを連結手段7を介して互いに連結してある。
そして、前トラックフレーム3Aと後トラックフレーム3Bとは、その側面の両側に設けられた中間フレーム3Cによって、左右横方向での相対姿勢変化を阻止するように連結されている。この中間フレーム3Cによる前トラックフレーム3Aと後トラックフレーム3Bとの連結は、図14(イ),(ロ)に示すように、前トラックフレーム3Aと後トラックフレーム3Bとの夫々に形成された長孔31aを貫通する軸体31bで、前記前トラックフレーム3Aと後トラックフレーム3Bとの左右側面に接する状態で設けられた左右両側の板状の中間フレーム3C同士を、その長手方向の前後で連結固定してあり、前トラックフレーム3Aと後トラックフレーム3Bとは、その前後方向と上下方向では中間フレーム3Cによる規制を受けないが、左右方向では相対姿勢変化を生じないように規制されるものであり、この中間フレーム3Cが、前トラックフレーム3Aと後トラックフレーム3Bとの左右方向での相対姿勢変化を規制する規制手段を構成している。
前記連結手段7の具体構造は、前記図4に記載したものと同様(ただし、揺動リンクとの連結構造はなく、第1バネ板、第2バネ板、第3バネ板の組み合わせで構成される)であるが、連結対象が同じトラックフレーム3ではなく、前トラックフレーム3Aと後トラックフレーム3Bとであり、連結手段7が前トラックフレーム3Aと後トラックフレーム3Bとにまたがって設けられる状態となる。
このように構成すると、前トラックフレーム3Aと後トラックフレーム3Bとは同一の傾斜角度で変化することなく、別々の角度変化が許されることになるので、より一層、走行地面に対するクローラベルトの追従性能を向上させ易くなる。
尚、この実施の形態の場合、一方の揺動リンク40の端部と後トラックフレーム3B、または前トラックフレーム3Aとの間に、周知の副リンクを備えて、前後の揺動リンク同士の揺動角度差による連結箇所の間の距離変化を吸収できるようにしてもよい。
図13に示すように、トラックフレーム3を構成するにあたり、前述の実施の形態で示した単一トラックフレーム3ではなく、前トラックフレーム3Aと後トラックフレーム3Bとの対で構成したものを採用してもよい。この場合には、前後の各揺動リンク40を前トラックフレーム3と後トラックフレーム3Bとの夫々に各別に連結し、前トラックフレーム3Aの後部と後トラックフレーム3Bの前部とを連結手段7を介して互いに連結してある。
そして、前トラックフレーム3Aと後トラックフレーム3Bとは、その側面の両側に設けられた中間フレーム3Cによって、左右横方向での相対姿勢変化を阻止するように連結されている。この中間フレーム3Cによる前トラックフレーム3Aと後トラックフレーム3Bとの連結は、図14(イ),(ロ)に示すように、前トラックフレーム3Aと後トラックフレーム3Bとの夫々に形成された長孔31aを貫通する軸体31bで、前記前トラックフレーム3Aと後トラックフレーム3Bとの左右側面に接する状態で設けられた左右両側の板状の中間フレーム3C同士を、その長手方向の前後で連結固定してあり、前トラックフレーム3Aと後トラックフレーム3Bとは、その前後方向と上下方向では中間フレーム3Cによる規制を受けないが、左右方向では相対姿勢変化を生じないように規制されるものであり、この中間フレーム3Cが、前トラックフレーム3Aと後トラックフレーム3Bとの左右方向での相対姿勢変化を規制する規制手段を構成している。
前記連結手段7の具体構造は、前記図4に記載したものと同様(ただし、揺動リンクとの連結構造はなく、第1バネ板、第2バネ板、第3バネ板の組み合わせで構成される)であるが、連結対象が同じトラックフレーム3ではなく、前トラックフレーム3Aと後トラックフレーム3Bとであり、連結手段7が前トラックフレーム3Aと後トラックフレーム3Bとにまたがって設けられる状態となる。
このように構成すると、前トラックフレーム3Aと後トラックフレーム3Bとは同一の傾斜角度で変化することなく、別々の角度変化が許されることになるので、より一層、走行地面に対するクローラベルトの追従性能を向上させ易くなる。
尚、この実施の形態の場合、一方の揺動リンク40の端部と後トラックフレーム3B、または前トラックフレーム3Aとの間に、周知の副リンクを備えて、前後の揺動リンク同士の揺動角度差による連結箇所の間の距離変化を吸収できるようにしてもよい。
〔実施の形態の別例2〕
トラックフレーム3に装備される各転輪は、トラックフレーム3に直接に枢支された構造のものに限らず、複数個の転輪を装備した枠体をトラックフレーム3に枢支して、天秤揺動するように構成されたものであってもよい。
トラックフレーム3に装備される各転輪は、トラックフレーム3に直接に枢支された構造のものに限らず、複数個の転輪を装備した枠体をトラックフレーム3に枢支して、天秤揺動するように構成されたものであってもよい。
〔実施の形態の別例3〕
連結手段7は、板バネ材72による構造に限らず、例えば図15に示すように、接続部材73とコイルスプリング74の組み合わせによって構成されるものであってもよい。この場合、接続部材73の両端部が、同じトラックフレーム3上に連結されて、中間が揺動リンク40に連結されるように構成されるものであったり、前トラックフレーム3Aと後トラックフレーム3Bとにまたがって連結されるように構成されるものであってもよい。
連結手段7は、板バネ材72による構造に限らず、例えば図15に示すように、接続部材73とコイルスプリング74の組み合わせによって構成されるものであってもよい。この場合、接続部材73の両端部が、同じトラックフレーム3上に連結されて、中間が揺動リンク40に連結されるように構成されるものであったり、前トラックフレーム3Aと後トラックフレーム3Bとにまたがって連結されるように構成されるものであってもよい。
1 クローラ走行装置
2 機体フレーム
3 トラックフレーム
4 昇降駆動機構
10 クローラベルト
11 駆動輪
40 揺動リンク
4A,4B 油圧シリンダ
7 連結手段
70 連結軸
71 固定軸
72 板バネ材
2 機体フレーム
3 トラックフレーム
4 昇降駆動機構
10 クローラベルト
11 駆動輪
40 揺動リンク
4A,4B 油圧シリンダ
7 連結手段
70 連結軸
71 固定軸
72 板バネ材
Claims (4)
- クローラ走行装置に搭載された機体フレームを、機体前方側の支点周りで後方側が上下位置変化する状態と、機体後方側の支点周りで機体前方側が上下位置変化する状態とに上下位置調節自在に構成してあるクローラ走行型作業車であって、
原動部を搭載した機体フレームと、クローラベルト内周の接地側を案内する複数の遊転輪を配設したトラックフレームとを備え、この機体フレームとトラックフレームとを、昇降駆動機構を介して相対上下位置変更自在に構成すると共に、前記機体フレーム側に設けた駆動輪と、前記トラックフレーム側の遊転輪とにわたってクローラベルトを巻回してクローラ走行装置を構成し、
このクローラ走行装置を機体フレームの下方で左右両側に配設し、それぞれのクローラ走行装置に設けられた昇降駆動機構を、前後一対の揺動リンクと、その各揺動リンクの揺動駆動方向を各別に選択して揺動駆動する駆動手段とで構成するとともに、
前記各揺動リンクと前記トラックフレームとの連結箇所に、前記揺動リンクに対してトラックフレームを弾性的に支持させるための緩衝機能付きの連結手段を介装し、
この連結手段は、揺動リンクとトラックフレームとの前後及び上下方向での相対移動を所定範囲内で許容するように構成されているクローラ走行型作業車。 - 各揺動リンクとトラックフレームとの連結箇所に設けられる緩衝機能付きの連結手段を板バネ材で構成してある請求項1記載のクローラ走行型作業車。
- クローラ走行装置に搭載された機体フレームを、機体前方側の支点周りで後方側が上下位置変化する状態と、機体後方側の支点周りで機体前方側が上下位置変化する状態とに上下位置調節自在に構成してあるクローラ走行型作業車であって、
原動部を搭載した機体フレームと、クローラベルト内周の接地側を案内する複数の遊転輪を配設したトラックフレームとを備え、この機体フレームとトラックフレームとを、昇降駆動機構を介して相対上下位置変更自在に構成すると共に、前記機体フレーム側に設けた駆動輪と、前記トラックフレーム側の遊転輪とにわたってクローラベルトを巻回してクローラ走行装置を構成し、
このクローラ走行装置を機体フレームの下方で左右両側に配設し、それぞれのクローラ走行装置に設けられた昇降駆動機構を、前後一対の揺動リンクと、その各揺動リンクの揺動駆動方向を各別に選択して揺動駆動する駆動手段とで構成するとともに、
前記トラックフレームを、機体前方側の前トラックフレームと機体後方側の後トラックフレームとの前後一対のフレーム部材で構成して、前後の各揺動リンクを前トラックフレームと後トラックフレームとの夫々に各別に連結し、
前トラックフレームと後トラックフレームとを、連結手段を介して互いに連結するとともに、この連結手段を、各トラックフレーム間での前後及び上下方向での相対姿勢変化を所定範囲内で許容する弾性部材で構成してあるクローラ走行型作業車。 - 前トラックフレームと後トラックフレームとの、進行方向に対する左右横方向での相対姿勢変化を規制する規制手段を設けてある請求項3記載のクローラ走行型作業車。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005209972A JP2007022427A (ja) | 2005-07-20 | 2005-07-20 | クローラ走行型作業車 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005209972A JP2007022427A (ja) | 2005-07-20 | 2005-07-20 | クローラ走行型作業車 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007022427A true JP2007022427A (ja) | 2007-02-01 |
Family
ID=37783734
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2005209972A Pending JP2007022427A (ja) | 2005-07-20 | 2005-07-20 | クローラ走行型作業車 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2007022427A (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011158088A (ja) * | 2010-01-08 | 2011-08-18 | Kubota Corp | ピン連結構造 |
JP2011156975A (ja) * | 2010-02-01 | 2011-08-18 | Kubota Corp | クローラ走行装置 |
JP2011173569A (ja) * | 2010-02-25 | 2011-09-08 | Kubota Corp | 作業車 |
KR101877561B1 (ko) * | 2010-10-29 | 2018-07-12 | 가부시끼 가이샤 구보다 | 콤바인 및 핀 연결 구조 |
CN108496565A (zh) * | 2018-05-07 | 2018-09-07 | 江苏大学 | 联合收获机可升降履带式底盘 |
WO2019019558A1 (zh) * | 2017-07-26 | 2019-01-31 | 济南匠夫万自动化科技有限公司 | 接地支重装置、履带式脱困装置及设备 |
CN115367010A (zh) * | 2022-09-09 | 2022-11-22 | 泉州市三祺工程机械有限公司 | 一种带有适用多场景履带行驶机构的轻型履带支重轮 |
-
2005
- 2005-07-20 JP JP2005209972A patent/JP2007022427A/ja active Pending
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WO2019019558A1 (zh) * | 2017-07-26 | 2019-01-31 | 济南匠夫万自动化科技有限公司 | 接地支重装置、履带式脱困装置及设备 |
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