JP4751777B2 - クローラ走行装置 - Google Patents

クローラ走行装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4751777B2
JP4751777B2 JP2006170768A JP2006170768A JP4751777B2 JP 4751777 B2 JP4751777 B2 JP 4751777B2 JP 2006170768 A JP2006170768 A JP 2006170768A JP 2006170768 A JP2006170768 A JP 2006170768A JP 4751777 B2 JP4751777 B2 JP 4751777B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
arm portion
drive arm
link
lift
crawler traveling
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2006170768A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008000026A (ja
Inventor
陽一 仲佐
達也 山根
崇 齊藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
MITSUBISHI NOUKI KABUSHIKI KAISHA
Original Assignee
MITSUBISHI NOUKI KABUSHIKI KAISHA
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by MITSUBISHI NOUKI KABUSHIKI KAISHA filed Critical MITSUBISHI NOUKI KABUSHIKI KAISHA
Priority to JP2006170768A priority Critical patent/JP4751777B2/ja
Publication of JP2008000026A publication Critical patent/JP2008000026A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4751777B2 publication Critical patent/JP4751777B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、コンバイン等の機体を支持して走行するクローラ走行装置に関し、詳しくはトラックフレームに対する機体の相対高さを調整するための機構に関する。
左右のクローラ走行面の傾きを相殺して機体を水平に保持したり、クローラ走行面の沈み込み量を相殺して地表からの機体高さを保持するクローラ走行装置を装備したコンバインが実用化されている。
特許文献1には、駆動アーム部と作用アーム部とを有して機体側の回動軸で回動可能に支持されたリンク部材を備えたクローラ走行装置が示される。ここでは、作用アーム部がトラックフレームに取り付けられ、シリンダ装置が駆動アーム部を駆動してリンク部材に回動軸回りのトルクを作用させている。そして、リンク部材の回動位置に応じてトラックフレームに対する機体の相対高さが設定される。
また、トラックフレームに沿って配置された前後のリンク部材の駆動アーム部を相互に接続して前後のリンク部材の回動を連繋させるロッド部材を備えており、後方のリンク部材に伝達されたシリンダ装置の駆動力は、ロッド部材を通じて前方のリンク部材を回動させる。前後のリンク部材が平行リンク機構を構成しているので、前後のリンク部材は等しく回動し、リンク部材の回動に伴って、機体が水平に保持された状態で昇降する。
特開平7−274670号公報
コンバインでは、圃場の柔らかさや機体の重量によってクローラ走行装置の沈み込み量が異なるので、圃場が柔らかい場合や機体の重量が大きい場合には、大きな沈み込み量を相殺するために機体の昇降量(最大昇降幅)を大きく設定することが望ましい。
しかし、特許文献1に示されるクローラ走行装置では、機体の昇降量を変更する場合、行程長(ストローク)の異なるシリンダ装置に交換するか、アーム長の異なるリンク部材に交換するか、いずれにせよ部品交換をしなくてはならない。
従って、空調キャビン、ノッター等の付帯設備の装備状況や、出荷先の圃場環境に合わせて昇降量を細かく設定しようとすると、寸法や行程長の異なる何種類もの部品を準備しておく必要がある。
本発明は、共通の部品を用いて異なる昇降量を設定でき、交換を伴うことなく昇降量を変更できるクローラ走行装置を提供することを目的としている。
請求項1のクローラ走行装置は、転輪(19)を支持するトラックフレーム(11)と、駆動アーム部(14R)と作用アーム部(13R)とを有して機体(1)側の回動軸(22R)で回動可能に支持され、前記作用アーム部(13R)が前記トラックフレーム(11)に取り付けられたリンク部材(12R)と、前記駆動アーム部(14R)を駆動して前記リンク部材(12R)に前記回動軸(22R)回りのトルクを作用させるシリンダ装置(15)とを備え、前記リンク部材(12R)の回動位置に応じて前記トラックフレーム(11)と前記機体(1)との相対高さが設定されるクローラ走行装置(2R、2L)において、前記駆動アーム部(14R)に前記シリンダ装置(15)を取り付ける連結構造(25、27)は、前記回動軸(22R)を中心とする回動半径を異ならせて前記駆動アーム部(14R)に複数配置され、前記回動半径の小さな連結構造(27)を選択して、前記回動半径が大きな連結構造(25)を選択した場合よりも大きな昇降量を確保させるものである。
なお、上記括弧内の符号は、図面と対照するためのものであるが、これにより特許請求の範囲に何等影響を及ぼすものではない。
請求項1に係る本発明によると、予め準備された連結構造を変更することにより、同一のリンク部材を複数通りの駆動アーム部長さで利用できるので、シリンダ装置による同一のストロークによるリンク部材の回動角度を変更し、これにより、同一のリンク部材とシリンダ装置との組み合わせで、機体に複数通りの昇降量を設定できる。
従って、湿田等に対応させて大きな昇降量を設定する昇降量優先仕様と、昇降力に余裕を持たせる昇降力優先仕様とでシリンダ装置やリンク部材を部品共有でき、部品共有化を通じて、新製品の設計試作期間が短縮され、部品コスト、組み立てコスト、部品保管コストを削減できる。
以下、図面に沿って本発明の一実施形態のコンバインを説明する。本発明のクローラ走行装置は、以下に説明する実施形態の限定的な構成には限定されない。機体1を昇降可能に支持してクローラ走行する限りにおいて、実施形態の構成の一部または全部を、その代替的な構成で置き換えた別の実施形態でも実現可能である。コンバイン10への装備にも限定されない。
<コンバイン>
図1は本発明の一実施形態であるコンバインを斜め前方から見た外観図である。図1に示すように、本実施形態のコンバイン10の機体1は、左右一対のクローラ走行装置2L、2Rによって支持され、湿地帯や凹凸のある植付圃場でも走行可能である。
機体1の後部には、刈り取った穀稈から穀粒等を分離する脱穀機5が搭載され、機体1の前部には、植立穀稈を刈り取る前処理部3が配置されている。コンバイン10の進行方向右側に片寄せて運転席4が配置され、運転席4の後方に、脱穀機5で分離された穀粒等を一時貯留する貯留タンク6が設けられている。
左右一対のクローラ走行装置2L、2Rは、独立した昇降機構によって機体1の左右を支持しており、左右のクローラ走行装置2L、2Rの昇降機構の昇降量は、機体1の傾きおよび高さの検知結果に基いて自動的に調整される。これにより、植付圃場の凹凸、クローラ走行装置2L、2Rの沈み込み量差等によらず、機体1は植付圃場面から一定の高さで水平に保持される。クローラ走行装置2L、2Rは、機構的には同一に構成されているので、以下では、機体1の進行方向左側に配置されたクローラ走行装置2Lについて説明する。
<クローラ走行装置>
図2は機体を下降させた状態のクローラ走行装置の構成の説明図、図3は機体を上昇させた状態のクローラ走行装置の構成の説明図である。図2に示すように、クローラ走行装置2Lは、駆動輪18によって駆動されて循環するクローラ20の内周を、トラックフレーム11に回転自在に支持された複数の転輪19に案内させている。トラックフレーム11は、前後の回動軸22F、22Rでそれぞれ軸支された前後のリンク12F、12Rを介して機体1(図1)のメインフレーム9に取り付けられている。
機体1(図1)のメインフレーム9は、左右のクローラ走行装置2L(2R)の間隔に位置して、前側の回動軸22Fで前側のリンク12Fを軸支し、後側の回動軸22Rで後側のリンク12Rを軸支している。リンク12Fは、回動軸22Fを回転軸とするクランク機構であって、外側に配置された作用アーム部13Fと内側に配置された駆動アーム14Fとを回動軸22Fで固定して一体に回動させる。同様に、リンク12Rは、回動軸22Rを回転軸とするクランク機構であって、外側に配置された作用アーム部13Rと内側に配置された駆動アーム部14Rとを回動軸22Rで固定して一体に回動させる。
リンク12Fの作用アーム部13Fは、回動軸23Fでトラックフレーム11に取り付けられ、リンク12Rの作用アーム部13Rは、回動軸23Rでトラックフレーム11に取り付けられる。図2に示すように作用アーム部13F、13Rを水平に回動させた状態が機体11を最も下降させた状態である。そして、図3に示すように、作用アーム部13F、13Rの先端側を下方へ約40度回動させた状態が機体11を最も上昇させた状態である。
後側の駆動アーム部14Rの先端側にピン25を用いて油圧シリンダ15の出力軸26を接続してある。油圧シリンダ15の取り付け部21は、メインフレーム9に対して回動可能に取り付けてある。油圧シリンダ15は、図2に示すように、駆動アーム部14Rを水平に押して本体1(図1)の上昇を開始させ、図3に示すように駆動アーム部14Rを斜め下方に押して本体1(図1)の上昇を完了する。
前後のリンク12F、12Rの駆動アーム部14F、14Rを接続して配置されたロッド16は、油圧シリンダ15に駆動された後側の駆動アーム部14Rの回転を前側の駆動アーム部14Fに伝達して前後のリンク12F、12Rの回動を連繋させる。後側の駆動アーム部14Rにロッド16を取り付けるピン24Rは、駆動アーム部14Rの中心線から前側へ離間して配置されているので、ピン24Rと回動軸22Rとを結ぶ仮想的なリンクは、前側の駆動アーム部14Fとほぼ平行である。これにより、前後の駆動アーム部14F、14Rが平行でないにもかかわらず、前後のリンク12F、12Rは等しい角速度で等しい角度だけ同一方向に回転して、昇降過程で機体1(図1)の前後方向の傾きや揺動を発生させない。
ロッド16は、丸棒の前後の端部に右ねじと左ねじとをそれぞれを形成し、前側に右ねじを形成したキャップ28Fを接続し、後側に左ねじを形成したキャップ28Rを接続して組み立てられる。キャップ28F、28Rは、ロックナット29F、29Rで緩み止めされている。ロッド16によって規制されるピン24Fとピン24Rとの距離を調整する際には、ロックナット29F、29Rを緩めて、ロッド16を右回転させることによりピン24Fとピン24Rとの距離が短縮され、左回転させることにより増大する。距離調整後、ロックナット29F、29Rは再びキャップ28F、28Rに向かって締め込まれる。
<リンク>
図4は揚力仕様と揚程仕様とにおけるリンクの組み立て構成の説明図である。図4中、(a)は揚力仕様、(b)は揚程仕様である。機体1(図1)の左右のクローラ走行装置2L、2Rは左右対称に構成されているので、前後のリンク12F、12Rも左右対称に裏返した構成となって本来は別部品を準備する必要がある。また、左右のクローラ走行装置2L、2Rにおける前後のリンク12F、12Rも外観が異なる別部品である。しかし、本実施形態では、リンク12F、12Rを組み立て式として、リンク12F、12Rの部品の共有化率を高めた。
図4の(a)に示すように、駆動アーム部12Rは、スプライン34で回動軸22Rに接続する構成としたので、駆動アーム部12Rと作用アーム部13Rとの交差角度をスプラインのピッチごとの複数通りに設定可能となり、回動軸22Rと作用アーム部13Rとを一体に固定した部品は、左右のクローラ走行装置2L、2Rで共通に利用できる。
また、駆動アーム部12Rも、油圧シリンダ15を接続するピン25と回動軸22Rを挿入するスプライン34の中心とを結ぶ直線35を挟んで左右対称な外観としているので、左右のクローラ走行装置2L、2Rで共通に利用できる。つまり、ロッド16を接続するためのピン24R、32Rとピン24M、32Mとは、直線35を挟んで左右対称な位置に準備され、ピン24R、32Rは、左側のクローラ走行装置2Lで使用され、ピン24M、32Mは右側のクローラ走行装置2Rで使用される。ピン24R、32R、24M、32Mの先端外周には溝を形成して、溝にCリングを嵌めて駆動アーム部14Rの抜け落ちを防止している。また、使用されないピンには、不図示のゴムキャップを装着して泥付着や錆発生を避けるようにしている。
図2、図3および図4の(a)に示すように、駆動アーム部14Rと作用アーム部13Rとの交差角度を鋭角に組み立て、ピン25を選択して油圧シリンダ15を取り付けた後に、ピン24Rを選択してロッド16を組み立てると、クローラ走行装置2Lは、揚力仕様となる。なお、図2、図3では、駆動アーム部14Rにおけるピン32R、24M、32Mは図示略した。
一方、図4の(b)に示すように、駆動アーム部14Rと作用アーム部13Rとの交差角度を鈍角に組み立て、ピン27を選択して油圧シリンダ15を取り付けた後に、ピン32Rを選択してロッド16を組み立てると、クローラ走行装置2Lは、揚程仕様となる。油圧シリンダ15の取り付け部21は、揚程仕様に合わせてメインフレーム9に準備したピン33に回動可能に取り付けてある。
ピン32Rは、図4の(b)に示すように、駆動アーム部14Rと作用アーム部13Rとの交差角度を鈍角に設定した際に、図4の(a)のピン24Rと同じ位置となるように設計されている。ピン32Rと回動軸22Rとを結ぶ直線は、駆動アーム部14Fと平行な仮想的なリンクを構成するので、図4の(b)に示す揚程仕様でも、図4の(a)に示す揚力仕様と同様に、リンク12Rの回動に追従してリンク12Fが回動する。
図4の(b)に示す揚程仕様では、図4の(a)に示す揚力仕様と同じ油圧シリンダ15の同じストロークを用いて、より大きな揚程を確保できる。回動軸22Rを中心とする回動半径の小さなピン27を用いるので、油圧シリンダ15の同じストロークによってリンク12Rのより大きな回動角が得られるからである。加えて、駆動アーム部14Rを前後振り分け領域で回動させるので、図4の(a)に示すように回動軸22Rよりも後方の領域だけで回動させる場合に比較して、油圧シリンダ15の同じストロークによってリンク12Rのより大きな回動角が得られるからである。
これに対して、図4の(a)に示す揚力仕様では、揚程の裏返しで、図4の(b)に示す揚程仕様よりも大きな揚力が得られる。すなわち、作用アーム部13F、13Rを水平にしたとき、作用アーム部13F、13Rの全長がそのまま有効負荷半径となるので、回動軸22F、22Rに作用する負荷トルクは最大となる。しかし、油圧シリンダ15の駆動方向と駆動アーム部14Rの角度は90度に近い最大角度となるので、駆動アーム部14Rのほぼ全長がそのまま有効駆動半径となって最大駆動トルクを発生する。これにより、油圧シリンダ15の出力が小さくても、負荷トルクに打ち勝って機体1を上昇開始でき、機体1を下降位置から上昇開始させる際に大きな駆動トルクの余裕を確保できる。
また、図2から図3へ至る上昇過程では、油圧シリンダ15の駆動方向と駆動アーム部14Rの角度は最大角度から単調に減少するため、有効駆動半径が次第に減少して油圧シリンダ15による駆動トルクは次第に減少する。しかし、並行して、作用アーム部13F、13Rが次第に起立して有効負荷半径を減少させるため、回動軸22F、22Rに作用する負荷トルクも単調に減少する。
従って、駆動トルクの増減と負荷トルクの増減とが相殺されて、昇降過程を通じた油圧シリンダ15の必要な駆動力の変動が小さくなる。駆動力の変動の裏返しで、油圧シリンダ15を等速作動させた際の昇降速度の変化も小さくなる。これにより、揚力仕様では、昇降に起因する機体1の振動や揺動が少なくなって速度変化が運転者に不快感を与えることもなくなる。
本実施形態のクローラ走行装置2Lでは、予め準備されたピン25、27を変更することにより、同一のリンク12Rを2通りの駆動アーム部14R長さで利用できるので、油圧シリンダ15の同一のストロークによるリンク12Rの回動角度を変更し、これにより、同一のリンク12Rと油圧シリンダ15との組み合わせで、機体1に2通りの昇降量を設定できる。
従って、湿田等に対応させて大きな昇降量を設定する昇降量優先の揚程仕様と、昇降力に余裕を持たせる昇降力優先の揚力仕様とで油圧シリンダ15やリンク12Rを部品共有できる。部品共有化を通じて、新製品の設計試作期間が短縮され、部品コスト、組み立てコスト、部品保管コストを削減できる。
また、同じ圃場、同じ装備でも、季節や育成段階に応じてクローラ走行装置の沈み込み量が変化するので、客先でも、季節や育成段階に応じて機体の昇降量を調整できることが望ましいとされていた。しかし、シリンダ装置の交換やリンク部材の交換には専門知識と高度な技術とを要するので、これまでは、客先で行うことは難しいとされていた。取り外した交換部品を錆付かせないように準備保管しておくことは客先にとって大きな負担でもあった。これに対して本実施形態のクローラ走行装置2Lでは、そのような部品交換、部品保管を要しないので、客先でも、季節や圃場に合わせて、昇降量優先仕様と、昇降力優先仕様とをきめ細かく切り替えることも不可能とは言えなくなった。
また、小型軽量の機種では、機体1の沈み込み量が小さいので、ピン27を選択して揚力仕様とし、昇降力の余裕分、小口径の油圧シリンダ15を採用すればよい。このようにして、大型重量機種と小型軽量機種との間でも、リンク12R、12Fにとどまらず、多くの回動軸、ピン、アーム類を共用できる。
また、大型機で大揚力を必要とする場合、油圧シリンダ15、油圧ポンプ等の機器類を出力の高い高価なものを使用する必要があったが、揚力仕様を採用することで、出力の小さい安価なもので大揚力を出すことも可能になった。
なお、連結構造としてのピン25、27は、油圧シリンダ15側のピンを挿入するピン孔としてもよい。ピン孔を2個に限らず、回動半径を異ならせて多数配列することにより、さらにきめ細かな揚力/揚程の切り替えを行っても良い。
また、同一のリンク12Rを組み立て直して、駆動アーム部14Rと作用アーム部13Rとの交差角度を複数通りに設定できる。そして、90度を越える交差角度を設定した場合には、駆動アーム部14Rを回動軸22Rの前後に振り分ける仕様となって、油圧シリンダ15による同一のストロークを用いた駆動アーム部14Rの回動角度を大きく確保できるので、ピン27を選択して回動半径を小さく設定することと相乗して、機体1の昇降量をさらに大きく確保できる。
一方、交差角度を90度以下とした場合、作用アーム部13Rが水平な最大負荷(機体1の下降状態)に対して最大トルクを発揮できるので、昇降力の余裕をさらに大きく確保できる。機体1を下降位置から上昇開始する際の油圧シリンダ15の負担が軽減される。軽減された負担と応力状態とに基づいて油圧シリンダ15を選択して、リンク12Rを強度設計すればよいので、油圧シリンダ15およびリンク12Rが小型化軽量化され、小型化による組み立て自由度の拡大を通じて、低コストでメンテナンス性に優れたクローラ走行装置2R,2Lを提供できる。
なお、同一部品のリンク(12Rに相当)を揚程仕様と揚力仕様とに使い分ける方法は、組み立て直しによる交差角度の変更には限定されない。駆動アーム部(14Rに相当)を前後に振り分ける位置と、前後一方の側で回動させる位置とに、油圧シリンダ15を切り替え接続可能としてもよい。
<本実施形態の変形例>
図5は変形例のクローラ走行装置を揚程仕様とした場合の動作の説明図、図6は変形例のクローラ走行装置を揚力仕様とした場合の動作の説明図である。図5、図6中、(a)は下降時、(b)は上昇時、(c)は上昇時と下降時との比較である。
変形例のクローラ走行装置2Hは、図1のクローラ走行装置2Lを置き換えてコンバイン10に搭載可能である。そして、駆動アーム部14Rと作用アーム部13Rとの交差角度を図4に示すように変更しないで、図2に示すピン25とピン27との切り替えだけで揚力仕様と揚程仕様とを設定している。また、油圧シリンダ15のメインフレーム9への取り付け位置は両方の仕様で共通である。
図5の(a)に示すように、駆動アーム部14Rのピン24Rと回動軸22Rとを結ぶ仮想的なリンクは、駆動アーム部14Fと平行に配置されてロッド16で相互に連結されているので、リンク12Rとリンク12Fとは連繋して、同一速度で同一角度回転する。リンク12Rの駆動アーム部14Rと作用アーム部13Rとは鋭角に交差角度を固定されており、揚程仕様では、回動半径が短いピン27を選択して油圧シリンダ15が接続される。油圧シリンダ15は、作用アーム部13F、13Rが水平で最大負荷トルクとなる下降状態から、鋭角の角度α1で機体1(図1)の上昇を開始させ、図5の(b)に示す上昇状態での角度α2まで次第に減少させる。これにより、図5の(c)に示すように、油圧シリンダ15のストロークを用いて距離h1の上昇量を確保できる。
図6の(a)に示すように、揚力仕様では、リンク12Rの駆動アーム部14Rと作用アーム部13Rとは図5の揚程仕様と同じ交差角度を固定されるが、駆動半径がより大きなピン25を選択して油圧シリンダ15が接続される。油圧シリンダ15は、作用アーム部13F、13Rが水平で最大負荷トルクとなる下降状態から、鋭角の角度β1で機体1(図1)の上昇を開始させ、図6の(b)に示す上昇状態での角度β2まで次第に減少させる。これにより、図6の(c)に示すように、同じ油圧シリンダ15の同じストロークを用いて、揚程仕様での距離h1よりも短い距離h2の上昇量を確保できる。
変形例のクローラ走行装置2Hによれば、左右のクローラ走行装置2R、2Lのリンク12Rを組み立て直すことなく、ピン25、27の切り替えだけで揚力仕様と揚程仕様とを変更できる。従って、図4に示す実施形態に比較して揚程仕様における揚程(昇降量)は少なくなるが、仕様切り替え作業が簡単で間違いが少ない。また、揚程仕様においても下降位置からの上昇開始時に最大出力トルクを確保でき、駆動アーム14Rの振り分け動作に起因する速度変動を生じないので、昇降過程を通じた速度変化も少なくて自然なものとなる。
本発明の一実施形態であるコンバインを斜め前方から見た外観図である。 機体を下降させた状態のクローラ走行装置の構成の説明図である。 機体を上昇させた状態のクローラ走行装置の構成の説明図である。 揚力仕様と揚程仕様とにおけるリンクの組み立て構成の説明図である。 変形例のクローラ走行装置を揚程仕様とした場合の動作の説明図である。 変形例のクローラ走行装置を揚力仕様とした場合の動作の説明図である。
符号の説明
1 機体
2R、2L クローラ走行装置
3 前処理部
10 コンバイン
11 トラックフレーム
12F、12R リンク部材(リンク)
13F、13R 作用アーム部
14F、14R 駆動アーム部
15 シリンダ装置(油圧シリンダ)
16 ロッド部材(ロッド)
19 転輪
20 クローラ
21 本体取り付け部
22F、22R 回動軸
23F、23R 回動軸
24F 24R、24M ピン
25、27 連結構造(ピン)
32R、32M ピン
34 交差角度を変更可能な構成(スプライン)

Claims (1)

  1. 転輪を支持するトラックフレームと、
    駆動アーム部と作用アーム部とを有して機体側の回動軸で回動可能に支持され、前記作用アーム部が前記トラックフレームに取り付けられたリンク部材と、
    前記駆動アーム部を駆動して前記リンク部材に前記回動軸回りのトルクを作用させるシリンダ装置と、を備え、
    前記リンク部材の回動位置に応じて前記トラックフレームと前記機体との相対高さが設定されるクローラ走行装置において、
    前記駆動アーム部に前記シリンダ装置を取り付ける連結構造は、前記回動軸を中心とする回動半径を異ならせて前記駆動アーム部に複数配置され、
    前記回動半径の小さな連結構造を選択して、前記回動半径が大きな連結構造を選択した場合よりも大きな昇降量を確保させることを特徴とするクローラ走行装置。
JP2006170768A 2006-06-20 2006-06-20 クローラ走行装置 Expired - Fee Related JP4751777B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006170768A JP4751777B2 (ja) 2006-06-20 2006-06-20 クローラ走行装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006170768A JP4751777B2 (ja) 2006-06-20 2006-06-20 クローラ走行装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008000026A JP2008000026A (ja) 2008-01-10
JP4751777B2 true JP4751777B2 (ja) 2011-08-17

Family

ID=39004914

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006170768A Expired - Fee Related JP4751777B2 (ja) 2006-06-20 2006-06-20 クローラ走行装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4751777B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1584605B1 (en) * 2003-01-16 2007-08-22 Ngk Insulators, Ltd. Method of adding active carbon in water purification and method of water purification
KR100807152B1 (ko) * 2006-05-30 2008-02-28 센텍(주) 오염된 공기의 정화 장치

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH02148893U (ja) * 1989-05-19 1990-12-18
JPH0711561Y2 (ja) * 1989-09-25 1995-03-22 ヤンマー農機株式会社 コンバインの姿勢制御装置
JP3245499B2 (ja) * 1994-04-08 2002-01-15 株式会社クボタ コンバインのフレーム構造
JPH0920270A (ja) * 1995-07-07 1997-01-21 Iseki & Co Ltd 無端履帯型の走行車輌における車台昇降装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2008000026A (ja) 2008-01-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
USRE34921E (en) Cutting reel suspension with adjustable spring downloading
US7086214B2 (en) Mower suspension
JP4537897B2 (ja) 草刈機
US8408567B2 (en) Swather tractor with frame suspension
US5303779A (en) Rockshaft cultivator frame
JP4751777B2 (ja) クローラ走行装置
JP5006854B2 (ja) 作業機
JP2000083446A (ja) コンバインの走行装置
JP2007331687A (ja) クローラ走行装置
JP6765294B2 (ja) 油圧ロボット
JP3399190B2 (ja) 作業車における車体ローリング装置
JP5806585B2 (ja) 作業車両
JPH0948372A (ja) 移動農機のクローラ走行装置
JP2013055897A (ja) コンバインの姿勢制御装置
JP2848210B2 (ja) 作業機の走行装置
JP3570958B2 (ja) クローラ走行型作業車
JP3151406B2 (ja) 乗用芝刈機
JP6764173B2 (ja) 作業機及び作業機における葉分け装置の駆動装置
JP5844426B2 (ja) 作業車両
JPS6041058Y2 (ja) 田植機の植付け装置昇降機構
JP3464968B2 (ja) クローラ走行型作業車
JP3431587B2 (ja) クローラ走行型作業車
JP2022093975A (ja) フロントマウント型乗用草刈機
JP2719731B2 (ja) クローラ走行車輌
JP2005131174A (ja) 球状駆動輪の車両本体への取付構造

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090331

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100930

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20101012

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20101125

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110510

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110523

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140527

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees