以下、本願発明の好ましい実施の形態を、添付図面を参照して具体的に説明する。
<第1実施形態>
図1は、本願発明の第1実施形態に係るゲームシステムの一例を示す構成図である。このゲームシステムは、複数のゲーム装置としてのアーケードゲーム機1(以下、単に「ゲーム機1」という。)が、例えばインターネット等の通信回線2(以下、「ネットワーク回線2」という。)を介してゲームサーバ3に接続されたものである。
ゲーム機1は、例えばゲームセンターやショッピングセンターのゲームコーナー等(以下、ゲームセンター等のことを単に「店舗4」という。)に設置され、プレーヤがコインや金銭等を投入することによりゲームを行うことのできるものである。
店舗4には、通常、複数台のゲーム機1が設置されており、各ゲーム機1がそれぞれネットワーク回線2を介してゲームサーバ3に接続されている。これらのゲーム機1に搭載されるゲームとしては、プレーヤの操作に基づいて所定のキャラクタ同士を格闘させる対戦式の格闘ゲームが挙げられる。なお、本実施形態における発明は、上記対戦格闘ゲームに適用されることに限るものではない。
上記ゲームシステムでは、各ゲーム機1がそれぞれネットワーク回線2に接続されているため、例えば同じ店舗4内のゲーム機1同士、あるいは異なる店舗4のゲーム機1同士がゲームサーバ3を介して通信することが可能である。したがって、同じ店舗4内のゲーム機1を操作するプレーヤ同士あるいは異なる店舗4のゲーム機1を操作するプレーヤ同士が、対戦格闘ゲームにおける対戦者となって対戦することができる。もちろん、単体のゲーム機1において、プレーヤとゲーム機1に内蔵されるコンピュータとが、それぞれ選択したキャラクタ同士を対戦させることもできる。
ここで、対戦格闘ゲームのゲーム内容の概略について説明すると、この実施形態に係る対戦格闘ゲームでは、プレーヤは、ゲーム開始時に提示される複数のキャラクタの中からプレーヤの分身となるキャラクタを任意に選択することにより、他のプレーヤ(又はコンピュータ)が選択した他のキャラクタと対戦することができるようになっている。
図2は、キャラクタ別に設定される属性情報の値を示すテーブル(以下、「属性情報テーブル」という。)であり、後述するゲーム機1のハードディスク装置28に記憶されている。各キャラクタには、同図に示すように、「体力」、「攻撃力」、「防御力」、「瞬発力」、及び「知力」と呼称される属性情報が数値化(例えば「0」〜「300」)されてそれぞれ設定されている。
具体的には、「体力」とは、敵キャラクタの攻撃を受けると減少し、それが「0」になると対戦に負けることとなるものであり、「体力」の値が高いほど対戦に負けにくくなる。なお、本対戦格闘ゲームでは、対戦に負けるとゲームオーバになり、対戦に勝つと継続して次の対戦を行い得るようになっている。
「攻撃力」とは、敵キャラクタに攻撃したときに敵キャラクタの「体力」を減らすことのできる度合いを数値化したものであり、「攻撃力」の値が高いほど敵キャラクタの「体力」を減らす度合いが大きくなる。「防御力」とは、敵キャラクタの攻撃を受けたときに敵キャラクタの「攻撃力」を緩和することのできる度合いを数値化したものであり、「防御力」の値が高いほど「体力」が減少される度合いを小さくすることができる。
「瞬発力」とは、キャラクタの移動する速度やアイテム(例えば「剣」、詳細は後述)を取り出す又はしまうときの動作速度を数値化したものであり、「瞬発力」の値が高いほどこれらの速度が高いことを示す。また、「知力」とは、アイテム自体が保有する性能をどれ位発揮させることができるかを数値化したものであり、「知力」の値が高いほどアイテムの性能をより発揮させることができる。
これら「体力」、「攻撃力」、「防御力」、「瞬発力」、及び「知力」等の初期設定値は、提示されるキャラクタごとに予め設定されているのであるが、各キャラクタの個性をより特徴づけるために、図2に示すように、例えばキャラクタAは「攻撃力」が比較的高く(例えば「200」)設定されている一方「瞬発力」が比較的低く(例えば「10」)設定されている。また、キャラクタBは「攻撃力」が比較的低く(例えば「50」)設定されている一方、「瞬発力」や「知力」が比較的高く(例えば「200」や「300」)設定されている。
各キャラクタには、複数のアイテムの中から選択されるアイテムを装備させることができるようになっている。アイテムは、上記キャラクタの属性情報の各値を増加させることができ、対戦をより有利にすることができるものである。
アイテムは、例えば武器系(主に「攻撃力」の値を増加させるアイテム)として「剣」、「ハンマー」、「斧」、「のこぎり」、及び「銃」等が用意され、装備系(主に「防御力」の値を増加させるアイテム)として「布の鎧」、「革の鎧」、「鉄の鎧」、「銅の鎧」、及び「金の鎧」等が用意され、アクセサリ系(主に「瞬発力」や「知力」の値を増加させるアイテム)として「指輪」、「鉢巻」、「めがね」、「ネックレス」、及び「ブレスレット」等が用意されている。
また、各アイテムは、アイテムごとに増加させる属性情報が設定されており、属性情報の値を増加させる加算ポイントがそれぞれ設定されている。例えば上記「剣」は、属性情報のうち「攻撃力」の値を増加させるものであり、かつ加算ポイントは「10」に設定されている。
また、この対戦格闘ゲームでは、装備することのできるアイテムの種類がキャラクタ別に予め決められている。すなわち、各キャラクタは、装備できるアイテムとできないアイテムとがある。
図3は、例えばキャラクタAが装備できるアイテムの一覧を示すテーブル(以下、「アイテム一覧テーブル」という。)であり、図4は、例えばキャラクタBが装備できるアイテム一覧テーブルである。これらアイテム一覧テーブルは、後述するゲーム機1のハードディスク装置28に記憶されている。各キャラクタが装備できるアイテムは、図3及び図4に示すように、複数(例えば4個)のアイテムボックスB1〜B4に分けられているとともに、複数(例えば4個)のテーブルT1〜T4に分けられている。
すなわち、プレーヤは、任意のキャラクタを選択した後、そのキャラクタに装備させるアイテムを選択することができるのであるが、プレーヤは、アイテムを選択する際、4個のアイテムボックスB1〜B4の中から所望のアイテムボックスを選択するようになっている。このとき、ゲーム機1内部では、所定の確率(アイテム一覧テーブル右欄の「テーブル選択率」参照)に基づいた抽選が行なわれ、4個のテーブルT1〜T4のうちのいずれかのテーブルが決定される。したがって、プレーヤが獲得できるアイテムは、選択したアイテムボックスに対応し、かつ抽選によって決定されたテーブルに対応するアイテムになる。
例えば図3を参照して、プレーヤがキャラクタAを選択した後、アイテムボックスB1を選択したとすると、「剣(テーブルT1)」、「布の鎧(テーブルT2)」、「剣(テーブルT3)」、「指輪(テーブルT4)」が装備できるアイテムの候補として挙げられ、「テーブル選択率」に応じた抽選の結果、テーブルT1が決定されたとすると、キャラクタAには「剣」が装備されることになる。キャラクタAに「剣」が装備されると、図5に示すように、初期値として与えられた「攻撃力」の値「200」に、アイテム「剣」の加算ポイントである「10」が加算されることになり、攻撃力の値が「200」から「210」になってキャラクタAの「攻撃力」が上昇することになる。
テーブル選択率は、図3によると、テーブルT1及びテーブルT2が100/256に、テーブルT3が50/256に、テーブルT4が6/256に予めそれぞれ設定されており、テーブルT1及びテーブルT2が比較的抽選で決定される確率が高く設定されている。例えばテーブルT4には、加算ポイントの比較的高いアイテムが格納され、上記抽選で決定されにくいように、予め調整されている。一方、図4によると、各テーブルT1〜T4のテーブル選択率は、一様に64/256に設定されており、各テーブルが抽選で決定される確率が同一にされている。
本実施形態では、詳細は後述するが、ゲーム機1では、プレーヤがどのキャラクタを選択したかを示すキャラクタの選択数、選択されたキャラクタによる他のキャラクタとの勝敗、キャラクタに装備されるアイテムの使用数等が、プレーヤによってゲームが実行されるたびに更新され記憶される。ゲームサーバ3は、これらのプレーヤの対戦格闘ゲームの実行結果に関する情報(以下、「ゲーム結果情報」という。本願発明の「操作対象物情報」に対応)を各ゲーム機1からそれぞれ取得し、取得したゲーム結果情報に基づいて、各ゲーム機1で実行された対戦格闘ゲームにおけるプレーヤのゲーム実行傾向を分析し、ゲーム実行傾向が特異な傾向、例えばプレーヤによる各キャラクタの選択状況が不均衡の傾向になっていないかどうかを判別している。
ここで、各キャラクタの選択状況が不均衡の傾向になっているとは、当該キャラクタが極端に強い場合や、あるいは特定のアイテムが特定のキャラクタに装備されることによって当該キャラクタが極端に強くなる場合に、プレーヤが当該キャラクタを選択する頻度が多くなることをいう。また、逆に、特定のキャラクタが極端に弱い場合に、プレーヤが当該キャラクタを選択する頻度が少なくなることをいう。
この対戦格闘ゲームでは、一つのキャラクタを用いて他のキャラクタと対戦し、その対戦に勝利すると、継続して次の対戦を行うことができるため、特定のキャラクタが極端に強くなると、その特定キャラクタを用いることにより、対戦で勝利しやすくなって継続して次の対戦を行う可能性が高くなる。このため、プレーヤはその特定キャラクタを何度も選択するようになる。そして、特定のキャラクタの選択頻度が高くなると、プレーヤは、その特定キャラクタでのゲーム実行に飽きが生じ、ゲーム機1の稼動率が低下してしまうといった不都合を生じる。
本実施形態では、上記不都合を解消するために、各キャラクタの強さが不均衡の傾向になっているか否かを判別し、各キャラクタの強さが不均衡の傾向になっている場合、ゲーム結果情報に基づいてその傾向の原因を究明するようにしている。この究明処理では、どのような点が原因で実際に各キャラクタの強さが不均衡になっているかを判別する。
すなわち、各キャラクタの強さが不均衡である傾向にあるのは、(I)特定のキャラクタのみが突出して強く又は弱くなっていること、(II)特定のアイテムがキャラクタに装備されたときに当該キャラクタが突出して強く又は弱くなっていること、あるいは(III)特定のアイテムのみのキャラクタに装備される回数が増えていること等が原因として挙げられ、上記究明処理では、これらの事象について各キャラクタの強さが不均衡になっている原因があるか否かを判別する。
さらに、本実施形態では、究明した原因(各キャラクタの強さの不均衡)を解消するために、その不均衡の是正に寄与するキャラクタの属性データ(ゲームプログラムの一部)を修正する修正データを設定し、それを各ゲーム機1に送信している。各ゲーム機1においては、修正データに基づいてゲームプログラムを変更し、変更されたゲームプログラムに基づいて以降のゲームを進行させるようにし、各キャラクタの強さの不均衡を調整するようにしている。
例えば各キャラクタの選択状況が不均衡である傾向にあるのが、上記(I)特定のキャラクタのみが突出して強く又は弱くなっていることが原因である場合には、修正データは、特定のキャラクタの強さを上昇又は低下させるものとなる。また、(II)特定のアイテムがキャラクタに装備されたときに当該キャラクタが突出して強く又は弱くなっていることが原因である場合には、修正データは、特定のアイテムのデータを変化させるものとなる。さらに、(III)特定のアイテムのみのキャラクタに装備される回数が増えていることが原因である場合には、修正データは、特定アイテムが当該キャラクタに装備される回数を減少させるものとなる。このように修正データを設定すれば、各キャラクタの選択状況の不均衡さによって、ゲームの興趣性が失われ、ゲームの稼働率が低下してしまうことを効果的に防止することができる。
以下、各機器の構成について説明する。
ゲーム機1は、図6に示すように、所定形状の本体11を備えている。本体11は、前面中央が手前方向に迫り出した突出部12を有しており、突出部12の上面には、ゲームを進行させるためにプレーヤによって操作される操作部13が設けられている。操作部13は、キャラクタの動作を操作するための操作レバー14、並びにゲームを開始させる及びゲームにおいてキャラクタを選択する等の各種の設定を行う操作スイッチ15によって構成され、突出部12の前面には、ゲームを行うのに必要なコインが投入されるコイン投入口16、及びカード差込口17が形成されている。
突出部12の上部正面には、例えばCRT、液晶表示器、又はプラズマ表示器等によって構成される表示モニタ18が設けられている。また、本体11の側面には、図示しないスピーカが内装されている。さらに、突出部12の下方には、プレーヤが誤って投入した場合等にコインを返却するための返却口19、および投入されたコインを保守員が集配するための開閉自在なメンテナンス扉20がそれぞれ設けられている。
ゲーム機1の電気的な構成を説明すると、本体11の内部には、図7に示すように、制御基板21が備えられており、制御基板21は、制御部22、描画処理部23、音声処理部24、I/Oインターフェース部25、及び通信部26等によって構成されている。制御部22には、描画処理部23、音声処理部24、及びI/Oインターフェース部25が接続されており、I/Oインターフェース部25には、通信部26、操作部13、表示モニタ18、スピーカ27、ハードディスク装置28、コイン投入口16から投入されたコインを検出するためのコイン検出部29、及びカード差込口17から差込まれたカードを検出するためのカード検出部30がそれぞれ接続されている。
制御部22は、本体11の全体動作を司るマイクロコンピュータを有しており、マイクロコンピュータは、CPU22a、ROM22b、及びRAM22c等からなり、各部は、それぞれバスラインで接続されている。CPU22aは、後述する基本プログラム及びゲームプログラム等の処理プログラム並びにゲームデータを必要に応じてRAM22cに読み出し、上記処理プログラムを実行することより、ゲーム進行を統括的に制御する。
より具体的には、操作部13からプレーヤが操作することによる操作信号が入力されると、CPU22aは、処理プログラムにしたがってその操作信号に対する所定のゲーム進行処理を行い、その処理結果を表示モニタ18に例えば三次元画像によって表示するとともに、スピーカ27から効果音によって出力する。
ROM22bには、プレーヤによってコインが投入されることによりゲームプログラムを立ち上げる手順やデモンストレーションの表示を行う基本プログラムが記憶されている。CPU22aは、プレーヤによってコインが投入されると、ROM22bの基本プログラムにしたがってハードディスク装置28に記憶されているゲームプログラム及びゲームデータをRAM22cに読み込み、ゲーム開始状態に設定する。
RAM22cは、CPU22aによってROM22bに記憶されたゲームプログラムやゲームデータが格納されるエリアと、CPU22aがゲームプログラムを実行するためのワークエリアとを提供するものである。
上記ゲームプログラムは、複数のプログラムが組み合わされて構成されており、例えば表示モニタ18に表示されているキャラクタの動作を操作情報に基づいて制御するゲーム進行プログラム、ゲームサーバ3と間でデータ(例えば、他のプレーヤのゲーム機1の操作データ等のデータ)の送受信を制御するためのネットワーク制御プログラム、及び表示モニタ18に表示すべき三次元画像を制御するグラフィック制御プログラム等によって構成されている。
本実施形態に係るゲーム進行プログラムには、プレーヤがゲームを実行しゲームが終了するときに、ゲーム結果情報を逐次更新するゲーム結果更新プログラムが含まれている。このゲーム結果更新プログラムは、そのゲームにおいてプレーヤが選択したキャラクタの種類、アイテムの種類、対戦した他のキャラクタとの対戦結果等のゲーム結果情報を、各ゲーム機1において1ゲームが実行され終了する毎に、CPU22aに数値化させて積算させるものである。積算した結果は、テーブルの形でハードディスク装置28(本願発明の第1及び第2記憶手段に対応)に記憶される。
以下、このテーブルの例について説明する。
例えば、ハードディスク装置28には、図8に示すように、ゲーム結果情報としてキャラクタの選択数を表したテーブル(以下、「キャラクタ選択テーブル」という。)が記憶される。この対戦格闘ゲームでは、ゲーム開始当初にプレーヤによって、予め設定された複数のキャラクタの中から任意のキャラクタを選択するようになっているが、上記キャラクタ選択テーブルには、各キャラクタの選択数と、選択された各キャラクタの他のキャラクタとの対戦数とが格納されている。
同図では、キャラクタAは全部で7回選択され、そのうち3回がキャラクタBと対戦し、4回がキャラクタDと対戦し、キャラクタCとは対戦していないことを示している。また、キャラクタBは全部で6回選択され、キャラクタCは全部で1回選択され、キャラクタDは全部で6回選択されていることを示している。
ハードディスク装置28には、図9に示すように、ゲーム結果情報としてキャラクタ同士の対戦結果を示すキャラクタ対戦テーブルが記憶される。同図では、キャラクタAは、キャラクタBとの対戦による結果が2勝1敗、キャラクタCとの対戦は無く、キャラクタDとの対戦による結果が4勝0敗であり、対戦結果の合計が6勝1敗であることを示している。
また、ハードディスク装置28には、図10に示すように、ゲーム結果情報として特定のキャラクタが使用したアイテムの種類とその使用数とを示すテーブル(以下、「アイテム使用テーブル」という。)が、キャラクタごとにそれぞれ記憶される。例えば、同図では、キャラクタAが使用したアイテムの種類とその使用数を示しており、キャラクタAは、「剣」を1回使用し、「ハンマー」を一度も使用せず、「斧」を4回使用し、「のこぎり」を2回使用していることを示している。
さらに、ハードディスク装置28には、図11に示すように、ゲーム結果情報として特定キャラクタの使用アイテムについて、対戦したキャラクタ別に、用いられたアイテムごとの対戦結果(勝ち数)を表すテーブル(以下、「アイテム対戦テーブル」という。)が記憶される。このアイテム対戦テーブルは、キャラクタごとにかつ対戦したキャラクタ別にそれぞれ記憶される。同図では、キャラクタAは、キャラクタDとの対戦において、「剣」を1回使用し、その使用による勝ち数が「1」であり、「斧」を3回使用し、その使用による勝ち数が「3」であることを示している。
ネットワーク制御プログラムには、本実施形態特有の情報送信プログラム及びゲームプログラム変更プログラムが含まれている。情報送信プログラムは、ゲームサーバ3からの要求に基づいて、上述したゲーム結果更新プログラムによって記録されたゲーム結果情報をゲームサーバ3に対して送信する処理をCPU22aに行わせるものである。また、ゲームプログラム変更プログラムは、ゲームサーバ3からゲームプログラムの修正データ(後述)を受信すると、その修正データに基づいてゲームプログラムを書き換える処理をCPU22a(本願発明の変更手段に対応)に行わせるものである。
図7に戻り、操作部13(本願発明の選択手段に対応)は、キャラクタを移動させたり、ゲームに関する各種の設定を行ったりするためにプレーヤによって操作されるものである。プレーヤによって操作部13が操作されると、その操作信号が制御部22に伝送され、表示モニタ18に表示されたキャラクタが所定の動作を行う。所定の動作としては、例えば、走る、しゃがむ、崖をよじ登る等の移動動作や剣等を用いて敵キャラクタを攻撃する等の攻撃動作がある。
より詳細には、CPU22aは、操作部13からのプレーヤの操作信号(キャラクタのゲーム画面上における位置の変化情報を含む)に基づき、必要に応じてROM22bからゲームプログラムや画像データ等をRAM22cに読み込み、これらのデータを処理したりゲームプログラムを実行したりすることにより、表示モニタ18に表示すべき三次元画像の内容を決定する。
CPU22aは、表示モニタ18に表示すべき画像を決定し、その画像の描画に必要な画像データ(背景及びキャラクタのポリゴンデータ、テクスチャーデータ、及び光源データ等)をRAM22cから読み出して描画処理部23に供給する。また、CPU22aは、操作部13から入力される操作情報やゲームサーバ3を介して入力される他のゲーム機1からの操作情報を描画処理部23に供給する。
描画処理部23は、描画処理に必要な各種の演算処理を行うものである。描画処理部23は、CPU22aから供給される画像データ及び操作情報に基づいて、描画に必要なデータ(キャラクタ及び背景の位置関係、表示モニタ18の画面上におけるキャラクタ及び背景を構成するポリゴンの座標、各ポリゴンに対応するテクスチャ、並びに各ポリゴンの反射特性等のデータ)を演算し、その演算結果に基づいて描画処理部23内のVRAM(図示せず)に描画処理を行う。描画処理が行われた画像データは、表示モニタ18に出力されて表示される。
表示モニタ18は、本体11から送られてきた映像信号やオーディオ信号に応じてゲーム進行状態を示すゲーム画面を映し出すための装置である。
音声処理部24は、効果音等の音声を発生させる処理に必要な各種の演算処理を行うものである。CPU22aは、表示モニタ18のスピーカ27から出力すべき効果音若しくはBGMの音響内容を決定すると、音声処理部24に音声指令を出力する。音声処理部24は、CPU22aからの音声指令に基づき、RAM22cから効果音もしくはBGMの音声データを読み出し、所定の加工処理とD/A変換処理とを施した後、スピーカ27に出力する。
スピーカ27は、音声処理部24からの音声信号を音声にして出力するための装置である。
I/Oインターフェース部26は、ハードディスク装置28から読み出されたゲームプログラムやゲームデータ、及び操作部13からの操作信号等を制御部22に伝送したり、制御部22からの映像信号やオーディオ信号等を表示モニタ18に伝送したりするものである。また、通信部26(本願発明の第1送信手段に対応)は、I/Oインターフェース部26及びネットワーク回線2を介してゲームサーバ3との間でデータの送受信を行うものである。
なお、本ゲーム機1では、カード差込口17から所定のカードが差し込まれると、カードに磁気的に記憶された、例えばプレーヤのステータス情報(名前、性別、ゲームの習得度を示すレベル等)が一旦RAM22cに記憶され、他のゲーム機1を操作する他のプレーヤと対戦する際、ゲームサーバ3に送信される。すなわち、カードはプレーヤの認証に用いられる。なお、ゲーム機1には、カード差込口17が設けられていなくてもよい。
プレーヤが他の店舗4におけるゲーム機1を操作する他のプレーヤと対戦する場合、ゲーム機1における操作情報は随時ゲームサーバ3に送信され、ゲームサーバ3を介して対戦しているゲーム機1相互で共有される。したがって、各ゲーム機1では対戦している他のキャラクタの画像が必要に応じて表示モニタ18に表示され、他のプレーヤの操作に応じて動作するようになる。
なお、同じ店舗4内に設定されたゲーム機1同士で対戦が行われる場合には、ゲーム機1における操作情報は直接的に対戦する他のゲーム機1に送信され、ゲーム機1相互で共有されるようになっている。
ネットワーク回線2は、ゲームサーバ3及び複数のゲーム機1を接続し、各装置を双方向の通信が可能なように接続する通信回線であり、本実施形態では、例えばインターネット回線が適用される。
ゲームサーバ3は、ネットワーク回線2に接続された1台又は複数台のサーバによって構成されており、本ゲームシステムの運営を統括管理するためのものである。ゲームサーバ3は、例えばゲーム機1において例えば特定のキャラクタの強さが不均衡の傾向にある場合、この傾向の原因を究明する(実際にキャラクタの強さの不均衡が生じているか否か、またこの不均衡の原因は何かを判断する)とともに、この不均衡を是正するための修正データ(詳細は後述)を生成し、ネットワーク回線2を介して各ゲーム機1に修正データを配信することにより、特定のキャラクタの選択状況を調整する機能を有する。
ゲームサーバ3は、図7に示すように、CPU31、ROM32、RAM33、ハードディスク装置34、及びI/F(Interface)35によって構成されている。ROM32、RAM33及びI/F35は、バスライン36で接続されている。また、ハードディスク装置34は、I/F35及びバスライン36を介してCPU31に接続されている。
CPU31は、ROM32に記憶されている後述する基本プログラムや通信制御プログラムに基づいて、ゲームサーバ3における制御動作を統括的に司る。例えばCPU31は、ゲームが行われている各ゲーム機1との間でゲームの進行に必要な各種のデータの送受信を行い、ネットワーク回線2を介してゲーム機1同士間における対戦格闘ゲームの進行を制御する。具体的には、CPU31は、対戦する複数のゲーム機1のうち、いずれかのゲーム機1からそのゲーム機1によって制御されるキャラクタのステータス(例えばキャラクタの属性等)の変化情報、及びキャラクタのゲーム空間上における位置の変化情報等が入力されると、その変化情報等を受信し、対戦している他のゲーム機1に送信する。
ROM32には、ハードディスク装置34に記録されたデータや各種の処理プログラムを読み出す手順等を示す基本プログラム、及び各ゲーム機1との通信を行うための通信制御プログラム等が記憶されている。
RAM33は、CPU31のワークエリアとして機能するものであり、RAM33には、各ゲーム機1を運営する上で必要なデータが随時記憶される。
I/F35(本願発明の第2送信手段に対応)は、後述する集計配信プログラムによって作成される修正データをネットワーク回線2を介して各ゲーム機1に送信したり、各ゲーム機1からの操作信号やゲームに関する制御情報を受信し、CPU31に伝送したりするものである。
ハードディスク装置34には、各ゲーム機1における対戦格闘ゲームの進行を制御するための進行プログラム、本実施形態特有の集計配信プログラム、及び各ゲーム機1から送信されたゲーム結果情報を集計したゲーム結果情報が記憶されている。
進行プログラムは、対戦するゲーム機1間で相互に各ゲーム機1の操作情報を中継したり、各ゲーム機1からの操作情報や制御情報に応じて、各ゲーム機1に対して各キャラクタのステータス情報や各キャラクタの位置情報等をリアルタイムに返信したりする制御を行うプログラムである。集計配信プログラムは、各ゲーム機1から送信されたゲーム結果情報を集計し、所定の処理を施した後、所望のゲーム機1に対して適切な修正データを配信するためのプログラムである。
具体的には、集計配信プログラムは、CPU31が有している図示しないタイマによって計時される期日(時刻)が所定の期日(時刻)になると、各ゲーム機1に対してゲーム結果情報を送信することを要求する要求信号をCPU31(本願発明の要求手段に対応)にI/F35を介して出力させる。
この要求信号に応じて各ゲーム機1から送信されたゲーム結果情報は、以下のような形でハードディスク装置34に記憶される。すなわち、ハードディスク装置34には、図8に示した各ゲーム機1のキャラクタ選択テーブルが記憶されるとともに、図12に示すように、図8に示した各ゲーム機1のキャラクタ選択テーブルの内容を集計したものが格納されているキャラクタ選択テーブルが記憶される。
具体的には、図12に示すキャラクタ選択テーブルには、図8に示した各ゲーム機1のキャラクタ選択テーブルに含まれるキャラクタの選択数や対戦相手別の選択数を、それぞれ合計したものが格納されている。また、図12に示すキャラクタ選択テーブルには、キャラクタの選択数により算出される選択率が格納されている。ここで、選択率とは、全キャラクタの選択数における特定キャラクタの選択数の割合をいう。
図12では、キャラクタAは全部で41回選択され(選択率は39.4%)、そのうち10回選択されてキャラクタBと対戦し、1回選択されてキャラクタCと対戦し、30回選択されてキャラクタDと対戦していることを示している。また、キャラクタBは全部で17回選択され(選択率は16.3%)、キャラクタCは全部で7回選択され(選択率は6.7%)、キャラクタDは全部で39回選択されている(選択率は37.5%)。これによると、例えばキャラクタCの選択率が他のキャラクタの選択率に比べ低いことがわかる。
ハーデディスク装置34には、図8に示したゲーム機1ごとのキャラクタ選択テーブル、全てのゲーム機1について集計したキャラクタ選択テーブル、及び図示しないが店舗4ごとに集計されたキャラクタ選択テーブルがそれぞれ記憶される。また、図13に示すように、直近に集計された前回のキャラクタ選択テーブル、及び図示しないが店舗4ごとに集計された前回のキャラクタ選択テーブルもそれぞれ記憶される。これら全てのゲーム機1について集計したキャラクタ選択テーブル、店舗4ごとに集計されたキャラクタ選択テーブル、前回のキャラクタ選択テーブル、及び店舗4ごとに集計された前回のキャラクタ選択テーブルは、後述するように、上記集計配信プログラムの一つとして、各キャラクタの選択状況が不均衡である傾向にあるか否かを判別する処理に用いられる。
また、ハードディスク装置28には、図9に示した各ゲーム機1のキャラクタ対戦テーブルが記憶される。これとともに、図14に示すように、図9に示した各ゲーム機1についてキャラクタ対戦テーブルの内容を集計したものが格納されているキャラクタ対戦テーブルが記憶される。
このキャラクタ対戦テーブルには、図9に示した各ゲーム機1のキャラクタ選択テーブルに含まれるキャラクタの対戦相手別の勝敗数やキャラクタの勝敗の総数をそれぞれ集計したものが格納されている。また、図14に示すキャラクタ選択テーブルには、集計したキャラクタの勝敗の総数を用いて算出した勝率が格納されている。
同図では、キャラクタAは、キャラクタBとの対戦による結果が5勝5敗、キャラクタCとの対戦による結果が1勝0敗、キャラクタDとの対戦による結果が25勝5敗であり、対戦結果の合計が31勝10敗、勝率が7割5分6厘であることを示している。また、同図では、キャラクタBは、対戦結果の合計が15勝7敗、勝率が6割8分1厘であり、キャラクタCは、対戦結果の合計が3勝8敗、勝率が3割7分5厘であり、キャラクタDは、対戦結果の合計が8勝37敗、勝率が1割7分7厘であることを示している。
このキャラクタ対戦テーブルは、後述するように、上記集計配信プログラムの一つとして、各キャラクタの強さが不均衡である傾向にある場合に、その傾向の原因を究明する処理に用いられる。
また、ハードディスク装置28には、図10に示した各ゲーム機1のキャラクタ別のアイテム使用テーブルが記憶されるとともに、図15に示すように、図10に示した各ゲーム機1のアイテム使用テーブルの内容を集計した、全てのゲーム機1についてのキャラクタ別のアイテム使用テーブルが記憶される。図15に示すアイテム使用テーブルには、特定キャラクタが使用するアイテムの使用数及び使用率が格納されている。ここで、使用率とは、全アイテムの使用数における特定アイテムの使用数の割合をいう。
例えば、同図では、キャラクタAが使用したアイテムの種類とその使用数及び使用率が表されている。同図では、キャラクタAは、「剣」を5回使用し(使用率は16.3%)、「ハンマー」を3回使用し(使用率は7.3%)、「斧」を25回使用し(使用率は61.0%)、「のこぎり」を8回使用している(使用率は19.5%)ことを示している。なお、全アイテムの使用数の合計(41回)は、図12に示したキャラクタAの選択数と同値になっている。
このアイテム使用テーブルは、後述するように、上記集計配信プログラムの一つとして、各キャラクタの強さが不均衡である傾向にある場合に、その傾向の原因を究明する処理に用いられる。
さらに、ハードディスク装置28には、図11に示した各ゲーム機1のアイテム対戦テーブルが記憶されるとともに、図16に示すように、図11に示した各ゲーム機1のアイテム対戦テーブルの内容を集計した、全てのゲーム機1についてのアイテム対戦テーブルが記憶される。図16に示すアイテム対戦テーブルは、特定キャラクタの使用アイテムについて、対戦したキャラクタ別に、用いられたアイテムの使用数と、アイテムごとの対戦結果(勝ち数)とが格納されている。
このアイテム対戦テーブルは、後述するように、上記集計配信プログラムの一つとして、各キャラクタの強さが不均衡である傾向にある場合に、その傾向の原因を究明する処理に用いられる。
ゲームサーバ3では、CPU31が本願発明の判別手段として機能し、図12に示すキャラクタの選択数、対戦相手別の選択数、及び選択率を表したキャラクタ選択テーブルに基づいて、各キャラクタの強さが不均衡である傾向にあるか否かを判別する。次いで、判別した結果、各キャラクタの強さが不均衡である傾向にある場合、図12ないし図16に示す各テーブルの内容(集計したゲーム結果情報)に基づいて、傾向の原因を究明する処理を行う。その後、CPU31が本願発明の設定手段として機能し、その原因別に、ゲームプログラムの一部を修正する修正データを作成する。作成された修正データは、I/F35を介してゲーム機1に送信される。
修正データが送信されたゲーム機1では、修正データに基づいてゲームプログラムを変更し、変更したゲームプログラムに基づいて、以降のゲームが実行される。変更したゲームプログラムには、各キャラクタの強さが不均衡である原因を解消することのできる修正データが加味されるため、プレーヤによってゲームが実行されると、各キャラクタの強さの均衡を適切なものに維持することができるようになる。これにより、プレーヤが特定のキャラクタばかりを選択することを効果的に防止することができる。
次に、上記ゲームシステムにおけるCPU22a及びCPU31の制御動作を、図17及び図18に示すフローチャートを参照して説明する。このフローチャートにおける動作においては、ゲームサーバ3では、上記した集計配信プログラムが実行され、ゲーム機1では、ゲーム結果更新プログラム及びゲームプログラム変更プログラム等が実行される。
まず、ゲームサーバ3は、所定の期日タイミングで各店舗4に配置されている各ゲーム機1からゲーム結果情報を送信させる。すなわち、ゲームサーバ3は、所定の期日(時刻)になると、各ゲーム機1に対してゲーム結果情報を送信することを要求する要求信号を送信する(S1)。この場合、ゲームサーバ3は、本願発明の要求手段として機能する。
ゲームサーバ3がゲーム機1からゲーム結果情報を送信させるタイミングは、例えば月ごと、週ごと、日ごと、時間ごとでもよく、あるいはランダムであってもよい。なお、ゲーム機1がゲーム結果情報を送信するタイミングは、ゲーム機1側で設定されていてもよく、予め設定された日時、時刻になれば、ゲームサーバ3からの要求信号がなくても、ゲームサーバ3に対してゲーム結果情報を送信するようにしてもよい。
ゲーム機1は、ゲームサーバ3からの要求信号に応じて、更新されているゲーム結果情報としての各テーブル(図8〜図11参照)の内容をそれぞれゲームサーバ3に送信する(S2)。
ゲームサーバ3は、各ゲーム機1からのゲーム結果情報を受信すると(S3)、一旦、ゲーム結果情報をゲーム機1ごとにハードディスク装置34に記憶する。次いで、記憶されたゲーム結果情報を全ゲーム機1について集計し(S4)、それらを新たにテーブル(図12,図14〜図16参照)の形で記憶する。
その後、ゲームサーバ3では、今回、各ゲーム機1から送信され、集計された全体のゲーム結果情報に基づいて、各キャラクタの強さが不均衡である傾向にあるか否かの判別処理を実行する。この処理は、上記のように、各ゲーム機1からゲーム結果情報が送信され集計されたときに行ってもよく、集計されたときに関係なく、ゲームサーバ3で予め定めた時刻に定期的あるいはランダムなタイミングで行われてもよい。
ゲームサーバ3は、各キャラクタの強さが不均衡である傾向にあるか否かを判別する処理として、特定キャラクタの選択率が大幅に変動しているか否かを判別する処理を行う(S5)。具体的には、ゲームサーバ3は、特定キャラクタの選択率が、前回集計したときの特定キャラクタの選択率に比べて急激に上昇又は低下しているか否かを判別する。
特定キャラクタの選択率が前回集計したときのそれに比べて大幅に変動しているといった傾向は、各キャラクタの強さが不均衡な状態であるときに発生しやすい。すなわち、ある特定のキャラクタのみが強い状態であったり弱い状態であったりすると、プレーヤは、ゲームを繰り返すうちに、ゲームに勝利しやすくなる強い特定キャラクタや逆の弱いキャラクタを知るようになり、強いキャラクタばかりを積極的に選択するようになったり、逆に弱い特定キャラクタを避けて選択しなくなったりする。このため、各キャラクタの選択率が大幅に変動するようになる。したがって、このような傾向が生じているか否かを判別することで、各キャラクタの強さが不均衡な状態になっている可能性が高いか否かを判別することができる。
上記処理では、図13に示した前回集計したキャラクタ選択テーブルと、図12に示した今回集計したキャラクタ選択テーブルとを比較し、いずれかのキャラクタの選択率が急激に低下しているか否か、例えばいずれかのキャラクタの選択率の変動量が所定の割合(例えば10%)以上であるか否かを判別する。例えばキャラクタCの前回集計したときの選択率は16.9%(図13参照)であり、キャラクタCの今回集計した選択率は6.7%(図12参照)であると、選択率の差が所定の割合以上あるので、キャラクタCの選択率は急激に低下していると判別する。
なお、各キャラクタの強さが不均衡である傾向にあるか否かを判別する処理としては、上記したように特定キャラクタの選択率の低下度合いを検証する処理に代えて、特定キャラクタの選択率が急激に上昇しているか否かを判別する処理を採用してもよいし、特定キャラクタの選択率が所定の閾値を下回ったあるいは上回ったこと等を判別する処理を採用してもよい。あるいは、特定キャラクタの勝ち数が他のキャラクタに比べ極端に多いこと等を判別する処理を採用してもよい。
ステップS5の判別処理において、特定キャラクタの選択率が大幅に変動していないと判別した場合(S5:NO)、ゲームサーバ3は、この集計配信プログラムによる処理に関して、ステップS1の次の送信要求を出力するまで待機状態となる。一方、特定キャラクタの選択率が急激に低下していると判別した場合(S5:YES)、特定キャラクタの選択率が急激に低下しているといった現象が、各店舗4において生じているか否かを判別する。
すなわち、特定キャラクタの選択率が大幅に変動しているといった現象が、ある特定の店舗4で例外的に生じているために全体における選択率を低下させているのか、あるいは上記現象が全体的に各店舗4において生じていたために全体における選択率を低下させているのかどうかを判別する。
具体的には、ゲームサーバ3は、各ゲーム機1から送信された図8に示すキャラクタ選択テーブルの内容を、各ゲーム機1が配置されている店舗4ごとに集計する(S6)。前回集計したキャラクタ選択テーブルと今回集計したキャラクタ選択テーブルとを店舗4ごとに集計したもの同士を比較し、店舗4ごとに特定キャラクタの選択率が、前回集計したときの特定キャラクタの選択率に比べて大幅に変動しているか否かを判別する(S7)。
ある店舗4において特定キャラクタの選択率が大幅に変動している場合(S7:YES)、当該店舗4に対して変化フラグを「1」に設定する(S8)。また、特定キャラクタの選択率が大幅に変動していない場合には(S7:NO)、当該店舗4に対して変化フラグを「0」に設定する(S9)。ここで、「変化フラグ」とは、各店舗4に対して前回集計したときの特定キャラクタの選択率に比べて大幅に変動しているか否かを示すフラグであり、後述する、特定キャラクタの選択率が大幅に変動していると判別される店舗4の全体の店舗に対する割合を算出するときに用いられる。この変化フラグは、図19に示すように、各店舗4に対してそれぞれ設定される。
そして、特定キャラクタの選択率が大幅に変動していると判別される店舗4の全体の店舗に対する割合が所定の割合(例えば50%)を超えるか否かを判別する(S10)。特定キャラクタの選択率が大幅に変動していると判別される店舗4の全体の店舗4に対する割合が所定の割合を超える場合(S10:YES)、すなわち、変化フラグが「1」に設定された店舗4の数を積算し、その積算数が全店舗4の数に対して所定の割合を超える場合、特定キャラクタの選択率が大幅に変動しているといった現象が全体的に生じているとして、後述する修正データの配信処理を全ゲーム機1に対して行うよう設定する(S11)。
一方、変化フラグが「1」である店舗4の全体の店舗4に対する割合が所定の割合を超えない場合(S10:NO)、特定キャラクタの使用率が大幅に変動しているといった現象は、特定の店舗4においてのみ生じているとして、後述する修正データの配信処理を、特定キャラクタの使用率が大幅に変動していると判別される店舗4のみに対して行うよう設定する(S12)。
具体的には、ゲームサーバ3は、修正データを配信するか否かを示すフラグ(以下、「配信フラグ」という。)を店舗4に対して設定する。すなわち、図19に示すように、修正データを配信する必要のある店舗4に対しては、配信フラグを「1」に設定し、修正データを配信する必要のない店舗4に対しては、配信フラグを「0」に設定する。これら配信フラグは、後述するように、ゲームサーバ3がゲーム機1に対して修正データを配信する際に用いられる。
したがって、修正データの配信処理を全ゲーム機1に対して行うよう設定される場合(S11参照)、全店舗4に対して配信フラグが「1」に設定される。一方、特定キャラクタの使用率が大幅に変動していると判別された店舗4のみに対して配信処理を行うよう設定される場合(S12参照)、当該店舗4のみに対して配信フラグが「1」に設定される(この場合、ゲームサーバ3のCPU31は、本願発明の決定手段として機能する)。なお、図19では、特定キャラクタの使用率が大幅に変動していると判別された店舗4のみに対して配信処理を行うよう設定される場合を示しており、すなわち、この場合は、変化フラグと配信フラグとは一致する。
次に、ゲームサーバ3では、各キャラクタの強さが不均衡である傾向にある場合、その原因を究明する処理が行われる。この原因究明処理は、原因別に行われるため、後述するように複数の個別原因究明処理(ステップS13〜S18の処理、及びステップS19〜S24の処理参照)からなる。
まず、上述したキャラクタ対戦テーブル(図14参照)を参照し、所定の勝率(例えば7割以上)以上の特定キャラクタがあるか否か、すなわち、極端に高い勝率の特定キャラクタがあるか否かの判別を行う(S13)。この判別処理において、所定の勝率以上の特定キャラクタがない場合(S13:NO)、後述する他の個別原因究明処理(S19以降参照)に進む。ステップ13の判別処理により、特定キャラクタが他のキャラクタと比較して不均衡に強すぎないか否か、また、特定のアイテムをあるキャラクタに装備させたとき、他のアイテムを同じキャラクタに装備させたときに比べて当該キャラクタが不均衡に強すぎないか否かを判別することができる。
一方、所定の勝率以上の特定キャラクタがある場合(S13:YES)、例えば図14に示すように、キャラクタAは、他のキャラクタとの対戦結果が31勝10敗であり、この場合の勝率が7割5分6厘であって、所定の勝率以上であると判別される場合、当該キャラクタに装備されたいずれかのアイテムの使用率が所定の割合(例えば50%)以上であるか否かの判別を行う(S14)。すなわち、各キャラクタの強さが不均衡である傾向にある原因がアイテムの使用率に関係しているか否かを検証する。
いずれかのアイテムの使用率が所定の割合(例えば50%)以上であるか否かの判別処理は、図15のアイテム使用テーブルを参照して行う。なお、図15のアイテム使用テーブルは、例えばキャラクタAが使用したアイテムの種類とその使用率を示している。
ステップS14において、特定アイテムの使用率が所定の割合以下である場合(S14:NO)、換言すれば、当該キャラクタに装備される特定アイテムに偏りがない場合、キャラクタの属性情報に関する修正データを作成する(S15)。すなわち、極端に勝率の高い特定キャラクタがある理由は、それに装備されるアイテムによるものではなく、キャラクタの強さにあるとして、つまり当該キャラクタの属性情報のうち「攻撃力」や「防御力」が高いことにあるとして、属性情報のうちの「攻撃力」及び「防御力」を下げる修正データを作成する。
例えば、図20に示すように、キャラクタAの属性情報のうちの「攻撃力」が当初「200」であったところ(図20(a)参照)、「150」に変更してその値を修正データとする(図20(b)参照)。また、キャラクタAの属性情報のうちの「防御力」が当初「200」であったところ(図20(a)参照)、「150」に変更してその値を修正データとする(図20(b)参照)。このようにすれば、キャラクタの強さが不均衡にある原因がキャラクタの強さにある場合、そのキャラクタの強さを変化させる(上記の場合、低下させる)ようにすれば、キャラクタの強さの不均衡を是正することができる。
ステップS15においてキャラクタの属性情報に関する修正データを作成する場合、上記では、キャラクタの属性情報のうち「攻撃力」や「防御力」の値を所定の値(図20では、「50」)だけ減算しているが、次回の各キャラクタの選択状況が不均衡である傾向の原因を究明する処理において、同様に修正データを作成するように判別され、それが繰り返されると、「攻撃力」や「防御力」の値が「0」になってしまう可能性もあり、キャラクタの個性を阻害することも考えられる。そのため、「攻撃力」や「防御力」の値に減算可能最小値(それ以上は減算することのできない最小の値)が設けられていてもよい。
さらに、「攻撃力」や「防御力」の値に応じて減算する所定の値が変化されるようにしてもよい。例えば、現状の「攻撃力」の値が「200」の場合には「50」で減算され、現状の「攻撃力」の値が「150」の場合には「40」で減算され、現状の「攻撃力」の値が「100」の場合には「30」で減算されるようにしてもよい。これらの減算する所定の値は、テーブル化されて予め設定されていてもよく、あるいは演算によってその都度求められてもよい。また、ステップS15のキャラクタの属性情報に関する修正データを作成する処理では、「攻撃力」や「防御力」の値に代えて、「瞬発力」や「知力」の値が変更されるようにしてもよい。
ステップS14において、特定アイテムの使用率が所定の割合(例えば50%)以上である場合(S14:YES)、換言すれば、当該キャラクタに装備される特定アイテムに偏りがある場合、当該キャラクタがそのアイテムを使用した場合の勝率が所定の割合(例えば50%)以下であるか否かの判別を行う(S16)。すなわち、当該キャラクタがあるアイテムを装備したとき、当該キャラクタの勝率が高い傾向にあるのか否かを検証し、極端に勝率の高い特定キャラクタがある理由は、それに装備されるアイテムによるものであるか否かを判別する。
当該キャラクタがそのアイテムを使用した場合の勝率が所定の割合以上でない場合(S16:NO)、極端に勝率の高い特定キャラクタがある理由は、それに装備されるアイテムによるものではないとして、ステップS15を実行してキャラクタの属性情報に関する修正データを作成する。
一方、当該キャラクタがそのアイテムを使用した場合の勝率が所定の割合以上である場合(S16:YES)、アイテムに付随する加算ポイントを減少させる修正データを作成する(S17)。アイテムを使用した場合の勝率が所定の割合以上である場合の例としては、以下の事象が挙げられる。すなわち、例えばキャラクタAは、図14に示すように、所定の勝率(例えば7割)以上を有し、図15に示すように、アイテムの「斧」の使用率が61%(50%以上)であるので、当該キャラクタに装備される特定アイテムに偏りがあると判別される。
このように、極端に勝率の高い特定キャラクタがあるのは、それに装備されるアイテムによるものであるとして、アイテムの加算ポイントを低下させる処理を行う。すなわち、例えば、キャラクタAがアイテムの「斧」を使用したときに勝率が高いので、図21に示すように、「攻撃力」に加算される「斧」の加算ポイントを当初「30」であったところ、「10」に変更してその値を修正データとする。
上述したように、本対戦格闘ゲームでは、あるキャラクタにアイテムを装備させると、そのアイテムに付随している加算ポイントがキャラクタの初期の属性情報としての「攻撃力」の値に加算されるようになっている(図5参照)。上記のように加算ポイントが下げられると、本来ならば初期の属性情報としての「攻撃力」の値に、例えば「斧」の加算ポイントの「30」が加算されて全体としての「攻撃力」とされていたのが、図21に示すように、「斧」の加算ポイントが「30」から「10」に修正されることにより、全体としての「攻撃力」が下げられることになる。このようにすれば、キャラクタの強さが不均衡にある原因が、キャラクタに装備されるアイテムによるキャラクタの強さにある場合、そのアイテムの加算ポイントを変化させる(上記の場合、低下させる)ようにすれば、キャラクタの強さを間接的に低下させることができ、ひいてはキャラクタの選択状況の不均衡を是正することができる。
アイテムの加算ポイントを減算させる所定の値は、アイテム別にそれぞれ設定されており、上述したキャラクタの属性情報の値を減算する場合と同様に、段階的に変化するようにテーブル化されていてもよいし、演算によってその都度求められてもよい。
次いで、あるキャラクタが装備するアイテムの使用率が高く(S14:YES)、かつそのアイテムを使用した場合の勝率が所定の割合以上である場合(S16:YES)、すなわち当該キャラクタが極端に強い理由がそれに装備されるアイテムによるものであるとき、加算ポイントが比較的低いアイテムをより多く装備させるため、他のアイテムが選択されやすいようにするための修正データを作成する(S18)。
すなわち、この対戦格闘ゲームでは、プレーヤによってアイテムが選択されるときには、テーブル選択率に基づいて複数(4個)のテーブルの中から一つのテーブルを選択するための抽選が行われるのであるが(図3及び図4参照)、ここでは、この抽選の際に用いられるテーブル選択率を修正する修正データを作成する。
つまり、テーブル選択率を修正し、他のアイテムが選択されやすくすることにより、当該キャラクタが極端に強くなることを是正するようにする。例えば、図22(a)に示すように、初期設定(図3参照)では、テーブルT1のテーブル選択率は「100/256」であったが、このテーブル選択率を図22(b)に示すように、「120/256」に修正する。また、同様に、テーブルT2のテーブル選択率を「100/256」から「120/256」に、テーブルT3のテーブル選択率を「50/256」から「13/256」に、テーブルT4の選択率を「6/256」から「3/256」にそれぞれ修正する。
テーブルT4及びテーブルT3のアイテムボックスB4には、加算ポイントの比較的高いアイテムが格納されている(図3参照)。上記修正の結果、テーブルT4及びテーブルT3のテーブル選択率が低くなることにより、加算ポイントの比較的低いアイテム(テーブルT1〜T2に格納されているアイテム)がキャラクタに装備される可能性が高くなる。したがって、特定キャラクタが極端に強くなるといったことが改善されるようになる。
なお、ステップS17のアイテムに付随する加算ポイントを減少させる修正データを作成する処理と、ステップS18の他のアイテムが選択されやすいようにするための修正データを作成する処理とは、両方必ず行なわなければならないということはなく、いずれか一方の処理が行われるようにしてもよい。
また、各キャラクタの強さが不均衡である傾向にある場合、その原因を究明する処理として、所定の勝率以上の特定キャラクタがあるか否かを判別する処理に代えて、例えば図14に示すキャラクタ対戦テーブルを参照して、キャラクタ同士の対戦において極端に一方のキャラクタの勝率が高いか否かを判別する処理を採用してもよい。例えば、図14に示したように、キャラクタA対キャラクタDでは、キャラクタAがキャラクタDに対して8割3分3厘(25勝5敗)と高い勝率を有している。この場合、キャラクタAの使用アイテムに偏りがあるか否かを判別するようにしてもよい。
また、図14に示すキャラクタ対戦テーブルは、全ての店舗4において集計したものであるが、例えばステップS12に示したように、後述する修正データの配信処理を、特定キャラクタの使用率が急激に低下していると判別される店舗4のみに対して行うよう設定した場合に、当該店舗4において集計したキャラクタ対戦テーブルを作成し、このキャラクタ対戦テーブルを用いて、所定の勝率以上の特定キャラクタがあるか否かの判別処理を行ってもよい。
次に、各キャラクタの強さが不均衡である傾向の原因を究明する処理として、上述したキャラクタ対戦テーブル(図14参照)を参照し、所定の勝率(例えば1割)以下の特定キャラクタがあるか否か、すなわち、極端に低い勝率の特定キャラクタがあるか否かの判別を行う(S19)。
極端に低い勝率の特定キャラクタがない場合(S19:NO)、ステップS25に進む。一方、極端に低い勝率の特定キャラクタがある場合(S19:YES)、特定アイテムの使用率が所定の割合(例えば50%)以上であるか否か、換言すれば、当該キャラクタに装備される特定アイテムに偏りがあるか否かの判別を行う(S20)。すなわち、極端に低い勝率の特定キャラクタがあるのは、それに装備されたアイテムに原因があるのか否かを検証する。
ステップS20において、当該キャラクタに装備されたアイテムに偏りがない場合(S20:NO)、極端に低い勝率の特定キャラクタがあるのは、アイテムが原因ではなく、キャラクタの属性情報に原因があるとしてキャラクタの属性情報に関する修正データを作成する(S21)。この場合、例えば、キャラクタの「攻撃力」等の値を上昇させる修正データを作成し、当該キャラクタの勝率を高めるようにする。
ステップS20において、当該キャラクタに装備されたアイテムに偏りがある場合(S20:YES)、当該キャラクタがそのアイテムを使用した場合の勝率が所定の割合(例えば50%)以上であるか否かの判別を行う(S22)。すなわち、キャラクタとアイテムとの組み合わせがよくないために、特定キャラクタの勝率が所定の割合以下であると推測し、偏りのあるアイテムを使用した場合の勝率を検証する。
当該キャラクタがそのアイテムを使用した場合の勝率が所定の割合以上である場合(S22:YES)、極端に勝率の低い特定キャラクタがある理由は、それに装備されるアイテムによるものではなく、特定キャラクタにあるとして、ステップS21のキャラクタの属性情報に関する修正データ(例えば「攻撃力」等の値を上昇させる)を作成する。これにより、キャラクタの強さを直接的に上昇させることができる。
一方、当該キャラクタがそのアイテムを使用した場合の勝率が所定の割合以上でない場合(S22:NO)、極端に低い勝率の特定キャラクタがあるのは、当該アイテムの加算ポイントに原因があるとして、当該アイテムの加算ポイントに対して修正データを作成する(S23)。この場合、当該アイテムの加算ポイントを上昇させる修正データを作成し、当該キャラクタがそのアイテムを使用した場合の勝率を上げるようにする。これにより、キャラクタの強さを間接的に上昇させることができる。
次いで、他のアイテムが選択されやすいようにするための修正データを作成する(S24)。例えば、図23(a)に示すように、初期設定では、テーブルT1のテーブル選択率は「100/256」であったが、このテーブル選択率を図23(b)に示すように、「2/256」に修正する。また、同様に、テーブルT2のテーブル選択率を「100/256」から「2/256」に、テーブルT3のテーブル選択率を「50/256」から「2/256」に、テーブルT4の選択率を「6/256」から「250/256」にそれぞれ修正する。
この修正の結果、テーブルT4には、加算ポイントの比較的高いアイテムが格納されているため(図3参照)、テーブルT4のテーブル選択率が高くなることにより、加算ポイントの比較的高いアイテムが装備される可能性が高くなる。したがって、特定キャラクタの勝率が極端に低いといったことが改善されるようになる。
この場合も、ステップS23のアイテムに付随する加算ポイントを上昇させる修正データを作成する処理と、ステップS24の他のアイテムが選択されやすいようにするための修正データを作成する処理とは、両方必ず行なわなければならないということはなく、いずれか一方の処理が行われてもよい。
上記のように、ゲームサーバ3側で修正データが設定されると、ゲームサーバ3は、ゲーム機1に対して修正データを配信する(S25)。この場合、ステップS10(図17参照)の判別処理の結果、修正データを配信すると設定された(配信フラグが「1」の)店舗4に配置されたゲーム機1に対して、修正データが配信される。
ゲーム機1では、ゲームサーバ3から上記修正データが配信されると、その配信データを受信し(S26)、配信データに基づいて、ゲームプログラムを変更する(S27)。以後、変更されたゲームプログラムに基づいて、当該ゲーム機1においてゲームが実行される。
上記のように、本第1実施形態では、各キャラクタの強さが不均衡である傾向があるか否かを判別し、各キャラクタの強さが不均衡である傾向にある場合、その傾向の原因を究明する処理を行い、その原因がキャラクタの強さ又は弱さにあるならば、それらを是正するための修正データを作成し、ゲームプログラムにそれを反映させるので、各キャラクタの強さを適切に調整することができる。そのため、プレーヤは同じ特定のキャラクタばかりを選択してゲームを行うことが少なくなり、ゲーム機1によるゲームの実行に飽きてしまい、ゲーム機1の稼動率が低下してしまうといったことを防止することができる。また、この場合、修正データは、各キャラクタの強さが不均衡である傾向にある原因を個々により深く分析したものであるので、原因をより適切に解消することができる。
また、ゲームサーバ3における一連の処理は、ゲームサーバ3において自動的に行われるので、各キャラクタの強さに不均衡が生じていることの検知、及び原因究明等の処理を手作業で行う作業者を削減することができる。そのため、コストの低減化を図ることができる。
なお、各キャラクタの強さが不均衡である傾向の原因を究明する処理としては、上記した各処理に代えて、図16に示すあるキャラクタ同士の対戦において特定のアイテムの使用率が高く、かつ勝ち数が極端に多い場合に、例えば当該アイテムの加算ポイントを減算する修正データを作成するようにしてもよい。
また、この第1実施形態においては、図24の、ゲームシステムにおけるCPU22a及びCPU31の制御動作を示す他のフローチャートのように、図17のステップS5における、特定キャラクタの選択率が大幅に変動しているか否かの判別処理に代えて、特定キャラクタの勝率が所定範囲にないか否かの判別を行う処理(S5A)が行われてもよい。これに準じて、図17のステップS7における、店舗4ごとに特定キャラクタの選択率が大幅に変動しているか否かの判別処理に代えて、店舗4ごとに特定キャラクタの勝率が所定範囲にないか否かの判別を行う処理(S7A)が行われてもよい(図24に示す他の処理は、図17に示した各処理と同様である。)。
図24に示すステップS5A及びステップS7Aの各処理では、各キャラクタの勝率を直接的に判別しているので、各キャラクタの強さに不均衡が生じているか否かを、図17に示すステップS5及びステップS7の各処理に比べ、より精度よく判別することができる。
<第2実施形態>
図25ないし図27は、本願発明の第2実施形態に係るゲームシステムの制御処理を示すフローチャートである。第1実施形態に係るゲームシステムでは、各キャラクタの強さの不均衡が生じていることを検知するためにこの不均衡の傾向(特定のキャラクタの選択率の大幅な変動)が生じているか否かを判断する。そして、各キャラクタの強さの不均衡を是正することを直接の目的とした処理を実行し、これによって、間接的に各キャラクタの選択率に不均衡が生じないようにしている。これに対して、第2実施形態に係るゲームシステムでは、選択率の不均衡を是正することを直接の目的とし、選択率に不均衡が生じているか否かを検知し、この不均衡の原因を究明して不均衡を是正する。具体的には、この不均衡の原因が、各キャラクタの強さの不均衡にあるのか、各キャラクタに対するプレーヤの嗜好にあるのかを究明して、それに対応する処理を行っている。
選択率に不均衡が生じている原因が各キャラクタに対するプレーヤの嗜好にある場合とは、次のような場合である。例えば、プレーヤは、キャラクタの容姿や衣装が他のキャラクタに比べ好みに合っているといった理由で特定のキャラクタばかりを選択したり、ある特定のキャラクタは好みに合わないため、当該キャラクタを避けて選択しなかったりすると、各キャラクタの選択率が不均衡になってしまう。この第2実施形態では、各キャラクタの強さの不均衡を原因とした各キャラクタの選択率の不均衡だけでなく、そのようなプレーヤの嗜好による各キャラクタの選択率の不均衡を可及的に是正するようにしている。
なお、この第2実施形態に係るゲームシステムの構成は、第1実施形態に係るゲームシステムの構成と略同様であるため、ここでは説明を省略する。また、図25ないし図27に示すフローチャートにおいて、図17及び図18に示すフローチャートと符号が一致する処理は、略同様の処理である。
図25に示すフローチャートの制御処理によると、ゲームサーバ3は、ゲーム機1からのゲーム結果情報を集計した後(S1〜S4)、ステップS5Bにおいて、特定キャラクタの選択率が所定の範囲内にないか否かの判別を行う。これにより、特定キャラクタの選択率が不均衡の傾向にあるか否かを判別している。
具体的には、上記所定の範囲が例えば10〜30%に設定され、図12に示したキャラクタ選択テーブルを参照する。図12によれば、キャラクタAはその選択率が39.4%であるため、キャラクタAの選択率は上記所定の範囲内にないと判別する。ステップS5Bの処理では、選択率が所定の範囲内にないキャラクタが一つでもあれば、特定キャラクタの選択率が不均衡の傾向にあると認識する。特定キャラクタの選択率が所定の範囲内にない場合(S5B:YES)、ステップS6のゲーム結果情報を店舗4ごとに集計する処理に進む。
また、ステップS7Bでは、店舗4ごとに特定キャラクタの選択率が所定の範囲内にないか否かの判別を行う。この処理では、例えば図8に示した店舗4ごとのキャラクタ選択テーブルを参照し、特定キャラクタの選択率を算出した上で、選択率が所定の範囲内にないか否かの判別を行う。このS7Bの処理では、選択率が所定の範囲内にないキャラクタが一つでもあれば、その店舗4において特定キャラクタの選択率が不均衡の傾向にあると認識する。
ゲームサーバ3では、ステップS5Bにおいて特定キャラクタの選択率が所定の範囲内にない、すなわち各キャラクタの選択状況が不均衡である傾向にあると判別した場合、その原因を究明する処理として、複数の個別原因究明処理(図26のステップS31〜S33,S13〜S18の処理、及びステップS34に続くS19〜S24,図27のS35及びS36の処理参照)を行う。
ステップS31では、特定キャラクタの選択率が高いか否かを判別する。具体的には、特定キャラクタの選択率が上記所定範囲の上限を超えているか否かを判別するが、所定範囲の上限に代えて、他の閾値を設けてもよい。このステップS31では、選択率が高い全てのキャラクタを選出し、選出された各キャラクタについて選択状況が不均衡である傾向にある原因を究明する処理を行う。例えば、図12のキャラクタ選択テーブルによれば、キャラクタDはその選択率が37.5%であるため、キャラクタAの他にキャラクタDも選択率が高いキャラクタとして認識され、キャラクタDについても選択状況が不均衡である傾向にある原因を究明する処理が行われる。
ステップS31において、特定キャラクタの選択率が高いと判別された場合(S31:YES)、当該特定キャラクタの勝率が極端に高いか否かの判別処理を行う(S13)。この処理によって、特定キャラクタの選択率が高い原因が、特定キャラクタが強いためであるか否かを検証している。
特定キャラクタの勝率が極端に高くない場合(S13:NO)、すなわち特定キャラクタの選択率が高い原因が、特定キャラクタの強さによるものでない場合、選択率の極端に低いキャラクタがあるか否かの判別処理を行う(S32)。選択率の極端に低いキャラクタがない場合には(S32:NO)、選択率が極端に高いキャラクタ以外のキャラクタに対して、特別なイベントを発生させるための修正データを設定する(S33)。
すなわち、特定キャラクタの選択状況が不均衡である傾向にある原因は、特定キャラクタの選択率は高いが当該キャラクタの強さによるものでない場合、選択率が極端に低いキャラクタがないことを確認した上で、特定キャラクタの選択率を下げるための処理を行う。選択率が極端に低いキャラクタがないことを確認するのは、特定キャラクタの選択状況が不均衡である傾向にある原因が、選択率が極端に低いキャラクタにないことを確認するためである。
ここで、ステップS33の特別なイベントとは、例えばゲーム機1側で隠しキャラクタを有している場合、その隠しキャラクタをゲーム実行時において出現させることをいう。ステップS35においては、隠しキャラクタを出現させるための修正データ(ゲーム機1に隠しキャラクタを出現させるためのコマンド)を作成する。なお、この隠しキャラクタは、コンピュータと対戦するゲーム進行の場合には、選択されたキャラクタの対戦相手として登場させるものである。また、プレーヤが選択されたキャラクタによって勝利した場合に、次の対戦で隠しキャラクタを出現させ、それをプレーヤが選択することができるようにしてもよい。また、選択されたキャラクタの他に、隠しキャラクタをゲーム空間に登場させ、その隠しキャラクタと共同して相手方キャラクタと対戦することができるようにしてもよい。
すなわち、特定キャラクタの選択率が高い理由が特定キャラクタの強さによるものでない場合には、選択するプレーヤの嗜好によるものであると特定する。しかしながら、選択するプレーヤの嗜好そのものを強制的に変化させることは困難であるため、ここでは、選択率が高い特定キャラクタ以外のキャラクタに対して、そのキャラクタ特有の特別なイベント(特典)を与えるようにして、そのキャラクタの選択率を上昇させることにより、選択率が高いキャラクタの選択率を相対的に低下させるようにしている。
選択率が極端に高いキャラクタ以外のキャラクタに対して上記特別イベント等が出現する可能性を高くすることにより、プレーヤがゲームを実行する際に、選択率が極端に高いキャラクタ以外のキャラクタをより選択する可能性が高くなる。すなわち、特別なイベントによって、それを出現させることのできるキャラクタを選択する動機をプレーヤに対して与えることができる。そのため、選択率が極端に高いキャラクタ以外の他のキャラクタの選択率を上昇させることができ、選択率が極端に高いキャラクタの選択率を相対的に下げることができる。
なお、この対戦格闘ゲームに複数のステージ(または隠しミニゲーム)が設定されており、この対戦格闘ゲームがプレーヤによって上記ステージをクリアしていくようなゲームである場合には、特別なイベントとは、隠しステージをゲーム実行時において出現させる構成であってもよい。この場合には、特別なイベントを発生させるための修正データとして、隠しステージを出現させるための修正データ(ゲーム機1に隠しステージを出現させるためのコマンド)を作成する。
図26のステップS13において、特定キャラクタの勝率が極端に高い場合(S13:YES)、ステップS14〜S18の処理に進む。これらの処理は、第1実施形態で説明した内容と同様であり、これらの処理によって、選択率が極端に高い特定キャラクタに対してキャラクタの属性情報に関する修正データを作成したり(S15)、アイテムの加算ポイントを減少させたり(S17)する処理が適宜行われ、選択率が極端に高い特定キャラクタの選択率を低下させることができる。
一方、ステップS31において、特定キャラクタの選択率が高くない、つまり選択率が高い特定キャラクタがない場合(S31:NO)、特定キャラクタの選択率が低いか否かの判別処理を行う(S34)。具体的には、特定キャラクタの選択率が上記所定範囲の下限を下回っているか否かを判別するが、所定範囲の下限に代えて、他の閾値を設けてもよい。このステップS34では、選択率が低い全てのキャラクタを選出し、選出された各キャラクタについて選択状況が不均衡である傾向にある原因を究明する処理を行う。
ステップS34において特定キャラクタの選択率が低いと判別された場合(S34:YES)、当該キャラクタの勝率が極端に低いか否かの判別を行う(S19)。これにより、特定キャラクタの選択率が低い原因が、特定キャラクタが弱いためであるか否かを検証している。
また、ステップS32の選択率の極端に低いキャラクタがあるか否かの判別処理において、選択率の極端に低いキャラクタがある場合(S32:YES)も、特定キャラクタの選択率が低い原因が、特定キャラクタが弱いためであるか否かを検証するために、当該キャラクタの勝率が極端に低いか否かの判別を行う(S19)。
ステップS19において当該キャラクタの勝率が極端に低いと判別された場合(S19:YES)、特定キャラクタの選択率が低い原因が、特定キャラクタが弱いためであると認識され、当該キャラクタの選択率を上昇させるための処理を行なうために、ステップS19〜S24の処理に進む。これらの処理は、第1実施形態で説明した内容と同様であり、これらの処理によって、選択率が低いキャラクタに対してキャラクタの属性情報に関する修正データを作成したり(S21)、アイテムの加算ポイントを上昇させたり(S23)する処理が適宜行われ、選択率が低いキャラクタの選択率を上昇させることができる。
ステップS19において当該キャラクタの勝率が極端に低くないと判別された場合(S19:NO)、あるいは選択率の低いキャラクタに対して選択率を上昇させるための処理(S19〜S24)を行なった後、キャラクタの選択率を上昇させる他の処理を行う。
具体的には、当該キャラクタについて未使用のアイテムがあるか否かを判別し(図27のS35)、未使用のアイテムがある場合(S35:YES)、未使用のアイテムが選択されやすい修正データを作成する(S36)。例えば、図23に示したように、アイテム一覧テーブルにおいて未使用のアイテムのテーブル選択率が上昇するように、テーブル選択率を修正する。これは、未使用のアイテムが加算ポイントが高いのにもかかわらず、当該キャラクタに装備される機会がなく、当該キャラクタの選択率が低下している可能性があるための処理である。
未使用のアイテムが選択されやすい修正データを作成した後(S36)、あるいは、未使用のアイテムがないと判別された後(S35:NO)、当該キャラクタに対して、そのキャラクタ特有の特別なイベント(特典)を与えるために、特別なイベントを発生させるための修正データを作成する(S37)。これにより、選択率が低いキャラクタの選択率を上昇させることができる。
以上の処理を行った後、ゲームサーバ3は、配信フラグ(図19参照)を参照して各ゲーム機1に対して、修正した修正データを配信する(S35)。その修正データを受信した(S26)各ゲーム機1は、修正データに基づいてゲームプログラムを変更する(S27)。これにより、各ゲーム機1は、修正されたゲームプログラムに基づいてゲームが実行されることになり、各キャラクタの選択状況が適切に調整されるようにすることができる。
このように、この第2実施形態においては、各キャラクタの選択状況が不均衡である傾向にある場合、その傾向の原因を究明する処理を行う。そして、その原因が各キャラクタの強さの不均衡であるならば、各キャラクタの強さの不均衡を是正するための修正データを作成し、その原因がプレーヤの嗜好にあるならば、選択状況の不均衡の原因となっているキャラクタ以外の他のキャラクタをプレーヤが選択しやすくなるように修正データを作成する。これにより、プレーヤは同じ特定のキャラクタばかりを選択してゲームを行うことが少なくなり、ゲーム機1によるゲームの実行に飽きてしまい、ゲーム機1の稼動率が低下してしまうといったことを防止することができるといった第1実施形態と同様の作用効果を奏する。
また、第2実施形態では、第1実施形態と異なり、各キャラクタの選択率が均衡になるまで上記処理を行う。このため、各キャラクタの強さの不均衡が改善されておれば(選択率の変動が抑制されれば)、各キャラクタの選択率が不均衡であっても修正データを送信しない第1実施形態と比較して、より効果的にゲーム機1の稼働率の低下を防止することができる。また、各キャラクタの強さの不均衡を改善する方法だけでなく、プレーヤのキャラクタに対する嗜好を利用して、各キャラクタの選択率の不均衡を是正することができる。このことからも、各キャラクタの強さの不均衡の是正しか行わない第1実施形態と比較して、より効果的にゲーム機1の稼働率の低下を防止することができる。
もちろん、この発明の範囲は上述した実施の形態に限定されるものではない。例えば、本実施形態では、対戦格闘ゲームに適用したゲームシステムについて述べたが、適用されるゲームはこれに限定されるものではなく、他のアクションゲーム、ロールプレーイングゲーム、レーシングゲーム、スポーツゲーム又は他の対戦格闘ゲームにも適用することができる。特に、本願発明は、キャラクタの属性情報を効果的に修正し、各キャラクタの選択状況を調整することができることから、このようなキャラクタが複数登場するゲームに適用することが好ましい。
また、上記実施形態では、ゲーム機1は、店舗4に配置されたアーケードゲーム機とされたが、これに限定されず、アーケードゲーム機に代えて、例えばネットワーク回線2を介してゲームサーバ3と通信可能な機能を備えた家庭用テレビゲーム機、携帯型ゲーム機又はオンラインゲームのゲームソフトが搭載されているパーソナルコンピュータや携帯電話等が採用されてもよい。
また、上記実施形態では、プレーヤ同士がキャラクタを選択した場合を説明したが、例えばプレーヤが選択したキャラクタとゲーム機1のコンピュータが選択したキャラクタとが対戦する場合のゲーム結果情報を記憶し、そのゲーム結果情報に基づいて各キャラクタの選択状況が不均衡である傾向の原因や各キャラクタの強さが不均衡である原因を究明するようにしてもよい。あるいは、2人以上のプレーヤがチームになって他の2人以上のプレーヤで構成されるチームと対戦する場合には、その対戦におけるゲーム結果情報を記憶するようにしてもよい。さらには、操作部13が2対設けられたゲーム機1において、2対の操作部13を用いて2人のプレーヤが対戦する場合には、その対戦におけるゲーム結果情報を記憶するようにしてもよい。