JP2007325602A - 血栓症治療において有用な抗凝固剤 - Google Patents

血栓症治療において有用な抗凝固剤 Download PDF

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Abstract

【課題】抗血液凝固因子モノクローナル抗体に由来する免疫グロブリンH鎖またはL鎖相補性決定領域のアミノ酸配列またはその領域をコードする核酸分子を提供する。
【解決手段】免疫グロブリンH鎖相補性決定領域の3つの可変領域よりなる群より選択されるアミノ酸配列および該免疫グロブリン相補性決定領域をコードする核酸分子、ならびに免疫グロブリンL鎖相補性決定領域の3つの可変領域からなる群より選択されるアミノ酸配列および該免疫グロブリン相補性決定領域をコードする核酸分子。
【選択図】なし

Description

本発明は、免疫グロブリンH鎖またはL鎖相補性決定領域のアミノ酸配列またはその領域をコードする核酸分子に関する。
通常の環境下では、それが小さくても大きくても外傷は、血管の裏打ちをしている血管内皮細胞に対して、通常、凝固「カスケード」といわれる一連の事象を介する止血反応の引き金を引く。カスケードは、可溶性フィブリノーゲンを不溶性のフィブリンに変換し、それは血小板と一緒になって、血液成分の溢出を妨げる限局在化された血餅あるいは血栓を形成する。ついで、創傷治癒が起こり、続いて血餅の消滅および血管の完全性および血流の回復が起こる。
外傷および血餅形成の間に起こる事象は注意深く調節され連結した一連の反応である。略言すれば、不活性形プロ酵素形態での多数の血漿凝固タンパク質および補因子が血液内を循環する。活性形の酵素複合体が外傷部位で組み立てられ、引き続いてセリンプロテアーゼに活性化され、各順次のセリンプロテアーゼは次のプロ酵素をプロテアーゼ活性化へ触媒する。この酵素的カスケードの結果、各ステップは続いて起こるステップの効果を拡大する。凝固カスケードの概観については「Thrombosis and Hemorrhage」、J.LoscalzoおよびA.Schafer,eds.,Blackwell Scientific Publications,Oxford,England(1994)の第一章を参照されたい。
効率のいい血餅形成が外傷部位での失血を制限している一方、静脈または動脈での不適当な血栓の形成は障害および死の普通の原因である。異常な血餅形成活性は、心筋梗塞、不安定なアンギナ、心房細動、発作、腎障害、経皮的経管的冠状動脈形成、汎発性血管内凝固症候群、敗血症、肺動脈塞栓症および深静脈血栓のごとき病理または治療という結果になり、かつ/あるいはその結果生じる。また、人工心臓弁のごとき人工器官、シャントおよびプロテーゼの外来表面における血餅の形成も問題となる。
これらの病理および他の血栓性および塞栓性の障害の治療に最近用いられる承認された抗凝固剤は、硫酸化複多糖類ヘパリンおよび低分子量(LMW)ヘパリンを含む。これらの薬剤は非経口的に投与され、トロンビン阻害剤、アンチトロンビンIIIの活性化およびすべての凝固因子の不活性化により迅速かつ完全な凝固阻害を起こす。
しかしながら、その能力のため、ヘパリンおよびLMWヘパリンには欠点がある。動作およびそれに伴う物理的物体との接触または外科手術部位での単純なストレスの結果としての制御されない出血が主要な合併症であり、連続輸液を受けている患者の1ないし7%および間欠性のボーラス量を与えられている患者の8ないし14%に見られる。このリスクを最小限にするために、生体外で凝固時間を連続的にモニターすることができるように、試料を連続的に引き抜くが、このことが、実質的に治療コストおよび患者の不便さの一因となっている。
さらに、患者に出血のリスクなしに所望のレベルの効能に達する治療標的範囲は狭い。治療範囲は約1ないし3μgヘパリン/ml血漿より少なく、結果、活性化部分トロンボプラスチン時間(aPTT)アッセイ時間、約35ないし約100秒となる。ヘパリン濃度を3μg/mlに増加させると、標的範囲を超え、4μg/mlを超える濃度では凝固活性は検出できない。従って、患者の血漿濃度を治療範囲内に保つには多大な注意をしなければならない。
緩速かつ持続的な効果を有するもう一つの承認された抗凝固剤はクマリン誘導体であるワルファリンである。ワルファリンは、プロトロンビンのビタミンK依存性翻訳後修飾および他のビタミンK−依存性凝固因子と競合することによって作用する。
「Thrombosis and Hemorrhage」、J.LoscalzoおよびA.Schafer,eds.,Blackwell Scientific Publications,Oxford,England(1994)
治療範囲よりわずかにでも高濃度では血液が非−凝固になるという抗凝固剤作用の一般的パターンは、ワルファリンならびにヘパリンおよびLMWヘパリンに見られる。明らかに、血栓および塞栓障害の制御において効能があり、制御されない出血またはその可能性を起こさない抗凝固剤が必要性とされている。
従って、本発明の1の態様は、有効量の自己−制限的な中和活性を有する抗凝固因子モノクローナル抗体を投与することを含む、動物における血栓症の阻害の方法である。
本発明のもう一つの態様は、凝固因子に対する自己−制限的な中和活性を有する抗凝固因子モノクローナル抗体である。
本発明のもう一つの態様は、SB249413、SB249415、SB249416、SB249417、SB257731、SB257732、9E4(2)F4または11G4(1)B9の同定特徴を有するモノクローナル抗体である。
本発明のもう一つの態様は、9E4(2)F4または11G4(1)B9の同定特徴を有するハイブリドーマ細胞系である。
本発明のもう一つの態様は、本発明のモノクローナル抗体のFc領域を欠失せさせることにより生産された、その中和Fab断片またはF(ab’)断片である。
本発明のもう一つの態様は、本発明のモノクローナル抗体のFd H鎖がマウスL鎖糸状ファージFabディスプレイライブラリー中で発現されることによる鎖シャッフリングにより生産された、その中和Fab断片またはF(ab’)断片である。
本発明のもう一つの態様は本発明のモノクローナル抗体のL鎖がマウスH鎖糸状ファージFabディスプレイライブラリー中で発現されることによる鎖シャッフリングにより生産されたその中和Fab断片またはF(ab’)断片である。
本発明のもう一つの態様は、配列番号:8、9および10からなる群から選択されるアミノ酸配列を有する免疫グロブリンH鎖相補性決定領域である。
本発明のもう一つの態様は配列番号12、13および14よりなる群から選択されるアミノ酸配列を有する免疫グロブリン相補性決定領域である。
本発明のもう一つの態様は、HおよびL鎖の骨格領域がが少なくとも一つの選択される抗体から由来し、各該鎖の相補性決定領域のアミノ酸配列が凝固因子に対し自己−制限的な中和活性を有する抗−凝固因子モノクローナル抗体から由来するH鎖およびL鎖を含む改変された抗体である。
本発明のもう一つの態様は、H鎖およびL鎖を含むキメラの抗体であり、該抗体は、固有または共通の経路の凝固因子の機能を、血栓症が阻害かつ制限され、該HおよびL鎖の定常領域が少なくとも一つの選択される抗体から由来し、各該鎖の可変領域のアミノ酸配列が凝固因子に対して自己−制限的な中和活性を有する抗−凝固因子モノクローナル抗体から由来する凝固の変調が生じる自己−制限的な様式で阻害することにより特徴付けられる。
本発明のさらにもう一つの態様は、本発明のヒト化抗体またはキメラ抗体および医薬上許容される担体を含む医薬組成物である。
本発明は、自己−制限的な中和活性により特徴付けられる、凝固因子に向けられた種々の抗体、改変された抗体およびその断片を提供する。好ましくは、凝固因子は固有または共通の凝固経路由来である。最も好ましくは、抗−凝固因子抗体は抗−第IX因子、抗−第IXa因子、抗−第X因子、抗−第Xa因子、抗−第XI因子、抗−第XIa因子、抗−第VIII因子、抗−第VIIIa因子、抗−第V因子、抗−第Va因子、抗−第VII因子、抗−第VIIa因子または抗−トロンビンである。抗−第IX因子抗体は特に好ましい。例示的な抗−凝固因子抗体はヒト第IX因子に対するヒト化モノクローナル抗体、SB249413、SB249415、SB249416、SB249417、SB257731およびSB257732、ヒト第IX因子に対するキメラモノクローナル抗体chαFIX、ヒト第IX因子および/または第IXa因子に対するネズミモノクローナル抗体BC1、BC2、9E4(2)F4および11G4(1)B9またはそれぞれヒト第XおよびXI因子に対するネズミモノクローナル抗体HFXLCおよびHFXIである。抗−ヒト第IX因子モノクローナル抗体SB249417が特に好ましい。
本発明の抗体は、慣用的なハイブリドーマ技術、ファージディスプレイ組合せライブラリー、免疫グロブリン鎖シャッフリングおよびヒト化技術により、調製でき、新規な自己−制限的な中和抗体を生ずる。また、自己−制限的な中和活性を有するヒトmAbも十分に含む。これらの生成物は心筋梗塞、不安定なアンギナ、心房細動、発作、腎障害、肺動脈塞栓症、深静脈血栓、経皮的経管的冠状動脈形成、汎発性血管内凝固症候群、敗血症、人工器官、シャントまたはプロテーゼに関連した血栓および塞栓障害に対する治療および医薬組成物において有用である。
本明細書中にて使用されたごとく、「自己−制限的な中和活性」なる語は、好ましくは、第IX/IXa、X/Xa、XI/XIa、VIII/VIIIaおよびV/Va、VII/VIIa因子およびトロンビンを含む固有かつ共通の経路由来のヒト凝固因子に結合し、凝固の制限された変調が生じるごとき様式で血栓症を阻害する活性をいう。「凝固の制限された変調」は、モノクローナル抗体の濃度の増加にも拘わらず最大値に到達するaPTTで血漿が凝固可能である活性化部分トロンボプラスチン時間(aPTT)の延長により測定される凝固時間の増加と定義される。この凝固の制限される変調は、凝固不可能にされ、増加する濃度のヘパリン存在下、無限のaPTTを示す血漿とは対照的である。好ましくは、本発明の方法の最大aPTT値はヘパリン治療範囲内である。最も好ましくは、最大aPTT値は正常なコントロールaPTT値の約1.5倍ないし3.5倍に相当する約35秒ないし100秒の範囲内にある。本発明のある具体例において、aPTTはプロトロンビン時間(PT)の有意な延長なしに延長される。
「改変された抗体」とは、選択された宿主細胞内での発現により得られる改変された免疫グロブリンコーディング領域によりコードされるタンパク質をいう。かかる改変された抗体は作成された抗体(例えば、キメラまたはヒト化抗体)または免疫グロブリンの定常領域のすべてまたは一部を欠失した抗体断片、例えば、Fv、Fab、Fab’、またはF(ab’)などである。
「改変された免疫グロブリンコーディング領域」とは本発明の改変された抗体をコードする核酸配列をいう。改変された抗体がCDR−移植またはヒト化抗体である場合は、非−ヒト免疫グロブリンからの相補性決定領域(CDR)をコードする配列が、ヒト可変骨格配列を含む第一の免疫グロブリンパートナー中に挿入される。所望により、第一の免疫グロブリンパートナーは第二の免疫グロブリンパートナーへ作動可能に結合されてもよい。
「第一の免疫グロブリンパートナー」とは、本来の(または天然の)CDR−コーディング領域が供与体の抗体のCDR−コーディング領域により置換されたヒト骨格またはヒト免疫グロブリン可変領域をコードする核酸配列をいう。ヒト可変領域は免疫グロブリンH鎖、L鎖(または両鎖)、その類似体または機能的断片であってもよい。抗体(免疫グロブリン)の可変領域内に位置するかかるCDR領域は当該分野で知られている方法により決定できる。例えば、Kabatら.,「Sequences of Proteins og Immunological Interst」,4th Ed.,U.S.Department of Health and Human Services,National Institutes of Health(1987)にCDRを位置づける法則を開示する。加えて、CDR領域/構造を同定するに有用であるコンピュータープログラムが公知である。
「第二の免疫グロブリンパートナー」とは、第一の免疫グロブリンパートナーがフレーム内に、または所望の慣用的なリンカー配列(すなわち作動可能に結合される)によって融合されるタンパク質またはペプチドをコードする別の核酸配列をいう。好ましくは、それは免疫グロブリン遺伝子である。第二の免疫グロブリンパートナーは、同じものの定常領域全体をコードする核酸配列(すなわち、相同な、第一および第二の改変された抗体は同源由来である)、または付加的な(すなわち、異種の)抗体を含む。それは免疫グロブリンH鎖またはL鎖(または単一のポリペプチドの一部として両鎖)であってもよい。第二の免疫グロブリンパートナーは、特定の免疫グロブリンクラスまたはイソタイプに限定されない。加えて、第二の免疫グロブリンパートナーは、FabまたはF(ab)(すなわち、適当なヒト定常領域または骨格領域の不連続部分)に見出されるごとき免疫グロブリン定常領域の一部を含んでいてもよい。また、かかる第二の免疫グロブリンパートナーは、宿主細胞の外表面上に露出している必須の膜タンパク質をコードする配列、例えば、ファージディスプレーライブラリーの一部、または分析学的または診断学的検出用タンパク質をコードする配列、例えば、セイヨウワサビペルオキシダーゼ、β−ガラクトシダーゼなどを含んでもよい。
Fv、Fc、Fd、Fab、Fab’、またはF(ab)’なる語は、その標準的な意味で使用される。例えば、Harlowら.,「Antibodies A Laboratory Manual」,Cold Spring Haubor Laboratoryを参照されたい。
本明細書中にて使用されるごとく、「作成された抗体」は、選択された受容体抗体のLおよび/またはH鎖可変ドメインの一部が選択されたエピトープにつき特異性を有する一種以上の供与体抗体からの類似した部分によって置換されたある種の改変された抗体、すなわち全長合成抗体(例えば、抗体断片に対するキメラまたはヒト化抗体)をいう。例えば、かかる分子は、非修飾L鎖(またはキメラL鎖)に関連したヒト化H鎖またはその逆により特徴付けられる抗体を含んでもよい。また、作成された抗体は、供与体抗体結合特異性を保持するために、受容体抗体Lおよび/またはH可変ドメイン骨格領域をコードする核酸配列の改変によっても特徴付けられる。これら抗体は、本明細書中に記載された供与体抗体由来のCDRを有する受容体抗体から一つ以上のCDR(好ましくはすべて)の置換を含んでもよい。
「キメラ抗体」は、受容体抗体由来のLおよびH鎖定常領域に関連した供与体抗体由来の天然の可変領域(L鎖およびH鎖)を含むある種の作成された抗体をいう。
「ヒト化抗体」なる語は、CDRが非−ヒト供与体免疫グロブリン由来であり、分子の免疫グロブリン−由来の残る部分が一種以上のヒト免疫グロブリン由来であるある種の作成された抗体をいう。加えて、骨格支持残基は保存された結合親和性に改変されてもよい。例えば、Queenら.,Proc.Natl Acad Sci USA、86,10029−10032(1989)、Hodgsonら.,Bio/Technology、9,421(1991)を参照されたい。
「供与体抗体」なる語は、改変された免疫グロブリンコーディング領域および供与体抗体に特徴的な抗原特異性および中和活性を有する得られた発現された改変抗体を供するために、可変領域の核酸配列、CDRまたは他の機能的断片またはその類似体を第一の免疫グロブリンパートナーに与えるモノクローナルまたは組換え抗体をいう。本発明における使用に適当な供与体抗体は、BC2といわれるネズミ自己−制限的な中和モノクローナル抗体である。他の適当な供与体抗体は、BC1、9E4(2)F4、11G4(1)B9、HFXLCおよびHFXIといわれるネズミ自己−制限的な中和モノクローナル抗体を含む。
「受容体抗体」なる語は、供与体抗体とは異種の、Hおよび/またはL鎖骨格領域および/またはHおよび/またはL鎖定常領域をコードする核酸配列の全て、または一部を第一の免疫グロブリンパートナーに与えるモノクローナルまたは組換え抗体をいう。好ましくは、ヒト抗体は受容体抗体である。
「CDR」は、免疫グロブリンHおよびL鎖の超可変領域である抗体の相補性決定領域アミノ酸配列と定義される。例えば、Kabatら.,Sequences of Proteins of Immunological Interest,4th Ed.,U.S.Department of Health and Human Services、National Institutes of Health(1987)を参照されたい。免疫グロブリンの可変領域には3個のH鎖および3個のL鎖CDRまたはCDR領域がある。従って、本明細書中にて使用される「CDR」は、適当な場合には、3個のH鎖CDR全て、または3個のL鎖CDR全て、またはHおよびL両鎖CDRの全てをいう。
CDRは抗体の抗原またはエピトープへの結合につき大部分の定常残基を供する。本発明の関心事であるCDRは、供与体抗体可変HおよびL鎖配列由来であり、類似体は、また、由来した供与体抗体と同一の抗原結合特異性および/または中和力も共有あるいは保持する天然のCDRの類似体を含む。
「抗原結合特異性または中和力を有すること」は、例えば、mAb BC2があるレベルの自己−制限的な中和活性により特徴付けられるけれども、適当な構造環境中でBC2の核酸配列によりコードされるCDRがより低い、あるいはより高い活性を有し得るということを意味する。それにも関わらず、かかる環境中でのBC2のCDRはBC2と同一のエピトープを認識するであろうと期待される。
「機能的断片」は、断片が由来した抗体と同一の抗原結合特異性および/または中和力を保持する部分的なHまたはL鎖可変配列(例えば、免疫グロブリン可変領域のアミノまたはカルボキシ末端の小さい欠失)である。
「類似体」は、修飾が化学的または数個のアミノ酸(すなわち10個より少ない)の置換または転移であってもよい少なくとも1個のアミノ酸により修飾されたアミノ酸配列であり、修飾は、アミノ酸配列に生物学的特徴、例えば、非修飾配列の抗原特異性および高親和性を保持させる。例示的な類似体は、CDR−コーディング領域内またはその周辺である種のエンドヌクレアーゼ制限部位を作る置換を介して構築できるサイレント変異を含む。
また、類似体は対立遺伝子変異も生じる。「対立遺伝子変異または修飾」は本発明のアミノ酸またはペプチド配列をコードする核酸配列の改変である。かかる変異または修飾は遺伝暗号の縮重によってもよく、あるいは、所望の特徴を供するように計画的に作成されてもよい。これら変異または修飾の結果、いずれかのコード化アミノ酸配列における改変を生じても生じなくてもよい。
「エフェクター剤」なる語は、改変された抗体および/または供与体抗体の天然または合成LまたはH鎖または供与体抗体の他の断片へ、慣用的な手法によって結合できる非−タンパク質担体分子をいう。かかる非−タンパク質担体は診断分野で使用される慣用的な担体、例えば、ポリスチレンまたは他のプラスチックビーズ、多糖類、例えば、バイアコア(BIAcore)(ファルマシア(Pharmacia))系、または、医学分野で有用で、ヒトおよび動物への投与が安全である他の非−タンパク質物質を含んでもよい。他のエフェクター剤は重金属原子または放射性同位元素をキレートする大環状体を含んでもよい。かかるエフェクター剤、例えば、ポリエチレングリコールはまた、改変された抗体の半減期を増加するにも有用である。
本発明の抗体、改変された抗体および断片の構築における使用につき、ウシ、ヒツジ、サル、ニワトリ、齧歯類(例えば、ネズミおよびラット)のごとき非−ヒト種がヒト凝固因子、好ましくは第IX/IXa、X/Xa、XI/XIa、VIII/VIIIa、V/Va、VII/VIIa因子、またはトロンビン、またはそれから由来するペプチドエピトープでの記述上所望の免疫グロブリンを生ずるに用いられ得る。慣用的なハイブリドーマ技術が、非−ヒトmAbを各凝固因子へ分泌するハイブリドーマ細胞系を供するに用いられる。ついで、かかるハイブリドーマは、96穴プレートにコートされ、実施例セクションに記載されたごとく、第IX/IXa、X/Xa、XI/XIa、VIII/VIIIa、V/Va、VII/VIIa因子、またはトロンビンを用いて結合につき、あるいはストレプトアビジン−コートされたプレートに結合したビオチン化された第IX/IXa、X/Xa、XI/XIa、VIII/VIIIa、V/Va、VII/VIIa因子、またはトロンビンでスクリーニングされる。あるいは、十分にヒトmAbが当業者に知られた技術により生じ得、本発明において使用される。
本発明のある例示的な、自己−制限的な中和mAbはmAb BC2、キメラまたはヒト化分子の開発に使用できるネズミ抗体である。BC2mAbは凝固時間に対する自己−制限的な阻害活性により特徴付けられる。aPTTアッセイにより測定される、凝固時間に対するBC2 mAbの効果は最大値約100秒を示す。また、BC2 mAbは第IXa因子とも結合し、第IX因子のIXaへの変換をも阻害し、かつ第IXa因子活性も阻害する。二価金属共因子が活性に必要であり、mAbはMn2+よりもCa2+の方により選択性を示す。aPTTアッセイで測定されたIC50は約50nMである。BC2 mAbはラットと種交差−反応性を示しアイソタイプIgG2aである。
他の望ましい供与体抗体はネズミmAb、BC1、9E4(2)F4および11G4(1)B9である。これらmAbは、凝固時間に対する自己−制限的な阻害活性により特徴付けられる。aPTTアッセイにより測定されたごとく、これらmAbの凝固時間に対する効果は9E4(2)F4で約90ないし100秒および11G4(1)B9で約80秒の最大値を示す。また、BC1 mAbは、第IXa因子に結合し、第IXa因子活性も阻害するが、第IX因子のIXaへの変換は阻害しない。金属共因子はその活性には必要ではない。aPTTアッセイで測定されたBC1のIC50は約35nMである。BC1 mAbはイソタイプIgGである。
凝固時間において、自己/制限的な阻害活性により特徴付けられるさらにもう一つの所望の供与体抗体はネズミmAbHFXLCである。aPTTアッセイで測定された凝固時間に対するHFXLCmAbの効果は最大値約50ないし60秒を示す。HFXLCmAbは因子X L鎖と結合し、第X/Xa因子活性を阻害するaPTTアッセイで測定されたIC50は約20nMである。
凝固時間において自己−制限的な阻害活性により特徴付けられるさらに別の望ましい供与体抗体は、ネズミmAb、HFXIである。aPTTアッセイにより測定された、凝固時間に対するHFXImAbの効果は最大値約100秒を示す。HFXLC mAb第XI因子と結合し、第XI/XIa因子活性を阻害する。aPTTアッセイで測定されたIC50は約30nMである。
作用の機構を考慮するいずれの各理論に結びつける意図はないとはいえ、これらmAbは、部分的な阻害のみを達成することにより非−競合的またはアロステリックな機構によって凝固を制御するようである。
本発明は、BC1、BC2、9E4(2)F4、11G4(1)B9、HFXLC、HFXIまたはその超可変(すなわちCDR)配列の使用を限定しない。従って、自己−制限的な中和活性および対応するCDRにより特徴付けられるいずれの他の適当な高親和性抗体が置換されてもよい。BC1、BC2、9E4(2)F4、11G4(1)B9、HFXLCまたはHFXIと以下に記載の供与体抗体の同定は、例示および記載の簡単のためにのみなされる。
また、本発明は、適当なヒト凝固因子または共因子に対するmAb由来のFabまたはF(ab’)断片の使用も含む。これら断片は、凝固因子、好ましくは第IX/IXa、X/Xa、XI/XIa、VIII/VIIIa、V/Va、VII/VIIa因子またはトロンビンに対し自己−制限的な中和活性を有する薬剤として有用である。Fab断片は、L鎖全体およびH鎖のアミノ末端部分を含む。F(ab’)断片は、ジスルフィド結合により結合した2個のFab断片より形成される断片である。mAb BC1、BC2、9E4(2)F4、11G4(1)B9、HFXLCおよびHFXIおよび他の同様の高親和性抗体は、慣用的方法、例えば、適当なタンパク質分解酵素、パパインおよび/またはペプシンでのmAbの分解あるいは組換え方法により得られるFab断片およびF(ab’)断片の源を供する。これらFabおよびF(ab’)断片は、それ自体で、治療的、予防的または診断的薬剤として、および本明細書中に記載の組換えまたはヒト化抗体の形成において有用な可変領域およびCDR配列を含む配列の供与体として有用である。
FabおよびF(ab’)断片は、組合せファージライブラリーを介して(例えば、Winterら.,Ann.Rev.Immunol.,12:433−455(1994)を参照されたい)、あるいは免疫グロブリン鎖シャッフリングを介して(例えば、Marksら.,Bio/Technology,10:779−783(1992)を参照されたい)構築でき、ここに、両文献は本明細書によってことごとく参考文献に取り込まれ、ここに、選択される抗体(例えば、BC2)由来のFdまたはv免疫グロブリンが、新規なFabを形成するL鎖免疫グロブリン、v(またはv)のレパートリーと結合させられる。逆に、選択される抗体由来のL鎖免疫グロブリンは、新規なFabを形成するH鎖免疫グロブリン、v(またはFd)のレパートリーと結合させられてもよい。自己−制限的な中和する第IX因子Fabは、mAb BC2のFdをL鎖のレパートリーと結合させることにより得られる。従って、誰でも鎖シャッフリング技術から特有の配列(ヌクレオチドおよびアミノ酸)で中和Fabを回収できる。
上記に記載のmAb BC2または他の抗体は、供与体抗体の抗原結合特異性により特徴付けされる種々の改変された抗体の設計および獲得に有用な可変Hおよび/またはL鎖ペプチド配列、骨格配列、CDR配列、機能的断片およびその類似体、およびそれらをコードする核酸配列のごとき配列を与えることができる。
また、可変L鎖およびH鎖ペプチド配列をコードする本発明の核酸配列またはその断片は、CDRまたは骨格領域をコードする核酸配列内での特異的変異の導入にも、得られた修飾または融合核酸配列を発現用プラスミドに組み込むにも有用である。例えば、骨格およびCDR−コーディング領域の核酸配列内のサイレント置換は、変異源化されたCDRおよび/または骨格領域の挿入を促進する制限酵素部位を作成するにも利用できる。これらCDR−コーディング領域は、本発明のヒト化抗体の構築において使用できる。
BC2 H鎖可変領域の核酸およびアミノ酸配列は、配列番号:5および7に載せられている。この領域由来のCDR配列は配列番号8、9および10に載せられている。
BC2 L鎖可変領域の核酸およびアミノ酸配列は、配列番号:6および11に載せられている。この領域由来のCDR配列は配列番号12、13および14に載せられている。
遺伝暗号の縮重を考慮にいれると、本発明の可変HおよびL鎖アミノ酸配列およびCDR配列ならびに供与体抗体の抗原特異性を有する機能的断片およびその類似体をコードする種々のコード配列が構築できる。可変鎖ペプチド配列またはCDRをコードする本発明の単離された核酸配列またはその断片は、作動可能に第二の免疫グロブリンパートナーと結合した場合、改変された抗体、例えば、キメラまたはヒト化抗体あるいは本発明の他の作成された抗体を生産するに使用できる。
本明細書中に記載された改変された抗体および抗体の部分をコードする単離された核酸配列に加えて、本来のCDR−コード配列と相補的な、またはCDR−コーディング領域の周辺の修飾されたヒト骨格領域に相補的な配列のごとき他のかかる核酸配列が本発明に含まれることに注意すべきである。有用なDNA配列は、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下DNA配列とハイブリダイズするこれら配列を含む。T.Maniatisら.,Molecular Cloning(A Laboratory Mannual)、Cold Spring Harbor Laboratory(1982)pp.387−389を参照されたい。かかるストリンジェントなハイブリダイゼーション条件の一例は、65℃にて4xSSC、しかる後、1時間65℃にて0.1xSSCで洗浄するハイブリダイゼーションである。あるいは、例示的なストリンジェントなハイブリダイゼーション条件は42℃にて50%ホルムアミド、4xSSCである。好ましくは、これらのハイブリダイズするDNA配列は少なくとも長さ18ヌクレオチド、すなわち約CDRの大きさである。
改変された免疫グロブリン分子はキメラ抗体およびヒト化抗体のごとき作成された抗体を含む改変された抗体をコードできる。所望の改変された免疫グロブリンコーディング領域は、第IX/IXa、X/Xa、XI/XIa、VIII/VIIIa、V/Va、VII/VIIa因子またはトロンビン抗体、好ましくは本発明に提供されるヒト骨格またはヒト免疫グロブリン可変領域のごとき第一の免疫グロブリンパートナーへ挿入された高親和性抗体の抗原特異性を有するペプチドをコードするCDR−コーディング領域を含む。
好ましくは、第一の免疫グロブリンパートナーは作動可能に、第二の免疫グロブリンパートナーと結合される。第二の免疫グロブリンパートナーは上記に定義され、その第二の抗体領域、例えばFc領域をコードする配列を含んでもよい。また、第二の免疫グロブリンパートナーは、LまたはH鎖定常領域がフレーム内に、またはリンカー配列の方法により融合されたもう一つの免疫グロブリンをコードする配列も含んでよい。凝固因子の機能的断片または類似体に向けられた作成された抗体は、同一の抗体との結合の促進を引き出すように設計されてもよい。
また、第二の免疫グロブリンパートナーは、第二の免疫グロブリンパートナーが作動可能に慣用的方法により結合する非−タンパク質担体分子を含む上記に定義されたエフェクター剤と結合してもよい。
第二の免疫グロブリンパートナー、例えば、抗体配列およびエフェクター剤間の融合または結合は、いずれの適当な方法、例えば、慣用的な共有またはイオン結合、タンパク質融合、あるいはヘテロ−二官能性架橋剤、例えばカルボジイミド、グルタルアルデヒドなどによってもよい。かかる方法は当該分野では知られており、慣用的化学および生化学の教科書に記載されている。
さらに、単に、第二の免疫グロブリンパートナーおよびエフェクター剤間の所望の広さの空間を供する慣用的なリンカー配列もまた、改変された免疫グロブリンコーディング領域へ構築されてよい。かかるリンカーの設計は当業者にはよく知られている。
さらに、本発明の分子のシグナル配列は発現を促進するために当業者に知られた方法により修飾される。
好ましい改変された抗体は、mAb BC2、例えばvおよびv鎖の抗原特異性を有する可変Hおよび/またはL鎖ペプチドまたはタンパク質配列を含む。本発明のさらにもう一つの所望の改変された抗体は、少なくとも1個、好ましくは全ての、残りの配列はヒト源由来のネズミ抗体分子BC2 Hおよび/またはL鎖の可変領域のCDR、またはその機能的断片または類似体を含むアミノ酸配列により特徴付けられる。
さらなる具体例において、本発明の改変された抗体は、付加的薬剤に結合していてもよい。例えば、組換えDNA技術は、完全な抗体分子のFc断片またはCH2 CH3ドメインが酵素または他の検出可能な分子(すなわち、ポリペプチドエフェクターまたはレポーター分子)により置換されている本発明の改変された抗体を生産するに使用されてもよい。
また、第二の免疫グロブリンパートナーは、凝固因子、好ましくは第IX/IXa、X/Xa、XI/XIa、VIII/VIIIa、V/Va、VII/VIIa因子またはトロンビンに対する抗原特異性を有するCDRを含む配列と異種である非−免疫グロブリンペプチド、タンパク質またはその断片と作動可能に結合されてもよい。得られたタンパク質は、発現時に非−免疫グロブリンの抗原特異性および特徴の両方を示してもよい。その融合パートナーの特徴は、例えば、もう一つの結合またはレセプタードメインのごとき機能特徴的、あるいは融合パートナー自体が治療的タンパク質または付加的な抗原特徴的である場合は治療特徴的であってよい。
本発明のもう一つの所望のタンパク質は、HおよびL鎖全長またはFabまたはF(ab’)断片のごときいずれのその必須の断片、H鎖二量体、またはFvまたは単鎖抗体(SCA)のごときその最小限の組換え断片、または選択される供与体、例えば、mAb BC1、BC2、9E4(2)F4、11G4(1)B9、HFXLCまたはHFXIと同一の特異性を有するいずれの他の分子を有する完全な抗体分子を含んでもよい。かかるタンパク質は改変された抗体の形態で使用できるか、あるいはその非融合形態で使用できる。
第二の免疫グロブリンが供与体抗体、例えば、いずれのアイソタイプまたはクラスの免疫グロブリン骨格または定常領域と異なる抗体由来である場合はいつでも、作成された抗体が結果として生じる。作成された抗体は、ある源、例えば、受容体抗体、および供与体由来の1個以上の(好ましくは全ての)CDR、例えば、本明細書中に記載の抗第IX/IXa、X/Xa、XI/XIa、VIII/VIIIa、V/Va、VII/VIIa因子またはトロンビン抗体由来の免疫グロブリン(Ig)定常領域および可変骨格領域を含み得る。さらに、核酸またはアミノ酸レベルでの受容体mAbLおよび/またはH可変部位骨格領域または供与体CDR領域の改変、例えば、欠失、置換、または付加は供与体抗体抗原結合特異性を保持するためになされる。
かかる作成された抗体は、凝固因子mAb(所望により記載されたごとく修飾される)の可変Hおよび/またはL鎖の一つ(または両方)または1個以上のHまたはL鎖のCDRを使用するように設計されてもよい。本発明の作成された抗体は自己−制限的な中和活性を示す。
かかる作成された抗体は、選択されるヒト免疫グロブリンまたはサブタイプの骨格領域を含むヒト化抗体あるいは凝固因子抗体機能的断片と融合したヒトHおよびL鎖定常領域を含むキメラ抗体を含んでもよい。適当なヒト(または他の動物)受容体抗体は、慣用的なデータベース、例えば、カバト(KABAT)データベース、ロス・アラモス(Los Alamos)データベースおよびスイス・プロテイン(Swis Protein)データベースから、供与体抗体のヌクレオチドおよび核酸配列との相同性により選択できるものであってよい。供与体抗体の骨格領域との相同性(アミノ酸ベースで)により特徴付けられるヒト抗体は、供与体CDRの挿入のH鎖可変骨格領域を供するに適当であり得る。L鎖可変骨格領域を供与できる適当な受容体抗体は同様にして選択できる。受容体抗体HおよびL鎖は同一の受容体抗体由来の必要がないことは注意すべきである。
好ましくは、異種の骨格および定常領域は、IgG(サブタイプ1ないし4)、IgM、IgAおよびIgEのごときヒト免疫グロブリンクラスおよびアイソタイプから選択される。しかしながら、受容体抗体はヒト免疫グロブリンタンパク質配列のみを含む必要はない。例えば、ある遺伝子はヒト免疫グロブリン鎖の部分をコードするDNA配列がポリペプチドエフェクターまたはレセプター分子のごとき非−ヒト免疫グロブリンアミノ酸配列をコードするDNA配列に融合して構築できる。
特に好ましいヒト化抗体は、選択されるヒト抗体配列の骨格領域に挿入されるBC2のCDRを含む。ヒト化抗体の中和のために、因子IX抗体H鎖および/またはL鎖可変領域由来の1、2または好ましくは3個のCDRが、後者の抗体の本来のCDRを置き換えて選択されるヒト化抗体配列の骨格領域に挿入される。
好ましくはヒト化抗体において、ヒトHおよびL鎖両鎖の可変ドメインは1個以上のCDR置換により作成されている。6個のCDR全て、または6個より少ないCDRを種々の組み合わせで使用することが可能である。好ましくは、6個のCDR全てが置き換わる。ヒト受容体抗体由来の非修飾L鎖をL鎖として用い、ヒトH鎖のみでCDRを置き換えることができる。さらに、別法として、適合するL鎖が、もう一つのヒト抗体から、慣用的な抗体データベースにより選択できる。作成された抗体の残りは適当ないずれの受容体ヒト免疫グロブリン由来であってもよい。
従って好ましくは、作成されたヒト化抗体は天然のヒト抗体またはその断片の構造を有し、効果的な治療上使用、例えば、ヒトにおける血栓および塞栓疾病の治療に必要な組み合わされた性質を有する。
最も好ましくは、ヒト化抗体は配列番号:31、52または89に示されるH鎖アミノ酸配列を有する。また、配列番号:44、57、62、74、78または99に示されるL鎖アミノ酸配列を有するヒト化抗体も最も好ましい。H鎖が配列番号:31に示されるアミノ酸配列を有しL鎖が配列番号:44に示されるアミノ酸配列を有するヒト化抗体SB249413が特に好ましい。また、H鎖が配列番号:52に示されるアミノ酸配列を有しL鎖が配列番号:57に示されるアミノ酸配列を有するヒト化抗体SB249415も特に好ましい。また、H鎖が配列番号:52に示されるアミノ酸配列を有しL鎖が配列番号:62に示されるアミノ酸配列を有するヒト化抗体SB249416も特に好ましい。また、H鎖が配列番号:52に示されるアミノ酸配列を有しL鎖が配列番号:74に示されるアミノ酸配列を有するヒト化抗体SB249417も特に好ましい。また、H鎖が配列番号:52に示されるアミノ酸配列を有しL鎖が配列番号:78に示されるアミノ酸配列を有するヒト化抗体SB257731も特に好ましい。また、H鎖が配列番号:89に示されるアミノ酸配列を有しL鎖が配列番号:99に示されるアミノ酸配列を有するヒト化抗体SB257732も特に好ましい。
当業者により、作成された抗体はさらに、供与体抗体の特異性および高親和性に必ずしも影響することなく可変部位アミノ酸における変化(すなわち類似体)によりさらに修飾できると理解されるであろう。HおよびL鎖アミノ酸は可変部位骨格またはCDRまたは両者のいずれかにおいて、他のアミノ酸と置換できると期待される。これら置換は供与体抗体またはあるサブグループ由来のコンセンサス配列により供給できる。
さらに、定常領域は、本発明の分子の選択的性質を高めるか、あるいは減じるために変異させられる。例えば、二量体化、Fcレセプターとの結合、または補体と結合活性化する能力(例えば、Angalら.,Mol.Immunol,30,105−108(1993)、Xuら.,J.Biol.Chem,269,3469−3474(1994)、Winterら.,EP307434Bを参照されたい)。
キメラ抗体である改変された抗体は、ヒト免疫グロブリン定常領域と両鎖で関連して、骨格領域を含む非−ヒト供与体抗体H鎖およびL鎖可変領域全体を供することにより上記に記載されたヒト化抗体と異なる。本発明のヒト化抗体に対して付加的な非−ヒト配列を保持するキメラ抗体がヒトにおける重大な免疫反応を引き出せることが期待される。
かかる抗体は以下に記載の血栓および塞栓疾患の予防および治療に有用である。
好ましくは可変Lおよび/またはH鎖配列およびmAB BC2または他の適当な供与体mAb、例えば、BC1、9E4(2)F4、11G4(1)B9、HFXLC、HFXIおよびそのコードする核酸配列のCDRが、以下の製法により、本発明の改変された抗体、好ましくはヒト化抗体の構築において利用される。また、同一または同様の技術が本発明の他の具体例を生じるにも用いられる。
選択される供与体mAb、例えば、ネズミ抗体BC2を生産するハイブリドーマは都合よくは、クローニングされ、そのHおよびL鎖可変領域のDNAは当業者に知られた技術、例えば、Sambrookら.,「Molecular Cloning:A Laboratory Manual」、2nd edition,Cold Spring Harbor Laboratory(1989)記載の技術により得られる。少なくとも、供与体mAb結合特異性を保持するに必要な受容体mAb Lおよび/またはH可変部位骨格領域ならびに保持されるヒト免疫グロブリン由来の抗体鎖の免疫グロブリン−由来部分のCDR−コーディング領域およびその部分を含むBC2の可変HおよびL領域は、ポリヌクレオチドプライマーおよび逆転写酵素を用いて得られる。CDR−コーディング領域は公知のデータベースを用い、他の抗体との比較により同定される。
ついで、マウス/ヒトキメラ抗体が調製され、結合能がアッセイされる。かかるキメラ抗体は、両鎖のヒトIg定常領域に関して、非−ヒト供与対抗体vおよびv領域全体を含む。
ヒト抗体由来のH鎖可変領域の相同な骨格領域はコンピューター化されたデータベース、例えば、KABAT(登録商標)を用いて同定され、BC2と相同性を有するヒト抗体が受容体抗体として選択される。ヒト抗体骨格内にBC2 CDR−コーディング領域を含む合成H可変領域の配列は、制限部位を組み込む骨格領域内での所望のヌクレオチド置換で設計される。ついで、この設計された配列は長い合成オリゴマーを用いて合成される。あるいは、設計された配列は、ポリメラーゼ鎖反応(PCR)で増幅され間違いを正された重複するオリゴヌクレオチドにより合成できる。適当なL鎖可変骨格領域は同様に設計できる。
ヒト化抗体はキメラ抗体から由来してもよく、あるいは好ましくは、HおよびL鎖由来の供与体mAbCDR−コーディング領域を適当に、選択されるHおよびL鎖骨格内に挿入することにより合成的に作られる。あるいは、本発明のヒト化抗体は、標準的な突然変異誘発技術を用いて調製できる。従って、得られたヒト化抗体はヒト骨格領域および供与体mAbCDR−コーディング領域を含む。骨格領域が続いて操作されることもある。得られたヒト化抗体は組換え宿主細胞、例えば、COS、CHOまたはミエローマ細胞内で発現できる。他のヒト化抗体は、他の適当な因子IX−特異的または他の凝固因子−特異的、自己−制限的な、中和する、高親和性の非−ヒト抗体における技術を用いて調製できる。
慣用的な発現ベクターまたは組換えプラスミドは、宿主細胞内での複製および発現および/または宿主細胞からの分泌を制御する能力のある慣用的な制御配列と作動可能に関連して、これらのコーディング配列を改変された抗体と置換することにより生産できる。制御配列はプロモーター配列、例えば、CMVプロモーター、および他の公知の抗体由来であってもよいシグナル配列を含む。同様に、相補的な抗体LまたはH鎖をコードするDNA配列を有する第二次発現ベクターが生産できる。好ましくは、この第二次発現ベクターは、できる限り各ポリペプチド鎖が機能的に発現されることを保証するためのコーディング配列および選択的マーカーの点以外は第一次ベクターと同一である。あるいは、改変された抗体のHおよびL鎖コーディング配列は単一ベクター上に存在してもよい。
選択される宿主細胞は慣用的手法により第一次および第二次ベクターの両方とともにコトランスフェクトされ(あるいは、単一ベクターにより単にトランスフェクトされ)、組み換えまたは合成LおよびH鎖の両方を含む本発明のトランスフェクトされた宿主細胞を作り出す。トランスフェクトされた細胞はついで、慣用的手法により培養され、本発明の作成された抗体を生産する。組み換えH鎖および/またはL鎖の両方の合同体を含むヒト化抗体はELISAまたはRIAのごとき適当なアッセイによって培養液からスクリーニングされる。同様な慣用的な手法が本発明の他の改変された抗体および分子を構築するに用いられる。
該方法で用いられるクローニングおよびサブクローニング行程に適当なベクターおよび本発明の組成物の構築は当業者により選択できる。アマーシャム(Amersham)またはファルマシア(Pharmacia)のごとき供給会社から商業的に手に入る例えば、pUC19のごときクローニングベクターpUCシリーズが使用できる。さらに、迅速に複製する能力があり、多数のクローニング部位および選択遺伝子(例えば、抗生物質耐性)を有し、簡単に操作されるいずれのベクターもクローニング用に使用できる。従って、クローニングベクターの選択は本発明の制限因子とはならない。
同様に、本発明によって作成された抗体の発現に用いられるベクターはいずれの慣用的ベクターからも当業者により選択できる。また、ベクターは、選択された宿主細胞内での異種のDNA配列の複製および発現に向いた(CMVプロモーターのごとき)選択される制御配列も含む。これらベクターは、作成されたまたは改変された免疫グロブリンコーディング領域をコードする上記記載のDNA配列を含む。さらに、ベクターは、迅速な操作のための所望の制限部位の挿入により修飾された選択された免疫グロブリンを組み込める。
また、発現ベクターは、異種DNA配列、例えば哺乳動物ジヒドロ葉酸還元酵素遺伝子(DHFR)の発現を増幅するに適当な遺伝子によっても特徴付けられる。他の好ましいベクター配列は、ウシ成長ホルモン(BGH)およびベータグロビンプロモーター配列(betaglopro)のごときポリAシグナル配列を含む。本明細書中にて有用な発現ベクターは当業者によく知られた手法により合成できる。
かかるベクター、例えば、レプリコン、選択遺伝子、エンハンサー、プロモーター、シグナル配列などの成分は、選択された宿主内で組換えDNAの産物の発現および/または分泌を指示する使用につき、商業的または天然の源から得られるか、あるいは公知の方法により合成できる。また、哺乳動物、細菌、昆虫、酵母および真菌発現につき当該分野で知られている多数のタイプの他の適当な発現ベクターもこの目的に選択できる。
また、本発明は、作成された抗体またはその改変された免疫グロブリン分子のコーディング配列を含む組み換えプラスミドでトランスフェクトされた細胞系も含む。また、クローニングおよびこれらクローニングベクターの他の操作に有用な宿主細胞も慣用的である。しかしながら、最も望ましくは、イー・コリ(E.coli)の種々の株由来の細胞がクローニングベクターの複製および本発明の改変された抗体の構築の他の工程に使用される。
本発明の作成された抗体または改変された抗体の発現に適当な宿主細胞または細胞系は好ましくはCHO、COS、繊維芽細胞(例えば、3T3)および骨髄細胞のごとき哺乳動物細胞、より好ましくはCHOまたは骨髄細胞である。ヒト細胞用いられ、従って、分子をヒトグリコシル化パターンで修飾できる。あるいは、他の真核細胞系が用いられてもよい。適当な哺乳宿主細胞および形質転換、培養、増幅、スクリーニングおよび産物生産および精製の方法の選択は当該分野では公知である。例えば、上記のSambrookら.,を参照されたい。
細菌細胞は本発明の組換えFabの発現に適当な宿主細胞として有用であると証明できる(例えば、Pluckthun,A.,Immunol.Rev.,130,151−188(1992)を参照されたい)。しかしながら、細菌細胞内で発現されたタンパク質が折り畳まれていない、あるいは不適当に折り畳まれた形態で、あるいは非−グリコシル化形態である傾向があるため、細菌細胞内で生産されたいずれの組換えFabも抗原結合能の保持につきスクリーニングされたであろう。細菌細胞によって発現された分子が適当に折り畳まれた形態で生産されていたならば、その細菌細胞は所望の宿主であったであろう。例えば、発現に用いられたイー・コリ(E.coli)の種々の株はバイオテクノロジーの分野では宿主細胞としてよく知られる。ビー・サブチリス(B.subtilis)、ストレプトミセス(Streptomyces)、他の細菌などの種々の株もまた用いられる。
所望の場合は、当業者に知られる酵母細胞の株ならびに昆虫細胞、例えば、ドロソフィラ(Drosophila)およびレピドプテラ(Lepidoptera)およびウィルス発現系もまた宿主細胞として有用である。例えば、Millerら.,Genetic Engineering,8,277−298,Plenum Press(1986)およびそこに引用された参考文献を参照されたい。
本発明のベクターによる一般的な方法が構築され、本発明の宿主細胞を生産するに必要なトランスフェクション方法およびかかる宿主細胞から本発明の改変された抗体を生産するに必要な培養方法は全て慣用的手法である。同様に、いったん生産されると、本発明の改変された抗体は、硫酸アンモニウム沈殿、アフィニティーカラム、カラムクロマトグラフィー、ゲル電気泳動などを含む当該分野で標準的な方法により細胞培養液から精製できる。かかる手法は当業者の範囲内であり本発明を限定しない。
ヒト化抗体のさらにもう一つの発現方法は米国特許第4,873,316号に記載のごときトランスジェニック動物における発現を利用してもよい。これは、トランスジェニックに動物に組み込まれた場合、メスが所望の組換えタンパク質をその乳の中に生産する動物のカゼインプロモーターを用いる発現系に関する。
いったん所望の方法により発現されると、ついで、作成された抗体は、適当なアッセイの使用によりインビトロ(in vitro)での活性を調べられる。現在、慣用的なELISAアッセイ形式が因子IXまたは他の適当な凝固因子に対して作成された抗体の定性的および定量的結合を評価するに用いられる。さらに、他のインビトロ(in vitro)アッセイもまた、引き続く、通常の除去機構の代わりに体内での作成された抗体の耐性を評価するに行われるヒト臨床試験に先立ち、中和能を実証するに用いられる。
BC2から調製されるヒト化抗体につき記載の方法に従い、当業者もまた、本明細書中に記載の他の供与体抗体、可変配列およびCDRペプチドからヒト化抗体を構築できる。作成された抗体は、作成された抗体の受容者により潜在的に「自己」として認識される可変領域骨格配列を有して生産できる。可変領域骨格に対するわずかな修飾が、受容者にとってかなり増加した免疫原性なしで抗原結合を大きく増加させられる。かかる作成された抗体は、効果的にヒトの凝固因子−介在疾患を治療できる。
本発明はまた、有効量の自己制限的な中和活性を有する抗−凝固因子モノクローナル抗体を投与することを含む動物、特にヒトの血栓の阻害方法にも関する。好ましくは、凝固因子は固有のまたは共通の凝固経路由来である。最も好ましくは、抗−凝固因子モノクローナル抗体は、抗−第IX因子、抗−第IXa因子、抗−第X因子、抗−第Xa因子、抗−第XI因子、抗−第XIa因子、抗−第VIII因子、抗−第VIIIa因子、抗−第V因子、抗−第Va因子、抗−第VII因子、抗−第VIIa因子または抗−トロンビンである。mAbは、本明細書中に記載の1個以上の作成された抗体または改変された抗体またはその断片を含む。
あるいは、アセチルサリチル酸が抗−凝固因子モノクローナル抗体と組み合わされて投与できる。ある場合には、組合せ治療が抗−凝固因子モノクローナル抗体の治療的有効量を減じる。
本発明の分子の使用により誘導された治療反応は、各凝固因子との結合および引き続く自己制限的な凝固カスケードの阻害により生じる。従って、本発明の分子は、治療利用に適当な製剤および処方における場合は、心筋梗塞、不安定アンギナ、心棒房細動、発作、腎障害、肺塞栓症、深静脈血栓および人工器官およびプロテーゼ移植に関連するが、それに限定されない異常な凝固活性の疑いまたは経験のある患者にかなり望ましい。
本発明の改変された抗体、その抗体および断片もまた、本発明の作成された抗体に対する疾患の原因である他のマーカー(エピトープ)と反応する他の抗体、特にヒトmAbと共に用いられる。
本発明の治療薬は、約1日ないし約3週間または必要に応じて異常な凝固疾患の治療に望ましいと信じられる。このことは、最近使用された抗凝固剤ヘパリンおよびワルファリンよりかなりの進歩を表す。治療の量および期間はヒト循環における本発明の分子の相対期間に関し、患者の治療されるべき疾患および一般的な健康状態に依存して当業者により調整できる。
本発明の治療薬の投与形式は薬剤を宿主に送達するいずれの適当な経路でもよい。本発明の改変された抗体、抗体、作成された抗体およびその断片および医薬組成物は特に非経口投与、すなわち、皮下、筋肉内、静脈内または経鼻的投与に有用である。
本発明の治療薬は、医薬上許容される担体内に有効成分として有効量の本発明の作成された(例えばヒト化)抗体を含む医薬組成物として調製できる。あるいは、本発明の医薬組成物はまた、アセチルサリチル酸も含む。本発明の予防薬において、作成された抗体を含む好ましくは生理学的pHに緩衝された注射用に用意された形態の水溶性懸濁液または水溶液が好ましい。非経口投与用の組成物は、通常、本発明の作成された抗体の溶液または医薬上許容される担体、好ましくは水溶性担体に溶解したそのカクテルを含むであろう。例えば、0.4%セーライン、0.3%グリシンなどの種々の水溶性担体が用いられる。これらの溶液は滅菌され一般に粒子物質がない。これら溶液は、慣用的なよく知られた滅菌手法(例えば、濾過)により滅菌される。組成物は、pH調整および緩衝液などのごときおおよその生理的条件に必要な医薬上許容される補助物質を含む。かかる医薬処方における本発明の抗体濃度は、広範囲に、すなわち、体重につき約0.5%未満から、通常は体重につき1%または少なくとも1%、15または20%まで変化し、選択される投与様式に従って、まず溶液体積、粘度などに基づき選択されるであろう。
従って、筋肉内注射用の本発明の医薬組成物は、1mLの滅菌緩衝液、および約1ngないし約100mgの間、例えば、約50ngないし30mg以上、好ましくは約5mgないし約25mgの本発明の作成された抗体を含むように調製される。同様に、静脈内点滴用の本発明の医薬組成物は、約250mlの滅菌リンゲル液、および約1mgないし約30mg、好ましくは5mgないし約25mgの本発明の作成された抗体を含むように作られる。非経口投与される組成物の実際の調製方法は良く知られているか、あるいは当業者には明らかであり、詳細には、例えば、「Remington’s Pharmaceutical Science」,15thed.,Mack Publishing Company,Easton,Pennsylvaniaに記載される。
医薬製剤の形態の場合、本発明の治療薬剤は単位投薬形で存在することが好まれる。適当な治療有効量は、当業者により迅速に決定できる。ヒトまたは他の動物における血栓または塞栓障害を効果的に治療するために、kg体重あたり一回用量約0.1mgないし約20mgの本発明のタンパク質または抗体が非経口的に、好ましくは静脈内または筋肉内投与されるべきである。必要であれば、かかる用量が血栓反応の期間、医師により適当に選択された適当な時間間隔で繰り返される。
本明細書中に記載の抗体、改変された抗体またはその断片は貯蔵のため凍結乾燥でき使用前に適当な担体中に復元できる。この手法は、慣用的な免疫グロブリンとともに効果的であり、当該分野で知られた凍結乾燥および復元手法が用いられる。
今回、本発明は以下の具体的、非−制限的な実施例の記載と共に記載されるであろう。
抗−第IX因子モノクローナル抗体の調製およびスクリーニング
メスBalb/Cマウスに、Jenny,R.ら.,Prep.Biochem.16,227−245(1986)に記載の精製されたヒト第IX因子を注射した。典型的には、各マウスは、リン酸−緩衝セーライン(PBS)0.15mlに溶解し、フロイントの完全アジュバンド0.15mlと混合したタンパク質100ugを初期注射された。フロイントの不完全アジュバンド0.15mlと共にPBS0.15ml中のタンパク質50ugのブースター免疫化が2−3ヶ月間に渡り約隔週でなされた。最終ブースト後、マウスは、脾臓/骨髄細胞融合前に3日PBS中因子IX 50ugを受けた。脾臓細胞を免疫化マウスから単離し、Oi,V.T.ら,「Selected Methods in Cellular Immunology」Michell,B.B.およびShigii,S.M.,eds.,Freeman Press,San Franciscoに記載のポリエチレングリコールを用いてNS−1骨髄細胞と融合した(Kohler,G.ら.,Eur,J.Immunol.6,292−295(1976))。融合に続き、細胞を10%ウシ胎児血清を含むRPMI1640培地に再懸濁し、アリコートを腹膜洗浄細胞−調整培地を含む24−穴プレート4枚の各穴に置いた。翌日、各穴に10%ウシ胎児血清を含むRPMI1640培地中2x10−4Mヒポキサンチン、8x10−7Mアミノプテリンおよび3.2x10−5Mチミジン1.0mlを加えた。細胞は、3−4日毎に培地の半分を除去し、1x10−4Mヒポキサンチンおよび1.6x10−5Mチミジンを含む新鮮培地と交換することにより培養した。
約2週後、各穴からハイブリドーマ培地1.0mlを除去し、Jenny,R.Jら.,Meth.Enzymol.222,400−416(1993)に記載のELISAアッセイを用いて抗−第IX因子抗体を試験した。簡単には、第IX因子を96−穴マイクロプレートのプラスチック穴に固定した。次いで、ハイブリドーマ上清または精製抗体の希釈液を穴内で培養した。穴を洗浄し、抗体−抗原複合体の存在を、セイヨウワサビペルオキシダーゼおよび色素物質o−ジアニシジンを包合したヤギ抗−マウス免疫グロブリン第二抗体で検出した。
抗−第IX因子抗体を含む穴を制限希釈によりサブクローニングし、96−穴プレート内で生育させた。クローン化されたハイブリドーマ細胞培養液からの上清を上記に記載のELISAアッセイにより第IX因子に対する抗体をスクリーニングし、陽性ハイブリドーマからの細胞を膨張させ、凍結し、液体窒素中に貯蔵し、次いでマウス腹水癌として生育させた。
凝固における抗−凝固因子抗体の自己−制限的効果
ヒト血漿の活性化部分トロンボプラスチン時間(aPTT)に対する抗−凝固因子抗体の増加する濃度の効果をフィブロメーター(fibrometer)(メリーランド州、コッキスビル、ベクトン−ディキンソン・マイクロバイオロジー・システムズ(Becton−Dickinson Microbiology Systems,Cokeysville,Maryland)で、バクスター(Baxter)参照方法LIB0293−J、3/93改訂(ニュージャージー州、エジソン、バクスター・サイエンティフィック(Baxter Scientific,Edison,New Jersey)を用いて測定した。
実験開始前に、5ml管中の0.02M CaCl 2ないし3mlをフィブロメーターの加熱したチャンバー内に置いた。ヒト血漿試料を新しく引き抜き氷上に置くか、あるいは、ヘモスタシス・レファランス・プラズマ(Hemositasis Refernce Plasma)(コネチカット州、グリーンウィック、アメリカン・ダイアグノスティクス(American Diagnostics,Greenwich,Conneticut))の製造者推奨により復元した。
ブタ腸粘膜からの非分画ヘパリン(ミズーリ州、セント・ルイス、シグマ・ケミカル(Sigma Chemical,St.Louis,Missouri))、ブタ腸粘膜からの低分子量ヘパリン(ロベノックス(Lovenox(登録商標))、エノキサパリンナトリウム、ペンシルバニア州、コレゲビル、ローン−プーレンク・ローラー・ファーマシューティカルズ(Rhone−Poulenc Rorer Pharmaceuticals,Collegeville,Pennsylvania))またはmAb抗凝固剤を約50uMスットク溶液として調製し、供試血漿中に直接連続希釈した。抗凝固剤なしの血漿を含むブランクを参照として含んだ。
2個のフィブロチューブ(fibroTube(登録商標))フィブロメーター(fibrometer)カップを供試血漿100ulまたは抗凝固剤入りの供試血漿100ulおよびアクチン活性化ケファロプラスチン試薬(アクチン試薬、エラグ酸中のウサギ脳ケファリンから、バクスター・サイエンティフィック(Baxter Scientific)から入手できる)でそれぞれ満たし、37℃にてフィブロメーター(fibrometer)の穴に置いた。
1分後、アクチン試薬100ulを血漿を含むカップに移し、中身をピペットで数回混合した。3分インキュベーション後、あらかじめ37℃で加温したCaCl 100ulをオートマチックピペット/タイマー−トリガー(Automatic Popette/Timer−trigger)(ベクトン−ディクソン(Becton−Dickson))を用いて、血漿−アクチン試薬混合液に添加した。凝固時間に注意し、図1の結果が総アッセイ体積300ul中抗凝固剤の最終濃度の関数の凝固時間として示される。アッセイにおける第IX因子の名目濃度は30−40nMである。
図1に示される結果はマウス抗−第IX因子mAb BC1およびBC2の増加する濃度のaPTT凝固時間に対する効果を示す。両mAbはaPTTを延長することにより凝固を阻害し、両mAbはaPTTに対し、最終飽和効果に達する。IC50値はBC1およびBC2それぞれにつき同様な〜35nMおよび50nMであるが、2個の抗体に対する最大反応の違いが特色付けられる。BC1の飽和濃度はaPTT時間を約50%、〜40秒まで増加する。他方、BC2はaPTT時間を3.5倍、約90秒まで増加する。ヘパリンを用いる抗凝固治療において使用される治療標的ゾーンが強調される。この結果は、2個のmAbがヘパリン治療aPTT範囲の限界幅を確定することを示す。
mAb BC1およびBC2の性質は表Iに要約する。各BC mAbは、チモーゲン、第IX因子ならびに活性プロテアーゼ、第IXa因子、を認識するが、BC2だけは、チモーゲン活性化ならびにプロテアーゼ活性の両者を阻害できる。BC1およびBC2はカニクイザル第IX因子と交差反応することが分かった。さらに、BC2もまた、ラット第IX因子と交差反応した。
Figure 2007325602
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図2に示された結果は、抗−第IX因子mAb 9E4(2)F4および11G4(1)B9の増加する濃度のaPTT凝固時間に対する効果を示す。アッセイ用の血漿は、通常濃度の二分の一に希釈し、初期aPTT、45秒とした。両mAbはaPTTの延長により凝固を阻害し、両mAbはaPTTに対する最終飽和効果に達する。9E4(2)F4および11G4(1)B9の飽和濃度は、aPTTを9E4(2)F4で〜90ないし100秒および11G4(1)B9で〜80秒に増加する。この結果は、2個のmAbはヘパリン治療aPTT範囲の上限であることを示す。
図3に示された結果は、抗−第X因子mAb HFXLC(対L鎖エピトープ)、HFXHC(対H鎖エピトープ)および抗−第XI因子mAb HFXIの増加する濃度のaPTT凝固時間に対する効果を示す。これらmAbはエンザイム・リサーチ・ラボラトリーズ(Enzyme Research Labolatories)(インディアナ州、サウス・ベンド(South Bend,IN))から得た。mAbHFXLCおよびHFXIはaPTTの延長により凝固を阻害し、両mAbはaPTTに対する最終飽和効果に達する。HFXLCのIC50値は〜40nM;飽和濃度は、aPTTを60秒まで増加させる。HFXIのIC50値は〜20nM;飽和濃度は、aPTTを100秒まで増加させる。この結果はHFXLCはヘパリン治療aPTT範囲内にある一方HFXIはヘパリン治療範囲の上限に下がることを示す。mAb HFXHCはaPTT凝固時間に何の影響も与えない。
aPTTの自己−制限的な延長もまた、第VIII因子に対する抗体、第IXa因子に対する共因子に観察される。例えば、抗−ヒト第VIII因子抗体、アフィニティー・バイオロジカルズ・インク(Affinity Biologicals,Inc.)から購入したSAF8C−IGはaPTTを最大約65秒まで増加させた。aPTTの最大延長の二分の一は約100nMの抗体で達成された。
ラット血栓モデルにおけるネズミ第IX因子mAbの能力
動脈血栓予防における抗−第IX因子抗体の能力を評価するために、Schumacherら.,J.Cardio.Pharm.22,526−533(1993)に報告されたラット冠動脈血栓モデルを採用した。このモデルは、冠動脈表面にFeCl溶液を適用することにより生じる酸素ラジカルによる冠動脈内皮の分節傷害から成る。
簡単には、ラットを、ペントバルビトンナトリウムで麻酔し、頚静脈に静脈注射のカニューレを挿入し、左大腿動脈に血圧および心拍数モニターのカニューレを挿入した。冠動脈は外科的切開術という無菌的手法により首で単離し、血流測定用マグネチックフロープローブ(magnetic flow probe)を装備した。安定化期間後、ベースラインパラメーターを以下の変数により確立した:冠動脈血流、動脈圧、心拍数、活性部分トロンボプラスチン時間(aPTT)およびプロトロンビン時間(PT)。しかる後に、50%FeCl溶液に浸したあらかじめ測定したワットマン(Whatman)濾紙を内皮細胞を完全に傷害するため15分間冠動脈においた。FeClに浸した濾紙を除去後、60分以上放置して実験は完了した。実験の終わりに、動脈血栓を動脈から抽出し、重さを量った。
冠動脈傷害の着手に先立ち、全薬剤を15分投与した。以下の処理を試験し、第IX因子mAb BC2と比較した。
1.ヘパリン:15、30、60または120U/kgボーラス、その後、それぞれ0.5、1、2または4U/kg/分、60分以上の注入
2.アセチルサリチル酸(ASA、アスピリン):5mg/kgボーラス
3.抗−第IX因子mAb BC2:1、3または6mg/kgボーラス、その後、それぞれ0.3、1、または2ug/kg/分、60分以上の注入
4.ヘパリン:30U/kgボーラス+1U/kg/分+5mg/kgASA
5.抗−第IX因子mAb BC2:1mg/kg+0.3Ug/kg/分+5mg/kgASA
図4および5は、ヘパリン、ASAおよび抗−第IX因子mAb BC2のaPTTに対する(図4)およびPTに対する(図5)効果を示すことにより抗−凝固因子/血栓レジメの比較薬理学を示す。
出血素因、aPTTの鍵となる指標は、能力評価の一次判定基準対研究に用いられた抗−凝固/血栓薬剤の出血傾向として用いられた。図4の結果は、試験限界を超えて2種のより高い用量で、凝固時間の最大延長でヘパリンによるaPTTの用量依存性延長を示す。ASA単独では、有意にaPTTを増加させないが、ヘパリンと組み合わせると特色付けられた相乗効果が見られた。第IX因子mAbは高用量においてさえ、aPTTに対する効果があまり大きくなく、凝固時間の増加は、臨床的に行われた標準的な抗−凝固剤の3倍を超えなかった。とりわけ、ASAと組み合わされた低用量の第IX因子mAb BC2はaPTTを変化させなかった。
図5では、データはPTもまた2種の高用量で、有意にヘパリンにより、およびASA−ヘパリンの組み合わせによって、延長されるが、いずれの第IX因子mAb 用量単独、またはASAとの組み合わせでは延長されなかったことを示す。
ヘパリン、ASAおよび第IX因子mAbの冠動脈閉塞に対する効果が図6に示される。結果は、傷害に反応して全ての担体−処理動物の冠動脈が閉塞することを示す。ヘパリンは、依存的に冠動脈塞栓を阻害する。最高用量では、ヘパリンは完全に冠動脈塞栓を阻害する;しかしながら、この量では、凝固は開始し得なかった。ASA単独では、冠動脈塞栓にはわずかな効果しかなかった。ヘパリンと組み合わせたASAもまた完全には冠動脈塞栓を阻害できなかった。第IX因子mAbは、臨床的に所望の標的より凝固を延長しない2種の高用量で完全に冠動脈塞栓を阻害した。主として、開存性のみを保証できない低用量の第IX因子mAbでは、ASAと組み合わせて投与した場合、冠動脈塞栓の完全阻害を示した。
ヘパリン、ASAおよび第IX因子mAbの血栓重量に対する効果を図7に示す。ヘパリンは用量−依存的に冠動脈の血栓量を減じた。しかしながら、いく分かの残存する血栓が、まだ凝固の完全阻害の代わりに冠動脈において見つけられた。ASA単独またはヘパリンとの組み合わせでは(30U/kgレジメ)血栓重量には部分的効果しかなかった。第IX因子mAbは血栓量を用量−依存的に減じ、高用量は実質的には完全に血栓形成を阻害した。さらに、低用量の抗−第IX因子mAbおよびASAの組み合わせ、凝固指標に有害な影響を与えずに冠動脈塞栓を完全に阻害したレジメは、完全に血栓形成を阻害した。
ラット冠動脈血栓モデルにおいてなされた研究は明らかに、高度に血栓のできた動脈傷害モデルにおける血栓の阻害における第IX因子mAbの能力を示す。とりわけ、第IX因子mAbの能力はaPTTにより定義される所望の治療的抗凝固剤標的内で示された。さらに、ヘパリン、最近の標準的な抗凝固剤は、非−凝固血を生成する程度まで厳しく凝固を妥協させる量でのみ第IX因子mAbと同等の能力に達した。興味深いことに、ヘパリンとのASA結合処理により得られた相乗作用および共力作用もまた、ASAが抗−第IX因子mAbと与えられた場合にも示された。しかしながら、結果、抗−血栓および抗−凝固の両効果の相乗作用が生じたヘパリンおよびASAの組み合わせとは異なり、第IX因子mAbおよびASAの組み合わせは、エキソビボ(ex vivo)で血液凝固パラメーターに矛盾のない効果を与えないで抗−血栓能力の相乗作用を生じた。まとめると、データはヘパリン、ASAまたはヘパリンおよびASAの組み合わせと比較して第IX因子mAbのすぐれた抗血栓能力を示す。
ラット血栓モデルの走査型電子顕微鏡
ラット冠動脈の分節を、模擬の、塩化鉄のみ、および塩化鉄+6mg/kg第IX因子抗体、3/群、塩化鉄適用15分後から集めた。動脈をホルムアルデヒド潅流により固定し、外傷面の上部および下部を結合した。固定した動脈を脱水し、ヘキサメチルジシラザン中でインキュベートし、デシケーター中で乾燥した。乾燥した動脈を縦に開き、走査型電子顕微鏡(SEM)スタブ上に置き、金でスパッタリングコートした。
模擬動脈のSEMは、稀にしか散乱しない血小板内の正常な内皮を本質的に示した。おそらく外科的処理の間の機械的な損傷の結果の内皮に2−3の破壊があり、底にある基底膜が血小板の広がりにより覆われていた。模擬ラットには血栓形成の証拠は何も見られなかった。
塩化鉄処理した動脈のSEMは、管の内腔の大部分を占める大きな壁在性血栓を示した。血栓は、凝集した血小板、赤血球および無定形、原線維のタンパク様物質から成った。タンパク様物質はフィブリンと調和した。動脈内皮はほぼ大きな血栓に覆い隠された。見えるところは、塩化鉄処理された領域の上にある内皮が多数の吸着血小板および無定形タンパク様物質で覆われた。
第IX因子抗体でも処理されたラット由来の塩化鉄処理した動脈のSEMは、主として血栓のない管面を示した。塩化鉄処理した領域の上にある内皮は、広範な損傷を示し、吸着血小板および血小板凝集で覆われた面もあったが、タンパク様物質はほとんどまたは全くなかった。
抗−第IX因子mAb BC2 HおよびL鎖cDNA配列分析
トリリエージェント(TriReagent)(オハイオ州、シンシナティー、モレキュラー・リサーチ・センター・インク(Molecular Research Center,Inc.,Cincinnati,OH))を用いて、製造者のプロトコルにより総RNAを精製した。RNAをイソプロパノールで沈殿させ、0.5%SDSに溶解し、0.5M NaClに調整した。ポリARNAをダイナビーズ・オリゴ(dT)25(Dynabeads Ologo (dT)25)(ニューヨーク州、レイクサクセス、ダイナル・エー・エス(Dynal A.S.,Lake Success,NY))で、製造者プロトコルにより単離した。ポリA+RNAをビーズから溶出し、TE緩衝液に再懸濁した。RNA100ngのアリコート12個を製造者説明書(ボーアリンジャー・マンハイム(Boehringer Mannheim)カタログ番号1483−188)によって、dTオリゴをプライマーとして用い、RT−PCRキットで逆転写した。H鎖は6個のRNA/DNAハイブリッドのPCR増幅を、ネズミIgG2aヒンジプライマー(配列番号:1)およびH鎖シグナル配列プライマー(配列番号:2)を用いて25サイクルで行った。同様に、L鎖は、ネズミカッパプライマー(配列番号:3)および変質したL鎖シグナル配列プライマー(配列番号:4)を用いて25サイクルで行われた。12個の増幅の各々からのPCR産物はPCR2000ベクター(ティーエークローニングキット(TA Cloning Kit)インビトロゲン(Invitrogen)、カタログ番号K2000−01)に連結した。組み換えクローンのコロニーをランダムに取り、プラスミドDNAのミニ調製をBirnboimおよびDoly,Nucl.Acids Res.7,1513(1979)に記載のアルカリ抽出法を用いて行った。単離されたプラスミドDNAをEcoRIで切断し、0.8%アガロースゲル上分析した。適当な大きさ、すなわち、H鎖で〜700bpおよびL鎖で〜700bpの二本鎖cDNAインサートをサンガー(Sanger)法の修飾法で配列決定した。12個のHおよびL鎖全ての配列を比較し、コンセンサスBC2H可変領域配列(配列番号:5)およびコンセンサスBC2L鎖可変領域配列(配列番号:6)が生じた。
BC2H鎖可変領域cDNAの配列分析により、121個のアミノ酸配列(配列番号:7)をコードする363個のヌクレオチドのオープンリーディングフレームが示された。H鎖CDR1、2および3配列をそれぞれ、配列番号:8、9および10に載せた。
BC2L鎖可変領域cDNAの配列分析を107個のアミノ酸配列(配列番号:11)をコードする321個のヌクレオチドのオープンリーディングフレームを示した。L鎖CDR1、2および3配列をそれぞれ、配列番号:12、13および14に載せた。
ヒト化抗体
SB249413、SB249415、SB249416、SB249417、SB257731およびSB257732に設計された6個のヒト化抗体をヒト抗体骨格に上記に記載のマウスCDRを含むように設計した。
SB249413
SB249416はH鎖F9HZHC1−0およびL鎖F9HZHC1−0を含む。合成可変領域ヒト化H鎖F9HZHC1−0を、免疫グロブリンRF−TS3’CL(カバト(Kabat)データベースにKabpro:Hhc10wと同定されたCapra,J.D.ら.,J.Clin.Invest.86,1320−1328(1990))および上記記載のBC2H鎖CDRから得られたH鎖の最初の3個の骨格領域を用いて設計した。CDR提示に影響するような骨格アミノ酸置換はなかった。4個の重複する合成オリゴヌクレオチドが生じ(配列番号:15、16、17および18)、それは、アニールし、伸長すると、H鎖可変領域全体を表しCDR3を含むアミノ酸(配列番号:19および20)をコードする。次いで、この合成遺伝子をPCRプライマー(配列番号:21および22)を用いて増幅し、pCR2000ベクター(ティーエークローニングキット(TA Cloning Kit)、インビトロゲン(Invitrogen)、カタログ番号K2000−01)に連結し、Spe I、Kpn I制限消化から単離した。可変領域の最初の5個のアミノ酸を含むキャンパスシグナル配列(配列番号:23および24)をコードする第二DNA断片を、2個のプライマー(配列番号:26および27)によるヒト化抗−呼吸系シンシチウムウィルスH鎖(配列番号:25)をコードする構築物の適当な領域をPCR増幅および制限酵素Eco RI、Spe Iでの切断により作った。生じた2個の断片を、ヒトコンセンサス骨格4およびIgG1定常領域の残りを含むEco RI、Kpn Iで切断したpFHZHC2−6pCD哺乳動物細胞発現ベクターに連結した。ベクターは、公開された国際出願第94/05690号に記載のpFHZHC2−3pCDの単一のアミノ酸変異を含んだ。骨格2の最後の残基(残基49)が、Xba IおよびEco R5によるpFHZHC2−3pCDの切断および2個の合成オリゴヌクレオチド(配列番号28および29)から生じるリンカーの挿入によりSerからAlaに変異した。F9HZHC 1−0インサートの配列は配列番号:30および31に示す。
合成可変領域ヒト化L鎖F9HZLC 1−0は、免疫グロブリンLS8’CL(Carmackら.,J.Exp.Med.169,1631−1643(1989) カバト(Kabat)データベースにKabpro:Hkl318と同定された)および上記記載のBC2L鎖CDRから得られたヒトL鎖の骨格領域を用いて切断された。CDR提示に影響するような骨格アミノ酸置換はなかった。2個の重複する合成オリゴヌクレオチドが生じ(配列番号:32および33)、それは、アニールし、伸長すると、L鎖可変領域を表すアミノ酸(配列番号:34および35)をコードする。次いで、この合成遺伝子をPCRプライマー(配列番号:36および37)を用いて増幅し、pCR2000ベクター(ティーエークローニングキット(TA Cloning Kit)、インビトロゲン(Invitrogen)、カタログ番号K2000−01)に連結し、Sca I、Sac II制限消化から単離した。可変領域の最初の2個のアミノ酸を含むキャンパスシグナル配列をコードする第二DNA断片(配列番号:38および39)を、2個のプライマー(配列番号:26および40)によるヒト化抗−呼吸系シンシチウムウィルスH鎖(配列番号:25)をコードする構築物の適当な領域のPCR増幅および制限酵素Eco RI、Sca Iでの切断により作った。生じた2個の断片を、ヒト骨格4およびカッパ定常領域の残りを含むEco RI、Sac IIで切断したpFHzLC1−2pCN哺乳動物細胞発現ベクターに連結した。ベクターは、公開された国際出願第94/05690号に記載のpFHZLC1−1pCNの単一のアミノ酸変異を含んだ。骨格2の残基が、Sma IおよびKpn IによるpFHZLC1−2pCNの切断および2個の合成オリゴヌクレオチド(配列番号41および42)から生じるリンカーの挿入によりSerからProに変異した。F9HZHC 1−0インサートの配列は配列番号:43および44に示す。
SB249415
SB249415はH鎖F9HZHC1−1およびL鎖F9HZLC1−1を含む。これらHおよびL鎖はそれぞれ、F9HZHC1−0およびF9HZLC1−0に基づくが、CDR提示に影響する骨格アミノ酸置換を有する。
H鎖F9HZHC1−1は、CDR提示に影響するような骨格アミノ酸置換を有する。2個の重複する合成オリゴヌクレオチドが生じ(配列番号:45および46)、それは、アニールし、伸長すると、改変されたH鎖可変領域改変部分を表すアミノ酸(配列番号:47および48)をコードする。次いで、この合成遺伝子をPCRプライマー(配列番号:49および50)を用いて増幅し、pCR2000ベクター(ティーエークローニングキット(TA Cloning Kit)、インビトロゲン(Invitrogen)、カタログ番号K2000−01)に連結し、Eco NI、Kpn I制限消化から単離した。この断片をEco NI、Kpn I 消化したF9HZHC1−0(配列番号:30)ベクターに連結した。F9HZHC1−1インサートの配列は配列番号:51および52に示す。
F9HZLC 1−1は、CDR提示に影響するような4個の骨格アミノ酸置換を有する。2個の重複する合成オリゴヌクレオチドが生じ(配列番号:53および54)、それは、アニールすると、Kpn IおよびBam HI粘着末端を有し、L鎖可変領域の改変部分を表すアミノ酸(配列番号:55)をコードする。F9HZLC1−0(配列番号:43)を制限酵素Kpn IおよびBam HIで消化し、合成DNAに連結した。F9HZHC 1−1インサートの配列は配列番号:56および57に示す。
SB249416
SB249416はH鎖F9HZHC1−1(上記記載)(配列番号:52)およびL鎖F9HZLC1−2を含む。L鎖構築物は、F9HZLC1−1に基づくが、CDR提示に影響する1個の付加的骨格アミノ酸置換を有する。
2個の合成オリゴヌクレオチドが生じ(配列番号:58および59)、それは、アニールすると、Bam HIおよびXba I粘着末端を有し、L鎖可変領域変異部分を表すアミノ酸(配列番号:60)をコードする。F9HZLC1−1(配列番号:56)ベクターを制限酵素Bam HIおよびXba Iで消化し、合成DNAに連結した。F9HZLC 1−2インサートの配列は配列番号:61および62に示す。
SB249417
SB249417はH鎖F9HZHC1−1(上記記載)(配列番号:52)およびL鎖F9HZLC2−0を含む。F9HZLC2−0合成可変領域ヒト化L鎖は、免疫グロブリンREI(PalmおよびHilschmann,Z.Physiol.Chem.354,1651−1654(1973)、カバト(Kabat)データーベースにKabpro:HKL111と同定)および上記に記載のBC2L鎖CDRから得られたヒトL鎖の骨格領域を用いて設計された。5個のアミノ酸コンセンサスヒト置換が導入された。CDR提示に影響できる6個の骨格アミノ酸ネズミ置換が作られた。2個の重複する合成オリゴヌクレオチドが生じ(配列番号:63および64)、それは、アニールし、伸長すると、L鎖可変領域を表すアミノ酸(配列番号:65および66)をコードする。次いで、この合成遺伝子をPCRプライマー(配列番号:67および68)を用いて増幅し、pCR2000ベクター(ティーエークローニングキット(TA Cloning Kit)、インビトロゲン(Invitrogen)、カタログ番号K2000−01)に連結し、Sca I、Sac II制限消化から単離した。可変領域の最初の2個のアミノ酸を含むキャンパスシグナル配列をコードする第二DNA断片(配列番号:38)を、2個のプライマー(配列番号:26および69)によるヒト化抗−呼吸系シンシチウムウィルスH鎖(配列番号:25)をコードする構築物の適当な領域のPCR増幅および制限酵素Eco RI、Sca Iでの切断により作った。ヒト骨格4(配列番号:70)の残りをコードし、Sac IIおよびNar I粘着末端を有する第三DNA断片が2個の合成オリゴヌクレオチド(配列番号:70および72)をアニールすることにより生じた。F9HZLC 1−0(配列番号:43)を制限酵素Eco RIおよびNar Iで消化し、3個のDNA断片に連結した。F9HZLC 2−0インサートの配列は配列番号:73および74に示す。
SB257731
SB257731はH鎖F9HZHC1−1(配列番号:52)およびL鎖F9HZLC1−3、F9HXLC1−2(配列番号:62)の単一アミノ酸変異を含む。F9HZLC1−2を2個のプライマー(配列番号:26および69)を用いて増幅し、制限酵素Eco RIおよびSca Iで消化した。94bpの断片(配列番号:75および76)が単離された。断片をEco RI、Sca Iで消化したF9HZLC1−2ベクターに連結しL鎖構築物F9HZLC1−3が生じた。F9HZLC 1−3インサートの配列は配列番号:77および78に示す。
SB257732
SB257732は合成可変領域ヒト化H鎖F9HZHC3−0およびL鎖F9HZLC3−0を含む。4個の重複する合成オリゴヌクレオチドが生じ(配列番号:79、80、81および82)、それは、アニールし、伸長すると、改変したH鎖可変領域を表すアミノ酸(配列番号:83および84)をコードする。次いで、この合成遺伝子をPCRプライマー(配列番号:85および86)を用いて増幅し、pCR2000ベクター(ティーエークローニングキット(TA Cloning Kit)、インビトロゲン(Invitrogen)、カタログ番号K2000−01)に連結し、Stu I、Kpn I制限消化から単離した。単離した断片をStu I、Kpn Iで消化したF9HZHC1−1(配列番号:52)に連結した。次いで、シグナル配列を除去するため、このベクターをEco RI、Spe Iで消化した。可変領域の最初の5個のアミノ酸を含むキャンパスシグナル配列をコードするDNA断片(配列番号:23)を、2個のプライマー(配列番号:26および87)でのF9HZHC1−0のPCR増幅および制限酵素Eco RI、Spe Iでの切断により作った。生じた断片をベクターに連結した。F9HZHC 3−0インサートの配列は配列番号:88および89に示す。
4個の重複する合成オリゴヌクレオチドが生じ(配列番号:90、91、92および93)、それは、アニールし、伸長すると、L鎖可変領域を表すアミノ酸(配列番号:94および95)をコードする。次いで、この合成遺伝子はPCRプライマー(配列番号:96および97)を用いて増幅し、pCR2000ベクター(ティーエークローニングキット(TA Cloning Kit)、インビトロゲン(Invitrogen)、カタログ番号K2000−01)に連結し、Sca I、Nar I制限消化から単離した。単離したDNA断片を、Sca I、Nar I制限消化したF9HZLC1−3(配列番号:77)ベクターに連結した。F9HZLC 3−0インサートの配列は配列番号:98および99に示す。
ヒト化抗−第IX因子 mAbはCHO細胞内で発現された。血漿−フリー培地中での懸濁生育に採用されたDG−44細胞系は、250mlの使い捨ての滅菌エーレンマイヤーフラスコ(コーニング(Coring))内で1xヌクレオシドおよび0.05%F68を含むタンパク質−フリー培地 100ml中、イノーバ2100(Innova 2100)プラットフォーム・シェイカー(ニュー・ブランズウィック・サイエンティフィック(New Brunswick Scientific))で150rpm、37℃にて5%CO2、95%空気湿潤インキュベーターで生育した。これら細胞を4x105細胞/mlで週に二回、移し変えた。pCN−Lc−L鎖およびpCD−Hc−H鎖ベクター各15ugをNot I消化により直鎖化し、滅菌条件下共沈殿させ、1X TE緩衝液(10mM トリス、1mM EDTA、pH7.5)50ulに再懸濁した。バイオ−ラッド・ジーン・パルサー(Bio−Rad Gene Pulser)(バイオ−ラッド・ラボラトリーズ(Bio−Rad Laboratories)を用い、Hensleyら.,J.Biol.Chem.269,23949−23958(1994)の方法を用いてDNAをAcc−098細胞内へエレクトロポレートした。1.2X107細胞を氷冷ピービースクロース(PBSucrose)(PBS、272mM スクロース、7mMリン酸ナトリウム pH7.4、1mM MgCl2)で一度洗浄し、PBS 0.8mlに再懸濁し、DNA溶液50ulに添加し、氷上15分間インキュベートした。細胞は380V、25マイクロファラッドでパルスし、次いで氷上で10分間インキュベートした。選択に先立ち、24時間保持培地中に5x10細胞/プレートで細胞を96穴培養プレートに平板化した。保持培地中、細胞を400ug/ml G418(ゲネチシン、ライフ・テクノロジーズ、インク(Life Technologies,Inc))耐性につき選択した。アッセイ前24時間、細胞を保持培地150ulで生育させた。
個々のコロニーからの調整培地をオリゲン・アナライザー(Origen analyzer)(アイ・ジー・イー・エヌ、インク(IGEN,Inc.))でエレクトロケミルミネセンス(ECL)検出法を用いてアッセイした。Yangら.,Biotechnology 12,193−194(1994) を参照されたい。
アッセイを行い(アッセイ緩衝液)、アナライザーを操作する(細胞クリーナー)に必要なあらゆる溶液は、アイ・ジー・イー・エヌ(IGEN)から得た。抗体(抗−ヒトIgG(g−鎖特異的)、シグマ・ケミカルズ(Signa Chemicals)およびF(ab’)、ヒトIgG(H+L)に対するF(ab’)断片、カーケガード・アンド・ペリー・ラボラトリーズ・インク(Kirkegaard&Perry Labboratories Inc.))をTAG:タンパク質 7:1モル比にてTAG−NHS−エステル(アイ・ジー・イー・エヌ(IGEN))で標識したが、一方タンパク質A(シグマ(Sigma))をビオチン:タンパク質、20:1のモル比にてビオチン−LC−スルフォ−NHS−エステル(アイ・ジー・イー・エヌ、インク(IGEN,Inc.))で標識した。両方法ともアイ・ジー・イー・エヌ(IGEN)の推奨によった。ステプタビジン−コートしたマグネチックビーズ(M−280)はダイナル(Dynal)から得た。
イムノアッセイは以下のプロトコルで行った:試料につき、ステプタビジン−コートビーズ50ul(PBSで希釈した最終濃度600ug/ml、pH7.8、1.25%Tween)を、ビオチン−タンパク質A(PBSで希釈した最終濃度1ug/ml、pH7.8、1.25%Tween)と混合し、室温にて撹拌しながら15分間インキュベートし、TAG抗体50ul(1.25%Tweenと、PBSで希釈した最終濃度1.25ug/mlのヒトIgG(H+L)に対するF(ab’)断片および0.25ug/mlの抗−ヒトIgG(g−鎖特異的))を添加し、次いで、溶液を調整培地50ulに添加し、室温にて撹拌しながら1時間インキュベートした。アッセイ緩衝液200ulを反応混合物に添加し、試料をオリゲンI(Origen I)アナライザーで分析しECLを測定した。結果、アッセイしたコロニーの約20−37%が15ng/mlを越える抗体を分泌し、平均発現は約150ng/mlであることが示された。
プロセップA(Procep A)捕獲段階、続きDNA荷重を減じるイオン−交換クロマトグラフィーを用いてヒト化抗−第IX因子mAbを調整培地から精製した。プロセップA(Procep A)ソーベント物質(イギリス、ダラム、バイオプロセシング・エルティーディー(Bioprocessing Ltd.,Durham,England))を用い、直径対高さ比1:1のカラムを調製した。澄んだ調整培地を約150cm/時間でカラムにロードした。カラムを連続的にリン酸緩衝セーライン(PBS)、1M NaClを含むPBS、最終的にはPBSで洗浄した。結合した物質は0.1M酢酸溶液で回収した。溶出液をpH5.5に調整し、水で(1:4)希釈した。希釈溶液を20mM 酢酸ナトリウム、pH5.5、80cm/時間であらかじめ平衡化したS−セファロースカラム(2.5x13cm)にロードした。安定したベースラインが得られるまで、カラムを酢酸緩衝液で洗浄し、結合タンパク質が20mM リン酸ナトリウム、pH7.4、25cm/時間で溶出した。溶出した物質を0.4ミクロンメンブレンで濾過し4℃にて貯蔵した。
マウス−ヒトキメラ抗体
製造者説明書(ボーアリンガー・マンハイム(Boehringer Mannheim)カタログ番号1483−188)により、プライマーとしてdTオリゴを用いてRT−PCRキットでBC2RNA 100ngを逆転写し、合成Sca I(配列番号:100)およびNar I(配列番号:101)プライマーでPCR増幅し、Sca 1、Nar 1末端を有するBC2L鎖可変領域(配列番号102および103)を生産した。DNAをSca I、Nar I消化したF9HZHC1−3(配列番号77)に連結し、Sca I、Nar Iで消化しマウス−ヒトキメラL鎖F9CHLC(配列番号:104および105)が生じた。
製造者説明書(ボーアリンガー・マンハイム(Boehrnger Mnnheim)カタログ番号1483−188)により、プライマーとしてdTオリゴを用いてRT−PCRキットでBC2RNA 100ngを逆転写し、合成Spe I(配列番号:106)およびNhe I(配列番号:107)プライマーでPCR増幅し、Spe I、Nhe I末端を有するBC2 H鎖可変領域(配列番号:108および109)を生産した。キャンパスシグナル配列をEco RI(配列番号26)およびSpe I(配列番号87)プライマーでRSVHZ19H鎖(配列番号:25)からPCR増幅した。これら2個のDNA断片をEco RI、Nhe I消化した公開された国際出願第95/07301号に記載のIL4CHHCpcdベクターに連結し、IL4可変領域をBC2第IX因子マウス可変領域に置き換え、マウス−ヒトキメラH鎖F9CHHC(配列番号:110および111)が生じた。
マウス−ヒトキメラ抗体chαFIXのコトランスフェクションおよび精製はヒト化構築物につき上記に記載のごとく行われた。
ラット血栓モデルにおけるヒト化第IX因子mAbの能力
動脈血栓の阻害においてヒト化抗−第IX因子抗体の能力を評価するために、実施例3に記載のラット冠動脈血栓モデルを用いた。冠動脈血流、動脈圧、心拍数、管開存性および活性化部分トロンボプラスチン時間(aPTT)につきベースラインパラメーターを確立した。15分後、冠動脈傷害を10分間行った。冠動脈傷害を始めた後60分パラメーターを測定した。冠動脈血栓もまた、冠動脈から抽出し重さを量った。
あらゆる試薬は冠動脈傷害を始める15分前に静脈内に投与した。抗−第IX因子 mAb BC2に対する以下の処理を調査、比較した。
1.担体
2.chαFIX:3mg/kg ボーラス
3.SB 249413:3mg/kg ボーラス
4.SB 249415:3mg/kg ボーラス
5.SB 249416:3mg/kg ボーラス
6.SB 249417:3mg/kg ボーラス
7.SB 257731:3mg/kg ボーラス
8.ヘパリン:60単位/kg ボーラス+2単位/kg/分注入
研究に用いた抗−凝固剤/血栓剤の能力対出血傾向の評価の一次的判断基準としてaPTTが用いられた。図8の結果は、ヒト化第IX因子 mAb SB 249413、SB 249415、SB 249416、SB249417およびSB 257731が臨床的に許容される範囲内である3.0mg/kgでaPTTに適度な効果を有することを示す。
第IX因子mAbの血栓質量に対する効果を図9に示す。結果は全てのヒト化mAbが血栓質量を減じるに等しく効果的であることを示す。
ラット冠動脈血栓モデルにおいて行われた研究によ利明らかに高度にトロンボゲン形成の冠動脈傷害モデルにおける血栓阻害におけるヒト化第IX因子mAbの能力が示された。とりわけ、全てのヒト化第IX因子mAbの能力がaPTTに定義される所望の治療抗凝固標的内に示された。
抗体の生化学的および生物物理学的性質
SB249417の分子量はMALD−MSにより148,000Daと測定された。SB249417の分析学的超遠心は同一の値であった。第IX因子プラスCa2+の存在下では、BC2由来抗体はmAbおよび因子IXの2個の分子の組み合わされた質量に対応する248,000Daの質量で沈降した。第IX因子の存在または不存在でも、高度の凝集の証拠は観察されなかった。
SB249417に結合する第IX因子の動力学は、固定したタンパク質A表面に結合した抗体でのバイアコア(BIAcore)分析により評価される。49nMにおける組み換えヒト第IX因子(rhFIX、ジェニティクス・インスティテュート(Genetics Institute))が用いられ、5mMCa2+存在下で測定を行った。相互作用は、速い会合により特徴付けられ、kass=2.0x10−1−1、比較的ゆっくりなオフレート、kdiss=4.1x10−4−1であった。第IX因子結合につき算出されたKdは1.9nMであった。
表1にSB249417の生物物理学的性質を要約する。
表1
B249417の生物物理学的性質の概要
Figure 2007325602
表2には本発明のmAbの因子IX結合性質を要約する。算出された解離定数は、実験誤差内で本質的に同一であった。
表2
抗−第IX因子mAbに対する第IX因子結合の動力学
Figure 2007325602
rhFIXおよびSB249417間、BC2および他のヒト化構築物間の相互作用は、結合の固有熱からの溶液内での結合相互作用を測定するティトレーション・マイクロカロリーメトリーにより特徴付けられる。106uM FIXの9回の注射が2uM mAb SB249417を含むカロリーメーターへなされた。最初の4回の注射は発熱として結合が検出された。最後の5回の注射では、mAbの結合部位がFIXで飽和し、バックグラウンドの混合熱が観測された。結果は、期待されたとおり、モル結合比2付近FIX対mAbで平衡点となることを示した。データのノンリニア・リースト・スクエア・アナリシス(nonlenear least squares analysis)により結合親和性が算出された。
mAbのrhFIX親和性は、10mM HEPES、10mM CaCl、150mM NaCl、pH7.4中に、34−44℃の温度範囲にわたり測定された。これらデータは37℃における親和性は直接測定され、25℃における親和性はファント・ホッフ(van’t Hoff)式から算出された。表3のデータは、SB249417、BC2およびその他のヒト化構築物の親和性が誤差範囲内(2の因子)で同じであることを示す。
表3
抗−FIXmAbのティトレーションカロリーメトリー結果
Figure 2007325602
mAb SB249413、SB249415、SB249417およびSB257732は全て、示差走査熱量計により非常に類似した熱安定性を示した。それらの折り畳まれていないTmsは70−75℃の範囲であり、熱誘導変性に対し高い安定性を示した。
第IX因子の抗体−介在阻害機構
相同性のあるタンパク質第VII因子の骨格に第IX因子をスプライスした配列から成るキメラ構築物のライブラリーを構築し、第IX因子BC2mAbのエピトープをマッピングするに用いた。Cheungら.,Thromb.Res.80,419−427(1995)を参照されたい。バイアコア(BiaCore)2000表面プラスモン共鳴デバイスを用いて、結合を測定した。BC2抗体はNHS/EDC反応を用いてチップと直接カップリングさせた。接触時間2分、25mM MOPS、pH7.4、0.15M NaCl、5mM CaCl中の200nMの各構築物で結合を測定した。タンパク質の含まれない同一の緩衝液を用いて3分間解離をモニターした。50mM EDTA存在下、野生型の構築物では結合は検出されなかった。データを表4に示す。
表4
BC2抗体に対する第IX因子構築物の結合の概要
Figure 2007325602
これらデータは第IX因子 L鎖および第VII因子 H鎖(IX LC/VII HC);第IX因子glaおよび芳香族スタックドメイン(IX−A/VII);第VII因子glaドメイン内の第IX因子glaドメインの残基3−11(VII gla(IX3−11)/IX);および残基5でリジンからアラニンへの置換を有する第IX因子(IX K5A)を含む構築物はBC2との結合を表すことを示す。VII gla(IX 3−11)/IX構築物は野生型第IX因子(血漿IXaおよびr−IX)と等価なBC2結合を表した。従って、BC2抗体は第IX因子glaドメインの残基3−11内に含まれたエピトープと結合する。
本発明は、その精神または本質的な特性から離れることなしに他の具体的形態に具体化でき、従って、本発明の範囲を示す前記の明細書よりも後記の請求の範囲を参照するべきである。
ネズミ抗−第IX因子mAb BC1およびBC2での正常なヒト血漿の力価を測定する実験結果のグラフである。 ネズミ抗−第IX因子mAb 9E4(2)F4および11G4(1)B9での正常なヒト血漿の力価を測定する実験結果のグラフである。 ネズミ抗−第X因子mAb HFXHCおよびHFXLCおよびネズミ抗−第XI因子mAb HFXIでの正常なヒト血漿の力価を測定する実験結果のグラフである。 ラット冠動脈血栓モデルにおける60分での活性化部分トロンボプラスチン時間(aPTT)に対するヘパリン、アセチルサリチル酸およびネズミ第IX因子mabの効果を測定する実験結果のヒストグラムである。 ラット冠動脈血栓モデルにおける60分でのプロトロンビン時間に対する、ヘパリン、アセチルサリチル酸、およびネズミ第IX因子 mabの効果を測定する実験結果のヒストグラムである。 ラット冠動脈血栓モデルにおける冠動脈血流の閉塞に対するヘパリン、アセチルサリチル酸およびネズミ第IX因子mabの効果を測定する実験結果のヒストグラムである。 ラット冠動脈血栓モデルにおける血栓重量に対するヘパリン、アセチルサリチル酸およびネズミ第IX因子mabの効果を測定する実験結果のヒストグラムである。 ラット冠動脈血栓モデルにおける60分でのaPTTに対する、ヘパリン、ネズミ第IX因子mab BC2、キメラ第IX因子 mab およびヒト化第IX因子 mAbの効果を測定する実験結果のヒストグラムである。 ラット冠動脈血栓モデルにおける血栓重量に対するヘパリン、ネズミ第IX因子mab BC2、キメラ第IX因子mabおよびヒト化第IX因子mAbの効果を測定する実験結果のヒストグラムである。

Claims (4)

  1. 免疫グロブリンH鎖相補性決定領域、配列番号:8、9および10よりなる群より選択されるアミノ酸配列。
  2. 請求項1記載の免疫グロブリン相補性決定領域をコードする核酸分子。
  3. 免疫グロブリンL鎖相補性決定領域、配列番号:12、13および14からなる群より選択されるアミノ酸配列。
  4. 請求項3記載の免疫グロブリン相補性決定領域をコードする核酸分子。
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