JP2007325357A - ワイヤーハーネス用保護シートおよびワイヤーハーネスの保護構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】保護特性を維持しながら柔軟に曲げることが可能で装着性に優れたワイヤーハーネス用保護シートを提供する。
【解決手段】肉厚一定の平坦なシート基材10の表面に直線状の溝2aを設けることで通常肉厚よりも薄い薄肉部2を形成し、通常肉厚を有する厚肉部1と溝2aの形成による薄肉部2を交互に配置した。
【選択図】図2
【解決手段】肉厚一定の平坦なシート基材10の表面に直線状の溝2aを設けることで通常肉厚よりも薄い薄肉部2を形成し、通常肉厚を有する厚肉部1と溝2aの形成による薄肉部2を交互に配置した。
【選択図】図2
Description
本発明は、ワイヤーハーネスの外周に巻き付けることでワイヤーハーネスを保護するワイヤーハーネス用保護シート、および、ワイヤーハーネスの保護構造に関するものである。
図18は従来のワイヤーハーネス用保護シートを示す(例えば、特許文献1参照)。この保護シートは、矩形の平坦なシート材101の一方の側縁部に接着部102を設け、図19に示すように、ワイヤーハーネスWの外周に巻き付けながら、接着部102に他端縁を被せることで、ワイヤーハーネスWを保護するものである。
特開昭58−81990号公報
ところで、自動車用のワイヤーハーネスを保護する場合、耐摩耗性等を考慮して、保護シートの肉厚を厚くする必要があるが、上記従来例のシート材101のように、全面が均一の厚みのシートであると、厚さを増やした場合、柔軟性に欠けるため、ワイヤーハーネスの外周に巻き付けにくいという問題があった。また、図20に示すように、ワイヤーハーネスWの外周に装着して軸線方向に曲げると、折れ曲がってシワができてしまい、きれいに曲がらないという問題があった。
これを改善するには、シート材101を軟質化、弾性化、あるいは薄肉化することが有効であるが、そうすると、外装材としての保護特性が低下してしまうという相反する問題があった。
本発明は、上記事情を考慮し、保護特性を維持しながら柔軟に曲げることが可能で装着性に優れたワイヤーハーネス用保護シート、および、該保護シートを用いたワイヤーハーネスの保護構造を提供することを目的とする。
請求項1の発明のワイヤーハーネス用保護シートは、肉厚一定の平坦なシート基材の表面に直線状の凹所を設けることで通常肉厚よりも薄い薄肉部を形成し、通常肉厚を有する厚肉部と前記凹所の形成による薄肉部とを交互に配置したことを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1に記載のワイヤーハーネス用保護シートであって、前記凹所として、前記厚肉部の幅よりも狭い幅を有し、且つ、矩形、台形、三角形、半円形等の断面形状を有する溝を、前記シート基材の表面に形成したことを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1または2に記載のワイヤーハーネス用保護シートであって、前記シート基材をワイヤーハーネスの外周に巻き付ける方向をX方向、それと直交する方向をY方向とした場合、前記凹所を、X方向に所定の間隔でY方向に略平行に形成したことを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項1または2に記載のワイヤーハーネス用保護シートであって、前記シート基材をワイヤーハーネスの外周に巻き付ける方向をX方向、それと直交する方向をY方向とした場合、前記凹所を、Y方向に所定の間隔でX方向に略平行に形成したことを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項3または4に記載のワイヤーハーネス用保護シートであって、前記凹所を前記シート基材の片面のみに形成し、他の片面は平坦面として残したことを特徴とする。
請求項6の発明は、請求項3または4に記載のワイヤーハーネス用保護シートであって、前記凹所を前記シート基材の両面に形成し、両面の凹所の位置を合致させたことを特徴とする。
請求項7の発明は、請求項3または4に記載のワイヤーハーネス用保護シートであって、前記凹所を前記シート基材の両面に形成し、両面の凹所の位置を交互にずらしたことを特徴とする。
請求項8の発明は、請求項1または2に記載のワイヤーハーネス用保護シートであって、前記シート基材をワイヤーハーネスの外周に巻き付ける方向をX方向、それと直交する方向をY方向とした場合、前記凹所として、第1の凹所を、X方向に所定の間隔でY方向に略平行に形成し、第2の凹所を、Y方向に所定の間隔でX方向に略平行に形成したことを特徴とする。
請求項9の発明は、請求項8に記載のワイヤーハーネス用保護シートであって、前記第1の凹所と第2の凹所を前記シート基材の片面のみに形成し、他の片面は平坦面として残したことを特徴とする。
請求項10の発明は、請求項8に記載のワイヤーハーネス用保護シートであって、前記第1の凹所を前記シート基材の片面に形成し、前記第2の凹所を前記シート基材の他の片面に形成したことを特徴とする。
請求項11の発明は、請求項8に記載のワイヤーハーネス用保護シートであって、前記第1の凹所と第2の凹所の両方を前記シート基材の片面に形成し、他の片面には、前記第1の凹所または第2の凹所の少なくとも一方を形成したことを特徴とする。
請求項12の発明は、請求項11に記載のワイヤーハーネス用保護シートであって、前記シート基材の両面の同じ方向に延びる凹所の位置が合致していることを特徴とする。
請求項13の発明は、請求項11に記載のワイヤーハーネス用保護シートであって、前記シート基材の両面の同じ方向に延びる凹所の位置がずれている(例えば、交互にずれている)ことを特徴とする。
請求項14の発明は、請求項8に記載のワイヤーハーネス用保護シートであって、前記第1の凹所と第2の凹所の両方を前記シート基材の片面に形成し、前記厚肉部を所定形状(例えば、平面視略円形状)に形成することで、その周囲を全て前記薄肉部としたことを特徴とする。
請求項15の発明のワイヤーハーネスの保護構造は、請求項1〜14のいずれか1項に記載のワイヤーハーネス用保護シートをワイヤーハーネスの外周に巻き付けてなることを特徴とする。
請求項1の発明によれば、通常肉厚を有する厚肉部を所定の厚みに設定することにより、必要な耐摩耗性を確保しながら、剛性の低くなった薄肉部により、曲げやすさを確保することができる。そして、薄肉部が厚肉部と交互に配置されていることにより、ワイヤーハーネスへの巻き付け性や曲げ性を向上させることができる。
請求項2の発明によれば、凹所として厚肉部の幅より幅の狭い溝を設けたので、厚肉部の面積を広く確保することができる。従って、幅の狭い溝により局部的に柔軟な屈曲性を発揮しながら、耐摩耗性を十分に高めることができる。また、粘着テープで止める場合に、厚肉部の表面に粘着テープによる被着面を広く確保することができるので、粘着材による固定力の向上が図れる。
請求項3の発明によれば、曲げやすい薄肉部が、ワイヤーハーネスの軸線方向に沿って存在することになるので、ワイヤーハーネスの外周面に沿って保護シートを巻き付けやすくなる。
請求項4の発明によれば、曲げやすい薄肉部が、ワイヤーハーネスの軸線方向と直交する方向に間隔的に存在することになるので、保護シートを巻き付けた状態でワイヤーハーネスを軸線方向に曲げやすくなる。また、ワイヤーハーネスの均一曲げが可能になり、保護シートにシワが生じなくなる。
請求項5の発明によれば、シート基材の片面のみに凹所を形成し、他の片面は平坦面として残したので、ワイヤーハーネスの外周に巻き付ける時に、凹凸のある面とない面を自由に使い分けることができる。
請求項6の発明によれば、凹所をシート基材の両面に形成し、両面の凹所の位置を合致させたので、薄肉部の曲げやすさを増すことができる。また、表面を内側にして巻き付ける場合と、裏面を内側にして巻き付ける場合とで、均等な曲げやすさを持たせることができる。また、同じ曲げやすさを確保する場合でも、片面の凹所の深さを減らすことも可能である。
請求項7の発明によれば、凹所をシート基材の両面に形成し、両面の凹所の位置を交互にずらしたので、全体の曲げやすさを同じくする場合、片面の凹所の本数を減らすことができる。
請求項8の発明によれば、ワイヤーハーネスの外周に巻き付けやすくするY方向に沿った凹所と、巻き付けた状態でワイヤーハーネスを曲げやすくするX方向に沿った凹所を同時に設けたので、ワイヤーハーネスへの巻き付けやすさと、巻き付けた状態でのワイヤーハーネスの曲げやすさの両方を同時に満足することができる。
請求項9の発明によれば、シート基材の片面のみに凹所を形成し、他の片面は平坦面として残したので、ワイヤーハーネスの外周に巻き付ける時に、凹凸のある面とない面を自由に使い分けることができる。
請求項10の発明によれば、ワイヤーハーネスの外周に巻き付けやすくするY方向に沿った凹所と、巻き付けた状態でワイヤーハーネスを曲げやすくするX方向に沿った凹所を1枚のシート基材に同時に設けたので、ワイヤーハーネスへの巻き付けやすさと、巻き付けた状態でのワイヤーハーネスの曲げやすさの両方を同時に満足することができる。また、各面に別方向に延びる凹所を設けたので、どちらを内側にしてワイヤーハーネスに巻き付けるかによって、曲がりやすさの方向性に違いを持たせることもできる。
請求項11の発明によれば、凹所をシート基材の両面に形成したので、曲げやすさを増すことができる。また、表面を内側にして巻き付ける場合と、裏面を内側にして巻き付ける場合とで、できるだけ均等な曲げやすさを持たせることができる。また、同じ曲げやすさを確保する場合、片面の凹所の深さを減らすことができる。
請求項12の発明によれば、凹所をシート基材の両面に形成し、両面の凹所の位置を合致させたので、薄肉部の曲げやすさを増すことができる。また、表面を内側にして巻き付ける場合と、裏面を内側にして巻き付ける場合とで、均等な曲げやすさを持たせることができる。また、同じ曲げやすさを確保する場合でも、片面の凹所の深さを減らすことができる。
請求項13の発明によれば、凹所をシート基材の両面に形成し、両面の凹所の位置をずらした(例えば、交互にずらした)ので、全体の曲げやすさを同じくする場合、片面の凹所の本数を減らすることができる。
請求項14の発明によれば、厚肉部を所定形状(例えば、平面視略円形)に形成し、その周囲を全て薄肉部としたので、色々な方向への曲げやすさを確保することができる。なお、X方向、Y方向に沿った凹所は、最低の幅を有した直線部さえ確保してあれば、幅の大きさが変化していても、十分な曲げ性を確保することができる。
請求項15の発明によれば、耐摩耗性と曲げやすさを確保しながら、ワイヤーハーネスを保護することができる。
以下、本発明の各実施形態を図面を参照しながら説明する。
<第1実施形態>
図1は第1実施形態の保護シート10Aの平面図、図2は図1のII−II矢視断面図、図3は同保護シート10AをワイヤーハーネスWの外周に巻き付けている状態を示す横断面図である。
図1は第1実施形態の保護シート10Aの平面図、図2は図1のII−II矢視断面図、図3は同保護シート10AをワイヤーハーネスWの外周に巻き付けている状態を示す横断面図である。
図1、図2に示すように、この保護シート10Aは、肉厚一定の両面平坦な樹脂製のシート基材10の表面に、直線状の凹所として一定幅の溝2aを設けることで、通常肉厚よりも薄い薄肉部2を局部的に形成し、通常肉厚を有する厚肉部1と、溝2aの形成による薄肉部2とを交互に配置したものである。溝2aの幅は厚肉部1の幅より狭く、本実施形態での断面形状は矩形である。
ここで、シート基材10をワイヤーハーネスWの外周に巻き付ける方向をX方向、それと直交する方向(ワイヤーハーネスWの軸線方向と平行な方向)をY方向とした場合、凹所である溝2aは、X方向に所定の間隔で、Y方向に略平行に形成されている。従って、この保護シート10Aでは、厚肉部1と薄肉部2が、X方向に交互に並んでいる。また、溝2aは、シート基材10の片面のみに形成され、他の片面は平坦面として残されている。
このように構成された保護シートによれば、通常肉厚を有する厚肉部1を所定の厚みに設定することにより、必要な耐摩耗性を確保しながら、剛性の低くなった薄肉部2により、曲げやすさを確保することができる。そして、薄肉部2が厚肉部1と交互に配置され、曲げやすい薄肉部2が、ワイヤーハーネスWの軸線方向に沿って存在することになるので、図3に示すように、ワイヤーハーネスWの外周面に沿って保護シート10Aを巻き付けやすくなり、ワイヤーハーネスWへの巻き付け性を向上させることができる。
特に、厚肉部1の幅よりも幅の狭い溝2aを設けることで薄肉部2を形成しているので、厚肉部1の面積を広く確保することができ、幅狭の溝2aにより局部的に柔軟な屈曲性を発揮しながら、耐摩耗性を十分に高めることが可能である。また、粘着テープで止める場合に、厚肉部1の表面に粘着テープによる被着面を広く確保することができるので、粘着材による固定力の向上を図ることもできる。
また、溝2aはシート基材10の片面のみに形成し、他の片面は平坦面として残してあるので、ワイヤーハーネスWの外周に巻き付ける時に、凹凸のある面とない面を自由に使い分けることができる。
<第2実施形態>
図4は第2実施形態の保護シート10Bの平面図、図5は同保護シート10BをワイヤーハーネスWの外周に巻き付けた状態を示す外観図およびその部分拡大図である。
図4は第2実施形態の保護シート10Bの平面図、図5は同保護シート10BをワイヤーハーネスWの外周に巻き付けた状態を示す外観図およびその部分拡大図である。
前記第1実施形態では、溝2aを、X方向に所定の間隔で、Y方向に略平行に形成していたが、本第2実施形態の保護シート10Bでは、溝2aを、Y方向に所定の間隔で、X方向に略平行に形成している。異なる点はこれだけである。
従って、この保護シート10Bでは、厚肉部1と薄肉部2が、Y方向に交互に並んでいる。溝2aを設けた部分の断面(図4中のII−II矢視断面)は図2と全く一緒である。
この場合も、厚肉部1を所定の厚みに設定することにより、必要な耐摩耗性を確保しながら、剛性の低くなった薄肉部2により、曲げやすさを確保することができる。特に、この保護シート10Bの場合は、図5に示すように、曲げやすい薄肉部2が、ワイヤーハーネスWの軸線方向と直交する方向に間隔的に存在することになるので、保護シート10Bを巻き付けた状態でワイヤーハーネスWを軸線方向に曲げやすくなる。また、ワイヤーハーネスWの均一曲げが可能になり、保護シート10Bにシワが生じなくなる。その他の効果は第1実施形態と同様である。
<第3実施形態>
図6は第3実施形態の保護シート10Cの平面図である。
図6は第3実施形態の保護シート10Cの平面図である。
前記第1実施形態および第2実施形態では、シート基材10の表面の溝2aを、Y方向またはX方向に沿って形成した場合を示したが、本第3実施形態の保護シート10Cでは、溝2aを、シート基材10の片面上に、X方向とY方向に格子状に形成している。従って、厚肉部1と薄肉部2は、X方向に沿って交互に並ぶと共に、Y方向に沿っても交互に並んでいる。
このように、ワイヤーハーネスWの外周に巻き付けやすくするY方向に沿った溝2a(第1実施形態における溝)と、巻き付けた状態でワイヤーハーネスWを曲げやすくするX方向に沿った溝2a(第2実施形態における溝)を同時に設けた場合、ワイヤーハーネスWへの巻き付けやすさと、巻き付けた状態でのワイヤーハーネスの曲げやすさの両方を同時に満足することができる。
なお、Y方向に沿った溝2a(第1実施形態における溝)をシート基材10の片面に設け、X方向に沿った溝2a(第2実施形態における溝)を他の片面に設けることでも、厚肉部1と薄肉部2を、X方向およびY方向に沿って交互に並べることができるので、同様の効果を得ることができる。
但し、各面に別方向に延びる溝2aが存在することにより、どちらを内側にしてワイヤーハーネスWに巻き付けるかによって、曲がりやすさの方向性に違いが出る可能性がある。
<第4実施形態>
図7は第4実施形態の保護シート10Dの断面図である。
図7は第4実施形態の保護シート10Dの断面図である。
この実施形態の保護シート10Dでは、シート基材10の両面に、同じ方向に沿った溝2aを設けている。しかも、両面の溝2aの位置を互いに合致させている。両面に形成する溝2aの方向は、X方向でもY方向でもよいし、X方向とY方向の両方(格子状)でもよい。また、片面にX方向とY方向の両方の溝2aを格子状に設けると共に、他の片面にX方向またはY方向の一方向の溝2aを設けてもよい。
このように、溝2aをシート基材10の両面に形成し、両面の溝2aの位置を合致させた場合、薄肉部2の曲げやすさを倍加することができる。また、表面を内側にして巻き付ける場合と、裏面を内側にして巻き付ける場合とで、均等な曲げやすさを持たせることができる。また、同じ曲げやすさを確保する場合でも、片面の溝2aの深さを減らすことも可能である。
<第5実施形態>
図8は第5実施形態の保護シート10Eの平面図、図9は図8のIX−IX矢視断面図である。
図8は第5実施形態の保護シート10Eの平面図、図9は図8のIX−IX矢視断面図である。
この実施形態の保護シート10Eは、第1実施形態の変形例であり、シート基材10の両面に、X方向に所定の間隔で、Y方向に略平行な溝2aを設け、両面の溝2aの位置を交互に半ピッチずらしたものである。
このように、溝2aをシート基材10の両面に形成し、両面の溝2aの位置を交互にずらした場合、全体の曲げやすさを同じくする場合に、片面の溝2aの本数を減らすことができる。その他の効果は第1実施形態と同様である。
なお、この第5実施形態では、両面の溝2aの位置を交互に半ピッチずらしたが、必ずしも交互である必要はない。
<第6実施形態>
図10は第6実施形態の保護シート10Fの平面図である。図10のIX−IX矢視断面は、図9と同様である。
図10は第6実施形態の保護シート10Fの平面図である。図10のIX−IX矢視断面は、図9と同様である。
この実施形態の保護シート10Fは、第2実施形態の変形例であり、シート基材10の両面に、Y方向に所定の間隔で、X方向に略平行な溝2aを設け、両面の溝2aの位置を交互に半ピッチずらしたものである。
この場合の、溝2aをシート基材10の両面に形成し、両面の溝2aの位置を交互にずらしたことによる効果は、第5実施形態と同様であり、その他の効果は第2実施形態と同様である。
<第7実施形態>
図11は第7実施形態の保護シート10Gの平面図である。
図11は第7実施形態の保護シート10Gの平面図である。
この実施形態の保護シート10Gは、第3実施形態の変形例であり、シート基材10の両面に、X・Y方向に沿った格子孔の溝2aを設け、両面の溝2aの位置を交互に半ピッチずらしたものである。
この場合の、溝2aをシート基材10の両面に形成し、両面の溝2aの位置を交互にずらしたことによる効果は、第5実施形態と同様であり、その他の効果は第3実施形態と同様である。
なお、この第7実施形態では、両面に格子状に溝2aを設ける場合を示したが、どちらか片面は、X方向またはY方向の一方向の溝2aを設けるようにしてもよい。
図12は薄肉部を形成する溝の変形例を示している。
上記の各実施形態では、溝2aの断面形状が矩形である場合を示したが、図12に示すように、矩形の溝以外に、(a)のように断面三角形の溝2b、(b)のように断面台形の溝2c、(c)のように断面半円形の溝2dを設けてもよい。溝の断面形状や寸法を変えることによって、曲げやすさを変えることも可能である。
<第8実施形態>
図13は第8実施形態の保護シート10Hの斜視図、図14は平面図である。
図13は第8実施形態の保護シート10Hの斜視図、図14は平面図である。
この実施形態の保護シート10Hは、第3実施形態の変形例であり、シート基材10の片面上に、X方向とY方向に沿って平面視略円形状の厚肉部1を配列し、その周囲を全て、凹所12によって形成される薄肉部2としたものである。
この保護シート10Hにおいては、Y方向に沿ってH1の幅で凹所12が溝状に連続して直線的に延び、またX方向に沿ってH2の幅で凹所12が溝状に連続して直線的に延びており、それらの幅H1、H2が、シート基材10の屈曲性を確保する上で必要な最低の幅以上に確保されているので、第3実施形態のように、格子状に溝を設けることで薄肉部2を形成した場合と同等の十分な曲げ性を確保することができる。特に、厚肉部1が円形になっており、その周囲が全て薄肉部2となっているので、色々な方向への曲げやすさを確保することも可能である。
なお、この第8実施形態では、シート基材10の片面に凹所12を設けることで、円形の厚肉部1を確保しているが、他の片面にも同様の凹所12を形成して、円形の厚肉部1を形成してもよい。その場合、凹所12の位置を両面で合致させてもよいし、ずらしてもよい。また、この第8実施形態では、厚肉部1が円形になっているが、円形ではなく、例えば菱形や楕円などの他の形状でも良い。
図15は第1実施形態(または第2実施形態)の保護シート10A(10B)をワイヤーハーネスWに巻き付けて両面粘着テープ8で止めた場合を示す断面図である。
このように両面粘着テープ8で保護シート10Aの端部を止める場合、粘着テープ8を保護シート10Aの表面と裏面に付着させることになるが、図16に示すように、片面だけに溝2aがある保護シート10Aを用いる場合は、溝2aのある側の表面に対する粘着テープ8の付着面積と、溝2aのない側の表面に対する粘着テープ8の付着面積に差が出る。このような差があると、付着面積の小さい側の粘着面が剥がれやすくなるおそれがある。
その点、図17に示すように、両面に溝2aを形成した保護シート10E(10F)を使用すれば、粘着テープ8の付着面積を表面と裏面で均一にすることができるので、剥がれやすさに差が出ないようにすることができる。
1 厚肉部
2 薄肉部
2a 溝(凹所)
10 シート基材
10A〜10H 保護シート
12 凹所
W ワイヤーハーネス
2 薄肉部
2a 溝(凹所)
10 シート基材
10A〜10H 保護シート
12 凹所
W ワイヤーハーネス
Claims (15)
- 肉厚一定の平坦なシート基材の表面に直線状の凹所を設けることで通常肉厚よりも薄い薄肉部を形成し、通常肉厚を有する厚肉部と前記凹所の形成による薄肉部とを交互に配置したことを特徴とするワイヤーハーネス用保護シート。
- 請求項1に記載のワイヤーハーネス用保護シートであって、
前記凹所として、前記厚肉部の幅よりも狭い幅を有し、且つ、矩形、台形、三角形、半円形等の断面形状を有する溝を、前記シート基材の表面に形成したことを特徴とするワイヤーハーネス用保護シート。 - 請求項1または2に記載のワイヤーハーネス用保護シートであって、
前記シート基材をワイヤーハーネスの外周に巻き付ける方向をX方向、それと直交する方向をY方向とした場合、前記凹所を、X方向に所定の間隔でY方向に略平行に形成したことを特徴とするワイヤーハーネス用保護シート。 - 請求項1または2に記載のワイヤーハーネス用保護シートであって、
前記シート基材をワイヤーハーネスの外周に巻き付ける方向をX方向、それと直交する方向をY方向とした場合、前記凹所を、Y方向に所定の間隔でX方向に略平行に形成したことを特徴とするワイヤーハーネス用保護シート。 - 請求項3または4に記載のワイヤーハーネス用保護シートであって、
前記凹所を前記シート基材の片面のみに形成し、他の片面は平坦面として残したことを特徴とするワイヤーハーネス用保護シート。 - 請求項3または4に記載のワイヤーハーネス用保護シートであって、
前記凹所を前記シート基材の両面に形成し、両面の凹所の位置を合致させたことを特徴とするワイヤーハーネス用保護シート。 - 請求項3または4に記載のワイヤーハーネス用保護シートであって、
前記凹所を前記シート基材の両面に形成し、両面の凹所の位置を交互にずらしたことを特徴とするワイヤーハーネス用保護シート。 - 請求項1または2に記載のワイヤーハーネス用保護シートであって、
前記シート基材をワイヤーハーネスの外周に巻き付ける方向をX方向、それと直交する方向をY方向とした場合、前記凹所として、第1の凹所を、X方向に所定の間隔でY方向に略平行に形成し、第2の凹所を、Y方向に所定の間隔でX方向に略平行に形成したことを特徴とするワイヤーハーネス用保護シート。 - 請求項8に記載のワイヤーハーネス用保護シートであって、
前記第1の凹所と第2の凹所を前記シート基材の片面のみに形成し、他の片面は平坦面として残したことを特徴とするワイヤーハーネス用保護シート。 - 請求項8に記載のワイヤーハーネス用保護シートであって、
前記第1の凹所を前記シート基材の片面に形成し、前記第2の凹所を前記シート基材の他の片面に形成したことを特徴とするワイヤーハーネス用保護シート。 - 請求項8に記載のワイヤーハーネス用保護シートであって、
前記第1の凹所と第2の凹所の両方を前記シート基材の片面に形成し、他の片面には、前記第1の凹所または第2の凹所の少なくとも一方を形成したことを特徴とするワイヤーハーネス用保護シート。 - 請求項11に記載のワイヤーハーネス用保護シートであって、
前記シート基材の両面の同じ方向に延びる凹所の位置が合致していることを特徴とするワイヤーハーネス用保護シート。 - 請求項11に記載のワイヤーハーネス用保護シートであって、
前記シート基材の両面の同じ方向に延びる凹所の位置がずれていることを特徴とするワイヤーハーネス用保護シート。 - 請求項8に記載のワイヤーハーネス用保護シートであって、
前記第1の凹所と第2の凹所の両方を前記シート基材の片面に形成し、前記厚肉部を所定形状に形成することで、その周囲を全て前記薄肉部としたことを特徴とするワイヤーハーネス用保護シート。 - 請求項1〜14のいずれか1項に記載のワイヤーハーネス用保護シートをワイヤーハーネスの外周に巻き付けてなることを特徴とするワイヤーハーネスの保護構造。
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Cited By (7)
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