JP2007319005A - アルコール発酵方法 - Google Patents

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エドモンド 荘司 小田部
Yasukuni Matsumoto
泰國 松本
Hidemi Hayashi
秀美 林
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Abstract

【課題】本発明の課題は、アルコール発酵工程を磁界の印加により効率的に制御する方法を提供することにある。
【解決手段】
日本酒等のアルコール発酵工程において、酵母に、0.5〜20Tの直流磁界、好ましくは0.5〜10Tの直流磁界を印加することを特徴とするアルコール発酵方法である。例えば、10Tの冷凍機冷却型超電導マグネット中で、麹汁に酵母を植えた溶液を、15℃で7日間アルコール発酵させて得られた日本酒は、磁場を印加しないものに比べ、酵母の数が少なく、グルコースの量が多く、アルコールの量は少なく、より甘いものであった。
【選択図】なし

Description

本発明は、日本酒等の酒類を製造するためのアルコール発酵の方法に関する。
アルコールは、アルコール発酵作用を有する酵母によって作られる。アルコール発酵とは、酵母が、グルコース等の糖類を分解しエチルアルコール(エタノール)と二酸化炭素を発生させることによりエネルギーを得る呼吸作用(反応)である。かかる反応は古くから知られ、各種のアルコール、例えば、日本酒の製造に利用されており、具体的には、日本酒は、米、米こうじ(酵母)、水を原料としたアルコール発酵により製造される。
ところで、酵母、細菌、カビ等の微生物を利用した各種の発酵に際し、発酵の促進又は抑制を行うために、反応系に磁界(磁場)を印加することが知られている。例えば、乳酸発酵に際して、乳酸菌の活性を増加させるために、超電導磁石で形成された磁場空間内で、9〜11T(テスラ)の静磁場を25〜35℃で印加する方法(特許文献1参照)、食酢の製造工程において、熟成期間の短縮のため、酢酸発酵の終了した原料に0.01〜10Tのパルス磁場を印加する方法(特許文献2参照)が提案されている。
特開2005−34040号公報 特開2005−117977号公報
また、酒や食品の品質を改善するために、製品に磁界や電界を作用させる方法(特許文献3参照)、あるいは、酒類を含む加工食品の製造工程において、酵素活性を制御するために、10μT〜100mTの交流磁界又は静磁界を印加する方法(特許文献4参照)、細胞増殖や酵素反応の活性を制御するために、培養槽の外側から2〜100mTの磁場を印加する方法(特許文献5参照)、更に、各種酵母に弱磁界を印加し、発酵時間の短縮や品質の向上を図る方法も提案されている(特許文献6参照)。しかし、特許文献3〜6の方法では、印加される磁界が小さいので、その効果が必ずしも十分には得られない。
特開2002−223743号公報 特開2005−218437号公報 特開平6−70747号公報 特開2000−316562号公報
本発明者は、最近開発されてきた冷凍機冷却式超電導マグネットにより、強い磁場を印加することが可能になったことに着目し、この磁場中でアルコール発酵をさせたところ、その酵母の活動が抑制又は促進されること、従って、同じ温度でも磁場を変えることにより発酵期間を変えることができることを知見した。
本発明の課題は、かかる知見に基づき、アルコール発酵工程を磁界の印加により効率的に制御する方法を提供することにある。
本発明は、アルコール発酵工程において、酵母に、0.5〜20Tの直流磁界、好ましくは0.5〜10Tの直流磁界を印加することを特徴とするアルコール発酵方法である。そして、かかる直流磁界は、好ましくは、超電導マグネットを用いて発生させられたものであり、また、アルコール発酵は5〜25℃の範囲で行うのが好ましい。
本発明では、アルコール類の製造過程であるアルコール発酵過程中に、酵母に、例えば、10T(テスラ)という強磁場を印加することにより、アルコール発酵を制御するというものである。これまでに提案された磁場を用いる方法においては、高々数100mT程度しか印加していないものが主であった。これは、これまでの技術では永久磁石を使っていたからであり、本発明では冷凍機冷却式超電導マグネットを用いているので、格段に高い磁場を印加できることができるようになったのである。
例えば、日本酒では、酵母が一番活動しやすい24℃ではなくて、10℃くらいの低い温度で活動を抑え十分に時間をかけて発酵させることにより、吟醸酒という新しい味を創出している。本発明によると、磁場により発酵を自由に制御できるので、温度が低くても早く発酵させたり、あるいは逆のことも可能となる。
本発明は、アルコール発酵工程において、酵母に、0.5〜20Tの直流磁界、好ましくは0.5〜10Tの直流磁界を印加することからなるアルコール発酵方法である。アルコール発酵は5〜25℃の範囲で行うのが好ましい。従って、直流磁界も、5〜25℃の範囲で印加されるのが好ましい。
本発明の方法を実施するには、0.5〜20Tの直流磁界を印加するための手段を備えた発酵装置が用いられる。0.5〜20Tの直流磁界を印加するための手段としては、超電導マグネットが(電磁石)用いられる。超電導体は、臨界温度以下に冷却すると、電気抵抗がゼロの超電導状態になるので、これを用いて線材を作り、更にコイルに巻くと損失が非常に少ない超電導マグネットを作ることができる。抵抗がゼロであるので、電流通電中にジュール損失が無く発熱を伴わず、且つ、高い磁界を発生させることができる等の特徴がある。本発明においては、かかる超電導マグネットが用いられる。
超電導マグネットに永久電流スイッチという装置を付け、一旦流した電流を超電導の閉回路にすると、超電導マグネットを電源から切り離しても、電流は減少することなく流れ続けるので、一定の磁界を長時間印加し続けることが出来る永久電流モードの超電導マグネットが形成される。電源を接続しているときは、電源電流の変化により磁界が変化するので、超電導マグネットの磁界の精度は必ずしも良くはないが、一旦永久電流モードに移行すると、磁界の安定度は格段に向上するという特徴がある。この様に、永久電流モードでは、長時間に亘って安定度の良い高磁界を保つことができる。本発明においては、かかる
永久電流モードの超電導マグネットを用いることもできる。
本発明では直流磁界を印加するものであるから、交流磁界を印加する場合とは異なり、ジュール熱の発生がない。
直流磁界を印加するに際しては、例えば、10Tの磁界を印加する場合、通常の超電導マグネットでは印加できる範囲が高々数センチの範囲であるから、実用的には、発酵液を、例えば、循環させることによって全体に均一に磁界を印加する必要がある。以下、実施例により本発明を詳述する。
原料として用いた麹汁は、麹1kgに水道水4Lを加え、55℃で4日間置いたものを用いた。この処理により米がグルコースになり、ビタミン類が現れる。その後、水道水を加水して、比重計によりボーメ8になるように比重調整を行った。その後、麹汁は、121℃で20分間、オートクレーブの中で殺菌処理を行った。この麹汁のグルコース濃度は14.97%であった。
酵母は、麹汁30mLに白金耳一かきの酵母を加え、3日間30℃で静置培養し、これを利用した。酵母は、一般的に用いられる協会7号(K−7)を用いた。培養は、2×10個/mLの数まで増えて飽和した。
麹汁100mLに、上記静置培養した酵母を1.25mL入れた。これは、15℃で2週間発酵させるときに、通常は、麹汁800mLに対して1×10個の酵母を植えることから計算された。つまり、本実施例では、15℃で1週間発酵を行うので、この2倍の数にした。但し、麹汁は本実施例では100mLしか用いていないので、通常の1/8にした。従って、本実施例で必要な上記静置培養した酵母の量は、1×10×2×(1/8)÷2×10=1.25mLとなる。麹汁100mL中には1.25×2×10個の酵母があり、密度は2.5×10個/mLである。
10Tの冷凍機冷却型超電導マグネット中に、上記麹汁に酵母を植えた100mLの溶液をおおよそ7日間置いて、アルコール発酵させた(日本酒A)。溶液を入れた容器は、その中心が、ほぼ磁界の中心になるような位置に配置した。温度は15℃に保った。これを磁場を印加しない場合(日本酒B)と比較した。その結果を表1に示した。表1から分かるように、磁場を印加した方が酵母の数が少なく、グルコースの量が多く、アルコールの量は少なく、官能試験(3人の専門家による評価)では甘いという結果を得た。これらの結果から、磁場により酵母の活動が抑制されたということが分かる。
Figure 2007319005
官能試験においては、日本酒Aの方が甘味が残るという結果が得られが、これは次のように考えられる。麹汁中のグルコースが、最初12%から始まって酵母によりアルコールに変えられていくが、完全にグルコースがなくなると6%のアルコールになる。日本酒Aでは、この発酵過程の途中であった可能性がある。つまりグルコースがまだ残っており、甘味が残る結果となる。一方、日本酒Bでは発酵が日本酒Aよりも進んでおり、甘味が少なく、より酸味などが感じられるようになったと考えられる。
実際に、酵母の数も日本酒Aの方が日本酒Bよりも少なかった。15℃7日間で酵母の数がどの程度増えるかは不明であるが、まだ酵母の数は増えている途中であると考えられる。
磁界印加直後の様子でも、日本酒Aのほうが日本酒Bよりも泡の立ち方が大きく、なおかつ傾けたときに、日本酒Aはすぐに濁ったが、日本酒Bは底に酵母が沈殿して濁らなかった。このことからも日本酒Aは発酵途中であったことが伺える。また、化学定量分析の結果でも、日本酒Aのほうが日本酒Bよりもグルコースの量が若干多く、エタノールの量は少なかった。これも日本酒Aはまだ発酵途中であり、グルコースが残っているということを示している。
以上の官能試験、酵母の数、観察の様子、化学定量分析結果を合わせると、磁界を印加した効果により、酵母の活動が抑制されアルコール発酵の作用が弱くなっていると結論される。従って、高い温度においてもアルコール発酵をゆっくりと行うことができる可能性ある。また、温度との組み合わせにより、新たな発酵過程を得ることができる可能性もある。

Claims (3)

  1. アルコール発酵工程において、酵母に、0.5〜20Tの直流磁界を印加することを特徴とするアルコール発酵方法。
  2. アルコール発酵を、5〜25℃で行うことを特徴とする請求項1記載のアルコール発酵方法。
  3. 直流磁界が、超電導マグネットによって発生せしめられたものであることを特徴とする請求項1又は2記載のアルコール発酵方法。
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