JPH05219936A - バイオリアクター - Google Patents

バイオリアクター

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JPH05219936A
JPH05219936A JP2786892A JP2786892A JPH05219936A JP H05219936 A JPH05219936 A JP H05219936A JP 2786892 A JP2786892 A JP 2786892A JP 2786892 A JP2786892 A JP 2786892A JP H05219936 A JPH05219936 A JP H05219936A
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Japan
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reaction
bioreactor
magnetic field
reaction tank
temperature
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Application number
JP2786892A
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English (en)
Inventor
Makoto Shoda
誠 正田
Masahiko Okuda
正彦 奥田
Kazunari Saito
一功 斉藤
Kiyoshi Matsumoto
清 松本
Satoshi Ito
聡 伊藤
Takeshi Kamikado
剛 神門
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12MAPPARATUS FOR ENZYMOLOGY OR MICROBIOLOGY; APPARATUS FOR CULTURING MICROORGANISMS FOR PRODUCING BIOMASS, FOR GROWING CELLS OR FOR OBTAINING FERMENTATION OR METABOLIC PRODUCTS, i.e. BIOREACTORS OR FERMENTERS
    • C12M27/00Means for mixing, agitating or circulating fluids in the vessel
    • C12M27/16Vibrating; Shaking; Tilting
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12MAPPARATUS FOR ENZYMOLOGY OR MICROBIOLOGY; APPARATUS FOR CULTURING MICROORGANISMS FOR PRODUCING BIOMASS, FOR GROWING CELLS OR FOR OBTAINING FERMENTATION OR METABOLIC PRODUCTS, i.e. BIOREACTORS OR FERMENTERS
    • C12M41/00Means for regulation, monitoring, measurement or control, e.g. flow regulation
    • C12M41/12Means for regulation, monitoring, measurement or control, e.g. flow regulation of temperature

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は,反応液を収容した反応槽内で生物
細胞等を培養するか又は酵素反応を行わせるバイオリア
クターにおいて,反応槽内での生物等の反応を効率的且
つ安定的に行い得るようにすると共に,この生物等への
磁場の効果を常に安定的に且つ精度良く把握し得るよう
にすること。 【構成】 反応液16をそれぞれ収容した反応槽17,
18が共通の振とう機構19に連結部材20,21を介
して連結されており,一方の反応槽17は磁気シールド
23内部において,他方の反応槽18は超電導電磁石2
2の内部においてそれぞれ振とうされる。また,上記各
反応槽17,18には加熱・冷却装置24が接続されて
おり,この加熱・冷却装置24からの循環水にて上記反
応槽17,18の温度管理がなされる。上記のように構
成されたバイオリアクター15において,それぞれの反
応槽17,18内部で生物細胞の反応を行わせることに
より,この反応を効率的且つ安定的に行うことができる
と共に,磁場の印加による生物等の反応の効果を同一条
件のもとに常に安定的に把握することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,反応基質,特に液体培
養基質(液体反応基質)を収容した反応槽内で生物細胞
を培養したり酵素反応を行うバイオリアクターに関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】一般に,生物反応は種々の分野で利用さ
れている。微生物は,アルコール醗酵工業,抗生物質等
の医薬品の開発に有用であると共に,植物細胞や動物細
胞も医薬品等の生産,モノクローナル抗体の生産などに
利用されている。また,酵素反応も異性化,加水分解な
どの反応に用いられ,従来の触媒に代替することが可能
である。これらの生産反応はその活性を増加させたり抑
制させたりする制御が必要である。そこで,近年,例え
ば超電導電磁石(以下電磁石)を用いて発生させた高磁
場中の反応槽の中で生物反応(例えば培養)を行い,こ
の磁場の効果で生物反応の活性の促進あるいは抑制を図
る装置が提案されている。この場合,特に反応槽内で生
物反応を効率的且つ安定的に行わせること,更には,磁
場の印加による生物に対する反応効果の度合いを定量的
に把握することが,この分野において極めて重要な要素
の一つとなっている。ここで,図11に従来のバイオリ
アクターを示す。この従来のバイオリアクターは,核磁
気共鳴(NMR)よる物性分析用超電導電磁石を転用し
たものであり,断熱容器2及び電磁石1が,その軸芯を
上下方向にして配置されている。上記電磁石1の軸芯上
であって磁場強度が最も強い箇所には,筒状の反応槽3
が配設されており,該反応槽3の内部には生物等を反応
させるための反応液(培養液)11が収容されている。
上記反応槽3は,上記断熱容器2の内筒14に沿って上
下移動可能なガイド4にシール部材10を介して取り付
けられており,栄養源の仕込みと植菌または酵素の添
加,反応中の栄養源の供給,上記反応液11の回収時に
は,上記ガイド4を上下方向に移動させることにより,
上記反応槽3が磁場中に挿入あるいは磁場中から取り出
される。更に,上記反応槽3は,ボンベ5から上記ガイ
ド4内部へ供給されるヘリウムガスを媒体として間接的
に加熱される。即ち,上記反応槽3に取り付けられた温
度センサ8からの温度情報に基づいて,上記ヘリウムガ
ス加熱用のヒータ6のオン・オフ制御,流量調節弁7の
開度調整を行うことにより,上記反応槽3の温度が調節
される。そして,上記反応槽3内の反応液11が攪拌さ
れずに静置された状態のもとに,生物の反応が行われ
る。この場合,磁場の印加による生物への効果は,磁場
を印加した状態での反応による生物等の反応速度と磁場
を印加しない状態での反応(以下対照反応)による生物
等の反応速度との差により定量的に把握される。磁場を
印加した状態での反応は前述の如く実施され,他方対照
反応は,電磁石の磁場を停止した後に,この磁場を印加
した場合と同じ温度条件,あるいは磁場の影響を受けな
い場所において同じ温度条件にて実施される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが,従来のバイ
オリアクターでは,上述の如く,対照反応は,磁場の発
生を停止して時間的にずらせて,あるいは電磁石から離
れた磁場の影響を受けない場所で実施しなければなら
ず,温度,湿度等に関して磁場を印加した状態での反応
と必ずしも同一環境下で行い得ない。更に,反応液11
は攪拌されないことから,特に好気性生物の反応に関し
ては,溶存酸素の溶解が少なく,実際好気性生物の反応
を行うことができない。これらを原因として,磁場を印
加した状態での生物反応と印加しない状態での対照反応
との間では,酸素の供給量や温度条件等が同一でなく,
磁場以外の条件により生物の反応速度に変化が生じ,真
に磁場の効果を検出できない。従って,上記従来のバイ
オリアクターでは,反応に再現性がなく,磁場による生
物への反応効果を明確に把握できない。そこで,本発明
は,上記事情に鑑みて創案されたものであり,反応槽内
での生物等の反応を効率的且つ安定的に行い得るバイオ
リアクターの提供を第1の目的とし,更には,磁場の印
加による生物等への反応効果を常に安定的に且つ精度良
く把握することのできるバイオリアクターの提供を第2
の目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
るために,本発明が採用する第1の手段は,その要旨と
するところが,反応基質を収容した反応槽内で生物細胞
の培養あるいは酵素反応を行うバイオリアクターにおい
て,上記反応基質を収容した反応槽に振とう機構を接続
すると共に,この反応槽を磁場発生機構の内部に振とう
可能に配設した点に係るバイオリアクターである。更
に,上記第2の目的を達成するために,本発明が採用す
る第2の手段は,その要旨とするところが,反応基質を
収容した反応槽内で生物細胞の培養あるいは酵素反応を
行うバイオリアクターにおいて,上記反応基質を収容し
た複数の反応槽を共通の振とう機構に接続すると共に,
一の反応槽を磁気シールド機構の内部に配設して他の反
応槽を磁場発生機構の内部に配設した点に係るバイオリ
アクターである。
【0005】
【作用】本発明に係る第1のバイオリアクターでは,振
とう機構にて反応槽が振とうされることにより,反応槽
内の例えば液体の反応基質内部にまでも酸素が効果的に
供給され,この反応基質の内部においても均一状態のも
とに生物等の反応が活性化でき,ほとんどすべての生物
を用いることができる。また,時間ごとのサンプリング
も振とうを停止し,簡単に行うことができる。また,反
応基質が固体状のもので単に磁場による影響を見るだけ
の場合は,振とう機構を振とうさせる必要はない。更
に,本発明に係る第2のバイオリアクターでは,一の反
応槽が磁気シールド機構の内部で,他の反応槽が磁場発
生機構の内部で,それぞれ共通の振とう機構にて揺り動
かされる。これにより,生物等の磁場を印加した状態で
の生物反応と磁場を印加しない状態での生物反応とを同
一条件のもとに振とうさせながら実施することができ
る。その結果,生物等の反応速度を常に安定的に且つ精
度良く把握することができる。
【0006】
【実施例】以下,添付図面を参照して,本発明を具体化
した実施例につき説明し,本発明の理解に供する。尚,
以下の実施例は本発明を具体化した一例であって,本発
明の技術的範囲を限定する性格のものではない。ここ
に,図1は本発明の一実施例に係るバイオリアクターの
構成図,図2は本発明の第2の実施例に係るバイオリア
クターの構造を示すものであって,(A)は平面図,
(B)は側面図,図3は図2に示したバイオリアクター
の要部拡大斜視図,図4は上記バイオリアクターを構成
する超電導電磁石の中心軸上での磁場の強度を示すグラ
フ,図5は上記バイオリアクターを構成する磁気シール
ド内部での磁場の強度を示すグラフ,図6は各温度にお
けるファージ粒子数の生成比に対する高磁場の効果を示
すグラフ,図7は本発明の第3の実施例に係るバイオリ
アクターの平面図,図8は本発明の第4の実施例に係る
バイオリアクターの斜視図,図9は本発明の第5の実施
例に係るバイオリアクターの斜視図,図10は本発明の
第6の実施例に係るバイオリアクターの斜視図である。
この実施例に係るバイオリアクター15では,図1に示
す如く,絶縁性の材料を二重容器構造としてなる二つの
反応槽17,18が,同一軸芯上で左右方向に離間して
配設されており,この各反応槽17,18の内部には,
それぞれ反応液16が収容されている。上記反応槽1
7,18は,その中央部分で共通の振とう機構19と絶
縁性の材料からなる連結部材20,21を介して連結さ
れており,この振とう機構19により上記軸芯上におい
て水平往復振とうされる。
【0007】一方の上記反応槽18は,例えば超電導電
磁石(以下電磁石)22内部の中心軸上に位置してお
り,他方の上記反応槽17は,磁気シールド23にて覆
われている。上記電磁石22の内部では,最大12万ガ
ウス〜最小500ガウスの磁場が発生させられ,この時
上記磁気シールド23の内部では,磁場の強さが0.5
ガウス以下(地磁気の強さ…0.2〜0.5ガウス以
下)の値となるように配慮がなされている。従って,上
記反応槽17,18は,振とう機構19により水平往復
振とうさせられながら,この反応槽17の内部では磁場
を印加しない状態において生物等の反応(増殖)が図ら
れ,上記反応槽18の内部では磁場を印加した状態にお
いて生物等の反応が図られる。更に,上記反応槽17,
18は,その二重構造部分に循環水が満たされており,
この部分と外部に配設された一組の加熱・冷却装置24
とは,ポンプ25を介してチューブ26,27にて閉ル
ープの状態にて接続されている。上記チューブ26,2
7は同一仕様の絶縁性材料からなり,このチューブ2
6,27内を流通される循環水にて,上記反応槽17,
18内部の各反応液16が,例えば−5℃〜75℃の設
定値となるように温度調節される。尚この場合の温度情
報は,上記反応槽17,18に取り付けられた温度セン
サ28,29にて取り込まれる。本実施例に係るバイオ
リアクター15は上記したように構成されている。従っ
て,磁場を印加しない状態で生物等の反応を行う場合,
前記従来装置の場合のような電磁石の励磁・消磁の操作
が不要になると共に,また,磁場の影響を受けない遠隔
の場所にこの対照となる反応槽を設置する必要もない。
【0008】尚,電磁石22の内部では,500ガウス
〜12万ガウスという広範囲の高磁場領域での定常磁場
を発生(ちなみに,永久磁石で発生できる磁場は1万ガ
ウス程度以下であって,常電導電磁石で発生できる磁場
は2万ガウス程度以下である)させ得ることから,永久
磁石や常電導電磁石では印加できない高い磁場を広範囲
に渡って生物等に印加することができる。このことは,
高磁場で反応の促進または抑制を示す生物等を新たに数
多く発見できる可能性が高くなる。更に,上記バイオリ
アクター15では,共通の振とう機構19によって反応
槽17,18が同条件のもとに水平往復振とうされるこ
とから,この反応槽17,18における各反応液16に
機械的攪拌を加えて酸素供給効率を高めることができ,
この反応液16全体で一様に好気性生物等を効果的に反
応させることができる。そして,この際の反応速度の再
現性が向上され,安定的に且つ精度良く反応効果を把握
することができる。尚,上記電磁石22の内部で往復振
とうされる連結部材21や反応槽18は,前述の如く絶
縁性材料にて形成されていることから,この動作に伴う
渦電流の発生が防止されると共にそれによる動作の妨げ
もなく,上記反応槽18を電磁石22の内部において円
滑に往復振とうさせることができる。更にまた,本実施
例に係るバイオリアクター15では,反応槽17,18
の内部の反応液16と一組の加熱・冷却装置24とは循
環水を熱媒体として熱交換が行われることから,従来装
置の場合のようにヘリウムガスを熱媒体として熱交換を
行うよりも,反応液16に対する温度調節精度並びに温
度分布精度がより良好になるという効果を得ることがで
きる。これは,一般的に気体よりも液体の方が比熱が大
きいことによる。
【0009】ちなみに,実験では,反応液16を−5℃
〜75℃の温度範囲で±0.05℃の温度分布精度,温
度調節精度で制御を行うことができた。また,このよう
に共通の加熱・冷却装置24にて温度調節を可能ならし
めることは,システム全体を簡単且つ安価に構成し得る
という効果も奏する。尚,上述の如く−5℃〜75℃の
温度領域で温度調節可能であるということは極地や高山
等の低温環境に分布する低温菌(−5℃〜10℃で増
殖),一般的に醗酵工業で利用される中温菌(20℃〜
40℃で増殖),温泉や海底火山等の高温環境に生息す
る高温菌(55℃〜75℃)等,地球上で生息するほと
んどすべての生物及び酵素に対して磁場による反応効果
を調べ得ることを意味する。上記実施例においては,循
環水を流通させるために二重構造となした反応槽17,
18,加熱・冷却装置24,ポンプ25等からなる温度
調節機構を接続した場合を例に説明したが,この温度調
節機構を廃し,一重構造の反応槽を備えてなるバイオリ
アクター全体を恒温室内に収容して温度管理を行うよう
にしても良い。更に,本発明に係るバイオリアクターに
おいては,電磁石22の隣に磁場強度の異なる他の電磁
石を並設し,連結部材21に連結された他の反応槽をこ
の電磁石内部で振とう可能とすることにより,より広範
な生物等の反応の検討を行うことができる。
【0010】引き続き,本発明の他の実施例に係るバイ
オリアクター30について説明する。この実施例に係る
バイオリアクター30は,図2及び図3に示す如く,前
記バイオリアクター15と基本的構造を同様にして構成
されている。以下に,各構成要素について詳述する。電
磁石31は,例えばニオブチタン合金の超電導線をコイ
ルバネ上に巻回してなる超電導電磁石であって,コイル
バネの中心において,最小0.5ガウス,最大7万ガウ
スの磁場を発生する。この電磁石31は,断熱容器32
の内部に収容されており,液体ヘリウムにて4.2Kの
温度に冷却されている。反応槽33は,上記電磁石31
の内側に形成された長径100mm,長さ200mmの
円柱状の空間内で往復振とうされ,この空間において,
0.5〜7万ガウスの磁場強度で±0.5%の偏差で磁
場は均一状態にある(図4参照)。上記電磁石31と同
一軸芯上であって,2500mm離れた箇所に,対照反
応の反応槽34が配設されている。上記反応槽34は,
例えばパーマロイ製の円筒状の磁気シールド35にて覆
われており,上記電磁石31の中心磁場強度が7万ガウ
スの時,この磁気シールド35の内部での磁場強度は
0.06〜0.45ガウスであった(図5参照)。上記
反応槽33,34では,図3に示す如く,例えばポリカ
ーボネート樹脂からなる容器36に,例えば4本のガラ
ス製の三角フラスコ(50cc)37が挿入されてい
る。上記三角フラスコ37の口もとにはネジ部が刻設さ
れており,このネジ部には押え蓋38が螺着されてい
る。そして,この押え蓋38は,Oリング39を介して
ボルトにて上記容器36に固定される。
【0011】上記容器36の下部にはテフロン製の車輪
40が取り付けられており,この容器36は,車輪40
を介してレール41上において往復移動可能である。上
記反応槽33,34を構成する各容器36には,それぞ
れ全長寸法や内径寸法等が同一仕様の供給チューブ4
2,42,戻りチューブ43,43が接続されており,
この各供給チューブ42,戻りチューブ43は,リザー
バタンク44,ポンプ45を介して閉ループを形成して
いる。上記各チューブは,例えはテフロンにより構成さ
れており,その周囲は,上記容器36,リザーバタンク
44等と共に例えばポリエチレン製の断熱材にて取り巻
かれている。そして,上記各チューブの内部では循環水
(蒸留水とエチレングリコールの混合液)が流通され,
上記各容器36内の三角フラスコ37(本実施例では栄
養源液(反応液)として3%のグルコース水溶液を使
用)との間で熱交換することにより,その温度管理がな
される。この場合,上記循環水の加熱は,ヒータ46に
て行われ,冷却は,冷凍機47にて行われる。そして,
上記各容器36に取り付けられた白金抵抗温度計48に
より取り込まれる温度データに基づいて,PID制御方
式の温度調節器49により温度制御がなされる。従っ
て,−5〜75℃の温度範囲内において,上記反応槽3
3,34内の合計8本の三角フラスコ37内部の反応液
の温度を,平均0.1℃の範囲内の誤差のもとに温度設
定することができる。上記反応槽33と34との間に
は,振とう機構50が配備されており,この振とう機構
50とはそれぞれ塩化ビニール製のパイプ51にて連結
されている。上記振とう機構50は,モータ52の回転
運動をコネクティングロッド53により水平往復運動に
変換し,毎分0〜200往復の間で可変の振とう速度に
て振幅40mmの水平往復振とうを上記反応槽33,3
4に与え得るように構成されている。
【0012】尚,同図において54は,上記パイプ5
1,51を連結して往復振とうされるベース55を支持
するローラである。以下に,上記構成に係るバイオリア
クター30を用いて行った生物等の磁場に対する効果の
実験結果について述べる。温度感受性のリプレッサータ
ンパク質をもつλファージを溶原化した大腸菌を30℃
〜42℃の範囲内での各温度で反応槽33,34にて反
応し,その間,反応槽33には磁場強度7万ガウスの均
一磁場を印加し,λファージの溶菌化の割合を,磁場を
印加しない対照反応の反応槽34での割合と比較した。
溶菌化の割合は,各温度で約4時間の反応(培養)を行
った後,λファージの数の測定を行うことにより求め
た。振とう条件としては,振とう速度が毎分120回,
振とう振幅が40mmである。その結果,磁場を印加し
た場合,33℃〜37℃の間においては,λファージの
誘発頻度が上昇し,対照反応の1〜8倍のλファージが
発生していることが判明した(図6参照)。その後,1
回目と同じ条件で再度反応を行ったところ,ほぼ同じ結
果が得られた。このことは,当該バイオリアクター30
がファージの活性に対する磁場の効果を再現性良く把握
できることを示している。引き続き,本発明の更に他の
実施例に係るバイオリアクター56,57,58及び5
9について説明する。
【0013】上記バイオリアクター56では,図7に示
す如く,二つの反応槽が平行に配設されて,それぞれ磁
場の内部と磁気シールドの内部とで往復振とうされ得る
ように構成されている。上記バイオリアクター57で
は,図8に示す如く,反応液を収容した例えばL型試験
管が複数本ずつそれぞれの恒温水槽内に配設されてお
り,この各恒温水槽が振とう機構にて連結部材の軸芯回
りに揺動振とうされる。上記バイオリアクター58で
は,図9に示す如く,反応液を収容した複数のビン型容
器がそれぞれの恒温槽内部において連結部材の軸芯回り
に配設されており,この各ビン型容器は,振とう機構に
て連結部材の軸芯回りに回転振とうされる。上記バイオ
リアクター59では,図10に示す如く,反応液を収容
した複数の三角フラスコがそれぞれの恒温槽の内部に収
納されており,この恒温槽がステージ上において球形の
コロを介して支持されると共に,連結部材を介して振と
う機構に連結されている。上記振とう機構は,旋回運
動,往復運動及び8の字運動の3種類の動きが可能であ
る。その結果,上記各三角フラスコは磁気シールド及び
電磁石の内部における各ステージ上において,旋回振と
う,往復振とう,更には8の字振とうが可能である。
尚,上記実施例においては,液体の反応基質を用いた場
合を例に説明したが,当該装置においては例えばカンテ
ン状の固体の反応基質を用いて生物等の反応を行うよう
にしても良い。更に当該装置では,振とうを停止させて
酸素を必要としない生物等の反応を行うようにしても良
い。
【0014】
【発明の効果】本発明に係るバイオリアクターは上記し
たように構成されているため,反応槽内での生物等の反
応を効率的且つ安定的に行うことができる。更には,磁
場の印加による生物等の反応効果を常に安定的に且つ精
度良く把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例に係るバイオリアクターの
構成図。
【図2】 本発明の第2の実施例に係るバイオリアクタ
ーの構造を示すものであって,(A)は平面図,(B)
は側面図。
【図3】 図2に示したバイオリアクターの要部拡大斜
視図。
【図4】 上記バイオリアクターを構成する超電導電磁
石の中心軸上での磁場の強度を示すグラフ。
【図5】 上記バイオリアクターを構成する磁気シール
ド内部での磁場の強度を示すグラフ。
【図6】 各温度におけるファージ粒子数の生成比に対
する高磁場の効果を示すグラフ。
【図7】 本発明の第3の実施例に係るバイオリアクタ
ーの平面図。
【図8】 本発明の第4の実施例に係るバイオリアクタ
ーの斜視図。
【図9】 本発明の第5の実施例に係るバイオリアクタ
ーの斜視図。
【図10】 本発明の第6の実施例に係るバイオリアク
ターの斜視図。
【図11】 従来のバイオリアクターの概略構造を示す
ものであって,(A)は側断面図,(B)は(A)にお
ける要部拡大図。
【符号の説明】 15,30,56,57,58,59…バイオリアクター 16…反応液 17,18,33,34…反応槽 19,50…振とう機構 20,21…連結部材 22,31…超電導電磁石 23,35…磁気シールド 24…加熱・冷却装置 25,45…ポンプ 26,27…チューブ 28,29…温度センサ 36…容器 37…三角フラスコ 40…車輪 41…レール 42…供給チューブ 43…戻りチューブ 44…リザーバタンク 46…ヒータ 47…冷凍機 48…白金抵抗温度計 49…温度調節器 51…パイプ 52…モータ 53…コネクティングロッド 54…ローラ 55…ベース
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊藤 聡 神戸市西区高塚台1丁目5−5 (72)発明者 神門 剛 神戸市西区高塚台1丁目5−5

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 反応基質を収容した反応槽内で生物細胞
    の培養あるいは酵素反応を行うバイオリアクターにおい
    て,上記反応基質を収容した反応槽に振とう機構を接続
    すると共に,この反応槽を磁場発生機構の内部に振とう
    可能に配設したことを特徴とするバイオリアクター。
  2. 【請求項2】 反応基質を収容した反応槽内で生物細胞
    の培養あるいは酵素反応を行うバイオリアクターにおい
    て,上記反応基質を収容した複数の反応槽を共通の振と
    う機構に接続すると共に,一の反応槽を磁気シールド機
    構の内部に配設して他の反応槽を磁場発生機構の内部に
    配設したことを特徴とするバイオリアクター。
  3. 【請求項3】 上記反応槽に,液体を温度調節用の熱媒
    体とする温度調節機構を接続した請求項1又は2に記載
    のバイオリアクター。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001299327A (ja) * 2000-04-28 2001-10-30 Mitsubishi Chemical Engineering Corp 回分式発酵プラントにおける温度制御方法
JP2007319005A (ja) * 2006-05-30 2007-12-13 Kyushu Institute Of Technology アルコール発酵方法
JP2008263986A (ja) * 2000-12-22 2008-11-06 Keele Univ 磁気的に発生させた機械的応力を使用して組織を培養する方法
JP2008544754A (ja) * 2005-06-29 2008-12-11 リジェネテック,インコーポレイテッド 細胞増殖用時変電磁力スリーブ及びその使用方法

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