JP2007317255A - 垂直磁気記録媒体の製造方法及び垂直磁気記録媒体と磁気記録再生装置 - Google Patents

垂直磁気記録媒体の製造方法及び垂直磁気記録媒体と磁気記録再生装置 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、磁気記録層の結晶粒界相を2種類以上の酸化物で形成することで、安定な結晶粒界相を提供し、磁性粒子間の相互作用を低減することで低ノイズ化を実現し、より高密度記録が可能な垂直磁気記録媒体を得ることにある。
【解決手段】本発明は、磁性層のうち少なくとも1層を、スパッタリング法を用いて2種類以上の異なる組成を持つターゲットを同時放電させながら形成し、さらに該磁性層の微細構造を強磁性の結晶粒と非磁性である酸化物の結晶粒界相とから構成することを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、磁気記録技術を用いたハードディスク装置等に用いられる垂直磁気記録媒体とその製造方法、及びそれを用いた磁気記録再生装置に用いて好適な技術に関する。
従来技術として、面内磁気記録方式を用いた磁気記録媒体が一般に広く知られている。一方、磁気記録媒体に対する将来的な高密度化の要求に対応するために、面内磁気記録方式に代わる方式として、垂直磁気記録方式が注目されつつある。垂直磁気記録媒体は、主に、略垂直方向に磁化された強磁性の磁気記録層と、磁気記録層を垂直方向に配向させるための下地層と、磁気記録層の表面を保護する保護膜とから構成されている。更に、この他に、磁気記録層への記録に用いられる磁気ヘッドが発生する磁束を集中させる役割を担う軟磁性材料からなる軟磁性裏打ち層を設ける場合もある。
面内磁気記録媒体と同様に、垂直磁気記録媒体に対しても、高記録密度化が求められている。磁気記録媒体の高記録密度化を達成するためには、低ノイズ化とともに高い熱揺らぎ耐性を両立させることが必要不可欠である。すわなち、垂直磁気記録媒体において、熱揺らぎ耐性を高めるために結晶磁気異方性K u を増大させながら、低ノイズ化を目的とした磁気記録層の結晶粒子径の微細化、および磁性粒子間の磁気的相互作用の低減を達成しなければならない。
低ノイズ化とともに高い熱揺らぎ耐性を両立させるために、従来から様々な磁性層および下地層の組成、構造、材質等が提案されてきた。特に近年、結晶粒子を、非磁性の酸化物や窒化物などの粒界相で包囲したグラニュラ磁性層を用いた磁気記録媒体が提案されている( 例えば、特許文献1〜3参照。)。
また、複数のターゲットを設置したチャンバー内で基板を載せたパレットを回転させることにより、複数のターゲット組成を混合し、C r 偏析型のC o C r 系金属磁性膜を成膜する方法が開示されている(例えば、特許文献4参照。)。
従来用いられてきたC r 偏析型のC o C r 系金属磁性膜では、高温で製膜することにより、C r が粒界に析出し、磁性粒子間の磁気的相互作用を低減させている。しかしながら、C r は、C o と一部固溶するため、磁性粒子内からC r を充分に析出させて、C r のみの粒界相を形成することは困難であった。一方、グラニュラ磁性層の場合は、C o と非固溶の非磁性化合物を粒界相として用いるため、従来のC r に比べて偏析し易く、比較的容易に磁性粒子の孤立化が促進できる利点がある。
特開平07−311929号公報 特開2002-15417号公報 特開2005-100537号公報 特開平11−066533号公報
しかしながら、非磁性化合物を添加したグラニュラ膜の場合、化合物の一部が分解することで磁性粒子にまで拡散して、磁気記録層の結晶配向性や磁気特性の劣化がしばしば発生する。そのため、非磁性化合物の添加量は、少量に抑えられるのが一般的である。一方で、今後の磁気記録媒体の高密度化に対応するためには、さらなる磁気記録層の結晶粒子径の微細化や粒子間磁気的相互作用の低減などが必要であり、そのためには、結晶配向性や磁気特性を劣化させずに非磁性化合物の添加量を増やす必要があった。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、以下の目的を達成しようとするものである。
本発明の第1の目的は、磁気記録層の結晶粒界相を2種類以上の酸化物で形成することで、安定な結晶粒界相を提供し、磁性粒子間の相互作用を低減することで低ノイズ化を実現し、より高密度記録が可能な垂直磁気記録媒体を得ることにある。
また、本発明の第2の目的は、磁気記録層に安定な結晶粒界相を提供し、磁性粒子間の相互作用を低減することで低ノイズ化を実現し、より高密度記録が可能な磁気記録再生装置を得ることにある。
本発明は以下の手段を提供する。すなわち、
(1)非磁性基板上に、少なくとも非磁性下地層と磁性層と保護膜とが順次積層されてなる垂直磁気記録媒体の製造方法であって、前記磁性層のうち少なくとも1層を、スパッタリング法を用いて2種類以上の異なる組成を持つターゲットを同時放電させながら形成し、さらに該磁性層の微細構造を強磁性の結晶粒と非磁性である酸化物の結晶粒界相とから構成することを特徴とする垂直磁気記録媒体の製造方法。
(2)前記磁性層を形成する際、基板を複数のターゲットに対して回転させながら成膜を行うことを特徴とする(1)に記載の垂直磁気記録媒体の製造方法。
(3)前記結晶粒界相を形成する酸化物が、Ti,Si,CrおよびTaから選ばれる2種類以上の酸化物を含むことを特徴とする(1)、(2)に記載の垂直磁気記録媒体の製造方法。
(4)ターゲットに対する基板の回転速度が、50回/分〜300回/分の範囲内であることを特徴とする(1)〜(3)の何れか1項に記載の垂直磁気記録媒体の製造方法。
(5)2種類以上の異なる組成を持つターゲットが、強磁性合金と非磁性酸化物との混合組成であり、各ターゲットの酸化物の成分が異なることを特徴とする(1)〜(4)の何れか1項に記載の垂直磁気記録媒体の製造方法。
(6)前記結晶粒界相を形成する酸化物がCr酸化物とSi酸化物を含むことを特徴とする(1)〜(5)の何れか1項に記載の垂直磁気記録媒体の製造方法。
(7)磁性層中に存在するCr酸化物の量がCr酸化物とSi酸化物の総量の80モル%以下であることを特徴とする(6)に記載の垂直磁気記録媒体の製造方法。
(8)前記結晶粒界相を形成する酸化物がCr酸化物とTi酸化物を含むことを特徴とする(1)〜(5)の何れか1項に記載の垂直磁気記録媒体の製造方法。
(9)磁性層中に存在するCr酸化物の量がCr酸化物とTi酸化物の総量の30モル%以上80モル%以下であることを特徴とする(8)に記載の垂直磁気記録媒体の製造方法。
(10)前記結晶粒界相を形成する酸化物がSi酸化物とTi酸化物を含むことを特徴とする(1)〜(5)に記載の垂直磁気記録媒体の製造方法。
(11)磁性層中に存在するSi酸化物の量がSi酸化物とTi酸化物の総量の30モル%以上70モル%以下であることを特徴とする(10)に記載の垂直磁気記録媒体の製造方法。
(12)前記結晶粒界相を形成する酸化物がTi酸化物とTa酸化物を含むことを特徴とする(1)〜(5)の何れか1項に記載の垂直磁気記録媒体の製造方法。
(13)磁性層中に存在するTa酸化物の量がTi酸化物とTa酸化物の総量の40モル%以上70モル%以下であることを特徴とする(12)に記載の垂直磁気記録媒体の製造方法。
(14)磁性層組成が層最下部から最上部に向けて連続的に変調していることを特徴とする(1)〜(13)に記載の垂直磁気記録媒体の製造方法。
(15)(1)〜(14)のいずれか1項に記載の垂直磁気記録媒体の製造方法で製造した垂直磁気記録媒体と、該垂直磁気記録媒体を支持および回転駆動する機構と、該垂直磁気記録媒体に対して情報の記録を行うための素子及び記録された情報の再生を行うための素子を有する磁気ヘッドと、該磁気ヘッドを該垂直磁気記録媒体に対して移動自在に支持したキャリッジアッセンブリとを具備することを特徴とする磁気記録再生装置。
(16)前記記録再生ヘッドは、単磁極記録ヘッドであることを特徴とする(15)に記載の磁気記録装置。
(17)本発明の垂直磁気記録媒体は、非磁性基板上に、少なくとも非磁性下地層と磁性層と保護膜とが順次積層されてなる垂直磁気記録媒体であって、前記磁性層のうち少なくとも1層の微細構造が、強磁性の結晶粒と非磁性である酸化物の結晶粒界相とから構成されてなることを特徴とする。
(18)本発明の垂直磁気記録媒体は、前記結晶粒界相を形成する酸化物が、Ti,Si,CrおよびTaから選ばれる2種類以上の酸化物を含むことを特徴とする。
(19)本発明の垂直磁気記録媒体は、前記結晶粒界相を形成する酸化物がCr酸化物とSi酸化物を含むことを特徴とする。
(20)本発明の垂直磁気記録媒体は、前記磁性層中に存在するCr酸化物の量がCr酸化物とSi酸化物の総量の80モル%以下であることを特徴とする。
(21)本発明の垂直磁気記録媒体は、前記結晶粒界相を形成する酸化物がCr酸化物とTi酸化物を含むことを特徴とする。
(22)本発明の垂直磁気記録媒体は、前記磁性層中に存在するCr酸化物の量がCr酸化物とTi酸化物の総量の30モル%以上80モル%以下であることを特徴とする。
(23)本発明の垂直磁気記録媒体は、前記結晶粒界相を形成する酸化物がSi酸化物とTi酸化物を含むことを特徴とする。
(24)本発明の垂直磁気記録媒体は、前記磁性層中に存在するSi酸化物の量がSi酸化物とTi酸化物の総量の30モル%以上70モル%以下であることを特徴とする。
(25)本発明の垂直磁気記録媒体は、前記結晶粒界相を形成する酸化物がTi酸化物とTa酸化物を含むことを特徴とする。
(26)本発明の垂直磁気記録媒体は、前記磁性層中に存在するTa酸化物の量がTi酸化物とTa酸化物の総量の40モル%以上70モル%以下であることを特徴とする。
(27)本発明の垂直磁気記録媒体は、前記磁性層組成が層最下部から最上部に向けて連続的に変調していることを特徴とする。
本発明は、第1に、非磁性基板と、該非磁性基板上に形成された少なくとも1層の非磁性下地層と、該非磁性下地層上に形成され、結晶粒子及び該結晶粒子を分離する結晶粒界相を有する磁性層(垂直磁気記録層)を有する垂直磁気記録媒体であって、前記結晶粒界相に2種類以上の酸化物を含むことを特徴とする垂直磁気記録媒体を提供する。
本発明は、第2に、上記垂直磁気記録媒体と、該垂直磁気記録媒体を支持および回転駆動する機構と、該垂直磁気記録媒体に対して情報の記録を行うための素子及び記録された情報の再生を行うための素子を有する磁気ヘッドと、該磁気ヘッドを該垂直磁気記録媒体に対して移動自在に支持したキャリッジアッセンブリとを具備することを特徴とする磁気記録再生装置を提供する。
本発明の垂直磁気記録媒体は、非磁性基板、該非磁性基板上に順に形成された非磁性下地層、及び磁性層を有する。この磁性層は、結晶粒子及び該結晶粒子を分離する結晶粒界相を含み、この結晶粒界相は、2種類以上の酸化物を含有する。本発明の磁気記録再生装置は、上述の垂直磁気記録媒体を適用した装置であって、この垂直磁気記録媒体と、記録再生ヘッドとを含む。
本発明の垂直磁気記録媒体は、その磁性層(垂直磁気記録層)が、多数の結晶粒子と、それを分離する結晶粒界相を含む。本発明では、結晶粒界相として、2種類以上の酸化物を使用している。
一般に、化合物の標的物質からスパッタリング法などの蒸着法により基板上に薄膜を作製する際、標的物質は原子状態となって基板上に飛来し、その後、再結合を経て化合物を形成する。この時、磁性層における結晶粒界相を形成する物質として1種類の酸化物を用いた場合、成膜中に一部が酸素として気化、あるいは膜中で原子単位に分解してしまい、化合物中に酸素欠損が発生しやすくなる。この時、分解した元素が拡散することで、結晶粒子中に取り込まれ、結晶配向性の乱れや結晶磁気異方性エネルギーの低下をもたらす。
一方、磁性層における結晶粒界相を形成する物質として、2種類以上の酸化物を用いると、例え気化等で酸素欠損が発生しても、酸化物同士で酸素を補うような働きを持たせることによって、結晶粒界相から結晶粒子への拡散を起こりにくくすることができる。また、2種類以上の酸化物で粒界相を形成した場合には、1種類で形成する場合に比べ、強固で安定な粒界相を形成することが可能となる。これにより、結晶粒界相を1種類の酸化物で形成する場合に比べて、2種類以上の酸化物で形成する方が、酸化物の組成量を少なくすることが可能となる。
このように、結晶粒界相を2種類以上の酸化物で形成することで、結晶粒界相から結晶粒子への拡散をおこりにくくし、磁気特性の劣化なく比磁性粒界相の形成ができ、ひいては優れた電磁変換特性を実現することができる。本発明者らはさらに、この2種類以上の酸化物を含有する磁性層の形成を2つ以上の異なる組成をもつ酸化物ターゲットからの同時放電スパッタリング法を用いて行うことによって前述の酸素補完効果をさらに促進させ、1つの合金コンポジットターゲットからのスパッタリング法によって形成させる場合に比べて一層の電磁変換特性の向上が得られることを見出し本発明に至った。
本発明によれば、2つ以上の異なる組成をもつターゲットからの同時スパッタリング法により磁性層を形成(垂直磁気記録層)を形成することにより、非磁性粒界相が2種類以上の酸化物から成る垂直磁気記録媒体を得ることができる。そして、その磁性層において十分な結晶粒界相ができると同時に、結晶粒界物質の磁性粒子内への拡散が起こりにくくなり、磁性層の結晶配向性および磁気的特性を良好とすることができるとともに、磁性層の磁性粒子を微細化できるため、安定な結晶粒界相を提供し、磁性粒子間の相互作用を低減することで低ノイズを実現し、より高密度記録が可能な垂直磁気記録媒体を得ることができるという効果を奏することができる。
以下、本発明に係る垂直磁気記録媒体について図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の説明で用いる図面は、特徴をわかり易くするために、便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。
本実施形態における垂直磁気記録媒体10は、図1に示すように、非磁性基板1上に、非磁性下地層2 、磁性層(垂直磁気記録層)3 、および保護膜4が順に積層された構造を有する。
非磁性基板1として、ガラス基板、Al系の合金基板あるいは表面が酸化したSi単結晶基板,セラミックス,及びプラスチック等を使用することができる。さらに,それら非磁性基板表面にNiP合金などのメッキが施されている場合でも、同様の効果が期待されるため適応することができる。
また、非磁性基板1と磁性層3との間に、非磁性下地層2を含む少なくとも1層の下地層を設けることができる。非磁性下地層2を含む下地層としては、例えばRu,RuCr,Hf,CoCrPtおよびCoCrPtBを使用することができる。
本実施形態に用いられる非磁性下地層2の好ましい厚さは、1ないし50nm、さらに好ましくは1ないし30nm である。非磁性下地層2の厚さが1nm未満であると、非磁性下地層2の結晶性が悪く、よって磁性層(垂直磁性記録層)3の結晶性も悪くなり、ノイズが大きくなる傾向があり、50nmを超えると、垂直磁性記録層3の磁性粒子が大きくなり、ノイズが増大する傾向がある。
上記非磁性下地層2の結晶性をさらに改善するために、非磁性基板1と上記非磁性下地層2の間に、さらにもう一層の図示しない下地層(シード層)を使用することができる。このシード層の構成材料としては、例えばTi,TiCr,Hf,Pt,Pd,NiFe,NiFeMo,NiFeCr,NiAl、NiTaおよびNiNbを使用することができる。
磁性層(垂直磁気記録層)3は、2種類以上の酸化物より形成される結晶粒界相と、CoPtを主成分とする磁性結晶粒子から形成される。また、磁性層3は、異なった組成の磁性層を2層以上積層させることもできる。
磁性層3の結晶粒子を構成する物質として、CoPt系合金、CoCr系合金、CoCrPt系合金、CoCrPtB系合金、及びCoCrPtTa系合金等を使用することができる。これらの合金は、結晶配向性が良い、磁気異方性が大きい、熱ゆらぎ耐性に優れているという利点を有する。
磁性層3の結晶粒界相を構成する物質として、Y,W,Mg,Al,Zr,Hf,Ti,Ce,Si,Cr,NiおよびTaから選ばれる2種類以上の酸化物を含むことが好ましい。このとき、酸化物生成標準自由エネルギー(ΔG0)の差から酸化物間に酸化還元反応が起こり、その発生したエネルギーによって拡散が促進され、粒界相が成長して、磁性粒子( 結晶粒子) 間の磁気的相互作用を低減することができる。
さらに、磁性層3の結晶粒界相を構成する物質が、以下の組み合わせであることが望ましい。すなわち、Cr酸化物とSi酸化物、Cr酸化物とTi酸化物、Si酸化物とTa酸化物、Si酸化物とTi酸化物、Ta酸化物とTi酸化物である。
より詳細には、CrとSiOの組み合わせを用いた場合、両酸化物の総量に対してCrを80モル%以下、あるいは、30モル%以上80モル%以下とすることができ、更にCrを33モル%以上75モル%以下とすることができる。
CrとTiOの組み合わせを用いた場合、両酸化物の総量に対してCrを30モル%以上80モル%以下とすることができ、更にCrを33モル%以上75モル%以下とすることができる。
SiOとTiOの組み合わせを用いた場合、両酸化物の総量に対してSiOを30モル%以上70モル%以下とすることができ、更にSiOを40モル%以上60モル%以下とすることができる。
TaとTiOの組み合わせを用いた場合、両酸化物の総量に対してTaを40モル%以上70モル%以下とすることができ、更にSiOを44モル%以上69モル%以下とすることができる。
また、前述の磁性層3の形成にはスパッタリング法を用いるが、特に2種以上の異なる組成を持つ合金コンポジットターゲットを同一真空チャンバー内に配置し、一定の条件下でこれらターゲットを同時放電させながら混合スパッタリングを行いながら成膜を行うことで、1つの合金コンポジットターゲットを用いる場合に比べて優れた電磁変換特性を得ることができる。このとき、基板は前記複数のターゲットに対して公転させることが膜組成の均一化の観点から望ましい。
さらに、本実施形態においては、得られた垂直磁気記録媒体10表面、例えば磁気記録層である磁性層3表面、あるいは保護層4表面の上に、例えばディップ法等によりパーフルオロポリエーテル等の潤滑剤を塗布し、図示しない潤滑層を形成することができる。
磁性層(垂直磁気記録層)3上には、少なくとも1層の保護層4を設けることができる。保護層4としては、例えばC,ダイアモンドライクカーボン(DLC),SiNx,SiOx,CNx、およびCHxが挙げられる。
本実施形態における垂直磁気記録媒体10を製造する際に、各層を積層する際の製造方法としてはスパッタリング法を用いる。特に、スパッタリング時に、2種類以上の異なる組成を持つコンポジットターゲットを用い、それらを同時に放電させながら混合スパッタリング成膜を行うことにより優れた電磁変換特性の垂直磁気記録媒体を得ることができる。その際、基板を円板型のパレット上に配置し、前記ターゲットに対して公転させながら成膜を行うことでより膜厚、特性の均一化を図ることが可能である。
本実施形態における垂直磁気記録媒体10は、上記のような構成としたため、磁性層(垂直磁気記録層3の結晶粒界相を2種類以上の酸化物で形成することで、磁性層3において充分な結晶粒界相ができると同時に、結晶粒界相物質の磁性粒子内への拡散が起こりにくくなり、磁性層3の結晶配向性および磁気的特性を良好とすることができる。このため、安定な結晶粒界相を提供し、磁性粒子間の相互作用を低減することで低ノイズ化を実現し、より高密度記録が可能な垂直磁気記録媒体を得ることができる。
以下、本発明に係る第2の実施形態を、図面に基づいて説明する。
図2は、本実施形態における垂直磁気記録媒体20の一例を表す断面図である。
本実施形態において、上述の第1実施形態と異なるのは、図2に示すように、非磁性基板1と非磁性下地層2との間に、軟磁性層5が形成されている点であり、それ以外の相当する構成要素には同一の符号を付してその説明を省略する。
本実施形態における垂直磁気記録媒体20のように、高透磁率な軟磁性層5を設けることにより、軟磁性層5上に磁性層(垂直磁気記録層)3を有するいわゆる垂直二層媒体が構成される。この垂直二層媒体において、軟磁性層5は、垂直磁磁気記録層3を磁化するための磁気ヘッド、例えば単磁極ヘッドからの記録磁界を、水平方向に通して、磁気ヘッド側へ還流させるという磁気ヘッドの機能の一部を担っており、磁界を記録する磁性層(垂直磁気記録層)3に急峻で充分な垂直磁界を印加させ、記録再生効率を向上させる役目を果たし得る。
軟磁性層5における軟磁性材料としては、飽和磁束密度が高く、軟磁気特性が良好なCoZrNb、CoTaZr、FeCoB、FeCoN、FeTaC、FeTaN、FeNi、及びFeAlSiなどが用いられる。
以下、本発明に係る第3の実施形態を、図面に基づいて説明する。
図3は、本実施形態における垂直磁気記録媒体30の一例を表す断面図である。
本実施形態において、上述の第2実施形態と異なるのは、図3に示すように、非磁性基板1と軟磁性層5との間に、バイアス付与層6が形成されている点であり、それ以外の相当する構成要素には同一の符号を付してその説明を省略する。
本実施形態における垂直磁気記録媒体30では、図3に示すように、軟磁性層5と非磁性基板1との間に、例えば面内硬磁性膜及び反強磁性層等のバイアス付与層6を設けることができる。軟磁性層5は磁区を形成しやすく、この磁区からスパイク状のノイズが発生することから、バイアス付与層6の半径方向の一方向に磁界を印加することにより、その上に形成された軟磁性層5にバイアス磁界をかけて磁壁の発生を防ぐことができる。バイアス付与層6を積層構造として異方性を細かく分散して大きな磁区を形成しにくくすることもできる。
バイアス付与層6の材料としては、CoCrPt、CoCrPtB、CoCrPtTa、CoCrPtC、CoCrPtCuB、CoCrRuB、CoCrPtWC、CoCrPtWB、CoCrPtTaNd、CoSm、CoPt、CoPtO、CoCrPtO、CoPt−SiO2、及びCoC rPtO−SiOが挙げられる。
図4に、本発明の垂直磁気記録再生装置の一例を一部分解した斜視図を示す。
図4に示されるように、本発明の一例の垂直磁気記録装置60は、上面の開口した矩形箱状の筐体61と、複数のねじにより筐体61にねじ止めされる筐体の上端開口を閉塞する図示しないトップカバーを有し、筐体61の内部に以下に説明する垂直磁気記録媒体と磁気ヘッドとこれらの駆動装置や回路が収容されている。
筐体61内には、上述した実施形態の垂直磁気記録媒体10を用いた磁気記録媒体62、この磁気記録媒体62を支持及び回転させる駆動手段としてのスピンドルモータ63、磁気記録媒体62に対して磁気信号の記録及び再生を行う磁気ヘッド64、磁気ヘッド64を先端に搭載したサスペンションを有し且つ磁気ヘッド64を磁気記録媒体62に対して移動自在に支持するヘッドアクチュエータ65、ヘッドアクチュエータ65を回転自在に支持する回転軸66、回転軸66を介してヘッドアクチュエータ65を回転及び位置決めするボイスコイルモータ67を備えたキャリッジアッセンブリ61、ヘッドアンプ回路68が収納されている。
このように、垂直磁気記録装置60の磁気記録媒体62に、本発明の各実施形態に係る垂直磁気記録媒体10を用いることができる。
本実施形態の垂直磁気記録再生装置60によれば、上記の垂直磁気記録媒体10を用いることで、垂直磁気記録層3に安定な結晶粒界相を提供し、磁性粒子間の相互作用を低減することで低ノイズ化を実現し、より高密度記録が可能な磁気記録再生装置を得ることができる。
図5と図6に本発明に用いるスパッタリング装置の1例を示す。図のように異なる組成をもつ合金コンポジットターゲット73を真空チャンバ70内に複数配置し、それらの放電タイミング、時間、放電出力等の成膜パラメータをそれぞれのターゲットに対して個別にコントロールできるように構成する。これらに正対する形で、基板72を観覧車状に配置した円板型の基板ホルダ71を配置し、これを一定の回転数で公転させながら、前述の合金コンポジットターゲット73を放電させる。図5では基板枚数が8枚の場合の構成例となっているが、成膜に支障がない限り何枚でも構わない。同様に、図5では合金コンポジットターゲット個数は4個であるが、成膜に支障がない限り何個でも構わない。また、膜の組成コントロール、特性コントロール上必要であれば、各合金コンポジットターゲットの放電出力、タイミング、放電時間などは任意に設定することが可能である。
同様に、基板ホルダ71の回転数も任意にコントロールすることができる。基板ホルダ71の回転数は一般的に早いほど良好な電磁変換特性が得られる。その理由として、基板ホルダ公転スピードが速いほど磁性層がより少量ずつのスパッタリング混合となり、異なった組成成分の混合がよりよく行われることが考えられる。ただし、回転数を上げすぎると機械特性的に不安定領域に入り現実的ではない。本願発明では、ターゲットに対する基板の回転速度を、50回/分〜300回/分の範囲内とするのが好ましく、より好ましくは、100回/分〜300回/分の範囲内とする。
また、複数の合金コンポジットターゲットの組成はすべて異なっていてもよいし、一部同一組成のものが複数枚存在しても構わない。合金コンポジットターゲットの組成は任意に設定することができるが、本発明では複数の金属酸化物を含有させることになるが、異なる金属酸化物は別々のターゲットに分けて含有させることが望ましい。たとえば、Co−Cr−(SiO)のコンポジットターゲットとCo−Cr−(Cr)のコンポジットターゲットとに分けるなどである。ターゲット組成は単元素のものよりもこのような合金複合組成のものを選ぶことが望ましい。その理由として、酸化物を含んだ材料でも直流スパッタリング法で成膜を行うことが可能であること、あらかじめ合金化したターゲット同士で混合スパッタリングを行った方が磁性層中の組成均一性が高まり、より優れた電磁変換特性を得やすいことが挙げられる。また、スパッタリング時の放電方式は混合スパッタリングに支障がない限り、直流スパッタリング法、RFスパッタリング法など任意の方式をとることができる。スパッタリング時には真空チャンバ内にArなどの希ガスを導入するが、その分圧はRu中間層、磁性層ともに0.8Pa〜10Paの範囲内で最も良い性能が得られるよう調整することが望ましい。一般的には5Pa〜10Pa程度の分圧が用いられることが多い。
以下、実施例を示し、本発明を具体的に説明する。
<実施例1および比較例1>
2.5インチ磁気ディスク用のガラス基板からなる非磁性基板を用意した。
1×10−5Paの真空度の真空チャンバー内に非磁性基板を設置し、室温下、ガス圧0.6PaのAr雰囲気中でDCマグネトロンスパッタリングを行った。
まず、非磁性基板をターゲットに対向するように配置し、DC500Wをターゲットに放電し、厚さ200nmのCoZrNb軟磁性層を形成した。
その後、1×10−5Paの真空度の真空チャンバー内において、CoZrNb軟磁性層上に、非磁性シード層として、NiTaターゲットを用いて、DC500Wで放電し、厚さ10nmになるように成膜してNiTa層を形成した。次に、非磁性シード層上に、非磁性下地層として、Ruターゲットを用いて、DC500Wで放電し、厚さ20nmになるように成膜してRu層を形成した。なお、Ru成膜時にはAr分圧を10Paとした。
次に、真空度を損なわないように基板を別の真空チャンバー内へ誘導し、Ru層上に磁性膜の成膜を行った。このとき用いたスパッタリング装置は図5と図6に示したような構成となっており、基板ホルダ71上の基板設置位置は、基板ホルダ71の回転中心から基板73の中心までの距離が396mmであり、成膜時の基板ホルダ71の回転数は160rpmとした。用いた合金コンポジットターゲットは形状が直径180mmの円板状で、組成が94(74Co−10Cr−16Pt)−6(Cr)[mol.%]、94(69Co−15Cr−16Pt)−6(SiO)[mol.%]である2種を各1枚ずつ使用した。
成膜に際しては2つのターゲットの放電出力を任意に調整することにより膜中に存在するCrおよびSiOの分子数比率をコントロールして、酸化物組成の異なる複数の試料を作製した。磁性層の組成は、各ターゲットの膜堆積速度と放電出力の関係を調べておき、成膜時の放電出力、放電時間等から計算により求めた。磁性層膜厚は15nmとなるように調節した。また、このときのAr分圧は10Paとした。
最後に、Cの保護層を7nmの厚さで成膜した。
このように真空容器内で連続して成膜した基板を大気中に取り出した後、ディップ法によりパーフルオロポリエーテル系潤滑膜を1.5nmの厚さに形成し、垂直磁気記録媒体を得た。
図7に、得られた垂直磁気記録媒体の積層構成を表す概略断面図を示す。
図示するように、この垂直磁気記録媒体40は、非磁性基板1上に、CoZrNb軟磁性層11、NiTaシード層12、Ru下地層13、CoPtCr-Cr−SiO垂直磁気記録層(垂直磁性層)14、C保護層15及び図示しない潤滑層を順次積層した構造を有する。
一方、比較例として、磁性層成膜時に2つのターゲットを用いずに1種類のターゲットのみを用いて、非磁性膜などと同じように基板とターゲットを正面対向させて成膜した以外は実施例1と同様の作製法を用いた試料を作製した。このときターゲットとしての組成は実施例と同じ組成の合金コンポジットターゲットを用いた。
以上の如く得られた垂直磁気記録媒体(実施例1−1〜5、比較例1−1、2)について、米国GUZIK社製リードライトアナライザ1632及びスピンスタンドS1701MPを用いて、記録再生特性の評価を行った。
記録再生ヘッドは、記録部に単磁極、再生素子に磁気抵抗効果を利用した、記録トラック幅0.25μm、再生トラック幅0.15μmのヘッドを用いた。また、測定時のディスクの回転数は2129rpmで、中心より半径位置43.18mmと一定の位置で行った。
このようにして作製した実施例1−1〜5および比較例1−1、2の試料の磁性層組成とGuzik測定によって得られたSNR(LF/HF)、SNR(MF/MF)の結果を表1に示す。ここで、SNR(LF/HF)とは媒体試料をヘッド磁界により直流消去した後にLF周波数(16.06MHz、線記録密度85kFRPIに相当)で信号を記録した場合の出力とHF周波数(192.68MHz、線記録密度1017kFRPIに相当)で記録を行った場合に生ずる媒体ノイズとの比をdB単位で表したものである。また、SNR(MF/MF)は同様にMF周波数(96.34MHz、508kFRPIに相当)で記録を行った場合の出力と媒体ノイズとの比を表す。いずれのパラメータも垂直磁気記録媒体の性能を評価する場合に広く使われる指標である。
Figure 2007317255
表1の比較例1−1と比較例1−2、実施例1−4と比較例1−3とを比較すると、単一の合金コンポジットターゲットを用いて磁性層を成膜した場合と、2つのターゲットを用いて混合スパッタリング法で成膜した場合とでは、組成が全く同じであるにもかかわらず、後者の方があきらかに優れた電磁変換特性が得られることがわかる。また、比較例1−1と実施例1−2〜4とを比較すると、磁性層中に含有される酸化物Cr、SiOの総量のうちCrの含有比率が少なくとも33mol.%以上75mol.%以下の範囲ではSNRの改善効果が確認された。
<実施例2、比較例2>
磁性層を成膜する際、磁性層を2層とし、その基板側に近い1層目(以下磁性層(1))に実施例1の磁性層成膜に用いたものと同じスパッタリング装置を用いて成膜し、2層目(以下磁性層(2))は通常のスパッタリング装置を用いて1種の合金コンポジットターゲットを用いて成膜した。磁性層1の成膜にあたっては組成が94(74Co−10Cr−16Pt)−6(TiO)および94(74Co−10Cr−16Pt)−6(Cr)である2種各1枚のターゲットを用いて混合スパッタリングを行った。磁性層(1)の膜厚は9nmとなるように調節した。また、2つのターゲットの放電出力を調節することによって膜の組成をコントロールし、複数の膜組成を持つ試料を作製した。それ以外の条件は実施例1の場合と同じとした。また、磁性層(2)については組成Co−15Cr−16Pt−8(SiO)のターゲットを用いた。磁性層2の膜厚は6nmとなるように調節した。磁性層以外の層についても実施例1の場合と同じとした。
同様に磁性層(1)を1つの合金コンポジットターゲットを用いて成膜し比較例2の試料を作製した。ターゲットは組成94(74Co−10Cr−16Pt)−6(Cr)、94(74Co−10Cr−16Pt)−6(TiO)、94(74Co−10Cr−16Pt)−6{0.53(Cr)−0.47(TiO)}、94(74Co−10Cr−16Pt)−6{0.75(Cr)−0.25(TiO)}の4種を使用した。
実施例2、比較例2で得られた試料の概略断面を図8に示す。
図8に示す試料にあっては、軟磁性層13の上の磁性層(1)16、磁性層(2)17が積層された構造となっている。
こうして作製した実施例2、比較例2の試料群を実施例1、比較例1と同じ方法を用いてSNR(LF/HF)、SNR(MF/MF)の測定を行った。これら試料の磁性層(1)の組成およびSNRの評価結果を表2に示す。
Figure 2007317255
実施例2−1〜4と比較例2−1、2とを比較すると、2種の酸化物CrO、TiOを混合させることによりSNRの改善がみられる。また、実施例2−1〜4と比較例2−3、2−4とを比較すると、CrO、TiOを同じ比率で混合させた組成でも2つのターゲットによる混合スパッタリングで作製したものの方がSNRに優れていることがわかった。また、比較例2−1〜4と実施例2−1〜4とを比較すると、磁性層中に含有される酸化物Cr、TiOの総量のうちCrの含有比率が少なくとも33mol.%以上75mol.%以下の範囲ではSNRの改善効果が確認された。
<実施例3および比較例3>
磁性層(1)成膜用ターゲットとして組成が94(74Co−10Cr−16Pt)−6(SiO)および94(74Co−10Cr−16Pt)−6(TiO)である2種各1枚を用いる以外は実施例2と同じ方法で試料を作製し、実施例3の試料群とした。ただし、2つのターゲットの放電出力は改めて調節した。さらに片方のターゲットのみを放電させ、膜厚を15nmにそろえた試料も作製した(比較例1、2)。
また、組成94(74Co−10Cr−16Pt)−6(SiO)、94(74Co−10Cr−16Pt)−6(TiO)、94(74Co−10Cr−16Pt)−6{0.40(TiO)−0.60(SiO)}、94(74Co−10Cr−16Pt)−6{0.60(TiO)−0.40(SiO)}のターゲットをそれぞれ使って比較例3の試料を作製した。また、これら試料について実施例1、2および比較例1、2と同様に電磁変換特性の評価を行った。
実施例3、比較例3の試料について、磁性層(1)の組成とSNRの評価結果を表3に示す。
Figure 2007317255
表3に示す如く実施例3−1〜4と比較例3−1、2とを比較すると、酸化物SiOとTiOを混合させた場合にSNRが改善されることがわかる。また、比較例1,2と比較例3,4とを比べると、磁性層組成が同一であっても、基板公転をさせながら成膜を行った方がわずかではあるがSNRの改善がみられた。次に実施例3−3、4と比較例3−5、6とを比べると、やはり基板公転の混合スパッタリング法で作製した試料においてSNRの改善が認められた。また、比較例3−1〜6と実施例3−1〜4とを比較すると、磁性層中に含有される酸化物SiO、TiOの総量のうちSiOの含有比率が少なくとも40mol.%以上60mol.%以下の範囲ではSNRの改善効果が確認された。
<実施例4および比較例4>
磁性層(1)成膜用ターゲットとして組成が94(74Co−10Cr−16Pt)−6(Ta)および94(74Co−10Cr−16Pt)−6(TiO)である2種各1枚を用いる以外は実施例2と同じ方法で試料を作製し、実施例4の試料群とした。ただし、2つのターゲットの放電出力は改めて調節した。さらに片方のターゲットのみを放電させ、膜厚を15nmにそろえた試料も作製した(比較例1、2)。
また、組成94(74Co−10Cr−16Pt)−6(Ta)、94(74Co−10Cr−16Pt)−6(TiO)、94(74Co−10Cr−16Pt)−6{0.40(Ta)−0.60(TiO)}、94(74Co−10Cr−16Pt)−6{0.60(TiO)−0.40(SiO)}のターゲットをそれぞれ使って比較例3の試料を作製した。また、これら試料について実施例1、2および比較例1、2と同様に電磁変換特性の評価を行った。
実施例4、比較例4の試料について、磁性層(1)の組成とSNRの評価結果を表4に示す。
Figure 2007317255
表4に示す如く実施例4−1〜4と比較例4−1、2とを比較すると、酸化物TaとTiOを混合させた場合にSNRが改善されることがわかる。また、比較例1,2と比較例3,4とを比べると、磁性層組成が同一であっても、基板公転をさせながら成膜を行った方がわずかではあるがSNRの改善がみられた。次に実施例4−3、4と比較例4−5、6とを比べると、やはり基板公転の混合スパッタリング法で作製した試料においてSNRの改善が認められた。また、比較例4−1〜6と実施例4−1〜4とを比較すると、磁性層中に含有される酸化物Ta、TiOの総量のうちTaの含有比率が少なくとも44mol.%以上69mol.%以下の範囲ではSNRの改善効果が確認された。
<実施例5および比較例5>
磁性層成膜時の基板ホルダ回転数を変化させた以外は実施例1と同様の方法で実施例5−1〜5および比較例1〜3を作製し、電磁変換特性の評価を行った。表5に基板ホルダの回転数と得られた電磁変換特性値を示す。
Figure 2007317255
実施例5の結果をみると、基板公転の回転数が高いほど電磁変換特性が良好であると考えられる。
<実施例6および比較例6>
磁性層成膜時に2つのターゲットの放電出力を少しずつ変化させ、CrとSiOとの存在比率を漸次変化させた以外は実施例1と同様の方法で実施例6を作製し、電磁変換特性の評価を行った。
このとき、実施例6−1の場合は、磁性層の最下部の組成が94(74Co−10Cr−16Pt)−6{0.75(Cr)−0.25(SiO)}、最上部の組成が94(74Co−10Cr−16Pt)−6{0.15(Cr)−0.85(SiO)}となるように連続的に2つのターゲットの放電出力を変化させていった。
Figure 2007317255
表6に示す如く実施例6の結果をみると、磁性層の膜厚方向へ酸化物存在率の変化を与えてやることにより、その最下部、最上部のそれぞれの組成単独の膜とした場合に比べて一層の性能向上が得られる場合があることがわかった。本発明に記載の基板公転型スパッタリング装置を用いると、このような組成変調膜を比較的容易に作製することができるため、適切な条件を与えることにより優れた電磁変換特性を有する垂直磁気記録媒体を得ることができる。
図1は本発明に係る垂直磁気記録媒体の第1の実施の形態の積層構造を示す部分断面図。 図2は本発明に係る垂直磁気記録媒体の第2の実施の形態の積層構造を示す部分断面図。 図3は本発明に係る垂直磁気記録媒体の第3の実施の形態の積層構造を示す部分断面図。 図4は本発明に係る垂直磁気記録媒体を備えた磁気記録再生装置の一例を示す斜視図。 図5は本発明に係る製造方法を実施する際に用いるスパッタ装置の一例を示す構成図。 図6は同スパッタ装置の一例の内部構成を示す側面図。 図7は実施例において製造した垂直磁気記録媒体の一例の積層構造を示す部分断面図。 図8は比較例において製造した垂直磁気記録媒体の一例の積層構造を示す部分断面図。
符号の説明
1 基板、
2 非磁性下地層、
3 磁性層、
4 保護層、
5 軟磁性層、
6 バイアス付与層、
10、20、30、40 垂直磁気記録媒体、
60 垂直磁気記録装置、
61 キャリッジアッセンブリ、
62 垂直磁気記録媒体、
63 スピンドルモータ、
64 磁気ヘッド、


Claims (27)

  1. 非磁性基板上に、少なくとも非磁性下地層と磁性層と保護膜とが順次積層されてなる垂直磁気記録媒体の製造方法であって、前記磁性層のうち少なくとも1層を、スパッタリング法を用いて2種類以上の異なる組成を持つターゲットを同時放電させながら形成し、さらに該磁性層の微細構造を強磁性の結晶粒と非磁性である酸化物の結晶粒界相とから構成することを特徴とする垂直磁気記録媒体の製造方法。
  2. 前記磁性層を形成する際、基板を複数のターゲットに対して回転させながら成膜を行うことを特徴とする請求項1に記載の垂直磁気記録媒体の製造方法。
  3. 前記結晶粒界相を形成する酸化物が、Ti,Si,CrおよびTaから選ばれる2種類以上の酸化物を含むことを特徴とする請求項1、2に記載の垂直磁気記録媒体の製造方法。
  4. ターゲットに対する基板の回転速度が、50回/分〜300回/分の範囲内であることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の垂直磁気記録媒体の製造方法。
  5. 2種類以上の異なる組成を持つターゲットが、強磁性合金と非磁性酸化物との混合組成であり、各ターゲットの酸化物の成分が異なることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の垂直磁気記録媒体の製造方法。
  6. 前記結晶粒界相を形成する酸化物がCr酸化物とSi酸化物を含むことを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の垂直磁気記録媒体の製造方法。
  7. 磁性層中に存在するCr酸化物の量がCr酸化物とSi酸化物の総量の80モル%以下であることを特徴とする請求項6に記載の垂直磁気記録媒体の製造方法。
  8. 前記結晶粒界相を形成する酸化物がCr酸化物とTi酸化物を含むことを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の垂直磁気記録媒体の製造方法。
  9. 磁性層中に存在するCr酸化物の量がCr酸化物とTi酸化物の総量の30モル%以上80モル%以下であることを特徴とする請求項8に記載の垂直磁気記録媒体の製造方法。
  10. 前記結晶粒界相を形成する酸化物がSi酸化物とTi酸化物を含むことを特徴とする請求項1〜5に記載の垂直磁気記録媒体の製造方法。
  11. 磁性層中に存在するSi酸化物の量がSi酸化物とTi酸化物の総量の30モル%以上70モル%以下であることを特徴とする請求項10に記載の垂直磁気記録媒体の製造方法。
  12. 前記結晶粒界相を形成する酸化物がTi酸化物とTa酸化物を含むことを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の垂直磁気記録媒体の製造方法。
  13. 磁性層中に存在するTa酸化物の量がTi酸化物とTa酸化物の総量の40モル%以上70モル%以下であることを特徴とする請求項12に記載の垂直磁気記録媒体の製造方法。
  14. 磁性層組成が層最下部から最上部に向けて連続的に変調していることを特徴とする請求項1〜請求項13に記載の垂直磁気記録媒体の製造方法。
  15. 請求項1〜14のいずれか1項に記載の垂直磁気記録媒体の製造方法で製造した垂直磁気記録媒体と、該垂直磁気記録媒体を支持および回転駆動する機構と、該垂直磁気記録媒体に対して情報の記録を行うための素子及び記録された情報の再生を行うための素子を有する磁気ヘッドと、該磁気ヘッドを該垂直磁気記録媒体に対して移動自在に支持したキャリッジアッセンブリとを具備することを特徴とする磁気記録再生装置。
  16. 前記記録再生ヘッドは、単磁極記録ヘッドであることを特徴とする請求項15に記載の磁気記録再生装置。
  17. 非磁性基板上に、少なくとも非磁性下地層と磁性層と保護膜とが順次積層されてなる垂直磁気記録媒体であって、前記磁性層のうち少なくとも1層の微細構造が、強磁性の結晶粒と非磁性である酸化物の結晶粒界相とから構成されてなることを特徴とする垂直磁気記録媒体。
  18. 前記結晶粒界相を形成する酸化物が、Ti,Si,CrおよびTaから選ばれる2種類以上の酸化物を含むことを特徴とする請求項17に記載の垂直磁気記録媒体。
  19. 前記結晶粒界相を形成する酸化物がCr酸化物とSi酸化物を含むことを特徴とする請求項17または18に記載の垂直磁気記録媒体。
  20. 前記磁性層中に存在するCr酸化物の量がCr酸化物とSi酸化物の総量の80モル%以下であることを特徴とする請求項19に記載の垂直磁気記録媒体。
  21. 前記結晶粒界相を形成する酸化物がCr酸化物とTi酸化物を含むことを特徴とする請求項17または18に記載の垂直磁気記録媒体。
  22. 前記磁性層中に存在するCr酸化物の量がCr酸化物とTi酸化物の総量の30モル%以上80モル%以下であることを特徴とする請求項21に記載の垂直磁気記録媒体。
  23. 前記結晶粒界相を形成する酸化物がSi酸化物とTi酸化物を含むことを特徴とする請求項17または18に記載の垂直磁気記録媒体。
  24. 前記磁性層中に存在するSi酸化物の量がSi酸化物とTi酸化物の総量の30モル%以上70モル%以下であることを特徴とする請求項23に記載の垂直磁気記録媒体。
  25. 前記結晶粒界相を形成する酸化物がTi酸化物とTa酸化物を含むことを特徴とする請求項17または18に記載の垂直磁気記録媒体。
  26. 前記磁性層中に存在するTa酸化物の量がTi酸化物とTa酸化物の総量の40モル%以上70モル%以下であることを特徴とする請求項25に記載の垂直磁気記録媒体。
  27. 前記磁性層組成が層最下部から最上部に向けて連続的に変調していることを特徴とする請求項17〜26のいずれかに記載の垂直磁気記録媒体。


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