JP2003168205A - 垂直磁気記録媒体およびその製造方法 - Google Patents

垂直磁気記録媒体およびその製造方法

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JP2003168205A
JP2003168205A JP2001363141A JP2001363141A JP2003168205A JP 2003168205 A JP2003168205 A JP 2003168205A JP 2001363141 A JP2001363141 A JP 2001363141A JP 2001363141 A JP2001363141 A JP 2001363141A JP 2003168205 A JP2003168205 A JP 2003168205A
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Yasushi Sakai
泰志 酒井
Sadayuki Watanabe
貞幸 渡辺
Kazuo Enomoto
一雄 榎本
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Fuji Electric Co Ltd
Original Assignee
Fuji Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高記録密度においても書き込まれた信号のシ
フトや消滅がなく、優れた生産性を有する垂直磁気記録
媒体およびその製造方法を提供する。 【解決手段】 非磁性基板1上に少なくとも軟磁性裏打
ち層4,中間層5,磁気記録層6および保護層7が順に
形成された構造を有しており、その上に液体潤滑剤層8
が形成される。磁気記録層6は、酸素ガスが添加された
成膜用ガスを用いて形成された希土類−遷移金属合金非
晶質膜からなる。酸素ガスが添加される割合は全ガス量
の0.1%〜10%である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は垂直磁気記録媒体お
よびその製造方法に関し、特に、種々の磁気記録装置に
搭載される垂直磁気記録媒体およびその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】磁気ディスク記録装置の大容量化に伴っ
て、磁気記録媒体の高記録密度化の要求が高まってい
る。従来の磁気記録方式では、長手磁気記録方式が主流
であるが、最近、磁気記録の高記録密度化を実現する技
術として、垂直磁気記録方式が注目されつつある。
【0003】垂直磁気記録媒体は、硬質磁性材料の磁気
記録層と、この記録層への記録に用いられる磁気ヘッド
が発生する磁束を集中させる役割を担う軟磁性材料で形
成される裏打ち層を構成要素に含んでいる。垂直磁気記
録媒体用の磁気記録層材料としては、現在主にCoCr
系合金結晶質膜が使用されている。
【0004】一方、光磁気記録材料として使用されてい
る希土類−遷移金属合金非晶質膜は、大きな垂直磁気異
方性定数Kuを有し、垂直磁気記録媒体の磁気記録層材
料として非常に有望である。ところが、光磁気記録では
補償点近傍の組成が使用されており、この組成域のHc
は、垂直磁気記録用の材料として要求されるHcよりも
かなり大きく、そのままでは垂直磁気記録媒体としては
使用することは困難である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】現在の技術で主に使用
されているCoCr系合金結晶質磁気記録材料の場合、
今後の記録の高密度化に対し、磁気記録層の薄膜化,C
oCr系結晶粒径の微細化および粒界偏析の促進等の方
法により磁気記録媒体の低ノイズ化の検討が行なわれて
いる。しかしながら、上記方法は、記録された信号の熱
安定性を劣化させる方向であり、場合によっては記録さ
れた信号が消えてしまうという、いわゆる熱揺らぎの問
題を無視することができなくなる。
【0006】一方、希土類−遷移金属合金非晶質膜を使
用した場合、非晶質であるためにCoCr系結晶質膜に
見られるようないわゆる結晶粒界というものが存在しな
いため、書き込まれた信号をその場所にとどめておくた
めの核となるものが存在せず、信号がシフトしたり、消
えたりしてしまうことがある。特に、この現象は高い周
波数での記録時に発生し易く、高記録密度化を目指す垂
直磁気記録材料としてはそのまま用いることはできない
という課題があった。
【0007】そこで、本発明の目的は、希土類−遷移金
属合金非晶質膜において、高記録密度においても書き込
まれた信号のシフトや消滅がなく、かつ生産性に優れた
垂直磁気記録媒体およびその製造方法を提供することで
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに請求項1の発明では、非磁性基板と、該非磁性基板
上に配置された軟磁性裏打ち層と、該軟磁性裏打ち層上
に配置された中間層と、該中間層上に配置された磁気記
録層と、該磁気記録層上に配置された保護層と、該保護
層上に配置された液体潤滑剤層とを備えた垂直磁気記録
媒体において、前記磁気記録層は、酸素ガスが添加され
た成膜用ガスを用いて形成された希土類−遷移金属合金
非晶質膜からなる構成の垂直磁気記録媒体を実施した。
【0009】請求項2の発明では、請求項1に記載の垂
直磁気記録媒体において、前記酸素ガスが添加される割
合は全ガス量の0.1%〜10%である垂直磁気記録媒
体を実施した。
【0010】請求項3の発明では、請求項1または2に
記載の垂直磁気記録媒体において、前記非磁性基体上に
配置された1層または複数層からなる下地層と、該下地
層上に配置された磁区制御層とをさらに備え、該磁区制
御層上に前記軟磁性裏打ち層を配置されてなる構成の垂
直磁気記録媒体を実施した。
【0011】請求項4の発明では、非磁性基板上に順
次、軟磁性裏打ち層、中間層、磁気記録層、保護層およ
び液体潤滑剤層を成膜して積層することで垂直磁気記録
媒体を形成する垂直磁気記録媒体の製造方法において、
前記中間層上に前記磁気記録層を成膜する際に、成膜用
ガスに酸素ガスを添加することで希土類−遷移金属合金
非晶質膜を形成して前記磁気記録層を成膜する垂直磁気
記録媒体の製造方法を実施した。
【0012】請求項5の発明では、請求項4に記載の垂
直磁気記録媒体の製造方法において、前記添加する酸素
ガスの割合を全ガス量の0.1%〜10%として前記希
土類−遷移金属合金非晶質膜を形成する垂直磁気記録媒
体の製造方法を実施した。
【0013】請求項6の発明では、請求項4または5に
記載の垂直磁気記録媒体の製造方法において、前記非磁
性基体上に下地層を1層または複数層成膜し、さらに磁
区制御層を成膜した後に、前記軟磁性裏打ち層を成膜す
る磁気記録媒体の製造方法を実施した。
【0014】
【発明の実施の形態】以下に、本発明に係る垂直磁気記
録媒体およびその製造方法の第1実施形態および第2実
施形態について、図1および図2を参照して説明する。
なお、図1および図2は、本発明の例示のために示すも
のであり、本発明はこれらの形態に限定されない。
【0015】図1は本発明に係る垂直磁気記録媒体の第
1実施形態の断面模式図である。この垂直磁気記録媒体
はディスク状の形態とされ、非磁性基板1上に少なくと
も軟磁性裏打ち層4,中間層5,磁気記録層6および保
護層7が順に形成された構造を有しており、さらにその
上に液体潤滑剤層8が形成されている。
【0016】本実施形態において、非磁性基板1として
は、通常の磁気記録媒体用に用いられる、NiPメッキ
を施したAl合金や強化ガラス、結晶化ガラス等を用い
ることができる。軟磁性裏打ち層4としては、NiFe
合金,センダスト(FeSiAl)合金等を用いること
が出来る。非晶質のCo合金、例えばCoNbZr,C
oTaZrなどを軟磁性裏打ち層4として用いれば、よ
り良好な電磁変換特性を得ることが出来る。軟磁性裏打
ち層4の膜厚は、記録に使用する磁気ヘッドの構造や特
性によって最適値が変化するが、生産性との兼ね合いか
らは10nm以上、300nm以下であることが望まし
い。
【0017】中間層5は、軟磁性裏打ち層4と磁気記録
層6を磁気的に分離するためと、磁気記録層6の特性を
制御するために用いられる。中間層5の材料としては、
Ti,Ruなどの非磁性金属、あるいはTiCr,Co
Crなどの非磁性合金が適宜用いられる。中間層5は、
5nm〜30nmの膜厚を有することが好ましい。
【0018】磁気記録層6は、希土類−遷移金属合金非
晶質膜からなる。この希土類−遷移金属合金非晶質膜と
して使用可能な材料としては、例えばTbCo,TbF
eCoなどの合金系が挙げられる。本実施形態において
磁気記録層6を成膜する際には、成膜時に使用する成膜
用ガスに0.1%以上、10%以下の割合で酸素ガスを
添加する。酸素ガスを添加し、この酸素ガスの添加割合
を調整することにより、垂直磁気記録媒体の諸特性を制
御することが出来る。
【0019】酸素の添加量(添加割合)が0.1%以下
の場合は、添加量が少なすぎるため酸素添加成膜の効果
が現れず、10%以上の場合は、添加量が多すぎるため
膜中の希土類元素が酸化されてしまうので垂直磁気記録
媒体としての十分な特性を得ることができない。したが
って、酸素ガスの添加量は0.1%以上、10%以下と
する必要がある。
【0020】磁気記録層6を成膜する方法としてはスパ
ッタリング法,蒸着法,イオンビーム蒸着法,CVD法
などが挙げられるが、特性の制御および生産性などの点
からスパッタリング法が好ましい。
【0021】酸素ガスの添加の方法は、一般的に成膜に
用いられているArガスとOガスを混合し、その混合
の割合を変化させることにより添加割合を変化させる手
法に依ることが出来る。磁気記録層6の膜厚は、5nm
〜100nmとすることができるが、好ましい値は10
nm〜50nmである。
【0022】保護層7には、従来技術で使用されている
保護膜を用いることができる。例えば、カーボンを主体
とする保護膜を用いることができる。保護層7の膜厚等
の条件として、通常の磁気記録媒体で用いられる諸条件
をそのまま用いることができる。
【0023】また、液体潤滑剤層8にも従来技術で使用
されている材料を用いることができる。例えは、パーフ
ルオロポリエーテル系の潤滑剤を用いることができる。
液体潤滑剤層8の膜厚等の条件として、通常の磁気記録
媒体で用いられる諸条件をそのまま用いることができ
る。
【0024】図2は本発明に係る垂直磁気記録媒体の第
2実施形態を示す断面模式図である。図2中、参照符号
2は1層または複数層からなる下地層、参照符号3は磁
区制御層を表し、その他、図1中のものと同一機能を有
する構成要素には図1におけると参照符号と同一参照符
号を付してある。
【0025】この垂直磁気記録媒体はディスク状の形態
とされ、非磁性基板1上に少なくとも1層または複数層
からなる下地層2,磁区制御層3,軟磁性裏打ち層4,
中間層5,磁気記録層6および保護層7が順に形成され
た構造を有しており、さらにその上に液体潤滑剤層8が
形成されている。
【0026】非磁性基板1としては、通常の磁気記録媒
体用に用いられる、NiPメッキを施したAl合金や強
化ガラス、結晶化ガラス等を用いることができる。磁区
制御層3としては、Mnを含む合金系からなるPtM
n,IrMnなどの反強磁性膜、あるいは非磁性基体1
の半径方向に磁化を配向させたCoCrTa,CoCr
Pt,CoCrPtB膜などの硬質磁性膜を用いること
ができる。該磁区制御層3は5〜300nm程度の膜厚
を有することが好ましい。
【0027】多層下地層2としては、磁区制御層3とし
てMn合金系の反強磁性膜を用いる場合には、面心立方
構造を有するCu,Irなどの非磁性単金属、あるいは
NiFeCrなどの非磁性合金などを用いることが望ま
しい。この場合、さらにその下層に、上述の非磁性単金
属膜あるいは非磁性合金膜の微細構造を制御するため
に、3〜30nmの膜厚を有するTa,Zr,Nbなど
を設けてもよい。
【0028】また、磁区制御層3として硬質磁性膜を用
いた場合には、多層下地層2としては、CrMo,Cr
WなどのCr合金などを用いることが出来る。この場合
にも、さらにその下層に、前記Cr合金膜の微細構造を
制御するために前記と同様に下地層を設けてもよい。
【0029】軟磁性裏打ち層4としては、NiFe合
金,センダスト(FeSiAl)合金等を用いることが
出来るが、非晶質のCo合金、例えばCoNbZr,C
oTaZrなどを用いることにより良好な電磁変換特性
を得ることが出来る。軟磁性裏打ち層4の膜厚は、記録
に使用する磁気ヘッドの構造や特性によって最適値が変
化するが、生産性との兼ね合いからは10nm以上、3
00nm以下であることが望ましい。
【0030】中間層5は、軟磁性裏打ち層4と磁気記録
層6を磁気的に分離するためと、磁気記録層6の特性を
制御するために用いられる。中間層5の材料としては、
Ti,Ruなどの非磁性金属、あるいはTiCr,Co
Crなどの非磁性合金が適宜用いられる。中間層5は、
5nm〜30nmの膜厚を有することが好ましい。
【0031】磁気記録層6は、希土類−遷移金属合金非
晶質膜からなる。この希土類−遷移金属合金非晶質膜と
して使用可能な材料としては、例えばTbCo,TbF
eCoなどの合金系が挙げられる。本実施形態における
磁気記録層6を成膜する際には、成膜時に使用する成膜
用ガスに0.1%以上、10%以下の割合で酸素ガスを
添加する。酸素ガスを添加し、この酸素ガスの添加割合
を調整することにより、垂直磁気記録媒体の諸特性を制
御することが出来る。
【0032】酸素の添加量(添加割合)が0.1%以下
の場合は、添加量が少なすぎるため酸素添加成膜の効果
が現れず、10%以上の場合は、添加量が多すぎるため
膜中の希土類元素が酸化されてしまうので垂直磁気記録
媒体としての十分な特性を得ることができない。したが
って、酸素ガスの添加量は0.1%以上、10%以下と
する必要がある。
【0033】磁気記録層6を成膜する方法としてはスパ
ッタリング法,蒸着法,イオンビーム蒸着法,CVD法
などが挙げられるが、特性の制御および生産性などの点
からスパッタリング法が好ましい。
【0034】酸素ガスの添加の方法は、一般的に成膜に
用いられるArガスとOガスを混合し、その混合の割
合を変化させることにより添加割合を変化させる手法に
依ることが出来る。磁気記録層6の膜厚は、5nm〜1
00nmとすることができるが、好ましい値は10nm
〜50nmである。
【0035】保護層7には、従来技術で使用されている
保護膜を用いることができる。例えば、カーボンを主体
とする保護膜を用いることができる。保護層7の膜厚等
の条件として、通常の磁気記録媒体で用いられる諸条件
をそのまま用いることができる。
【0036】また、液体潤滑剤層8にも従来技術で使用
されている材料を用いることができる。例えは、パーフ
ルオロポリエーテル系の潤滑剤を液体潤滑剤層8に用い
ることができる。液体潤滑剤層8の膜厚等の条件とし
て、通常の磁気記録媒体で用いられる諸条件をそのまま
用いることができる。
【0037】
【実施例】以下、上述した実施形態を具体的に実施した
結果について説明する。ここで用いた各材料および各条
件は本発明を好適に実施した代表例に過ぎず、本発明を
なんら限定するものではない。
【0038】(実施例1)非磁性基板1として表面が平
滑な化学強化ガラス基板(例えばHOYA社製N−5ガ
ラス基板)を用い、これを洗浄後スパッタ装置内に導入
し、CoZrNb非晶質軟磁性裏打ち層を200nm,
TiCr中間膜15nm,TbCo磁性層を30nm成
膜し、最後にカーボンからなる保護層5nmを成膜後、
真空装置から取り出した。
【0039】磁気記録層6以外の成膜はすべてガス圧5
mTorr下でDCマグネトロンスパッタリング法によ
り行なった。磁気記録層6の形成には、全ガス(Ar+
)流量を一定とし、Oガスの全流量に対する割合
を変化させた。
【0040】その後、パーフルオロポリエーテルからな
る液体潤滑剤層2nmをディップ法により形成し、垂直
磁気記録媒体の製造を行なった。
【0041】上記方法で、磁気記録層6の成膜時の酸素
流量を種々変化させて、垂直磁気記録媒体を製造した。
このように製造した磁気記録媒体の磁気特性は、磁化曲
線を振動試料型磁力計にて測定し、算出した。電磁変換
特性は、スピンスタンドテスターを用いGMRヘッド
(Giant Magnetoresistive Head)により測定を行なっ
た。
【0042】酸素ガス添加量(割合)に対する磁気特性
の変化を測定した結果を図3に示す。この測定結果は、
酸素ガスの添加量の増加に伴い、保磁力Hcの値は徐々
に低下するが、10%においても3000Oe以上の良
好な値を示した。しかしながら、更に酸素の添加量を増
やすことにより、Hcは急激に低下し、20%添加した
場合には1300Oe程度まで低下した。
【0043】この様なHcの変化の傾向と同様にSも添
加なしの場合の1から添加量を増やすことにより徐々に
低下し、10%までは0.98以上の値を示している
が、更に添加量を増やすことにより、急激に低下してし
まう。したがって、酸素ガスの添加量は10%以下とす
る必要があることが分かる。
【0044】酸素ガス添加量に対する線記録密度350
kFCIでのSNR値(電磁変換特性における信号対ノ
イズ比)を測定した結果を図4に示す。この測定結果に
よれば、酸素添加を行わない場合のSNR値は13.5
dBであった。0.05%添加した場合においても1
3.6dBとそれほど大きな違いは見られない。更に酸
素添加量を増加させると、0.1%添加においてSNR
は18.1dBの良好な値を示した。その後、添加量5
%程度まで19dB程度のほぼ一定の値を示し、10%
添加においても16.2dBという良好な値を示した。
【0045】しかしながら、更に添加量を増加させる
と、磁気特性の劣化に伴い、SNRは急激に低下した。
したがって、酸素添加量は0.1%以上、10%以下と
する必要があることが分かる。
【0046】(実施例2)非磁性基板1として表面が平
滑な化学強化ガラス基板(例えばHOYA社製N−5ガ
ラス基板)を用い、これを洗浄後スパッタ装置内に導入
し、Ta下地層を5nm、NiFeCr配向制御層を5
nm,IrMn磁区制御層を10nm,CoZrNb非
晶質軟磁性裏打ち層を200nm,TiCr中間膜を1
5nm,TbCo磁性層を30nm成膜し、最後にカー
ボンからなる保護層5nmを成膜後、真空装置から取り
出した。
【0047】磁気記録層6以外の成膜はすべてガス圧5
mTorr下でDCマグネトロンスパッタリング法によ
り行なった。磁気記録層6の形成は、全ガス(Ar+O
)流量を一定とし、Oガスの全流量に対する割合を
変化させた。
【0048】その後、パーフルオロポリエーテルからな
る液体潤滑剤層2nmをディップ法により形成し、垂直
磁気記録媒体の製造を行なった。
【0049】上述した方法により、磁気記録層6の成膜
時の酸素流量を種々変化させて、垂直磁気記録媒体を製
造した。このように製造した磁気記録媒体の磁気特性
は、磁化曲線を振動試料型磁力計にて測定し、算出し
た。電磁変換特性は、スピンスタンドテスターを用いG
MRヘッドにより測定を行なった。
【0050】実施例2の方法により製造した垂直磁気記
録媒体と実施例1の方法により製造した垂直磁気記録媒
体には、磁気特性およびSNRに関して、特に差異は認
められなかった。
【0051】実施例2による垂直磁気記録媒体のスピン
スタンドテスターによるディスク1周分の無信号時出力
波形を図5中に参照符号52によって示す。縦軸は出力
レベル、横軸はディスク(垂直磁気記録媒体)の回転中
心位置をその中心位置とする円周の角度位置を示す。
【0052】比較例として、下地層および磁区制御層を
付与していない実施例1による垂直磁気記録媒体の出力
波形も図5中に参照符号51によって示した。下地層お
よび磁区制御層がない場合には、全角度位置(すなわ
ち、ディスクの全周)に渡り不均一にスパイクノイズが
発生している。
【0053】これに対し、実施例2による垂直磁気記録
媒体では、下地層および磁区制御層を付与したことによ
り、全くスパイクノイズは発生していないことが分か
る。これは、下地層および磁区制御層を付与したことに
より、軟磁性裏打ち層に磁壁が形成されないためであ
る。
【0054】
【発明の効果】以上述べたように、本発明に係る垂直磁
気記録媒体によれば、垂直磁気記録媒体の磁気記録層と
して希土類−遷移金属合金非晶質膜を用い、該希土類−
遷移金属合金非晶質膜を形成する際に、成膜に使用する
ガスに酸素ガスを0.1%以上、10%以下添加して行
うことにより、高記録密度においても良好な特性を示す
垂直磁気記録媒体を製造することができる。
【0055】さらに、本発明に係る垂直磁気記録媒体の
製造方法によれば、既存の製造装置を用いて簡単な操作
で上記特性を有する垂直磁気記録媒体の製造を行なうこ
とが出来るため、大容量磁気記録媒体の大量生産にも適
した方法を製造提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る垂直磁気記録媒体の第1実施形態
の構成を示す断面模式図である。
【図2】本発明に係る垂直磁気記録媒体の第2実施形態
の構成を示す断面模式図である。
【図3】本発明の具体的実施例の結果を説明する図であ
り、実施例において製造した垂直磁気記録媒体の磁気特
性の酸素ガス添加量依存性を示す特性図である。
【図4】本発明の具体的実施例の結果を説明する図であ
り、実施例において製造した垂直磁気記録媒体のSNR
の酸素ガス添加量依存性を示す特性図である。
【図5】本発明の具体的実施例の結果を説明する図であ
り、実施例2において製造した垂直磁気記録媒体と実施
例1において製造した垂直磁気記録媒体のスピンスタン
ドテスターによる1周分の出力波形を示す特性図であ
る。
【符号の説明】
1 非磁性基板 2 下地層 3 磁区制御層 4 軟磁性裏打ち層 5 中間層 6 磁気記録層 7 保護層 8 液体潤滑剤層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 榎本 一雄 神奈川県川崎市川崎区田辺新田1番1号 富士電機株式会社内 Fターム(参考) 5D006 BB01 BB05 BB06 CA01 CA03 CA05 CA06 EA03 5D112 AA03 AA04 AA05 BB02 BB05 BD03 BD04 BD05 BD06 FA04 FB20

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性基板と、該非磁性基板上に配置さ
    れた軟磁性裏打ち層と、該軟磁性裏打ち層上に配置され
    た中間層と、該中間層上に配置された磁気記録層と、該
    磁気記録層上に配置された保護層と、該保護層上に配置
    された液体潤滑剤層とを備えた垂直磁気記録媒体におい
    て、 前記磁気記録層は、酸素ガスが添加された成膜用ガスを
    用いて形成された希土類−遷移金属合金非晶質膜からな
    ることを特徴とする垂直磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の垂直磁気記録媒体にお
    いて、 前記酸素ガスが添加される割合は全ガス量の0.1%〜
    10%であることを特徴とする垂直磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の垂直磁気記録
    媒体において、 前記非磁性基体上に配置された1層または複数層からな
    る下地層と、該下地層上に配置された磁区制御層とをさ
    らに備え、 該磁区制御層上に前記軟磁性裏打ち層を配置されてなる
    ことを特徴とする垂直磁気記録媒体。
  4. 【請求項4】 非磁性基板上に順次、軟磁性裏打ち層、
    中間層、磁気記録層、保護層および液体潤滑剤層を成膜
    して積層することで垂直磁気記録媒体を形成する垂直磁
    気記録媒体の製造方法において、 前記中間層上に前記磁気記録層を成膜する際に、成膜用
    ガスに酸素ガスを添加することで希土類−遷移金属合金
    非晶質膜を形成して前記磁気記録層を成膜することを特
    徴とする垂直磁気記録媒体の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の垂直磁気記録媒体の製
    造方法において、 前記添加する酸素ガスの割合を全ガス量の0.1%〜1
    0%として前記希土類−遷移金属合金非晶質膜を形成す
    ることを特徴とする垂直磁気記録媒体の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項4または5に記載の垂直磁気記録
    媒体の製造方法において、 前記非磁性基体上に下地層を1層または複数層成膜し、
    さらに磁区制御層を成膜した後に、前記軟磁性裏打ち層
    を成膜することを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
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