JP2005190538A - 磁気記録媒体、およびその製造方法と装置 - Google Patents

磁気記録媒体、およびその製造方法と装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 非金属材料によるグラニュラー媒体構造の導入と磁性材料の高Ku化を同時に実現し、高密度記録が可能な磁気記録媒体を得る。
【解決手段】 磁性金属粒子31と非磁性材料32とから構成されるグラニュラー磁性膜の磁性金属粒子31を、CoもしくはFeを主原料とする強磁性遷移金属元素とPt元素が周期的に積層された構造とし、その積層周期33を0.35 nm 以上0.9 nm以下、好ましくは0.4 nm以上0.55 nm以下とする。
【選択図】 図4

Description

本発明は磁気的に情報を記録、保存、および再生する情報記録装置に用いられる磁気記録媒体と、その製造方法及び製造装置に関する。
近年のコンピュータの高性能化に伴い、磁気ディスク装置(HDD)に対しては、より高密度の記録再生能力が要求されている。ところが、HDDの面記録密度が急速に増加するにつれて、磁気的に記録した磁化方向の情報が環境の熱エネルギーの影響により消失していくという問題が顕在化してきた。記録媒体への高密度記録を可能とするためには、記録膜内の磁性粒子の粒径を微細化してその磁性粒子間に結晶粒界領域を設け、それらの磁気的結合を弱めることで、記録磁化情報の低ノイズ化を図らなければならない。しかし、磁化反転のために必要な熱エネルギーは磁性粒子の体積に比例しているため、磁性粒子体積が小さくなると熱エネルギーに対する耐性が低下する。そのため、記録磁化方向を保持している磁性粒子は記録直後の磁化方向を維持することが出来ず、時間の経過と共に伴に再生出力が低下する等の現象を引き起こす。この現象は熱減磁と呼ばれている。
この問題を解決する最も直接的な方法は、磁化方向の情報を保持する磁気記録膜の磁気異方性エネルギー(Ku)を増加させることである。磁気異方性エネルギーは磁化方向の安定度、つまり反転の難しさ、を表す物性値であり磁性粒子の結晶構造やそれを構成する材料によって決まっている。環境温度をT、孤立した磁性粒子の体積をV、ボルツマン定数をkBとすると、熱擾乱による磁化反転は(Ku・V)/(kB・T)が小さくなるほど起こりやすい。Vの減少をKuの増加によって補うことが出来れば熱減磁現象の顕在化を抑制することが出来る。
また、現在の製品に適用されている面内磁気記録方式に代わる垂直磁気記録方式の研究開発が進められている。垂直磁気記録方式は、高密度記録を行った場合に隣接ビットからの漏洩磁束が磁化を安定化させる方向に働くため、面内磁気記録方式と比較して高密度化に有利であると言われている。
このような背景から、大きな磁気異方性エネルギーを有し、かつ磁化容易軸が膜面に対して垂直に配向することで知られる人工格子膜が注目されている。人工格子膜とは、異なる元素からなる原子層オーダーの薄膜を人工的に交互に積み重ねることにより得られる薄膜であって、天然には存在しない物性を得ることが出来る。大きな垂直磁気異方性エネルギーを示すものとしては、強磁性元素(Co, Fe)と貴金属元素(Pd, Pt)を交互に積層したものが知られており、その垂直磁気異方性の起源は、強磁性金属層と貴金属層の界面にあると考えられている。特開平5-67322号公報にはCo/Pt人工格子膜を用いた垂直磁化膜についての記載があり、人工格子膜中に占める強磁性Co元素比率が比較的大きい場合にも垂直磁化膜を得る方法として、人工格子膜の積層周期数を小さくする事が提案されている。
このような人工格子膜は、CoやFe等の強磁性遷移金属元素を主成分とする原材料とPtやPd等の貴金属元素を主成分とする原材料を各々用意し、これを独立した手段により蒸着することによって作製する。この時、これらの原材料が基板面に交互に蒸着されるように操作を行う。この操作は、例えば、蒸着源と基板の間にシャッターを設けることによって行ってもよいし、基板を蒸着源間で移動させることによって行ってもよい。また、蒸着源からの原料発生量をそれぞれの蒸着手段ごとに時間的に変動させてもよい。
蒸着方法としては、製膜速度が比較的早く、純度の高い膜を得ることが可能であるスパッタリング法が、大量生産に好適である。特開2003-141719号公報には、基板の位置を固定し、同一真空チャンバー内に配置した複数のスパッタリング・ターゲットを回転させることによって、人工格子膜を高速に作製する装置についての記述が見られる。カソードにおける放電条件を独立に制御することで、任意の周期構造を得ることが可能である。また、特開平6-111403号公報には、カソードごとに放電ガス圧を変えることによって、さらに人工格子膜の磁気特性向上を図ることが出来ると記載されている。
また、磁性粒子の分離を促進する技術として、磁性金属膜へ酸化物を添加し、粒界を形成する技術が注目されている。所定の形成条件においてCo-Cr-Ptなどの磁性金属合金とSiO2などの非金属材料を同時に蒸着すると、粒状の磁性金属合金を取り囲むように網目状の酸化物粒界が形成される。この方法によって作製した媒体は一般にグラニュラー媒体と呼ばれている。グラニュラー媒体は、当初、非晶質SiO2からなる非磁性マトリクス中にFeの微小磁性結晶粒が分散した媒体として、S. H. Liouらによって提案された(Appl. Phys. Lett. 52 (1988) 512)。磁性粒子が非磁性酸化物相で分離されているため、磁性粒子間の磁気的相互作用が微弱であり、かつ、磁性結晶粒が微細であるので極めて低ノイズである。しかし、熱磁気緩和現象が極めて顕著であり、高記録密度領域で十分な信頼性が得られなかった。
しかし、その後、グラニュラー構造を持つ媒体であって大きな磁気異方性エネルギーを示す種々の材料や作製法が提案された。特開平7-311929号公報には磁性粒子の材料としてCoPt系合金を使うことや、非磁性の結晶粒界領域にSiO2の他にAl2O3、TiO2、ZrO2、Y2O3などの酸化物材料を使用して粒間相互作用を切断する方法が開示されている。また、酸化物以外にも窒化物を用いる方法も提案されている。
非磁性結晶粒界を形成する材料と磁性粒子を形成する材料を同時に蒸着するには、酸化物または窒化物を予め含有させた強磁性金属ターゲットを用い、スパッタリング法等により成膜することが考えられる。また、酸化物ターゲットと強磁性金属合金ターゲットを別個に用意し、同時に製膜しても良い。さらに、酸素または窒素を含有するArガス等を用いて反応性スパッタリング法を適用してもよい。さらに、成膜後の真空熱処理(特開平7-98835号公報)や、高周波バイアス印加(特開平8-45073号公報)など、磁気異方性エネルギーをさらに増加させる方法も提案されている。
また、Ruを主原料とする非磁性金属下地層を、CoPt系合金を使用したグラニュラー媒体と組み合わせると、強い垂直磁気異方性が得られる。その製法や特徴の詳細は、例えば、特開2003-077122号公報に開示されている。Co系合金の結晶構造は六方最密充填構造であり、同じ結晶構造を持つRu下地を用いることで磁化容易軸であるc軸が膜面垂直になるように結晶が配向しやすい。SiO2等の添加に対しても比較的安定な結晶配向を得られる。また、非金属材料からなる結晶粒界も良好に形成され、磁性粒子径も適当な大きさで揃っている。このグラニュラー媒体は磁化容易軸が膜面に対して垂直であるから、垂直磁気記録方式に適用することが可能である。
従来の磁気ディスクに使用されてきたCoCrPt系合金のみからなる磁気記録膜においては、非磁性金属元素であるCrが磁性金属であるCoと偏析しやすいことを利用し、Co元素の比較的多い磁性粒子とCr元素の比較的多い粒界とに分離させることによって低ノイズ化を実現している。ただし、このような粒界をうまく形成するためには、Cr元素を比較的多量(約20原子パーセント)に添加する必要があった。しかし、粒界偏析後にも磁性粒子内に残存したCr元素の影響で磁性結晶粒子のKuが減少するため、CoCrPt系合金のみによる磁気記録膜では低ノイズ化と熱安定性の両立が不可能であった。
これに対して、グラニュラー媒体はSiO2等の非金属材料を添加することによって非磁性な粒界を作り出しているので、様々な磁性金属膜への適用が可能である。例えば、グラニュラー媒体の磁性材料としてCoCrPt合金を用いる場合には、Cr元素量を15原子パーセント以下とすることで、高いKuを維持しつつ低ノイズ化を図ることが可能である。
このように、グラニュラー媒体は、磁気記録媒体の磁性を司る磁性金属材料にかかわらず粒界形成を可能とするので、磁性金属材料の選択の自由度が高まる。磁性金属材料に大きなKuを有する材料を適用することにより、媒体の磁性粒子微細化による低ノイズ化と記録情報の熱安定性を両立できる可能性がある。
特開平5-67322号公報 特開2003-141719号公報 特開平6-111403号公報 特開平7-311929号公報 特開平7-98835号公報 特開平8-45073号公報 特開2003-077122号公報 特開2002-25032号公報 Appl. Phys. Lett. 52 (1988) 512 J. Appl. Phys. 52 (1980) 2453 Appl. Phys. Lett. 56 (1990) 2345 J. Magn. Soc. Jpn., 21-S2, (1997) 177 Phys. Rev. Lett. 71 (1993) 2493
以上に説明してきたように、磁気ディスク装置の高密度化のためには、大きな垂直磁気異方性エネルギーKuを示す磁性膜を、微細な磁性粒子に分離させた状態で形成することが必要である。しかし、CoCrPt系合金では、これ以上の高Ku化を望むことは難しい。人工格子膜はグラニュラー媒体の磁性材料として従来検討されてきたCoCrPt系合金等よりも、大きなKuを発生する。この優れた磁性材料に対して非磁性材料からなる粒界を形成し、高い信号対雑音比SNRを達成することが出来れば、磁気ディスク装置の更なる高密度化に対応した磁気記録媒体を得ることが出来る。
人工格子膜を用いた磁気記録膜は、例えば、特開2002-25032号公報に開示されている。この公報では、スパッタリング法によって人工格子媒体を作製する場合に、CoおよびPdターゲットにBを添加元素として加え、かつ酸素雰囲気中で製膜することによって磁気記録媒体に適した特性を得る方法が示されている。製膜時に酸化物などの非磁性材料を混ぜる代わりに、人工格子膜を構成する強磁性金属及び貴金属元素中にボロン元素を添加し、製膜時に酸素もしくは窒素を含有する希ガス雰囲気中で反応性スパッタリングを行うことで、人工格子膜中に磁性粒子を取り囲むように密度の小さいアモルファス領域が生じる。高分解能EDXスペクトルから、このアモルファス領域はボロンおよび酸素を高濃度で含有し、ボロンオキサイド相であることが示された。さらに、このようにして結晶粒界構造を形成した人工格子膜の記録再生特性は向上し、磁気記録媒体に好適であると記載されている。
発明者らが前述の人工格子膜の作製方法などを参考に人工格子膜の試作を行ったところ、確かに結晶粒界の役割を果たすアモルファス領域が生じてSNRが増加することが確認できた。また、従来のグラニュラー媒体を擬して、人工格子膜にSiO2やMgOなどの酸化物材料を添加することも試みたところ、同様な粒界構造が形成された。
しかしながら、発明者らは、従来の人工格子膜に対して非金属元素からなる粒界を導入すると、多くの場合、人工格子膜の垂直磁気異方性エネルギーKuが減少することを見出した。これらの媒体では製膜時に導入する反応性ガス分圧や非金属材料添加量が増加するほどKuが減少する。粒界構造が完全になるような製膜条件で作製した人工格子膜中のKuの大きさは、その人工格子膜が本来有するKuの半分以下であり、人工格子膜のメリットは失われてしまうことが分かった。
さらに問題なのは、粒界形成によって磁性膜中のKuの大きさに分散が生じてしまうことである。人工格子膜のKuが減少するのは非金属材料の添加によって局所的に磁性が劣化していることを示唆しており、局所的な非金属材料含有量が高い場所、すなわち粒界形成が比較的進行しているところや粒径が小さくなっている場所でKuの減少量が大きい。そのため記録時に書きやすい磁性結晶粒子と書きにくい磁性結晶粒子が生じる。
実際の磁気記録では本質的に磁界勾配のある記録ヘッドによって記録を行う。したがって磁性金属粒子ごとに異なる反転磁界を持つ媒体では、記録磁区の端部において反転した粒子としなかった粒子が混在する「グレー領域」が出現する。発明者らが試作した人工格子膜媒体の記録再生特性を評価したところ、この人工格子膜媒体の記録分解能、すなわち高線密度記録時の信号出力の低密度記録時の信号出力に対する相対値が、従来のグラニュラー媒体と比べて著しく劣ることが分かった。これは前述のグレー領域の影響から、高線密度記録時に飽和記録が困難になっているためであると思われる。
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであり、非金属材料によるグラニュラー媒体構造の導入と磁性材料の高Ku化を同時に実現し、高密度記録が可能な磁気記録媒体を得ること、およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明の磁気記録媒体は、磁性金属粒子と非磁性材料とから構成される磁性薄膜を有する所謂グラニュラー磁気記録媒体であって、かつ磁性金属粒子内において、CoもしくはFeを主原料とする強磁性遷移金属元素とPt元素が周期的に積層された磁性膜であり、その積層周期Λが0.35 nm 以上0.9 nm以下、より好ましくは0.4 nm以上0.55 nm以下である。
このように作製された磁気記録媒体は、磁気記録層全体として材料組成が同一であるような従来の周期的規則構造をもたない合金媒体と比べて、より大きな垂直磁気異方性エネルギーを示す。これは強磁性合金と貴金属が層状に形成され、合金よりも垂直磁気異方性の高まりやすい原子配置となったことによる。また、周期構造のある方向に対して磁化容易軸を持つため、基板垂直方向に磁化容易軸が揃いやすい。したがって、このような媒体を垂直磁気記録方式の磁気ディスク装置へ適用することで優れた記録再生特性が得られる。
しかし、積層周期が0.35 nmを下回るような条件では原子オーダーで周期構造が消失するため、人工格子膜としたことによるKu増大の効果が損なわれ、本発明の利点が生かせなくなる。積層周期Λが0.4 nm以上0.55 nm以下である時に、本発明の磁気記録媒体は最大のKuを発生することから、このような積層周期を選択することが特に望ましい。積層周期Λがさらに大きくなると磁気異方性を発現する層界面の数が減少するため、Kuも減少する。また、Λが0.9 nm以上であるような場合には、磁気記録膜の膜厚方向の磁気特性むらのためか、媒体の記録特性が極端に劣化することが分かった。
本発明によれば、人工格子膜に対して非金属材料からなる粒界を形成しつつ、人工格子膜の特徴である大きな垂直磁気異方性エネルギーを活用することが可能である。よって、情報の保存安定性に優れた効果を有し、低SNRと高分解能を実現するグラニュラー媒体を提供することができる。また、本発明の磁気記録媒体の作製方法を用いることで、より優れた粒界構造および周期構造が得られ、さらに高い性能を実現が可能となる。これらの磁気記録媒体を用いることによって、磁気ディスク装置のさらなる記録面密度の向上が実現できる。
本発明の磁気記録媒体では、貴金属元素として用いたPtの強磁性金属合金に対する組成比を10原子%以上30原子%以下とする。これにより、酸化物もしくは窒化物からなる非金属材料等の添加を行って粒界構造を形成した場合にも、大きな垂直磁気異方性エネルギーKuを有し、記録媒体の熱擾乱に対する安定性を損なうことなく媒体記録ノイズを低減することが可能になる。
Pt元素は磁気異方性エネルギーを生み出すための要となる材料であり、積層構造によってCo原子−Pt原子ペアの配位方向が膜面垂直に揃い、大きな垂直磁気異方性エネルギーKuが得られている。ところが、Pt元素の電子状態はSiO2を初めとした非金属材料の添加を行った場合に乱れてしまい、その結果、急激にKuが減少することが判明した。
そこで発明者らが、Co合金に対するPt元素の組成比と非金属材料の添加効果の関係について詳細に検討を進めたところ、Pt元素の全金属元素に占める組成比が30原子%よりも小さい場合には、非金属粒界材料を添加によるKuの減少はほとんど見られないことが分かった。しかし、Pt元素の組成比をさらに減少させた場合、KuはPt組成比が減るにつれて単調に減少する。よって、Pt組成比が小さくなりすぎると、本発明の目的である大きなKuを実現することが困難となる。本発明の特長を生かし、従来のグラニュラー媒体に対して大きなKuを得るためには、Pt組成比が10原子%以上でなければならない。
なお、発明者らの検討によれば、このように貴金属元素の組成比を小さくした場合に、大きなKuが得られた材料はPt元素だけであった。貴金属元素としてPd元素を用いた場合にはPt元素を用いた同じ積層構造の人工格子膜の3分の1以下のKuしか得られなかった。また、Pt元素を用いた場合、Pt元素の組成比が磁性結晶粒子中の金属元素全体に対して約25原子%である時に、グラニュラー構造を持つ人工格子膜のKuが最大となることが分かった。これは1Pt原子に対して3Co原子を配位させた場合に、垂直磁気異方性が最大になることを意味している。なお、Ptが25原子%という組成比は、大きなKuを示すことで知られている六方晶Co3Pt1規則化合金と同じ組成比である。
さらに、本発明の磁気記録媒体では、強磁性金属層に対してTi,Cr,V,Nb,Mo,Ta,Wからなる非磁性金属元素群を含有させ、この強磁性金属合金層とPt層とを周期的に積層した構造とする。
従来、人工格子膜として度々検討されてきたCoとPd、もしくはCoとPtの積層構造においては、通常、膜全体を平均してみた場合に貴金属元素の組成比が比較的大きい条件で検討されている。典型的な条件は、Co層の厚さは0.3 nm、貴金属層の厚さを0.8 nm程度である。この場合、貴金属元素の比率は70原子%以上となり、本発明の要件を満たさない。
このような構造が選ばれていた理由は、貴金属層の比率を大きめにとることによって、磁気記録膜の飽和磁化を磁気記録媒体として好ましいレベル(300〜500kA/m程度)にまで下げるためである。(飽和磁化が大きすぎると、飽和磁化の二乗に比例する反磁界エネルギーが非常に大きくなり、磁気記録媒体として好ましくない種々の問題が生じる。)ところが、前述のように、本発明の磁気記録媒体では、Pt元素の比率を低く設定することが必要である。強磁性金属層がFe,Coのみからなる場合には、磁気記録膜全体の飽和磁化は非常に大きな値(1000kA/m程度)となることが避けられない。
よって、本発明では強磁性金属層に非磁性金属を添加して飽和磁化の比較的小さい強磁性合金層とすることで、磁気記録膜の飽和磁化を適当な値にまで減少させる。発明者らが検討した結果、前記の非磁性金属元素群を強磁性金属層に添加することにより、作製する磁気記録膜のKuを大きく減少させることなく、飽和磁化を効果的に減少させることが可能であることが分かった。その結果、磁気記録媒体としての保磁力は増大し、熱擾乱に対する耐性を確保することが出来た。
また、前記の添加材料の中でも、添加元素として比較的融点の高いグループであるNb,Mo,Ta,Wを用いた場合には、磁性金属粒子の直径が小さくなる傾向を示し、高SNR化により好適であった。
また、強磁性遷移金属に対する前記非磁性金属元素群の添加量の合計値は10原子%以上30原子%以下とすることが望ましい。J. Appl. Phys. 52 (1980) 2453には、Co合金に対して非磁性金属元素を微量(〜10原子%)添加した場合、Co合金層の結晶配向度が低下することが報告されている。発明者らの検討によれば、添加量が10原子%以下の場合に、KuおよびHcが特に減少する傾向が見られた。これは前記文献と対応しており、強磁性合金層とPt層と交互に積層した磁気記録膜の結晶配向度が低下したことに関係していると思われる。一方、これらの非磁性金属元素群の添加量が30原子%以上の場合、強磁性合金層の磁性が失われるため、本発明の積層構造で作製しても磁気記録膜として使用出来ない。
(作製方法)
本発明の磁気記録媒体を製造する方法としては、従来の人工格子膜の作製方法を利用できる。具体的には特開2003-141719号公報に示された、回転型カソード等を用いると良い。グラニュラー構造を形成するために必要な非金属材料は多層薄膜形成時に同時に蒸着する。RFスパッタリング法などを使用すれば、酸化物や窒化物材料などの非金属材料の蒸着は容易である。粒界となる非金属材料からなるターゲットを別に用意し、強磁性合金ターゲットおよび貴金属ターゲットと合わせて3元蒸着としてもよいし、粒界となる非金属材料を予め含有させておいた金属材料ターゲットを使用してもよい。
人工格子膜の作製方法において問題となるのが、作製した金属層間での合金化である。蒸着される物質粒子は、基板面に付着する際、蒸着条件によって決定される平均エネルギーを有しているため、蒸着される面に対して何らかのダメージを与え、またその粒子自体も基板表面付近で動き回る。このため、A金属層とB金属層との間にはAB合金層が生じやすい。本発明の磁気記録媒体のように積層周期が数原子層以下であるような周期構造を作製しようとすると、磁性膜全体で合金化が進み、所定の周期構造を得られなくなる可能性がある。
スパッタリング法は、大量生産に適した方法ではあるが、ターゲットから跳ね返ってきた中性粒子やスパッタ粒子のエネルギーが比較的大きくなりやすいため、他の蒸着方法と比べてこの現象が顕著である。スパッタリング法によって優れた層界面を得るためには、製膜時のスパッタガス圧を上げる、ターゲットの基板の間隔を大きくする、スパッタガスをArよりも原子量の大きな希ガス元素であるXeかKrに変更するなどの方法が知られている(Appl. Phys. Lett. 56 (1990) 2345)。
これらの施策はいずれもスパッタ粒子の運動エネルギーを減少させるが、Ptターゲットからの粒子に対する効果とそれよりも原子量の小さい強磁性金属合金ターゲットからの粒子に対する効果には差がある。Ptからなるスパッタ粒子の運動エネルギーが十分に小さくなるように最適化されたスパッタリング条件では、強磁性金属合金からなるスパッタ粒子のエネルギー低下が著しく該粒子が基板に到達し難くなるため、スパッタリング速度が低下し、またスパッタリング速度の基板位置による分布が非常に大きくなりやすい。
したがって、優れた多層薄膜構造を形成するためには、特開平6-111403号公報に開示されているように、蒸着源ごとに最適なスパッタガス圧を選ぶことが望ましい。しかし、この方法では人工格子膜の各層ごとにガス圧を変更する必要があるため、高速な多層薄膜形成を行うのには適さない。
この問題を解決するため、本発明の磁気記録媒体を作製する方法としては、各ターゲットを放電させる時のスパッタガス圧やガス種を変更する替わりに、ターゲットと製膜を行う基板との距離(以下、T−S間距離と呼ぶ)がターゲットごとに異なるようにターゲット・カソードを配置する。この時、原子量の大きい原料(ここではPt)を含むターゲットのT−S間距離は、原子量の小さい原料(ここでは遷移金属元素)を含むターゲットのT−S間距離よりも大きくしなければならない。そうすることで、各ターゲットから飛来するスパッタ粒子のエネルギーをそれぞれ最適に調節することが容易になる。
このようにT−S間距離をターゲット毎に適宜調整したスパッタリング法およびスパッタ装置を用いることで、非常に薄い原子層間での合金化が抑制される。よって、本発明のグラニュラー磁気記録媒体の特徴である周期の小さい積層構造を、より完全な状態で作製することが可能になる。このような磁気記録媒体は、当然、さらに大きな垂直磁気異方性エネルギーを発生する。
また、本発明の磁気記録媒体を作製する場合には、磁気記録膜中の非磁性粒界の形成を促進するため、製膜時の基板温度を少なくとも100℃以下に維持する必要がある。発明者らが、本発明の磁気記録媒体の作製条件について検討を行ったところ、本発明の磁気記録媒体は製膜時の基板温度が100℃を超えて高くなると、磁性結晶粒子や非金属粒界材料の種類によらず、磁気記録膜の保磁力が急激に減少することが判明した。
電子顕微鏡による観察によれば、磁気記録膜形成時の温度が100℃を超えるような条件下では、磁性結晶粒子が所々で繋がり、また粒界の一部分は金属と混ざり合っていた。高温な環境下では、非金属粒界材料と磁性金属粒子とは溶け合いやすく、分離が進まないと考えられる。
(評価方法)
本発明の磁気記録媒体の特徴である組成の周期構造を確認する手段としては、X線回折法を始めとした結晶構造解析法がある。磁気記録媒体が膜面垂直方向に何らかの周期構造を有していれば、その周期に対応した回折ピークが現れる。この回折ピークの位置を検討することによって積層周期を知ることが可能である。また、その回折ピークの強度はその規則化の度合いを表す指標となる。ちなみに、周期構造に対応した回折ピークは基板加熱などで得られる化学的規則化合金でも見られる。FePt規則化合金の例でいえば、それは合金においては表れない面心正方晶fct(001)回折線であり、回折ピーク位置はちょうど2原子層の周期に対応する。また、J. Magn. Soc. Jpn., 21-S2, (1997) 177等に示されているように、規則相の形成量を同回折線の面積積分値から算出することが可能である。
また、本発明の特徴である組成の周期構造はKerr効果のスペクトラム形状にも影響を及ぼす。したがって、このような分光学的手法により周期構造を検出することも可能である。例えば、Phys. Rev. Lett. 71 (1993) 2493には大きな規則化因子Sを持つCo3Pt1規則化合金は3.2 eV近傍でKerr回転角が増大する事が示されている。本発明の磁気記録媒体についても同様な方法で周期構造の有無を判定できる。
以下、本発明を適用した幾つかの具体的な実施例に基づき、図面を参照しながら、本発明がもたらす作用効果について説明する。なお、これらの実施例は本発明の一般的な原理を表すことを目的に述べられるものであり、本発明を何ら制限するものではない。
〔実施例1〕
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態について説明する。実施例1では、特に、多層薄膜形成法を適用して周期構造を付与した本発明のグラニュラー媒体と従来の合金グラニュラー媒体との相違点について検討した結果を示す。
図1は、本発明による単層膜垂直磁気記録媒体の一実施例の構造を説明するための図である。基板1上に、非磁性シード膜2と、非磁性下地膜3と、磁気記録膜4及び保護膜5がこの順に積層されている。これらの膜は全てスパッタリング法を用いて作製した。また、製膜済みの基板を液体潤滑剤溶液中に浸すことにより保護膜5の上には液体潤滑剤層を塗布した。
基板1としては、ある程度の剛性と耐熱性があればどんな材料でも使えるが、通常は磁気記録媒体の基板として用いられる、NiPメッキを施したアルミ合金基板や、強化ガラス、結晶化ガラス等のガラス基板を用いる。プラスチック樹脂を射出成形して作製した基板等を用いても構わない。
非磁性シード膜2は、基板1への膜の密着力の向上や非磁性下地膜の結晶配向性の向上などを目的として基板面に直接製膜するものである。したがって、シード膜の材料としては基板への密着性が高く、また平坦性が高いものが好適である。本実施例においてはNi-Taアモルファス合金を使用した。膜厚は40 nmとした。
非磁性下地膜3の材料としては、直後に製膜される磁気記録膜の結晶配向を良好に制御する一方、粒界構造の元となるのに好適な微細な凹凸形状を有することが望ましい。CoPt系合金に対しては特開2003-077122号公報などに詳述されているようなRuなどの材料が適している。この材料は結晶がhcp構造であり、そのc軸は膜面垂直に配向する傾向が強く、CoPt系合金のhcp構造と格子間隔も近いため、磁性粒子を形成するCoPt系合金がその上にエピタキシャル成長しやすい。また、比較的高融点の材料であるため、大きな結晶が成長し難く、微細な粒界構造の元となる凹凸形状が実現しやすい。もちろん、以上のような特性を有する下地膜であればどんな材料を使用してもよく、また複数の層からなる下地膜であってもよい。本実施例では磁気記録膜4の主原料にCo合金とPtを使用することを前提として、下地膜3を厚さ30nmのRu膜とした。
磁気記録膜4は、グラニュラー構造を有している垂直磁化膜であり、スパッタリング法を用いた人工的な多層薄膜形成方法により、その磁性粒子中には材料組成の周期構造が導入されている。具体的に実施した製膜方法の詳細については後述する。磁気記録膜4の製膜に続いて保護膜5を製膜する。保護膜5は厚さ5 nmであり、窒素を含んだArガス雰囲気中でスパッタ製膜された窒化カーボンからなる。
図2は、本実施例における、磁気記録膜4の作製に用いた装置の構成を表したものである。装置は真空チャンバー21内に3つの電極ユニット22を備えたスパッタリング装置である。電極ユニット22はマグネトロンスパッタリングを可能とするマグネット及び冷却水の配管を備えており、真空チャンバー21に対してカソード(負電極)となるように、電源(DC/RF共用)23が取り付けられている。これらの電源23は独立に制御が可能である。また、電極ユニット22は回転テーブル24上に取り付けられており、テーブル回転機構25によって任意の速度で回転可能となっている。また、基板27は基板キャリアー26の中央部に固定して真空チャンバーからの出し入れ、および真空チャンバー内での移動を行う。スパッタリングを行う時にはガス導入口28よりアルゴンガスおよび微量の酸素ガスを導入する。ガス圧力および電源を適当に設定することにより電極表面に設置したターゲット表面にプラズマが生じ、ターゲットから所定の物質が飛び出して基板27に蒸着される。不要な箇所への物質の付着を防ぐため、適当な位置に仕切り板29を置いた。
図3は、図2に示したスパッタリング装置の詳細構造を説明するための図である。装置内に設置された3つの電極ユニット22は回転テーブル24の同一軌道上に均等な間隔で配置されており、その軌道に沿って各電極ユニット22が公転する仕組みになっている(以下、回転カソードと総称する)。各電極ユニット22に付随する電源23は独立に稼動させることが可能なので、ターゲット171ごとに製膜速度をコントロールできる。また、電極ユニット移動機構により各電極ユニット22の高さを変更することが可能である。本実施例においてはCo合金およびSiO2ターゲットと基板との距離TCoが25mmになるようにPtターゲットと基板との距離TPtが65mmとなるように設定した。図3(a)では基板27に対してCo合金ターゲットが正対しているためCo合金層が製膜され、図3(b)ではPtターゲットが正対しているためPt層が製膜されることになる。
回転カソードにはCo合金ターゲット、Ptターゲット、SiO2ターゲットの3つを取り付けて使用した。Co合金ターゲットおよびPtターゲットはDC放電により、SiO2ターゲットはRF放電により蒸着させた。基板をカソードの回転軌道上の一点に固定し、回転カソードを20〜150 rpmで回転させ、各ターゲットを所定のパワーで同時に放電させる。この方法を用いることによって、回転カソードの一回転で形成される構造が一積層周期に対応したような周期構造を得ることが出来る。また、多層薄膜構造を量産に適用できる程度に高速に作製することが可能になる。一積層周期の厚さをΛとし、磁気記録膜4全体の厚さをtとすると、全体の製膜時間はt/Λ×(1回転に要する時間)であり、t=15nm、Λ=0.5nm、回転速度=120rpmであれば約15秒で磁気記録膜全体の製膜が完了する。
磁気記録膜4の製膜時には、予め測定しておいた各ターゲットのスパッタレートを元に、回転カソードの回転速度、Co合金ターゲットとPtターゲットへの投入電力を制御して積層周期および金属元素中のPt元素の比率を決定する。さらに、SiO2ターゲットへの投入電力を制御して膜全体に対する大体のSiO2体積比率を決定する。製膜時の基板温度は約60℃とした。スパッタガスとしてはArガスを圧力が5 Paとなるように導入した。また、同時に酸素ガスを分圧が20〜40 mPaとなるように導入した。酸素ガスの分圧は積層周期やSiO2の導入量により異なるが、出来上がった磁気記録膜の保磁力が最大となるように調節した。スパッタガスへの酸素添加には、粒界構造による磁性粒子間の磁気的交換結合をより低減させる効果があるものと考えられる。
図4は、以上の手段によって作製された磁気記録膜4の概略構造図である。下地膜3上の磁気記録膜は強磁性を有する微小な磁性金属粒子31で構成され、これらの結晶粒の間には、SiO2からなる粒界層32が形成されている。基板上には各ターゲットからのスパッタ粒子はCo合金、Pt、SiO2の順番で飛来するが、酸化物であるSiO2は、他の金属と混ざり合わずに磁性金属粒子から析出して粒界を形成するために、このようなグラニュラー構造が出現する。一方、磁性金属粒子内ではCo合金とPtが一定の積層周期33で層状に積み重なっている。磁性金属粒子は概略円筒状の形状をしており、膜面方向の平均直径は約7.5nmであった。
以上の媒体作製方法によれば、各ターゲットにおける放電条件を固定し、回転カソードの回転速度を変えることによって、同一の組成からなる磁気記録膜4を様々な積層周期で作製することが出来る。本実施例において作製した磁気記録媒体の磁気記録膜4を製膜する際のスパッタリング条件を表1に示した。また、表1にはX線光電子分光法(ESCA)によって測定した金属元素全体に対する貴金属(PtもしくはPd)元素の組成比、および予め測定しておいたスパッタ速度から見積もった非金属材料の体積比率を示した。磁気記録膜4の製膜時間は全ての試料で16秒とし、回転カソードの回転数は毎分30〜150回転の間で制御した。磁気記録膜4の厚さは媒体群ごとに少し異なるが、14〜16 nmの範囲であった。
Figure 2005190538
以下、これらの磁気記録媒体を比較検討した結果を示す。
(積層周期依存性−構造)
図5は、表1の磁気記録媒体A群について測定したX線回折パターンである。回折角2θが42.2度付近における回折強度ピークはRu下地膜によるピーク41、隣接する42.8度付近の回折強度ピークは磁気記録膜の主回折強度ピーク42である。また、磁気記録媒体ごとに特有の比較的強度の小さい回折強度ピークが、主回折強度ピークよりも低角側にそれぞれ2つずつ存在する。これはこれらの磁気記録媒体に導入された積層周期に対応する回折強度ピークである。低角側にある回折ピーク43は組成の周期性に対応した回折角度2θを示しており、積層周期Λに対して、おおむね次式(1)に示すブラッグ条件を満たす。
2Λ・sinθ=λ …(1)
ここでλは使用したX線源であるCu−Kα線の波長(0.1452 nm)である。また、主ピークに比較的近い側にあるものは基本となる結晶周期構造に対する構造変調により表れるものでサテライトピーク44と呼ばれ、主ピークとサテライトピークの間隔が積層周期に対応する。これらの回折線を元に決定した積層周期と回転カソードの回転速度の関係を図5に示す。
回転数が高くなり積層周期が小さくなってくると、低角ピークは高角側に移動し、サテライトピークは低角側に移動してくる。これらのピーク位置は主ピークのほぼ半分の角度で一致した。これはCo3Pt1規則化合金に関する文献において見られる(000.2)基本ピークと (000.1)超格子ピークの関係と同じである。すなわち、積層周期が非常に小さくなり、一周期が2原子層になると、基板加熱などで得られる規則化合金と実質的に同一な結晶構造が得られるようになる。ただし、従来技術と異なり、本実施例の磁気記録媒体には非金属材料が添加されており、図4に示したようなグラニュラー構造が得られている。これは本実施例の人工的な多層薄膜形成法を用いて低温で磁気記録膜4を製膜したためである。
回転数が100 rpm以上になると、主ピークのほぼ半分の位置にあった積層周期起因のピークの回折強度が急速に減少した。これは積層周期が2原子層以下となり、合金化が進んだためであると考えられる。超格子ピークが見えない場合には、積層周期を決定することは出来ないが、以下の検討では、積層周期が大きい同じ群の媒体の積層周期を回転カソードの回転数比で割ることにより、便宜的に仮想の積層周期を決定した。
本実施例では、回転カソードを備えるスパッタリング装置を用いて本発明のグラニュラー媒体を製造する方法について説明した。しかし、本発明のグラニュラー媒体の製造装置として重要なのは、Ptを含むターゲットのT−S間距離が遷移金属元素を含むターゲットのT−S間距離よりも大きいことであり、必ずしも回転カソードを備える装置である必要はない。要は、各ターゲット原料を順次積層できる装置であればよいのであって、例えば、各ターゲットの電力を時間的に変動させることによって各ターゲット原料の蒸着速度を変えて順次積層する装置によっても、本発明のグラニュラー媒体を製造することが可能である。
(積層周期依存性−保磁力と垂直磁気異方性)
上述のようなスパッタリングによる多層膜形成法を用い、強磁性遷移金属合金とPtとを交互に物理蒸着させることで膜面垂直方向に周期的に組成が変化する構造を形成し、かつ良好な非磁性粒界を形成することが可能であることが分かった。図6はこれらの磁気記録媒体の磁気異方性エネルギーKu、図7は同保磁力Hcの積層周期依存性を表す図である。ここで、Kuは磁気トルク計による測定値に反磁界エネルギーによる補正分(2πMs 2)を加算して求めた。Hcは極カー効果を用いたカー効果測定装置によってヒステリシスループを測定することで求めた。また、比較のため、CoCr13Pt22合金とSiO2を2元同時スパッタすることにより作製したグラニュラー媒体の測定値も示した。
図6からKuは媒体内の磁性金属粒子の積層周期に強く依存していることが分かる。積層周期が小さく、磁性金属粒子の合金化が進んでいると思われる媒体では、CoCr13Pt22合金とSiO2のグラニュラー媒体と比べて、Kuに大きな差はなかった。
図5のX線回折パターンで積層周期と関連した回折強度ピークが見られるようになると急激にKuが増加し、0.4 nmから0.55 nm付近で最大値を示した。さらに積層周期が高いところではKuは漸減するが、減少の仕方はそれほど大きくなかった。積層周期が1.0 nm以上の場合にも、積層周期の小さい合金化の進んだ膜よりも十分に大きなKuが得られた。ただし、貴金属層にPd元素を用いた磁気記録媒体E群については他の媒体と異なった。この媒体は積層周期が大きくなるにつれてKuが増大する傾向を示す。しかしながら、E群の媒体のKuは他の媒体群と比べて非常に小さく、磁気記録媒体には適さない。
図7のHcの振る舞いはKuの振る舞いと極めて似ており、HcはKuに比例している。グラニュラー構造のために磁性金属粒子間の交換相互作用が減少し、媒体が一斉磁化反転(Stoner - Wohlfarth型反転)に近いメカニズムで磁化反転を起こしているためであると考えられる。図8はB群の磁気記録媒体について測定した磁気カー効果ヒステリシスループの一部である。ループの保磁力は積層周期によって変化しているが、非可逆磁化反転が起きている保磁力付近のループの傾きは全く変化していない。これは、グラニュラー構造自体が積層周期によって変化せず、磁性金属粒子間の交換相互作用が同程度であることを示している。よって、保磁力Hcの変化は、交換相互作用の変化によるものではなく、磁気異方性エネルギーKuの差によるものである。
(積層周期依存性−記録特性)
ここまで検討した磁気記録膜を軟磁性裏打ち膜82と組み合わせた二層膜垂直磁気記録媒体を作製し、記録再生特性を評価した。図9に、二層膜垂直磁気記録媒体の全体構造を示す。軟磁性裏打ち膜82は、厚さ100 nmのFeTaC微結晶合金83を薄いTa(1 nm)層84を介して2層に重ねたものを使用した。軟磁性裏打ち膜82と磁気記録膜4とは出来るだけ近いことが望ましいので、非磁性シード層2の厚さは3 nmとした。Ru下地膜3は単層媒体のときと同じ30 nmとした。また軟磁性裏打ち膜82の基板側には密着性を向上するためNiTa合金からなる密着層81を挿入してある。Kerr効果測定装置を用いて磁気記録膜4の磁気特性を測定したところ、図1の構造の単層媒体と比較して違いは見られなかった。
記録再生特性の評価は、ヘッドと磁気記録媒体の相対線速度6 m/sで行った。このときヘッド浮上量は約14 nmであった。媒体に情報を記録する場合は、記録用磁気ヘッドとして主磁極厚が210 nm、トラック幅150 nmの単磁極型ヘッドを用いた。情報を再生する場合は、再生用磁気ヘッドとしてシールドギャップ長65 nm、トラック幅120 nmの磁気抵抗型ヘッドを用いた。記録再生を行った信号の信号対雑音比SNRは、記録密度50 kFCIにおいて記録を行った時の信号再生出力値を記録密度400 kFCIにおける媒体記録ノイズの積分値で割った値とした。分解能は、各記録密度に対する信号再生出力を測定し、信号再生出力が記録密度50 kFCIでの値の半分となる記録線密度D50を指標とする。
図10にその評価結果を示す。磁気記録膜4の積層周期が0.9 nmから記録分解能およびSNRの低下が顕著になっていることが分かる。図10のようなSNRや分解能の減少は、記録媒体の性能に大きな影響を与えるため非常に深刻な問題である。
このような性能劣化が起こる理由は正確には分からないが、積層周期が大きい場合には、垂直磁気異方性エネルギーKuの起源である層間の界面付近と界面から離れた部分との磁気特性の違いが、高周波磁界による記録過程に何らかの悪影響を及ぼしていることが考えられる。また、磁性結晶粒子内でのPt元素の配位の仕方が変わり、磁化容易軸が分散を持つようなケースも考えられる。
Kuは書きやすさを表す指標であるHkと比例関係にあり、この分散が大きい場合は、記録しやすい磁性金属粒子と記録しにくい磁性金属粒子が混在するので、分解能は劣化し、ひいてはSNRも減少する。
以上、本実施例からも明らかなように、本発明の磁気記録媒体では垂直磁気異方性エネルギーが従来の合金グラニュラー膜と比べて増大する。垂直磁気異方性エネルギーが最大となる積層周期は0.4〜0.55 nmあった。この積層周期はX線回折法によって超格子ピーク位置を解析することにより決定されるものである。
〔実施例2〕
本実施例では、本発明の効果を説明するため、磁性金属粒子中に占めるPt元素の割合を変えた場合の媒体特性の変化について検討した結果を示す。磁気記録膜の作製方法は実施例1と同じとし、図1の媒体構造で作製した。表2は本実施例における磁気記録膜4の作製条件の一覧である。Co合金層とPt層のスパッタ電力を変えてPtの組成比を変化させているが、積層周期はほぼ0.5 nmで一定になるようにパワーの調節をした。回転カソードの回転速度は80 rpmに固定した。また、SiO2をグラニュラー膜として最適な条件(22体積%)で添加したものと、SiO2を添加しなかったものの2種類をそれぞれ作製した。SiO2を添加しなかった媒体の作製時にはスパッタガスへの酸素添加を行わなかった。
Figure 2005190538
図11は表2の条件で作製した磁気記録媒体F群の垂直磁気異方性エネルギーKuの比較図である。磁性結晶粒子あたりのKuを比較するために、SiO2を添加していない媒体については測定したKuを0.78倍に換算して表示している。SiO2を添加していない場合、Pt組成比が高い媒体ほど大きなKuを示した。Pt組成比が10原子%(F群−1)以上であれば、積層構造を持たない従来の媒体(図6参照)より大きなKuを発生する。これに対して、SiO2の体積比率を22%とした場合、Pt元素比率が30原子%以上になるとKuが減少した。
図12は、各Pt組成比においてSiO2を加えた場合のKuの減少率を表す図である。Pt組成比が低い媒体ではKuがほとんど変化しないのに対して、Pt組成比が30%を超えるとSiO2の添加によりKuが大きく減少した。これらの媒体F群の微細構造を透過型電子顕微鏡により観察したところ、いずれの媒体でもグラニュラー構造が形成されており、構造上の違いは見られなかった。
Pt元素は本発明の磁気記録媒体が大きなKuを生み出すのに重要な役割を果たしているが、以上の結果から分かるように、Pt元素はその状態を乱されやすく、SiO2の添加やO2ガスの導入によってKuが大きく減少する場合がある。しかし、Pt元素の磁性結晶粒子中に占める組成比が30原子%以下である場合には、磁気特性は安定であり、大量の非金属材料の添加にも耐性を有する。
以上のように非金属粒界材料を添加した時のKuの減少を抑制することによって、グラニュラー媒体としての熱安定性を向上させることが出来る。また、磁気記録膜全体で平均Kuの減少が見られないということは、Ku値の分散が抑制されているということであり、これによって記録特性は改善される。本実施例の媒体のうち、F群−2(Pt元素比率が15原子%)とF群−6(同37原子%)の記録分解能D50を、実施例1に記載の記録再生実験方法によって比較したところ、F群−2で460 kFCIであったのに対して、F群−6では345 kFCIでしかなかった。両者の媒体保磁力は4.1 kOe程度でほぼ同等であることから、F群−6の記録分解能が著しく劣るのは、この媒体のKu分散が大きいためであると考えられる。
〔実施例3〕
本実施例では本発明の磁気記録媒体のCo合金層に添加する非磁性金属元素について比較検討した結果について述べる。磁気記録媒体は実施例1に記載の方法で作製し、図1の構造とした。強磁性合金としてはCo合金を用い、ターゲットに添加する非磁性金属材料とその材料組成比を調整した。回転カソードの回転速度は80rpmとし、Pt元素の組成比が22原子%、積層周期が0.5 nmでほぼ一定となるようにスパッタ電力を調整した。
図13は、Co合金層に添加する非磁性金属材料としてCr元素を用い、Cr添加量を変えた場合について比較検討した結果を示す図である。Cr添加量は0%〜20%まで変化させた。また、粒界材料としてはSiO2を使用し、粒界の体積比率が約19%となるようにスパッタ電力を調節した。
Cr無添加の場合には3.8 kOeの保磁力が得られているが、Crを数%だけ添加した場合は磁気記録膜の飽和磁化Msは減少しているにもかかわらず保磁力が減少した。これらの媒体では垂直磁気異方性エネルギーが減少しており、Cr添加によって磁気特性はむしろ劣化していると見ることが出来る。
ところが、さらにCrの添加量を増加させると、保磁力が増大する。Cr添加量が10原子%の時にはCr無添加の時よりもかなり大きい5.6 kOeとなった。Crが10原子%の時のKu値はCr無添加の時よりも小さかったが、飽和磁化Msの減少による影響が上回り、保磁力は増加した。Cr添加量を増やして20原子%とすることによって、さらに大きな保磁力が得られている。
Cr無添加の場合、媒体自身の飽和磁化Msが大きすぎることから、反磁界エネルギーの影響が強く、熱擾乱に対して安定な媒体を得ることが難しい。しかし、以上のように、Cr添加量を10%以上とすることで、磁気記録媒体として好ましい特性を得ることが可能である。
図14は、非磁性金属材料としてAl,Si,Ti,Cr,V,Nb,Mo,Ta,W元素から一種類を選んでCo合金層に添加した場合に、粒界材料として加えたSiO2の体積比率と保磁力の関係を表す図である。データ点数が多くなりすぎるのを避けるため、ほぼ傾向が同じ添加元素をまとめて大まかな傾向のみを示した。非磁性金属元素の添加量はややバラつきがあるが、いずれも16〜18原子%の間に調整されている。
図14に示した添加元素はSiO2体積比率依存性の特徴から3つのグループに分類できることが分かった。一つめはSiとAlのグループで粒界材料を添加しているにもかかわらず、保磁力の増加はほとんど見られず、強磁性金属層への添加元素として適さない金属である。二つめはTi,Cr,Vからなるグループで、最も大きな保磁力が得られる。三つめはMo,Nb,Ta,Wからなるグループで、保磁力は二つめのグループほど大きくないが、粒界材料の体積比率が多い時にも保磁力が増大している。
このように強磁性金属合金層へはTi,Cr,V,Mo,Nb,Ta,Wを添加することが可能である。また、これらの非磁性金属を混ぜて添加してもその効果は本質的に変わらない。また、三つめのグループの金属は保磁力が小さいため、一見すると添加元素として適さないように見えるが、粒界材料を多量に添加することが出来る事から予想されるように、形成された磁性金属粒子の径が小さく、SNRを向上させるのに有利である。TEMを用いた構造観察によれば二つめのグループで平均粒径が7.2〜8.0 nmであったのに対して、三つめのグループでは6.4〜6.9 nmであり、後者のグループにおいて磁性金属粒子の微細化が確認された。
〔実施例4〕
本実施例では本発明の磁気記録媒体の磁気記録膜4を製膜するときの温度について詳細に検討した結果について述べる。この検討にあたって、作製方法の実施例1に記載の手段を使い、積層構造は図1に示した構造とした。磁気記録膜4としては表1の磁気記録媒体C群の製膜条件を用い、作製時の回転カソードの回転数は60 rpmとした。図2に示した製膜装置などと真空で接続された別のチャンバー内にランプヒーターを用いた基板加熱機構、および冷却Heガス導入による基板冷却機構を用意し、磁気記録膜4の製膜直前にこれらの温度調節機構によって基板温度を制御した。加熱および冷却後、製膜ステーションへの移動中に、放射温度計を用いて基板温度を測定した。
図15は、磁気記録膜の製膜時温度と保磁力Hcの関係を示す図である。0℃から100℃までの保磁力の低下はごく僅かであるのに対して、100℃から200℃にかけて保磁力が1.5 kOeまで減少した。図16は、60℃で作製した磁気記録媒体と250℃で作製した磁気記録媒体の磁気カー効果ヒステリシスループを比較した図である。高温で作製した媒体では、保磁力が減少し、また保磁力付近のループの傾きが大きくなっている。このように保磁力付近のループの傾きが大きくなるのは、グラニュラー構造が形成されず、磁性金属粒子間の交換相互作用が増大していることを示す。透過型電子顕微鏡によって構造を観察したところ、60℃で作製した媒体ではネットワーク状の粒界領域が確認できたが、250℃で作製した媒体では明瞭な粒界構造は確認できなかった。
以上のように、本発明のグラニュラー磁気記録媒体を作製するためには、加熱による化学的規則化プロセスを必要としない多層薄膜形成法を利用するとともに、少なくとも100℃以下に基板温度を冷却しておくことが望ましい。
〔実施例5〕
本実施例では、磁気記録膜4を製膜する時のターゲットと基板間の距離(T−S間距離)について詳細に検討した結果について述べる。媒体の作製方法は実施例1に記載の手段と同様とし、図2および図3に示した回転カソードシステムによって磁気記録膜を製膜する際に、Co合金ターゲットのT−S間距離TCoおよびPtターゲットのT−S間距離TPtを変更した。全体の積層構造は図1に示した構造とし、磁気記録膜4のスパッタ製膜時には、基板温度を約60℃、Arガス圧力を5 Pa、回転カソードの回転数を80 rpmに設定した。磁気記録膜4は表2の磁気記録媒体D群と同じ構造とした。T−S間距離が変わると同じスパッタ電力に対するスパッタ速度が変化するため、スパッタ電力を調節してスパッタ速度を揃えた。
表3は、T−S間距離とスパッタ速度を同一に保つために必要なスパッタ電力の関係である。T−S間距離が大きくなるに従ってスパッタ速度が低下し、その分必要スパッタ電力が増加するが、その増加率はCo合金の方がずっと大きい。これはCo合金スパッタ粒子のエネルギー低下がPtスパッタ粒子と比べて大きく、基板に到達しにくくなるためである。
Figure 2005190538
図17は、T−S間距離の設定を変えて作製した磁気記録媒体の保磁力とTPtの関係を表す図である。T−S間距離は次の2つの方法で設定した。一つの方法は、CoCr合金に対するT−S間距離TCoを実施例1と同様に25 mmとし、Ptターゲットに対するT−S間距離TPtを25〜65 mmの間で設定する方法である。もう一つの方法は、T−S間距離を揃えてTCo=TPtとし、この距離を25〜65 mmの間で設定する方法である。MgO酸化物ターゲットに対するT−S間距離はどちらの方法においても25 mmに固定した。
TCoを25 mmに固定して作製した媒体では、TPtが30 mmよりも大きい場合に、すなわちTPt≧1.2TCoとなった場合に、保磁力Hcが有意に増加した。スパッタガス圧等それ以外の条件を変えずにTCo=TPtとして作製した媒体でも、同様に保磁力Hcが増加したが、表3から分かるように、TCoの距離が50 mm以上になると、必要なスパッタ電力が大きくなりすぎるために、スパッタ電源やターゲット冷却効率が問題となり、使用した装置では作製できなかった。
図18は、本実施例の2つの作製法によって得られた媒体の保磁力Hcの分散の大きさとTPtの関係を表す図である。縦軸は媒体の保磁力を基板の各位置で測定し、その中の最大値Hc_maxを最小値Hc_minで割った値である。TCoを25 mmに固定して作製した媒体では、Hcの分散の大きさの変化が小さく、基板全体にわたって均質な特性を得ることに成功しているが、TCo=TPtとして作製した媒体ではTPtが増大した場合にHcの分散が著しく増大した。このようにHc分散の大きい媒体が記録媒体として適さないことは言うまでもない。
本発明の多層薄膜作製法では、基板に飛来するスパッタ粒子が大きなエネルギーをもっていると、製膜面表面へのダメージが大きく合金化が進むため、周期的な積層構造が消失する。T−S間距離を大きくすることにより、スパッタ粒子のエネルギーや反跳中性粒子のエネルギーが減少し、大きなKuが得られるようになる。TPtが増加した場合に媒体保磁力が増加するのはこのためである。しかし、図17から分かるようにT−S間距離を離す必要があるのは主としてPtターゲットであり、Co合金ターゲットのT−S間距離の違いはほとんど影響がなかった。そもそもCo合金ターゲットからのスパッタ粒子は原子量の小さい元素から構成されているため、T−S間距離が25 mmと小さくても周期構造に対する影響は小さく、それ以上にT−S間距離を広げることによる効果がない。ところがPtターゲットからのスパッタ粒子に対してはエネルギーを下げる効果がまだまだ見込めるため、T−S間距離の拡大が有効である。
Co合金ターゲットの場合には、むしろ、T−S間距離TCoを適当な値よりも大きくすることで、スパッタ速度が大きく低下し、磁気記録媒体の生産性が劣化することが深刻な問題となる。また、スパッタガスによるスパッタ粒子の散乱が極端に大きくなると、製膜速度が基板上の位置によって大きく異なる。図18において保磁力Hcが大きな分散を持つプロセス条件では、主としてCo合金層の膜厚が基板上で不均一になっていると考えられる。したがって、生産性を落とすことなく、磁気記録膜のKuを増加させるためには、各カソードをT−S間距離が異なるように配置し、Co合金ターゲットのT−S間距離をPtターゲットよりも大きくとることが有効である。
Co以外の強磁性金属元素であるFeやNiについても原子量はCoと大きく変わらないので、この事情は全く同じである。スパッタガスをArよりも原子量の大きな希ガス元素であるXeかKrに変更した場合や、スパッタガス圧を変更した場合には、好適なT−S間距離は変化する。しかし、Ptターゲットの方を離した方が良いと言う原則についてはどの条件であっても変わらない。
また、これらの媒体の表面平坦性を調べたところ、PtターゲットのT−S間距離TPtだけを広げて作製した磁気記録媒体は、TPtとTCoの双方を増やして作製したものよりも平坦であることが分かった。こういった媒体は一般的にヘッドの浮上性も良好であり、磁気記録媒体として好適である。磁気記録膜の主元素であるCo合金スパッタ粒子のエネルギーの過度な減少が抑制されて、磁性結晶粒子が異常成長を起こさなくなったことが原因であると思われる。
磁気記録媒体の積層構造例を表す図。 媒体作製プロセスにおいて使用したスパッタリング装置の全体構成図。 スパッタリング装置内における回転カソードおよび基板の配置図。 磁気記録媒体の微細構造概略図。 作製した磁気記録媒体について測定したX線回折パターンと積層周期を表す図。 磁気記録媒体の磁気異方性エネルギーKuと積層周期の関係を表す図。 磁気記録媒体の保磁力Hc と積層周期の関係を表す図。 作製した磁気記録媒体について測定した磁気カー効果ヒステリシスループの図。 二層膜垂直磁気記録媒体の全体積層構造を表す図。 二層膜垂直磁気記録媒体のSNRおよび分解能と積層周期の関係を表す図。 磁気記録媒体にグラニュラー構造を導入した場合としなかった場合の垂直磁気異方性エネルギーKuを比較する図。 グラニュラー構造導入時のKu減少率と金属元素中のPt元素比率の関係を表す図。 Co合金層へのCr添加量と媒体保磁力の関係を示す図。 Co合金層に様々な非磁性金属材料を添加した時の、非金属粒界元素(SiO2)と媒体保磁力の関係を示す図。 磁気記録膜の製膜時温度と保磁力Hcの関係を示す図。 60℃で作製した磁気記録膜と250℃で作製した磁気記録膜の磁気カー効果ヒステリシスループを比較した図。 磁気記録膜を作製するときのターゲットと基板間距離の設定条件と作製した磁気記録膜の保磁力の関係を表す図。 2つの作製法によって得られた媒体の保磁力Hcの分散の大きさとTPtの関係を表す図。
符号の説明
1…基板、2…シード膜、3…下地膜、4…磁気記録膜、5…保護膜、21…真空チャンバー、22…電極ユニット、23…電源、24…回転テーブル、25…テーブル回転機構、26…基板キャリアー、27…基板、28…ガス導入口、29…仕切り板、31…磁性金属粒子、32…粒界、33…積層周期、34…下地膜、41…下地膜の回折線、42…磁気記録膜の主回折線、43…超格子回折(低角ピーク)、44…超格子回折線(サテライトピーク)、81…密着層、82…軟磁性裏打ち膜、83…FeTaC微結晶合金、84…Taスペーサ層、171…スパッタターゲット

Claims (12)

  1. 基板と、前記基板上に形成された下地膜と、前記下地層上に形成された磁気記録膜とを含み、
    前記磁気記録膜は、非金属元素を含む粒界によって分断された磁性金属粒子からなる垂直磁化膜であり、前記磁性金属粒子は強磁性合金層とプラチナ層が積層周期Λで周期的に積層された構造を有し、0.35 nm≦Λ≦0.9 nmであることを特徴とする磁気記録媒体。
  2. 請求項1記載の磁気記録媒体において、0.4 nm≦Λ≦0.55 nmであることを特徴とする磁気記録媒体。
  3. 請求項1記載の磁気記録媒体において、前記磁性金属粒子を形成する金属元素中のプラチナ元素組成比率が10原子%以上30原子%以下であることを特徴とする磁気記録媒体。
  4. 請求項1記載の磁気記録媒体において、前記強磁性合金層はTi,Cr,V,Nb,Mo,Ta,Wのうち少なくとも一種類を10原子%以上30原子%以下含有するFe,Coもしくはそれらの合金であることを特徴とする磁気記録媒体。
  5. 基板と、前記基板上に形成された下地膜と、前記下地層上に形成された磁気記録膜とを含み、
    前記磁気記録膜は、非金属元素を含む粒界によって分断された磁性金属粒子からなる垂直磁化膜であり、前記磁性金属粒子は強磁性合金層とプラチナ層が周期的に積層された垂直磁化膜であり、前記磁性金属粒子を形成する金属元素中のプラチナ元素組成比率が10原子%以上30原子%以下であることを特徴とする磁気記録媒体。
  6. 請求項5記載の磁気記録媒体において、前記強磁性合金層はTi,Cr,V,Nb,Mo,Ta,Wのうち少なくとも一種類を10原子%以上30原子%以下含有するFe,Coもしくはそれらの合金であることを特徴とする磁気記録媒体。
  7. 基板上に下地膜を形成するステップと、
    前記下地層上に、強磁性合金層とプラチナ層が周期的に積層された構造を有する磁性金属粒子を含む磁気記録膜を形成するステップとを有する磁気記録媒体の製造方法において、
    前記磁気記録膜を形成するステップは、
    プラチナ元素を主原料とし、基板との距離がTNである第1のターゲットを用いてスパッタリング法によってプラチナ層を成膜するステップと、
    強磁性金属元素を主原料とし、基板との距離がTMである第2のターゲットを用いてスパッタリング法によって強磁性金属合金層を製膜するステップとを含み、
    TN>TM であることを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
  8. 請求項7記載の磁気記録媒体の製造方法において、TN≧1.2TMであることを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
  9. 請求項7記載の磁気記録媒体の製造方法において、前記磁気記録膜を形成するステップは、基板を100℃以下に冷却し、非金属材料ターゲットを用いてスパッタリング法によって非金属材料層を製膜するステップを更に含むことを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
  10. 請求項7記載の磁気記録媒体の製造方法において、前記磁気記録膜を形成するステップでは、前記第1のターゲットあるいは前記第2のターゲットとして非金属材料を含有するターゲットを用い、基板を100℃以下に冷却することを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
  11. 基板上に形成した下地膜上に、強磁性合金層とプラチナ層が周期的に積層された構造を有する磁性金属粒子を含む磁気記録膜を有する磁気記録媒体の製造装置において、
    基板を保持する基板キャリアーと、
    少なくとも、プラチナ元素を主原料とする第1のターゲットと強磁性金属元素を主原料とする第2のターゲットを固定するテーブルと、
    前記基板キャリアー、及び前記テーブルを収容する真空チャンバーと、
    前記真空チャンバーにスパッタリングガスを導入する手段と、
    前記第1のターゲット及び第2のターゲットの前記基盤に対する相対位置及び/又は前期第1のターゲット及び第2のターゲットからの蒸着速度を変える手段と、
    前記第1のターゲット及び第2のターゲットに独立して給電可能な電源とを含み、
    前記第1のターゲットと基板との距離をTNとし、前記第2のターゲットと基板との距離をTMとするとき、TN>TM であることを特徴とする磁気記録媒体の製造装置。
  12. 請求項11記載の磁気記録媒体の製造装置において、TN≧1.2TMであることを特徴とする磁気記録媒体の製造装置。
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