JP2007295557A - 磁気シールドシート、非接触icカード通信改善方法および非接触icカード収容容器 - Google Patents

磁気シールドシート、非接触icカード通信改善方法および非接触icカード収容容器 Download PDF

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Abstract


【課題】 通信周波数の電磁波によって形成される磁界のエネルギを損失させることなく、シート面内に磁界を集中させて通過させることができる磁気シールドシート、これを用いた非接触ICカード通信改善方法および非接触ICカード収容容器を提供することを目的とする。
【解決手段】 磁気シールドシート10は、磁性体層11と導体層31で構成される。磁性体層11は、通信周波数の電磁波に対して、好ましい特有の材料定数μ’,μ”を有する。磁性体層11のμ’と厚さを調整することで共振周波数およびQ値を調整する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、磁界をシート面方向に集中させて通過させRFID通信特性を改善する磁気シールドシート、非接触ICカード通信改善方法および非接触ICカード収容容器に関する。
RFID(Radio Frequency Identification)技術の具体例として、RFIDタグ(RFタグ、ICタグ)、非接触ICカード、およびRFID機能を備えたモバイル端末、タグなどと無線通信するリーダ、リーダ/ライタ、それらを含む電子機器が使用されている。RFID無線通信の通信手段としては次の2種類がある。一つはコイルとコイルの結合で通信する電磁誘導方式であり、周波数は125kHz帯、135kHz未満帯、HF波(13.56MHz帯等)などが用いられる。他の一つは電波方式であり、周波数は433MHz帯、UHF(ultra high frequency)帯(860MHz〜960MHz)、2.4GHz帯などが用いられる。また非接触ICカードに主に用いられる周波数は、密着型で4.91MHz帯、近接型で13.56MHz帯である。このうち13.56MHz帯を中心に用途展開されている。13.56MHz帯を用いることで、数cmから1m以内の無線通信が可能とされていて、この帯域を利用することを中心に実用化が図られている。
本発明は、アンテナコイルによる通信を行う、いわゆる電磁誘導方式での無線RFID通信を行う場合に通信特性を改善する磁気シールドシートである。電波方式の通信では原則として効果はないが、例外的に、800MHz帯以上の高周波数であっても近傍通信のためにアンテナコイルを用いて電磁誘導方式を利用する場合に本発明が適用される。
図18は、非接触ICカードの構成を示す図である。非接触ICカードは、電磁波の信号を送受信するアンテナコイル1と、アンテナコイルによって送受信される信号を処理するための集積回路(IC)2とが基板3上に組み合わされた構成を有している。このICチップ2とアンテナコイル1を組み合わせた状態、またはICチップ2とアンテナコイル1を組み合わせてパッケージ化したものをカード状態としている。非接触ICカードは、読取装置からの要求信号を受信すると、IC内に記憶されている情報を送信するように、換言すれば、読取装置によって非接触ICカードに保持されている情報を読取ることができるように、構成される。逆の情報伝達として非接触ICカードへの情報の書込も可能である。この非接触ICカードは、たとえば、プラスチックのカードなどに内蔵され、交通機関の改札システム、電子決済、製品(部品、中間製品)管理システム、入退出場管理などに利用されている。
この非接触ICカードを同一のカードケースに複数枚収容しているなど、とくに電磁誘導方式の通信を行う非接触ICカード同士が接近すると、アンテナコイル同士が近傍に存在する状態となり、アンテナコイルのインダクタンスが変化し、アンテナの共振周波数が変化するので、互いのアンテナコイルが無線通信を妨害する通信妨害部材になり、読取装置との無線通信ができなくなる。アンテナコイル同士を離反させることによって、非接触ICカードと読取装置との無線通信を可能にすることができるが、カードケースなどの非接触ICカードを収容する容器に、アンテナコイル同士を離反させる空間を確保することは困難である。
また、このような非接触ICカードは、読取装置と接触せずに通信することが可能であるので、使用者の意図しないところで、非接触ICカード内に保持されている情報が読み取られる、いわゆるスキミングされる可能性がある。このスキミングは、通信周波数の電磁波に対して影響を与える磁性材、磁石および導電性部材(たとえば、金属板)などの通信妨害部材を非接触ICカードに含まれるアンテナコイルなどに近傍に配置させることによって、防止することができる。このような通信妨害部材としては、たとえば特許文献1に記載されている。特許文献1には、読取装置と非接触ICカードとの間の電磁波の誘導を遮断または減衰させ、非接触ICカードの表面および裏面の一方または双方に配置する通信防止装置などが記載されている。通信防止装置としては電磁シールド手段、具体的には金属などが使われている。この通信防止装置を備えるカードケースに非接触ICカードを収容して、非接触ICカードと通信防止装置とを近傍に配置させることによって、スキミングを防止することができる。
しかしながら、通信防止装置を備えるカードケースに非接触ICカードを収容するなど、アンテナコイルの近傍に通信防止装置が存在すると、使用者が通信を行いたい場合であっても、スキミングを防止した状態のままでは通信することができず、たとえば、非接触ICカードをカードケースから取り出すなどの非接触ICカードと通信防止装置とを離反させる必要があり、非常に不便である。
特許文献2には、それぞれがアンテナを有する複数枚の非接触型ICカードを各ポケットに収納されたカードホルダーをリーダライタのアンテナ上に載置またはかざした場合、カード隔壁部に導電体部を挟んで第1および第2の磁性体部を設けることで、本来データの読み出しや書き込みを行うべき1つの非接触型ICカードとカードリーダとを的確に電磁結合できるとしている。
さらに、特許文献3には、特許文献2と同じ使用状況にて、磁性シートの使用を最小限に留めるために、導電性シートおよび磁性シート以外に間隔形成手段を備え、その間隔形成手段の形状等により通信性能を向上しようとする方法が示されている。
上記のような通信を妨害するアンテナおよび金属板などの通信妨害部材がアンテナコイルの近傍に存在する場合、通信周波数の電磁波によって形成される磁界のエネルギを損失させることなく、磁界を集中させて通過させることができる磁気シールドシートを、アンテナコイルを有する通信部材と通信妨害部材との間に設けることによって、アンテナコイルを有する通信部材と読取装置との無線通信を可能にすることができる。このような磁気シールドシートとしては、たとえば特許文献4に記載されている。
特開2005−346549号公報 特開2000−268146号公報 特開2005−11044号公報 特開2005−327939号公報
特許文献4によると、このような磁気シールドシートは、非常に薄いにもかかわらず、通信妨害部材が近傍に存在しても、アンテナコイルに貼着させるなどによって、アンテナコイルを有する通信部材と読取装置との無線通信を可能にすることができるので、アンテナコイルによる通信機能を備えた電子機器などの小型化、薄型化などに非常に有効である。
RFID通信でのアンテナコイルに及ぼす近傍導体板(たとえば、金属板)の影響は、導体板の表面での渦電流発生による損失(渦電流損)、発生した渦電流により誘導される磁界が通信のための磁界と逆向きであるための磁界損失(反磁界による相殺)、およびアンテナコイルの共振周波数が変化することにより、通信周波数(たとえば、リーダ側からの通信電波の共振周波数)と異なってしまうことである。
磁気シールドシートは、シート自体の電気抵抗値が高く自身に渦電流を発生しない。磁気シールドシートは、複素比透磁率の実数部μ’が高く、磁界(磁束)を取り込む効果があり、通信妨害部材に到達する磁界(磁束)を低減させる。磁気シールドシートは、複素比透磁率の虚数部μ”が低く、集めた磁界(磁束)をエネルギ的に損失の少ない状態で通過させる。したがって、磁気シールドシートは、上記のような性能を有するので、近傍導体板があってもアンテナコイルによるRFID通信特性を改善することができる。
しかしながら、同周波数帯域の通信周波数を持つ非接触ICカードが重なって存在する場合は、アンテナコイルの近くに導体板が存在する場合とは異なる現象が発生する。これは重なって存在する場合には、非接触カードが本来有する共振周波数f0が、f1(<f0)およびf2(>f0)の二つに分かれるなどで、外部装置との通信周波数f0近辺での通信特性が著しく劣るという現象である。この場合、本来データの読み出しや書き込みを行うべき非接触型ICカードの周波数の1つは低くシフトするため、近傍導体板の場合には常に高い方に共振周波数がシフトすることとは、逆の現象となっている。
このような場合に磁性シートをただアンテナコイルに貼るだけでRFID通信特性の改善が達成されるものではない。非接触ICカードが重なって存在する場合、通信改善をするには近くに存するアンテナコイルの電磁結合を低減すること(電磁シールド性を付与)、および通信するための共振周波数を調整することの二つを行う必要がある。
本発明は、通信周波数の電磁波によって形成される磁界のエネルギを損失させることなく、シート面方向に磁界を集中させて通過させることができ、重なって存在するアンテナコイルの影響を減らして、本来通信を行うべきカードリーダ(ライタ)との通信を確実にして、非接触ICカードに対しスキミング防止機能や通信改善機能を選択的あるいは両立して付与することが可能な磁気シールドシート、非接触ICカード通信改善方法および非接触ICカード収容容器を提供する。通信改善方法としては、特許文献3に述べられていない磁気シールドシート(導体層、磁性体層)による周波数調整方法を述べるものである。
本発明は、外部装置と非接触に通信することができる非接触ICカードが、重なって存在する場合に用いて通信特性を改善する磁気シールドシートであって、非接触ICカードの間に配置し、少なくとも共振周波数の高周波数成分を非接触ICカードが本来有する共振周波数f0と一致もしくは近づけるという共振周波数調整手段により、通信改善を行う非接触ICカード通信改善装置である。
また本発明は、通信周波数の電磁波に対して、複素比透磁率の実数部μ’が30以上であり、かつ複素比透磁率の虚数部μ”を複素比透磁率の実数部μ’で除算した値tanδμは、0.2以下であるとともに、表面抵抗率が104Ω/□以上である磁性体層から成る磁気シールドシートである。
また本発明は、磁性体層からなる構成であって、磁性体層が、通信周波数の電磁波に対する複素比透磁率の実数部μ’、磁性体層厚t(μm)として
μ’×t>10,000である磁気シールドシートである。
また本発明は、磁性体層/導体層および磁性体層/導体層/磁性体層からなる構成であって、磁性体層が、通信周波数の電磁波に対する複素比透磁率の実数部μ’、磁性体層厚t(μm)として
μ’×t>2,000である磁気シールドシートである。
また本発明は、前記共振周波数および通信周波数は、100kHz以上30GHz以下であることを特徴とする。
また本発明は、前記磁性体層は、バインダーに扁平な軟磁性金属粉が混合される材料からなり、
前記軟磁性金属粉は、前記バインダーに対して20体積%以上含有されており、配向された状態で分散されていることを特徴とする。
また本発明は、前記導体層は、前記通信周波数の電磁波に対して、KEC法またはアドバンテスト法による磁気シールド性が20dB以上であることを特徴とする。
また本発明は、前記導体層は、磁性金属、アモルファス金属、磁性ステンレス鋼およびフェライトから選ばれる1種以上からなることを特徴とする。
また本発明は、厚みが、0.05mm以上5mm以下であることを特徴とする。
また本発明は、非接触ICカードの間に、請求項1〜9のいずれか1つに記載の磁気シールドシートを配置し、少なくとも共振周波数の高周波数成分を非接触ICカードが本来有する共振周波数f0と一致もしくは近づけることで通信特性の改善を行うことを特徴とする非接触ICカード通信改善方法である。
また本発明は、磁気シールドシートから成る非接触ICカード通信改善装置および非接触ICカード収容容器である。
本発明によれば、非接触ICカードが重なって存在する場合、すなわち電磁誘導方式で通信するアンテナコイルが重なる場合、とくに同周波数帯の共振周波数のアンテナコイルの場合に、非接触カードが本来有する共振周波数f0が、f1(<f0)およびf2(>f0)の二つに分かれるなどで、外部装置とのf0近辺での通信が著しく損なわれる現象がある。この双峰性を示す周波数シフトは、非接触ICカードの重なりが部分的であっても起きる。
非接触ICカードの間に磁気シールドシートを配置することで、上記の場合の通信特性の改善を図ることができる。磁気シールドシートを構成する磁性層により、少なくともf2をf0に近づける、もしくは導体層によりf0より高周波数にシフトさせた共振周波数をf0まで近づけるという共振周波数調整方法により、通信改善が可能となる。
本発明の磁気シールドシートによる重なって存在する非接触ICカードの通信改善を行うメカニズムは次の通りである。
第1は、磁性体層や導体層を間に配置することで重なりあうアンテナコイル間の電磁結合を低減させること。
第2は、導体層によりアンテナコイルの共振周波数をf0より上昇させること。
第3は、磁性体層によりアンテナ共振周波数を下げて、f0またはf0近辺に周波数調整すること。
第4は、磁性体層によりインピーダンスの実数値(R)を高く調整してQ値を上げること。
以上により、自由空間にて周波数f0で通信できる非接触ICカードを、例えばカードホルダーなどの収容容器内で非接触ICカードが重なりあった態様で近傍に存在する場合でも、f0近辺の周波数でRFID通信が可能となる。メカニズムの第1〜第4は全て満たす必要はなく、通信特性が最適になるようにメカニズムを選択すればよい。
本発明によれば、磁気シールドシートには、電気抵抗性の高い磁性体層が設けられる。磁性体層は、複素比透磁率の実数部μ’が大きいほど、磁力線(磁束)が集中して通るようになり、複素比透磁率の実数部μ’が小さいほど、磁力線(磁束)が通りにくい構成となる。また、磁性体層は、複素比透磁率の虚数部μ”が大きいほど磁界のエネルギを損失させ、複素比透磁率の虚数部μ”が小さいほど磁界のエネルギを損失させにくい構成となる。さらに磁性体層の表面抵抗率は104Ω/□以上と高い電気抵抗値を有しており、磁性体層自身に渦電流が発生することも抑えている。
磁性体層は、通信周波数の電磁波に対しては、複素比透磁率の実数部μ’が30以上と大きくかつ複素比透磁率の虚数部μ”を複素比透磁率の実数部μ’で除算した値tanδμは、0.2以下であり、複素比透磁率の実数部μ’と比較して複素比透磁率の虚数部μ”は小さい。これによって通信周波数の電磁波によって形成される磁界に対して、磁力線(磁束)が磁性体層を集中して通り易くなるようにし、その上で磁界のエネルギを損失させないようにすることができる。したがって、このような磁性体層を含む磁気シールドシートを用いることによって、通信周波数の電磁波を、エネルギの損失を小さく抑えたうえで漏れないように磁性体層面内に集中させて通過させることができる。また磁性体層自身に渦電流が発生せず、そこから発生する反磁界もないため、磁性体層によるロスがなく、磁界が通過することができる。つまり磁界が導体板の影響を受けることを最小限に抑えることが可能となる。
本発明の磁気シールドシートが磁性体層からなる構成であって、磁性体層が、通信周波数の電磁波に対する複素比透磁率の実数部μ’と磁性体層厚t(μm)の積が10,000より大きい場合に、磁性体層のみでf2をf0に近づけることが可能となる。またQ値を高くすることができる。この場合は磁気シールドシートを用いても共振周波数は双峰性を示す場合があるが、通信は可能になる。
本発明の磁気シールドシートが磁性体層/導体層および磁性体層/導体層/磁性体層である構成であって、磁性体層が、通信周波数の電磁波に対する複素比透磁率の実数部μ’と磁性体層厚t(μm)の積が2,000より大きい場合に、通信が可能になる。この場合の導体層は、非接触ICカード(アンテナコイル)間の電磁結合をよりシールドすることができ、しかもアンテナ共振周波数を高周波数にシフトさせるため、非接触ICカードが重なった状態であっても、共振周波数を単峰にすることができる。ここに磁性体層により共振周波数を下げることで、f0に近づける調整ができ、且つインピーダンスの実数部(R)を高くすることができるためQ値が上がり、磁性体層側に位置する非接触ICカードの通信が可能となる。
このような磁性体層は、アンテナコイルの近傍にアンテナコイルが存在する状態であっても、アンテナコイルとアンテナコイルとの間に設けることによって、通信周波数の電磁波を利用して好適に無線通信することができる。
以上のことから、磁気シールドシートは、通信周波数の電磁波を利用して無線通信する場合において、非接触ICカードを同一のカードケースに収容するなど、アンテナコイルの近傍に通信妨害部材が存在する状態であっても、アンテナコイルと通信妨害部材との間に設けることによって、通信周波数の電磁波を利用して好適に無線通信させることができる。
また、この磁気シールシートの近傍に存在する非接触ICカードは、通信方向を制御することができる。たとえば、磁気シールドシートの両側にある非接触ICカードの読み取りや書き込みの通信が可能となる。導体層に隣接する非接触ICカードは共振周波数を大きくシフトすることで通信不可となり、スキミング防止機能を持つ。このように磁気シールドシートを用いることで、二つの非接触ICカードのアンテナコイル同士を離反させなくても、非接触ICカードと読取装置および書込装置との通信やスキミング防止機能の付与が可能である。
以上より、磁気シールドシートは、積層体となる場合に、少なくとも一方の外層に磁性体層が設けられているので、好適な無線通信環境を確保しつつ、反対側に導体層が設けられているので、送受信方向と反対側からのスキミングを防止することができる。
また、この磁気シールドシートの近傍に存在する非接触ICカードは、通信方向を制御することができる。たとえば、磁性体層と導体層を共に外層となるように積層した場合、導体層側の非接触ICカードからは通信できず磁性体層側の非接触ICカードからは通信可能となる。この場合は、通信特性に異方性を持たせることができ、導体層側の非接触ICカードはスキミング防止効果を持つ。また、導体層を挟み両側に磁性体層を積層した場合、磁気シールドシートの両側にある非接触ICカードが読み取りや書き込みの通信可能となる。このように磁気シールドシートを用いることで、二つの非接触ICカードのアンテナコイル同士を離反させなくても、それぞれ非接触ICカードと読取装置との通信が可能となる。
また本発明によれば、共振周波数および通信周波数は、100kHz以上30GHz以下であり、この通信周波数の電磁波を利用して好適に無線通信することができる。たとえば、RFIDタグや非接触ICカードの無線通信に用いることができる。
また本発明によれば、磁性体層は、バインダーに扁平な軟磁性金属粉が混合される材料からなり、軟磁性金属粉は、バインダーに対して20体積%以上含有されており、配向された状態で分散されている。扁平形状の軟磁性金属粉が接触しない態様で磁性体層の面方向に配向することによって、シート状の磁性体層のシート面を突き抜ける方向の電磁シールド性は高く、磁性体層の面内の面に沿う方向には磁界成分は抵抗少なく流れることが可能となる。これによりアンテナコイルのコイル周りを磁界が回り込むことが可能となる。さらに導体層がある場合は、磁界は導体層の表面に近いところを導体層に沿って流れることになるため、ここに磁性体層を配置することで、より確実に磁界の回り込みを達成することができる。そのような磁性体層の分散状態により、通信周波数の電磁波によって形成される磁界のエネルギを損失させることなく、磁界を集中させて通過させることができるという優れた効果を達成する磁気シールドシートを実現することができる。
また本発明によれば、導体層は、通信周波数の電磁波に対して、KEC法またはアドバンテスト法による磁気シールド性が20dB以上である。そうすることによって、非接触ICカード間の電磁結合をより確実にシールドすることができる。
また本発明によれば、導体層は、磁性金属、アモルファス金属、磁性ステンレス鋼およびフェライトから選ばれる1種以上からなることが好ましい。そうすることによって、導体層の磁気シールド性(磁界シールド性)を高めることができ、他の干渉電磁波からの影響を抑えることができる。
また本発明によれば、厚みが、0.05mm以上5mm以下である。そうすることによって、好適な無線通信環境を実現することができ、薄型軽量である磁気シールドカードを得ることが出来る。
また本発明によれば、磁性体層と、電磁波信号を送受信するためのアンテナコイルとを、磁性体層が、前記アンテナコイルの送受信方向と反対側となるように積層した積層体と、非導電性材料で構成され、前記積層体を少なくとも部分的に被覆する被覆層とを含む非接触ICカードである。
そうすることによって、非接触ICカードは、磁性体層側から到来した通信周波数の電磁波を利用して好適に無線通信することができる。さらに、磁性体層側の通信距離を伸ばすためには、磁性体層に積層されたアンテナコイルの共振周波数は調整することができる。調整の方法は回路的にC成分を付与してもよいし、磁性体層の複素比透磁率や厚みで調整してもよい。さらに、この電子機器は、アンテナコイルを内蔵することによって、小型化を図ることができる。
また本発明によれば、磁性体層と、金属を含む導体層から成る磁気シールドシートであって、電磁波信号を送受信するための非接触ICカードを、少なくとも一方の外層に配置されるように積層した積層体と、非導電性材料で構成され、前記積層体を少なくとも部分的に被覆する被覆層とを含む非接触ICカードである。
そうすることによって、非接触ICカードは、磁性体層側から到来した通信周波数の電磁波を利用して好適に無線通信することができる。さらに、磁性体層側の通信距離を伸ばすためには、磁性体層に積層された非接触ICカードの共振周波数調整やQ値を調整することができる。調整の方法は回路的にC成分を付与してもよいし、磁性体層の複素比透磁率や厚みで調整してもよい。さらに、この非接触ICカードは、磁気シールドシートを内蔵することによって、小型化を図ることができる。また、導体層を積層するので、スキミングを防止することもできる。
また本発明によれば、非接触ICカードの間に、上記のような構成の磁気シールドシートを配置する。
こうすることで、少なくとも共振周波数の高周波数成分を非接触ICカードが本来有する共振周波数f0と一致もしくは近づけることができ、非接触ICカードの通信特性を改善することができる。
また本発明によれば、通信周波数の電磁波の信号を送受信する非接触ICカードを収容する収容部を備え、収容部が、前記磁気シールドシートを含んで構成されることを特徴とする収容容器である。そうすることによって、複数枚の非接触ICカードを収容するなど、アンテナコイルの近傍に通信妨害部材が存在しても、アンテナコイルを通信妨害部材から離反させる必要がなく、収容した状態のまま、通信することができる。また、非接触ICカードのスキミングを防止することができる。
図1は、本発明の第1の実施形態である磁気シールドシート10を簡略化して示す断面図である。磁気シールドシート10は、少なくとも磁界を集中させて通過させるために用いられる磁気シールドカード10であって、本実施の形態では、たとえば、非接触ICカード15と非接触ICカード15とに挟持し、それぞれの非接触ICカード15と読取装置との無線通信を可能にするために用いられる。集中させて通過させる対象とする電磁波は、通信周波数の電磁波である。通信周波数は、100kHz以上30GHz以下であればよく、たとえば、13.56MHz帯であっても、4.91MHz帯、125kHz帯、135kHz未満帯であってもよい。これらの周波数の数値は代表値であり、数値は通信に使用される範囲を含んでいる。
磁気シールドシート10は、磁性体層11を含んで構成される。磁性体層11は、少なくとも磁界を磁性体層11面内に集中させて通過させるための層である。磁性体層11は、重なって存在する非接触ICカード15のアンテナコイル16の結合による干渉を抑えるためアンテナコイル16およびコイル内部を含む面積で構成される。磁性体層11は被覆層12と共に用いられる。この例は、被覆層12が全体を被覆している例である。磁性体層11と被覆層12との間には粘着剤層や接着剤層もしくは誘電体層があってもよいし、無くてもよい。
磁性体層11は、複素比透磁率の実数部μ’が大きくかつ複素比透磁率の虚数部μ”が小さい材料から成る。磁性体層11は、複素比透磁率の実数部μ’が大きいほど、磁力線(磁束)が集中して通るようになり、複素比透磁率の実数部μ’が小さいほど、磁力線(磁束)が通りにくい構成となる。また、磁性体層11は、複素比透磁率の虚数部μ”が大きいほど磁界のエネルギを損失させ、複素比透磁率の虚数部μ”が小さいほど磁界のエネルギを損失させにくい構成となる。
具体的には、磁性体層11の複素比透磁率の実数部μ’は、30以上と大きく、好ましくは40以上である。複素比透磁率の虚数部μ”は、6以下と小さく、好ましくは3以下である。さらに、複素比透磁率の虚数部μ”を複素比透磁率の実数部μ’で除算した値である透磁率損失項tanδμ(=μ”/μ’)は、0.2以下であり、好ましくは0.1以下であり、複素比透磁率の実数部μ’と比較して複素比透磁率の虚数部μ”は小さい。透磁率損失項tanδμが、0.2以下であるという好適範囲は、虚数部μ”が6以下であるという好適範囲より優先される。たとえば、13.56MHzにおける複素比透磁率の実数部μ'が60である場合、tanδμ(=μ”/ μ')が0.2であると、複素比透磁率の虚数部μ”は12となり、6よりも大きくなる。このような場合は、tanδμ(=μ”/ μ')が0.2以下であるという好適範囲が優先適用され、複素比透磁率の虚数部μ”の好適範囲は12以下となる。これによって通信周波数の電磁波によって形成される磁界に対して、磁力線(磁束)が磁性体層11を集中して通り易くなるようにし、その上で磁界のエネルギを損失させないようにすることができる。したがって、磁性体層11を用いることによって、通信周波数の電磁波を、エネルギの損失を小さく抑えたうえで漏れないように集中させて通過させることができる。磁性体層11の複素比透磁率の実数部μ’は、大きいほど好ましく、複素比透磁率の実数部μ’にはまさに上限がない。複素比透磁率の虚数部μ”は小さいほど好ましく、下限はないに等しいが、0未満の値となり得ることがないので、透磁率損失項tanδμとしては0が下限値となる。さらに磁性体層11の表面抵抗率は104Ω/□以上と高い電気抵抗値を有しており、磁性体層11自身に渦電流が発生することも抑えている。
本発明の磁性体層11は、電気抵抗値の高い磁性体により構成され、たとえば、フェライトやグラニュラーなどの金属酸化物、ゴムフェライト、バインダーと扁平軟磁性粉末との複合体などが用いられる。好ましくは、扁平軟磁性粉末とバインダーとを主要構成材料とし、さらに必要に応じて誘電材料、分散剤および難燃剤を含有させた材料が用いられる。本発明の磁性体層11は複合体であり、主としてシートの形態である。
扁平軟磁性粉末としては、たとえば、センダスト(Fe−Si−Al合金)、パーマロイ(Fe−Ni合金)、ケイ素銅(Fe―Cu―Si合金)、Fe−Si合金、Fe−Si−B(−Cu−Nb)合金、Fe−Ni−Cr―Si合金、Fe―Si−Cr合金、Fe―Si−Al−Ni−Cr合金、Fe−Ni−Cr合金、Fe−Cr−Al−Si合金などが挙げられる。これら以外にもFe系合金としては、例えば、Al、Mg、Co、Ni、Mo、B、Si、Sr、Nb、Crなどから選ばれる少なくとも1種の元素を有するFe系合金が挙げられる。Ni、Coなどからなる金属やアロイも使用することができる。また、扁平でないフェライト粉末または純鉄粒子を用いてもよい。フェライト粉末としては、たとえば、Mn-Znフェライト、Ni−Znフェライト、Mn-Mgフェライト、Mnフェライト、Cu−Znフェライト、Cu−Mg−Znフェライトなどのソフトフェライトおよび永久磁石材料であるハードフェライトなどが挙げられる。酸化物も使用可能である。純鉄粒子としては、たとえば、カルボニル鉄粉が挙げられる。好ましくは複素比透磁率の実数部の高い扁平軟磁性粉末を使用するのがよい。これら磁性材料を単体で使用するほか、複数をブレンドしても構わない。軟磁性粉末としては、扁平軟磁性粉末と非扁平軟磁性粉末(針状、繊維状、球状、塊状等)との組合せを用いても良いが、組合せの少なくとも1種類は扁平状であることを要す。軟磁性粉末の粒径は0.1〜300μm、好ましくは20〜100μmであるのがよい。また、扁平軟磁性粉末のアスペクト比は2〜500、好ましくは10〜100であるのがよい。軟磁性粉は、表面に耐食性を向上させるために酸化皮膜を有していても良い。
軟磁性粉末は表面が表面処理されているのが好ましい。表面処理としてはカップリング剤や界面活性剤などによる一般的な処理が使用できる。その中で樹脂コーティングされていることが好ましく、これにより扁平軟磁性粉末とバインダーの親和性が向上するため、扁平軟磁性粉末を高密度に充填することができる。表面コーティングする樹脂としては、使用するバインダーと同じか、あるいは使用するバインダーとの親和性に優れた有機重合体材料(ゴム、熱可塑性エラストマー、各種プラスチック)が使用可能である。樹脂のコーティング量は、コーティングした扁平軟磁性粉末の含有量に対して約0.01〜10重量%であるのがよい。他の表面処理材としては、シリカやZnOなどがある。これらで軟磁性粉末を被覆することで、複合体の電気抵抗値を増すことが可能である。
本発明の磁性体層11に用いるバインダーとしては、各種の有機重合体材料が使用可能であり、たとえば、ゴム、熱可塑性エラストマー、各種プラスチックなどの高分子材料が挙げられる。前記ゴムとしては、たとえば、天然ゴムのほか、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、エチレン−プロピレンゴム、EPDMゴム、ブチルゴム、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、アクリルゴム、エピクロロヒドリンゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴム、塩素化ポリエチレンゴム、水素添加ニトリルゴム(HNBR)、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリルゴム、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、エチレン系共重合体、シリコーンゴムなどの合成ゴム単独、またはこれらのゴムを各種変性処理にて改質したものが挙げられる。本実施形態ではHNBR(水素添加ニトリルブタジエンゴム)を用いたが、これに限定されることはない。
これらのゴムは単独で使用するほか、複数をブレンドして用いることができる。ゴムには、加硫剤のほか、加硫促進剤、老化防止剤、軟化剤、可塑剤、充填剤、着色剤などの従来からゴムの配合剤として使用されていたものを適宜配合することができる。これら以外にも、任意の添加剤を使用することができる。たとえば、誘電率を制御するために所定量の誘電体(カーボンブラック、黒鉛、酸化チタンなど)、放熱特性を付与するための熱伝導性材料(窒化ホウ素、窒化アルミニウム、アルミナ、酸化マグネシウム、酸化亜鉛など)を、使用される電子機器内に発生する不要電磁波へのインピーダンスマッチングや温度環境に応じて、材料設計して添加することができる。さらに加工助剤(滑剤など)、難燃剤(ハロゲン系難燃剤、リン系難燃剤、亜鉛系難燃剤、窒素系難燃剤、水酸化物系難燃剤、アンチモン系難燃剤)なども適宜選択して添加しても良い。また、これらの熱伝導性材料や難燃剤についても表面処理がされていてもよい。
前記エラストマーとしては、たとえば、塩素化ポリエチレン、ポリ塩化ビニルなどの塩素系化合物、ポリスチレン系、ポリオレフィン系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、フッ素系、シリコーン系などの各種エラストマー(熱可塑性エラストマーを含む)が挙げられる。
前記樹脂としては、たとえば、ポリエステル系ウレタン樹脂(アジペート系、カーボネート系、カプロラクタムエステル系など)、ポリエーテル系ウレタン樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、AS樹脂、ABS樹脂、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、フッ素樹脂、アクリル系樹脂、ナイロン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリナフタレンテレフタレート、アルキド樹脂、不飽和ポリエステル、ポリスルホン、ポリウレタン樹脂(ポリエステル系、ポリエーテル系以外の上述以外の全てのタイプ)、フェノール樹脂、尿素樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、メラミン樹脂、アクリル樹脂、アクリル系共重合体系、アルキルアクリル系などの熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂が挙げられる。これらのエラストマーまたは樹脂は、単独で用いても良いし、変性処理(グラフト、共重合、化学処理など)を施したものを用いてもよいし、複合系(ブレンド、ポリマーアロイ、コンポジットなど)で用いることもできる。アクリルシリコーン、アクリルウレタン、アクリルラッカー、各種プライマー、フッ素系塗料、シリコーン系塗料、UV塗料に配合することもできる。これらのエラストマーおよび樹脂などは、凝集力を向上させるため官能基(グリシジル基、カルボキシル基、スルフォン酸基、マレイン酸基、アミノ基などの極性基など、たとえば、金属塩や4級アミンなどを介してアイオノマーを形成できる極性基)を付与することもできる。
有機重合体材料以外に無機系材料、木材、紙、石膏、セメント、発泡体などの導電性を有さない一切の材料を使用することができる。
好ましいポリマーとしては、HNBR、塩素化ポリエチレン、SBS(スチレン−ブタジエン−スチレン系共重合体)及びその水素添加物、シリコーン、ウレタン樹脂を挙げることができるが、これらに限定されることはない。
本発明の磁性体層11は、扁平軟磁性粉末と結合剤とを含有した磁性塗料を、たとえば、支持体上にブレード等にて塗布、乾燥し、ついでこの支持体から分離(剥離)させることで得られる。支持体からの分離(剥離)は必要がなければ、省略してもよい工程である。
磁性塗料の調製には、扁平軟磁性粉末および結合剤を溶解または分散させるための溶剤を使用する。このような溶剤としては、特に限定されるものではないが、たとえば、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソプロピルアルコールなどのアルコール類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、乳酸エチル、エチルグリコールアセテートなどのエステル類、ジエチレングリコールジメチルエーテル、2−エトキシエタノール、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素化合物、メチレンクロライド、エチレンクロライド、四塩化炭素、クロロフォルム、クロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素化合物などを用いることができる。これらの溶剤は、それぞれ単独で使用できるほか、2種以上をブレンドして用いてもよい。
前記磁性塗料は、前記溶剤を結合剤100重量部に対して1000重量部以下、好ましくは100〜800重量部の割合で含有するのがよい。これに対し、溶剤の含有量が1000重量部を超えると、シート中に残留エアーが残るので好ましくない。
前記塗料調製のための分散および混練装置としては、たとえば、ニーダ、アジタ、ボールミル、サウンドミル、ロールミル、エクストルーダー、ホモジナイザ、超音波分散機、2軸遊星式混練機などを用いることができる。これら分散および混合装置のうち、特に扁平軟磁性粉末を破壊、歪みを与えない、アジタ、ボールミル、ロールミル、ホモジナイザ、超音波分散機、2軸遊星式混練機などが好ましい。
前記支持体としては、特に限定されるものではなく、たとえば、紙、ポリオレフィンなどの高分子樹脂をラミネートした紙、紙、離型紙、高分子樹脂、布、不織布、金属、金属処理(蒸着、メッキ)したものなどが挙げられる。これらのうち、薄くて強度が有る高分子樹脂が好ましく、この高分子樹脂としては、たとえば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレートなどのポリエステル類、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン類、これらポリオレフィン類の水素の一部または全部をフッ素樹脂で置換したフッ素樹脂、セルローストリアセテート、セルロースダイアセテートなどのセルロース誘導体、ポリ塩化ビニルなどのビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデンなどのビニリデン樹脂、ポリカーボネート、ポリフェニレンサルファイド、ポリアミドイミド、ポリイミドなどが挙げられる。これらの高分子樹脂表面は、フッ素やシリコーンなどの離型処理で剥離処理を施していると、磁性体層11を簡単に剥離することができるうえで好ましい。また、これらの高分子樹脂は、厚さ1μm〜100mm程度のフィルム状であるのがよい。ただし、支持体を剥離しない形態で使用する場合は、これらの離型処理は不要であり、接着処理やアンカーコートのための表面に凹凸付与処理が施される。
前記支持体上に磁性塗料を塗布する方法は、特に限定されるものではなく、たとえば、エアドクターコート、ブレードコート、ワイアバーコート、エアナイフコート、スクイズコート、含浸コート、リバースロールコート、トランスファロールコート、グラビアコート、キスコート、キャストコート、エクストルージョンコート、ダイコート、スピンコートなどの従来の方法は、いずれも採用可能である。
また、架橋剤を添加して前記結合剤を架橋させ、磁性体層11の耐熱性を向上させてもよい。この架橋については架橋剤や架橋助剤を配合するだけでなく、UV硬化、光硬化、放射線硬化などの手段を選ぶことができる。
磁気シールドシート10は、任意の構成であるが被覆層12が設けられる。被覆層12は、磁性体層11を少なくても部分的に被覆するので、磁性体層11を保護し、磁気シールドシート10の機械的強度が高くなり、たとえば、非接触ICカード15に挟む際に、折れ曲がったり、磁性体層11が傷付いたりすることを抑制することができる。したがって、磁気シールドシート10は、機械的強度が高いので、磁性体層11が傷ついたり、折れ曲がったりすることによって、好適な無線通信環境を損なうことを防ぐことができる。また、被覆層12は、非導電性材料からなるので、被覆層12での渦電流の発生を防ぐ。したがって、被覆層12が無線通信の障害になることを防止して、好適な無線通信環境を実現することができる。被覆層12は、磁性体層11の表面を覆うように被覆されていてもよいし、磁性体層11の表面だけではなく、側面も覆うように被覆されていてもよい。
このような被覆層12は、非導電性材料であればよいが、たとえば、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリアクリロニトリル、ポリウレタン、ポリブチレンテレフタレート、ポリナフタレンテレフタレート、ポリエステルテレフタレート、ABSなどの樹脂、リサイクル樹脂、生分解樹脂、樹脂変性物、アロイ、ゴム、エラストマー、紙、布、織布、発泡体、皮、レザー、セロファンなどが挙げられる。本実施形態では、ポリエステルテレフタレートを用いたが、これに限定されることはない。選択する材料により耐熱性を付与したり、耐薬品性を付与したり、耐気体透過性にすぐれたり、難燃性、準不燃性、不燃性を付与することも可能である。中でも可撓性を保ちながらも気密性、防水性及び機械的強度を向上できる本発明の被覆層12が最も好ましい。また支持体に用いた材料を剥離することなく、そのまま被覆層12の一部または全部として利用しても良い。ただし、磁気シールドシート10の性能を変更しない程度に、導電性材料、誘電性材料、磁性材料などの配合は可能である。また、被覆層12の補強効果を増すため、補強フィラー(短繊維、長繊維、無機フィラー、カーボンなど)を添加することもできる。
被覆層12は、ラミネートやモールディングなどの任意の方法で形成される。通常は接着剤、粘着剤を使用しないが、使用してもよいし、ここに帆布やネットなど非導電材料により成る補強層を形成してもよい。
図2は、非接触ICカード15を簡略化して示す断面図である。電子部品である非接触ICカード15は、電磁波の信号(「電磁波信号」という場合がある)を送受信するためのアンテナ素子16と、アンテナ素子16に電気的に接続される集積回路(IC)17を備える非接触ICカード15である。この非接触ICカード15は、金属板や他の非接触ICカードのアンテナ素子などの通信妨害部材19の近傍で使用する際には、通信妨害部材19との間に磁気シールドシート10が設けられる。
アンテナ手段であるアンテナ素子16は、仮想面18に沿ってコイル状に形成されるアンテナコイルである。仮想面18は、平面であってもよいし、曲面であってもよいが、本実施の形態では、平面である。このアンテナ素子16は、少なくとも、仮想面18に関して一方側に向けて電磁波信号を送信し、仮想面18に関して一方側から到来する電磁波信号を受信することができる。具体的に例示すると、アンテナ素子16は、仮想面18に垂直であり、かつ仮想面18の一方側に向かう送受信方向Aへ電磁波信号を送信し、送受信方向Aから到来する電磁波信号を受信することができる。図中のAは例示であり、A以外のあらゆる方向からの通信が可能である。図2は通信妨害部材19の近傍でも磁気シールドシート10により、電磁誘導方式による通信が可能となる様子を実線の磁界分布曲線により示している。
IC17は、少なくとも記憶部と制御部とを有している。記憶部には情報を記憶することが可能であり、制御部は、記憶部に情報を記憶させ、または記憶部から情報を読出すことができる。このIC17は、アンテナ素子16によって受信される電磁波信号が表す指令に応答して、情報を記憶部に記憶し、または記憶部に記憶される情報を読出して、その情報を表す信号をアンテナ素子16に与える。
たとえば、情報管理装置から、予め定める記憶すべき情報(以下「主情報」という)と、その主情報を記憶するように指令する情報(以下「記憶指令情報」という)とを表す電磁波信号が、アンテナ素子16によって受信されると、主情報および記憶指令情報を表す電気信号がアンテナ素子16からIC17に与えられる。IC17は、制御部が、記憶指令情報に基づいて、主情報を記憶部に記憶させる。
また、情報管理装置から、記憶部に記憶される情報(以下「記憶情報」という)を送信するように指令する情報(以下「送信指令情報」という)を表す電磁波信号が、アンテナ素子16によって受信されると、送信指令情報を表す電気信号がアンテナ素子16からIC17に与えられる。IC17は、制御部が、送信指令情報に基づいて、記憶部に記憶される情報(記憶情報)を読出し、その記憶情報を表す電気信号をアンテナ素子16に与える。これによってアンテナ素子16から、記憶情報を表す電磁波信号が送信される。
このように非接触ICカード15は、アンテナ素子16によって電磁波信号を送受信する電子部品である。非接触ICカード15は、内蔵するバッテリによって駆動されるバッテリ駆動タグであってもよいし、受信した電磁波信号のエネルギを利用して電磁波信号を返信するバッテリレスタグであってもよい。
このような非接触ICカード15を、通信妨害部材19の近傍で用いることができるようにするために、磁気シールドシート10が用いられる。磁気シールドシート10は、アンテナ素子16に対して、送受信方向Aと反対側、したがって仮想面18に関して他方側に設けられる。この非接触ICカード15は、アンテナ素子16と通信妨害部材19との間に磁気シールドシート10が介在されるように設けられる。また通信の最適化のためには非接触ICカード15の共振周波数の調整がされることが望ましい。
磁気シールドシート10は、磁性体層11または導体層31によって、電磁界を遮蔽し、磁気シールシート10によって仕切られる2つの領域のうち、一方の領域の電磁界が他方の領域に漏れ、その一方の領域の電磁界のエネルギが他方の領域に伝わることを防ぐことができる。遮蔽可能な電磁界は、もちろん電磁波によって形成される電磁界も含んでおり、したがってこの電磁界を形成する電磁波を遮蔽することができる。
具体的に述べると、磁性体層11は、複素比透磁率の実数部μ’が大きい材料から成るので、この磁性体層11を磁界中に設けると、たとえば、図2にアンテナ素子16から送信される電磁波による磁界を例に示すように、磁力線20が磁性体層11を集中して通るようになり、近傍に存在する通信妨害部材19内を通らなく、または通りにくく、影響を受けにくくなる。これによって、磁気シールドシート10を用いることによって、磁界を遮蔽して、磁気シールドシート10によって仕切られる一方の領域であるアンテナ素子16が設けられる領域の磁界が、他方の領域である通信妨害部材19が設けられる領域に漏れることを防ぐことができる。
図2に示す位置と同様の位置にアンテナ素子16が設けられる場合に、磁気シールドシート10が設けられていなければ、送受信される電磁波による磁界の磁力線が、たとえば図2に仮想線21で示すように、通信妨害部材19内を通るようになる。ただし、実際は、通信妨害部材19が金属の場合は、多くの磁力線は通信妨害部材19に平行に進むように曲がり、通信妨害部材19に進入するものは少ない。むしろ磁力線により通信妨害部材19の表面に誘導電流(渦電流)を生じる。この渦電流を生じる過程でエネルギ的に損失(渦電流損)を起こし、さらに渦電流により生じる磁界が反磁界として通信のための磁界をキャンセル(相殺)する働きをする。通信妨害部材19がアンテナコイルの場合は、磁力線が通信妨害部材19に貫通し、共振周波数のシフトを引き起こす。これに対して、電気抵抗の大きい磁気シールドシート10を用いて磁界を遮蔽することによって、磁気シールドシート10に関して通信妨害部材19と反対側の磁界のエネルギが、通信妨害部材19によって減少してしまうことを防ぐ。また導体層31と電気抵抗の大きい磁気シールドシート10を組み合わせて磁界を遮蔽することにより、アンテナコイル間の干渉を低減することができる。したがって磁気シールドシート10に関して通信妨害部材19とは反対側であるアンテナ素子16側で、アンテナ素子16によって送受信される電磁波によって形成される磁界のエネルギが、通信妨害部材19によって減少してしまうことを防ぐ。
さらに、磁性体層11は、複素比透磁率の虚数部μ”が小さい材料から成るので、この磁性体層11の中を磁束が通過しても通過に伴う磁性体層11内でのエネルギの損失を小さく抑えることができる。これによって磁力線が磁性体層11内を集中して通るようにしても、磁性体層11自体が磁界のエネルギを損失させてしまうことが抑制されている。このように磁性体層11は、近傍に存在する通信妨害部材19による磁界のエネルギの干渉を防止したうえで、自己による損失を小さく抑え、磁界のエネルギの減衰を可及的に小さくすることができる。
磁性体層11のサイズは、アンテナ素子16の通信改善が達成できればとくに限定されない。アンテナ素子16と通信妨害部材19の間の一部に存在することもある。またスリットやスロットを設けることも可能である。
このような磁気シールドシート10を、前述のようにアンテナ素子16と通信妨害部材19との間に介在させることによって、アンテナ素子16によって送受信される電磁波信号による電磁界のエネルギが、通信妨害部材19で減少したり、通信妨害部材19から干渉を受けて通信特性が劣化してしまうことが防がれる。しかもこのような通信妨害部材19の影響を防ぐための磁気シールドシート10自体は、磁性損失が小さく抑えられている。したがってアンテナ素子16によって好適に、しかも長距離を送受信することができる。したがって非接触ICカード15が、通信妨害部材19の近傍に設けられる場合であっても、情報管理装置と非接触ICカード15との間で情報の無線通信が可能であり、情報管理装置から送信された電磁波信号の表す情報を非接触ICカード15に記憶させ、また非接触ICカード15に記憶されている情報を、情報管理装置によって読出すことができる。
さらに、磁気シールドシート10は通信妨害部材19と非接触ICカード15の間にて、非接触ICカード15の共振周波数調整機能を有する。磁性体層11の複素比透磁率と厚みにより、非接触ICカード15の共振周波数をシフトさせることができ、たとえば、整合回路を付加することなくても磁性体層11のみで共振周波数の調整が可能となる。
磁気シールドシート10によるQ値の調整も可能である。Q値は、電磁誘導方式のアンテナコイルの動作周波数での磁界の集めやすさを表す尺度である。
このQ値は、非接触ICカード15の送受信特性を示すために、マテリアルアナライザーで得られるインピーダンスの実数部(R)のピーク値に当てはめて評価する。Q値が高いとは、通信のための磁界を集め易いことを示すので、通信特性が高いことを示している。
通信特性を最も好適にするためには、共振周波数をf0付近に調整して、その上でQ値(本発明ではインピーダンスの実数部(R))をできるだけ高くする必要がある。磁性体層11にはアンテナコイル16の共振周波数を低くする機能があるため、通信妨害部材19が金属の場合は、高周波数にシフトした共振周波数をf0に戻すという相殺効果を、また通信妨害部材19が他のアンテナコイルの場合は、双峰に分かれた共振周波数の高い成分をf0に戻すという効果を得ることができる。
通信妨害部材19が他のアンテナコイルの場合は、磁性体層11および導体層31を組み合わせて用いることができる。導体層31は電磁シールド性が高く、双峰に分かれた共振周波数をまとめて高周波数の単ピークとすることができる。この状態から磁性体層11により周波数を調整することで、磁気シールドシート10に磁性体層11のみを用いる場合よりも、複素比透磁率の実数部μ’を下げることができたり、磁性体層11の厚さを薄くすることができる。磁性体層11による周波数調整方法は、表面に凹凸を与えたり、スリットやスロットを付与しても可能であり、導体層31との距離を変えることによっても達成することができる。
以上のことから、磁気シールドシート10は、通信周波数の電磁波を利用して無線通信する場合において、同周波数で通信する非接触ICカード15を同一のカードケースに収容するなど、アンテナ素子16(アンテナコイル)の近傍に通信妨害部材19が存在する状態であっても、アンテナ素子16(アンテナコイル)と通信妨害部材19との間に設けることによって、通信周波数の電磁波を利用して好適に無線通信させることができる。さらに、磁気シールドシート10は機械的強度が高いので、磁性体層11が傷ついたり、折れ曲がったりすることによって無線通信環境を損なうことは、ない。
また、この磁気シールドシート10を挟んで異なる非接触ICカード15を設けることによって、それぞれの非接触ICカード15の読み取りが可能になり、非接触ICカード15同士を離反させなくても、それぞれ非接触ICカード15と読取装置との通信が可能である。磁気シールドシート10の構成によっては、片面スキミング防止で他面無線通信が可能といった通信特性に異方性を持たせることも可能である。
磁気シールドシート10は、全体の厚み寸法T10が、0.5mm以上5mm以下である。厚み寸法T10が、0.5mmより小さく形成されると、充分な機械的強度が得られず、磁気シールドシート10を折れ曲がることを防止することができない。磁気シールドシート10が折れ曲がると、好適な無線通信環境を損なってしまう。また、厚み寸法T10が、5mmより大きく形成されると、カードケースなどに収容しにくくなり、扱いにくい。
また、磁気シールドシート10は、磁性体層11および導体層31自身も被覆層12を用いる場合はなおさら表面を着色したり、印字、デザインおよび凹凸を施すことができ、意匠性の高いカードにすることも可能である。
図3は、本発明の第2の実施形態である磁気シールドシート10を簡略化して示す断面図である。図1に示される第1の実施の形態と対応する部分には同一の参照符を付し、重複を避けて説明は省略する。
磁気シールドカード10は、磁性体層11の代わりに、磁性体層11と金属を含む導体層31とを積層した積層体32を用いること以外は、第1の実施形態と同様である。磁気シールドシート10は、積層体32と、積層体32全体を被覆する被覆層12とを含んで構成される。積層体32は、磁性体層11と導体層31とが外層となるように積層した積層体である。
磁気シールドシート10は、磁性体層11に導体層31が積層されているので、非接触ICカードと重ね合わせて使用するなど、非接触ICカード15の近傍に配置することによって、導体層31側の非接触ICカード15のスキミングを防止することができる。さらに、磁気シールドシート10は、導体層31を磁性体層11で挟むように積層しているので、非接触ICカード15と導体層31との間に磁性体層11が配置されることとなり、磁性体層11側の非接触ICカード15は好適な無線通信環境を確保することができる。無線通信改善のためには、この段階で共振周波数の調整することが好ましい。
導体層31は、磁気シールド性が高い材料からなる。通信周波数の電磁波に対して、磁気シールド性が20dB以上であることが好ましい。そうすることによって、送受信方向Aと反対側からの磁界シールド性をさらに向上することができる。
導体層31は、金属(アルミ、銅など)、導電性部材、導電処理材などが使用できる。導体層31は電磁シールド性を有すると共に非接触ICカード15のアンテナコイルの共振周波数を高周波数にシフトさせ、無線通信を妨げる働きをする。これによりスキミング防止効果が得られる。導体層31としては、Al、Cuなど通常の金属を用いることができる。導電性が高ければインクや塗料によってもよい。とくに磁界シールド性が要求される場合は、導体層31として磁性金属層、磁性セラミックス層、Fe(鉄)系金属シート、Co系シート、Ni系シート、ステンレスまたはFe系金属粉末と結合剤との複合体が用いられる。この場合の導体層31の材料としては、前記軟磁性粉末で例示した材料を使うことができる。Fe系金属シートには、FeまたはFe系合金の金属箔が例示される。Fe系合金としては、例えば、Al、Mg、Co、Ni、Mo、B、Si、Sr、Nb、Crなどから選ばれる少なくとも1種の元素を有するFe系合金が挙げられる。
Fe系金属シートおよびFe系金属粉末の具体例としては、SPCC[冷間圧延板および鋼帯(JIS G 3141及びJIS G 3313)]、SPCD[冷延圧延鋼板及び帯鋼(JIS G 3141)]、SUY(電磁軟鉄)、アモルファス金属箔、溶融亜鉛メッキ鋼板などを挙げることができる。熱処理を付与する、しないにかかわらず使用時に測定した初透磁率が10以上で5000未満であれば使用可能である。市販品では、たとえば、シルバートップ(SF)、Foil Top(東洋鋼鈑株式会社製)などが使用可能である。
これらのFe系金属シートおよびFe系金属粉末は、初透磁率が5000未満であっても良い。一般に、初透磁率が5000以上ある材料は、パーマロイやスーパマロイなどに限定され、しかも適正な熱処理を施された際に到達する初透磁率の値である。これらの透磁率は高いものの不安定であり、曲げや応力付加に応じてその磁気特性は大きく劣化することになる。すなわち加工性を犠牲にして高透磁率を達成していることになる。
これに対して、本発明の磁気シールドカードは、所望の磁気シールド性を確保できれば、むしろ加工性を重視することを目的としている。つまり、磁気シールドシートを打ち抜き、曲げるといった二次加工を施しても性能が安定している。さらに透磁率を上昇させるためのアフターキュア工程を省略しても、所望の磁気シールド性を発現できる。
また、導体層31がFeもしくはFe系合金粉末から構成される場合、FeもしくはFe系合金粉末を結合剤に混合し、これをシート状に形成すればよい。このとき、FeもしくはFe系合金粉末は総量に対して約20〜90体積%、好ましくは40〜80体積%である。たとえば、磁性塗料の性状で使用される。
導体層31の厚さは500μm以下であるのがよく、特に1μm〜100μmが好ましい。導体層31としては、板、箔、塗料等に限定されず、たとえば、メッシュ、不織布などにメッキしたものを用いてもよいし、蒸着、メッキ、吸着法などで固定化したものでも良い。
磁気シールド効果は、KEC法またはアドバンテスト法という公知の方法で、周波数100KHz〜1GHzの範囲で20dBあることが要求される。好ましくは30dB以上である。より好ましくは60dB以上である。この周波数域では、磁性体層11の単層構成では所望の磁気シールド効果(20dB)を得ることができず、導体層31を積層することになる。
また、導体層31は、磁気シールド性が高い材料からなる層であればよいが、たとえば、磁性金属、アモルファス金属、磁性ステンレス鋼およびフェライトから選ばれる1種以上からなることが好ましい。また、磁性金属は、鉄、ニッケルおよびコバルトから選ばれる1種以上を含む金属または合金からなることが好ましい。それらの酸化物でもよい。そうすることによって、導体層31の磁気シールド性を高めることができ、スキミングをさらに防止することができる。
これらはシート状でもいいし、メッキ、蒸着、印刷されたものでもよい。図3において、一方面のみに磁性体層11を用い、他面は磁性体層11の代わりに磁性を持たない絶縁層を用いられる構成も取ることができる。
図4は、本発明の第3の実施形態である磁気シールドシート10を簡略化して示す断面図である。図3に示される第2の実施の形態と対応する部分には同一の参照符を付し、重複を避けて説明は省略する。
磁気シールドシート10は、積層体32が、両方の外層が磁性体層11、その間に導体層31となるように積層している積層体であること以外、第2の実施形態と同様である。
また、この磁気シールドシート10は、導体層31を磁性体層11で挟むように積層しているので、この磁気シールドシート10を挟んで異なる非接触ICカードを設けると、それぞれのタグと導体層31との間に磁性体層11が配置される。この段階で共振周波数の調整することもできる。したがって、この磁気シールドシート10を挟んで異なるタグを設けることによって、それぞれの非接触ICカードの送受信方向にかかわらず、非接触ICカード同士を離反させなくても、それぞれ非接触ICカードと読取装置との通信が可能である。
また、導体層31と磁性体層11の間には接着層、粘着層、誘電体層等があってもよいし、なくてもよい。さらにメッシュや孔開き状の導体層31を用い、磁性体層11を導体層31の両側に配置しながら、実質的に磁性体層11が繋がっているような構成も可能である。非接触ICカードの通信特性を評価しながら最適構成を選択することができる。
磁気シールドカード10は、磁性体層11側に非接触ICカード15を配置した場合、非接触ICカード15と導体層31との間に、磁性体層11が配置されることになるので、非接触ICカード15と読取装置との通信が可能である。
第2実施形態および第3実施形態の被覆層12は、磁性体層11の表面を覆うように被覆されていてもよいし、磁性体層11の表面だけではなく、側面も覆うように被覆されていてもよいが、磁性体層11の表面だけではなく、側面も覆うように被覆されているほうが好ましい。そうすることによって、導体層31が錆びることを防止することができる。
本発明の磁気シールドシート10は、カードサイズに限定されることなく、いろいろなサイズで使用することができる。またカード以外にアンテナコイル用積層体としても、アンテナコイルと一体化してアンテナ体としても使用することができる。
支持体として導体層31を用いた場合に、磁性体層11を塗工工程で積層することにより、磁気シールド性、ノイズ抑制効果を有するシートを得ることができる。この磁性体層11は導体層31の防錆処理剤としての効果も持つ。また導体層31は必要に応じて接着処理を施すことができる。
さらに、上記磁気シールドシート10は、被覆層12内側(または被覆層12の外側、被覆層12そのもの)に非接触ICカード15を設けることによって、アンテナコイルの共振周波数が調整された電子機器としてもよい。電子機器としては、たとえば、ボタン型のアンテナなどの小型の電子機器が挙げられる。このような電子機器は、たとえば、磁性体層11と、電磁波信号を送受信するためのアンテナとを、磁性体層11が、前記アンテナの送受信方向と反対側となるように積層した積層体32と、非導電性材料で構成され、前記積層体32を少なくとも部分的に被覆する被覆層12とを含んで構成されていてもよい。また、このような電子機器は、たとえば、磁性体層と、金属を含む導体層31と、電磁波信号を送受信するためのアンテナ手段とを、少なくとも一方の外層がアンテナ手段となり、前記磁性体層11が前記アンテナ手段と前記導体層31との間に配置されるように積層した積層体32と、非導電性材料で構成され、前記積層体32を少なくとも部分的に被覆する被覆層12とを含んで構成されていてもよい。
そうすることによって、電子機器は、磁性体層11側に位置すれば、到来した通信周波数の電磁波を利用して好適に無線通信することができる。さらに、磁性体層11側の通信距離を伸ばすためには、磁性体層11に積層されたアンテナコイルの共振周波数やQ値は調整することができる。調整の方法は回路的にC成分を付与してもよいし、磁性体層11の複素比透磁率や厚みで調整してもよい。さらに、この電子機器は、アンテナ手段を内蔵することによって、小型化を図ることができる。また、導体層31を積層した場合、スキミングを防止することもできる。
図5は、本発明の第4の実施形態である収容容器41を簡略化して示す断面図である。収容容器41は、たとえば、カードケース、財布、定期入れ、メモ帳、手帳、かばんおよび衣服などである。本実施の形態では、収容容器41は、非接触ICカード42を収容する第1収容部43と第2収容部44とを備えている。第1収容部43と第2収容部44とは、第1収容部43と第2収容部44との間を仕切り部材が、上記磁気シールドカード10からなる。そうすることによって、第1収容部43と第2収容部44とにそれぞれ非接触ICカード42を収容しても、使用する非接触ICカード42を第1収容部43および第2収容部44から取り出すことなく、収容した状態のまま、非接触ICカード42と読取装置との通信が可能である。また、非接触ICカード42のスキミングを防止することができる。図5の構成は例示であり、収容部が完全に被覆する状態でもよいし、部分的に被覆する状態でもよいし、簡単な保持具だけを介して収容されるものでもよい。
上記実施形態では、収容容器41は、第1収容部43と第2収容部44との間を仕切る部材が磁気シールドシート10からなる収容部を備えているが、収容部が、磁気シールドカードを含んで構成されていればよい。たとえば、カードケースを構成する布および革で構成されている仕切り部材の中に、磁気シールドシート10が入っていてもよい。また、収容部は、1つであってもよい。そうすることによって、非接触ICカード42の好適な無線通信環境を確保しながら、送受信方向とは反対側からのスキミングを防止することができる。収容容器41は、たとえば、カードケース、財布、定期入れ、メモ帳、手帳、かばんおよび衣服などで実現される。
(磁性体層作成)
バインダーとしてHNBR(日本ゼオン製Zetpol)を用い、軟磁性金属粉として扁平Fe−Ni−Cr−Si系合金粉(三菱マテリアル製JEM粉)を40体積%添加し、分散剤としてステアリン酸亜鉛、架橋剤(パーオキサイド)を適宜量加えた後、メチルイソブチルケトン(MIBK)/メチルエチルケトン(MEK)溶液に溶かした磁性塗料を作成し、ドクターブレード法にてPET(ポリエチレンテレフタレート、剥離支持体)上に塗工してシート成形を行った。ついで、剥離支持体をはがし、熱プレス法により厚さ150μmの磁性体層11を得た。シールド層11を被覆層12としてPETフィルム(25μm厚)によりラミネート加工し、モールディングした磁気シールドシート10とした。本実施例は、第1の実施形態に相当する。
表1に示す磁性体層11は、軟磁性金属粉は同じであるが、バインダーをウレタン樹脂とし、塗工法によりシートを作成している。厚さが35μm、50μm、100μmのものはロール状であり、熱プレス法を使用していない。また100μm厚は50μm厚のシートを2層熱ラミすることで作成した。ただし、250μm厚のシートは熱プレス法にて作成している。
(実施例1)
上記のバインダーとしてHNBRを用いた磁性体層11(150μm厚)とアルミ(Al)箔を接着剤(25μm)にて積層し、さらにこの状態でPETフィルム(25μm厚)によりラミネート加工し、モールディングした磁気シールドシート10とした。本実施例は、第3の実施形態に相当する。
(実施例2)
実施例1の磁性体層11(150μm厚)と金属(Fe)箔(東洋鋼鈑製Foil Top、50μm厚)に接着剤(25μm)を介して積層し、さらにPETフィルム(25μm厚)でラミネート加工し、モールディングした磁気シールドシート10とした。本実施例は、第3の実施形態に相当する。
(実施例3)
実施例3の金属(Fe)箔(東洋鋼鈑製Foil Top、50μm厚)に接着剤(30μm)を介して実施例1の磁性体層11(150μm厚)を両側に積層した。さらにPETフィルムでラミネート加工し、モールディングした磁気シールドシートとした。本実施例は、第2の実施形態に相当する。
(比較例1)
銅板(500μm)をPETフィルムによりラミネート加工し、モールディングした磁気シールドシート10とした。
(比較例2)
非接触ICカード15をアンテナコイルが重なる位置にして積層した状態とした。
実施例1〜14および比較例1〜7について、材料定数測定、無線通信性能測定、磁気シールド性測定、電界シールド性測定、表面抵抗率測定、機械的強度測定および塩水噴霧試験を行った。
〈材料定数の測定〉
材料定数は、複素比透磁率の実数部μ’、複素比透磁率の虚数部μ”、複素比誘電率の実数部ε’および複素比誘電率の虚数部ε”を含む。測定は材料をリング加工(φ7×φ3)して同軸管法で測定した。測定機器は、1MHz〜10GHzの周波数に対し、マテリアルアナライザーE4991A及びネットワークアナライザーHP8720ESを使用している。
図6は、実施例1の磁性体層11(150μm厚)の材料定数(μ’,μ”,ε’,ε”)測定結果を示すグラフである。図6からわかるように、13.56MHz帯の複素比透磁率の実数部μ’が58.7、同虚数部μ”が2.6、複素比誘電率の実数部ε’が555.6、同虚数部ε”が141.7であった。
図7は、実施例11および比較例3、6、7の磁性体層11(35μm厚)の材料定数(μ’,μ”,ε’,ε”)測定結果を示すグラフである。13.56MHz帯の複素比透磁率の実数部μ’が32.5、同虚数部μ”が1.4、複素比誘電率の実数部ε’が363.2、同虚数部ε”が35.7あった。また図8は、実施例5、6、8、9、12、13および比較例4、5の磁性体層11(50μm厚および100μm厚)の材料定数(μ’,μ”)測定結果を示すグラフである。13.56MHz帯の複素比透磁率の実数部μ’が39.5、同虚数部μ”が2.2、複素比誘電率の実数部ε’が440.3、同虚数部ε”が56.5あった。さらに図9は、実施例4、7、10、14の磁性体層11(250μm厚)の材料定数(μ’,μ”,ε’,ε”)測定結果を示すグラフである。13.56MHz帯の複素比透磁率の実数部μ’が47.1、同虚数部μ”が1.3、複素比誘電率の実数部ε’が885.3、同虚数部ε”が198あった。
したがって、実施例および比較例の磁性体層11の材料定数は、通信周波数(この例では、13.56MHz帯)における複素比透磁率の実数部μ’が30以上であり、かつ複素比透磁率の虚数部μ”を複素比透磁率の実数部μ’で除算した値である透磁率損失項tanδμ(=μ”/μ’)が0.2以下である。本実施例の磁性体層11による効果を得るためには通信周波数に於ける複素比透磁率の実数部μ’および虚数部μ”が、高μ’および低μ”の関係となることが重要である。
材料定数において請求項に規定する数値が実現できたのは、以下の理由による。第1の理由は、扁平な軟磁性金属(JEM粉やセンダストなど)を用いたためである。第2の理由は、さらに扁平な軟磁性金属の形状を壊す(歪み、折れなど)ことなく、軟磁性金属をバインダー(ポリマー)に対して20体積%以上含有されており、密に分散させて配向させたためである。第1および第2の理由の意味は、扁平な軟磁性金属粉をこのように分散させることで、まず絶縁材料であるバインダーで軟磁性金属粉を包み込むことにより磁性体層11の絶縁性(高抵抗値)と柔軟性を確保すること、および扁平形状の軟磁性金属粉が平面方向に配向・配列することで、磁性体層11に対して略垂直方向の磁束の進入を許すが通過を許さず、略水平方向の磁束は集めて通過しやすくするという磁気特性の異方性を与えることが可能になるためである。第3の理由は、シートの複素比透磁率μの実数部μ’の低下する周波数を高周波数化(たとえば、50MHz以上)にすることで、通信周波数の複素比透磁率μの虚数部μ”を低くしたためである(配合方法および金属の組成比、粒度分布の検討により実現)。
以上の3つの理由が複合して本件材料を用いた各実施例の磁性体層11では、好ましい特有の材料定数μ’,μ”を得ることができている。一般のノイズ抑制シートは、各周波数における複素比透磁率の実数部μ’および虚数部μ”を共に上げるべく設計されている。本発明はその技術と明確に一線を画しており、特定の通信周波数(13.56MHz帯)にて複素比透磁率の実数部μ’は高いものの虚数部μ”は低いというエネルギ損失面の意味で逆の性能を実現させている。また、通信周波数が13.56MHz帯である場合について、詳細に説明したが、通信周波数が100kHz以上30GHz以下であっても、好ましい特有の材料定数μ’,μ”を得ることができている。したがって、これらの通信周波数(特定周波数)の電磁波を利用して好適に無線通信することができる。
〈無線通信性能の測定〉
無線通信性能の測定は次の2つの方法により行った。
(1)通信距離測定
非接触ICカード61としては、テキサス・インスツルメント製タグインレット「Tag−it TM HF−1」(RI−I02−112A)(ISO/IEC15693−2、3)を用い、読取装置62としては、オムロン製リーダ/ライタV720S−BC5D4を用いて、非接触ICカード61と読取装置62との間の通信距離の測定を行った。
図10は、RFIDシステムオムロン製読取装置62と非接触ICカード61による通信距離の測定方法を示す概略図である。通信距離は、以下の2種類の通信距離を測定した。その測定方法は、図10(a)に示すように、非接触ICカード61に基材63を介してシート体10を配置し、さらに、金属箔64(鉄箔、アルミニウム箔)を配置し、この状態で非接触ICカード61と読取装置62間の通信距離L1を測定した。この場合、通信妨害部材19は、金属である。また、図10(b)に示すように、磁気シールドカード10の両サイドに基材63を介して非接触ICカード61を重なる様に2枚配置し、この状態で非接触ICカード61と読取装置62間の通信距離L2を測定した。この場合、通信妨害部材19は、他の非接触ICカードである。
非接触ICカード61を一枚のみで通信妨害部材の無い状態(自由空間の状態)で測定した通信距離は29cmであった。これに対して、磁気シールドシート10を介在させない場合、通信距離L1は、0cmとなり、通信距離が短くなった。磁気シールドシート10を介在させたときの通信距離L1を測定した。また、磁気シールドシート10の両面にある非接触ICカード61のそれぞれの方向から読み取り、それぞれの非接触ICカード61を読みとることが可能かを確認した。
(2)相互インダクタンス測定
非接触ICカード61と磁気シールドシート10を積層した状態で、コイル間の通信を行った場合の非接触ICカード61の共振周波数及び相互インダクタンス(表中のインピーダンスの実数部(R))をマテリアルアナライザーE4991Aにループアンテナを装着して測定した。インピーダンスの実数部(R)がコイルのQ値を示す。上記図10(a)に示すような通信妨害部材19が金属である場合と、図10(b)に示すような通信妨害部材19が他の非接触ICカード61である場合について測定した。その結果を表1に示す。また、磁気シールドシート10を用いない場合を比較例1および2とした。
Figure 2007295557
図11は、通信妨害部材19が金属である場合の共振周波数およびインピーダンスの実数部(R)を示すグラフであり、図12は、通信妨害部材19が他の非接触ICカード61である場合の共振周波数およびインピーダンスの実数部(R)を示すグラフである。比較例2の場合、非接触ICカード61に金属を接近させると共振周波数は、13MHz帯から28MHz付近までずれ、13.56MHz帯のリーダ/ライタと通信ができなくなった。非接触ICカード61を重ね合わせた状態でも共振周波数は6MHzと24MHzとに分かれてしまい、通信はできなくなった。磁気シールドシート10による非接触ICカード61の共振周波数の調整結果を確認した。
表1に示す無線通信性能の評価結果からは、非接触ICカード61のアンテナコイルに及ぼす影響として、通信妨害部材19が金属である場合と他の非接触ICカード61の場合で挙動が異なることがわかった。本実験において、リーダ/ライタの共振周波数は13.56MHzで固定している。
金属(磁性材も含む)の場合は、非接触ICカード61アンテナコイルの共振周波数は自由空間における13.56MHz付近からたとえば28MHzと高周波数側に大きくずれて、インピーダンスの実数部(R)の低下も大きくなった。
これに対して、非接触ICカード61の重ね合わせの場合は、共振周波数が分かれたりするが、13.56MHzより下および13.56MHzより上にずれていることが多かった。この現象を双峰性と呼んでいる。これは非接触ICカード61に1cmもの隙間を与えた場合も12.0MHzと17.1MHzへと共振周波数がシフトしていた。
ここで表1の共振周波数(ピーク値)およびインピーダンスの実数部(R)結果は、非接触ICカード61とループアンテナ間で測定したものであり、相互インダクタンスの評価である。無線通信特性はリーダ/ライタとの通信距離を評価しているが、この場合は相互インダクタンスが問われてくる。よって今回の共振周波数(ピーク値)測定と通信距離の結果は対応しているといえる。
金属の場合に対する磁性体層11(磁気シールドシート10)の効果は、高周波数にシフトした共振周波数を下げ、通信可能な13MHz帯近くに持ってくること、およびインピーダンスの実数部(R)を回復させることであった。磁性体層11の共振周波数を下げる効果は、透磁率とシート厚で決まるが、整合回路を用いない場合は下げすぎてしまうことに注意する必要があった。しかし、実施例の構成では共振周波数をほぼ通信周波数に近づけることができ、電気抵抗値の高い磁性体層11(磁気シールドシート10)は必須の構成要素といえた。この結果より、非接触ICカード61の近傍に金属をもってくると、共振周波数が高周波数側に大きくシフトすることと、インピーダンスの実数部(R)が低下することにより、無線通信できなくなることがわかった。つまり導体層31の効果は、スキミング防止効果を付与できることと、高い周波数側に共振周波数を持っていくことである。
一方の非接触ICカード61の重ね合わせの場合に対する磁性体層11(磁気シールドシート10)の効果は、磁性体層11の持つ透磁率により共振周波数を低下させるという機能が逆効果に働く可能性があったものの、磁気シールドシート10の厚さ分の隙間を与え、磁性体層11を挿入すると、通信改善が可能となった。これは金属の場合に対する共振周波数のシフトの効果よりも、やはり磁界を集中して通すという磁性体層11(磁気シールドシート10)本来の機能を発揮したといえる。
この場合には、磁気シールドシート10に構成として、実施例3の様に内部に導体層31(金属、磁性金属、導電性材料が使用可能)を配置し、その両側の磁性体層11により共振周波数を調整しておく(本発明では磁性体層11の透磁率と厚みで調節)ことがもっとも有効であった。これにより両側非接触ICカード61が接近していても、間に磁気シールドシート10があることで両方の非接触ICカード61が読みとれることを確認した。さらに外層を磁性体層11と導体層31とした場合は、磁性材層11側の非接触ICカード61はどの方向からも読みとれるが、導体層31側の非接触ICカード61はどの方向からも読みとれず、このサイドはスキミング防止効果があることがわかった。非接触ICカード61が接近している場合には、共振周波数のピークが2つに分かれることが多く、磁気シールドシート10により、ピークを近づけたり、1つにすることができるが通信距離を大きく伸ばすことは難しかった。実施例2及び3の様に導体層31で一方の非接触ICカード61の通信距離をなくした場合に他方の磁性体層11側の非接触ICカード61の通信距離が最適になった。
Figure 2007295557
さらに非接触ICカード61の重なりによる干渉結果とそれに対する磁気シールドシート10の通信改善効果を測定した。つまり通信妨害部材が重複アンテナコイルの場合の通信特性を評価している。図13に、図10(b)の試験で通信特性を測定した磁気シールドシート10の構成を示す。磁性体層11を磁気シールドシート10としたもの(構成a)、磁性体層11および導体層31を磁気シールドシート10としたもの(構成b)、磁性体層11/導体層31/磁性体層11を磁気シールドシート10としたもの(構成c)を作成し、共振特性測定および通信特性の評価を行った。
図14〜図16は、通信妨害部材19が他の非接触ICカード61である場合の共振周波数およびインピーダンスの実数部(R)を示すグラフである。図14は、構成a(実施例4)の結果を示し、図15は、構成b(実施例5〜7)の結果を示し、図16は、構成c(実施例8〜10)の結果を示す。
まず、構成aの場合、磁性体層11を高透磁率化およびシート厚を増すことで、共振ピークの双峰性は解消できないものの、ある閾値以上にて通信改善ができることが判明した。この場合、透磁率μ’とシート厚t(μm)の積が10,000を超える場合に通信が可能となった。この理由は、非接触ICカード61が重なった場合の高周波数にシフトした共振ピークを磁性体層11により通信周波数(f0)まで落として調整したこと、および磁性体層11によるインピーダンスの実数部(R)を向上効果、非接触ICカード61間の電磁結合低減効果による。
構成bおよび構成dの場合、導体層31と磁性体層11の効果が相俟って、通信改善効果が得られた。導体層31により高い電磁シールド効果と共振周波数を高周波数へシフトさせる効果があるため、磁性層11による共振周波数低下効果がより活かすことができた。周波数調整やインピーダンスの実数部(R)向上のための磁性体層11は、透磁率μ’とシート厚(μm)tの積が2,000を超える場合から通信改善効果を得ることができた。
本実施例から、非接触ICカード61が重なった場合の通信改善対策として、磁性体層11は有効であるが、単に磁性体層11を用いるだけでは通信改善が達成されないことも判明した。磁性体層11に適当な透磁率μ’や厚みを与え、共振周波数調整や相互インダクタンス(本発明のインピーダンスの実数部(R))調整ができることではじめて通信改善が得られている。この磁性体層11による調整は、導体層31や非接触ICカード61からの距離や磁性体層11の凹凸やスリット・スロットなどの形状効果、積層効果等にも依存するが、最も効果に直結する因子は透磁率μ’および厚みtであった。
磁気シールドシート10の被覆層12はあってもよいし、なくてもよい。しかし保護層としての役割は重要であり、磁気シールドシート10の多くの場合に樹脂からなる被覆層12が付与されている。
〈磁気(磁界)シールド性の測定〉
アドバンテスト法により100KHz〜1GHzの周波数における磁気(磁界)シールド性を測定した。図17は、実施例2である磁気シールドシート10の磁界シールド性の結果を示すグラフである。図17からわかるように、125KHz〜135KHzの周波数で12dB、13MHz帯で60dB超と高い磁界シールド性を有することを確認した。実施例3である磁気シールドシート10は、100KHz近辺の周波数で10dB以上、1〜20MHzの周波数で60dB以上のシールド性があり、電磁波干渉(他波干渉)を十分防ぐことができることを確認した。ここでは示していない電界シールド性はとくに磁性金属を用いなくても、高いシールド性を得られており、今回の構成では各周波数で40dBを超えていた。
また、実施例3である磁気シールドシート10のアドバンテスト法による磁界シールド性の測定結果は、125KHz〜135KHzの周波数で12dB、13MHz帯で60dB超と高い磁界シールド性を有していた。
〈表面抵抗率の測定〉
導電性を評価するために表面抵抗率(JIS K6911準拠)を測定した。測定器としては、三菱化学製のハイレスタMCP−HT450を使用した。本実施例(実施例1)の磁性体層11は、5.1×107Ω/□であった。比較例3,6,7で用いた磁性層11は2×108Ω/□、比較例4,実施例6,8で用いた磁性層11は2×104Ω/□、比較例5,実施例6,9で用いた磁性層11は5×105Ω/□、実施例4,7,10で用いた磁性層11は6×105Ω/□であった。
〈機械的強度の測定〉
JIS K6251に準拠して実施例1の磁性体層11(150μm厚)単独と実施例1である磁気シールドシート10の引張試験を行った。ダンベル形状は1号形を用いている。磁気シールドシート10に関してはモールディング加工後にダンベル打ち抜きを行った。引張強度は、実施例1の磁性体層11(150μm厚)が6.2MPaであったものが、実施例1である磁気シールドシート10では11.5MPaとほぼ倍増していた。
〈可とう性の評価〉
磁性体層11を直径3mmの棒に巻き付け、シートに折れや割れが発生するか否かを確認した。本発明の磁性層11は、厚さ250μmのものも含め、全て折れや割れの発生はなく、可とう性を有していることを確認した。
〈塩水噴霧試験〉
防錆性は、塩水噴霧試験により評価した。具体的には、塩水噴霧試験機(スガ試験機社製のCASSER−ISO−3)を下記試験条件で用い、試験後の磁性体層11および磁気シールドシート10の表面を目視観察することにより評価した。この試験の目的は被覆層12による気密性や防水性の向上の評価である。とくに導体層31を用いた場合の防錆性の向上を確認している。
試験条件
塩化ナトリウム溶液濃度:5±0.5重量%
噴霧室温度:35±2℃
試験時間:48時間
結果は、導体層31を用いていない磁気シールドシート10に錆は無く、被覆層12がない状態で導体層31として鉄箔(50μm厚)を使用したものはその側面に錆発生がみられた。これに対して被覆層12により少なくとも側面を覆う様に設けたところ、錆発生がなくなった。
本発明で用いたリーダライタは高出力による長距離通信が可能なタイプである。これは非接触ICカード単体で用いた通信距離が29cmであったことからも裏付けられる。実際、交通機関の改札システムでは、一般に15cm以下の通信距離で多くの場合は非接触ICカードを接触させて利用されている。ところで本発明の実施例4,8〜14にて回り込んで読み取る結果があった。また実施例5〜7においても導体層31側からリーダライタで読みとった際に裏側にある磁性体層11の上にある非接触ICカード61を回り込んで読みとっていた。これはリーダ/ライタの電波到達距離、つまり出力に依存する結果であり、回り込んで読むことがすべて通信失敗ということにはならない。弊社の実験においてもハンディタイプの小型リーダを用いた場合は回り込み現象は見られなかった。本発明の評価としては、まずリーダ/ライタと相対するカードが正確に読めるという結果が重要である。
本発明の実施例は以上の通りであるが、その実施例に限定されることはなく、様々な材料、形状、性能、それらの組合せを用いることができる。また非接触ICカードについて効果を示したが、基本的にアンテナコイルを用いる通信手段では同じ現象が起き、それらの改善手段として本発明の手法が使用することができる。アンテナコイルを用いる通信手段としてはICタグや、電磁誘導方式を行うリーダ/ライタ等でも干渉回避手段とすることができる。
本発明の第1の実施形態である磁気シールドシート10を簡略化して示す断面図である。 非接触ICカード15を簡略化して示す断面図である。 本発明の第2の実施形態である磁気シールドシート10を簡略化して示す断面図である。 本発明の第3の実施形態である磁気シールドシート10を簡略化して示す断面図である。 本発明の第4の実施形態である収容容器41を簡略化して示す断面図である。 実施例1の磁性体層11(150μm厚)の材料定数(μ’,μ”,ε’,ε”)測定結果を示すグラフである。 磁性体層11(35μm厚)の材料定数(μ’,μ”,ε’,ε”)測定結果を示すグラフである。 磁性体層11(50μm厚、100μm厚)の材料定数(μ’,μ”)測定結果を示すグラフである。 磁性体層11(250μm厚)の材料定数(μ’,μ”,ε’,ε”)測定結果を示すグラフである。 RFIDシステムオムロン製読取装置62と非接触ICカード61による通信距離の測定方法を示す概略図である。 通信妨害部材19が金属である場合の共振周波数およびインピーダンスの実数部(R)を示すグラフである。 通信妨害部材19が他の非接触ICカード61である場合の共振周波数を示すグラフである。 通信改善効果を測定した磁気シールドシート10の構成を示す図である。 通信妨害部材19が他の非接触ICカード61である場合の共振周波数およびインピーダンスの実数部(R)を示すグラフである。 通信妨害部材19が他の非接触ICカード61である場合の共振周波数およびインピーダンスの実数部(R)を示すグラフである。 通信妨害部材19が他の非接触ICカード61である場合の共振周波数およびインピーダンスの実数部(R)を示すグラフである。 実施例2である磁気シールドシート10の磁界シールド性の結果を示すグラフである。 非接触ICカードの構成を示す図である。
符号の説明
10 磁気シールドシート
11 磁性体層
12 被覆層
15,61 非接触ICカード
16 アンテナ素子
17 IC
18 仮想面
19 通信妨害部材
20 磁力線
21 仮想線
31 導体層
32 積層体
41 収容容器
42 非接触ICカード
43 第1収容部
44 第2収容部
62 読取装置
63 基材
64 金属箔

Claims (11)

  1. 外部装置と非接触に通信することができる非接触ICカードが、重なって存在する場合に用いて通信特性を改善する磁気シールドシートであって、
    非接触ICカードの間に配置し、少なくとも共振周波数の高周波数成分を非接触ICカードが本来有する共振周波数f0と一致もしくは近づけるという共振周波数調整手段により、通信特性の改善を行う磁気シールドシート。
  2. 通信周波数の電磁波に対して、複素比透磁率の実数部μ’が30以上であり、かつ複素比透磁率の虚数部μ”を複素比透磁率の実数部μ’で除算した値tanδμは、0.2以下であるとともに、表面抵抗率が10Ω/□以上である磁性体層を有する請求項1記載の磁気シールドシート。
  3. 磁性体層からなる構成であって、磁性体層が、通信周波数の電磁波に対する複素比透磁率の実数部μ’、磁性体層厚t(μm)として
    μ’×t>10,000
    である請求項1または2記載の磁気シールドシート。
  4. 磁性体層/導体層および磁性体層/導体層/磁性体層からなる構成であって、磁性体層が、通信周波数の電磁波に対する複素比透磁率の実数部μ’、磁性体層厚t(μm)として
    μ’×t>2,000
    である請求項1または2記載の磁気シールドシート。
  5. 前記共振周波数および通信周波数は、100kHz以上30GHz以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の磁気シールドカード。
  6. 前記磁性体層は、バインダーに扁平な軟磁性金属粉が混合される材料からなり、前記軟磁性金属粉は、前記バインダーに対して20体積%以上含有されており、配向された状態で分散されていることを特徴とする請求項3または4記載の磁気シールドシート。
  7. 前記導体層は、前記通信周波数の電磁波に対して、KEC法またはアドバンテスト法による磁気シールド性が20dB以上であることを特徴とする請求項4に記載の磁気シールドシート。
  8. 前記導体層は、磁性金属、アモルファス金属、磁性ステンレス鋼およびフェライトから選ばれる1種以上からなることを特徴とする請求項4に記載の磁気シールドシート。
  9. 厚みが、0.05mm以上5mm以下であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1つに記載の磁気シールドシート。
  10. 非接触ICカードの間に、請求項1〜9のいずれか1つに記載の磁気シールドシートを配置し、少なくとも共振周波数の高周波数成分を非接触ICカードが本来有する共振周波数f0と一致もしくは近づけることで通信特性の改善を行うことを特徴とする非接触ICカード通信改善方法。
  11. 請求項1〜9のいずれか1つに記載の磁気シールドシートを用いた非接触ICカード通信改善装置を収納する非接触ICカード収容容器。
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