JP3115239U - 非接触icカードの通信性能向上カード - Google Patents

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Abstract

【課題】お財布や定期券入れ等の汎用カードホルダーに非接触ICカードを入れた場合、一緒に入っている他の非接触ICカードやコインまたは鍵等の金属物の影響を受けて、カードリーダーにかざした時通信が出来なくなったり不安定になったりする。また、アンチコリジョン対応の非接触ICカードは同調周波数が最適値より高く設定されているためにカードリーダーとの通信距離が短くなっていて、近接させないとエラーを起こしやすい。
【解決手段】磁性シートと金属シートを重ねて樹脂等で覆った薄いカード形状のエラー防止カードを非接触ICカードに重ねて配置する。カードリーダーからの磁束は非接触ICカードのアンテナコイルを貫通し、エラー防止カードの磁性シートの側面に抜けるために後方に磁束が通らなくなる。従って後方の物体の影響は受けなくなりカードリーダーで正常に読み書きできる。また、磁性シートと金属シートの重なり具合を変えることにより非接触ICカードの同調周波数を最適に保つ。また、アンチコリジョン対応の非接触ICカードに対しては、アンテナ同調回路を樹脂等で覆った薄いカード形状の同調周波数補正カードを重ねて配置する。非接触ICカードの同調周波数はアンテナ同士が結合し、相互インダクタンスが付加されることにより低下し、最適な同調周波数に近づくためにカードリーダーとの通信距離が伸びエラーを起こしにくくなる。
【選択図】図1

Description

本考案は、非接触ICカードと重ねて使用することによりカードリーダーとの通信性能を向上する機能を持つカードに関する。
近年、アンテナコイルとICを搭載して磁気によりカードリーダーと通信する非接触ICカードを利用したシステムが増えている。このようなシステムは、交通機関の改札システム、商店での支払い、自動販売機、企業の社員証やIDカード等に応用されている。
上記のような複数の非接触ICカードを定期券入れやお財布等のカードホルダーに入れたままカードリーダーにかざすとお互いのカードが干渉して読み取りが不可能になる場合や不安定になる場合がある。また、コインや鍵等の金属物が一緒に入っている場合も同様に読み取りが不可能になったり不安定になったりする場合がある。
このような問題を解決するための類似の技術としては非接触ICカード間に導電性シートを磁性体ではさんだ構造の干渉防止機構を入れることにより非接触ICカード間の干渉をなくする構造を持つカードホルダーが提案されている(特許文献1参照)が、本考案のように定期券入れやお財布のような汎用カードホルダーで使用することができるカード形状の通信エラー防止機構の技術提案はない。
また、複数の非接触ICカードを同時に読むアンチコリジョン対応を考慮した非接触ICカードでは同調周波数は本来の13.56MHz付近ではなく、高い周波数、例えば17MHz付近、に設定されている場合が多い。このような高い同調周波数の非接触ICカードを単独で使用する場合においては、動作するための電力供給が低下するためにカードリーダーとの通信可能距離は最適な同調周波数に比べ数十パーセント低下している。
さらに、このようなアンチコリジョン対応の非接触ICカードをお財布のような汎用カードホルダーに入れた場合に、一緒に入っているコインや鍵等の金属物の影響でさらに同調周波数が上昇し、その結果カードリーダーとの通信可能距離がさらに短くなる。
このような問題を解決するためには従来は大出力を持つカードリーダーを使用することにより通信距離を確保している。
特開2000−268146
背景技術で述べたような特定のカードホルダーを使用すればカードホルダーに入れたままで非接触ICカードとカードリーダーとの通信を確保することはできる。しかし、通常使用するお財布や定期券入れの他にこのような特定のカードホルダーを持ち歩かなければならず実用的ではない。
定期入れやお財布のような汎用的なカードホルダーに非接触ICカードを入れたままでカードリーダーと通信させる場合において、他の非接触ICカードやコインや鍵等の金属が一緒に入っている場合はそれらの影響により通信が出来なかったり通信可能距離が短くなったりしてしまう。
上記問題点は以下のような原因で発生する。
非接触ICカードはアンテナコイルとコンデンサーでなる共振回路を有し、カードリーダーからの磁束を受けて信号を受け取ると共に自身が動作するための電力を供給している。図3で示すように、使用しようとする非接触ICカード1に近接して他の非接触ICカード2がある場合1のアンテナコイル3と2のアンテナコイル4は磁気的に結合し、その相互インダクタンスが1の共振回路に加わる。これにより1の共振周波数は低下し、カードリーダーから十分な電力を受け取れなくなる。
また、図2で示すように非接触ICカード1に近接して金属物5がある場合はカードリーダーからの磁束が非接触ICカードのアンテナ3を貫通したあと金属物5に入射し、そこで発生する渦電流による磁束が非接触ICカードを貫通する磁束を打ち消す方向に働き、十分な電力を得られなくなってしまう。
本考案は上記問題点を解決するために汎用的なカードホルダーに容易に収納でき、且つ頻繁に使用する非接触ICカードを入れたままで使用することが出来る干渉防止機能を提供することを第1の課題とする。
また背景技術で述べたように通常は1枚でしか使用しないにもかかわらずアンチコリジョン対応の非接触ICカードは高い同調周波数となっている。このために非接触ICカードとカードリーダー間の通信距離が短くなっている。
本考案は上記問題点を解決するために汎用的なカードホルダーに容易に収納でき、且つ非接触ICカードの同調周波数を最適化し通信距離を伸ばす機能を提供することを第2の課題とする。
第1の課題を解決するための通信性能向上カード(以下、エラー防止カードと呼ぶ)は断面を図1に示すように磁性シート7と金属シート8を重ねて周囲をプラスチック樹脂6で覆った構造である。磁性シートはフェライト系、アモルファス系、またはセンダスト系等の磁性材料をシート状に成型したものである。金属シートは鉄、アルミニウム等の導電性の高い金属を使用する。樹脂は導電性のない非磁性体の材料であり、ある程度硬いものを使用する。このような薄いカード状であることが特徴であり、容易に非接触ICカードと重ねて、お財布や定期券入れの同じポケットに収納することができる。
本エラー防止カードの動作を図4に示す。カードリーダーのアンテナコイル9で発生した磁束は非接触ICカードのアンテナコイル3を貫通してエラー防止カード10の磁性シートに入射する。大半の磁束は磁性シートの周囲に抜けカードリーダーのアンテナコイルに戻りループを形成できる。一部磁性シートの途中から後方に抜けた磁束は金属シートに入り、金属シート上で渦電流を発生させ、この渦電流により発生した磁束により打ち消され後方に抜けることはできない。従って本エラー防止カードの後方に他の非接触ICカードやコイン等の金属物が配置されていても図4のシステムはほとんど影響を受けない。
非接触ICカードはアンテナコイルとコンデンサーで同調回路を構成し、適切な電力を受け取れるようになっている。このアンテナコイルに隣接して磁性材料を配置するとアンテナコイルのインダクタンスが増加し、同調周波数が低下し、適切な電力を受け取れなくなる。この同調周波数の低下を補正するために図5の各形状で示すように非接触ICカード側からエラー防止カードを見たときに、磁性シート7の後方の金属シート8を露出させる。金属シートはインダクタンスを減少させる効果があるため、磁性シートによるインダクタンスの増加をキャンセルして同調周波数が大幅にずれることを防ぐ。
上記磁性シートによる非接触ICカードの同調周波数の低下を少なくする単純な手段としては図1で示される本エラー防止シートの被覆6を厚くして、磁性シートと非接触ICカードのアンテナコイルとの距離を遠ざけ、影響を軽減することも考えられる。
第2の課題を解決するための通信性能向上カード(以下、同調周波数補正カードと呼ぶ)は平面を図6、断面を図7に示すようにアンテナコイル11とコンデンサー12からなる同調回路をプラスチック樹脂13で覆った構造である。樹脂は導電性のない非磁性体の材料であり、ある程度硬いものを使用する。このような薄いカード状であることが特徴であり、容易に非接触ICカードと重ねて、お財布や定期券入れの同じポケットに収納することができる。
本同調周波数補正カードの動作を図8に示す。非接触ICカード16と同調周波数補正カード17を隣接させて配置すると、非接触ICカードの同調回路を形成するアンテナコイル18と同調周波数補正カードの同調回路を形成するアンテナコイル19は磁気的に結合する。この結果、相互インダクタンスが非接触ICカードのアンテナコイルのインダクタンスに加算された形となり、結果として非接触ICカードの同調周波数は低下する。
また、本同調周波数補正カードのアンテナコイルの開口面積を非接触ICカードのアンテナコイルの開口面積より大きくすることにより通信距離を伸ばすことができる。図9に示すように非接触ICカード単体ではアンテナコイル18を貫通するリーダーライターからの磁束は磁束Aのみである。本同調周波数補正カードのアンテナコイル11には磁束Aと磁束Bが貫通する。このため周波数補正カードの同調回路に流れる電流は非接触ICカードのアンテナコイル18を流れる電流より多く流れる。この電流によって発生する磁束も非接触ICカードのアンテナコイルを貫通するために非接触ICカードの同調回路を流れる電流も増加し供給する電力が増加することになり通信距離が伸びる。
本エラー防止カードは非接触ICカードと重ねて使用することができ、特別なカードホルダーを使用することなく、他の非接触ICカードや金属物の影響を排除できる。これによりお財布や定期券入れに複数の非接触ICカードを入れ、使用頻度の高いものを表面に配置し、本エラー防止カードを重ねることによりカードホルダーから取り出さずに使用することができる。また、非接触ICカードの同調周波数のずれを補正し、通信距離の低下を少なくすることが可能である。
また、1枚のアンチコリジョン対応の非接触ICカードをカードホルダーに入れて使用する場合に、本周波数補正カードを非接触ICカードと重ねて使用することにより通信距離を伸ばすことができ読み取りエラーを低減することができる。また薄いカード形態であるため特別なカードホルダーを使用することなく汎用のお財布や定期入れで使用可能である。
本エラー防止カードの形態は断面を図1に示す。定期券入れやお財布のカードポケットの大きさから外形サイズはほぼICカードサイズが望ましい。また、厚みも1mm以下で可能な限り薄く設計する。重量も出来るだけ軽くする。
磁性シートはフェライト系でもアモルファス系でもセンダスト系でも良いがカードリーダーと非接触ICカードの通信キャリアー周波数13.56MHzにおける透磁率が出来るだけ高いものを使用することが望ましい。これにより薄い磁性シートで済む。面積は原則的には対応する非接触ICカードのアンテナコイルをカバーする面積以上とする。
金属シートは電気抵抗が低いものであれば鉄、ステンレス、アルミニウム等何でも使用可能である。磁性シートからの磁束の漏れを低減する意味では非磁性体の金属が望ましい。面積に関しては基本的には磁性シートの面積以下とする。厚さについては、突入した磁束による渦電流は金属シートの表面しか流れないため数十ミクロンメーター以上の厚さがあれば十分である。重量を軽くするためには薄いほうが良い。
外装は非磁性材料で非導電性のもので覆う。硬度はカードポケットに差し込める程度に硬いものが望ましい。厚みに関しては磁性シートが非接触ICカードに与える影響を考慮した上で厚みを決定する。
本同調周波数補正カードの形態は断面を図11、平面を図12に示す。定期券入れやお財布のカードポケットの大きさから外形サイズはほぼICカードサイズが望ましい。また、厚みも1mm以下で可能な限り薄く設計する。重量も出来るだけ軽くする。
同調回路を形成するアンテナパターンは銅線やアルミニウム線などの導体を使用する。図10に示すようにプリント基板14でアンテナパターン11を形成してもよい。アンテナパターンの開口面積は通信距離をのばすためには出来るだけ大きくする。同調コンデンサーはプリントパターンで形成してもよい。また同調回路のQはできるだけ高いほうが望ましい。
外装は非磁性材料で非導電性のもの(図7の13。図10の13)で覆う。硬度はカードポケットに差し込める程度に硬いものが望ましい。厚みに関しては本同調周波数補正カードが非接触ICカードに与える影響を考慮した上で厚みを決定する。必要な場合は図10に示すようにスペーサー15を入れ厚みを調整する。
本同調周波数補正カードを形成する同調回路の同調周波数は対象となる非接触ICカードと密着して配置したときに、全体の同調周波数がカードリーダーに最適な周波数、通常は13.56MHz付近、となるような同調周波数に設定する。従って本同調周波数補正カード単体の同調周波数はアンテナの大きさ、外装の厚さにより変化する。
本図はエラー防止カードの断面図である。 本図は非接触ICカードの後方に導電性金属物があったときに、非接触ICカードのコイルを貫通する磁束が減少することを示す。 本図は2枚の非接触ICカードが近接したときのアンテナコイルの結合を示す。 本図はエラー防止カードを非接触ICカードに重ねたときのカードリーダーからの磁束の通る様子を示す。 本図は非接触ICカードの同調周波数を補正する場合の磁性シート7と金属シート8の形状例A、B,Cを示す。 本図は同調周波数補正カードの平面図を示す。 本図は同調周波数補正カードの断面図を示す。 本図は非接触ICカードと同調周波数補正カードを重ねたときの動作を示す。 本図は非接触ICカードと同調周波数補正カードを重ねたときのカードリーダーからの磁束の通る様子を示す。 本図は同調周波数補正カードのアンテナをプリント基板で構成したときの断面図を示す。
符号の説明
1、2・・・非接触ICカード。
3、4・・・非接触ICカードのアンテナコイル。
5・・・金属物。
6・・・エラー防止カードの外装。
7・・・エラー防止カードの磁性シート。
8・・・エラー防止カードの金属シート。
9・・・カードリーダーのアンテナコイル。
10・・・エラー防止カード。
11・・・同調周波数補正カードのアンテナコイル。
12・・・同調周波数補正カードの同調コンデンサー。
13・・・同調周波数補正カードの外装。
14・・・アンテナパターンを形成するプリント基板。
15・・・スペーサー。
16・・・非接触ICカード。
17・・・同調周波数補正カード。
18・・・非接触ICカードのアンテナコイル。
19・・・同調周波数補正カードのアンテナコイル

Claims (4)

  1. 磁性シートと金属シートを重ね合わせ非磁性体のカバーで覆った構造の、非接触型ICカードとほぼ同じ外形寸法のカードであり、定期券入れや財布のような汎用カードホルダー内に非接触型ICカードに重ねて配置することにより、汎用カードホルダー内に非接触型ICカードを入れたままカードリーダーにかざして使用する時に、カードホルダー内の後方に配置された他の非接触型ICカードや金属物の影響を排除し、通信エラーの発生を抑制することを特徴とする非接触型ICカード用の通信エラー防止カード。
  2. 請求項1において非接触ICカードの同調周波数を補正するために磁性シートを金属シートより小さくするか、もしくは磁性シートの一部に穴を開けることを特徴とする非接触型ICカード用の通信エラー防止カード。
  3. 、非接触型ICカードの同調周波数を13.56MHz付近に近づけるためのアンテナコイルとコンデンサーからなる同調回路を非磁性体のカバーで覆った構造の、非接触型ICカードとほぼ同じ外形寸法のカードであり、定期券入れや財布のような汎用カードホルダー内に非接触型ICカードに重ねて配置することにより、汎用カードホルダー内に非接触型ICカードを入れたままカードリーダーにかざして使用する時に、通信可能な距離を伸ばすもしくは通信エラーを低減することを特徴とする非接触型ICカード用の同調周波数補正カード。
  4. 請求項3における同調回路を持つカードにおいて、同調用アンテナコイルの開口面積を非接触ICカードのアンテナコイルの開口面積より大きくしたことを特徴とする非接触型ICカード用の同調周波数補正カード。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007295557A (ja) * 2006-03-31 2007-11-08 Nitta Ind Corp 磁気シールドシート、非接触icカード通信改善方法および非接触icカード収容容器
JP2015191610A (ja) * 2014-03-28 2015-11-02 共同印刷株式会社 インレットおよび非接触icカード

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