JP2007294214A - 固体高分子型燃料電池用膜−電極構造体 - Google Patents

固体高分子型燃料電池用膜−電極構造体 Download PDF

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Abstract

【課題】優れた加工性及び高いプロトン伝導度を有するプロトン伝導膜を備え、優れた発電性能を有する固体高分子型燃料電池用膜−電極構造体を提供する。
【解決手段】プロトン伝導膜の一方の面にアノード電極、他方の面にカソード電極を設けた固体高分子型燃料電池用膜−電極構造体において、特定の構成単位を有するスルホン化ポリアリーレンを含むプロトン伝導膜を用いることにより、優れた発電性能を有する固体高分子型燃料電池用膜−電極構造体を提供できる。
【選択図】なし

Description

本発明は、固体高分子型燃料電池用膜−電極構造体に関する。
電解質は、通常、(水)溶液で用いられることが多い。しかし、近年、これを固体系に置き替えていく傾向が高まってきている。その第1の理由としては、例えば、電気・電子材料に応用する場合のプロセッシングの容易さであり、第2の理由としては、軽薄短小・省電力化への移行である。
従来、プロトン伝導性材料としては、無機物からなるものと有機物からなるものの両方が知られている。無機物としては、例えば水和化合物であるリン酸ウラニルが挙げられるが、これら無機化合物は界面での接触が十分でなく、伝導層を基板あるいは電極上に形成するには問題が多い。
一方、有機化合物としては、いわゆる陽イオン交換樹脂に属するポリマー、例えばポリスチレンスルホン酸などのビニル系ポリマーのスルホン化物、ナフィオン(商品名、デュポン社製)を代表とするパーフルオロアルキルスルホン酸ポリマー、パーフルオロアルキルカルボン酸ポリマーや、ポリベンズイミダゾールやポリエーテルエーテルケトンなどの耐熱性高分子にスルホン酸基やリン酸基を導入したポリマーなどの有機系ポリマーが挙げられる。
燃料電池作製の際は、通常、両電極間に上記パーフルオロアルキルスルホン酸系ポリマーからなる電解質膜を挟み、ホットプレス等の熱処理加工により、膜−電極構造体を得ている。上記フッ素系膜は、熱変形温度が80℃程度と比較的低く、容易に接合加工が可能である。しかし、燃料電池発電時は、その反応熱により場合によっては80℃以上となることがあり、電解質膜が軟化してクリープ現象が生じることにより、両極が短絡して発電不能となる問題がある。
このような問題を回避するために、現状では、電解質膜の膜厚をある程度厚くしたり、燃料電池の発電温度が80℃以下になるように設計しているが、発電の最高出力に制限が課せられてしまう。パーフルオロアルキルスルホン酸系ポリマーの低い熱変形温度や、高温での乏しい機械特性を解決するために、エンジニアプラスチック等に用いられる芳香族系ポリマーを用いた固体高分子電解質膜が開発されている。
例えば、特許文献1には、スルホン化された剛直ポリフェニレンからなる固体高分子電解質が開示されている。このポリマーは、フェニレン連鎖からなる芳香族化合物を重合して得られるポリマーを主成分とし、これをスルホン化剤と反応させてスルホン酸基を導入している。このポリマーからなる電解質膜は、熱変形温度が180℃以上であり、高温でのクリープ耐性に優れるが、ホットプレスによる電極との接合の際に、非常に高い温度を必要とする。また、高温で長時間加熱することにより、スルホン酸基の脱離反応、スルホン酸基同士の架橋反応、電極層の劣化などが生じるという問題がある。
米国特許第5,403,675号明細書
従って、本発明の目的は、優れた加工性及び高いプロトン伝導度を有するプロトン伝導膜を備え、優れた発電性能を有する固体高分子型燃料電池用膜−電極構造体を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた。その結果、ある特定の構成単位を有するスルホン化ポリアリーレンを含むプロトン伝導膜を備えた固体高分子型燃料電池用膜−電極構造体によれば、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。より具体的には、本発明は以下のようなものを提供する。
(1) プロトン伝導膜の一方の面にアノード電極、他方の面にカソード電極を設けた固体高分子型燃料電池用膜−電極構造体において、前記プロトン伝導膜は、下記一般式(1)で表される構成単位を有することを特徴とする固体高分子型燃料電池用膜−電極構造体。
Figure 2007294214
[式(1)中、A、D、Eは直接結合、−O−、−S−、−CO−、−SO−、−SO−、−CONH−、−COO−、−(CF−(fは1〜10の整数である)、−(CH−(hは1〜10の整数である)、−CR’−(R’は脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基およびハロゲン化炭化水素基を示す)、シクロヘキシリデン基、および、フルオレニリデン基からなる群より選ばれた少なくとも1種の構造を示す。Bは独立に酸素原子または硫黄原子を示し、Xはフッ素を除くハロゲン原子、−OSOCH、および−OSOCFから選ばれる原子または基を示す。R〜R28は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、フッ素原子、アルキル基、一部またはすべてがハロゲン化されたハロゲン化アルキル基、アリル基、アリール基、ニトロ基、および、ニトリル基からなる群より選ばれる少なくとも1種の原子または基を示す。l、oは0〜4の整数を示し、mは1〜4の整数を示し、qは2以上の整数を示す。n、p、は各ユニットの組成比を示し0から1の値をとり、n+p=1である。ただし、nは0以外の値をとる。]
(2) 前記プロトン伝導膜は、下記一般式(2)で表される構成単位を有することを特徴とする(1)に記載の固体高分子型燃料電池用膜−電極構造体。
Figure 2007294214
[式(2)中、A、Eは直接結合、−O−、−CO−、−SO−、−SO−、−(CF−(fは1〜10の整数である)、−(CH−(hは1〜10の整数である)、−CR’−(R’は脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、またはハロゲン化炭化水素基を示す)、シクロヘキシリデン基、および、フルオレニリデン基からなる群より選ばれた少なくとも1種の構造を示す。Dは直接結合、−O−、−CO−、−(CH−(hは1〜10の整数である)、または−CR’’−(R’’は脂肪族炭化水素基、または芳香族炭化水素基)を示し、Xはフッ素を除くハロゲン原子から選ばれる原子を示す。R〜R28は互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、フッ素原子、アルキル基、一部またはすべてがハロゲン化されたハロゲン化アルキル基、アリル基、アリール基、ニトロ基、および、ニトリル基からなる群より選ばれる少なくとも1種の原子または基を示す。また、l、oは0〜4の整数を示し、qは2以上の整数を示す。n、p、は各ユニットの組成比を示し0から1の値をとり、n+p=1である。ただし、nは0以外の値をとる。]
(3) 前記プロトン伝導膜は、下記一般式(3)で表される構成単位を有することを特徴とする(2)に記載の固体高分子型燃料電池用膜−電極構造体。
Figure 2007294214
[式(3)中、Xはフッ素を除くハロゲン原子から選ばれる原子を示し、Dは、−O−、−CR’’−(R’’は脂肪族炭化水素基、または芳香族炭化水素基)を示す。Pは下記一般式(4−1)〜(4−3)で表される構成単位から選ばれる少なくとも一種であり、Qは下記一般式(5−1)〜(5−12)で表される構成単位から選ばれる少なくとも一種である。また、qは2以上の整数を示す。n、p、は各ユニットの組成比を示し0から1の値をとり、n+p=1である。ただし、nは0以外の値をとる。]
Figure 2007294214
(4) 前記プロトン伝導膜は、前記一般式(3)におけるnが0.3〜1の値をとることを特徴とする(3)に記載の固体高分子型燃料電池用膜−電極構造体。
(5) 前記プロトン伝導膜は、さらに下記一般式(6)で表される構成単位を有することを特徴とする(1)から(4)いずれか記載の固体高分子型燃料電池用膜−電極構造体。
Figure 2007294214
[式(6)中、Yは−CO−、−SO−、−SO−、−CONH−、−COO−、−(CF−(lは1〜10の整数である)、および、−C(CF−からなる群より選ばれた少なくとも1種の構造を示し、Zは直接結合、または−(CH−(hは1〜10の整数である)、−C(CH−、−O−、および、−S−からなる群より選ばれた少なくとも1種の構造を示し、Arは−SOH、−O(CHSOH、または、−O(CFSOHで表される置換基を有する芳香族基を示す。rは1〜12の整数を示し、jは0〜10の整数を示し、kは0〜10の整数を示し、iは1〜4の整数を示す。]
本発明に係る固体高分子型燃料電池用膜−電極構造体は、特定の構成単位を有するポリアリーレンをプロトン伝導膜として用いるため、低い熱変形温度を有する。従って、本発明によれば、ホットプレスなどの熱加工処理による膜−電極界面の接合性が改善されることから、特に低電流密度における発電性能に優れた膜−電極構造体が得られる。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
4,4’−(1,3−フェニレンジイソプロピリデン)ビスフェノールに代表される、ベンゼン環を3つ以上連続して有するモノマーから合成される芳香族化合物、該芳香族化合物から導かれる疎水性を有する繰り返し単位(以下、「疎水ユニット」)、ポリアリーレン系共重合体、スルホン酸基を有するポリアリーレン系共重合体、固体高分子電解質、プロトン伝導膜、および、該プロトン伝導膜を備える固体高分子型燃料電池用膜−電極構造体について詳細に説明する。
<芳香族化合物>
本発明で用いられる芳香族化合物は、下記一般式(1)で表される。この化合物は、4,4’−(1,3−フェニレンジイソプロピリデン)ビスフェノールに代表される、ベンゼン環を3つ以上連続して有するモノマーから合成される。この骨格をモノマー単位として含むことにより、重合体に疎水部を付与する。
また、4,4’−(1,3−フェニレンジイソプロピリデン)ビスフェノールに代表される、3つ以上連続するベンゼン環を有しているため主鎖骨格が柔軟であり、熱変形温度を低下させることもできる。このため、ホットプレスを用いた燃料電池作製時の加工性、および電極との接合性を改善させる作用を有する。
このような芳香族化合物から導かれる疎水性を有する繰り返し単位を含んでいるので、スルホン酸基を高い濃度で導入しても、加工性に優れ、プロトン伝導度が高い高分子電解質およびプロトン伝導膜を形成できる。
なお、2つ以下の連続するベンゼン環を有する化合物では、スルホン酸基を高濃度で導入すると、加工性が低下し、さらには電極との接着性が低下することがある。
Figure 2007294214
式(1)中、l、oは0〜4の整数を示し、mは1〜4の整数を示し、qは2以上の整数を示す。n、pは各ユニットの組成比を示し0から1の値をとり、n+p=1である。ただし、nは0以外の値をとる。これらのうち、mは1が好ましく、lは、0か1が好ましい。また、nは0.3〜1の値をとることが好ましい。
式(1)中、A、Eは直接結合、−O−、−S−、−CO−、−SO−、−SO−、−CONH−、−COO−、−(CF−(fは1〜10の整数である)、−(CH−(hは1〜10の整数である)、−CR’−(R’は脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、およびハロゲン化炭化水素基を示す)、シクロヘキシリデン基、および、フルオレニリデン基からなる群より選ばれた少なくとも1種の構造を示す。ここで、−CR’−で表される構造の具体例として、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、プロピル基、オクチル基、デシル基、オクタデシル基、フェニル基、トリフルオロメチル基、などが挙げられる。これらのうち、直接結合、−O−、−CO−、−SO−、−SO−、−CR’−、−(CF−、−(CH−、シクロヘキシリデン基、または、フルオレニリデン基が好ましい。
式(1)中、Bは独立に酸素原子または硫黄原子を示し、酸素原子が好ましい。Dは、直接結合、−O−、−S−、−CO−、−SO−、−SO−、−CONH−、−COO−、−(CF−(fは1〜10の整数である)、−(CH−(hは1〜10の整数である)、−CR’−(R’は脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、またはハロゲン化炭化水素基を示す)、シクロヘキシリデン基、および、フルオレニリデン基からなる群より選ばれた少なくとも1種の構造を示す。ここで、−CR’−で表される構造の具体的な例として、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、プロピル基、オクチル基、デシル基、オクタデシル基、フェニル基、トリフルオロメチル基、などが挙げられる。これらのうち、直接結合、−O−、−SO−、−(CH−、−CR’’−(R’’は脂肪族炭化水素基、または芳香族炭化水素基を示す)が好ましい。
Xはフッ素を除くハロゲン原子、−OSOCH、および−OSOCFから選ばれる原子または基を示し、フッ素を除くハロゲン原子が好ましく、特にClまたはBrが好ましい。R〜R28は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、フッ素原子、アルキル基、一部またはすべてがハロゲン化されたハロゲン化アルキル基、アリル基、アリール基、ニトロ基、および、ニトリル基からなる群より選ばれる少なくとも1種の原子または基を示す。
本発明に係る芳香族化合物としては、下記一般式(3)で表される芳香族化合物がより好適である。
Figure 2007294214
式(3)中、Xはフッ素を除くハロゲン原子から選ばれる原子を示し、Dは、−O−、または、−CR’’−(R’’は脂肪族炭化水素基、または芳香族炭化水素基)を示す。Pは、下記一般式(4−1)〜(4−3)で表される構成単位から選ばれる少なくとも一種であり、Qは下記一般式(5−1)〜(5−2)で表される構成単位から選ばれる少なくとも一種である。また、qは2以上の整数を示す。n、p、は各ユニットの組成比を示し0から1の値をとり、n+p=1である。ただし、nは0以外の値をとる。
Figure 2007294214
上記一般式(1)で表される化合物は、例えば、次のような反応により合成することができる。まず、2価の原子もしくは有機基または直接結合で連結されたビスフェノールを、対応するビスフェノールのアルカリ金属塩とするために、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、スルホラン、ジフェニルスルホン、ジメチルスルホキサイドなどの誘電率の高い極性溶媒中で、リチウム、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属、水素化アルカリ金属、水酸化アルカリ金属、アルカリ金属炭酸塩などを加える。アルカリ金属は、フェノールの水酸基に対し過剰気味で反応させ、通常、1.1〜2倍当量、好ましくは1.2〜1.5倍当量で使用する。このとき、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、アニソールなどの水と共沸する溶媒を共存させて、反応の進行を促進させることが好ましい。
次いで、上記ビスフェノールのアルカリ金属塩と、塩素等のハロゲン原子およびニトリル基で置換されたジハロゲン化合物とを反応させる。上記ビスフェノール類のうち3つ以上連続するベンゼン環を有するものとして、4,4’−(1,3−フェニレンジイソプロピリデン)ビスフェノール、4,4’−(1,4−フェニレンジイソプロピリデン)ビスフェノール、1,3−(4−ヒドロキシベンゾイルベンゼン)、1,4−(4−ヒドロキシベンゾイルベンゼン)、1,3−ビス(4−ヒドロキシフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−ヒドロキシフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ベンゼン、1,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ベンゼンなどが挙げられる。なかでも、4,4’−(1,3−フェニレンジイソプロピリデン)ビスフェノール、4,4’−(1,4−フェニレンジイソプロピリデン)ビスフェノールが好ましい。
また、他のビスフェノールとして、4,4’−イソプロピリデンビフェノール、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、4,4’−ビスヒドロキシベンゾフェノン、4,4’−ビスヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ビス(4―ヒドロキシフェニル)メタン、レゾルシノール、ヒドロキノン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、4,4’−イソプロピリデンビス(2−フェニルフェノール)、4,4’−シクロヘキシリデンビス(2−シクロヘキシルフェノール)などが挙げられる。
上記ジハロゲン化合物としては、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、4,4’−ジフルオロベンゾフェノン、4−クロロ−4’−フルオロベンゾフェノン、2−クロロ−4’−フルオロベンゾフェノン、4,4’−ジクロロジフェニルスルホン、4,4’−ジフルオロジフェニルスルホン、2,6−ジニトロベンゾニトリル、2,5−ジニトロベンゾニトリル、2,4−ジニトロベンゾニトリル、2,6−ジクロロベンゾニトリル、2,5−ジクロロベンゾニトリル、2,4−ジクロロベンゾニトリル、2,6−ジフルオロベンゾニトリル、2,5−ジフルオロベンゾニトリル、2,4−ジフルオロベンゾニトリル、2−クロロ−6−フルオロベンゾニトリルなどが挙げられる。
上記ジハロゲン化合物は、ビスフェノールに対し1.0001〜3倍モル、好ましくは1.001〜2倍モルの量で用いられる。また、両末端が塩素原子となるように、反応終了後に、例えば、ジクロロ化合物を過剰に加えてさらに反応させてもよい。ジフルオロ化合物やジニトロ化合物を用いた場合には、反応後半でジクロロ化合物を添加するなどの方法で、両末端が塩素原子となるよう反応を工夫することが必要である。
これらの反応は、反応温度が60℃〜300℃で、好ましくは80℃〜250℃の範囲、反応時間が15分〜100時間、好ましくは1時間〜24時間の範囲で行われる。
得られたオリゴマーないしポリマーは、ポリマーの一般的な精製方法、例えば、溶解−沈殿の操作によって精製することができる。分子量の調整は、過剰の芳香族ジクロライドとビスフェノールとの反応モル比によって行う。芳香族ジクロライドが過剰にあるため、得られるオリゴマーないしポリマーの分子末端は、芳香族クロライドになっている。
上記の方法で合成される化合物の具体的な構造として、以下のものを挙げることができる。
Figure 2007294214
Figure 2007294214
これらの化合物の中でも、好ましくは、4,4’−(1,3−フェニレンジイソプロピリデン)ビスフェノール、4,4’−(1,4−フェニレンジイソプロピリデン)ビスフェノールから合成される化合物である。
各ユニットの組成比を表すn、pの比を変えることにより、ポリマーのガラス転移温度を調整することができる。中でも、ポリマー加工性の観点から、n=0.3〜1の値をとる化合物が有用である。この範囲にあるものは、主鎖骨格が柔軟であるため熱変形温度が低く、ホットプレスを用いた燃料電池製作時の加工性ならびに電極との接合性を改善させることが可能となる。さらに、かかる芳香族化合物から導かれる疎水性を有する繰り返し単位を含んでいるので、スルホン酸基を高い濃度で導入しても、加工性に優れ、プロトン伝導度が高い高分子電解質およびプロトン伝導膜を形成できる。
<ポリアリーレン系共重合体>
本発明で用いられるポリアリーレン系重合体は、下記一般式(1’)で表される繰返し単位(以下、「繰返し単位(1’)」ともいう)のみから構成される単独重合体でもよいし、繰返し単位(1’)と他の繰返し単位とから構成される共重合体でもよい。いずれの場合でも、重合体のゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(以下、単に「重量平均分子量」という)は1万〜100万、好ましくは2万〜80万である。
Figure 2007294214
一般式(1’)中、R〜R28、A、B、D、E、および、l、m、n、o、p、qは、上記一般式(1)中のR〜R28、A、B、D、E、および、l、m、n、o、p、qと同義である。
上記ポリアリーレン系共重合体は、目的に応じて、上記繰返し単位(1’)以外の他の繰返し単位を含んでいても良い。その他の繰り返し単位としては、下記一般式(A)で表される繰返し単位(以下、「繰返し単位(A)」ともいう)が好ましい。このような繰り返し単位(A)を含むものは、プロトン伝導性を有する固体高分子電解質、プロトン伝導膜として好適である。このような繰り返し単位(A)を有するポリアリーレン系共重合体を、本明細書では、「スルホン化ポリアリーレン」と呼ぶこともある。
まず、本発明に使用されるスルホン酸基を有するポリアリーレンについて具体的に説明する。本発明に使用されるスルホン酸基を有するポリアリーレンは、下記一般式(A)で表されるスルホン酸基を有する構造単位(スルホン酸ユニット)と、疎水性ユニットとして前記一般式(1’)で表される繰り返し単位(繰り返し単位(1’))を含み、下記一般式(C)で表される重合体である。
Figure 2007294214
上記一般式(A)において、Yは−CO−、−SO−、−SO−、−CONH−、−COO−、−(CF−(lは1〜10の整数である)、および、−C(CF−からなる群より選ばれた少なくとも1種の構造を示す。このうち、−CO−、−SO−が好ましい。Zは直接結合、または、−(CH−(lは1〜10の整数である)、−C(CH−、−O−、および、−S−からなる群より選ばれた少なくとも1種の構造を示す。このうち直接結合、−O−が好ましい。Arは−SOH、−O(CHSOH、または、−O(CFSOHで表される置換基(pは1〜12の整数を示す)を有する芳香族基を示す。芳香族基として具体的には、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基などが挙げられる。これらの基のうち、フェニル基、ナフチル基が好ましい。−SOH、−O(CHSOH、または、−O(CFSOHで表される置換基(pは1〜12の整数を示す)は、少なくとも1個置換されていることが必要であり、ナフチル基である場合には2個以上置換していることが好ましい。
上記一般式(A)において、jは0〜10、好ましくは0〜2の整数であり、kは0〜10、好ましくは0〜2の整数であり、iは1〜4の整数を示す。j、kの値とY、Z、Arの構造についての好ましい組合わせとして、(1)j=0、k=0であり、Yは−CO−であり、Arが置換基として−SOHを有するフェニル基である構造、(2)j=1、k=0であり、Yは−CO−であり、Zは−O−であり、Arが置換基として−SOHを有するフェニル基である構造、(3)j=1、k=1、i=1であり、Yは−CO−であり、Zは−O−であり、Arが置換基として−SOHを有するフェニル基である構造、(4)j=1、k=0であり、Yは−CO−であり、Arが置換基として2個の−SOHを有するナフチル基である構造、(5)j=1、k=0であり、Yは−CO−であり、Zは−O−であり、Arが置換基として−O(CHSOHを有するフェニル基である構造などを挙げることができる。
Figure 2007294214
上記一般式(C)において、A、B、D、E、Y、Z、Ar、i、k、j、l、m、n、o、p、q、および、R〜R28は、それぞれ上記一般式(1)および(A)中のA、B、D、E、Y、Z、Ar、i、k、j、l、m、n、o、p、q、および、R〜R28と同義である。x、yはx+y=100モル%とした場合のモル比を示す。
本発明で用いられるスルホン酸基を有するポリアリーレンは、一般式(A)で表される構成単位、すなわちxのユニットを0.5〜99.999モル%、好ましくは10〜99.9モル%の割合で、一般式(B)で表される構成単位、すなわちyのユニットを99.5〜0.001モル%、好ましくは90〜0.1モル%の割合で含有している。
<ポリマーの製造方法>
スルホン酸基を有するポリアリーレンの製造には、例えば下記に示すA法、B法、C法の3通りの方法を用いることができる。
[A法]
例えば、特開2004−137444号公報に記載の方法で、上記一般式(A)で表される構成単位となりうるスルホン酸エステル基を有するモノマーと、上記一般式(B)で表される構成単位となりうるモノマー、またはオリゴマーとを共重合させ、スルホン酸エステル基を有するポリアリーレンを製造し、このスルホン酸エステル基を脱エステル化して、スルホン酸エステル基をスルホン酸基に変換することにより合成することができる。
[B法]
例えば、特開2001−342241号公報に記載の方法で、上記一般式(A)で表される骨格を有し、スルホン酸基、スルホン酸エステル基を有しないモノマーと、上記一般式(B)で表される構成単位となりうるモノマー、またはオリゴマーとを共重合させ、この重合体を、スルホン化剤を用いて、スルホン化することにより合成することもできる。
[C法]
一般式(A)において、Arが−O(CHSOH、または−O(CFSOHで表される置換基を有する芳香族基である場合には、例えば、特開2005−60625号公報に記載の方法で、上記一般式(A)で表される構成単位となりうる前駆体のモノマーと、上記一般式(B)で表される構成単位となりうるモノマー、またはオリゴマーとを共重合させ、次にアルキルスルホン酸またはフッ素置換されたアルキルスルホン酸を導入する方法で合成することもできる。
上記A法において用いることのできる、上記一般式(A)で表される構成単位となりうるスルホン酸エステル基を有するモノマーの具体的な例として、特開2004−137444号公報、特開2004−346163号公報、特開2004−346163号公報に記載されているスルホン酸エステル類を挙げることができる。
上記B法において用いることのできる、上記一般式(A)で表される構成単位となりうるスルホン酸基、またはスルホン酸エステル基を有しないモノマーの具体的な例として、特開2001−342241号公報、特開2002−293889号公報に記載されているジハロゲン化合物を挙げることができる。
上記C法において用いることのできる、上記一般式(A)で表される構成単位となりうる前駆体のモノマーの具体的な例として、特開2005−36125号公報に記載されているジハロゲン化合物を挙げることができる。
スルホン酸基を有するポリアリーレンを得るためは、まず、上記一般式(A)で表される構成単位となりうるモノマーと、上記一般式(B)で表される構成単位となりうるモノマー、またはオリゴマーとを共重合させ、前駆体のポリアリーレンを得ることが必要である。この共重合は、触媒の存在下に行われるが、この際使用される触媒は、遷移金属化合物を含む触媒系であり、この触媒系としては、(1)遷移金属塩および配位子となる化合物(以下、「配位子成分」という)、または配位子が配位された遷移金属錯体(銅塩を含む)、ならびに(2)還元剤を必須成分とし、さらに、重合速度を上げるために、「塩」を添加してもよい。
これらの触媒成分の具体的な例、各成分の使用割合、反応溶媒、濃度、温度、時間等の重合条件としては、特開2001−342241号公報に記載の化合物、条件を挙げることができる。
スルホン酸基を有するポリアリーレンは、この前駆体のポリアリーレンを、スルホン酸基を有するポリアリーレンに変換して得ることができる。この方法としては、前駆体のスルホン酸エステル基を有するポリアリーレンを、特開2004−137444号公報に記載の方法で脱エステル化する方法(A法)、前駆体のポリアリーレンを、特開2001−342241号公報に記載の方法でスルホン化する方法(B法)、前駆体のポリアリーレンに、特開2005−60625号公報に記載の方法で、アルキルスルホン酸基を導入する方法(C)の3通りの方法が挙げられる。
上記のような方法により製造される、一般式(C)のスルホン酸基を有するポリアリーレンのイオン交換容量は、通常0.3〜5meq/g、好ましくは0.5〜3meq/g、さらに好ましくは0.8〜2.8meq/gである。0.3meq/g未満では、プロトン伝導度が低く発電性能が低い。一方、5meq/gを超えると、耐水性が大幅に低下してしまうことがあるため好ましくない。
上記のイオン交換容量は、例えば一般式(1)で表される構成単位となりうる前駆体のモノマーと、上記一般式(A)で表される構成単位となりうるモノマー、またはオリゴマーの種類、使用割合、組み合わせを変えることにより、調整することができる。
このようにして得られるスルホン酸基を有するポリアリーレンの分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)によるポリスチレン換算重量平均分子量で、1万〜100万、好ましくは2万〜80万である。
<固体高分子電解質>
本発明の固体高分子電解質は、上記スルホン酸基を有するポリアリーレン系重合体からなり、プロトン伝導性を損なわない範囲で、フェノール性水酸基含有化合物、アミン系化合物、有機リン化合物、有機イオウ化合物などの酸化防止剤などを含んでもよい。
上記固体高分子電解質は、使用用途に応じて、粒状、繊維状、膜状など種々の形状で用いることができる。たとえば、燃料電池や水電解装置などの電気化学デバイスに用いる場合には、その形状を膜状(いわゆる、プロトン伝導膜)とすることが望ましい。
<プロトン伝導膜>
本発明のプロトン伝導膜は、上記スルホン酸基を有するポリアリーレン系重合体からなる固体高分子電解質を用いて調製される。また、プロトン伝導膜を調製する際に、固体高分子電解質以外に、硫酸、リン酸などの無機酸、カルボン酸を含む有機酸、適量の水などを併用してもよい。
本発明では、スルホン酸基を有するポリアリーレン系重合体を、溶剤に溶解して溶液とした後、基体上に流延してフィルム状にキャスティング成形することにより、プロトン伝導膜を製造することができる。ここで、上記基体としては、通常の溶液キャスティング法に用いられる基体であれば特に限定されず、例えばプラスチック製、金属製などの基体が用いられ、好ましくは、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムなどの熱可塑性樹脂からなる基体が用いられる。
スルホン酸基を有するポリアリーレン系重合体を溶解する溶媒としては、たとえば、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、γ−ブチロラクトン、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ジメチル尿素、ジメチルイミダゾリジノンなどの非プロトン系極性溶剤が挙げられ、特に溶解性、溶液粘度の面から、N−メチル−2−ピロリドン(以下「NMP」ともいう)が好ましい。非プロトン系極性溶剤は、1種単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、スルホン酸基を有するポリアリーレン系重合体を溶解させる溶媒として、上記非プロトン系極性溶剤とアルコールとの混合物も用いることができる。アルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、iso−プロピルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコールなどが挙げられ、特にメタノールが幅広い組成範囲で溶液粘度を下げる効果があり好ましい。アルコールは、1種単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記溶媒として、非プロトン系極性溶剤とアルコールとの混合物を用いる場合には、非プロトン系極性溶剤が95〜25重量%、好ましくは90〜25重量%、アルコールが5〜75重量%、好ましくは10〜75重量%(但し、合計は100重量%)からなる。アルコールの量が上記範囲内にあると、溶液粘度を下げる効果に優れる。
スルホン酸基を有するポリアリーレン系重合体を溶解させた溶液のポリマー濃度は、スルホン酸基を有するポリアリーレン系重合体の分子量にもよるが、通常、5〜40重量%、好ましくは7〜25重量%である。5重量%未満では、厚膜化し難く、また、ピンホールが生成しやすい。一方、40重量%を超えると、溶液粘度が高すぎてフィルム化し難く、また、表面平滑性に欠けることがある。
なお、溶液粘度は、スルホン酸基を有するポリアリーレン系重合体の分子量や、ポリマー濃度にもよるが、通常、2,000〜100,000mPa・s、好ましくは3,000〜50,000mPa・sである。2,000mPa・s未満では、成膜中の溶液の滞留性が悪く、基体から流れてしまうことがある。一方、100,000mPa・sを超えると、粘度が高過ぎてダイからの押し出しができず、流延法によるフィルム化が困難となることがある。
上記のようにして成膜した後、得られた未乾燥フィルムを水に浸漬すると、未乾燥フィルム中の有機溶剤を水と置換することができ、得られるプロトン伝導膜の残留溶媒量を低減することができる。
なお、成膜後、未乾燥フィルムを水に浸漬する前に、未乾燥フィルムを予備乾燥してもよい。予備乾燥は、未乾燥フィルムを通常50〜150℃の温度で、0.1〜10時間保持することにより行われる。
未乾燥フィルムを水に浸漬する際にはバッチ方式であってもよく、通常得られる基板フィルム(例えば、PET)上に成膜された状態の積層フィルムのまま、または基板から分離した膜を水に浸漬させて、巻き取っていく連続方法でもよい。
バッチ方式の場合は、処理フィルムを枠にはめるなどの方式が処理されたフィルムの表面の皺形成が抑制されるので好都合である。
未乾燥フィルムを水に浸漬する際には、未乾燥フィルム1重量部に対し、水が10重量部以上、好ましくは30重量部以上の接触比となるようにすることがよい。得られるプロトン伝導膜の残存溶媒量をできるだけ少なくするためには、できるだけ大きな接触比を維持するのがよい。また、浸漬に使用する水を交換したり、オーバーフローさせたりして、常に水中の有機溶媒濃度を一定濃度以下に維持しておくことも、得られるプロトン伝導膜の残存溶媒量の低減に有効である。プロトン伝導膜中に残存する有機溶媒量の面内分布を小さく抑えるためには、水中の有機溶媒濃度を撹拌等によって均一化させると効果がある。
未乾燥フィルムを水に浸漬する際の水の温度は、好ましくは5〜80℃の範囲である。高温であるほど、有機溶媒と水との置換速度は速くなるが、フィルムの吸水量も大きくなるので、乾燥後に得られるプロトン伝導膜の表面状態が荒れる懸念がある。通常、置換速度と取り扱いやすさから10〜60℃の温度範囲が好都合である。
浸漬時間は、初期の残存溶媒量や接触比、処理温度にもよるが、通常10分〜240時間の範囲である。好ましくは30分〜100時間の範囲である。
上記のように未乾燥フィルムを水に浸漬した後乾燥すると、残存溶媒量が低減されたプロトン伝導膜が得られるが、このようにして得られるプロトン伝導膜の残存溶媒量は、通常5重量%以下である。
また、浸漬条件によっては、得られるプロトン伝導膜の残存溶媒量を1重量%以下とすることができる。このような条件としては、たとえば、未乾燥フィルムと水との接触比を、未乾燥フィルム1重量部に対し、水が50重量部以上、浸漬する際の水の温度を10〜60℃、浸漬時間を10分〜10時間とする方法がある。
上記のように未乾燥フィルムを水に浸漬した後、フィルムを30〜100℃、好ましくは50〜80℃で、10〜180分、好ましくは15〜60分乾燥し、次いで、50〜150℃で、好ましくは500mmHg〜0.1mmHgの減圧下、0.5〜24時間、真空乾燥することにより、プロトン伝導膜を得ることができる。
本発明の方法により得られるプロトン伝導膜は、その乾燥膜厚が通常10〜100μm、好ましくは20〜80μmである。
また、本発明においては、上記スルホン酸エステル化されたポリアリーレン系重合体を加水分解することなく、上述したような方法でフィルム状に成形した後、上記と同様の方法で加水分解することによりスルホン酸基を有するポリアリーレン系重合体からなるプロトン伝導膜を製造することもできる。
本発明のプロトン伝導膜は、老化防止剤、好ましくは分子量500以上のヒンダードフェノール系化合物を含有してもよく、老化防止剤を含有することでプロトン伝導膜としての耐久性をより向上させることができる。
本発明で使用することのできる分子量500以上のヒンダードフェノール系化合物としては、トリエチレングリコール−ビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](商品名:IRGANOX 245)、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](商品名:IRGANOX 259)、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−3,5−トリアジン(商品名:IRGANOX 565)、ペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](商品名:IRGANOX 1010)、2,2−チオ−ジエチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](商品名:IRGANOX 1035)、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)(商品名:IRGANOX 1076)、N,N−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチルー4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)(IRGANOX 1098)、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4―ヒドロキシベンジル)ベンゼン(商品名:IRGANOX 1330)、トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレイト(商品名:IRGANOX 3114)、3,9−ビス[2−〔3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ〕−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン(商品名:Sumilizer GA−80)などが挙げられる。
本発明において、スルホン酸基を有するポリアリーレン系重合体100重量部に対して、分子量500以上のヒンダードフェノール系化合物は0.01〜10重量部の量で使用することが好ましい。
本発明のプロトン伝導膜は、例えば、一次電池用電解質、二次電池用電解質、燃料電池用固体高分子電解質、表示素子、各種センサー、信号伝達媒体、固体コンデンサー、イオン交換膜などのプロトン伝導膜として好適に用いることができる。
<電極>
本発明の電極は、触媒金属粒子または触媒金属粒子を導電性担体に担持してなる電極触媒、電極電解質からなり、必要に応じて炭素繊維、分散剤、撥水剤などの他の成分を含んでいてもよい。
触媒金属粒子としては、触媒活性を有するものであれば特に限定されないが、白金ブラックなどの貴金属微粒子そのものからなるメタルブラックを使うことができる。触媒金属粒子を担持させる導電性担体としては、導電性と適度な耐食性を備えていれば特に限定されないが、触媒金属粒子を高分散させるための十分な比表面積を有し、かつ十分な電子伝導性を有することから、カーボン(炭素)を主成分とするものを使用することが望ましい。電極を構成する触媒担体は、触媒金属粒子を担持するだけではなく、電子を外部回路に取り出す、あるいは外部回路から取り入れるための集電体としての機能を果たさなければならない。触媒担体の電気抵抗が高いと電池の内部抵抗が高くなり、結果として電池の性能を低下させることになる。そのため、電極に含まれる触媒担体の電子導電率は十分に高くなければならない。つまり、電極触媒担体として十分な電子導電性を持っていれば利用可能で、好適には細孔の発達したカーボン材料が用いられる。細孔の発達したカーボン材料としては、カーボンブラックや活性炭などが好ましく使用できる。カーボンブラックとしては、チャンネルブラック、ファーネスブラック、サーマルブラック、アセチレンブラックなどが挙げられ、また活性炭は、種々の炭素原子を含む材料を炭化、賦活処理して得られる。また、電子導電性を有する金属酸化物、金属炭化物、金属窒化物や高分子化合物を含むことも可能である。なお、ここで言う主成分とは、60%以上の炭素質を含有することを意味する。
また、導電性担体に担持させる触媒金属粒子としては、白金又は白金合金が用いられるが、白金合金を使用すると、電極触媒としての安定性や活性をさらに付与させることもできる。白金合金としては、白金以外の白金族の金属(ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム)、コバルト、鉄、チタン、金、銀、クロム、マンガン、モリブデン、タングステン、アルミニウム、ケイ素、レニウム、亜鉛、及びスズからなる群から選ばれる1種以上と白金との合金が好ましく、該白金合金には白金と合金化される金属との金属間化合物が含有されていてもよい。
白金又は白金合金の担持率(担持触媒全質量に対する白金又は白金合金の質量の割合)は、20〜80質量%、特に30〜55質量%が好ましい。この範囲であれば、高い出力を得られる。担持率が20質量%未満では、十分な出力を得られないおそれがあり、80質量%を超えると、白金又は白金合金の粒子を分散性よく担体となるカーボン材料に担持できないおそれがある。
また、白金又は白金合金の一次粒子径は、高活性なガス拡散電極を得るためには1〜20nmであることが好ましく、特には、反応活性の点で白金又は白金合金の表面積を大きく確保できる2〜5nmであることが好ましい。
電極電解質としては、スルホン酸基を有するイオン伝導性高分子電解質(イオン伝導性バインダー)が好適に用いられる。通常、担持触媒は当該電解質により被覆されており、この電解質の繋がっている経路を通ってプロトン(H)が移動する。
スルホン酸基を有するイオン伝導性高分子電解質としては、特に、Nafion(登録商標)やFlemion(登録商標)、Aciplex(登録商標)に代表されるパーフルオロカーボン重合体が好適に用いられる。なおパーフルオロカーボン重合体だけでなく、ポリスチレンスルホン酸などのビニル系モノマーのスルホン化物、ポリベンズイミダゾール、ポリエーテルエーテルケトンなどの耐熱性高分子に、スルホン酸基またはリン酸基を導入したポリマーや、本明細書で記載されている、スルホン化ポリアリーレンなどの芳香族系炭化水素化合物を主とするイオン伝導性高分子電解質を用いてもよい。
また、前記イオン伝導性バインダーは、触媒粒子に対し、質量比で0.1〜3.0の割合で含有することが好ましく、特に0.3〜2.0の割合で含有することが好ましい。イオン伝導性バインダー比が0.1未満であると、プロトンを電解膜に伝達することができず、十分な出力が得られないおそれがあり、また、3.0を超えると、イオン伝導性バインダーが触媒粒子を完全に被覆してしまい、ガスが白金に到達できず、十分な出力が得られないおそれがある。
必要に応じて添加することのできる炭素繊維としては、レーヨン系炭素繊維、PAN系炭素繊維、リグニンポバール系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維、気相成長炭素繊維などを用いることができ、これらの中では気相成長炭素繊維が好ましい。炭素繊維を含んでいると、電極触媒層中の細孔容積が増加するため、燃料ガスや酸素ガスの拡散性が向上し、また、生成する水によるフラッディングなどを改善でき、発電性能が向上する。なお、炭素繊維は、アノード側、カソード側の電極触媒層のいずれか一方または双方に含まれていてもよい。
分散剤としては、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン界面活性剤などを挙げることができる。上記分散剤は、1種単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中では、好ましくは塩基性基を有する界面活性剤であり、より好ましくはアニオン性もしくはカチオン性の界面活性剤であり、さらに好ましくは分子量5000〜30000の界面活性剤である。電極触媒層を形成する際に使用される電極用ペースト組成物に上記分散剤を添加すると、保存安定性および流動性に優れ、塗工時の生産性が向上する。
本発明における膜−電極構造体は、アノードの触媒層、プロトン伝導膜及びカソードの触媒層のみからなってもよいが、アノード、カソードともに触媒層の外側にカーボンペーパーやカーボンクロスのような導電性多孔質基材からなるガス拡散層が配置されるとさらに好ましい。ガス拡散層は集電体としても機能するので、本明細書ではガス拡散層を有する場合はガス拡散層と触媒層とを合わせて電極というものとする。
本発明の膜−電極構造体を備える固体高分子型燃料電池では、カソードには酸素を含むガス、アノードには水素を含むガスが供給される。具体的には、例えばガスの流路となる溝が形成されたセパレータを膜−電極構造体の両方の電極の外側に配置し、ガスの流路にガスを流すことにより膜−電極構造体に燃料となるガスを供給する。
本発明の膜−電極構造体を製造する方法としては、イオン交換膜の上に触媒層を直接形成し必要に応じガス拡散層で挟み込む方法、カーボンペーパー等のガス拡散層となる基材上に触媒層を形成しこれをイオン交換膜と接合する方法、及び平板上に触媒層を形成しこれをイオン交換膜に転写した後平板を剥離し、さらに必要に応じガス拡散層で挟み込む方法等の各種の方法が採用できる。
触媒層の形成方法としては、担持触媒とスルホン酸基を有するパーフルオロカーボン重合体とを分散媒に分散させた分散液を用いて(必要に応じて撥水剤、造孔剤、増粘剤、希釈溶媒等を加え)、イオン交換膜、ガス拡散層、又は平板上に形成させる公知の方法が採用できる。
上記電極ペースト組成物の形成方法としては、刷毛塗り、筆塗り、バーコーター塗布、ナイフコーター塗布、ドクターブレード法、スクリーン印刷、スプレー塗布などが挙げられる。
触媒層をイオン交換膜上に直接形成しない場合は、触媒層とイオン交換膜とは、ホットプレス法、接着法(特開平7−220741参照)等により接合することが好ましい。
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、実施例における各種の測定項目は、下記のようにして求めた。
<分子量>
スルホン化前の疎水性ユニットの数平均分子量(Mn)は、溶剤としてテトラヒドロフラン(THF)を用い、GPCによって、ポリスチレン換算の分子量を求めた。スルホン化ポリマーの重量平均分子量(Mw)は、溶剤として臭化リチウムと燐酸を添加したN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を溶離液として用い、GPCによって、ポリスチレン換算の分子量を求めた。
<イオン交換容量>
得られたスルホン化ポリマーの水洗水がpH4〜6になるまで洗浄して、フリーの残存している酸を除去後、十分に水洗し、乾燥後、所定量を秤量し、THF/水の混合溶剤に溶解し、フェノールフタレインを指示薬とし、NaOHの標準液にて滴定し、中和点から、イオン交換容量を求めた。
<ガラス転移温度>
動的粘弾性測定装置により、スルホン化ポリマーのガラス転移温度を測定した。
<メタノール水溶液浸漬試験>
64重量%の60℃メタノール水溶液に、プロトン伝導膜を6時間浸漬した。浸漬前後の面積を測定し、以下の数式(1)に従って面積変化率(%)を算出した。
Figure 2007294214
<メタノール透過性>
浸透気化測定法(パーベーパレーション法)により測定した。所定のセルにフィルムをセットし、表面側から30重量%のメタノール水溶液を供給、裏面から減圧し、透過液を液体窒素でトラップした。メタノール透過量は下記の数式(2)に従って算出した。
Figure 2007294214
<膜抵抗の測定>
膜を濃度1mol/lの硫酸を介して上下から導電性カーボン板ではさみ、室温でカーボン板間の交流抵抗を測定し、下記の数式(3)に従って算出した。
Figure 2007294214
<電極接着率>
本発明のCCMを、結露サイクル試験機(エスペック社製「DCTH−200」)に投入し、85℃、95%RHから−20℃の冷熱サイクルテストを20回実施した。試験後のCCMを1.0cm×5.0cmの短冊状にカットし、アルミ板に両面テープで固定しテストピースとした。さらに、露出している電極面にテープを貼り付け、テープを180℃方向に50mm/minの速さで引っ張り、CCM上の電極を剥離させた。テープの剥離は、豊光エンジニアリング製SPG荷重測定機「HPC.A50.500」を用いて行なった。剥離試験後のサンプルについて、画像処理にて電極が残存した面積を算出し、電極接着率を求めた。画像処理は、エプソン社製スキャナ「GT−8200UF」を用いて画像を取り込み、二値化して下記の数式(4)に従って算出した。
Figure 2007294214
<発電特性の評価>
本発明の膜−電極構造体を用いて、温度70℃、燃料極側/酸素極側の相対湿度を100%/100%、電流密度を0.1A/cmとした発電条件により、発電性能を評価した。燃料極側には純水素を、酸素極側には空気をそれぞれ供給した。
<実施例1>
(1)疎水ユニットの合成
撹拌羽根、温度計、窒素導入管、Dean−Stark管、冷却管を取り付けた1Lセパラブル三口フラスコに4,4’−ジクロロベンゾフェノン60.3g(240mmol)、4,4’−(1,4−フェニレンジイソプロピリデン)ビスフェノール(Bis−P)69.3g(200mmol)、炭酸カリウム35.9g(260mmol)をはかりとった。スルホラン370mL、トルエン190mLを加え、窒素雰囲気下、150℃で加熱還流した。反応によって生成する水をトルエンとの共沸により、Dean−Stark管から取り除いた。3時間後に水の生成が認められなくなったところで、トルエンを系外に取り除き、180℃で7時間撹拌した後、4,4’−ジクロロベンゾフェノン20.1g(80mmol)を加え、さらに3時間撹拌した。
放冷後、反応溶液に不溶の無機物を、セライトをろ過助剤に用いたろ過によって除いた。次いで、ろ液をメタノール2Lに注ぎ、反応物を凝固させた。沈殿した凝固物をろ過し、少量のメタノールで洗浄して真空乾燥した。乾燥した生成物を、テトラヒドロフラン200mLに再溶解した。この溶液をメタノール2Lに注ぎ、再沈殿した。凝固物をろ過し、真空乾燥して、103g(収率92%)の目的物を得た。GPCで求めたポリスチレン換算の数平均分子量は4500、重量平均分子量は6800であった。得られた化合物は式(I)で表されるオリゴマーであることを確認した。
Figure 2007294214
(2)スルホン化ポリマーの合成
攪拌機、温度計、窒素導入管を取り付けた1Lの三口フラスコに、3−(2,5−ジクロロベンゾイル)ベンゼンスルホン酸ネオペンチル53.3g(133mmol)、実施例1で得られた数平均分子量4,500の疎水性ユニット74.7g(16.6mmol)、ビス(トリフェニルホスフィン)ニッケルジクロリド2.94g(5.0mmol)、ヨウ化ナトリウム0.67g(5.0mmol)、トリフェニルホスフィン15.7g(60mmol)、亜鉛23.5g(360mmol)をはかりとり、乾燥窒素置換した。ここにN,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)320mLを加え、反応温度を80℃に保持しながら3時間攪拌を続けた後、DMAcを540mL加えて希釈し、不溶物をろ過した。
得られた溶液を攪拌機、温度計、窒素導入管を取り付けた2Lの三口フラスコに入れた。115℃に加熱攪拌し、臭化リチウム23.2g(266mmol)を加えた。7時間攪拌後、アセトン3.5Lに注いで生成物を沈殿させた。次いで、1N塩酸、純水の順で洗浄後、乾燥して目的の重合体92gを得た。得られた重合体の重量平均分子量(Mw)は85,000であった。得られた化合物は式(II)で表されるポリマーであることを確認した。
Figure 2007294214
得られたスルホン化ポリマーの10重量%N−メチル−2−ピロリドン(NMP)溶液を、ガラス板上にキャストして製膜し、膜厚40μmのフィルムを得た。
(3)膜−電極構造体の作製
平均径50nmのカーボンブラック(ファーネスブラック)に白金粒子を、カーボンブラック:白金=1:1の重量比で担持させ、触媒粒子を作製した。次に、イオン伝導性バインダーとしてのパーフルオロアルキレンスルホン酸高分子化合物(Dupont社製Nafion(登録商標))溶液に、前記触媒粒子を、イオン伝導性バインダー:触媒粒子=8:5の重量比で均一に分散させ、触媒ペーストを調製した。
前記触媒ペーストを、白金含有量が0.5mg/cmとなるようにPETフィルム上にバーコーター塗布し、電極シートを作製した。
前記フィルム(プロトン伝導膜)を10cm×10cmのサイズにカットし、この両側を前記電極シートで狭持し、ホットプレスを行なって電極転写膜(Catalyst Converted Membrane;CCM)を得た。前記ホットプレスは、160℃、4MPaで15分間の条件で実施した。
カーボンブラックとポリテトラフルオロエチレン(PTFE)粒子とを、カーボンブラック:PTFE粒子=4:6の重量比で混合し、得られた混合物をエチレングリコールに均一に分散させたスラリーをカーボンペーパーの片面に塗布、乾燥させて下地層とし、該下地層とカーボンペーパーとからなるガス拡散層を2つ作製した。
前記CCMを前記ガス拡散層の下地層側で狭持し、ホットプレスを行なって膜−電極構造体を得た。前記ホットプレスは、140℃、3MPaで5分間の条件で実施した。また、本実施例で得られた膜−電極接合体は、ガス拡散層の上にさらにガス通路を兼ねるセパレーターを積層することにより、固体高分子型燃料電池を構成することができる。
<実施例2>
(1)疎水ユニットの合成
撹拌羽根、温度計、窒素導入管、Dean−Stark管、冷却管を取り付けた1Lセパラブル三口フラスコに4,4’−ジフルオロベンゾフェノン52.4g(240mmol)、4−クロロ−4’−フルオロベンゾフェノン14.1g(60.0mmol)、4,4’−(1,3−フェニレンジイソプロピリデン)ビスフェノール(Bis−M)70.2g(203mmol)、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン23.7g(67.5mmol)、炭酸カリウム48.5g(351mmol)をはかりとった。DMAcを430mL、トルエンを220mL加え、窒素雰囲気下、150℃で加熱還流した。反応によって生成する水をトルエンとの共沸により、Dean−Stark管から取り除いた。3時間後に水の生成が認められなくなったところで、トルエンを系外に取り除き、160℃で7時間撹拌した後、4−クロロ−4’−フルオロベンゾフェノン7.0g(20.0mmol)を加え、さらに3時間撹拌した。
放冷後、反応溶液に不溶の無機物を、セライトをろ過助剤に用いたろ過によって除いた。ろ液をメタノール2Lに注ぎ、反応物を凝固させた。沈殿した凝固物をろ過し、少量のメタノールで洗浄し、真空乾燥した。乾燥した生成物を、テトラヒドロフラン200mLに再溶解した。この溶液をメタノール2Lに注ぎ、再沈殿した。凝固物をろ過し、真空乾燥して、110g(収率80%)の目的物を得た。GPCで求めたポリスチレン換算の数平均分子量は6000、重量平均分子量は8300であった。得られた化合物は式(III)で表されるオリゴマーであることを確認した。なお、式(III)におけるnとpの組成比は、nが0.75で、pが0.25であった。
Figure 2007294214
(2)スルホン化ポリマーの合成
攪拌機、温度計、窒素導入管を取り付けた1Lの三口フラスコに、3−(2,5−ジクロロベンゾイル)ベンゼンスルホン酸ネオペンチル56.1g(140mmol)、上記(1)で得られたMn6000の疎水性ユニット61.1g(10.2mmol)、ビス(トリフェニルホスフィン)ニッケルジクロリド2.94g(5.0mmol)、ヨウ化ナトリウム0.67g(5.0mmol)、トリフェニルホスフィン15.7g(60mmol)、亜鉛23.5g(360mmol)をはかりとり、乾燥窒素置換した。ここにN,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)290mLを加え、反応温度を80℃に保持しながら3時間攪拌を続けた後、DMAcを490mL加えて希釈し、不溶物をろ過した。
得られた溶液を攪拌機、温度計、窒素導入管を取り付けた2Lの三口フラスコに入れた。115℃に加熱攪拌し、臭化リチウム24.3g(280mmol)を加えた。7時間攪拌後、アセトン3.0Lに注いで生成物を沈殿させた。ついで、1N塩酸、純水の順で洗浄後、乾燥して目的の重合体97gを得た。得られた重合体の重量平均分子量(Mw)は105,000であった。得られた化合物は式(IV)で表されるポリマーであることを確認した。
Figure 2007294214
得られたスルホン化ポリマーの10重量%N−メチル−2−ピロリドン(NMP)溶液を、ガラス板上にキャストして製膜し、膜厚40μmのフィルムを得た。
(3)膜−電極構造体の作製
本実施例で得られたフィルム(プロトン伝導膜)を用いたこと以外は、実施例1の(3)と同様にして膜−電極構造体を得た。
<実施例3>
(1)疎水ユニットの合成
撹拌羽根、温度計、窒素導入管、Dean−Stark管、冷却管を取り付けた1Lセパラブル三口フラスコに2,6−ジクロロベンゾニトリル48.2g(280mmol)、1,3−ビス(4−ヒドロキシフェノキシ)ベンゼン38.3g(130mmol)、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン45.6g(130mmol)、炭酸カリウム46.7g(338mmol)をはかりとった。スルホラン370mL、トルエン190mLを加え、窒素雰囲気下、150℃で加熱還流した。反応によって生成する水をトルエンとの共沸により、Dean−Stark管から取り除いた。3時間後に水の生成が認められなくなったところで、トルエンを系外に取り除き、180℃で7時間撹拌した後、2,6−ジクロロベンゾニトリル6.88g(40mmol)を加え、さらに3時間撹拌した。
放冷後、反応溶液に不溶の無機物を、セライトをろ過助剤に用いたろ過によって除いた。ろ液をメタノール2Lに注ぎ、反応物を凝固させた。沈殿した凝固物をろ過し、少量のメタノールで洗浄し、真空乾燥した。乾燥した生成物を、テトラヒドロフラン200mLに再溶解させた。この溶液をメタノール2Lに注ぎ、再沈殿した。凝固物をろ過し、真空乾燥して、106g(収率91%)の目的物を得た。GPCで求めたポリスチレン換算の数平均分子量は8100、重量平均分子量は9500であった。得られた化合物は式(V)で表されるオリゴマーであることを確認した。なお、式(V)におけるnとpの組成比は、nが0.50で、pが0.50であった。
Figure 2007294214
(2)スルホン化ポリマーの合成
攪拌機、温度計、窒素導入管を取り付けた1Lの三口フラスコに、3−(2,5−ジクロロベンゾイル)ベンゼンスルホン酸ネオペンチル56.8g(141mmol)、上記(1)で得られたMn8100の疎水性ユニット69.5g(8.6mmol)、ビス(トリフェニルホスフィン)ニッケルジクロリド2.94g(5.0mmol)、ヨウ化ナトリウム0.67g(5.0mmol)、トリフェニルホスフィン15.7g(60mmol)、亜鉛23.5g(360mmol)をはかりとり、乾燥窒素置換した。ここにN,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)320mLを加え、反応温度を80℃に保持しながら3時間攪拌を続けた後、DMAcを530mL加えて希釈し、不溶物をろ過した。
得られた溶液を攪拌機、温度計、窒素導入管を取り付けた2Lの三口フラスコに入れた。115℃に加熱攪拌し、臭化リチウム24.6g(282mmol)を加えた。7時間攪拌後、アセトン3.4Lに注いで生成物を沈殿させた。次いで、1N塩酸、純水の順で洗浄後、乾燥して目的の重合体103gを得た。得られた重合体の重量平均分子量(Mw)は97,000であった。得られた化合物は式(VI)で表されるポリマーであることを確認した。
Figure 2007294214
得られたスルホン化ポリマーの10重量%N−メチル−2−ピロリドン(NMP)溶液を、ガラス板上にキャストして製膜し、膜厚40μmのフィルムを得た。
(3)膜−電極構造体の作製
本実施例で得られたフィルム(プロトン伝導膜)を用いたこと以外は、実施例1の(3)と同様にして膜−電極構造体を得た。
<実施例4>
(1)疎水ユニットの合成
撹拌羽根、温度計、窒素導入管、Dean−Stark管、冷却管を取り付けた1Lセパラブル三口フラスコに4,4’−ジクロロベンゾフェノン45.2g(180mmol)、4,4’−(1,4−フェニレンジイソプロピリデン)ビスフェノール(Bis−P)33.3g(96.0mmol)、4,4’−ビフェノール11.9g(64.0mmol)、炭酸カリウム28.7g(208mmol)をはかりとった。スルホラン270mL、トルエン135mLを加え、窒素雰囲気下、150℃で加熱還流した。反応によって生成する水をトルエンとの共沸により、Dean−Stark管から取り除いた。3時間後に水の生成が認められなくなったところで、トルエンを系外に取り除き、180℃で7時間撹拌した後、4,4’−ジクロロベンゾフェノン15.1g(60mmol)を加え、さらに3時間撹拌した。
放冷後、反応溶液に不溶の無機物を、セライトをろ過助剤に用いたろ過によって除いた。ろ液をメタノール2Lに注ぎ、反応物を凝固させた。沈殿した凝固物をろ過し、少量のメタノールで洗浄し、真空乾燥した。乾燥した生成物を、テトラヒドロフラン150mLに再溶解させた。この溶液をメタノール2Lに注ぎ、再沈殿した。凝固物をろ過し、真空乾燥して、65g(収率85%)の目的物を得た。GPCで求めたポリスチレン換算の数平均分子量は6400、重量平均分子量は7800であった。得られた化合物は式(VII)で表されるオリゴマーであることを確認した。なお、式(VII)におけるnとpの組成比は、nが0.60でpが0.40であった。
Figure 2007294214
(2)スルホン化ポリマーの合成
攪拌機、温度計、窒素導入管を取り付けた1Lの三口フラスコに、3−(2,5−ジクロロベンゾイル)ベンゼンスルホン酸ネオペンチル56.8g(141mmol)、上記(1)で得られたMn6400の疎水性ユニット55.0g(8.6mmol)、ビス(トリフェニルホスフィン)ニッケルジクロリド2.94g(5.0mmol)、ヨウ化ナトリウム0.67g(5.0mmol)、トリフェニルホスフィン15.7g(60mmol)、亜鉛23.5g(360mmol)をはかりとり、乾燥窒素置換した。ここにN,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)280mLを加え、反応温度を80℃に保持しながら3時間攪拌を続けた後、DMAcを460mL加えて希釈し、不溶物をろ過した。
得られた溶液を攪拌機、温度計、窒素導入管を取り付けた2Lの三口フラスコに入れた。115℃に加熱攪拌し、臭化リチウム24.6g(285mmol)を加えた。7時間攪拌後、アセトン5.0Lに注いで生成物を沈殿させた。次いで、1N塩酸、純水の順で洗浄後、乾燥して目的の重合体82gを得た。得られた重合体の重量平均分子量(Mw)は93,000であった。得られた化合物は式(VIII)で表されるポリマーであることを確認した。
Figure 2007294214
得られたスルホン化ポリマーの10重量%N−メチル−2−ピロリドン(NMP)溶液を、ガラス板上にキャストして製膜し、膜厚40μmのフィルムを得た。
(3)膜−電極構造体の作製
本実施例で得られたフィルム(プロトン伝導膜)を用いたこと以外は、実施例1の(3)と同様にして膜−電極構造体を得た。
<比較例1>
(1)疎水ユニットの合成
撹拌羽根、温度計、窒素導入管、Dean−Stark管、冷却管を取り付けた1Lセパラブル三口フラスコに4,4’−ジクロロベンゾフェノン50.2g(200mmol)、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン11.1g(55.0mmol)、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル57.8g(165mmol)、炭酸カリウム39.5g(286mmol)をはかりとった。スルホラン340mL、トルエン170mLを加え、窒素雰囲気下、150℃で加熱還流した。反応によって生成する水をトルエンとの共沸により、Dean−Stark管から取り除いた。3時間後に水の生成が認められなくなったところで、トルエンを系外に取り除き、180℃で7時間撹拌した後、4,4’−ジクロロベンゾフェノン10.0g(40.0mmol)を加え、さらに3時間撹拌した。
放冷後、反応溶液に不溶の無機物を、セライトをろ過助剤に用いたろ過によって除いた。ろ液をメタノール2Lに注ぎ、反応物を凝固させた。沈殿した凝固物をろ過し、少量のメタノールで洗浄し、真空乾燥した。乾燥した生成物を、テトラヒドロフラン150mLに再溶解した。この溶液をメタノール1.5Lに注ぎ、再沈殿した。凝固物をろ過し、真空乾燥して、87g(収率83%)の目的物を得た。GPCで求めたポリスチレン換算の数平均分子量は5500、重量平均分子量は8500であった。得られた化合物は式(IX)で表されるオリゴマーであることを確認した。
Figure 2007294214
(2)スルホン化ポリマーの合成
攪拌機、温度計、窒素導入管を取り付けた1Lの三口フラスコに、3−(2,5−ジクロロベンゾイル)ベンゼンスルホン酸ネオペンチル55.2g(138mmol)、上記(1)で得られたMn5500の疎水性ユニット67.9g(12.3mmol)、ビス(トリフェニルホスフィン)ニッケルジクロリド2.94g(5.0mmol)、ヨウ化ナトリウム0.67g(5.0mmol)、トリフェニルホスフィン15.7g(60mmol)、亜鉛23.5g(360mmol)をはかりとり、乾燥窒素置換した。ここにN,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)300mLを加え、反応温度を80℃に保持しながら3時間攪拌を続けた後、DMAcを520mL加えて希釈し、不溶物をろ過した。
得られた溶液を攪拌機、温度計、窒素導入管を取り付けた2Lの三口フラスコに入れた。115℃に加熱攪拌し、臭化リチウム23.9g(275mmol)を加えた。7時間攪拌後、アセトン3.2Lに注いで生成物を沈殿させた。次いで、1N塩酸、純水の順で洗浄後、乾燥して目的の重合体88gを得た。得られた重合体の重量平均分子量(Mw)は93,000であった。得られた化合物は式(X)で表されるポリマーであることを確認した。
Figure 2007294214
得られたスルホン化ポリマーの10重量%N−メチル−2−ピロリドン(NMP)溶液を、ガラス板上にキャストして製膜し、膜厚40μmのフィルムを得た。
(3)膜−電極構造体の作製
本実施例で得られたフィルム(プロトン伝導膜)を用いたこと以外は、実施例1の(3)と同様にして膜−電極構造体を得た。
<評価>
実施例1〜4、比較例1で合成したスルホン化ポリマーおよびフィルム(プロトン伝導膜)の物性を評価した。結果を表1に示す。
Figure 2007294214
本実施例によれば、特定の構成単位を有するポリアリーレンを電解膜に用いることにより、ホットプレスなどの熱加工処理による膜−電極界面の接合性が改善されることから、特に低電流密度における発電性能に優れた膜−電極接合体が得られる。

Claims (5)

  1. プロトン伝導膜の一方の面にアノード電極、他方の面にカソード電極を設けた固体高分子型燃料電池用膜−電極構造体において、
    前記プロトン伝導膜は、下記一般式(1)で表される構成単位を有することを特徴とする固体高分子型燃料電池用膜−電極構造体。
    Figure 2007294214
    [式(1)中、A、D、Eは直接結合、−O−、−S−、−CO−、−SO−、−SO−、−CONH−、−COO−、−(CF−(fは1〜10の整数である)、−(CH−(hは1〜10の整数である)、−CR’−(R’は脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基およびハロゲン化炭化水素基を示す)、シクロヘキシリデン基、および、フルオレニリデン基からなる群より選ばれた少なくとも1種の構造を示す。Bは独立に酸素原子または硫黄原子を示し、Xはフッ素を除くハロゲン原子、−OSOCH、および−OSOCFから選ばれる原子または基を示す。R〜R28は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、フッ素原子、アルキル基、一部またはすべてがハロゲン化されたハロゲン化アルキル基、アリル基、アリール基、ニトロ基、および、ニトリル基からなる群より選ばれる少なくとも1種の原子または基を示す。l、oは0〜4の整数を示し、mは1〜4の整数を示し、qは2以上の整数を示す。n、p、は各ユニットの組成比を示し0から1の値をとり、n+p=1である。ただし、nは0以外の値をとる。]
  2. 前記プロトン伝導膜は、下記一般式(2)で表される構成単位を有することを特徴とする請求項1に記載の固体高分子型燃料電池用膜−電極構造体。
    Figure 2007294214
    [式(2)中、A、Eは直接結合、−O−、−CO−、−SO−、−SO−、−(CF−(fは1〜10の整数である)、−(CH−(hは1〜10の整数である)、−CR’−(R’は脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、またはハロゲン化炭化水素基を示す)、シクロヘキシリデン基、および、フルオレニリデン基からなる群より選ばれた少なくとも1種の構造を示す。Dは直接結合、−O−、−CO−、−(CH−(hは1〜10の整数である)、または−CR’’−(R’’は脂肪族炭化水素基、または芳香族炭化水素基)を示し、Xはフッ素を除くハロゲン原子から選ばれる原子を示す。R〜R28は互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、フッ素原子、アルキル基、一部またはすべてがハロゲン化されたハロゲン化アルキル基、アリル基、アリール基、ニトロ基、および、ニトリル基からなる群より選ばれる少なくとも1種の原子または基を示す。また、l、oは0〜4の整数を示し、qは2以上の整数を示す。n、p、は各ユニットの組成比を示し0から1の値をとり、n+p=1である。ただし、nは0以外の値をとる。]
  3. 前記プロトン伝導膜は、下記一般式(3)で表される構成単位を有することを特徴とする請求項2に記載の固体高分子型燃料電池用膜−電極構造体。
    Figure 2007294214
    [式(3)中、Xはフッ素を除くハロゲン原子から選ばれる原子を示し、Dは、−O−、−CR’’−(R’’は脂肪族炭化水素基、または芳香族炭化水素基)を示す。Pは下記一般式(4−1)〜(4−3)で表される構成単位から選ばれる少なくとも1種であり、Qは下記一般式(5−1)〜(5−12)で表される構成単位から選ばれる少なくとも1種である。また、qは2以上の整数を示す。n、p、は各ユニットの組成比を示し0から1の値をとり、n+p=1である。ただし、nは0以外の値をとる。]
    Figure 2007294214
  4. 前記プロトン伝導膜は、前記一般式(3)におけるnが0.3〜1の値をとることを特徴とする請求項3に記載の固体高分子型燃料電池用膜−電極構造体。
  5. 前記プロトン伝導膜は、さらに下記一般式(6)で表される構成単位を有することを特徴とする請求項1から4いずれか記載の固体高分子型燃料電池用膜−電極構造体。
    Figure 2007294214
    [式(6)中、Yは−CO−、−SO−、−SO−、−CONH−、−COO−、−(CF−(lは1〜10の整数である)、および、−C(CF−からなる群より選ばれた少なくとも1種の構造を示し、Zは直接結合、または−(CH−(hは1〜10の整数である)、−C(CH−、−O−、および、−S−からなる群より選ばれた少なくとも1種の構造を示し、Arは−SOH、−O(CHSOH、または、−O(CFSOHで表される置換基を有する芳香族基を示す。rは1〜12の整数を示し、jは0〜10の整数を示し、kは0〜10の整数を示し、iは1〜4の整数を示す。]
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