JP2007292616A - サンプル分離吸着器具 - Google Patents

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Abstract

【課題】電気泳動とウエスタンブロッティング法の利便性を高め、具体的には、電気泳動からウエスタンブロッティングまでの自動化を実現する。
【解決手段】第1電極12が配置される第1緩衝液槽1、第2電極22が配置される第2緩衝液槽2、および分離媒体33が収納されるサンプル分離部3を備えているサンプル分離吸着器具100を提供する。サンプル分離吸着器具100において、サンプル分離部3は、第1緩衝液槽1内に開口する第1開口31および第2緩衝液槽内に開口する第2開口32を有しており、サンプル分離吸着器具100はさらに、第2電極22を第2開口32に対向して配置するための第2電極固定手段4を備えている。また、第2開口32から排出されたサンプル成分を吸着用部材6上に吸着するために、サンプル分離吸着器具100は、吸着用部材6を第2開口32と第2電極22との間に保持するための吸着用部材保持手段5をさらに備えていることが好ましい。
【選択図】図1

Description

本発明は、生物学的なサンプルを各成分に分離するためのサンプル分離器具に関するものであり、より詳細には、サンプルを分離しかつ分離されたサンプルを引き続き吸着部材へ吸着させるサンプル分離吸着器具に関するものである。
ヒトゲノムプロジェクトが終了した後、プロテオーム研究が盛んに行われている。「プロテオーム」とは、特定の細胞、器官、臓器の中で翻訳生産されているタンパク質全体が意図され、その研究としてはタンパク質のプロファイリングなどが挙げられる。
タンパク質をプロファイリングする手法の1つとして最も用いられているものが、タンパク質の電気泳動、特に2次元電気泳動である。タンパク質は、電荷および分子量の独特の性質を有しているので、多数のタンパク質の混合物であるプロテオームから電荷のみまたは分子量のみに依存して個々のタンパク質を各成分に分離するよりも、両者を組み合わせることにより、より多くのタンパク質を高分解能にて分離することができる。
電気泳動によってタンパク質は電荷および/または分子量によって分離されるが、このような物理的性質のみで分離したタンパク質についてその分離位置から生物学的性質を特定することは困難である。また、タンパク質は合成された後にリン酸化などの化学的修飾(翻訳後修飾)を受けることによりその機能が制御されることが知られている。電気泳動のみではこのような翻訳後修飾に関する情報を得ることは困難である。
ウエスタンブロッティング法は電気泳動によって分離されたスラブゲル中のタンパク質を膜に転写する方法である(例えば、特許文献1などを参照のこと)。ウエスタンブロッティング法によりタンパク質が転写された膜上に特定の抗体をオーバーレイすれば、抗原抗体反応に基づいてタンパク質をある程度特定することが可能となる。また、翻訳後修飾の1つであるリン酸化について、タンパク質が転写された膜に抗リン酸化タンパク質抗体をオーバーレイすることにより、リン酸化の有無、リン酸化部位の相違を検出することが可能となる。
このように、電気泳動法とウエスタンブロッティング法との組み合わせは、タンパク質の生化学的性質を特定する上で非常に有用な方法である(例えば、非特許文献1を参照のこと)。
特開平7−63763号公報(平成7年3月10日公開) タンパク質実験ノート(下):分離同定から機能解析へ(羊土社、2005年、第38〜47頁)
電気泳動法については、ゲルの小型化による高速化、自動装置による操作の簡易化などが図られており、特に2次元電気泳動法に関する技術は著しく改善されている。しかし、ウエスタンブロッティング法については、サンプルの電気泳動が終了した後に電気泳動カセットからゲルを取り出し、ゲル、濾紙および転写用膜を、平板状の電極、濾紙、膜、ゲル、濾紙、さらなる電極の順に挟み込み、これを電解液中で長時間電圧を印加する工程が必要であり、自動化は困難であった。
また、ウエスタンブロッティング法において用いられる電極は面積が大きく電極間距離が短いため、高電流(例えば、数100mA)を長時間流す必要があった。さらに、電極面積が大きいために電極の部位ごとに流れる電流が不均一となる傾向が強く、ゲルから膜へのタンパク質の転写が十分に行われない領域が生じやすかった。なおさらに、電極全体に同一電圧を同一時間印加するために、サンプル中に含まれる高分子量成分は転写されにくく、低分子量成分は転写後に膜を通り抜けてしまう傾向が強い。もちろん、分離したサンプルを膜上へ転写するためには、分離に必要な電気泳動の時間に加えて、転写のための準備時間および操作時間も必要とされる。
このようにウエスタンブロッティング法は、優れたプロテオーム解析法であるが操作が煩雑でありかつ熟練を要する作業であるので、自動化および簡易化することが困難であった。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、電気泳動法およびウエスタンブロッティング法の利便性を高めることにあり、具体的には、電気泳動からウエスタンブロッティングまでの一連の操作の自動化を実現することにある。
本発明に係るサンプル分離吸着器具は、第1電極が配置される第1緩衝液槽、第2電極が配置される第2緩衝液槽、および分離媒体が収納されるサンプル分離部を備えており、該サンプル分離部は、第1緩衝液槽内に開口する第1開口および第2緩衝液槽内に開口する第2開口を有し、
さらに、第2電極を第2開口に対向して配置するための第2電極固定手段を備えていることを特徴としている。
本発明に係るサンプル分離吸着器具は、第2開口から排出されたサンプル成分を吸着するための吸着用部材を第2開口と第2電極との間に保持するための吸着用部材保持手段をさらに備えていてもよい。吸着用部材保持手段が、吸着用部材を第2開口と第2電極との間に保持するために機能する手段であれば、本発明は首尾よく実行され得る。すなわち、吸着用部材は、第2開口と接していても、第2電極と接していてもよく、いずれにも接していない状態であってもよい。また、第2開口、吸着用部材および第2電極の全てが接していてよい。
本発明に係るサンプル分離吸着器具は、第1緩衝液槽、第2緩衝液槽およびサンプル分離部を備えているサンプル分離吸着器具であって、該サンプル分離部は、第1緩衝液槽内に開口した第1開口および第2緩衝液槽内に開口した第2開口を有し、かつ第1開口からアプライされたサンプルを第2開口に向けて各成分に分離するための分離媒体を収納しており、
さらに、第1緩衝液槽内に配置された第1電極;および、第2緩衝液槽内に配置されるように第2開口に対向して固定された第2電極を備えていることを特徴としている。
本発明に係るサンプル分離吸着器具は、第2開口から排出されたサンプル成分を吸着させるための吸着用部材を第2開口と第2電極との間に保持した吸着用部材保持手段をさらに備えていてもよい。
本発明では、第1電極および第2電極に電圧を印加することにより、第1開口にアプライされたサンプルは、サンプル分離部にて各成分に分離され、分離されたサンプル成分は、第2開口から第2電極に向けて排出されるとともに第2電極上に吸着される。また、サンプル成分を吸着するための吸着用部材をさらに設けている場合は、分離されたサンプル成分は、第2開口から第2電極に向けて排出されるとともに吸着用部材上に吸着される。
従来の電気泳動によるサンプル分離は、電気泳動速度差に起因してサンプルを電気泳動媒体内で分離するものであり、電気泳動媒体内でサンプルを移動させ、分離したサンプル成分が電気泳動媒体から排出される前に電圧印加を終了する。従来のウエスタンブロッティング法は、電気泳動媒体に吸着用部材を密着させ電気泳動媒体に対して垂直に電圧を印加して電気泳動媒体内に分布したサンプル成分を吸着用部材に写し取るものである。
本発明が上記構成を有することにより、サンプル分離部の分離媒体において分離されたサンプル成分は、分離媒体内を第1開口から第2開口に向けて移動する。サンプル成分の分離および移動のために設けられた第2電極が、第2緩衝液槽内にて第2開口に対向して固定されているので、分離されたサンプル成分は、サンプル分離部(分離媒体)から第2電極に向けて第2開口を介して排出される。ここで、第2開口と第2電極との間にはサンプル成分を吸着するための吸着用部材が保持されているので、排出されたサンプル成分は首尾よく吸着用部材に吸着する。もちろん、吸着用部材を設けていなくても、排出されたサンプル成分は首尾よく第2電極に吸着する。すなわち、本発明に係るサンプル分離吸着器具は、電気泳動のために印加された電圧を利用して、分離媒体から排出されたサンプル成分を首尾よく回収する器具である。
本発明に係るサンプル分離吸着器具は、第1緩衝液槽を、第1開口および第2開口により規定される第1方向に沿って移動させる第1駆動手段をさらに備えていることが好ましい。
上記構成を有していることにより、サンプル分離部を固定した第1緩衝液槽を第1駆動手段によって移動させて、第2開口と吸着部材(または第2電極)との距離を首尾よく調節することができる。
本発明に係るサンプル分離吸着器具は、第2開口と第2電極(または吸着用部材)との相対位置を、第1開口および第2開口により規定される第1方向と略垂直な第2方向に沿って変更する第2駆動手段をさらに備えていることが好ましい。
上記構成を有していることにより、吸着用部材または分離媒体を移動させて、排出されるサンプル成分を順次吸着用部材の表面に吸着させることができる。
本発明に係るサンプル分離吸着器具は、上記サンプル分離部が、第2緩衝液槽に充填した第2緩衝液の液面に対して略垂直に配置されていても、第2緩衝液槽に充填した第2緩衝液の液面に対して略水平に配置されていてもよい。
第2緩衝液槽に充填した第2緩衝液の液面に対してサンプル分離部を垂直に配置する場合は、第2緩衝液を充填するための第2緩衝液槽となる容器を水平に配置し、当該容器内の底面に第2電極を配置し、第2電極の上に吸着用部材を載せ、当該吸着用部材に対して略垂直にサンプル分離部3を配置する。サンプル分離部3は分離媒体と分離媒体を保持するサンプル分離部からなる。第2緩衝液槽を第2緩衝液で充填するとともに、分離媒体の上端部(すなわち、サンプル分離部の第1開口部)に第1緩衝液を充填するための第1緩衝液槽を配置し、分離媒体の上端面にサンプルを配置する。次いで、第1緩衝液槽に電圧印加のための第1電極を配置し、第2緩衝液槽内の分離媒体の下端部(すなわち、サンプル分離部の第2開口部)に対向する部位に通電のための第2電極を配置する。第1電極および第2電極に電圧を印加することにより、サンプルを下方に移動させつつ分離させる。これと同時に、分離媒体下端部(サンプル分離部の第2開口部)と吸着用部材とが対向している部位を相対的に移動させる。これによって分離媒体下端部(サンプル分離部の第2開口部)から第2電極に向けて排出されたサンプル成分は、吸着用部材(または第2電極)に電気泳動媒体中での速度差に従ったパターンとして吸着される。
第2緩衝液槽に充填した第2緩衝液の液面に対してサンプル分離部を水平に配置する場合は、サンプル分離部の第1開口部に第1緩衝液を充填するための第1緩衝液槽を配置し、サンプル分離部の第2開口部に第2緩衝液を充填するための第2緩衝液槽を配置し、第1緩衝液槽と第2緩衝液槽とを連絡するようにサンプル分離部を配置する。次いで、第1緩衝液槽に電圧印加のための第1電極を配置し、第2緩衝液槽内でありかつサンプル分離部の第2開口部に対向する部位に通電のための第2電極を配置し、分離媒体下端部(サンプル分離部の第2開口部)と第2電極の間に吸着用部材を配置する。第1電極および第2電極に電圧を印加することにより、サンプルを側方(第2緩衝液面に対して水平方向)に移動させつつ分離させる。これと同時に、サンプル分離部の第2開口部と対向している吸着用部材を、第1開口および第2開口により規定される第1方向に対して直角方向に移動させる。これによって分離媒体下端部(サンプル分離部の第2開口部)から第2電極に向けて排出されたサンプル成分は、吸着用部材(または第2電極)に電気泳動媒体中での速度差に従ったパターンとして吸着される。
このように、本発明を用いれば、電気泳動によるサンプル分離と、ウエスタンブロッティング法によるサンプル転写(吸着)とを一連の作業として連続して行うことができる。
本発明に係るサンプル分離吸着器具において、分離媒体を収納するサンプル分離部は、2枚の板状絶縁体および該板状絶縁体の間に収納される分離媒体の厚さを規定するスペーサからなることが好ましい。また、サンプル分離部の形状が第1開口から第2開口に向かって先細であってもよい。
上記構成を有していることにより、本発明におけるサンプル分離部は、従来公知のスラブゲルと同様に取り扱うことができる。
本発明に係るサンプル分離吸着器具において、第2駆動手段によって吸着用部材を移動させて第2開口と第2電極(または吸着用部材)との相対位置を変更する場合、第2電極は、形状が第2開口と同一であり、大きさが第2開口と同一または第2開口より小さいことが好ましい。
サンプル分離部が上記構成を有している場合、第1開口および第2開口は長方形であり得、第2電極の形状もまた長方形であることが好ましい。第2電極の大きさは第2開口と同一またはそれより小さいことが好ましく、例えば、第2電極の形状はいわゆる線状であり得る。線状の第2電極を用いる場合、第2電極は吸着用部材の裏面に押し付けられて、吸着用部材を移動させても第2電極の位置は分離媒体端面(すなわち、第2開口)付近に固定され得る。なお、この場合、第2電極は第2緩衝液槽に固定されている必要はないが、常に分離媒体端面(すなわち、第2開口)に対向している必要がある。よって、第2電極固定手段はサンプル分離部と一体形成されていてもよい。
電圧印加する第2電極が面状でなく線状であるので、サンプル吸着(転写)部位における均一な電圧印加を容易にして不均一な吸着(転写)を回避することができる。
本発明に係るサンプル分離吸着器具において、第2駆動手段によって第2開口と第2電極(または吸着用部材)との相対位置を変更する場合、第2電極は、平坦な面からなることが好ましく、第2緩衝液槽内に固定されていることが好ましい。
面状の第2電極を用いる局面において、吸着用部材を移動させて第2開口と第2電極(または吸着用部材)との相対位置を変更する場合、第2電極は吸着用部材の裏面に配置され、吸着用部材とともに移動する。すなわち、第2駆動手段は、第2電極を移動させる移動手段であっても吸着用部材を移動させる移動手段であってもよい。また、面状の第2電極を用いる局面において、サンプル分離部を移動させて第2開口と第2電極(または吸着用部材)との相対位置を変更する場合、第2緩衝液槽内に配置される第2電極および吸着用部材を移動させる必要がない。
本発明に係るサンプル分離吸着器具において、第2開口の形状が長方形である場合、第2電極がストライプ形状に分割されていることもまた好ましい。この場合、第2開口に対向して配置された絶縁基板上に、ストライプ状の複数の第2電極が平行に配列されていることが好ましい。
上記構成を有するサンプル分離吸着器具において、第2開口近傍において複数のストライプ状第2電極は吸着用部材に対して静止している。第2駆動手段によって第2開口と第2電極(または吸着用部材)との相対位置を変更することにより、第2開口が最も近接する第2電極も変更されることになる。このような構成を用いれば、第2開口に最も近接する第2電極にのみ電圧を印加させればよいので、面状の第2電極全体に電圧を印加するより低電流にてサンプルの分離・吸着を行うことができる。なお、本構成においては、対象となる第2電極にのみ電圧が印加されるようなスイッチを構成すればよい。
なお、本発明に係るサンプル分離吸着器具において、吸着用部材は膜状であることが好ましい。
膜状の吸着用部材を用いる場合、第2駆動手段が、ロール状に巻き上げられた状態の吸着用部材を引き出したり、分離吸着後にロール状に巻き取ったりすることができる構成を有していることにより、器具全体を小型化することができる。
本発明に係るサンプル分離吸着器具は、印加電圧および第2駆動手段を時間的に制御するための制御部をさらに備えていることが好ましい。より好ましくは、制御部における制御が、第1電極と第2電極との間の電流値に依存して行われ得る。
例えば、分離媒体に流れる電流値をモニタリングして、該電流値に応じて吸着用部材の移動速度を制御する。あるいは、蛍光標識されたマーカー分子をサンプルとともに電気泳動し、マーカー分子の移動速度をモニタリングして吸着用部材の移動速度を制御する。この場合、本発明に係るサンプル分離吸着器具は、光照射部および蛍光検出部をさらに備えていることが好ましい。
このように、吸着用部材の移動速度を時間的に制御することにより、吸着したサンプル成分の吸着パターンを変化させることができる。また電圧印加と吸着用部材の移動速度を独立して制御することができるので、分離媒体の端面から排出されるサンプル成分の分子量に応じた電圧印加と吸着用部材の移動速度制御が可能となり、その結果、低分子量のサンプル成分が吸着用部材を突き抜けることや、高分子量のサンプル成分が吸着(転写)不良を生じることを回避し得る。
なお、本発明に係るサンプル分離吸着器具において、吸着用部材と電極との間の電気的接続を良好にするために、これらの間に濾紙を配置してもよい。
本発明に係るサンプル分離吸着法は、第1電極および第2電極に電圧を印加することにより、サンプルを分離しかつ吸着用部材に吸着させる方法であって、第1電極を、サンプル分離部の第1開口が開口する第1緩衝液槽内に配置する工程;第2電極を、サンプル分離部の第2開口に対向して固定する工程;サンプル分離部の第2開口および第2電極を、第2緩衝液槽内に配置する工程;ならびに、該吸着用部材を、サンプル分離部の第2開口と第2電極との間に保持する工程、を包含することを特徴としている。
本発明に係るサンプル分離吸着法において、第2電極(または吸着用部材)と第2開口との相対位置を、第1開口および第2開口により規定される第1方向に対して略垂直な第2方向に沿って変更する工程をさらに包含することが好ましい。
本発明に係るサンプル分離吸着器具は、電気泳動を実行する分離媒体の上端面に第1緩衝液を満たす第1緩衝液槽を配置し、分離媒体の下端面に第2緩衝液を満たす第2緩衝液槽を配置し、第1緩衝液槽内に第1電極を配置し、第2緩衝液槽側に通電のための第2電極を配置し、分離媒体の第2緩衝液槽側端面と第2電極との間に吸着用部材を配置し、通電により分離媒体中を移動した後に第2緩衝液槽側端面から排出されたサンプル成分を吸着用部材に吸着させながら分離媒体に対して吸着用部材を相対的に移動させてサンプル成分の吸着を行うことを特徴としている。
本発明に係るサンプル分離吸着器具は、第2緩衝液を充填するための第2緩衝液槽を水平に配置し、第2緩衝液槽内の底面に第2電極を配置し、第2電極の上に吸着用部材を載せ、当該吸着用部材に対して略垂直に分離媒体を配置し、第2緩衝液槽を第2緩衝液で満たし、分離媒体の上端部に第1緩衝液を充填するための第1緩衝液槽を配置し、分離媒体の第1緩衝液槽側端面にサンプルを配置し、第1緩衝液槽内に電圧印加のための第1電極を配置して電気泳動によりサンプルを下方に分離移動させるとともに、分離媒体と吸着用部材とを相対的に移動させて分離および吸着を行うことが好ましい。
本発明に係るサンプル分離吸着器具において、分離媒体を略水平に配置し、吸着用部材を略垂直方向へ移動させることが好ましい。
本発明に係るサンプル分離吸着器具において、第2電極における吸着用部材に接する部分が線状でありその幅が分離媒体の第2緩衝液槽側端面の厚み幅と略同等またはそれ以下であり、吸着用部材の移動に際して第2電極が分離媒体の第2緩衝液槽側端面に対して静止していることもまた好ましい。
本発明に係るサンプル分離吸着器具において、吸着用部材に接する第2電極は面状であり得、この場合、吸着用部材に対して第2電極が静止した状態で分離媒体が吸着用部材に対して相対的に移動し、第2電極の大きさは、分離サンプルが分離媒体から吸着用部材に転写される際の分離媒体の全移動範囲と同等以上であることが好ましい。
本発明に係るサンプル分離吸着器具において、第2電極はストライプ状に分割され得、この場合、吸着用部材の移動とともに常に分離媒体端面に近いストライプ状第2電極に電圧が印加される様に電気的に切り替わる構成を有していることが好ましい。
本発明に係るサンプル分離吸着器具において、吸着用部材は膜状であり得、この場合、分離媒体と吸着用部材とを相対的に移動させる移動手段が、ロール状に巻き上げられた状態から引き出される、および/または分離転写後にロール状に巻き取られる構成を有していることが好ましい。
本発明に係るサンプル分離吸着器具は、印加電圧および分離媒体−吸着用部材間の相対速度が時間的に制御されていることが好ましい。
本発明に係るサンプル分離吸着器具において、上記制御は、第1電極と第2電極との間の電流値に依存して行われてもよい。
本発明に係るサンプル分離吸着器具において、上記制御は、蛍光標識されたマーカー成分をサンプルと同時に分離媒体の第1緩衝液槽側端面上に配置し、蛍光スポットの移動を蛍光検出部で観測し、その移動速度に依存して行われてもよい。
本発明に係るサンプル分離吸着器具において、分離媒体の厚みは、電気泳動開始側に対して電気泳動終了側で薄くなっていてもよい。
本発明を用いれば、電気泳動によるタンパク質分離と吸着部材によるサンプル成分の回収を同一器具内にて一連の操作で行うことができる。特に、第2開口と第2電極(または吸着用部材)との相対位置を変更する駆動手段を備えている本発明を用いた場合は、電気泳動によるタンパク質分離とウエスタンブロッティングによる転写を同一器具にて一連の操作で行うことができるので、総工程に要する時間を短縮し得、自動化を容易にし得、再現性の向上を図ることができる。
〔1:第1の実施形態〕
本発明に関るサンプル分離吸着器具100の一実施形態を、図1〜7を用いて説明する。
図1は、本実施形態に係るサンプル分離吸着器具100の、サンプルの分離および吸着を実行する状態における断面図を示す。
サンプル分離吸着器具100は、第1緩衝液槽1、第2緩衝液槽2およびサンプル分離部3を備えている。サンプル分離部3は、サンプル10を分離するための分離媒体33を内部に収納することができる。図1は、2枚の絶縁板34および絶縁板34の間に分離媒体33を収納するための空間を設けるためのスペーサ(示さず)から構成されるサンプル分離部3が、分離媒体33を収納した状態を示している。
サンプル分離部3は、図1中上方および下方にそれぞれ第1開口31および第2開口32を有しており、第1開口31および第2開口32はそれぞれ第1緩衝液槽1および第2緩衝液槽2に開口している。サンプル10の分離を実行する際には、第1緩衝液槽1および第2緩衝液槽2にはそれぞれ第1電極12および第2電極22が配置され、それぞれ第1緩衝液11および第2緩衝液21が充填され、分離媒体33の上部に第1開口31を介してサンプル10が載せられる。次いで、第1電極12および第2電極22に電圧を印加することにより、サンプル10に含まれる各成分は図1中下方に移動する。ここで、各サンプル成分の間に生じる移動度の差に基づいて、サンプル10は分離媒体33中にて分離される。
図1に示すように、本実施形態に係るサンプル分離吸着器具100は、第2電極22を第2開口32に対向して配置するための第2電極固定手段4をさらに備えている。図1は、第2緩衝液槽2の内部に設置された第2電極固定手段4が第2電極22を固定している状態を示している。本構成を有していることにより、第1電極12および第2電極22に電圧を印加することにより図1中下方に移動したサンプル成分は、サンプル分離部3の第2開口32から第2電極固定手段4上に固定された第2電極22に向けて排出される。
本実施形態に係るサンプル分離吸着器具100は、第2開口32から排出されたサンプル成分を吸着するための吸着用部材6を第2開口32と第2電極22との間に保持するための吸着用部材保持手段5をさらに備えている。図1は、第2緩衝液槽2の内部に設置された第2電極固定手段4と連結された吸着用部材保持手段5が、吸着用部材6を第2電極22上に押し付けて保持している状態を示している。本構成を有していることにより、第2開口32から第2電極に向けて排出されたサンプル成分は、吸着用部材保持手段5によって保持された吸着用部材6に吸着される。
用語「サンプル」は当該分野において標本、調製物と同義で用いられ、本明細書中で使用される場合、「生物学的サンプル」またはその等価物が意図される。「生物学的サンプル」は、供給源としての生物材料(例えば、個体、体液、細胞株、組織培養物もしくは組織切片)から得られる、任意の調製物が意図される。生物学的サンプルとしては、体液(例えば、血液、唾液、歯垢、血清、血漿、尿、滑液、および随液)および組織供給源が挙げられる。好ましい生物学的サンプルは、被験体サンプルである。好ましい被験体サンプルは、被験体から得た皮膚病変部、喀痰、咽頭粘液、鼻腔粘液、膿、または分泌物である。本明細書中で使用される場合、用語「組織サンプル」は、組織供給源より得られた生物学的サンプルが意図される。哺乳動物から組織生検および体液を得るための方法は当該分野で周知である。本明細書中で使用される場合、用語「サンプル」としては、上記生物学的サンプルおよび上記組織サンプル以外に、上記生物学的サンプルおよび上記組織サンプルより抽出したタンパク質サンプル、ゲノムDNAサンプルおよび/または総RNAサンプルも挙げられる。また、「サンプル成分」は、「サンプル」を構成する種々の因子(成分)が意図される。
なお、第2電極を吸着用部材として用いて第2電極上に分離サンプルを直接吸着させてもよい。この場合は、サンプル分離吸着器具100は、第2電極22が吸着用部材6として機能し得、第2電極固定手段4が吸着用部材保持手段5として機能し得る。
また、本実施形態に係るサンプル分離吸着器具100においては、分離媒体33としてアクリルアミドゲルを用いた分子量分離(いわゆる、SDS−PAGE)が可能であり、用いられるサンプル10としては、例えば、等電点電気泳動により分離されたサンプルを内包する1次元ゲルであってもよい。
続いて、複数のサンプル成分の分離パターンを維持したまま吸着用部材6に吸着させる場合に必要とされるサンプル分離吸着器具100の構成を、斜視図(図2)、断面図(図3)および概念図(図4)を用いて説明する。なお、図2〜4においては、図面を簡略化するために第2電極固定手段4および吸着用部材保持手段5を省略している。
図2はサンプル分離吸着器具100の斜視図であり、サンプル分離吸着器具100全体を固定するための基盤9の上に第2緩衝液槽2が固定され、第2緩衝液槽2の内部底面に面状の第2電極22aが固定され、第2電極22aの上部には吸着用部材6が保持されている。基盤9に対して略垂直に配置されたサンプル分離部3の上端面には第1緩衝液槽1がサンプル分離部3と連結して配置されている。サンプル分離部3はさらに、アーム71bを介して第1駆動手段71に結合されており、第1駆動手段71は、基盤9の上に固定された第2駆動手段72にさらに結合されている。第1駆動手段71および第2駆動手段72によって、基盤9に対して略垂直方向(第1方向M)および略水平方向(第2方向N)へのサンプル分離部3の移動を制御し得る。
図3は、図2に示したサンプル分離吸着器具100から第1駆動手段71および第2駆動手段72を省略した状態を示す断面図であり、電源111より配線112を介して第1電極12と第2電極22aとの間に電圧が印加されている状態を示している。図3に示すように、第1緩衝液槽1は第1緩衝液11で満たされ、第2緩衝液槽2は第2緩衝液21で満たされており、第1電極12が第1緩衝液11に浸されている。また、分離媒体33の下方端面は第2緩衝液21に接し、上方端面は第1緩衝液11に接している状態でサンプル10が載せられている。
図4は、サンプル分離吸着器具100におけるサンプル成分の分離吸着の概念図である。サンプル10は、分離媒体33上端に配置されている。電源111により第1電極12と第2電極22aとの間に電圧が印加されると、サンプル10は分離媒体33中を第1方向Mに沿って移動し、移動度の差によりサンプル成分10a・10bとして分離される(図4(a))。電圧を印加し続けるとサンプル成分10a・10bは分離媒体33下端から排出され、排出されたサンプル成分10a・10bは、面状の第2電極22aへ電気的に引かれることにより吸着用部材6に吸着され、その結果、吸着用部材6上に吸着スポット10a’・10b’が形成される(図4(b))。ここで、サンプル分離(電気泳動)操作を行いながらサンプル分離部3を第2方向Nに沿って移動させると、サンプル成分10a・10bが排出される時間の差に起因して位置が異なる吸着スポット10a’および10b’が形成される。以上の操作により、分離されたサンプル10a・10bの分離パターンが、吸着パターン10a’・10b’として吸着用部材6上に反映され、複数のサンプル成分の吸着パターンを得ることができる。
上述したように、サンプルの分離パターンを吸着パターンとして吸着用部材上に反映するためには、サンプル分離部3と吸着用部材6とが相対的に移動する必要があるが、サンプル分離部3が移動して吸着用部材6が静止していてもよく、吸着用部材6が移動してサンプル分離部3が静止していてもよい。
第2電極としては図2〜4で示した平面状の電極22aを使用してもよいが、面状の電極22aを用いた場合は分離媒体33端面から第2電極への電気力線が広がる可能性があり、分離媒体33から排出されたサンプル成分が拡散して吸着パターンの分解能の低下を招く可能性がある。分解能の低下を防ぐためには、第2電極の面積を小さくすることが好ましい。第2電極のバリエーションを、図5および6を用いて説明する。なお、図5および6においてもまた、図面を簡略化するために第2電極固定手段4および吸着用部材保持手段5を省略している。
図5は、第2電極固定手段4でもある絶縁基板41上にストライプ状の第2電極22bを複数配置させたサンプル分離吸着器具100の断面図を示す。ストライプ状の第2電極を用いることにより、面状の第2電極より総面積を小さくすることができる。操作については、面状電極を用いた場合と同様に、第2電極22bを吸着用部材6に対して静止させ、サンプル分離部3と第2電極22bとの間の相対位置を変更させればよい。また、スイッチ113を用いて電圧印加を電気的に切り替えれば、分離媒体33の下方端面に最も近い第2電極のみをオンにすることができるので、より好ましい。なお、スイッチ113は機械的でもよいし、電子回路を用いてもよい。
あるいは、図6に示すように線状の第2電極22cを用いて分離媒体33下端面から第2電極への電気力線を集中させることが好ましい。なお、線状の第2電極22cを用いる場合、第2電極22cはサンプル分離部3に対して静止している必要がある。なお、線状の第2電極22cは、サンプル分離部3と連結していて設けられていても、第2緩衝液槽2内に設けられていてもよい。
第1駆動手段71および第2駆動手段72は、それぞれ第1方向および第2方向への移動を首尾よく実行し得るものであれば、図2に示したものに限定されない。第2駆動手段のバリエーションの1つを、図7を用いて説明する。なお、図7においてもまた、図面を簡略化するために第2電極固定手段4を省略している。
図7は、サンプル分離部3を垂直に配置し、吸着用部材巻きつけ部であるロール72a、吸着用部材巻取り部であるロール72bを用いて吸着用部材6を搬送する構成を有したサンプル分離吸着器具100の断面図を示す。ロール72a・72bは、第2電極層2に固定されており、吸着用部材6を所定の位置に配置するための吸着用部材保持手段としても機能している。図に示すように、第2電極22cは、サンプル分離部3の第2開口に対向して設けられている。なお、第2電極22cを固定するための第2電極固定手段(示さず)は、第2緩衝液槽2に固定されていても、サンプル分離部3に固定されていてもよい。ロール72a・72bは、図中に示す矢印の方向に回転することにより分離媒体33から排出される複数のサンプル成分を吸着用部材6上に吸着して、吸着用部材6に吸着パターンを形成する。
〔2:第2の実施形態〕
上述したように、第1の実施形態に係るサンプル分離吸着器具100を用いて、第2開口と第2電極(または吸着用部材)との相対位置の変更が、サンプル分離吸着器具100全体を固定するための基盤(または第2緩衝液21液面)に対して略水平に行われる態様を説明したが、本発明は、サンプル分離工程を略水平方向にて実行し、吸着工程を略垂直方向にて実行することも可能である。第2開口と第2電極(または吸着用部材)との相対位置の変更が、基盤(または第2緩衝液21液面)に対して略垂直に行われる態様について、本発明に係る第2の実施形態として、図8を用いて以下に説明する。
図8は、本実施形態に係るサンプル分離吸着器具100’の、サンプルの分離および吸着を実行する状態における断面図を示す。
サンプル分離吸着器具100’は、第1緩衝液槽1、第2緩衝液槽2およびサンプル分離部3を備えている。サンプル分離部3は、サンプル10を分離するための分離媒体33を内部に収納することができる。図8は、2枚の絶縁板34および絶縁板34の間に分離媒体33を収納するための空間を設けるためのスペーサ(示さず)から構成されるサンプル分離部3が、分離媒体33を収納した状態を示している。
サンプル分離部3は、図8中左方および右方にそれぞれ第1開口31および第2開口32を有しており、第1開口31および第2開口32はそれぞれ第1緩衝液槽1および第2緩衝液槽2に開口している。サンプル10の分離を実行する際には、第1緩衝液槽1および第2緩衝液槽2にはそれぞれ第1電極12および第2電極22が配置され、それぞれ第1緩衝液11および第2緩衝液12が充填され、第1開口31を介してサンプル10が分離媒体33に供される。次いで、第1電極12および第2電極22に電圧を印加することにより、サンプル10に含まれる各成分は図8中右方に移動する。ここで、各サンプル成分の間に生じる移動度の差に基づいて、サンプル10は分離媒体33中にて分離される。図8には第2電極22を固定するための第2電極固定手段を示していないが、本構成を有していることにより、第1電極12および第2電極22に電圧を印加することにより図8中右方に移動したサンプル成分は、サンプル分離部3の第2開口32から第2電極固定手段4上に固定された第2電極22に向けて排出される。なお、第2電極固定手段は、第2緩衝液槽2に固定されていても、サンプル分離部3に固定されていてもよい。
本実施形態に係るサンプル分離吸着器具100’は、第2駆動手段として吸着用部材6を搬送するための吸着用部材巻きつけ部であるロール72aおよび吸着用部材巻取り部であるロール72bを備えている(図8)。ロール72aは第2電極層2に固定されており、ロール72bは保持部(示さず)を介してサンプル分離吸着器具100’に固定されている。なお、ロール72a・72bは、第2開口32から排出されたサンプル成分を吸着させる吸着用部材6を、第2開口32と第2電極22との間に保持するための吸着用部材保持手段としても機能している。図8は、第2緩衝液槽2の内部に設置された第2電極固定手段4と連結された吸着用部材保持手段5が、吸着用部材6を第2電極22上に押し付けて保持している状態を示している。本構成を有していることにより、第2開口32から第2電極に向けて排出されたサンプル成分は、吸着用部材保持手段5によって保持された吸着用部材6に吸着される。
上記構成を有していることにより、サンプル分離吸着器具100’は、第2開口と第2電極(または吸着用部材)との相対位置の変更を、第2緩衝液21液面に対して略垂直に行うことができる。なお、上記変更を首尾よく行うために、図8に示すようなガイド72cを用いることもまた好ましい。
なお、図8において、第1開口31および第2開口32により規定される第1方向(図中M)に沿って移動させる第1駆動手段を示していないが、本実施形態において、第1駆動手段は、サンプル10を分離媒体33と首尾よく接するように配置するためのサンプル駆動手段として機能し得る。よって、第1の実施形態と同様に、用いられるサンプル10としては、例えば、等電点電気泳動により分離されたサンプルを内包する1次元ゲルであってもよい。
図9は、本発明を実施する際のサンプル移動と吸着パターンとの関係を示す。図中、サンプル分離部3および吸着用部材6をそれぞれ1次元で示し、時間軸方向に時間経過による分離スポットの移動を示した。なお、図9では、吸着用部材6が移動する場合を例に挙げて説明している。
電圧印加によって分離媒体33中をサンプル成分が第1方向Mへ移動し、これらの移動度の差により分離した各成分は、分離媒体下端面から排出されて吸着用部材6に吸着される。吸着用部材6は時間経過(t=1、t=2、t=3)とともに第2方向Nへ移動しているため、分離開始から排出までの総時間の差が吸着用部材6上にパターンとして形成される。
本発明においては、最も移動度の小さなサンプル成分が分離媒体33の分離媒体下端から排出され転写されるまで電圧印加を行うが、従来行われている電気泳動後の転写の場合、最も移動度の高いサンプル成分が分離媒体の分離媒体下端に達する前に電気泳動を停止して、吸着パターン(分離パターン)の検出を行う。従来の電気泳動では一定時間における移動距離の相違により分離パターンが形成されるのに対して、本発明では一定距離を進むのに要する時間の差でパターンが形成される。換言すると、従来の電気泳動のみの場合は移動度に比例したパターンが形成されるのに対して、本発明では移動度の逆数に比例したパターンが形成される。
一般に、タンパク質などのサンプルをSDS−PAGEなどで分離した場合、低分子量側のスポット間隔は広がり、高分子量領域のスポット間隔は蜜になるため、高分子側の分解能が不十分であった。かような問題を解決する方法として、密度勾配を有するグラジェントゲルが用いられている。本発明では、移動度の逆数に比例したパターンが形成されるためにこの問題が解決されている。
しかしながら、従来の電気泳動パターンとの比較が必要となり従来と同様のパターンが要求される場合も考慮しなければならない。本発明においては、サンプル分離(電気泳動)の進行とは独立して吸着用部材の移動速度を制御することが可能であり、移動速度調節または印加電圧の調節によって従来と同様のパターンを形成させ得る。図10は、吸着用部材6の移動速度を電気泳動の経過とともに減速させて、従来の電気泳動パターンと同一のパターンを得る方法を示す。この場合、吸着用部材6の移動速度を一定にして、サンプル分離部3へ印加する電圧を時間とともに増加させてもよい。
吸着用部材6の移動を電気泳動の進捗と独立で駆動している場合、分離媒体33内のサンプルスポット移動速度が何らかの原因で電圧低下等が起こり変調した場合、吸着パターンにずれが生じる(図11中における変調P)。従来の電気泳動の場合は、電気泳動中に電圧等の変動があっても電気泳動媒体全体が変調されるため、最終的に得られたパターンへの影響は少ない。本発明では、かような不具合を避けるために電気泳動の速度をモニタリングして印加電圧または吸着用部材の移動速度を制御し得る(図12中における変調Q)。具体的には図13に示すような構成を有するサンプル分離吸着器具100において、電気泳動中の電流を電流計114でモニタリングし、電流値変動から移動速度変動をデータ処理部83にて算出して第1電極12および第2電極22へ印加する電圧を制御するか、または第2駆動手段72の駆動を制御する駆動手段制御部83を制御する。あるいは、蛍光標識したマーカーサンプルを分離すべきサンプルと同時に電気泳動し、マーカーサンプルの移動速度を蛍光検出部92にて検出し、データ処理部81にて移動速度変調を算出し、第1電極12および第2電極22へ印加する電圧を制御するか、または吸着用部材6のロール(吸着用部材巻取り部)72bをローブ制御部82にて制御する(図14)。
図15に示すように、分離媒体33の厚みが転写された吸着スポット10a’・10b’の分解能を低下させ、最悪の場合、これらの分離スポット10a’・10b’が重なってしまう。図16に示すように、分離媒体33を十分に薄くすると、吸着スポット10a’・10b’の分解能低下を回避することができる。しかしながら、分離媒体33が薄い場合は、サンプルの導入が困難となるため、図17に示すように分離媒体33の入り口部分(すなわち、第1開口)を厚くし、出口部分(すなわち、第2開口)を薄くすることによりこの問題を回避し得る。
第1開口31および第2開口32においてのみ分離媒体33が第1緩衝液11および第2緩衝液21と接していることが好ましいので、分離媒体33を収納するサンプル分離部3は、絶縁体から構成されることが好ましく、防水性が高い物質からなることがより好ましい。また、リアルタイムモニタリングなどのように分離媒体33をサンプル分離部3から取り外すことなくサンプル成分(例えば、10a・10b)を検出するためには、サンプル分離部3は光透過性の高い物質からなることが好ましい。このような特性を兼ね備えた物質としては、ガラス、樹脂が挙げられ、樹脂材料としてはPMMA、PDMS、COP、ポリカーボネート、ポリスチレン、PET、塩ビなどが挙げられ、重量や操作性、生産性の観点からアクリル樹脂(例えば、ポリメチルメタクリレート(PMMA)など)が好ましい。
第1緩衝液槽1、第2緩衝液槽2およびサンプル分離部3を構成する材料はそれぞれ同一であっても別であってもよい。第1緩衝液槽1および第2緩衝液槽2は、緩衝液が充填されるという観点から防水性が高い物質からなることが好ましい。
第1緩衝液槽1および第2緩衝液槽2にそれぞれ設けられる第1電極12および第2電極22は、固定されていてもされていなくてもよい。固定されている場合は、第1電極12および第2電極22は、それぞれ第1緩衝液槽1および第2緩衝液槽2にパターニング形成された導電体であってもよい。
第1及び第2の実施形態、ならびに図面において、本発明における第2開口32の位置を示しやすくするために、吸着用部材6が第2電極22と接触している状態を用いて説明したが、本発明を実行するにあたり、吸着用部材6が第2電極22と密着している必要はない。すなわち、吸着用部材6は、第2開口32と接していても、第2電極22と接していてもよく、いずれにも接していない状態であってもよい。また、第2開口32、吸着用部材6および第2電極22の全てが接していても、本発明を首尾よく実行し得る。このように、吸着用部材保持手段5が、吸着用部材6を第2開口32と第2電極22との間に保持するために機能する手段であればよいことを、本明細書を読んだ当業者は容易に理解する。また、第2開口32、吸着用部材6、第2電極22の間隔を調節する必要がある場合は、第1駆動手段71がその機能を担うということを、本明細書を読んだ当業者は容易に理解する。
また、本明細書中に記載された学術文献および特許文献の全てが、本明細書中において参考として援用される。
〔1次元目電気泳動(サンプル媒体10)〕
イモビラインによる固定化pH勾配等電点電気泳動用ゲルを1mm×60mmに切断して用いた。サンプル導入とゲル膨潤を行い、3500Vで8時間の電気泳動を行った。
〔サンプル分離部3〕
60mm×50mm×2mm厚を有する2枚の板状絶縁体34でテーパー状スペーサを左右端に配して挟み、内部に分離媒体33としてポリアクリルアミドゲルを充填し、出口端面厚0.2mm、入り口端面ゲル厚1.0mmとしたものを用いた。分離媒体を保持する板状絶縁体34は、ガラスまたは樹脂(例えば、PMMA(ポリメチルメタクリレート))からなる。
〔第1緩衝液槽1〕
70mm×10mm×深さ10mmの第1緩衝液槽1をサンプル分離部3の上端に取り付ける。1次元目電気泳動を行ったサンプル媒体10を平衡化処理した後、分離媒体33の上端面に設置しアガロースにて固定した。第1緩衝液11で第1緩衝液槽1を満たし、第1電極12として白金線を用いた。
〔第2緩衝液槽2〕
70mm×100mm×深さ10mmの第2緩衝液槽2を基盤9の上に配置し、底面中央に60mm×70mm×0.5mm厚の白金鍍金されたチタン板を第2電極22として配置し、濾紙2枚を載せ、その上に吸着用部材6として60mm×60mmのアクリルセルロースあるいはPVDF膜を第2電極22上に固定した。第2緩衝液槽2を第2緩衝液21で満たした。
〔サンプル分離部3の搬送手段8〕
サンプル分離部3の移動を行うための搬送手段を、ステッピングモータ駆動のX軸ステージ(第1駆動手段72)およびZ軸ステージ(第1駆動手段71)により構成し、全体基盤9の上に配置した。X軸ステージ72をストローク85mm(分解能1μm/パルス)とし、Z軸ステージ71をストローク15mm(分解能1μm/パルス)とし、汎用の多軸ステッピングモータコントローラを介してGPIB接続したパーソナルコンピュータにて制御した。サンプル分離部3をアーム71bを介してZ軸ステージ71に固定し、図2〜3に示すようにサンプル分離部3が吸着用部材6に接するようZ軸方向(第1方向M)の移動を行った。
〔電圧印加〕
第1電極12を高圧電源111のマイナス側、第2電極を高圧電源111のプラス側に接続し、電源111と第2電極22との間に電流計114を配置し、一定電流(10mA)となるようにデータ処理部81を介して電圧を制御した。
〔サンプル分離部3の搬送〕
サンプル分離部3への電圧印加の後、最も移動速度の早いサンプル成分が電気泳動媒体の端面に達する時刻から駆動手段制御部83により第2駆動手段72を駆動して、X軸方向(第2方向N)へのサンプル分離部3の搬送を開始した。搬送速度は最も移動速度の遅いサンプル成分が排出する時刻に吸着用部材6の端面手前で終了するように、最適な速度を設定し制御した。
〔1次元目電気泳動(サンプル媒体10)〕
イモビラインによる固定化pH勾配等電点電気泳動用ゲルを1mm×60mmに切断して用いた。サンプル導入とゲル膨潤を行い、3500Vで8時間の電気泳動を行った。サンプルにはCy5で蛍光標識した分子量マーカーを混入した。
〔サンプル分離部3〕
60mm×50mm×2mm厚を有する2枚の板状絶縁体34でテーパー状スペイサーを左右端に配して挟み、内部に分離媒体33としてポリアクリルアミドゲルを充填し、出口端面厚0.2mm、入り口端面ゲル厚1.0mmとしたものを用いた。板状絶縁体34は、ガラスまたは樹脂(例えば、PMMA(ポリメチルメタクリレート))からなり、蛍光画像計測のため可視光領域にて透明な材料を選択した。なお、サンプル分離部3は水平に配置される。
〔第1緩衝液槽1〕
70mm×10mm×深さ10mmの第1緩衝液槽1をサンプル分離部3の電気泳動開始端に取り付ける。1次元目電気泳動を行ったサンプル媒体10を平衡化処理した後、分離媒体33の上端面に設置し固定した。第1緩衝液11で第1緩衝液槽1を満たし、第1電極12として白金線を用いた。
〔第2緩衝液槽2、ロール(吸着用部材巻きつけ部72aおよび吸着用部材巻取り部72b)〕
70mm×30mm×深さ10mmの第2緩衝液槽2をサンプル分離部3の電気泳動終了端に配置した。第2緩衝液槽2を第2緩衝液21で満たした。吸着用部材6としてのアクリルセルロースまたはPVDF膜を、ロール72aに巻きつけた状態で設置し、ガイド72cを経由して分離媒体33の第2緩衝液槽側端に接しながらロール72bにて巻き取る。第2電極22は線状の白金鍍金電極を用い、吸着用部材6を背面から分離媒体33の第2緩衝液槽側端面に押し付ける。
〔電圧印加〕
第1電極12を高圧電源111のマイナス側、第2電極を高圧電源111のプラス側に接続し、電源111と第2電極22の間に電流計114を配置し、一定電流(10mA)となるようにデータ処理装置81を介して電圧を制御した。
〔蛍光検出部92〕
サンプルに混入したCy5蛍光色素標識した分子量マーカーの移動速度をモニタリングするための蛍光検出部92を配置した。色素の励起にはハロゲンランプを光照射部91として用い、620nmのバンドパスフィルターを用いて分離媒体33の全面を照射し、蛍光画像は680nmのバンドパスフィルターを用いてCCDカメラによりリアルタイムで撮像した。分子量マーカーの移動速度を得られた蛍光画像から算出し、最も移動速度の早いサンプル成分と最も移動速度が遅い成分とを算出し、最も電気泳動が速い成分が電気泳動媒体の端面に達する時刻からロール制御部82を駆動して吸着用部材6の巻上げを開始した。最高速度成分から最低速度成分までが最適な吸着(転写)プロファイルに収まるように巻き上げ速度を制御した。また、途中に生じた速度変調を検出し、変調に合わせて巻き上げ速度を調整して吸着(転写)パターンのずれを抑制した。
本発明は上述した各実施形態および実施例に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明は、電気泳動装置およびウエスタンブロッティング装置の不利益を改善し得るので、現在盛んに行われているプロテオーム研究を、より発展させることができる。また、本発明に係るサンプル分離吸着器具および当該器具に用いる種々の部材を、別々に作製および販売することにより市場を活性化することができる。
本発明に係るサンプル分離吸着器具の一実施形態の要部構成を示す模式図である。 本発明に係るサンプル分離吸着器具の一実施形態の要部構成を示す模式図である。 本発明に係るサンプル分離吸着器具の一実施形態の要部構成を示す模式図である。 本発明に係るサンプル分離吸着器具におけるサンプルの分離および吸着の概要を示す概念図である。 本発明に係るサンプル分離吸着器具の一実施形態の要部構成を示す模式図である。 本発明に係るサンプル分離吸着器具の一実施形態の要部構成を示す模式図である。 本発明に係るサンプル分離吸着器具の一実施形態の要部構成を示す模式図である。 本発明に係るサンプル分離吸着器具の一実施形態の要部構成を示す模式図である。 本発明に係るサンプル分離吸着器具の時間経過を示す模式図である。 本発明に係るサンプル分離吸着器具の時間経過を示す模式図である。 本発明に係るサンプル分離吸着器具の時間経過を示す模式図である。 本発明に係るサンプル分離吸着器具の時間経過を示す模式図である。 本発明の一実施形態に係る電気泳動および吸着器具の要部構成を示す断面図である。 本発明の一実施形態に係る電気泳動および吸着器具の要部構成を示す断面図である。 本発明に係るサンプル分離吸着器具の一実施形態における分解能を説明する図である。 本発明に係るサンプル分離吸着器具の一実施形態における分解能を説明する図である。 本発明に係るサンプル分離吸着器具の一実施形態における分解能を説明する図である。
符号の説明
1 第1緩衝液槽
2 第2緩衝液槽
3 サンプル分離部
4 第2電極固定手段
5 吸着用部材保持手段
6 吸着用部材
7 駆動手段
8 制御部
9 基盤
10 サンプル(サンプル媒体)
10a、10b サンプル成分
11 第1緩衝液
12 第1電極
21 第2緩衝液
22 第2電極
22a 面状第2電極
22b ストライプ状第2電極
22c 線状第2電極
31 第1開口
32 第2開口
33 分離媒体
34、34a、34b 板状絶縁体
41 絶縁基板
71 第1駆動手段
71a スタンド
71b アーム
72 第2駆動手段
72a ロール(吸着用部材巻きつけ部)
72b ロール(吸着用部材巻取り部)
72c ガイド
81 演算部(データ処理部)
82 ロール制御部
83 駆動手段制御部
91 光照射部
92 蛍光検出部
100 サンプル分離吸着器具
111 電源
112 配線
113 スイッチ
114 電流計
M 第1方向
N 第2方向
P 電気泳動の変調
Q 吸着用部材の移動速度の変調

Claims (17)

  1. 第1電極が配置される第1緩衝液槽、第2電極が配置される第2緩衝液槽、および分離媒体が収納されるサンプル分離部を備えているサンプル分離吸着器具であって、該サンプル分離部は、第1緩衝液槽内に開口する第1開口および第2緩衝液槽内に開口する第2開口を有し、
    さらに、第2電極を第2開口に対向して配置するための第2電極固定手段を備えていることを特徴とするサンプル分離吸着器具。
  2. 第2開口から排出されたサンプル成分を吸着するための吸着用部材を第2開口と第2電極との間に保持するための吸着用部材保持手段をさらに備えていることを特徴とする請求項1に記載のサンプル分離吸着器具。
  3. 第1緩衝液槽、第2緩衝液槽およびサンプル分離部を備えているサンプル分離吸着器具であって、
    該サンプル分離部は、第1緩衝液槽内に開口した第1開口および第2緩衝液槽内に開口した第2開口を有し、かつ第1開口からアプライされたサンプルを第2開口に向けて各成分に分離するための分離媒体を収納しており、
    さらに、
    第1緩衝液槽内に配置された第1電極;および
    第2緩衝液槽内に配置されるように第2開口に対向して固定された第2電極
    を備えていることを特徴とするサンプル分離吸着器具。
  4. 第2開口から排出されたサンプル成分を吸着させるための吸着用部材を第2開口と第2電極との間に保持した吸着用部材保持手段をさらに備えていることを特徴とする請求項3に記載のサンプル分離吸着器具。
  5. 第1緩衝液槽を、第1開口および第2開口により規定される第1方向に沿って移動させる第1駆動手段をさらに備えていることを特徴とする請求項3に記載のサンプル分離吸着器具。
  6. 第2開口と第2電極(または吸着用部材)との相対位置を、第1開口および第2開口により規定される第1方向と略垂直な第2方向に沿って変更する第2駆動手段をさらに備えていることを特徴とする請求項3に記載のサンプル分離吸着器具。
  7. 前記サンプル分離部が、第2緩衝液槽に充填した第2緩衝液の液面に対して略垂直に配置されていることを特徴とする請求項3に記載のサンプル分離吸着器具。
  8. 前記サンプル分離部が、第2緩衝液槽に充填した第2緩衝液の液面に対して略水平に配置されていることを特徴とする請求項3に記載のサンプル分離吸着器具。
  9. 前記サンプル分離部が、2枚の板状絶縁体および該板状絶縁体の間に収納される分離媒体の厚さを規定するスペーサからなることを特徴とする請求項3に記載のサンプル分離吸着器具。
  10. 前記サンプル分離部の形状が第1開口から第2開口に向かって先細であることを特徴とする請求項3に記載のサンプル分離吸着器具。
  11. 第2電極は、形状が第2開口と同一であり、大きさが第2開口と同一または第2開口より小さいことを特徴とする請求項3に記載のサンプル分離吸着器具。
  12. 第2電極が、平坦な面からなりかつ第2緩衝液槽内に固定されていることを特徴とする請求項3に記載のサンプル分離吸着器具。
  13. 第2電極がストライプ形状に分割されていることを特徴とする請求項3に記載のサンプル分離吸着器具。
  14. 前記吸着用部材が膜状であることを特徴とする請求項4に記載のサンプル分離吸着器具。
  15. 印加電圧および第2駆動手段を時間的に制御するための制御部をさらに備えていることを特徴とする請求項3に記載のサンプル分離吸着器具。
  16. 制御部における制御が、第1電極と第2電極との間の電流値に依存して行われることを特徴とする請求項15に記載のサンプル分離吸着器具。
  17. 光照射部および蛍光検出部をさらに備えていることを特徴とする請求項3に記載のサンプル分離吸着器具。
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