JP2005106788A - 電気泳動用マイクロチップ - Google Patents
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Abstract
【課題】
タンパク質分析に用いられる電気泳動用マイクロチップであって、電気泳動における分離・測定・検出過程に加えて、タンパク質含有試料の前処理をチップ上で可能にし、作業工程を一体化することによって分析作業時間の短縮と省力化による効率の向上を図ることができるものを提供する。
【解決手段】
本発明に係る電気泳動用マイクロチップは、電気泳動を実施するための分離部のみならず、タンパク質を含有する試料の前処理を行なうための前処理部も有する。これによって、試料の前処理と分析を一体的に行なうことができ、試料分析の短時間化と自動化が可能になる。
タンパク質分析に用いられる電気泳動用マイクロチップであって、電気泳動における分離・測定・検出過程に加えて、タンパク質含有試料の前処理をチップ上で可能にし、作業工程を一体化することによって分析作業時間の短縮と省力化による効率の向上を図ることができるものを提供する。
【解決手段】
本発明に係る電気泳動用マイクロチップは、電気泳動を実施するための分離部のみならず、タンパク質を含有する試料の前処理を行なうための前処理部も有する。これによって、試料の前処理と分析を一体的に行なうことができ、試料分析の短時間化と自動化が可能になる。
Description
本発明は、タンパク質を含む試料の分離分析に用いられる電気泳動用マイクロチップに関するものである。
ホモジェナイズされた細胞等、生体試料などから得られるタンパク質の混合試料からタンパク質を分離し検出する方法としては、従来、主にSDS−PAGE(ドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミドゲル電気泳動)が用いられてきた。当該方法は、2枚のガラスプレートの隙間にポリアクリルアミドゲルを形成してこれを支持体とし、一本鎖であり且つ均一に電荷が付与されたタンパク質を、その分子の長さ(大きさ)により分離して検出する方法である。詳しくは、以下の工程を経て実施される。
前処理工程
試料に含まれるタンパク質のフォールディングを解いた上で、均一な電荷を付与するための工程である。生体試料として細胞を用いる場合には、先ずタンパク質を含む試料を試料処理液(SDSおよび2-メルカプトエタノールを含む)に混合・懸濁する。この過程で、細胞膜等を化学的に破砕し、還元剤である2-メルカプトエタノールによりタンパク質のジスルフィド結合を切断し、界面活性剤であるSDSによりタンパク質のフォールディングを解いて一本鎖とし、更にSDSがタンパク質表面に吸着してタンパク質固有の帯電状態を打ち消し、均一な負電荷を与える。その結果、各タンパク質の電荷が均一となるため、電気泳動結果は主として分子量に依存することになる。一般的に、この段階で、数分程度加熱する必要がある場合が多い。
試料に含まれるタンパク質のフォールディングを解いた上で、均一な電荷を付与するための工程である。生体試料として細胞を用いる場合には、先ずタンパク質を含む試料を試料処理液(SDSおよび2-メルカプトエタノールを含む)に混合・懸濁する。この過程で、細胞膜等を化学的に破砕し、還元剤である2-メルカプトエタノールによりタンパク質のジスルフィド結合を切断し、界面活性剤であるSDSによりタンパク質のフォールディングを解いて一本鎖とし、更にSDSがタンパク質表面に吸着してタンパク質固有の帯電状態を打ち消し、均一な負電荷を与える。その結果、各タンパク質の電荷が均一となるため、電気泳動結果は主として分子量に依存することになる。一般的に、この段階で、数分程度加熱する必要がある場合が多い。
ゲル形成工程
電気泳動用ゲルを作成する工程である(図1を参照)。当該工程では、先ず、ゲルを封入する2枚のガラスプレートを、間にスペーサーを挟んだ状態に組み立てて固定する。ゲル材料としてアクリルアミドと架橋剤,およびサンプルバッファーとSDSを混合し、これをガラスプレート間に流し込み、温度管理下に数十分静置して固化を待つ。
電気泳動用ゲルを作成する工程である(図1を参照)。当該工程では、先ず、ゲルを封入する2枚のガラスプレートを、間にスペーサーを挟んだ状態に組み立てて固定する。ゲル材料としてアクリルアミドと架橋剤,およびサンプルバッファーとSDSを混合し、これをガラスプレート間に流し込み、温度管理下に数十分静置して固化を待つ。
電気泳動工程
実際に、タンパク質を電気泳動によってゲル上で分離する工程である(図2を参照)。ゲル板を泳動槽にセットし、泳動バッファーを満たす。そして、ゲルの上部の試料注入穴に試料溶液を注入し、電極間に電圧を印加して電気泳動分離を行なう。泳動終了まで、数十分から一時間を要する。
実際に、タンパク質を電気泳動によってゲル上で分離する工程である(図2を参照)。ゲル板を泳動槽にセットし、泳動バッファーを満たす。そして、ゲルの上部の試料注入穴に試料溶液を注入し、電極間に電圧を印加して電気泳動分離を行なう。泳動終了まで、数十分から一時間を要する。
泳動後操作工程
電気泳動により分離されたタンパク質バンドを確認するために、染色によりバンド部分を可視化する工程である。ガラスプレートからゲルを剥がし、タンパク質バンド固定液に10分間程度浸漬し、振揺する。その後、CBB(クーマシーブリリアントブルー)染色液に2時間程度漬け、振揺する。更に、脱色液に数時間漬けて振揺し、タンパク質バンド部分を残してゲルの色を抜く。
電気泳動により分離されたタンパク質バンドを確認するために、染色によりバンド部分を可視化する工程である。ガラスプレートからゲルを剥がし、タンパク質バンド固定液に10分間程度浸漬し、振揺する。その後、CBB(クーマシーブリリアントブルー)染色液に2時間程度漬け、振揺する。更に、脱色液に数時間漬けて振揺し、タンパク質バンド部分を残してゲルの色を抜く。
上記の様に、従来のSDS−PAGEは測定操作が煩雑であり、全過程を行なうのに数時間を要していた。しかも、分離能や測定感度などに難点があった。
そこで、斯かるSDS−PAGEの問題を解決すべく、キャピラリー電気泳動法を応用したマイクロチップが開発されている。この電気泳動用マイクロチップは、分離ゲルをガラス板間に形成する代わりに、ガラス,シリコン,プラスチックなどの板上に微細な流路(幅,深さ共に数十〜数百μm程度)を形成し、この中で電気泳動を行なうものである。
そして、この電気泳動用マイクロチップは、(i)検体試料が微量で済み、(ii)測定操作が簡単で迅速であり、(iii)泳動結果の解析も簡便である、という利点を有する。つまり、一般的に電気泳動においては、ゲル中へ通電する際に発熱してゲル温度が上昇するが、これが電気泳動印加電圧の限界、即ち電気泳動速度の限界になる。しかし、微細な流路に形成されたゲルでは、内部体積に対する表面積が非常に大きく熱の拡散効率が良いことから、マイクロチップによる電気泳動では、非常に高速で電気泳動を行なうことができる。また、流路にUV検出器などを取り付けることによってタンパク質の検出も可能になるため、上述した泳動後の染色過程も不要になるという利点がある。
この様な電気泳動用マイクロチップは、主にDNAの分析に用いられることが想定されている。例えば、特許文献1〜3には電気泳動用のマイクロチップが開示されており、イオン,有機酸,アミノ酸や核酸等と共に、タンパク質も分離可能である旨が記載されている。
しかしタンパク質の電気泳動では、上述した様に、電気泳動工程の前に試料を前処理する過程が必要になる。具体的には、試料を処理液に混合して攪拌し、例えば100℃で5分間程度加熱しなければならないが、従来の電気泳動用マイクロチップでは、この前処理を別途行なわなければならないという不便さがあった。即ち、特許文献1〜3に記載の電気泳動用マイクロチップは、電気泳動部と検出部は備えているものの、タンパク質含有試料の前処理を全く認識していないため、事前に別途前処理をした上で電気泳動を行なわなければならない。実際、特許文献1〜3に記載された実施例で分析されている試料は、核酸であるDNAとRNAのみである。
斯かる従来技術の不完全さは、特に多数の試料を複数のレーンで同時に測定する状況を考慮した場合に顕著となり、また、分析作業の効率化や自動化を考えると、この前処理工程が律速要素となる可能性がある。
特開2000−310613号公報(特許請求の範囲)
特開2000−310614号公報(特許請求の範囲)
特開2000−310615号公報(特許請求の範囲)
上述した様に、これまでにも電気泳動用のマイクロチップは知られていたが、タンパク質含有試料の前処理まで考慮して設計されたものはなかった。
そこで、本発明が解決すべき課題は、電気泳動用マイクロチップであって、電気泳動における分離・測定・検出過程に加えて、タンパク質含有試料の前処理をチップ上で可能にし、作業工程を一体化することによって分析作業時間の短縮と省力化による効率の向上を図ることができるものを提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決すべく、電気泳動によるタンパク質の分離分析のみならず、その前処理をも遂行可能なマイクロチップを開発するために鋭意研究を重ねた。その結果、以下に示す構成を採用すれば斯かる前処理もマイクロチップ上で実施できることを見出して、本発明を完成した。
即ち、本発明に係る電気泳動用マイクロチップは、タンパク質分析に用いられる一組のものであって、タンパク質を実質的に一本鎖状にし且つ一様な電荷を付与するための前処理部を有する基板と、前処理された試料につき電気泳動分離を行なう分離部を有する基板を含み、且つこれら基板が連結されていることを特徴とする。
また、本発明に係るもう一つの電気泳動用マイクロチップは、同じくタンパク質分析に用いられるものであって、少なくとも、タンパク質を実質的に一本鎖状にし且つ電荷を付与するための前処理部と、前処理された試料につき電気泳動分離を行なう分離部が、同一基板上に設けられていることを特徴とする。
上記電気泳動用マイクロチップにおいては、更に、前処理された上記試料を上記分離部へ導入する導入部を有するものが好ましい。試料の「導入部」と「分離部」を分けることによって、「分離部」へ導入する試料の容量制御が容易になり、分析精度が向上するからである。
また、上記前処理部は、試料ウェルと処理液ウェル、およびこれらに連結された混合用流路を有し、更に当該混合用流路に連結された加熱用流路を備えるものが好ましい。当該構成とすれば、試料中のタンパク質を実質的に一本鎖とし、更にタンパク質を均一に荷電するための前処理を確実に行なうことができるからである。
更に、本発明に係る電気泳動用マイクロチップは、タンパク質分析に用いられる一組のものであって、試料ウェルと処理液ウェル、およびこれらに連結された混合用流路を有する基板(a)と、試料と処理液との混合物を加熱し前処理するための加熱用流路を有する基板(b)、および前処理が終了した混合物につき電気泳動分離を行なう分離部を有する基板(c)を含み、且つ基板(a)と(b),基板(b)と(c)が連結されていることを特徴とする。当該電気泳動用マイクロチップにおいても、更に、前処理された上記混合物を上記分離部へ導入する導入部を有するものが好ましい。
本発明に係るタンパク質の電気泳動用マイクロチップが享有する最大の特徴は、タンパク質を含む試料について、電気泳動による分離分析のみならず、処理液による試料の処理および加熱処理という前処理をも一体的に行なうことができ、試料分析の短時間化と自動化を可能にした点にある。
即ち、電気泳動用マイクロチップは従来でも知られていたが、主として核酸の分析を目的とするもので、タンパク質の前処理を意識して設計されたものはなかったため、事前に別途前処理が必要であり、タンパク質を分離分析するに当たっては前処理に時間がかかる上に、自動化は困難であった。
しかし、本発明者らは、斯かるタンパク質の前処理もマイクロチップ上で実施可能なことを見出し、試料の少量化と共に、更なる作業手順の単純化と分析全体に要する時間の短縮を可能にした。つまり、本発明によれば、タンパク質を含有する試料の分析効率を、一層向上させることができる。
以下に、上記特徴を発揮する本発明の実施形態、及びその効果について説明する。
本発明に係る電気泳動用マイクロチップは、(1)タンパク質を実質的に一本鎖状にし且つ電荷を付与するための前処理部と、(2)前処理された試料につき電気泳動分離を行なう分離部を有する。但し、「前処理部」と「分離部」は同一基板上に形成されていてもよく、また、別の基板に形成されており且つ両基板が連結されているものであってもよい。
本発明で用いられる「基板」の材料は、電気泳動処理に耐え得るものであれば特に限定されないが、例えば石英,ホウ珪酸ガラス,アルカリガラス等のガラス;シリコン;ポリエチレンテレフタラート,ポリイミド,ポリメタクリル酸メチル,シリコーン樹脂等の熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂などを使用することができる。但し、当該「基板」は、より精度の高い分離分析を達成するために、透明性,蛍光特性(蛍光によるバンド検出の際、蛍光ノイズを生じない),親水性を有することが好ましい。
「基板」の形状はチップを装着する装置にもよるが、例えば、取扱い性の面から10〜100mm×10〜150mmの矩形或いは略矩形とする。また、その板厚は500μm〜2mmとすることが好ましい。また、「基板」の成形方法は常法によればよく特に制限されないが、例えば、所望形状の金型を用いた射出成形や注入成形などによればよい。
先ず、タンパク質含有試料の前処理を行なう「前処理部」を、図3に基づいて説明する。
「前処理部」には、試料をチャージする試料ウェルaと処理液をチャージする処理液ウェルbを設け、各ウェルより流路を形成して混合用流路cに繋げる。その先に加熱用流路dを設け、ここで試料の前処理を行なう。
これら流路は、基板上に設けられた溝である。斯かる溝の形成方法は特に問わないが、例えば射出成形を利用してもよいし、研削などの機械的方法によってもよいし、また、半導体の製造技術を応用したフォトリソグラフィー等により形成することができる。当該溝の幅は、試料ウェルから導入される試料が1〜20μm程度の細胞かそれ以下の粒子を含む懸濁液或いは溶液が想定されるので、数十〜数百μmとする。
上記「溝」を形成した後は、空気圧による試料等の導入を可能にするために、基板上にラミネートする。このラミネート用フィルムは基板材料と同様の材料のものを用いればよく、また、ラミネート方法は、接着剤を用いる接着法,ガラスとシリコンの陽極接合,石英基板のフッ酸接合,PDMS(ポリジメチルシロキサン)による自己融着接着法,超音波溶着法,圧着法などの従来法を用いればよい。
試料ウェルaや処理液ウェルbは、直径500μm〜5mm程度の孔であればよい。その形成方法は、上記溝の形成方法と同様に特に問わないが、例えば機械的に貫通孔を形成した上で裏側をラミネートするものであってもよい。
「加熱用流路」は、加熱のための電熱部と温度検知部で構成することが好ましい。これらの形成方法は特に問わないが、やはりフォトリソグラフィーによりPt等を配線して作成することができ、Ptを材料として使用すれば、温度による電気伝導度の変化に基づいて当該流路内部の温度を測定することができる。また、マイクロチップに設けられた加熱用流路では、試料は微細な空間に置かれた状態にあって熱容量が小さくなるために迅速な温度制御が可能となり、分析における試料加熱の時間が短縮される。
上記「前処理部」で前処理された混合物(試料)は、次いで分離部へ導入される。この導入は、「前処理部」と「分離部」が同一基板上に形成されている場合には流路を通じて行なわれ、図6に示す様に、異なる基板上に形成されている場合は、シリコンチューブ等を介して行なわれる。
「分離部」は、前処理済試料ウェル,溝および排出孔を有する。これら孔や溝の形成方法は前述したものと同様である。また、当該分離部には、電気泳動を実施するに当たって前処理済試料ウェルと排出孔との間に電圧をかける必要があるため、両孔の中或いは両孔付近に電極を設けなければならない。この電極の形成方法は特に問わないが、例えば、半導体チップの配線プリント技術を応用することができる。
分離部の溝には電気泳動用のゲルを充填する。当該ゲルは、細溝中への充填が容易であり且つ分離分析能に優れたものであれば特にその種類は問わないが、例えば水溶性セルロース誘導体,ポリアクリルアミドゲル,アガロース系のゲルなどを使用することができる。
また、前処理済試料の分離部への導入の前に「導入部」を設け、当該導入部を介して前処理済試料を分離部へ導入することは、本発明の好ましい実施態様である。「分離部」へ導入する試料の容量制御が容易になり、分析制度が向上するからである。
斯かる実施態様の模式図を、図4に示す。この態様では、導入部と分離部の溝を直交または略直交させ、前処理済試料を先ず導入部の前処理済試料ウェルeへ導入する。次いで導入部の前処理済試料ウェルeと排出孔f間に電圧をかけ、前処理済試料を分離開始点(導入部と分離部との交点)へ導入する。そして、分離部の前処理済試料ウェルgと排出孔h間に電圧をかけ、試料に含まれるタンパク質の分離分析を行なう。
この場合、分離部の前処理済試料ウェルgは試料ウェルとしては機能せず、実際には、ゲル充填時のゲル溜りとして利用する。
以上の「前処理部」,「導入部」および「分離部」が1枚の基板上に形成されているマイクロチップの模式図を、図5として示す。また、図6に示す様に、「前処理部」と「分離部」(「導入部」)は、それぞれ別の基板上に形成されていてもよい。更に、「前処理部」のうち試料ウェル,処理液ウェルおよびこれらに連結された混合用流路と、加熱用流路は、それぞれ別の基板上に形成されていてもよい。
本発明の電気泳動用マイクロチップは、上記導入部や分離部に電圧をかける手段や、分離されたタンパク質のバンドを検出する手段等を備える装置に装着して使用する。因みに、当該検出手段としては、例えば、分離部に紫外線や蛍光を照射し、その検出光を測定できる機能を備えたもの等を挙げることができる。
タンパク質含有試料の前処理
フォトリソグラフィーを用いた半導体微細加工技術によって、図3に示す流路構成をガラス板上に形成した。即ち、試料ウェル(A)および処理液ウェル(B)を設け、これより200μm幅の流路を介して合流させ、この先に混合用流路となる200μm幅の流路(C)を設けた。更にその先に、加熱処理を行なう流路部分である加熱用流路(D)を設け、フォトリソグラフィーによって、Ptを材料とするヒーターおよびセンサーとなる配線をプリントした。
フォトリソグラフィーを用いた半導体微細加工技術によって、図3に示す流路構成をガラス板上に形成した。即ち、試料ウェル(A)および処理液ウェル(B)を設け、これより200μm幅の流路を介して合流させ、この先に混合用流路となる200μm幅の流路(C)を設けた。更にその先に、加熱処理を行なう流路部分である加熱用流路(D)を設け、フォトリソグラフィーによって、Ptを材料とするヒーターおよびセンサーとなる配線をプリントした。
先ず、第一の導入と混合流路部分の評価を行なうために、試料ウェルに大腸菌の菌体試料(菌体をサンプルバッファーに懸濁したもの)を、処理液ウェルに処理液(SDSとメルカプトエタノールの混合液)を添加した。それぞれにマイクロシリンジポンプで空気圧を加えることによって、両液を混合流路部に導入したところ、長さ200mmの流路を速さ10mm/sで流れる間に自己拡散して混合されたことが確認された。
次に、加熱処理部の評価を行なうため、上記処理によって混合された液を加熱処理部へ導入してからヒーターで加熱し、同時に、予め作成した検量線に基づいて温度センサーの感知する温度をモニターしつつ、ヒーターの状態を調節した。その結果、ヒーターによる温度制御の目安となる温度表示が90±1℃に保たれたことが確認できた。また、顕微鏡観察により、大腸菌の細胞膜は破砕されていることが確認された。
a : 試料ウェル
b : 処理液ウェル
c : 混合用流路
d : 加熱用流路
e : 導入部の前処理済ウェル
f : 導入部の排出孔
g : 分離部の前処理済ウェル
h : 分離部の排出孔
b : 処理液ウェル
c : 混合用流路
d : 加熱用流路
e : 導入部の前処理済ウェル
f : 導入部の排出孔
g : 分離部の前処理済ウェル
h : 分離部の排出孔
Claims (6)
- タンパク質分析に用いられる一組の電気泳動用マイクロチップであって、
タンパク質を実質的に一本鎖状にし且つ一様な電荷を付与するための前処理部を有する基板と、
前処理された試料につき電気泳動分離を行なう分離部を有する基板を含み、且つ
これら基板が連結されていることを特徴とする一組の電気泳動用マイクロチップ。 - タンパク質分析に用いられる電気泳動用マイクロチップであって、
少なくとも、タンパク質を実質的に一本鎖状にし且つ電荷を付与するための前処理部と、前処理された試料につき電気泳動分離を行なう分離部が、同一基板上に設けられていることを特徴とする電気泳動用マイクロチップ。 - 前処理された上記試料を上記分離部へ導入する導入部を有する請求項1または2に記載の電気泳動用マイクロチップ。
- 上記前処理部が、試料ウェルと処理液ウェル、およびこれらに連結された混合用流路を有し、更に当該混合用流路に連結された加熱用流路を備える請求項1〜3のいずれかに記載の電気泳動用マイクロチップ。
- タンパク質分析に用いられる一組の電気泳動用マイクロチップであって、
試料ウェルと処理液ウェル、およびこれらに連結された混合用流路を有する基板(a)と、
試料と処理液との混合物を加熱し前処理するための加熱用流路を有する基板(b)、および
前処理が終了した混合物につき電気泳動分離を行なう分離部を有する基板(c)を含み、且つ
基板(a)と(b),基板(b)と(c)が連結されていることを特徴とする一組の電気泳動用マイクロチップ。 - 上記基板(c)上に、前処理された上記混合物を上記分離部へ導入する導入部を有する請求項5に記載の電気泳動用マイクロチップ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003344493A JP2005106788A (ja) | 2003-10-02 | 2003-10-02 | 電気泳動用マイクロチップ |
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JP (1) | JP2005106788A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN109387557A (zh) * | 2017-08-03 | 2019-02-26 | 爱科来株式会社 | 分析芯片 |
-
2003
- 2003-10-02 JP JP2003344493A patent/JP2005106788A/ja not_active Withdrawn
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Date | Code | Title | Description |
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A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
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