以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
図1〜図19は本発明に係る自動用紙搬送装置、自動用紙搬送装置を備えた画像読取装置および自動用紙搬送装置および画像読取装置を備えた画像形成装置の一実施の形態を示す図であり、本実施の形態では、画像形成装置を複写機に適用し、自動用紙搬送装置をADFに適用した例を示している。
なお、画像形成装置としては複写機以外にファクシミリ装置、プリンタ装置、複写機能とファクシミリ機能等を備えた複合機等に適用することができる。また、画像読取装置としては、スキャナ装置、ファクシミリ装置、複写機能とファクシミリ機能等を備えた複合機等に適用することができる。
まず、構成を説明する。図1において、複写機21の本体21aの上面には透光性部材からなるコンタクトガラス22a(図2参照)が設けられており、このコンタクトガラス22aに隣接する本体の上面にはコンタクトガラス22aよりも小面積の透光性部材からなるスリットガラス22bが設けられている(図2参照)。
また、本体21aの上部には自動用紙搬送装置としてのADF23が設けられており、このADF23は図示しないヒンジ機構を介してコンタクトガラス22aを開放および閉塞するように開閉自在になっている。
図2、図3に基づいてADF23の構成を説明する。図2はADF23の概略構成図であり、図3はADF23の制御系のブロック図である。図2において、ADF23は用紙載置台としての原稿テーブル24を備えており、この原稿ケーブル24には原稿面が上向きになるように用紙束としての原稿束Pが載置されるようになっている。
原稿テーブル24のテーブル面には原稿の長さを検出する用紙サイズ検出手段としての原稿長さ検出センサ25〜27が設けられており、この原稿長さ検出センサ25〜27はそれぞれ隣接する一対の受光素子および発光素子を備えている。
具体的には、発光素子から原稿束Pに照射され、原稿束Pから反射された光を受光素子によって受光すると、受光素子は受光量に応じた電気信号に変換してコントローラ100に出力する。
また、図示しないメモリに光量や反射率と原稿の厚みとを対応付けたテーブルが設けられており、コントローラ100はこのテーブルを参照して受光素子から検出した光量や反射率から原稿の厚みを判断する。
したがって、原稿長さ検出センサ25〜27は少なくとも同一原稿サイズの縦か横かを判断可能なように原稿テーブル24のテーブル面に配置されている。コントローラ100は受光素子から入力した情報に基づいて原稿テーブル24に載置された原稿束Pの搬送方向長さを判断するとともに、受光素子から入力した光量または反射率の変化に基づいて原稿束Pの厚さを算出する。すなわち、本実施の形態の原稿長さ検出センサ25〜27は原稿束Pの長さを検出するセンサと原稿束Pの厚みを検出するセンサを併用している。
また、原稿テーブル24に対して原稿の搬送方向下流側にはストッパ部材としてのストッパ爪28が設けられており、このストッパ爪28は呼出しモータ101によって原稿束Pの先端が突当てられる突当て位置(破線で示す位置)と原稿束Pの先端から退避する退避位置(実線で示す位置)の間で移動されるようになっている。
したがって、ストッパ爪28が突当て位置にあるときに原稿束Pの先端が突当てられることにより、原稿束Pの先端を揃えるようになっている。また、原稿束Pの幅方向は原稿テーブル24上に設けられた図示しないサイドフェンスに突当てられることにより、搬送方向と直行する方向の位置決めが行われるようになっている。
また、ストッパ爪28が下方に移動すると、このストッパ爪28はホームポジョンセンサ34によって検出されるようになっており、ホームポジションセンサ34は検出情報をコントローラ100に出力する。
また、原稿束Pの先端側の原稿ケーブル24上にはセットフィラー29および原稿セットセンサ30が設けられており、セットフィラー29は原稿テーブル24に原稿束Pが載置されたときに原稿束Pの先端に押圧されて破線で示す位置から実線で示す位置に移動し、原稿セットセンサ30がこのセットフィラー29を未検出の状態から検出した状態に変化すると、コントローラ100に信号を出力する。
コントローラ100はI/F107を介して複写機21の本体21aに設けられた本体制御部111に接続されており、このI/F107に信号を出力する。本体制御部111はこの入力信号に基づいて本体21a側で原稿の読取りを行うための待機状態に移行する。
ストッパ爪28の上方には呼出し手段としての呼出しコロ31が設けられており、この呼出しコロ31は呼出しモータ101からの駆動力が後述する呼出しカム126を介して伝達されるようになっており、呼出しモータ101およびカム機構により実線で示す原稿束Pから退避する位置と二点鎖線で示す原稿束Pの上面に当接する位置との間で昇降するようになっている。なお、本実施の形態の呼出しモータ101はステッピングモータから構成されており、呼出しモータ101および呼出しカム126が昇降部材を構成している。
また、呼出しコロ31が退避位置に移動したときに、この呼出しコロ31は呼出しホームポジションセンサ52によって検出するようになっており、呼出しコロ31が退避位置にあるときに呼出しホームポジションセンサ52がコントローラ100に検出信号を送信することにより、コントローラ100は呼出しコロ31が退避位置にあることを検出することができる。
また、本体21a側には操作部108が設けられており、この操作部のプリントキーが押下され、本体制御部111からI/F107を介してコントローラ100に原稿給紙信号が送信されると、コントローラ100は呼出しモータ101を正転駆動してストッパ爪28を原稿束Pから下方向に退避するように駆動する。
そして、このストッパ爪28が退避位置に移動すると、ストッパ爪28はホームポジションセンサ34によって検出されるようになっており、ホームポジションセンサ34はストッパ爪28を検出すると、コントローラ100は呼出しモータ101を逆転駆動して呼出しコロ31を原稿束Pに当接する位置に下降させる。
このとき、呼出しコロ31は給紙モータ102の正転駆動によって原稿テーブル24上の数枚(理想的には1枚)の原稿の給紙を開始する。この給紙された原稿は呼出しコロ31の下流側に設けられた給紙ベルト32およびリバースローラ33からなる分離・給紙手段に給紙される。
給紙ベルト32は駆動ローラ32aおよび従動ローラ32bに橋架されており、給紙モータ102から駆動ローラ32aに駆動力が伝達されると、周回移動するようになっている。
給紙ベルト32は給紙モータ102が正転駆動されると給紙方向(時計回転方向)に周回移動するようになっており、リバースローラ33には図示しないトルクリミッタが内蔵され、給紙モータ102が正転駆動されると給紙方向と逆方向(時計回転方向)に回転駆動されるようになっている。このため、最上位の原稿とその下の原稿が分離されて最上位の原稿のみが給紙される。
具体的には、リバースローラ33は給紙ベルト32と所定圧で接しており、給紙ベルト32と直に接触しているとき、または、原稿1枚を介して接している状態では給紙ベルト32の回転につられて反時計回転方向に連れ回りし、原稿が2枚以上給紙ベルト32とリバースローラ33の間に進入したときには連れ回り力がトルクリミッタのトルクよりも低くなるように設定されている。このため、リバースローラ33は本来の駆動方向である時計回転方向に回転し、余分な原稿を押し戻す働きをして重送を防止することができる。
この分離原稿は給紙ベルト32の下流側に設けられた分離用紙検出手段としての分離センサ51によって検出されるようになっており、分離センサ51によって検出された原稿は給紙ベルト32によってさらに搬送され、給紙ベルト32の下流側に設けられた突当てセンサ35によって原稿の先端が検出された時点から所定量Xmm搬送されると、コントローラ100によって給紙モータ102の正転駆動を停止される。
この所定量Xmmは、突当てセンサ35からプルアウトローラ対(回転部材)36のニップ部までの距離よりも大きく設定されており、互いに摺接するプルアウト駆動ローラ36aおよびプルアウト従動ローラ36bのニップ部に一定の撓みを形成した状態で停止されるようになっている。
このとき、呼出しモータ101はコントローラ100からの指令により正転駆動されることにより、呼出しコロ31を原稿上面から退避させ原稿を給紙ベルト32の搬送力のみで搬送することにより、原稿の先端はプルアウト駆動ローラ36aおよびプルアウト従動ローラ36bのニップ部に突当てられ、分離搬送時に発生した原稿の曲がり(スキュー)を補正することができる。
また、プルアウト駆動ローラ36aおよびプルアウト従動ローラ36bは第1のスキュー補正手段を構成しており、分離後に給紙モータ102の逆転駆動によりスキュー補正された原稿を下流側に設けられた第2スキュー補正手段としての読取入口ローラ対(回転部材)37に向かって搬送する。この読取入口ローラ対37は読取入口駆動ローラ37aと読取入口従動ローラ37bによって構成されている。
また、給紙モータ102の逆転駆動時には、プルアウト駆動ローラ36aは駆動されるが、図示しないワンウェイクラッチの作用により呼出しコロ31と給紙ベルト32に駆動力は伝達されない。
また、プルアウト駆動ローラ36aおよびプルアウト従動ローラ36bの下流側には原稿幅センサ38が設けられており、この原稿幅センサ38は図2中、奥行き方向に複数個並べられ、実線で示す位置と二点鎖線で示す位置との間で移動するようになっている。
この原稿幅センサ38は原稿を検出すると二点鎖線で示す位置に移動するようになっており、プルアウト駆動ローラ36aおよびプルアウト従動ローラ36bにより搬送された原稿の搬送方向に直行する幅方向の情報を取得してコントローラ100にこの検出情報を送信する。
コントローラ100は原稿サイズ検出センサ25〜27からの原稿長さ検出情報と原稿幅センサ38からの幅検出情報との組合せに基づいて本体制御部111に原稿テーブル24上に積載された原稿束Pのサイズ情報を送信する。
また、コントローラ100は原稿の先端後端を突当てセンサ35で検出する間に搬送した距離に相当するモータ駆動パルス数をカウントすることにより、原稿のより正確な長さを算出する。
また、プルアウト駆動ローラ36aの駆動により読取入口ローラ対37に原稿が搬送される際には、原稿搬送速度を高速に設定して原稿をスリットガラス22b上の読取位置80(処理位置)に送り込む処理時間の短縮を図るようになっており、特に2枚目以降の原稿ではこの高速搬送により前原稿との紙間を短縮することで生産性を向上させることができる。そして、原稿の先端が読取入口センサ39によって検出されると、読取入口ローラ対37に原稿先端が進入する前に減速が開始される。
また、コントローラ100は読取入口センサ39から読取入口ローラ対37までの距離よりもYmmだけ搬送距離が長くなるように給紙モータ102を駆動して停止させることにより、停止している読取入口ローラ対37のニップ部に原稿の先端を突当てて一定の撓みを形成した状態で原稿を停止させるようになっている。この結果、プルアウトローラ対36による原稿の搬送時に発生したスキューを補正することができる。本実施の形態では、読取入口ローラ対37が第2のスキュー補正手段を構成している。
なお、薄紙原稿のときにYmmが設定されたものとすると、厚紙原稿の場合にはYmm+αmmに設定されることにより、薄紙原稿の場合よりも突当て量が多くなるように設定されている。これは薄紙原稿を厚紙原稿の突当て量と同等にした場合に損傷を防止するためである。
また、コントローラ100は、原稿が読取入口ローラ対37のニップ部で一時停止(レジスト停止)したときに、インターフェース手段107を介して本体制御部111にレジスト停止信号を送信するようになっている。
レジスト停止信号が送信されると、コントローラ100は本体制御部111から読取開始信号を受信するようになっており、レジスト停止していた原稿が読取倍率に応じた搬送速度で搬送されるように読取モータ103を駆動し、読取出口ローラ対40により原稿を搬送する。また、この読取出口ローラ対40は読取出口駆動ローラ40aと読取出口従動ローラ40bによって構成されている。
ここで、原稿の先端がスリットガラス22bの上流側に設けられたレジストセンサ41に到達するよりも前に読取開始信号を受信した場合はレジスト非停止読取動作となる。レジスト非停止読取動作の場合はレジスト停止を行わずに、読取搬送速度を維持したまま読取りを行う。
レジストセンサ41は原稿の先端を検出するようになっており、レジストセンサ41によって原稿の先端が検出されると、コントローラ100は読取モータ103のパルスカウントを開始し、原稿先端がスリットガラス22b上の読取位置80に到達するタイミングで、本体制御部111に対して副走査方向有効画像領域を示すゲート信号を送出する。このゲート信号は、通常は原稿の後端が読取位置80を抜けるまで送出される。
読取位置80を通過した原稿は読取出口ローラ対40および排紙ローラ42によって搬送されるようになっており、両面原稿の読取り終了後、または、片面原稿の片面読取終了後には排紙トレイ43に排紙される。
また、排紙ローラ42は排紙駆動ローラ42a、排紙従動上ローラ42bおよび排紙従動下ローラ42cを備えており、この排紙ローラ42の下流側には切換え爪44が設けられている。
両面原稿の搬送を行う場合には、この原稿の表面の読取時に読取位置80を抜けた原稿先端が排紙ローラ42に到達する前に、切換え爪43が反転ソレノイド105に駆動されて2点鎖線で示す位置に切り換わるようになっている。
このとき、読取モータ103によって駆動される排紙駆動ローラ42aおよび排紙下従動ローラ42cと、反転モータ104により駆動される反転ローラ対45により原稿がスイッチバック通路46に搬送される。
コントローラ100は読取出口ローラ対40の下流側に設けられた読取出口センサ47によって原稿の後端が検出されてから読取モータ103の駆動パルスが所定パルスに達すると、原稿の後端が排紙ローラ42を抜け出たものと判断して、反転ソレノイド105をオフにして切換え爪44を実線で示す位置に移動させるようになっている。
また、コントローラ100は上述したように読取モータ103の駆動パルスが所定パルスに達した後に、反転モータ104を逆転駆動して反転ローラ対45を逆転駆動することにより、原稿をプルアウトローラ対36に向かってスイッチバックする。
このとき、読取モータ103の駆動方向は同一方向で、反転モータ104の駆動方向は逆方向となり、処理時間短縮のために反転モータ104および読取モータ103を高速駆動する。
また、コントローラ100は原稿がスイッチバックを始めると反転モータ104の駆動パルスが所定パルスになった後に、給紙モータ102を高速に逆転駆動して原稿をプルアウトローラ対36に向かって高速搬送する。
また、再給紙通路46bを搬送される原稿の後端が反転センサ49によって検出されると、コントローラ100は反転センサ49からの検出情報に基づいて反転ローラ対45の逆転駆動を停止するようになっている。
この後、プルアウトローラ対36によって原稿のスキュー補正をして上述したようにして原稿の片面を読取り、再度スイッチバック通路46aでスイッチバックした後、再給紙通路46bを通して読取位置80に向かって搬送し、原稿の読取りを行わずに原稿面を備えるための反転動作を行って原稿を排紙トレイ43に排紙する。
また、排紙ローラ42の上流側には排紙センサ50が設けられており、この排紙センサ50は原稿の後端を検出してコントローラ100に信号を出力するようになっており、コントローラ100はこの検出情報に基づいて原稿が排紙されたものと判断する。
図5〜図8は駆動系統を示す図であり、図5は呼出しモータ101からの駆動系統、図6は給紙モータ102からの駆動系統、図7は読取モータ103から駆動系統、図8は反転モータ104からの駆動系統を示している。
図5において、呼出しモータ101に接続されたプーリ121はタイミングベルト122を介してプーリ123に接続されており、給紙モータ102によってプーリ123が回転すると、この回転はプーリ123からプーリ124に伝達される。
プーリ124はプーリ125を介して呼出しカム126に接続されており、呼出しモータ101が正転駆動されると、呼出しカム126を反時計回転方向に回動させて呼出しコロ31を退避位置に移動させ、呼出しモータ101が逆転駆動されると、呼出しカム126を時計回転方向に回動させて呼出しコロ31を当接位置に移動させる。
プーリ124はプーリ127、128を介してストッパ爪カム129に接続されており、ストッパ爪28はストッパ爪カム129の回動によって突当て位置と退避位置の間で移動されるようになっている。
図6において、給紙モータ102に接続されたプーリ131はタイミングベルト132を介してプーリ133に接続されており、このプーリ133はプーリ134に接続されている。
プーリ134はプーリ135、136、144、145、146を介してプーリ147に接続されており、このプーリ147はプーリ149を介してプーリ150に接続されている。プーリ150はタイミングベルト151を介してプーリ152に接続されており、プーリ152は呼出しコロ31に接続された呼出しプーリ153に接続されている。
このため、給紙モータ102が時計回転方向に正転駆動されると、プーリ131、タイミングベルト132、プーリ133、134、135、136、144、145、146、147、149、150、タイミングベルト152および呼出しプーリ153を介して呼出しコロ31を時計回転方向に回転して原稿束Pから上位の原稿を分離する。
また、プーリ147は給紙ベルト32の駆動ローラ32aを駆動する給紙ベルト駆動プーリ148に接続されており、プーリ148は給紙モータ102が時計回転方向に正転駆動されると、反時計回転方向に回転して原稿束Pを給紙する方向に給紙ベルト32を周回移動させる。
なお、プーリ134、136、144にはワンウェイクラッチが内蔵されており、プーリ134、136、144は給紙モータ102の時計回転方向の駆動力のみを呼出しプーリ153および給紙ベルト駆動ローラプーリ148に伝達する。
また、プーリ135はプーリ137、154、155、156、157を介してリバースローラ33を回転するリバースローラプーリ158に接続されており、給紙モータ102が時計回転方向に回転すると、プーリ137、154、155、156、157を介してリバースローラ33を時計回転方向に回転させることにより、原稿束Pの分離方向に回転する。
なお、プーリ137にはワンウェイクラッチが内蔵されており、プーリ137は給紙モータ102の時計回転方向の駆動力のみを伝達してリバースローラ33を回転駆動する。
また、プーリ133にはプーリ139が接続されており、プーリ139はプーリ137および154と同軸上に接続されたプーリ139に接続されるとともに、プーリ140に接続されている。
このプーリ140はプーリ141、142を介してプルアウト駆動ローラプーリ143に接続されており、このプルアウト駆動ローラプーリ143はプルアウト駆動ローラ36aに接続されている。
このため、給紙モータ102が反時計回転方向に逆転駆動されると、プーリ140が反時計回転方向に回転することにより、プーリ142、141を介してプルアウト駆動ローラプーリ143を反時計回転に回転させ、プルアウトローラ対36aにより原稿を読取位置80に向かって搬送する。
図7において、読取モータ103に接続されるプーリ161はタイミングベルト162を介してプーリ163に接続されており、このプーリ163はプーリ164に接続されている。
プーリ164はタイミングベルト165を介してプーリ166、167に接続されており、プーリ167は読取入口駆動ローラ37aを回転するための読取入口ローラプーリ168に接続されている。このため、読取モータ103が時計回転方向に正転駆動すると、プーリ161、タイミングベルト162、プーリ163、164、タイミングベルト165、プーリ166、167および読取入口ローラプーリ168を介して読取入口従動ローラ37aが搬送方向である時計回転方向に回転する。
なお、プーリ167にはワンウェイクラッチが内蔵されており、プーリ167は読取モータ103の時計回転方向の駆動力のみを読取入口ローラプーリ168に伝達する。
また、読取入口ローラプーリ168にはプーリ169が接続されており、このプーリ169はタイミングベルト174を介して読取出口ローラプーリ175に接続されている。
読取出口ローラプーリ175には読取出口ローラ対40の読取出口駆動ローラ40aが接続されており、読取出口駆動ローラ40aは読取出口ローラプーリ175の反時計回転方向の回転に伴って搬送方向である反時計回転方向に回転する。
また、タイミングベルト174には排紙ローラプーリ179が接続されており、排紙ローラプーリ179は排紙ローラ42の排紙駆動ローラ42aに接続され、排紙駆動ローラ42aは排紙ローラプーリ179の反時計回転方向に回転に伴って搬送方向である時計回転方向に回転する。
また、タイミングベルト174にはタイミングベルト174に一定の張力を付与してタイミングベルト174を周回移動させるためのプーリ177、178が接続されている。
また、プーリ169はテンションベルト170を介してジャム処理ダイヤル172のプーリ171に接続されている。このジャム処理ダイヤル172は作業者が搬送経路上からジャム紙を除去するために操作されるものであり、ジャム処理ダイヤル172が回転されると、テンションベルト170を介してプーリ169に駆動力が伝達され、プーリ169がタイミングベルト174を周回移動することにより、搬送経路上のジャム紙が除去される。
図8において、反転モータ104に接続されたプーリ191はタイミングベルト192を介してプーリ193に接続されており、このプーリ191は反転モータ104の正逆駆動によって反転ローラ対45の反転ローラ駆動ローラ45aを正逆回転するようになっている。
一方、本実施の形態のコントローラ100は、原稿サイズ検出センサ25〜27によって検出された原稿束Pの厚みに応じて呼出しモータ101を駆動することにより、呼出しコロ31の下降制御を行うようになっており、コントローラ100および呼出しモータ101は下降状態制御手段を構成している。
具体的な下降状態の制御としては、図2に示すように、呼出しコロ31の退避位置から原稿テーブル24までの距離L2と、取得した原稿束Pの厚さL3との差分を求め、呼出しコロ31から原稿束Pの最上部までの距離L1を算出することにより、距離L1(呼出しコロ31が原稿束Pに当接するまで)に必要なパルス数P(総下降距離)を算出する。
必要パルス数Pが決定すると、図4に示すように、呼出しコロ31のホームポジション位置から最高速度Vmaxまで加速するのに必要な呼出しモータ101のパルス数P1と、最高速度Vmaxを維持した定常状態から呼出しコロ31を原稿束Pに当接する瞬間の速度Vまで減速するのに必要なパル数P2をパルス数Pから減算すれば、定常状態を保つパルス数Tが決まる。すなわち、呼出しモータ101のパルス数P>P1+P2の関係を成立させるようにしている。
呼出しモータ101が定常状態になった後、パルス数Tだけ呼出しモータ101を駆動して呼出しコロ31の減速を開始すれば、常に一定速度Vで呼出しコロ31を原稿束Pに当接させることができる。
また、本体21aには表示部48が設けられており、コントローラ100は原稿サイズ検出センサ25〜27からの検出情報に基づいて原稿束Pの厚さが積載許容枚数以上の厚さであった場合に、表示部48を表示してユーザに警報を発するようになっている。本実施の形態では、コントローラ100および表示部48が警報手段を構成している。
また、コントローラ100は原稿サイズ検出センサ25〜27からの検出情報に基づいて原稿ケーブル24に載置された原稿束Pの厚さと、原稿束Pから最上位の原稿が分離された直後の原稿束の厚さとを比較することにより、分離された原稿の1枚当りの厚さを算出するようになっており、分離用紙厚さ算出手段を構成している。
また、ストッパ爪28と分離センサ51の離隔距離Sと、各原稿サイズ検出センサ25〜27の離隔距離S1、S2(但し、S1、S2はSnに相当)はS>S1、S2になるように設定されている。
このため、分離センサ51とストッパ爪28の離隔距離Sが原稿サイズ検出センサ25〜27の離隔距離S1、S2に対して大きいので、原稿の先端が分離センサ51に到達する前に、原稿の後端は原稿サイズ検出センサ25〜27の何れか1つを必ず通過することになり、コントローラ100は最上位の原稿の分離直前と分離直後の状態に基づいて分離原稿の1枚当りの厚さを算出することができる。
また、コントローラ100は、原稿サイズ検出センサ25〜27からの検出情報に基づいて算出した分離原稿の紙厚に応じてプルアウトローラ対36および読取入口ローラ対37の突当て量を変更するようになっている。
なお、この突当て量とはプルアウトローラ対36および読取入口ローラ対37のニップ部に原稿の先端を突当てる量のことであり、上述したように、突当てセンサ35からプルアウトローラ対36のニップ部までの距離よりも大きく設定されたXmmまたはYmmだけ給紙モータ102を駆動させることにより、決定されるものである。
本実施の形態では、薄紙原稿のときにXmmまたはYmmが設定されたものとすると、厚紙原稿の場合にはXmm+αmmまたはYmm+αmmに設定されることにより、薄紙原稿の場合よりも突当て量が多くなる。
また、コントローラ100は原稿サイズ検出センサ25〜27からの検出情報に基づいて算出した分離原稿の紙厚に応じて読取モータ103を駆動して、排紙ローラ42の回転速度を可変することにより、排紙トレイ43に排紙される原稿の排紙速度を可変するようになっており、読取モータ103と共に排紙速度可変手段を構成している。
また、突当てセンサ35、読取入口センサ39、レジストセンサ41、読取出口センサ47、反転センサ49、排紙センサ50等からの検出情報および原稿サイズ検出センサ25〜27からの検出情報に基づいて算出した分離原稿の紙厚に応じてジャム判定を行うための条件を異ならせるようにしており、ジャム判定手段を構成している。
具体的には、ジャムの判定基準は原稿のスリップも考慮して原稿の搬送距離を長めに設定しているが、ジャムの発生時に給紙モータ102、読取モータ103、反転モータ104の一部が脱調して強制的に搬送を押さえ付けようとする力が働いた場合、スリップの小さい薄紙原稿はジャム判定されるまでに無理やり長距離を搬送されることになるので、原稿が損傷してしまう。このため、薄紙原稿の場合には、厚い紙原稿の場合にはジャムの判定を速く行い給紙モータ102、読取モータ103、反転モータ104を直ちに停止させる等の制御を行う。
一方、複写機21の本体21a内には、図1に示すように画像読取装置81が設けられており、この画像読取装置81によって読取られた画像情報は書込部82によって感光体ドラム83に照射されるようになっている。
画像読取装置81は、コンタクトガラス22aまたはスリットガラス22b上の原稿を照明する光源81aと、原稿から反射された光をそれぞれ反射する第1ミラー81b、第2ミラー81c、第3ミラー81dと、第3ミラー81dから反射された光をCCDイメージセンサ81fに結像するレンズ81eと、レンズ81eによって結像された光を電気信号に変換するCCDイメージセンサ81fとを備えている。
光源81aおよび第1ミラー81bは図示しない第1走行体に取付けられているとともに、第2ミラー81cとおよび第3ミラー81dは第2走行体に取付けられており、第1走行体および第2走行体はコンタクトガラス22aおよびスリットガラス22bに沿って図1中、移動するようになっている。
そして、第1走行体および第2走行体は、コンタクトガラス22aに載置された原稿を読取るときには、コンタクトガラス22aの下方で図1中、左右方向に移動され、スリットガラス22bを通過する原稿を読取るときには、スリットガラス22bの下方で停止される。
書込部82は、画像読取装置81によって読取った画像情報に応じて光変調したレーザ光を照射し、帯電させた感光体ドラム83の表面をこのレーザ光で露光するようになっている。
感光体ドラム83の周囲には、感光体ドラム83と共に画像形成手段を構成する現像装置86、転写ベルト87、クリーニング装置88、図示しない帯電装置および除電装置が設けられている。帯電装置は暗中にプラス電荷のコロナ放電をグリッドにより制御して感光体ドラムの表面を一定電位に帯電させるようになっている。
書込部82はこの一定電位に帯電された感光体ドラム83上に画像情報を含んだレーザダイオードを照射して感光体ドラム83上のマイナス電荷を除去して静電潜像を形成する。
現像装置は感光体ドラム83上の電気除去された部分にマイナスに帯電されたトナーを付着させて可視像を形成する。転写ベルト87にはプラスのバイアスが印加されており、この転写ベルト87はマイナスに帯電された可視像を記録媒体としての転写紙(用紙)に転写して搬送するようになっている。
クリーニング装置88はクリーニングブレードを備えており、感光体ドラム83に残ったトナーを掻き落とすようになっている。除電装置はLEDを点灯させることにより感光体ドラム83の残留電荷を除去して次の転写紙に新たな画像を形成するための準備を行う。
このようにした画像が形成された転写紙は定着装置90に搬送され、定着装置90によりトナー画像が転写紙に定着される。
また、本体21a内にはそれぞれ異なるサイズの転写紙S1〜S5が収納された収納カセット91〜95が設けられており、この収納カセット91〜95に収納された転写紙は呼出しコロ91a〜95aによって給紙された後、搬送方向に回転する給紙ローラ91b〜95bおよび給紙ローラ91b〜95bに摺接し、分離方向に回転するリバースローラ91c〜95cによって分離された後、中継ローラ対96、97を介してレジストローラ対98に搬送され、レジストローラ対98によってタイミングを取られて感光体ドラム83と転写ベルト87の間の搬送路(処理位置)に搬送される。
次に、図9〜図19のフローチャートに基づいて原稿の搬送動作を説明する。なお、図9〜図19のフローチャートはコントローラ100によって制御される搬送制御プログラムである。
まず、図9において、コントローラ100は原稿サイズ検出センサ25〜27からの検出情報に基づいて原稿テーブル24に原稿束Pがセットされたか否かを判別する(ステップS1)。原稿テーブル24に原稿束Pがセットされていた場合には、原稿サイズ検出センサ25〜27からの検出情報に基づいて原稿束Pの厚さ情報を取得する(ステップS2)。ステップS2では、原稿サイズ検出センサ25〜27の受光素子から入力された光量または反射率に応じた電気信号に基づいて原稿束Pの厚さを算出する。
次いで、コントローラ100は原稿テーブル24にセットされた原稿束Pの枚数が積載許容枚数以下であるかを判別する(ステップS3)。ステップS3では、原稿束Pの厚みが許容厚以上であるか否かを判別することにより、原稿束Pの枚数が積載許容枚数以下であるかを間接的に判別する。
コントローラ100はステップS3で原稿テーブル24にセットされた原稿束Pの枚数が積載許容枚数以上であるものと判断した場合には、表示部48に「原稿の搬送を行うことができません」等の警告文章を表示して処理を終了し(ステップS4)、原稿テーブル24にセットされた原稿束Pの枚数が積載許容枚数以下であるものと判断した場合には、呼出しコロ31の停止タイミング、すなわち、呼出しコロ31が原稿束Pに当接するまでの呼出しモータ101のパルス数を算出する(ステップS5)。
次いで、操作部108のプリントキーが押下されると、本体制御部111からI/F107を介してコントローラ100に原稿給紙信号が送信されるため、コントローラ100は給紙モータ102を時計回転方向に正転駆動する(ステップS6)。このとき、ストッパ爪28が原稿束Pの先端から退避する。
次いで、コントローラ100はホームポジションセンサ34からの検出情報に基づいてストッパ爪31が退避対置に移動したか否かを判別し(ステップS7)、ストッパ爪31が退避位置に移動した場合には、呼出しモータ101を逆転駆動する(ステップS8)。
このため、呼出しコロ31が原稿束Pに当接するように退避位置から下降する。そして、コントローラ100は呼出しモータ101が図4のTに示す定常状態になったか否かを判別し(ステップS9)、定常状態になった場合には、定常状態からの呼出しモータ101の進量パルスカウント(図4のP2のカウント)をスタートする(ステップS10)。
次いで、コントローラ100はカウント値が所定パルス(すなわち、図4のP2)になったか否かを判別し(ステップS11)、所定パルスに到達した場合には、呼出しモータ101を停止する(ステップS12)。このため、呼出しコロ31が原稿束Pの最上部に当接する。
次いで、コントローラ100は原稿サイズ検出センサ25〜27からの検出情報に基づいて原稿の長さを取得した後(ステップS13)、図10に示すように給紙モータ102を時計回転方向に正転駆動する(ステップS14)。このため、呼出しコロ31によって原稿束Pから最上位に位置する原稿が分離された後、給紙ベルト32およびリバースローラ33によって最上位に位置する原稿が分離される。
次いで、コントローラ100は分離センサ51がオンしたか否かを判別し(ステップS15)、分離センサ51がオンした場合には分離原稿の先端が分離センサ51によって検出されたものと判断して原稿サイズ検出センサ25〜27からの検出情報に基づいて原稿束Pの厚さ情報を再取得する(ステップS16)。
次いで、コントローラ100は原稿サイズ検出センサ25〜27からの検出情報に基づいて原稿が分離される前の原稿束Pの厚さと原稿が分離された直後の原稿束Pの厚さを比較し、分離原稿の1枚当りの厚さを算出する(ステップS17)。
次いで、コントローラ100はプルアウトローラ対36による原稿の厚みに応じた第1突当て量を決定した後(ステップS18)、読取入口ローラ対37による原稿の厚みに応じた第2突当て量を決定する(ステップS19)。
次いで、コントローラ100は原稿の厚みに応じた排出速度を決定した後(ステップS20)、原稿の厚みに応じたジャム検出条件を決定する(ステップS21)。次いで、コントローラ100は給紙モータ102を反時計回転方向に逆転駆動する(ステップS22)。
次いで、コントローラ100は突当てセンサ35がオンしたか否かを判別し(ステップS23)、突当てセンサ35がオンしない場合には、ステップS21で取得したジャム検出条件に基づいてジャム検出時間オーバーか否かを判別する(ステップS25)。
コントローラ100はジャム検出時間オーバーであるものと判断した場合には、突当て未達ジャムと判断して表示部48にジャム表示を行う(ステップS26)。また、ジャム検出条件は、薄紙原稿の場合には厚紙原稿よりもジャム検出時間が短い時間に設定されているため、読取モータ103を直ちに停止して、薄紙原稿の損傷を少なくするように制御する。
一方、ステップS23で突当てセンサ35がオンの場合には、第1突当て量をカウントする(ステップS24)。すなわち、コントローラ100は突当てセンサ35とプルアウトローラ対36の距離よりも大きく設定された所定量Xmmに相当する給紙モータ102の駆動パルスのカウントを開始する。また、上述したように所定量Xmmは厚紙と薄紙に応じて異なる値に設定されている。
次いで、図11に示すように、コントローラ100は呼出しモータ101を反時計回転方向に逆転駆動した後(ステップS27)、呼出しコロ31が退避位置に移動したか否かを判別し(ステップS28)、呼出しコロ31が退避位置に移動した場合には、呼出しモータ101を停止する(ステップS29)。
次いで、コントローラ100は給紙モータ102のパルスカウントが第1突当て量(Xmmに相当)する所定パルスに到達したか否かを判別し(ステップS30)、パルスカウントが所定パルスに到達した場合には、給紙モータ102を高速で逆転駆動する。
また、給紙モータ102が所定パルスに到達した時点では、原稿が所定量の撓みを持ってプルアウトローラ対36に押し当てられた状態になり原稿のスキューが矯正される。また、給紙モータ102が逆転駆動されると、プルアウトローラ対36は駆動されるが、プーリ140のワンウェイクラッチの作用により呼出しコロ31と給紙ベルト32に駆動力は伝達されないので、原稿はプルアウトローラ対36によって搬送される。
次いで、原稿幅センサ38がオンしたか否かを判別し(ステップS32)、原稿幅センサ38がオンした場合には、コントローラ100は原稿幅センサ38からの検出情報に基づいて原稿の幅情報を取得する(ステップS33)。この結果、コントローラ100は原稿サイズ検出センサ25〜27の原稿長さ情報と原稿幅センサ38からの幅情報との組合せにより原稿テーブル24上に積載された原稿束Pのサイズ情報を把握することができる。
このとき、原稿はプルアウトローラ対36および読取入口ローラ対37に挟持されて読取位置80に向かって搬送される。この際には原稿搬送速度を高速に設定して原稿を読取位置80に送り込む処理時間の短縮を図る。特に、2枚目以降の原稿ではこの高速搬送により前原稿との紙間を短縮することで生産性を向上させることができる。
次いで、コントローラ100は混載モードがオフになっているか否かを判別し(ステップS34)、混載モードがオフになっている場合には、本体制御部111に原稿テーブル24上に積載された原稿束Pのサイズ情報を送信する(ステップS35)。
次いで、図12に示すように、コントローラ100は読取入口センサ39によって原稿の先端が検出されたか否かを判別し(ステップS36)、読取入口センサ39がオンしない場合にはステップS21で取得したジャム検出条件に基づいてジャム検出時間オーバーか否かを判別する(ステップS41)。
コントローラ100はジャム検出時間オーバーであるものと判断した場合には、先端検出未達ジャムと判断して表示部48にジャム表示を行う(ステップS42)。また、ジャム検出条件は、薄紙原稿の場合には厚紙原稿よりもジャム検出時間が短い時間に設定されているため、給紙モータ102を直ちに停止して、薄紙原稿の損傷を少なくするように制御する。
一方、ステップS36で読取入口センサ39がオンの場合には、第2突当て量をカウントする(ステップS37)。すなわち、コントローラ100は読取入口センサ39と読取入口ローラ対37の距離よりも大きく設定された所定量Ymmに相当する給紙モータ102の駆動パルスのカウントを開始する。また、上述したように所定量Ymmは厚紙と薄紙に応じて異なる値に設定されている。
次いで、コントローラ100は給紙モータ102のパルスカウントが第2突当て量(Ymm)に相当する所定パルスに到達したか否かを判別し(ステップS38)、パルスカウントが所定パルスに到達した場合には、給紙モータ102を停止して(ステップS39)、本体制御部111にレジスト停止信号を送信した後(ステップS40)、読取位置80までの搬送制御を終了する。また、給紙モータ102が所定パルスに到達した時点では、原稿が所定量の撓みを持って読取入口ローラ対37に押し当てられた状態になり原稿のスキューが矯正される。
図13は読取時の原稿の搬送制御プログラムのフローチャートである。図13において、コントローラ100は片面モードであるか否かを判別し(ステップS51)、片面モードであるものと判断した場合には、読取モータ103の速度を読取倍率から設定した後(ステップS52)、続いて本体制御部111から読取開始信号を受信すると、原稿読取り動作を開始する。
コントローラ100は読取モータ103を正転駆動して読取入口ローラ対37および読取出口ローラ対40を読取倍率に応じた搬送速度で駆動する(ステップS53)。次いで、コントローラ100は原稿の先端がレジストセンサ41によって検出されたか否かを判別し(ステップS54)、原稿の先端が検出されると、読取モータ103のパルスカウントを開始する(ステップS55)。
次いで、コントローラ100は、読取モータ103のパルスカウント値がレジストセンサ41とスリットガラス22b上の読取位置80の距離に相当する表面所定パルスになったか否かを判別する(ステップS56)。
コントローラ100はカウント値が表面所定パルスに到達したものと判断した場合には、原稿のスリップ率等を考慮した補正パルスが表面所定パルスになったか否かを判別する(ステップS57)。
コントローラ100は補正パルスが表面所定パルスに到達したものと判断した場合には、原稿先端が読取位置80に到達するタイミングで、本体制御部111に対して副走査方向有効画像領域を示すゲート信号を送出した後(ステップS59)、表面ゲートカウントのカウントを開始する(ステップS59)。
次いで、コントローラ100は排紙センサ50によって原稿の先端が検出されたか否かを判別し(ステップS60)、排紙センサ50によって原稿の先端が検出されていないものと判断した場合には、ステップS21で取得したジャム検出条件に基づいてジャム検出時間オーバーか否かを判別する(ステップS61)。
コントローラ100はジャム検出時間オーバーであるものと判断した場合には、排紙未達ジャムと判断して表示部48にジャム表示を行う(ステップS62)。また、ジャム検出条件は、薄紙原稿の場合には厚紙原稿よりもジャム検出時間が短い時間に設定されているため、読取モータ103を直ちに停止して、薄紙原稿の損傷を少なくするように制御する。
一方、ステップS60で排紙センサ50がオンの場合には、図14に示すようにコントローラ100はレジストセンサ41がオフであるか否かを判別し(ステップS63)、レジストセンサ41がオフでないものと判断した場合には、ステップS21で取得したジャム検出条件に基づいてジャム検出時間オーバーか否かを判別する(ステップS64)。
コントローラ100はジャム検出時間オーバーであるものと判断した場合には、レジスト滞留ジャムと判断して表示部48にジャム表示を行う(ステップS65)。また、ジャム検出条件は、薄紙原稿の場合には厚紙原稿よりもジャム検出時間が短い時間に設定されているため、読取モータ103の駆動を直ちに停止する。
また、コントローラ100はレジストセンサ41がオフであるものと判断した場合には、読取モータ103のパルスをカウントする後端カウントをスタートする(ステップS66)。
次いで、コントローラ100は読取モータ103のパルスのカウント値が表面所定パルスに達したか否かを判別し(ステップS67)、表面所定パルスに達したものと判断した場合には、ゲートカウント値が原稿長よりも大きくなったか否かを判別する(ステップS68)。
コントローラ100はゲートカウント値が原稿長よりも大きくなったものと判断した場合には、副走査方向有効画像領域を示すゲート信号の送信を停止する(ステップS69)。
次いで、コントローラ100は排紙センサ50がオフになったか否かを判別し(ステップS70)、排紙センサ50がオフになっていないものと判断した場合には、ステップS21で取得したジャム検出条件に基づいてジャム検出時間オーバーか否かを判別する(ステップS72)。
コントローラ100はジャム検出時間オーバーであるものと判断した場合には、排紙滞留ジャムと判断して表示部48にジャム表示を行う(ステップS73)。また、ジャム検出条件は、薄紙原稿の場合には厚紙原稿よりもジャム検出時間が短い時間に設定されているため、読取モータ103の駆動を直ちに停止する。
また、コントローラ100は排紙センサ50がオフになったものと判断した場合には、排紙完了を示す信号を本体制御部111に送信して(ステップS71)、処理を終了する。
一方、コントローラ100はステップS51で片面モードでないものと判断した場合には、図15に示すように読取モータ103の速度を読取倍率から設定した後(ステップS81)、続いて本体制御部111から読取開始信号を受信すると、原稿読取り動作を開始する。
コントローラ100は読取モータ103を正転駆動して読取入口ローラ対37および読取出口ローラ対40を読取倍率に応じた搬送速度で駆動する(ステップS82)。次いで、コントローラ100はレジストセンサ41がオンになったか否かを判別し(ステップS83)、レジストセンサ41がオンになった場合には、読取モータ103のパルスカウントを開始する(ステップS84)。
次いで、コントローラ100は読取モータ103のパルスカウント値がレジストセンサ41とスリットガラス22b上の読取位置80の距離に相当する表面所定パルスになったか否かを判別し(ステップS85)、コントローラ100はカウント値が表面所定パルスに到達したものと判断した場合には、原稿のスリップ率等を考慮した補正パルスが表面所定パルスになったか否かを判別する(ステップS86)。
コントローラ100は補正パルスが表面所定パルスに到達したものと判断した場合には、原稿先端が読取位置80に到達するタイミングで、本体制御部111に対して副走査方向有効画像領域を示すゲート信号を送信する(ステップS87)。
また、このとき、読取モータ103の駆動速度を原稿の厚さに応じた搬送速度に設定して原稿を搬送する。この搬送速度は薄紙原稿の場合には厚紙原稿よりも速い速度に設定している。
次いで、コントローラ100は表面ゲートカウントをスタートした後(ステップS88)、読取出口センサ47によって原稿の先端が検出されたか否かを判別する(ステップS89)。
コントローラ100は読取出口センサ47によって原稿の先端が検出されていないものと判断した場合には、ステップS21で取得したジャム検出条件に基づいてジャム検出時間オーバーか否かを判別する(ステップS90)。
コントローラ100はジャム検出時間オーバーであるものと判断した場合には、排紙未達ジャムと判断して表示部48にジャム表示を行う(ステップS91)。また、ジャム検出条件は、薄紙原稿の場合には厚紙原稿よりもジャム検出時間が短い時間に設定されているため、読取モータ103の駆動を直ちに停止する。
また、コントローラ100は読取出口センサ47がオンしているものと判断した場合には、原稿の表面の読取時に読取位置80を抜けた原稿の先端が排紙ローラ42に到達する前に反転ソレノイド45をオンにして切換え爪44を二点鎖線で示す位置に切換えるとともに反転モータ104を駆動する(ステップS92)。
このため、読取モータ103によって駆動される排紙駆動ローラ42aおよび排紙上従動ローラ42bと、反転モータ104の正転駆動によって回転される反転ローラ対45とによりスイッチバック通路46a上を搬送される。
次いで、コントローラ100は反転センサ49がオンになったか否かを判別し(ステップS93)、反転センサ49がオンになっていないものと判断した場合には、ステップS21で取得したジャム検出条件に基づいてジャム検出時間オーバーか否かを判別する(ステップS94)。
コントローラ100はジャム検出時間オーバーであるものと判断した場合には、反転未達ジャムと判断して表示部48にジャム表示を行う(ステップS95)。また、ジャム検出条件は、薄紙原稿の場合には厚紙原稿よりもジャム検出時間が短い時間に設定されているため、読取モータ103の駆動を直ちに停止する。
また、コントローラ100は反転センサ49がオンしているものと判断した場合には、図16に示すように、レジストセンサ41がオフになったか否かを判別し(ステップS96)、レジストセンサ41がオフになっていないものと判断した場合には、ステップS21で取得したジャム検出条件に基づいてジャム検出時間オーバーか否かを判別する(ステップS97)。
コントローラ100はジャム検出時間オーバーであるものと判断した場合には、レジスト滞留ジャムと判断して表示部48にジャム表示を行う(ステップS98)。また、ジャム検出条件は、薄紙原稿の場合には厚紙原稿よりもジャム検出時間が短い時間に設定されているため、読取モータ103および反転モータ104を直ちに停止して、薄紙原稿の損傷を少なくするように制御する。
一方、コントローラ100はステップS96でレジストセンサ41がオフになったものと判断した場合には、レジストセンサ41によって原稿の後端が未検出となった状態からの読取モータ103のパルスをカウントする後端カウントをスタートする(ステップS99)。
次いで、コントローラ100は読取モータ103のパルスのカウント値が表面所定パルスに達したか否かを判別し(ステップS100)、表面所定パルスに達したものと判断した場合には、ゲートカウント値が原稿長よりも大きくなったか否かを判別する(ステップS101)。
コントローラ100はゲートカウント値が原稿長よりも大きくなったものと判断した場合には、副走査方向有効画像領域を示すゲート信号の送信を停止する(ステップS102)。
次いで、コントローラ100は読取出口センサ47がオフになったか否かを判別し(ステップS103)、読取出口センサ47がオンの場合には、ステップS21で取得したジャム検出条件に基づいてジャム検出時間オーバーか否かを判別する(ステップS104)。
コントローラ100はジャム検出時間オーバーであるものと判断した場合には、排紙滞留ジャムと判断して表示部48にジャム表示を行う(ステップS105)。また、ジャム検出条件は、薄紙原稿の場合には厚紙原稿よりもジャム検出時間が短い時間に設定されているため、読取モータ103および反転モータ104の駆動を直ちに停止する。
また、コントローラ100は読取出口センサ47がオフになったものと判断した場合には、原稿の後端が読取出口センサ47によって検出されてから読取モータ103を所定パルスだけ駆動されたか否かを判別する(ステップS106)。
コントローラ100は読取モータ103が所定パルス駆動されたものと判断した場合には、原稿の後端が排紙駆動ローラ42aおよび排紙上従動ローラ42bから抜け出たものと判断し、反転ソレノイド105をオフにして切換え爪44を実線の位置に戻す。また、所定パルス後に反転モータ104を高速で逆転駆動して反転ローラ対45を回転させるとともに、読取モータ103を加速して(ステップS107)、原稿を再給紙通路46b上でプルアウトローラ対36に向かって搬送する。
このとき、読取モータ103の駆動方向は同一方向、反転モータ104の駆動方向は逆方向であり、反転モータ104および読取モータ103が高速駆動されるので、処理時間を短縮することができる。
次いで、コントローラ100は原稿の先端が反転センサ49によって検出されて反転モータ104を所定パルス駆動したか否かを判別し(ステップS108)、所定パルス駆動したものと判断した場合には、給紙モータ102を、プルアウトローラ対36を駆動する方向である反時計回転方向に高速駆動する(ステップS109)。
次いで、図17に示すように、コントローラ100は反転センサ49がオフになったか否かを判別し(ステップS110)、反転センサ49がオフになったものと判断した場合には、反転モータ104を停止する(ステップS111)。
次いで、コントローラ100は読取入口センサ39がオンになったか否かを判別し(ステップS112)、読取入口センサ39がオンになっていない場合には、ステップS21で取得したジャム検出条件に基づいてジャム検出時間オーバーか否かを判別する(ステップS113)。
コントローラ100はジャム検出時間オーバーであるものと判断した場合には、先端検出未達ジャムと判断して表示部48にジャム表示を行う(ステップS114)。また、ジャム検出条件は、薄紙原稿の場合には厚紙原稿よりもジャム検出時間が短い時間に設定されているため、読取モータ103を直ちに停止して、薄紙原稿の損傷を少なくするように制御する。
コントローラ100はステップS112で読取入口センサ39がオンになったものと判断した場合には、レジストセンサ41がオンになったか否かを判別し(ステップS115)、レジストセンサ41がオンになっていない場合には、ステップS21で取得したジャム検出条件に基づいてジャム検出時間オーバーか否かを判別する(ステップS116)。
コントローラ100はジャム検出時間オーバーであるものと判断した場合には、レジスト滞留ジャムと判断して表示部48にジャム表示を行う(ステップS117)。
コントローラ100はステップS115でレジストセンサ41がオンになったものと判断した場合には、読取モータ103を正転駆動するとともに、読取モータ103のパルスカウントを開始する(ステップS118)。
次いで、コントローラ100は読取モータ103のパルスカウント値がレジストセンサ41とスリットガラス22b上の読取位置80の距離に相当する表面所定パルスになったか否かを判別し(ステップS119)、カウント値が裏面所定パルスに到達したものと判断した場合には、原稿のスリップ率等を考慮した補正パルスが表面所定パルスになったか否かを判別する(ステップS120)。
コントローラ100は補正パルスが裏面所定パルスに到達したものと判断した場合には、原稿先端が読取位置80に到達するタイミングで、本体制御部111に対して副走査方向有効画像領域を示すゲート信号を送出した後(ステップS121)、裏面ゲートカウントのカウントを開始する(ステップS122)。
次いで、コントローラ100は読取出口センサ47がオンしたか否かを判別し(ステップS123)、読取出口センサ47がオンになっていないものと判断した場合には、ステップS21で取得したジャム検出条件に基づいてジャム検出時間オーバーか否かを判別する(ステップS124)。
コントローラ100はジャム検出時間オーバーであるものと判断した場合には、排紙未達ジャムと判断して表示部48にジャム表示を行う(ステップS125)。また、ジャム検出条件は、薄紙原稿の場合には厚紙原稿よりもジャム検出時間が短い時間に設定されているため、読取モータ103を直ちに停止して、薄紙原稿の損傷を少なくするように制御する。
また、コントローラ100はステップS123で読取出口センサ47がオンであるものと判断した場合には、原稿の表面の読取時に読取位置80を抜けた原稿の先端が排紙ローラ42に到達する前に反転ソレノイド45をオンにして切換え爪44を二点鎖線で示す位置に切換えるとともに反転モータ104を駆動する(ステップS126)。
このため、読取モータ103によって駆動される排紙駆動ローラ42aおよび排紙上従動ローラ42bと、反転モータ104の正転駆動によって回転される反転ローラ対45とによりスイッチバック通路46a上を搬送される。
次いで、コントローラ100は、図18に示すように反転センサ49がオンになっているか否かを判別し(ステップS127)、反転センサ49がオンになっていないものと判断した場合には、ステップS21で取得したジャム検出条件に基づいてジャム検出時間オーバーか否かを判別する(ステップS128)。
コントローラ100はジャム検出時間オーバーであるものと判断した場合には、反転未達ジャムと判断して表示部48にジャム表示を行う(ステップS129)。また、ジャム検出条件は、薄紙原稿の場合には厚紙原稿よりもジャム検出時間が短い時間に設定されているため、読取モータ103および反転モータ104を直ちに停止して、薄紙原稿の損傷を少なくするように制御する。
コントローラ100はステップS127で反転センサ49がオンになっているものと判断した場合には、レジストセンサ41がオフになったか否かを判別し(ステップS130)、レジストセンサ41がオフになっていないものと判断した場合には、ステップS21で取得したジャム検出条件に基づいてジャム検出時間オーバーか否かを判別する(ステップS131)。
コントローラ100はジャム検出時間オーバーであるものと判断した場合には、レジスト滞留ジャムと判断して表示部48にジャム表示を行う(ステップS132)。また、ジャム検出条件は、薄紙原稿の場合には厚紙原稿よりもジャム検出時間が短い時間に設定されているため、読取モータ103および反転モータ104を直ちに停止して、薄紙原稿の損傷を少なくするように制御する。
コントローラ100はステップS130でレジストセンサ41がオフになったものと判断した場合には、レジストセンサ41によって原稿の後端が未検出となった状態からの読取モータ103のパルスをカウントする後端カウントをスタートする(ステップS133)。
次いで、コントローラ100は読取モータ103のパルスのカウント値が裏面所定パルスに達したか否かを判別し(ステップS134)、裏面所定パルスに達したものと判断した場合には、ゲートカウント値が原稿長よりも大きくなったか否かを判別する(ステップS135)。
コントローラ100はゲートカウント値が原稿長よりも大きくなったものと判断した場合には、副走査方向有効画像領域を示すゲート信号の送信を停止する(ステップS136)。
次いで、コントローラ100は読取出口センサ47がオフになったか否かを判別し(ステップS137)、読取出口センサ47がオフになっていないものと判断した場合には、ステップS21で取得したジャム検出条件に基づいてジャム検出時間オーバーか否かを判別する(ステップS138)。
コントローラ100はジャム検出時間オーバーであるものと判断した場合には、排紙滞留ジャムと判断して表示部48にジャム表示を行う(ステップS139)。また、ジャム検出条件は、薄紙原稿の場合には厚紙原稿よりもジャム検出時間が短い時間に設定されているため、読取モータ103および反転モータ104の駆動を直ちに停止する。
また、コントローラ100はステップS137で読取出口センサ47がオフになったものと判断した場合には、原稿の後端が読取出口センサ47によって検出されてから読取モータ103を所定パルスだけ駆動されたか否かを判別する(ステップS140)。
コントローラ100は読取モータ103が所定パルス駆動されたものと判断した場合には、原稿の後端が排紙駆動ローラ42aおよび排紙上従動ローラ42bから抜け出たものと判断し、反転ソレノイド105をオフにして切換え爪44を実線の位置に戻す。また、所定パルス後に反転モータ104を高速で逆転駆動して反転ローラ対45を回転させるとともに、読取モータ103を加速して(ステップS141)、原稿を再給紙通路46b上でプルアウトローラ対36に向かって搬送する。この搬送処理は、原稿の両面を読み取った後に原稿の頁揃えを行うための3回目の原稿の反転動作であり、原稿面の読取りは行われない。
このとき、読取モータ103の駆動方向は同一方向、反転モータ104の駆動方向は逆方向であり、反転モータ104および読取モータ103が高速駆動されるので、処理時間を短縮することができる。
次いで、コントローラ100は原稿の先端が反転センサ49によって検出されてから反転モータ104が所定パルス駆動されたか否かを判別し(ステップS142)、所定パルス駆動されたものと判断した場合には、給紙モータ102を、プルアウトローラ対36を駆動する方向である反時計回転方向に高速駆動する(ステップS143)。
次いで、図19に示すように、コントローラ100は反転センサ49がオフになったか否かを判別し(ステップS144)、反転モータ104の駆動を停止する(ステップS145)。
次いで、コントローラ100は排紙センサ50がオフになったか否かを判別し(ステップS146)、排紙センサ50がオフになっていないものと判断した場合には、ステップS21で取得したジャム検出条件に基づいてジャム検出時間オーバーか否かを判別する(ステップS147)。
コントローラ100はジャム検出時間オーバーであるものと判断した場合には、排紙滞留ジャムと判断して表示部48にジャム表示を行う(ステップS148)。また、ジャム検出条件は、薄紙原稿の場合には厚紙原稿よりもジャム検出時間が短い時間に設定されているため、読取モータ103および反転モータ104を直ちに停止して、薄紙原稿の損傷を少なくするように制御する。
一方、コントローラ100はステップS146で排紙センサ50がオフになったものと判断した場合には、給紙モータ102および読取モータ103の駆動を停止した後(ステップS149)、本体制御部111に排紙完了を示す信号を送信して(ステップS150)、処理を終了する。
このように本実施の形態では、原稿テーブル24に載置された原稿束Pの搬送方向長さを検出する原稿サイズ検出センサ25〜27を、原稿テーブル24に載置された原稿束Pの厚さを検出するセンサから構成し、この原稿サイズ検出センサ25〜27によって検出された原稿束Pの厚さ情報に基づいて、呼出しコロ31の下降制御を行うようにしたので、紙厚を検出する専用のセンサを設けるのを不要にして呼出しコロ31が原稿束Pに当接したときに過剰な衝撃が発生するのを防止することができる。
このため、騒音が発生するのを防止することができるとともに呼出しコロ31や原稿束Pを保護することができ、ADF23の製造コストを低減することができる。この結果、複写機21の製造コストを低減することができる。
また、本実施の形態では、原稿サイズ検出センサ25〜27によって検出された原稿束Pの厚さが積載許容枚数以上の厚さであった場合に、表示部48によって警報を発するようにしたので、原稿束Pが積載許容枚数以上の厚さであった場合に原稿の搬送の中止をユーザに促すことができ、ADF23を保護することができる。
具体的には、ADF23では、積載許容枚数を定めているが、実際にはユーザの操作性の観点から許容枚数以上の原稿束Pを載置することが可能であるため、原稿テーブル24上に積載許容枚数以上の原稿束Pを載置して多数の原稿の搬送を行うと、給紙ベルト32およびリバースローラ33部分で分離不良等の不具合が発生したり、原稿の許容枚数以上の連続動作されてしまうことによってADF23の耐久性や温度上昇といった不具合が発生するおそれがある。
これに対して、本実施の形態では、原稿束Pが積載許容枚数以上の厚さであった場合に警報を発生させて原稿の搬送の中止をユーザに促すことができるので、ADF23を保護することができる。
また、本実施の形態では、呼出し手段を、原稿束Pに当接・退避自在な呼出しコロ31と、呼出しコロ31を後述する呼出しカム126およびステッピングモータからなる呼出しモータ101から構成しているので、呼出し手段の下降動作をステッピングモータによって行うことにより、パルスカウントによる精度の高い速度制御を行うことができる。
また、本実施の形態では、呼出しコロ31を下降制御する場合に、呼出しコロ31が原稿束Pから退避する退避位置から原稿束Pに当接する当接位置に下降するまでの呼出しモータ101のパルス数をP、呼出しコロ31を最高速度Vmaxまで加速させるための呼出しモータ101のパルス数をP1、呼出しコロ31を最高速度の定常状態から当接位置に移動するまで減速度するための呼出しモータ101のパルス数をP2としたときに、P>P1+P2の関係を成立させるようにしたので、P1、P2を調整して最適な定常状態を求めることにより、呼出しコロ31を常に一定の速度で下降させることができ、呼出しコロ31が急激に下降してしまうことにより負荷変動が発生してしまうのを防止して、呼出しコロ31が原稿束Pに当接したときに過剰な衝撃が発生するのをより一層防止することができる。
また、本実施の形態では、原稿サイズ検出センサ25〜27の検出情報に基づいて原稿テーブル24に載置された原稿束Pの厚さと、原稿束Pから最上位の原稿が分離された直後の原稿束Pの厚さとを比較することにより、分離された原稿の1枚当りの厚さを算出するようにしたので、原稿サイズの検出と原稿の厚さの検出を同じ原稿サイズ検出センサ25〜27で行うことができる上に、原稿テーブル24に載置された原稿束Pの厚さと分離された原稿Pの厚さも同じ原稿サイズ検出センサ25〜27によって検出することができ、多数の検出手段を不要にしてADF23の製造コストが増大するのをより一層防止することができる。
また、本実施の形態では、原稿束Pの厚さに応じて原稿をプルアウトローラ対36に突当てるときの突当て量を変更しているので、以下のような効果を得ることができる。
原稿の紙厚に無関係に突当て量を一律に制御した場合の突当て動作は、給紙ベルト32やプルアウトローラ対36等による原稿の不送り防止とスキュー補正を目的として行うが、突当て量を大きくすると騒音、原稿の損傷等が発生し、逆に突当て量が小さいと原稿の不送り、スキューが発生してしまう。
一般的に厚い原稿はスリップが大きいという傾向があるので、突当て量を一律にしてしまうと、紙厚に応じて突当て量にバラツキが生じてスキュー量が変化するので上記のような問題が発生するおそれがある。
また、このような不具合を解消するために分離原稿の紙厚を検出する専用のセンサを設けると、原稿束Pと分離原稿の厚さを検出するために多数のセンサが必要になって自動原稿搬送装置の製造コストが増大してしまう。
そこで、本実施の形態では、原稿サイズ検出センサ25〜27からの検出情報に基づいて原稿テーブル24に載置された原稿束Pの厚さと、原稿束Pから最上位の原稿が分離された直後の原稿束Pの厚さとを比較することにより、分離された原稿の1枚当りの厚さを算出し、分離原稿の紙厚に応じてプルアウトローラ対36による突当て量を変更することにより、分離原稿の厚みに応じて最適なスキュー補正を行うことができるとともに、原稿の不送りが発生するのを防止することができる。
また、本実施の形態では、原稿サイズ検出センサ25〜27を原稿の搬送方向に沿って離隔するように複数個設け、分離センサ51とストッパ爪28の離隔距離Sと、原稿サイズ検出センサ25〜27のそれぞれの離隔距離S1、S2との関係をS>Snとしたので、原稿テーブル24とストッパ部材の離隔距離Sが原稿サイズ検出センサ25〜27のそれぞれの離隔距離S1、S2に対して大きくすることができ、原稿の先端が原稿サイズ検出センサ25〜27に到達する前に、原稿の後端は原稿サイズ検出センサ25〜27の何れか1つを必ず通過させることができる。
したがって、原稿サイズ検出センサ25〜27は、原稿テーブル24に載置された原稿束Pの厚さと、原稿束Pから最上位の原稿が分離された直後の原稿束Pの厚さを確実に検出して両者を比較することができる。
また、本実施の形態では、原稿束Pの厚さに応じて原稿を読取入口ローラ対37に突当てるときの突当て量を変更しているので、原稿の画像を読取る読取位置80の直前で分離原稿の厚みに応じて最適なスキュー補正を行うことができるとともに、原稿の不送りが発生するのを防止することができる。
また、本実施の形態では、分離原稿の紙厚に応じて排紙トレイ43に排紙される原稿の排紙速度を可変するようにしたので、排紙トレイ43に排紙された原稿のスタック性を向上させることができる。
具体的には、紙厚に無関係に排紙トレイ43に一定の速度で原稿を排紙した場合には、排出速度によっては腰の弱い薄紙等は、原稿の後端が原稿の搬送経路のフレーム等に引っ掛かってしまう等して完全に排出できないことがある。
この対策として排出速度を高くすると、A3等の大サイズの原稿が排紙トレイ43から落下してしまうという新たな不具合が発生するおそれがある。したがって、薄紙でも厚紙の大サイズの原稿に対しても排紙トレイ43に良好に収まる排出速度が設定できたとしても、紙厚の異なる原稿が排紙トレイ43にスタックされた場合にはスタック性が非常に悪くなるという不具合が発生する。
本実施の形態では、分離原稿の紙厚に応じて排紙トレイ43に排紙される原稿の排紙速度を可変することにより、腰の弱い薄紙の後端が原稿の搬送経路のフレーム等に引っ掛かってしまうのを防止したり、A3等の大サイズの原稿が排紙トレイ43から落下してしまうこと等を防止して紙厚の異なる原稿を排紙トレイ43に良好にスタックすることができる。
また、本実施の形態では、搬送している原稿の紙厚に応じてジャム判定を行うための条件を異ならせるようにしたので、以下のような効果を得ることができる。
一般に、ジャムの判定基準は原稿のスリップも考慮して搬送距離を長めに設定しているが、給紙モータ102、読取モータ103および反転モータ104等の複数の駆動源を介して原稿を搬送しているときに一部の駆動源が脱調して強制的に搬送を押さえ付けようとする力が働いた場合、スリップの小さい薄紙はジャム判定されるまでに無理やり長距離を搬送されることになり、原稿が損傷してしまう。
本実施の形態では、搬送している原稿の紙厚に応じてジャム判定を行うための条件を異ならせることにより、紙厚に応じた最適なジャム判定を行い、原稿が損傷すること等を防止することができる。
なお、本実施の形態では、原稿を搬送するADF23に本発明を適用しているが、用紙としての転写紙等の記録媒体を搬送する用紙搬送装置に適用しても良い。例えば、本体21a内に設けられた転写紙S1〜S5が収納された収納カセット91〜95、呼出しコロ91a〜95a、中継ローラ対96、97、レジストローラ対98等を備えた用紙搬送装置に適用し、転写紙を感光体ドラム83と転写ベルト87の間の処理位置に搬送するようにしても良い。