JP2007290295A - 液体吐出ヘッド、液体吐出装置、画像形成装置 - Google Patents

液体吐出ヘッド、液体吐出装置、画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】共通液室を通じて生じる相互干渉をレイアウト上の制約なく効率的に抑制することができない。
【解決手段】流路基板1と、この流路基板1の下面に接合した振動板2と、流路基板1の上面に接合したノズル板3とによって液滴を吐出するノズル4が連通する加圧液室6、加圧液室6に液体を供給する供給路を兼ねた流体抵抗部7、複数の加圧液室6に記録液を供給する共通液室8を形成し、共通液室8にダイアフラム部19を介して隣り合うバッファ室18をフレーム部材17に形成し、バッファ室18と外部とを連通する連通路20を設けた。
【選択図】図3

Description

本発明は液体吐出ヘッド、液体吐出装置、画像形成装置に関する。
一般に、プリンタ、ファックス、コピア、プロッタ、或いはこれらの内の複数の機能を複合した画像形成装置としては、例えば、記録液(液体)の液滴を吐出する液体吐出ヘッドで構成した記録ヘッドを含む液体吐出装置を用いて、媒体(以下「用紙」ともいうが材質を限定するものではなく、また、被記録媒体、記録媒体、転写材、記録紙なども同義で使用する。)を搬送しながら、液体としての記録液(以下、インクともいう。)を用紙に付着させて画像形成(記録、印刷、印写、印字も同義語で用いる。)を行なうものがある。
なお、「画像形成装置」は、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックス等の媒体に液体を吐出して画像形成を行う装置を意味し、また、「画像形成」とは、文字や図形等の意味を持つ画像を媒体に対して付与することだけでなく、パターン等の意味を持たない画像を媒体に付与することをも意味する。また、「液体」とは、記録液、インクに限るものではなく、吐出されるときに流体となるものであれば特に限定されるものではない。また、「液体吐出装置」とは液体吐出ヘッドから液体を吐出する装置を意味し、画像形成を行うものに限定されない。
液体吐出ヘッドとしては、個別流路(以下「加圧液室」という。)内の液体であるインクを加圧する圧力を発生するための圧力発生手段(アクチュエータ手段)として圧電素子などで構成される圧電アクチュエータを用いたもの、発熱抵抗体などで構成されるサーマルアクチュエータを用いたもの、静電力を発生する静電アクチュエータを用いたものなどが知られている。
ところで、画像形成装置においては、より高品位な画像を、より速い印刷速度で出力できることが求められるようになっている。前者の要求に対しては、ノズルの数、密度共に増加する傾向にある。それに伴って、各加圧液室間隔は狭まくなり、また、吐出エネルギー印加の駆動周波数も高くなる傾向にある。後者の要求に対しては、ヘッドの長尺化が試みられており、媒体の幅全領域を覆うことのできるフルライン型ヘッドも実用化されつつある。
このような高密度化された多数のノズルを備えることが要求される液体吐出ヘッドにあっては、所定の加圧液室に加えた吐出エネルギーによって当該加圧液室の液体に圧力変動を生じるとともに、この加圧液室内で生じた圧力変動は複数の加圧液室に液体を供給する共通流路(以下「共通液室」という。)にも伝播する。
この共通液室に伝播した圧力変動によって隣接する加圧液室内の液体にも影響が及ぶ相互干渉が生じると、意図しないノズルからの液滴の漏洩や吐出や、吐出状態の不安定を誘発し、結果として高品位な画像出力を得ることを妨げることになる。
そこで、特許文献1にはインクを吐出する複数のノズルと、ノズルのそれぞれに対応して連通する複数の圧力室を並べて形成した、少なくとも一枚以上の平板からなる第一の平板層と、圧力室が並べられる方向に長い形状の共通インク室を形成した、少なくとも一枚以上の平板からなる第二の平板層と、一端を複数の圧力室のそれぞれに連通させ、他端を共通インク室に連通させた、インク流路と、共通インク室とインク供給源とを繋ぐインク供給通路と、第一の平板層と第二の平板層との間に位置する、薄膜状の平板部材と、平板部材に対し共通インク室と反対側で面する平板に形成される閉じた空間からなるダンパ室とを含むインクジェットヘッドが記載されている。
特開2003−311952号公報
また、特許文献2には個々の加圧液室へとインクを供給する共通液室を区画する壁に、撓んで共通液室の圧力変化を吸収するダンパ壁を複数形成し、それら複数のダンパ壁の少なくとも一部の弾性を異ならしめてなるインクジェット記録ヘッドが記載されている。
特開2006−007629号公報
上述した特許文献1に記載のインクジェットヘッドにあっては共通液室の壁面となる薄膜に面するバッファ室によって共通液室に生じる圧力変動を吸収する構成となっている。
しかしながら、このバッファ室は閉じた部屋になっているため、特にライン型ヘッドなど長尺のヘッドにおいては、多数の加圧液室にエネルギーを印加したときに生じる、比較的大きな圧力変動に対して、十分な緩衝効果を得られず、吐出が不安定になるという課題がある。
また、特許文献2に記載のインクジェット記録ヘッドにあっては特許文献1と同様に共通液室の壁面の一部を薄膜で構成して共通液室に生じた圧力変動を緩和せしめるが、薄膜が直接大気に面し、バッファ室のような閉じた空間を設けていない点で特許文献1と異なる。このように構成すれば、大気は共通液室の容積に対して無限の大きさを持つとみなすことができて、圧力変動を吸収するに十分である。
しかしながら、この構成にあっては、薄膜面は必ず大気に接しなければならないため、レイアウト上の制約が大きくなるという課題がある。また、薄膜部が露出するため、記録媒体とヘッドが、何らかの要因(例えばジャムなど)で接触した場合、この薄膜部が損傷を受けて、共通液室内の液体が外部に流出してしまう可能性があるという課題もある。また、特にライン型ヘッドなど長尺のヘッドにおいては、薄膜部の面積が大きくなるために、部品としての剛性を保つことが困難になり、組立性の低下に繋がる.
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、レイアウト上の制約を低減しつつ、相互干渉を効率的に抑制した液体吐出ヘッド、この液体吐出ヘッドを備える液体吐出装置、画像形成装置を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明に係る液体吐出ヘッドは、液体を吐出するノズルが連通する複数の個別流路と、複数の個別流路に液体を供給する共通流路と、この共通流路に変形可能な部分を介して隣接するバッファ室と、このバッファ室内と外部とを連通する連通路とを有する構成とした。
本発明に係る液体吐出ヘッドは、液体を吐出するノズルが連通する複数の個別流路と、複数の個別流路に液体を供給する共通流路と、この共通流路に変形可能な部分を介して隣接するバッファ室と、このバッファ室と外部とを連通する連通路と、この連通路に設けられた変形可能な手段とを有する構成とした。
この液体吐出ヘッドにおいては、変形可能な手段がダイアフラムである構成、変形可能な手段が緩衝材を含む構成とすることができる。
本発明に係る液体吐出ヘッドは、液体を吐出するノズルが連通する複数の個別流路と、複数の個別流路に液体を供給する共通流路と、この共通流路に変形可能な部分を介して隣接するバッファ室と、このバッファ室と外部とを連通する連通路と、バッファ室内に設けられた緩衝材とを有する構成とした。
これらの各本発明に係る液体吐出ヘッドにおいては、連通路のバッファ室側開口は、バッファ室の変形可能な部分に対向していない構成、連通路はノズルが形成された部材側で外部に開口している構成、連通路はノズルが開口する面とは反対側で外部に開口している構成とできる。
また、バッファ室は少なくとも2層の積層部材で形成され、変形可能な部分に接する側の層部材で複数の第1のバッファ室部分、変形可能な部分に接しない側の層部材で複数の第2のバッファ室部分がそれぞれ形成され、第1のバッファ室部分と第2のバッファ室部分とはノズルの並び方向の位置がずれている構成とできる。
また、バッファ室の変形可能な部分は個別流路の壁面を構成している振動板と一体で形成されている構成とすることができる。
本発明に係る液体吐出装置は、本発明に係る液体吐出ヘッドを備えているものである。
本発明に係る画像形成装置は、本発明に係る液体吐出ヘッドを備えているものである。
なお、本発明において、「連通路」とは、バッファ室と外部とを通じる部分(外部に開放されている場合及び封止ないし閉じている場合のいずれも含む。)という意味であり、「通路」だけでなく、「通路」とまでは言えない「開口」をも含む意味である。
本発明に係る液体吐出ヘッドによれば、共通流路に変形可能な部分を介して隣接するバッファ室と、このバッファ室内と外部とを連通する連通路とを有しているので、バッファ室の壁面となる変形可能な部分が外部に露出しないのでレイアウト上の制約が低減し、バッファ室が連通路を介して外部と連通することで大きな圧力変動も吸収できて相互干渉を効率的に抑制することができる。
本発明に係る液体吐出ヘッドによれば、共通流路に変形可能な部分を介して隣接するバッファ室と、このバッファ室内と外部とを連通する連通路と、この連通路に設けられた変形可能な手段とを有しているので、バッファ室の壁面となる変形可能な部分が外部に露出しないのでレイアウト上の制約が低減し、バッファ室が連通路に変形可能な手段を有していることで大きな圧力変動も吸収できて相互干渉を効率的に抑制することができる。
本発明に係る液体吐出ヘッドによれば、共通流路に変形可能な部分を介して隣接するバッファ室と、このバッファ室と外部とを連通する連通路と、バッファ室内に設けられた緩衝材とを有しているので、バッファ室の壁面となる変形可能な部分が外部に露出しないのでレイアウト上の制約が低減し、バッファ室内に緩衝材が設けられていることで大きな圧力変動も吸収できて相互干渉を効率的に抑制することができる。
本発明に係る液体吐出装置によれば、本発明に係る液体吐出ヘッドを備えているので、安定した滴吐出を行うことができる。
本発明に係る画像形成装置によれば、本発明に係る液体吐出ヘッドを備えているので、安定した滴吐出を行うことができ、高画質画像を形成できる。
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して説明する。まず、本発明に係る液体吐出ヘッドの第1実施形態について図1ないし図3を参照して説明する。なお、図1は同液体吐出ヘッドの側面説明図、図2は同じく平面説明図、図3は図2のA−A線に沿う液室長手方向の断面説明図である。
この液体吐出ヘッドHは、SUS基板で形成した流路基板(液室基板)1と、この流路基板1の下面に接合した振動板2と、流路基板1の上面に接合したノズル板3とを有し、これらによって液滴(液体の滴)を吐出するノズル4が連通する個別流路としての加圧液室(圧力室、加圧室、流路などとも称される。)6、加圧液室6に液体であるインク(記録液)を供給する供給路を兼ねた流体抵抗部7、複数の加圧液室6に記録液を供給する共通液室8を形成している。なお、共通液室8には図示しない記録液タンクから供給路を介して記録液が供給される。
ここで、流路基板1は、リストリクタプレート1Aとチャンバーブレート1Bとを接着して構成している。この流路基板1は、SUS基板を、酸性エッチング液を用いてエッチング、あるいは打ち抜きなどの機械加工することで、各加圧液室6、流体抵抗部7、共通液室8などの開口をそれぞれ形成している。なお、流体抵抗部7は、リストリクタプレート1Aの部分を開口し、チャンバーブレート1Bの部分を開口しないことで形成している。
振動板2は、流路基板1を構成するチャンバーブレート1Bに接着接合している。この振動板2は、例えば、ポリイミドなどの樹脂部材11AにSUS基板から形成した凸部11Bを接合して形成している。この他、例えば、ニッケルの金属プレートから形成したものなどを用いることもできる。なお、上述したように流体抵抗部7の振動板2側のチャンバーブレート1Bを振動板2と接合することで、振動板2の薄いポリイミドなどの樹脂部材11Aを介して加圧液室6内の圧力が外部に逃げることを防ぎ、効率的に液滴を吐出することが可能になる。
ノズル板3は、各加圧液室6に対応して直径10〜30μmの多数のノズル4を形成し、流路基板1のリストリクタプレート1Aに接着剤接合している。このノズル板3としては、ステンレス、ニッケルなどの金属、ポリイミド樹脂フィルムなどの樹脂、シリコン、及びそれらの組み合わせからなるものを用いることができる。また、ノズル面(吐出方向の表面:吐出面)には、インクとの撥水性を確保するため、メッキ被膜、あるいは撥水剤コーティングなどの周知の方法で撥水膜を形成している。
そして、振動板2の面外側(加圧液室6と反対面側)に凸部11bを介して各加圧液室6に対応して圧力発生手段(アクチュエータ手段)を構成する積層型圧電素子12をそれぞれ接合し、これらの積層型圧電素子12をベース部材13に接合している。複数の圧電素子12は1つの圧電素子部材に溝加工(スリット加工)によって分断することなく形成したものであり、圧電素子部材は複数個圧電素子12の並び方向に沿ってベース部材13上に固定配置している。また、圧電素子12の一端面には駆動波形を与えるためのFPCケーブル14を接続している。
なお、圧電素子12の圧電方向としてd33方向の変位を用いて加圧液室6内インクを加圧する構成とすることも、圧電素子12の圧電方向としてd31方向の変位を用いて加圧液室6内インクを加圧する構成とすることもできる。本実施形態ではd33方向の変位を用いた構成をとっている。
ベース部材13は金属材料で形成することが好ましい。ベース部材13の材質(材料)が金属であれば、圧電素子12の自己発熱による蓄熱を防止することができる。圧電素子12とベース部材13は接着剤により接着接合しているが、チャンネル数が増えると、圧電素子12の自己発熱により100℃近くまで温度が上昇し、接合強度が著しく低下することになる。また、自己発熱によりヘッド内部の温度上昇が発生し、インク温度が上昇するが、インクの温度が上昇すると、インク粘度が低下し、噴射特性に大きな影響を与える。したがって、ベース部材13を金属材料で形成して圧電素子12の自己発熱による蓄熱を防止することで、これらの接合強度の低下、インク粘度の低下による噴射特性の劣化を防止することができる
さらに、振動板2の周囲にはフレーム部材17を接着剤で接合している。そして、このフレーム部材17には、振動板2の樹脂部材11Aで構成した変形可能な部分としてのダイアフラム部19を介して共通液室8に隣接するバッファ室18を形成している。ダイアフラム部19は共通液室8及びバッファ室18の壁面を形成する。なお、バッファ室18と共通液室8との間の壁部を形成する変形可能な部分としてのダイアフラム部19を振動板2を構成する部材で形成しているが、振動板2と兼用せずに別部材とすることもできる。
また、フレーム部材17にはこのバッファ室18と外部(大気)とを連通する連通路20を形成している。この場合、連通路20はノズル4が形成された面と反対側(フレーム部材17の面)に開口することで大気と連通する。つまり、ノズル面側に開口させると、ノズル面をワイピングしたときなどに記録液が連通路20を通じてバッファ室18内に侵入するおそれがある(そのため、所謂ノズルカバーなどで覆われた空間に開口させる必要がある。)、ノズル面とは反対側に開口することでバッファ室18内への記録液の侵入を防止することができる。
また、連通路20はダイアフラム部19に対向しない位置に形成している。これにより、連通路20内に異物が挿入されてダイアフラム部19が損傷されることを防止できる。
また、この液体吐出ヘッドでは、圧電素子12は300dpiの間隔で形成し、それが対向して2列に並んでいる構成としている。また、加圧液室6及びノズル4は1列150dpiの間隔で2列を千鳥状に並べて配置しており、300dpiの解像度を1スキャンで得ることができる。この場合、1列に並ぶ複数の圧電素子12は、交互に駆動する圧電素子12と単なる支柱部となる駆動されない圧電素子12となる。
また、上述したようにこの液体吐出ヘッドは、ほとんどの部材をSUSから形成し、その熱膨張係数を揃えているので、ヘッドの組立中、あるいは、使用中における熱膨張による種々の不具合を避けることができる。
このように構成した液体吐出ヘッドにおいては、例えば圧電素子12に印加する電圧を基準電位から下げることによって圧電素子12が収縮し、振動板2が下降して加圧液室6の容積が膨張することで、加圧液室6内にインクが流入し、その後圧電素子12に印加する電圧を上げて圧電素子12を積層方向に伸長させ、振動板2をノズル4方向に変形させて加圧液室6の容積/体積を収縮させることにより、加圧液室6内の記録液が加圧され、ノズル4から記録液の滴が吐出(噴射)される。
そして、圧電素子12に印加する電圧を基準電位に戻すことによって振動板2が初期位置に復元し、加圧液室6が膨張して負圧が発生するので、このとき、共通液室8から加圧液室6内に記録液が充填される。そこで、ノズル4のメニスカス面の振動が減衰して安定した後、次の液滴吐出のための動作に移行する。
なお、このヘッドの駆動方法については上記の例(引き−押し打ち)に限るものではなく、駆動波形の与えた方によって引き打ちや押し打ちなどを行うこともできる。
このようにしてノズル4から液滴を吐出させるために加圧液室6内に圧力変動が生じさせると、加圧液室6内の圧力変動が流体抵抗部7を通じて共通液室8に伝播され、共通液室8に伝播した圧力変動が他の流体抵抗部7を介して他の加圧液室6に伝播することがある。これにより、バッファ室18がない場合、この他の加圧液室6のノズル4が液滴を吐出させないチャンネルであるときには、記録液が漏洩したり、液滴が吐出されたりする可能性がある。また、この他の加圧液室6のノズル4が液滴を吐出させるチャンネルであるときには、滴吐出に対して影響を与える可能性がある。
これに対して、この液体吐出ヘッドにおいては、共通液室8に変形可能な部分を介して隣接するバッファ室18を設けているので、共通液室8内に圧力変動が伝播したときには、ダイアフラム部19が変形(変位)して圧力変動が吸収される。
このとき、多数のノズル4が同時に駆動されて液滴が吐出され、共通液室8に大きな圧力変動が伝播された場合でも、バッファ室18が連通路20を介して外部に連通しているので、ダイアフラム部19は十分に変形することができて、大きな圧力変動でも効率的に吸収することができる。
つまり、バッファ室18が密閉された空間であるときにはダイアフラム部19に変形に対してバッファ室18内の空気が抵抗となってダイアフラム部19が大きく変形することができず、大きな圧力変動を吸収できないのに対し、バッファ室18が大気開放されていることで、バッファ室18内の空気がダイアフラム部19の変形に対する抵抗となることを防止できる。
そして、ダイアフラム部19をバッファ室18の壁面として設けて直接大気に接しない構成としているので、レイアウト上の制約も低減する。つまり、ダイアフラム部19が直接大気に接しているときにはジャムなどが生じたときに破損しないようなレイアウトにしなければならず制約が多くなるのに対し、ダイアフラム部19がバッファ室18で保護されているので、このようなレイアウト上の制約が低減するのである。
また、連通路20の外部(大気)側開口を完全な開口部とすることにより、バッファ室18と外部との間での空気の出入りが容易であり、後述するように開口に変形可能な手段を設けた場合(完全な開口部でない場合)に比べて相対的に高い緩衝効果が得られる。
次に、本発明に係る液体吐出ヘッドの第2実施形態について図4を参照して説明する。なお、図4は同液体吐出ヘッドの要部平面説明図である。
ここでは、1列に並ぶ複数の加圧液室6を複数の群(ここでは、液室群6A、6B)に分けて、各群6A、6Bの加圧液室6に対応して複数のバッファ室18(ここでは、バッファ室18A、18B)を設ける構成としている。
なお、1つのバッファ室18に対して幾つの加圧液室6を対応させるかは、記録媒体やヘッドの解像度、記録周波数(駆動周波数)などに応じて適宜設定することができる。
このようにすれば、バッファ室18の壁面を形成しているダイアフラム部19の面積が大きくなり過ぎることを抑制できる。
次に、本発明に係る液体吐出ヘッドの第3実施形態について図5を参照して説明する。なお、図5は同液体吐出ヘッドの液室長手方向に沿う断面説明図である。
ここでは、第1実施形態と同様に、フレーム部材17にバッファ室18と外部とを連通する連通路20を設けるとともに、この連通路20の外部側開口に変形可能な手段としてのダイアフラム(変形可能な薄膜)21を設けている。
このように、連通路20にダイアフラム21を設けてもバッファ室18内の圧力変動をダイアフラム21で吸収することができる。そして、バッファ室18と大気が直接連通している場合に生じうる、バッファ室18に面したダイアフラム部19を通じて記録液に空気が混じる(透気)、あるいは、記録液からダイアフラム部19を通じて水分が蒸発する(透湿)ことを防止ないし低減することができる。なお、連通路20内に緩衝材を設けることでも同様な作用効果を得られる。
次に、本発明に係る液体吐出ヘッドの第4実施形態について図6を参照して説明する。なお、図6は同液体吐出ヘッドの液室長手方向に沿う断面説明図である。
ここでは、第1実施形態と同様に、フレーム部材17にバッファ室18と外部とを連通する連通路20を設けるとともに、バッファ室19内に振動抑制効果の高い緩衝材22を注入して設けている。この場合、連通路20は緩衝材22の注入口として機能することになる。緩衝材22としては、例えばスリーボンド社製TB1230Mなどを用いることができる。
このように、バッファ室18内に振動抑制効果の高い緩衝材22を充填することによって、共通液室8内に伝播した圧力振動をダイアフラム部19の変形を通じて効果的に吸収することができる。
次に、本発明に係る液体吐出ヘッドの第5実施形態について図7ないし図13を参照して説明する。なお、図7は同液体吐出ヘッドの液室長手方向に沿う断面説明図、図8は同液体吐出ヘッドの要部斜視説明図、図9は図8のB−B線に沿う断面説明図、図10は同液体吐出ヘッドの振動板の要部斜視説明図、図11は同じく振動板上にチャンバープレートを積層した状態の要部斜視説明図、図12は同じくチャンバープレートにリストリクタプレートを積層した状態の要部斜視説明図、図13は同じくリストリクタプレート上にノズル板を積層した状態の要部斜視説明図である。
この液体吐出ヘッドでは、フレーム部材17に各加圧液室6に記録液を供給する共通液室8を形成し、共通液室8から振動板2に形成した供給口9、流体抵抗部7の上流側に形成した流路10、流体抵抗部7を介して加圧液室6に記録液が供給される。
そして、この共通液室8に振動板2の一部で形成したダイアフラム部19を介して隣接するバッファ室18を積層部材である流路基板1によって形成し、バッファ室18の1つの壁面はノズル板3で形成している。
ここで、変形可能な部分であるダイアフラム部19に接するチャンバープレート1Bによってノズル並び方向に複数の第1のバッファ室部分18bを、ダイアフラム部19に接しないリストリクタプレート1Aによってノズル並び方向に第2のバッファ室部分18aをそれぞれ形成し、図8及び図9に示すように、第1のバッファ室部分18bと第2のバッファ室部分18aとはノズル並び方向の位置をずらして(言い換えれば、一部を重複させて)形成している。
そして、バッファ室18を外部(大気)に連通するために、図10に示すように振動板2に連通穴30を形成し、また、図11に示すように、振動板2上に積層したチャンバープレート1Bには、連通穴30に通じる通路31を構成する開口部31bと、第1のバッファ室部分18bに通じる通路32を構成する開口部32bを形成している。さらに、図12に示すように、チャンバープレート1B上に積層したリストリクタプレート1Aには、連通穴30に通じる通路31を構成する、開口部31bの異なる部分にそれぞれ対応する開口部31a1、31a2と、第2のバッファ室部分18aに通じるとともに開口部31a2に通じる、通路32を構成する開口部32bを形成している。このリストリクタプレート1A上に、図13に示すように、ノズル板3が積層されることで上述した通路32、31及び連通穴30による連通路が形成される。
このように構成したので、前記各実施形態と同様に、加圧液室6に生じた圧力変動が共通液室8に伝播されると、ダイアフラム部19が変形してバッファ室18によって圧力変動が吸収される。このとき、バッファ室18(18a、18b)の空気は図9に破線矢印で示すように逃げることができる。
そして、この液体吐出ヘッドでは、フレーム部材17に共通液室8を形成することで、前記実施形態に比べて共通液室8の容積を大きくすることができ、特に記録液の消費量が比較的多くなることが予想される場合(例えばライン型ヘッドの場合)、より安定して記録液を各加圧液室に供給することが可能となる。
また、前記各実施形態では各加圧液室6とバッファ室18とが振動板2を介して隣接するために、ノズル4から液滴を吐出するために圧電素子12より印加されたエネルギーがバッファ室18側に逃げてしまい、結果として液滴吐出効率が低下するおそれがある。これに対し、本実施形態の構成では、各加圧液室6はバッファ室18とは流路基板1で形成される壁部を介して隣接し、共通液室8とは振動板2を介して隣接する構成であり、共通液室8には空気に比して緩衝効果の低い記録液が充填されているので、圧電素子12より印加されたエネルギーがバッファ室18側に逃げてしまうことが防止され、液滴吐出効率の低下を防止できる。
また、ノズル板3は、バッファ室18の上にあることで共通液室8の壁面を構成しているダイアフラム部19を保護するカバー部材としての機能も果たしている。カバー部材としてのノズル板3があることで、通常数μmの薄層部材であるダイアフラム部が媒体などのジャムによって破損することを防止できる。ノズル板3がノズル4を形成する部材とダイアフラム部を保護するカバー部材とを兼ねることでコストの低減も図れる。
なお、本実施形態の構成においても、圧力変動を大気に逃がすことができればよいので連通路は開口しているものに限らず、前述した第3実施形態のように例えば連通穴30の部分にごく薄いダイアフラム部を形成することができ、あるいは、第4実施形態のようにバッファ室18内に振動抑制効果の高い緩衝材を注入することもできる(この場合の連通穴30、通路31、32からなる連通路は緩衝材注入路となる。)。
次に、本発明に係る液体吐出ヘッドの第6実施形態について図14を参照して説明する。なお、図14は同液体吐出ヘッドの液室長手方向に沿う断面説明図である。
この液体吐出ヘッドでは、流路基板1とノズル板2との間に連通板(マニホールドプレート)50を介在させ、このマニホールドプレート50には加圧液室6とノズル4との間を連通するノズル連通路5を形成している。
例えば、上記第5実施形態のヘッドにおいて、ノズル板3を特性上、加工上などの理由により、ポリイミドなどの樹脂部材など、比較的剛性の低い部材によって構成したい場合は、バッファ室18のカバー部材として機能させることが不十分になる。そこで、マニホールドプレート50を介在させることにより、マニホールドプレート50を剛性の高い部材で形成することでバッファ室18のカバー部材(壁面形成部材)とすることができるようになる。
次に、本発明に係る液体吐出ヘッドの第7実施形態について図15及び図16を参照して説明する。なお、図15は同液体吐出ヘッドのバッファ室部分の斜視説明図、図16は同液体吐出ヘッドのノズル並び方向に沿う(図15のC−C線に沿う方向の)断面説明図である。
ここでは、バッファ室18に壁面形成部材(カバー部材)を兼ねているノズル板3(第6実施形態ではノズル板3及びマニホールドプレート50)にバッファ室18と外部とを連通する連通路である連通穴30を形成している。このような構成とすることでも、バッファ室18内に生じる圧力変動を大気に逃がすことができ(空気の流れは図16の破線矢印)、吐出安定性を高めることができる。
この構成では、比較的広い面積をもつバッファ室18と接するノズル板3に連通路となる連通穴30を開口すればよいので、加工精度が要求されず、歩留まりよく部品を製作することができる。
次に、本発明に係る液体吐出ヘッドを備える本発明に係る液体吐出装置を含む画像形成装置の一例について図17を参照して説明する。なお、図17は同装置の機構部の全体構成を説明する概略構成図である。
この画像形成装置は、媒体の印字領域幅以上の長さのノズル列(ノズル4を並べたもの)を有するフルライン型ヘッドからなる記録ヘッドを搭載したライン型画像形成装置である。
この画像形成装置は、例えばブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色の液滴を吐出する、フルライン型の4個の本発明に係る液体吐出ヘッドで構成した記録ヘッド101k、101c、101m、101y(色を区別しないときには「記録ヘッド101)という。)を備え、各記録ヘッド101はノズル4を形成した面を下方に向けて図示しないヘッドホルダに装着している。また、各記録ヘッド101に対応してヘッドの性能を維持回復するための維持回復機構102を備え、パージ処理、ワイピング処理などのヘッドの性能維持動作時には、記録ヘッド101と維持回復機構102とを相対的に移動させて、記録ヘッド101のノズル面に維持回復機構102を構成するキャッピング部材などを対向させる。
なお、ここでは、記録ヘッド101は、用紙搬送方向上流側から、ブラック、シアン、マゼンダ、イエローの順に各色の液滴を吐出する配置としているが、配置及び色数はこれに限るものではない。また、ライン型ヘッドとしては、各色の液滴を吐出する複数のノズル列を所定間隔で設けた1又は複数のヘッドを用いることもできるし、ヘッドとこのヘッドに記録液を供給する記録液カートリッジを一体とすることも別体とすることもできる。
給紙トレイ103は、用紙104を載置する底板105と、用紙104を給送するための給紙コロ(半月コロ)106を備えている。底板105はベース108に取り付けられた回転軸109を中心に回転可能であって、加圧ばね110によって給紙コロ106側に付勢されている。なお、給紙コロ106に対向して、用紙104の重送を防止するため、人工皮、コルク材等の摩擦係数の大きい材質からなる図示しない分離パッドが設けられている。また、底板105と給紙コロ106の当接を解除する図示しないリリースカムが設けられている。
そして、この給紙トレイ103から給紙された用紙104を搬送ローラ112とピンチローラ113との間に送り込むために用紙104を案内するガイド部材110、111を設けている。
搬送ローラ112は、図示しない駆動源によって回転されて、送り込まれる用紙104を記録ヘッド101に対向して配置したプラテン115に向けて搬送する。プラテン115は、記録ヘッド101と用紙104とのギャップを維持することができるものであれば、剛体構造体でもよいし、搬送ベルトなどを用いることもできる。
プラテン115の下流側には、画像が形成された用紙104を排紙するための排紙ローラ116及びこれに対向する拍車117を配置し、排紙ローラ116によって画像が形成された用紙104を排紙トレイ118に排紙する。
また、排紙トレイ118と反対側には、用紙104を手差し給紙するための手差しトレイ121と、手差しトレイ121に載置された用紙104を給紙する給紙コロ122を配置している。この手差しトレイ121から給紙される用紙104はガイド部材111に案内されて搬送ローラ112とピンチローラ113との間に送り込まれる。
この画像形成装置においては、待機状態では、リリースカムが給紙トレイ103底板105を所定位置まで押し下げ、底板105と給紙コロ106との当接を解除している。そして、この状態で、搬送ローラ112が回転されることによって、この回転駆動力が図示しないギア等により給紙コロ106及び図示しないリリースカムに伝達されて、リリースカムが底板105から離れて底板105が上昇し、給紙コロ106と用紙104が当接し、給紙コロ106の回転に伴って用紙104がピックアップされて給紙が開始され、図示しない分離爪によって一枚ずつ分離される。
そして、給送コロ106の回転によって用紙104がガイド部材110、111に案内されて搬送ローラ112とピンチローラ113との間に送り込まれ、搬送ローラ112によって用紙104がプラテン115上に送り出される。その後、用紙104の後端は給紙コロ106のDカット部に対向して当接が解除され、搬送ローラ112によってプラテン115上に搬送される。なお。給紙コロ106と搬送ローラ112との間に、補助的に、搬送回転対を設けることもできる。
このようにしてプラテン115上を搬送される用紙104に対して、記録ヘッド1から液滴を吐出して画像を形成し、画像が形成された用紙104は排紙ローラ116によって排紙トレイ118に排紙される。なお、画像形成時における紙搬送の速度と液滴吐出のタイミングは図示しない制御部によって制御される。
また、プラテン115は、記録ヘッド101と用紙104とのギャップを維持することができるものであれば、剛体構造体でもよいし、搬送ベルトなどを用いることもできる。
このように、本発明に係るライン型の液体吐出ヘッドを備えることによって、高速で高画質画像を形成することができる。
次に、本発明に係る液体吐出ヘッドを備える本発明に係る液体吐出装置を含む画像形成装置の他の例について図18及び図19を参照して説明する。なお、図18は同装置の機構部の全体構成を説明する概略構成図、図19は同機構部の要部平面説明図である。
この画像形成装置はシリアル型画像形成装置であり、左右の側板201A、201Bに横架したガイド部材である主従のガイドロッド231、232でキャリッジ233を主走査方向に摺動自在に保持し、図示しない主走査モータによってタイミングベルトを介して図19で矢示方向(キャリッジ主走査方向)に移動走査する。
このキャリッジ233には、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の各色のインク滴を吐出するための本発明に係る液体吐出ヘッドからなる記録ヘッド234a、234b(区別しないときは「記録ヘッド234」という。)を複数のノズルからなるノズル列を主走査方向と直交する副走査方向に配列し、インク滴吐出方向を下方に向けて装着している。
記録ヘッド234は、それぞれ2つのノズル列を有し、記録ヘッド234aの一方のノズル列はブラック(K)の液滴を、他方のノズル列はシアン(C)の液滴を、記録ヘッド234bの一方のノズル列はマゼンタ(M)の液滴を、他方のノズル列はイエロー(Y)の液滴を、それぞれ吐出する。
また、キャリッジ233には、記録ヘッド234のノズル列に対応して各色のインクを供給するためのヘッドタンク235a、235b(区別しないときは「ヘッドタンク35」という。)を搭載している。このサブタンク235には各色の供給チューブ36を介して、各色のインクカートリッジ210から各色のインクが補充供給される。
一方、給紙トレイ202の用紙積載部(圧板)241上に積載した用紙242を給紙するための給紙部として、用紙積載部241から用紙242を1枚ずつ分離給送する半月コロ(給紙コロ)243及び給紙コロ243に対向し、摩擦係数の大きな材質からなる分離パッド244を備え、この分離パッド244は給紙コロ243側に付勢されている。
そして、この給紙部から給紙された用紙242を記録ヘッド234の下方側に送り込むために、用紙242を案内するガイド部材245と、カウンタローラ246と、搬送ガイド部材247と、先端加圧コロ249を有する押さえ部材248とを備えるとともに、給送された用紙242を静電吸着して記録ヘッド234に対向する位置で搬送するための搬送手段である搬送ベルト251を備えている。
この搬送ベルト251は、無端状ベルトであり、搬送ローラ252とテンションローラ253との間に掛け渡されて、ベルト搬送方向(副走査方向)に周回するように構成している。また、この搬送ベルト251の表面を帯電させるための帯電手段である帯電ローラ256を備えている。この帯電ローラ256は、搬送ベルト251の表層に接触し、搬送ベルト251の回動に従動して回転するように配置されている。この搬送ベルト251は、図示しない副走査モータによってタイミングを介して搬送ローラ252が回転駆動されることによって図19のベルト搬送方向に周回移動する。
さらに、記録ヘッド234で記録された用紙242を排紙するための排紙部として、搬送ベルト251から用紙242を分離するための分離爪261と、排紙ローラ262及び排紙コロ263とを備え、排紙ローラ262の下方に排紙トレイ203を備えている。
また、装置本体1の背面部には両面ユニット271が着脱自在に装着されている。この両面ユニット271は搬送ベルト251の逆方向回転で戻される用紙242を取り込んで反転させて再度カウンタローラ246と搬送ベルト251との間に給紙する。また、この両面ユニット271の上面は手差しトレイ272としている。
さらに、図19に示すように、キャリッジ233の走査方向一方側の非印字領域には、記録ヘッド234のノズルの状態を維持し、回復するための回復手段を含む本発明に係るヘッドの維持回復装置である維持回復機構281を配置している。
この維持回復機構281には、記録ヘッド234の各ノズル面をキャピングするための各キャップ部材(以下「キャップ」という。)282a、282b(区別しないときは「キャップ282」という。)と、ノズル面をワイピングするためのブレード部材であるワイパーブレード283と、増粘した記録液を排出するために記録に寄与しない液滴を吐出させる空吐出を行うときの液滴を受ける空吐出受け284などを備えている。
また、図19に示すように、キャリッジ233の走査方向他方側の非印字領域には、記録中などに増粘した記録液を排出するために記録に寄与しない液滴を吐出させる空吐出を行うときの液滴を受ける液体回収容器であるインク回収ユニット(空吐出受け)288を配置し、このインク回収ユニット288には記録ヘッド234のノズル列方向に沿った開口部289などを備えている。
このように構成したこの画像形成装置においては、給紙トレイ202から用紙242が1枚ずつ分離給紙され、略鉛直上方に給紙された用紙242はガイド245で案内され、搬送ベルト251とカウンタローラ246との間に挟まれて搬送され、更に先端を搬送ガイド237で案内されて先端加圧コロ249で搬送ベルト251に押し付けられ、略90°搬送方向を転換される。
このとき、帯電ローラ256に対してプラス出力とマイナス出力とが交互に繰り返すように、つまり交番する電圧が印加され、搬送ベルト251が交番する帯電電圧パターン、すなわち、周回方向である副走査方向に、プラスとマイナスが所定の幅で帯状に交互に帯電されたものとなる。このプラス、マイナス交互に帯電した搬送ベルト251上に用紙242が給送されると、用紙242が搬送ベルト251に吸着され、搬送ベルト251の周回移動によって用紙242が副走査方向に搬送される。
そこで、キャリッジ233を移動させながら画像信号に応じて記録ヘッド234を駆動することにより、停止している用紙242にインク滴を吐出して1行分を記録し、用紙242を所定量搬送後、次の行の記録を行う。記録終了信号又は用紙242の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了して、用紙242を排紙トレイ203に排紙する。
このようなシリアル型画像形成装置であっても、本発明に係る液体吐出ヘッドを備えることによって、安定した滴吐出特性が得られるので、高速で高画質画像を記録できるようになる。
なお、上記実施形態では本発明に係る液体吐出装置をプリンタ構成の画像形成装置に適用した例で説明したが、これに限るものではなく、例えば、プリンタ/ファックス/コピア複合機などの画像形成装置にも適用することができる。また、記録液以外の液体を用いる液体吐出装置や画像形成装置にも適用することができる。
本発明に係る液体吐出ヘッドの第1実施形態の側面説明図である。 同じく平面説明図である。 図2のA−A線に沿う液室長手方向の断面説明図である。 本発明に係る液体吐出ヘッドの第2実施形態の要部平面説明図である。 本発明に係る液体吐出ヘッドの第3実施形態の液室長手方向に沿う断面説明図である。 本発明に係る液体吐出ヘッドの第4実施形態の液室長手方向に沿う断面説明図である。 本発明に係る液体吐出ヘッドの第5実施形態の液室長手方向に沿う断面説明図である。 同液体吐出ヘッドの要部斜視説明図である。 図8のB−B線に沿う断面説明図である。 同液体吐出ヘッドの振動板の要部斜視説明図である。 同じく振動板上にチャンバープレートを積層した状態の要部斜視説明図である。 同じくチャンバープレートにリストリクタプレートを積層した状態の要部斜視説明図である。 同じくリストリクタプレート上にノズル板を積層した状態の要部斜視説明図である。 本発明に係る液体吐出ヘッドの第6実施形態の液室長手方向に沿う断面説明図である。 本発明に係る液体吐出ヘッドの第7実施形態の要部斜視説明図である。 図15のC−C線に沿う液室長手方向に沿う断面説明図である。 本発明に係る液体吐出ヘッドを含む液体吐出装置を備えた本発明に係る画像形成装置の一例を示す概略構成図である。 本発明に係る液体吐出装置を含む画像形成装置の他の例を示す概略構成図である。 同じく要部平面説明図である。
符号の説明
1…流路基板
2…振動板
3…ノズル板
4…ノズル
5…ノズル連通路
6…加圧液室
8…共通液室
12…圧電素子
13…ベース部材
18…バッファ室
19…ダイアフラム部
20…連通路
101…記録ヘッド(液体吐出ヘッド)
134…記録ヘッド(液体吐出ヘッド)

Claims (11)

  1. 液体を吐出するノズルが連通する複数の個別流路と、
    複数の個別流路に液体を供給する共通流路と、
    この共通流路に変形可能な部分を介して隣接するバッファ室と、
    このバッファ室内と外部とを連通する連通路と
    を有することを特徴とする液体吐出ヘッド。
  2. 液体を吐出するノズルが連通する複数の個別流路と、
    複数の個別流路に液体を供給する共通流路と、
    この共通流路に変形可能な部分を介して隣接するバッファ室と、
    このバッファ室と外部とを連通する連通路と、
    この連通路に設けられた変形可能な手段と
    を有することを特徴とする液体吐出ヘッド。
  3. 請求項2に記載の液体吐出ヘッドにおいて、前記変形可能な手段がダイアフラムであることを特徴とする液体吐出ヘッド。
  4. 液体を吐出するノズルが連通する複数の個別流路と、
    複数の個別流路に液体を供給する共通流路と、
    この共通流路に変形可能な部分を介して隣接するバッファ室と、
    このバッファ室と外部とを連通する連通路と、
    前記バッファ室内に設けられた緩衝材と
    を有することを特徴とする液体吐出ヘッド。
  5. 請求項1ないし4のいずれかに記載の液体吐出ヘッドにおいて、前記連通路の前記バッファ室側開口は、前記バッファ室の変形可能な部分に対向していないことを特徴とする液体吐出ヘッド。
  6. 請求項1ないし5のいずれかに記載の液体吐出ヘッドにおいて、前記連通路は前記ノズルが形成された部材側で外部に開口していることを特徴とする液体吐出ヘッド。
  7. 請求項1ないし5のいずれかに記載の液体吐出ヘッドにおいて、前記連通路は前記ノズルが開口する面とは反対側で外部に開口していることを特徴とする液体吐出ヘッド。
  8. 請求項1ないし7のいずれかに記載の液体吐出ヘッドにおいて、前記バッファ室は少なくとも2層の積層部材で形成され、前記変形可能な部分に接する側の層部材で複数の第1のバッファ室部分、前記変形可能な部分に接しない側の層部材で複数の第2のバッファ室部分がそれぞれ形成され、第1のバッファ室部分と第2のバッファ室部分とは前記ノズルの並び方向の位置がずれていることを特徴とする液体吐出ヘッド。
  9. 請求項1ないし8のいずれかに記載の液体吐出ヘッドにおいて、前記バッファ室の変形可能な部分は前記個別流路の壁面を構成している振動板と一体で形成されていることを特徴とする液体吐出ヘッド。
  10. 液体吐出ヘッドから液滴を吐出する液体吐出装置において、前記液体吐出ヘッドが請求項1ないし9のいずれかに記載の液体吐出ヘッドであることを特徴とする液体吐出装置。
  11. 液体吐出ヘッドから液滴を吐出させて画像を形成する画像形成装置において、前記液体吐出ヘッドが請求項1ないし9のいずれかに記載の液体吐出ヘッドであることを特徴とする画像形成装置。
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