JP2003175602A - インクジェット式記録ヘッド及びその製造方法 - Google Patents

インクジェット式記録ヘッド及びその製造方法

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JP2003175602A
JP2003175602A JP2002306077A JP2002306077A JP2003175602A JP 2003175602 A JP2003175602 A JP 2003175602A JP 2002306077 A JP2002306077 A JP 2002306077A JP 2002306077 A JP2002306077 A JP 2002306077A JP 2003175602 A JP2003175602 A JP 2003175602A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高精度化や高密度化等に有利なインクジェッ
ト式記録へッドおよびその製造方法を提供する。 【解決手段】 ノズル開口108が穿設されたノズルプ
レート103、ノズル開口に連通する圧力室107を含
む流路が形成された流路形成板104、及び圧力室の開
口を塞ぐ振動板105が積層された流路ユニット101
と、振動板を変位させて圧力室に圧力変動を与える圧力
発生素子106と、を備える。流路形成板104は表面
104a及び裏面104bを有し、流路形成板の表面に
は第1のエッチングによってノズル開口と連通する連通
孔121が形成されており、流路形成板の裏面には第2
のエッチングによって流路107,109,110が形
成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット式
記録ヘッド及びその製造方法に係わり、特に、圧力発生
素子の変位を利用して圧力室の圧力を変化させることに
よりノズル開口からインク滴を噴射するインクジェット
式記録ヘッド及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、インクジェット式記録装置は、
列状に並べた状態で形成された多数のノズル開口を有す
る記録ヘッドと、この記録ヘッドを主走査方向(記録媒
体幅方向)に移動させるキャリッジ機構と、記録紙等の
記録媒体を副走査方向(紙送り方向)に移動させる紙送
り機構とを備えている。
【0003】上記の記録ヘッドは、ノズル開口に連通し
た圧力室と、この圧力室内のインク圧力を変化させる圧
力発生素子とを備えている。そして、駆動パルスを圧力
発生素子に供給することで圧力室内のインク圧力を変化
させ、ノズル開口からインク滴を吐出させる。
【0004】また、上記のキャリッジ機構は、記録ヘッ
ドを主走査方向に移動させる。この移動中において記録
ヘッドは、ドットパターンデータにより規定されるタイ
ミングでインク滴を吐出させる。そして、記録ヘッドが
移動範囲の終端に達したならば、紙送り機構は記録媒体
を副走査方向に移動させる。記録媒体の移動を行ったな
らば、キャリッジ機構は記録ヘッドを再度主走査方向に
移動させ、記録ヘッドは移動中にインク滴を吐出する。
なお、印刷に際しては、記録ヘッドの主走査の往路のみ
で印刷することも、或いは往路及び復路の両方で印刷す
ることもできる。
【0005】以上の動作を繰り返し行うことにより、ド
ットパターンデータに基づく画像が記録媒体上に記録さ
れる。
【0006】また、インクジェット式記録装置には、記
録ヘッドに対して、所定波形の共通駆動信号から生成し
た波形の異なる複数種の駆動パルスを適宜選択して印加
することにより、同一のノズル開口から異なる種類のド
ット(例えばサイズの異なるドット)を適宜選択して吐
出するタイプのものがある。ここで、共通駆動信号の周
期(駆動周期)は、記録装置における印刷速度を規定す
る。
【0007】図30は、インクジェット式記録装置の記
録ヘッドの一部を拡大して示した断面図であり、図31
は、図30に示した記録ヘッドの圧力室及びその周辺を
拡大して示した断面図である。図30及び図31に示し
たようにこの記録ヘッド50は、隔壁51を含む板状の
部材52が可撓性シート53の表面に設けられており、
可撓性シート53の裏面には、複数の島状部54を含む
板状の部材55が設けられている。
【0008】隔壁51は、複数の圧力室56、複数のイ
ンク供給口57、及び共通インク室58のそれぞれを区
画している。圧力室56と共通インク室58とは、イン
ク供給口57によって連通している。各島状部54は各
圧力室56に対応する位置に形成されている。
【0009】各島状部54のそれぞれには、積層ピエゾ
素子で形成された縦振動モードの圧電振動子から成る圧
力発生素子59の先端がそれぞれ当接されており、各圧
力発生素子59は固定板60を介してケース61に固定
されている。圧力発生素子59にはフレキシブル基板6
2が接続されている。
【0010】島状部54の周囲に露出している部分の可
撓性シート53は、圧力発生素子59の変位を受けて弾
性変形する弾性変形部63を形成している。
【0011】板状の部材52の表面側にはノズルプレー
ト64が貼着されており、このノズルプレート64には
圧力室56に連通するノズル開口65が形成されてい
る。
【0012】複数のノズル開口65は、記録ヘッド50
の副走査方向に沿って多数形成されており、ノズル開口
65同士の間隔はドット形成密度に対応した所定ピッチ
に相当する。
【0013】共通インク室58には、ケース61の内
部、板状の部材55及び可撓性シート53を貫通して延
びるインク供給パイプ66の先端部が接続されており、
インク供給パイプ66を通して共通インク室58にイン
クが供給される。
【0014】図30及び図31に示した従来のインクジ
ェット式記録ヘッドを製造する際には、可撓性シート5
3の裏面に、島状部54を形成する前の板状の部材55
を予め設けておいて、可撓性シート53と反対の側から
板状の部材55をエッチングすることにより、所定形状
の複数の島状部54を可撓性シート53上に形成するよ
うにしていた。
【0015】一方、隔壁51の部分については、予め隔
壁51が形成されている板状の部材52を、可撓性シー
ト53の表面に接着剤によって貼着していた。このた
め、図32に示したように接着剤の一部67が圧力室5
6やインク供給口57にはみ出してしまうことがあっ
た。
【0016】このように接着剤の一部67が圧力室56
やインク供給口57にはみ出すと、例えば、可撓性シー
ト53の可撓性が劣化してしまい、圧力室56において
十分な圧力を伝達できなかったり、或いは複数の圧力室
56における可撓性シート53の変形量が圧力室56毎
にばらついて、ノズル開口65毎のインク吐出特性にば
らつきが生じていた。
【0017】また、可撓性シート53に隔壁51を含む
板状の部材52を貼着する際には、圧力室56の位置と
島状部54の位置との位置関係を所定のとおりに正確に
合わせることが難しく、その結果、圧力室56において
十分な圧力を伝達できなかったり、或いは複数の圧力室
56における可撓性シート53の変形量が圧力室56毎
にばらついて、ノズル開口65毎のインク吐出特性にば
らつきが生じていた。
【0018】さらに、従来の記録ヘッドにおいては、可
撓性シート53に貼着する前の、隔壁51を含む板状の
部材52に対して、その厚さ方向の一部をエッチングす
ることによりインク供給口57を溝状に形成していたた
めに、エッチング深さのばらつきによってインク供給口
57の流路断面積にばらつきが生じ、その結果、圧力室
56において十分な圧力を伝達できなかったり、或いは
複数の圧力室56における可撓性シート53の変形量が
圧力室56毎にばらついて、ノズル開口65毎のインク
吐出特性にばらつきが生じていた。
【0019】また、一般に、圧力発生素子として縦振動
の圧電振動子を用いたインクジェット記録ヘッド(以下
「記録ヘッド」という)は、図33および図34に示す
ように、多数のノズル開口308と圧力室307が形成
された流路ユニット301と、この流路ユニット301
が貼着されるとともに、圧電振動子306が収容される
ヘッドケース302とを備えている。
【0020】前記流路ユニット301は、ノズル開口3
08が列設されたノズルプレート303と、前記各ノズ
ル開口308に連通する圧力室307が列設された流路
形成板304と、前記各圧力室307の下部開口を塞ぐ
振動板305とが積層されて構成されている。前記流路
形成板304には、各圧力室307とインク流路310
を介して連通し、各圧力室307に導入されるインクを
貯留するインク貯留室309が形成されている。
【0021】前記ヘッドケース302は、合成樹脂製
で、上下に貫通する空間312に圧電振動子306が収
容されるようになっている。前記圧電振動子306は、
後端側がヘッドケース302に取り付けられた固定基板
311に固着されるとともに、先端面が振動板305下
面の島部305Aに固着されている。
【0022】そして、駆動回路314で発生させた駆動
信号をフレキシブル回路板313を介して圧電振動子3
06に入力することにより、圧電振動子306を長手方
向に伸縮させる。この圧電振動子306の伸縮により、
振動板305の島部305Aを振動させて圧力室307
内の圧力を変化させ、圧力室307内のインクをノズル
開口308からインク滴として吐出させるようになって
いる。図33において符号315はインク貯留室309
にインクを供給するインク供給口である。
【0023】前記流路ユニット301の流路形成板30
4としては、従来から、シリコン単結晶基板を異方性エ
ッチングしたもの(例えば、特開平9−123448号
等)、感光性樹脂を積層したもの、基板に形成した電鋳
部を剥離して一構成部品として使用したもの(例えば、
特開平6−305142号,特開平9−300635号
等)等が用いられている。
【0024】前記シリコン単結晶基板を異方性エッチン
グした流路形成板304では、シリコン単結晶基板に圧
力室307やインク流路310となる空間をエッチング
によって形成する際、流路の深さをエッチング時間で管
理するため、流路の深さの制御が困難で、精度を向上さ
せるのにも限界があった。また、感光性樹脂を積層した
流路形成板304では、金属やシリコンと比較して感光
性樹脂のヤング率が低く、剛性が低いため、圧力室30
7を高密度に配列させると、隣接する圧力室307の圧
力によって隔壁が変形してクロストークが発生しやす
く、高密度なノズル配列が困難である。さらに、基板に
形成した電鋳部を剥離して一構成部品として使用した流
路形成板304では、電鋳部を基板から剥離させる工程
において、電鋳部にそりが発生し、寸法精度が低下しや
すい。また、基板に電鋳部を形成させたのち、その電鋳
部を剥離させる工程等が必要で、工程も多くコスト引き
上げの一因となっていた。
【0025】また、前記記録ヘッドでは、一枚の流路形
成板304に、圧力室307とインク貯留室309なら
びにインク流路310が設けられている。このため、流
路形成板304に一定以上の面積が必要で、記録ヘッド
の小型化に限界があった。また、縦振動モードの圧電振
動子306を用いていることから、圧電振動子306の
伸縮により流路ユニット301が変形してクロストーク
等を生じやすいため、流路ユニット301の剛性をでき
るだけ向上させる必要もある。このような理由からも、
記録ヘッドの小型化に限界があったのが実情である。
【0026】また、前記従来の流路形成板304は、シ
リコン単結晶基板を異方性エッチングしたもの、感光性
樹脂を積層したもの、基板に形成した電鋳部を剥離して
一構成部品として使用したもの等が用いられている。と
ころが、前記シリコン単結晶基板を異方性エッチングし
て流路を形成した流路形成板304では、流路の深さを
エッチング時間で管理するため、深さの制御が困難で、
精度を向上させるのにも限界があった。また、感光性樹
脂を積層した流路形成板304では、感光性樹脂の剛性
が低いため、圧力室307を高密度に配列させると、圧
力室307の隔壁が変形してクロストークが発生しやす
く、高密度なノズル配列が困難である。さらに、基板に
形成した電鋳部を剥離して使用した流路形成板304で
は、電鋳部を基板から剥離させる工程においてそりが発
生し、精度が低下しやすいうえ、電鋳部を剥離させる工
程等が必要で、工程も多くコスト引き上げの一因となっ
ていた。
【0027】
【発明が解決しようとする課題】本発明の参考例は、上
述した事情を考慮して成されたものであって、ノズル開
口毎のインク吐出特性のばらつきを抑制することができ
るインクジェット式記録ヘッド及びその製造方法を提供
することを目的とする。
【0028】本発明は、上述した事情を考慮して成され
たものであって、高精度化や高密度化等に有利なインク
ジェット式記録へッドおよびその製造方法を提供するこ
とを目的とする。
【0029】本発明は、上述した事情を考慮して成され
たものであって、大幅に小型化できて集積率の向上に有
利なインクジェット式記録へッドおよびその製造方法を
提供することを目的とする。
【0030】
【課題を解決するための手段】本発明の参考例によるイ
ンクジェット式記録ヘッドは、インクを収容した圧力室
の圧力を変化させるための圧力発生素子と、表面と裏面
とを有する板状部材であって、前記表面側での第1のエ
ッチングによって形成され、前記圧力室、インク供給
口、及び共通インク室のそれぞれを区画する隔壁と、前
記裏面側での第2のエッチングによって前記圧力室に対
応する位置に形成され、前記圧力発生素子の先端が当接
される島状部と、前記第1及び第2のエッチングの後に
前記島状部の周囲に残存し、前記圧力発生素子の変位を
受けて弾性変形する弾性変形部と、を有する板状部材
と、前記圧力発生素子の変位による前記圧力室の圧力変
化によってインク滴が噴射されるノズル開口が形成さ
れ、前記板状部材の前記表面側に配置されたノズルプレ
ートと、を備えたことを特徴とする。
【0031】また、好ましくは、前記板状部材は、前記
表面を含む第1層と、前記裏面を含む第2層と、前記第
1層と前記第2層とに挟まれた中間層と、から成り、前
記第1のエッチングは、前記第1層を前記中間層に対し
て選択的にエッチングして前記第1層を貫通するもので
あり、前記第2のエッチングは、前記第2層を前記中間
層に対して選択的にエッチングして前記第2層を貫通す
るものである。
【0032】また、好ましくは、前記板状部材は、前記
表面を含む第1層と、前記裏面を含む第2層と、前記第
1層と前記第2層とに挟まれた中間層と、前記第1層と
前記中間層とを接着する第1接着剤層と、前記第2層と
前記中間層とを接着する第2接着剤層と、から成り、前
記第1のエッチングは、前記第1層を前記第1接着剤層
に対して選択的にエッチングして前記第1層を貫通する
ものであり、前記第2のエッチングは、前記第2層を前
記第2接着剤層に対して選択的にエッチングして前記第
2層を貫通するものである。
【0033】また、好ましくは、前記第1層及び前記第
2層はステンレス鋼にて形成されており、前記中間層は
高分子フィルムにて形成されている。
【0034】また、好ましくは、前記板状部材は単一材
料にて一体に形成されており、前記第1及び第2のエッ
チングは、前記板状部材の前記表面及び前記裏面におけ
る、前記板状部材の厚さ方向の途中までのエッチングで
ある。
【0035】また、好ましくは、前記板状部材はステン
レス鋼にて形成されている。
【0036】本発明の参考例によるインクジェット式記
録ヘッドは、インクを収容した圧力室の圧力を変化させ
るための圧力発生素子と、表面と裏面とを有する板状部
材であって、前記表面側に形成され、前記圧力室、イン
ク供給口、及び共通インク室のそれぞれを区画する隔壁
と、前記裏面側の前記圧力室に対応する位置に形成さ
れ、前記圧力発生素子の先端が当接される島状部と、前
記島状部の周囲に形成され、前記圧力発生素子の変位を
受けて弾性変形する弾性変形部と、を有する板状部材で
あって、前記表面を含む第1層と、前記裏面を含む第2
層と、前記第1層と前記第2層とに挟まれた中間層と、
から成り、前記第1層と前記中間層との間には接着剤層
等の他の層が介在せず、前記第2層と前記中間層との間
にも接着剤層等の他の層が介在していない板状部材と、
前記圧力発生素子の変位による前記圧力室の圧力変化に
よってインク滴が噴射されるノズル開口が形成され、前
記板状部材の前記表面側に配置されたノズルプレート
と、を備えたことを特徴とする。
【0037】また、好ましくは、前記隔壁は、前記板状
部材の前記表面側において、前記第1層を前記中間層に
対して選択的にエッチングして前記第1層を貫通する第
1のエッチングにより形成されたものであり、前記島状
部は、前記板状部材の前記裏面側において、前記第2層
を前記中間層に対して選択的にエッチングして前記第2
層を貫通する第2のエッチングにより形成されたもので
ある。
【0038】また、好ましくは、前記板状部材は単一材
料にて一体に形成されており、前記隔壁は、前記板状部
材の前記表面において、前記板状部材をその厚さ方向の
途中までエッチングする第1のエッチングにより形成さ
れたものであり、前記島状部は、前記板状部材の前記裏
面において、前記板状部材をその厚さ方向の途中までエ
ッチングする第2のエッチングにより形成されたもので
ある。
【0039】また、好ましくは、前記板状部材はステン
レス鋼にて形成されている。
【0040】また、好ましくは、前記板状部材と前記ノ
ズルプレートとの間に設けられた基材をさらに有し、前
記基材は前記共通インク室に連通する拡張インク室を有
する。
【0041】また、好ましくは、前記拡張インク室は前
記共通インク室に対してオフセットされ、前記拡張イン
ク室の一部は前記インク供給口にオーバーラップしてい
る。
【0042】また、好ましくは、前記板状部材と前記ノ
ズルプレートとの間に設けられた基材をさらに有し、前
記基材と前記板状部材との接着及び前記基材と前記ノズ
ルプレートとの接着に、ポリオレフィンフィルム接着剤
を用いる。
【0043】また、好ましくは、前記板状部材の前記表
面に前記ノズルプレート又は前記基材を接着剤によって
接着する際の前記接着剤のはみ出しを抑制するために、
前記板状部材の前記隔壁の前記表面側に接着剤捕捉溝を
形成する。
【0044】本発明の参考例は、インクを収容した圧力
室の圧力を変化させるための圧力発生素子と、表面と裏
面とを有する板状部材であって、前記表面側に形成さ
れ、前記圧力室、インク供給口、及び共通インク室のそ
れぞれを区画する隔壁と、前記圧力室に対応する位置の
前記裏面側に形成され、前記圧力発生素子の先端が当接
される島状部と、前記島状部の周囲に形成され、前記圧
力発生素子の変位を受けて弾性変形する弾性変形部と、
を有する板状部材と、前記圧力発生素子の変位による前
記圧力室の圧力変化によってインク滴が噴射されるノズ
ル開口が形成され、前記板状部材の前記表面側に配置さ
れたノズルプレートと、を備えたインクジェット式記録
ヘッドを製造するための方法において、前記板状部材の
前記表面側に前記隔壁をエッチングによって形成する第
1のエッチング工程と、前記板状部材の前記裏面側に前
記島状部をエッチングによって形成する第2のエッチン
グ工程と、前記板状部材の前記表面に直接又は他の部材
を介在させてノズルプレートを取り付けるノズルプレー
ト取付工程と、を備えたことを特徴とする。
【0045】また、好ましくは、前記板状部材は、前記
表面を含む第1層と、前記裏面を含む第2層と、前記第
1層と前記第2層とに挟まれた中間層と、から成り、前
記第1のエッチング工程は、前記第1層を前記中間層に
対して選択的にエッチングして前記第1層を貫通するも
のであり、前記第2のエッチング工程は、前記第2層を
前記中間層に対して選択的にエッチングして前記第2層
を貫通するものである。
【0046】また、好ましくは、前記板状部材は、前記
表面を含む第1層と、前記裏面を含む第2層と、前記第
1層と前記第2層とに挟まれた中間層と、前記第1層と
前記中間層とを接着する第1接着剤層と、前記第2層と
前記中間層とを接着する第2接着剤層と、から成り、前
記第1のエッチング工程は、前記第1層を前記第1接着
剤層に対して選択的にエッチングして前記第1層を貫通
するものであり、前記第2のエッチング工程は、前記第
2層を前記第2接着剤層に対して選択的にエッチングし
て前記第2層を貫通するものである。
【0047】また、好ましくは、前記板状部材は単一材
料にて一体に形成されており、前記第1及び第2のエッ
チング工程におけるエッチングは、前記板状部材の前記
表面及び前記裏面における、前記板状部材の厚さ方向の
途中までのエッチングである。
【0048】また、好ましくは、前記板状部材と前記ノ
ズルプレートとの間に、前記共通インク室に連通する拡
張インク室を有する基材を設ける。
【0049】また、好ましくは、前記拡張インク室を前
記共通インク室に対してオフセットして形成し、前記拡
張インク室の一部を前記インク供給口にオーバーラップ
させる。
【0050】また、好ましくは、前記板状部材と前記ノ
ズルプレートとの間に基材を設け、前記基材と前記板状
部材との接着及び前記基材と前記ノズルプレートとの接
着に、ポリオレフィンフィルム接着剤を用いる。
【0051】また、好ましくは、前記板状部材の前記表
面に前記ノズルプレート又は前記基材を接着剤によって
接着する際の前記接着剤のはみ出しを抑制するために、
前記板状部材の前記隔壁の前記表面側に接着剤捕捉溝を
形成する。
【0052】本発明によるインクジェット式記録ヘッド
は、ノズル開口が穿設されたノズルプレートと、前記ノ
ズル開口に連通する圧力室を含む流路が形成された流路
形成板と、前記圧力室の開口を塞ぐ振動板とが積層され
た流路ユニットと、前記振動板を変位させて前記圧力室
に圧力変動を与える圧力発生素子と、を備え、前記流路
形成板は表面及び裏面を有し、前記流路形成板の前記表
面には第1のエッチングによって前記ノズル開口と連通
する連通孔が形成されており、前記流路形成板の前記裏
面には第2のエッチングによって前記流路が形成されて
いることを特徴とする。
【0053】また、好ましくは、前記流路形成板は、前
記表面を含み、前記第1のエッチングによって前記連通
孔が穿設された第1基板と、エッチング停止層と、前記
裏面を含み、前記第2のエッチングによって前記流路が
形成された第2基板との積層体を有し、前記連通孔は、
前記第1基板の前記表面に対する前記第1のエッチング
が前記エッチング停止層にて停止されることにより形成
されたものであり、前記流路は、前記第2基板の前記裏
面に対する前記第2のエッチングが前記エッチング停止
層にて停止されることにより形成されたものである。
【0054】また、好ましくは、前記第1基板に形成さ
れた前記連通孔の開口が前記ノズル開口を構成し、前記
第1基板が前記ノズルプレートを兼ねるように構成され
ている。
【0055】また、好ましくは、前記エッチング停止層
が接着剤層である。
【0056】また、好ましくは、前記第2基板は金属に
より形成されており、前記エッチング停止層は前記第2
基板を形成する金属よりもエッチングされにくい金属に
より形成された層である。
【0057】また、好ましくは、前記第2基板がステン
レス鋼もしくはニッケルであり、エッチング停止層がチ
タン,銀,金のいずれかである。
【0058】また、好ましくは、前記流路形成板は単一
材料にて一体に形成されており、前記第1及び第2のエ
ッチングは、前記流路形成板の前記表面及び前記裏面に
おける、前記流路形成板の厚さ方向の途中までのエッチ
ングである。
【0059】また、好ましくは、前記流路形成板はステ
ンレス鋼にて形成されている。
【0060】また、好ましくは、前記圧力発生素子が、
縦振動モードの圧電振動子である。
【0061】また、好ましくは、前記圧力発生素子が、
たわみ振動モードの圧電振動子である。
【0062】また、好ましくは、前記第2のエッチング
によって前記流路形成板の前記裏面に形成された前記流
路は、前記圧力室と、前記圧力室にインクを供給するイ
ンク供給路と、前記圧力室に供給されるインクを貯留す
るインク貯留室とに対応する空間である。
【0063】また、好ましくは、前記流路形成板の前記
表面に、前記インク貯留室に連通する追加のインク貯留
室が前記第1のエッチングよって前記連通孔と共に形成
されている。
【0064】また、好ましくは、互いに積層された一対
の前記流路形成板を備えている。
【0065】また、好ましくは、前記流路形成板の前記
裏面には金属層が積層されており、前記金属層にも前記
流路が形成されている。
【0066】本発明は、ノズル開口が穿設されたノズル
プレートと、前記ノズル開口に連通する圧力室を含む流
路が形成された流路形成板と、前記圧力室の開口を塞ぐ
振動板とが積層された流路ユニットと、前記振動板を変
位させて前記圧力室に圧力変動を与える圧力発生素子
と、を備えたインクジェット式記録ヘッドを製造するた
めの方法において、表面及び裏面を有する板状の部材の
前記表面に、前記ノズル開口と連通する連通孔をエッチ
ングによって形成する第1のエッチング工程と、前記板
状の部材の前記裏面に、前記圧力室を含む前記流路をエ
ッチングによって形成する第2のエッチング工程と、前
記第1及び第2のエッチング工程によって前記板状の部
材から形成された前記流路形成板の前記表面側及び前記
裏面側に前記ノズルプレート及び前記振動板を積層して
前記流路ユニットを形成する工程と、を備えたことを特
徴とする。
【0067】また、好ましくは、前記板状の部材は、前
記表面を含む第1部材と、エッチング停止層と、前記裏
面を含む第2部材とを積層して構成されており、前記第
1及び第2のエッチングは前記エッチング停止層にて停
止される。
【0068】また、好ましくは、前記流路形成板は単一
材料にて一体に形成されており、前記第1及び第2のエ
ッチングは、前記流路形成板の前記表面及び前記裏面に
おける、前記流路形成板の厚さ方向の途中までのエッチ
ングである。
【0069】また、好ましくは、前記第2のエッチング
工程において前記流路形成板の前記裏面に形成された前
記流路は、前記圧力室と、前記圧力室にインクを供給す
るインク供給路と、前記圧力室に供給されるインクを貯
留するインク貯留室とに対応する空間である。
【0070】また、好ましくは、前記第1のエッチング
工程において、前記板状の部材の前記表面に、前記イン
ク貯留室に連通する追加のインク貯留室を前記連通孔と
共に形成する。
【0071】本発明の参考例によるインクジェット式記
録ヘッドは、ノズル開口が穿設されたノズルプレート
と、前記ノズル開口に連通する圧力室と前記圧力室に供
給するインクが貯留されるインク貯留室とが形成される
と共に、前記圧力室の開口を塞ぐ振動板を有する流路形
成板と、を含んでなる流路ユニットと、前記振動板を変
位させることにより前記圧力室に圧力変動を与える縦振
動モードの圧電振動子と、を備え、前記流路形成板は、
前記圧力室が形成された第1流路基板と、前記圧力室を
前記ノズル開口に連通させる連通孔と前記インク貯留室
とが形成された第2流路基板と、前記第1流路基板と前
記第2流路基板との間に配置され、前記圧力室と前記イ
ンク貯留室とを連通させる供給口が形成された供給口プ
レートと、を含み、前記圧力室と前記インク貯留室とが
少なくとも部分的に重なり合っており、前記第1流路基
板は、前記圧力室が形成された第1エッチング板と、前
記振動板を構成する第1エッチング停止層と、前記圧電
振動子が当接される島部を前記振動板の表面に形成する
第2エッチング板と、を含み、前記圧力室は前記第1エ
ッチング板を前記第1エッチング停止層までエッチング
することにより形成されたものであり、前記島部は前記
第2エッチング板を前記第1エッチング停止層までエッ
チングすることにより形成されたものである。
【0072】また、好ましくは、前記第2流路基板の前
記ノズルプレート側に、前記インク貯留室の圧力変動を
吸収しうるダンパ室が形成されている。
【0073】また、好ましくは、前記第2流路基板は、
前記インク貯留室が形成された第3エッチング板と、前
記ダンパ室が形成された第4エッチング板と、前記第3
および第4エッチング板の間に存在する第2エッチング
停止層と、を含むものであり、前記インク貯留室は前記
第3エッチング板を前記第2エッチング停止層までエッ
チングすることにより形成されたものであり、前記ダン
パ室は前記第4エッチング板を前記第2エッチング停止
層までエッチングすることにより形成されたものであ
る。
【0074】また、好ましくは、前記エッチング停止層
は接着剤層である。
【0075】また、好ましくは、前記エッチング板は金
属にて形成されており、前記エッチング停止層は前記エ
ッチング板を形成する金属よりもエッチングされにくい
金属の層である。
【0076】また、好ましくは、前記エッチング板はス
テンレス鋼もしくはニッケルから成り、前記エッチング
停止層はチタン,銀,金のいずれかから成る。
【0077】また、好ましくは、前記エッチング停止層
は高分子材料フィルムから成り、前記エッチング停止層
は接着層を介して前記エッチング板とラミネートされて
いる。
【0078】本発明の参考例によるインクジェット式記
録ヘッドは、ノズル開口が穿設されたノズルプレート
と、前記ノズル開口に連通する圧力室と前記圧力室に供
給するインクが貯留されるインク貯留室とが形成される
と共に、前記圧力室の開口を塞ぐ振動板を有する流路形
成板と、を含んでなる流路ユニットと、前記振動板を変
位させることにより前記圧力室に圧力変動を与える圧力
発生素子と、を備え、前記流路形成板は、エッチング停
止層を間に挟んで一対のエッチング板を積層して形成し
た積層体を含み、前記圧力室及び前記インク貯留室の少
なくともいずれか一方は、前記エッチング板を前記エッ
チング停止層までエッチングすることによって形成され
たものであり、前記エッチング停止層は、前記インク貯
留室の一部を画成する可撓板及び前記振動板の少なくと
もいずれか一方を構成することを特徴とする。
【0079】本発明の参考例は、ノズル開口が穿設され
たノズルプレートと、前記ノズル開口に連通する圧力室
と前記圧力室に供給するインクが貯留されるインク貯留
室とが形成されると共に、前記圧力室の開口を塞ぐ振動
板を有する流路形成板と、を含んでなる流路ユニット
と、前記振動板を変位させることにより前記圧力室に圧
力変動を与える縦振動モードの圧電振動子と、を備えた
インクジェット式記録ヘッドを製造するための方法にお
いて、第1エッチング板と第2エッチング板とを、第1
エッチング停止層を間に挟んで積層して積層体を形成す
る工程と、前記第1エッチング板を前記第1エッチング
停止層までエッチングすることにより前記圧力室を形成
する工程と、前記第2エッチング板を前記第1エッチン
グ停止層までエッチングすることにより前記圧電振動子
が当接される島部を形成する工程と、前記圧力室及び前
記島部が形成された前記積層体から成る第1流路基板
に、前記圧力室を前記ノズル開口に連通させる連通孔と
前記インク貯留室とが形成された第2流路基板を、前記
圧力室と前記インク貯留室とが少なくとも部分的に重な
り合うようにして積層する工程と、を備えたことを特徴
とする。
【0080】また、好ましくは、前記第2流路基板を形
成する工程をさらに有し、この工程は、第3エッチング
板と第4エッチング板とを、第2エッチング停止層を間
に挟んで積層して積層体を形成する工程と、前記第3エ
ッチング板を前記第2エッチング停止層までエッチング
することにより前記インク貯留室及び前記連通孔を形成
する工程と、前記第4エッチング板を前記第2エッチン
グ停止層までエッチングすることにより、前記インク貯
留室の圧力変動を吸収しうるダンパ室を形成する工程
と、を含む。
【0081】また、好ましくは、前記圧力室と前記イン
ク貯留室とを連通させる供給口が形成された供給口プレ
ートを前記第1流路基板と前記第2流路基板との間に配
置する工程をさらに有する。
【0082】また、好ましくは、前記ノズルプレート、
第2流路基板、前記供給口プレート、及び前記第1流路
基板の接合にフイルム接着剤を用い、接着する部材の接
着面に存在する開口部に対応する前記フィルム接着剤の
部分を、前記フィルム接着剤を前記接着する部材に接着
する前に予め抜いておくようにする。
【0083】
【発明の実施の形態】以下、本発明の参考例の一実施形
態によるインクジェット式記録ヘッド及びその製造方法
について説明する。
【0084】図1は本発明の参考例としての一実施形態
によるインクジェット式記録ヘッドの要部を示した断面
図であり、この記録ヘッド1は、表面2aと裏面2bと
を有する板状部材2を有し、この板状部材2の裏面2b
はケース3の前面に貼着されている。板状部材2は、表
面2aを含む第1層4と、裏面2bを含む第2層5と、
第1層4と第2層5とに挟まれた可撓性シートより成る
中間層6と、から構成されている。
【0085】図1及び図2に示したように、第1層4に
は、表面2a側での第1のエッチングによって隔壁7が
形成されており、この隔壁7は、複数の圧力室8、複数
のインク供給口9、及び共通インク室10のそれぞれを
区画している。圧力室8と共通インク室10とは、イン
ク供給口9によって連通している。第1のエッチングに
は、例えばウェットエッチングを使用することができ
る。
【0086】図1及び図3に示したように、第2層5に
は、裏面2b側での第2のエッチングによって複数の圧
力室8に対応する位置に複数の島状部11が形成されて
いる。第2のエッチングには、例えばウェットエッチン
グを使用することができる。
【0087】図1及び図4に示したように複数の島状部
11のそれぞれには、積層ピエゾ素子で形成された縦振
動モードの圧電振動子から成る圧力発生素子12の先端
がそれぞれ当接されており、図1に示したように各圧力
発生素子12は固定板13を介してケース3に固定され
ている。圧力発生素子12にはフレキシブルケーブル1
4が接続されている。
【0088】図1及び図4に示したように、島状部11
の周囲に露出している部分の中間層6は、圧力発生素子
12の変位を受けて弾性変形する弾性変形部15を形成
している。
【0089】図1に示したように板状部材2の表面2a
側には基材16が貼着されており、この基材16には圧
力室8に連通する連通孔17が形成されている。基材1
6の表面にはノズルプレート18が貼着されており、こ
のノズルプレート18には基材16の連通孔17に連通
するノズル開口19が形成されている。ノズル開口19
は、記録ヘッド1の副走査方向に沿って多数形成されて
いると同時に、主走査方向にも複数列形成されている。
副走査方向のノズル開口19同士の間隔はドット形成密
度に対応した所定ピッチに相当する。
【0090】共通インク室10には、ケース3の内部、
第2層5、及び中間層6を貫通して延びるインク供給パ
イプ20の先端部が接続されており、インク供給パイプ
20を通して共通インク室10にインクが供給される。
【0091】上記構成よりなる記録ヘッド1において
は、縦振動モードの圧力発生素子12は、充電されると
電界と直交する方向に収縮し、放電すると電界と直交す
る方向に伸長する特性を有する。したがって、この記録
ヘッド1では、充電されることにより圧力発生素子12
は後方に収縮し、この収縮に伴って島状部11が後方に
引き戻され、収縮していた圧力室8が膨張する。この膨
張に伴って共通インク室10のインクがインク供給口9
を通って圧力室8内に流入する。一方、放電することに
より圧力発生素子12は前方に向けて伸長し、島状部1
1が前方に押されて圧力室8が収縮する。この収縮に伴
って圧力室8内のインク圧力が高くなる。
【0092】そこで、フレキシブルケーブル14を介し
て圧力発生素子12に共通駆動信号(COM)や印字デ
ータ(SI)等を供給し、所定の駆動パルスにて圧力発
生素子12を動作させることにより、ノズル開口19か
らインク滴を噴射することができる。
【0093】次に、本実施形態によるインクジェット式
記録ヘッドの製造方法について説明する。
【0094】まず、中間層6を第1層4及び第2層5に
よって挟み込んで形成した、エッチング加工前の板状部
材2を用意する。ここで、板状部材2の具体的な構成と
しては、図5(a)に示したように、中間層6をポリイ
ミド(PI)にて形成し、第1層4及び第2層5をステ
ンレス鋼にて形成したものを使用することができる。中
間層6は、ポリイミドに代えてチタンで形成することも
可能である。要するに、第1層4、第2層5、及び中間
層6の各材料の組み合わせを、第1層4及び第2層5
を、中間層6に対して選択的にエッチングできるように
決定する。
【0095】また、図5(b)に示したように、中間層
6を高分子材料(PPS)にて形成し、第1層4及び第
2層5をステンレス鋼にて形成すると共に、第1層4と
中間層6とを第1接着剤層21にて接着し、第2層5と
中間層6とを第2接着剤層22にて接着して板状部材2
を構成しても良い。
【0096】さらに、図5(c)に示したように、第1
層4、第2層5、及び中間層6のすべてをステンレス鋼
にて形成すると共に、第1層4と中間層6とを第1接着
剤層21にて接着し、第2層5と中間層6とを第2接着
剤層22にて接着して板状部材2を構成しても良い。
【0097】そして、第1のエッチング工程において、
板状部材2の表面2a側から第1層4を貫通するエッチ
ングを所定のパターンにて行い、第1層4に隔壁7を形
成する。この第1のエッチング工程は、中間層6に対し
て第1層4が選択的にエッチングされるような条件の下
で実施される。
【0098】次に、第2のエッチング工程において、板
状部材2の裏面2b側から第2層5を貫通するエッチン
グを所定のパターンにて行い、第2層5に複数の島状部
11を形成する。この第2のエッチング工程は、中間層
6に対して第2層5が選択的にエッチングされるような
条件の下で実施される。
【0099】そして、ノズルプレート取付工程において
板状部材2の表面2aに基材16を貼着し、この基材1
6の表面にノズルプレート18を貼着する。
【0100】以上述べたように本実施形態によれば、板
状部材2の表面2a及び裏面2bに対する第1及び第2
のエッチングによって、表面2a側に隔壁7を、裏面2
b側に島状部11をそれぞれ形成するようにしたので、
従来技術において問題であった圧力室8、インク供給口
9等への接着剤のはみ出しの問題がなく、また、圧力室
8と島状部11との位置合わせの精度が向上し、このた
め、ノズル開口19毎のインク吐出特性のばらつきを抑
制することができる。
【0101】さらに、中間層6に対して第1層4を選択
的にエッチングすることによって、中間層6をエッチン
グすることなく第1層4のみをその全厚にわたってエッ
チングすることが可能であり、その結果、第1層4の厚
みによってインク供給口9の流路断面積が決定されるこ
とになり、インク供給口9毎の流路断面積のばらつきが
抑制されてノズル開口19毎のインク吐出特性のばらつ
きが抑制される。
【0102】なお、本実施形態ではノズルプレート18
と板状部材2との間に基材16を介在させるようにした
が、一変形例としては、図6に示したように基材16を
省略して、板状部材2の表面2aにノズルプレート18
を直接貼着しても良い。
【0103】また、本実施形態の他の変形例としては、
図7に示したように、基材16と板状部材2との接着及
び基材16とノズルプレート18との接着に、ポリオレ
フィンフィルム接着剤23を用いることもできる。
【0104】次に、本発明の参考例としての他の実施形
態について図8を参照して説明する。なお、本実施形態
は上述した実施形態の構成を一部変更したものであり、
以下では、上記実施形態と異なる部分について説明す
る。
【0105】本実施形態においては、基材16に、共通
インク室10に連通する拡張インク室30、及び圧力室
8に連通する拡張圧力室31が形成されている。拡張イ
ンク室30は共通インク室10に対してオフセットさ
れ、拡張インク室30の一部はインク供給口9にオーバ
ーラップしている。拡張圧力室31も圧力室8に対して
オフセットされている。
【0106】拡張インク室30及び拡張圧力室31は、
前述した第1のエッチング工程におけるエッチング能力
に限界があるために第1層4の厚みを十分にとれないよ
うな場合に、共通インク室10及び圧力室8の容積を十
分に確保する上で有効である。
【0107】なお、図8においては、拡張圧力室31は
基材16の厚さ方向の途中までに形成されているが、図
8に破線で示したように、拡張圧力室31を基材16の
厚さ方向に貫通させて形成することもできる。
【0108】このように本実施形態においては、拡張イ
ンク室30を共通インク室10に対してオフセットして
配置したので、隣接する圧力室8間で生じるいわゆるク
ロストークを防止することが可能であり、また、共通イ
ンク室10内の気泡を圧力室8へ送り出し易くなるの
で、ノズル開口19からの気泡の排出性を高めることが
できる。
【0109】次に、本発明の参考例としての他の実施形
態について図9を参照して説明する。なお、本実施形態
は上述した各実施形態の構成を一部変更したものであ
り、以下では、上記各実施形態と異なる部分について説
明する。
【0110】図9に示したように本実施形態において
は、板状部材2の隔壁7の表面2a側に、複数の接着剤
捕捉溝40が形成されている。そして、これらの接着剤
捕捉溝40は、板状部材2の表面2aにノズルプレート
18又は基材16を接着剤によって接着する際に接着剤
の一部を受け入れ、これにより、圧力室8やインク供給
口9等への接着剤のはみ出しが抑制される。
【0111】このように本実施形態においては、インク
供給口9や圧力室8への接着剤のはみ出しを抑制するこ
とができるので、接着剤のはみ出しに起因した記録ヘッ
ド1の性能劣化を防止することができる。
【0112】次に、本発明の参考例としての他の実施形
態について図10を参照して説明する。なお、本実施形
態は上述した各実施形態の構成を一部変更したものであ
り、以下では、上記各実施形態と異なる部分について説
明する。
【0113】本実施形態においては、板状部材2は単一
材料にて一体に形成されている。ここで、単一材料とし
てはステンレス鋼が好ましい。
【0114】そして、図1に示した上記実施形態で説明
した第1のエッチング工程において、全体がステンレス
鋼より成る板状部材2の表面2aに対して、板状部材2
の厚さ方向の途中までの第1のエッチング(ハーフエッ
チング)を行い、これによって隔壁7を形成する。第1
のエッチングとしては、エッチング深さの制御性が高い
という点でドライエッチングが好ましい。
【0115】また、図1に示した上記実施形態で説明し
た第2のエッチング工程において、板状部材2の裏面2
bに対して、板状部材2の厚さ方向の途中までの第2の
エッチング(ハーフエッチング)を行い、これによって
複数の島状部11を形成する。第2のエッチングとして
は、エッチング深さの制御性が高いという点でドライエ
ッチングが好ましい。
【0116】上記第1及び第2のエッチング工程の後に
は、島状部11の周囲に、板状部材2をその両面2a、
2bから減肉して形成された弾性変形部15が残置され
る。
【0117】このように本実施形態においては、板状部
材2の全体を単一材料にて一体に形成したので、板状部
材2を製造するための必要部品点数及び製造工程数を減
らすことができる。
【0118】次に、本発明の他の実施形態について説明
する。図11は、本発明のインクジェット式記録ヘッド
の一実施形態を示す図である。本実施形態による記録ヘ
ッドは、縦振動モードの圧電振動子106を用いた記録
ヘッドであり、ノズル開口108と圧力室107が形成
された流路ユニット101と、この流路ユニット101
が貼着されるとともに、圧電振動子106が収容される
ヘッドケース102とを備えている。
【0119】前記流路ユニット101は、ノズル開口1
08が列設されたステンレス鋼製のノズルプレート10
3と、前記各ノズル開口108に連通する圧力室107
が列設された流路形成板104と、前記各圧力室107
の下部開口を塞ぐ振動板105とが積層されて構成され
ている。流路形成板104は、表面104a及び裏面1
04bを有する。
【0120】前記流路形成板104は、ノズル開口10
8に連通する連通孔121が穿設された第1基板120
の下面に、エッチング停止層125を介して第2基板1
22が積層されて構成されている。
【0121】前記第1基板120を形成する材料として
は、ある程度の剛性と被エッチング性を備えたものであ
れば特に限定するものではなく、各種のものを用いるこ
とができ、例えば、ステンレス鋼やニッケル,アルミニ
ウム,鉄,銅,亜鉛等各種の金属材料をあげることがで
きる。これらのなかでも、特に、ステンレス鋼やニッケ
ルは、耐食性に優れるうえ比較的エッチング加工もしや
すいことから好ましく用いられる。
【0122】また、前記第2基板122を形成する材料
としては、ある程度の剛性と被エッチング性を備えたも
のであれば特に限定するものではなく、各種のものを用
いることができ、例えば、ステンレス鋼やニッケル,ア
ルミニウム,鉄,銅,亜鉛等各種の金属材料をあげるこ
とができる。特に、ステンレス鋼やニッケルは、耐食性
に優れるうえ比較的エッチング加工もしやすいことから
好ましく用いられる。
【0123】さらに、前記エッチング停止層125を形
成する材料としては、第1基板120と第2基板122
がエッチング停止層25を介して積層された状態で、こ
の積層体がエッチングされたときに、第1基板120及
び第2基板122のエッチングがそこで停止しうるもの
であれば、特に限定するものではなく、各種のものを用
いることができる。例えば、エポキシ系接着剤,ウレタ
ン系接着剤,ポリエステル系接着剤等の熱硬化樹脂系接
着剤や、ポリイミド系接着剤等の熱可塑性樹脂接着剤等
の各種接着剤があげられる。これらの接着剤は、揮発成
分が少なく、揮発後のポーラス化が防止されるため、好
適に用いることができる。また、チタン,金,銀等、第
1基板120および第2基板122を形成する金属材料
よりもエッチングされにくい金属材料等もあげられる。
【0124】そして、前記第1基板120は、第1基板
120の図11(a)中の上面側、つまり流路形成板1
04の表面104a側からエッチング停止層125まで
エッチングされることにより、ノズル開口108と連通
する連通孔が形成されている。
【0125】また、前記第2基板122は、前記第2基
板122が図11(a)中の下面側、つまり流路形成板
104の裏面104b側からエッチング停止層125ま
でエッチングされることにより、圧力室107と、前記
各圧力室107にインクを供給するインク流路110
と、前記圧力室107に供給されるインクを貯留するイ
ンク貯留室109とに対応する流路が形成されている。
【0126】一方、前記ヘッドケース102は、合成樹
脂製で、上下に貫通する空間112に圧電振動子106
が収容されるようになっている。前記圧電振動子106
は、後端側がヘッドケース102に取り付けられた固定
基板111に固着されるとともに、先端面が振動板10
5下面の島部105Aに固着されている。
【0127】そして、駆動回路114で発生させた駆動
信号をフレキシブル回路板113を介して圧電振動子1
06に入力することにより、圧電振動子106を長手方
向に伸縮させる。この圧電振動子106の伸縮により、
振動板105の島部105Aを振動させて圧力室107
内の圧力を変化させ、圧力室107内のインクをノズル
開口108からインク滴として吐出させるようになって
いる。
【0128】このように、本実施形態による記録ヘッド
では、前記第1基板120がエッチング停止層125ま
でエッチングされることにより連通孔121が形成され
ると共に、前記第2基板122がエッチング停止層12
5までエッチングされることにより圧力室107,イン
ク流路110,インク貯留室109となる流路が形成さ
れている。このため、連通孔121の深さは第1基板1
20の厚みで決定され、圧力室107,インク流路11
0,インク貯留室109の深さは、第2基板122の厚
みで決定されるので、それらの深さ寸法が極めて高精度
なものとなる。また、圧力室107同士の隔壁も剛性が
高く、圧力室107を高密度に配置することができる。
さらに、電鋳部の剥離工程等を必要としないため、精度
が低下することもなく、コスト的にも有利である。ま
た、圧力室107と連通孔121との位置合わせ精度を
向上させることができる。
【0129】また、エッチング停止層125が、エッチ
ングされる第1基板120及び第2基板122を形成す
る金属よりもエッチングされにくい金属層である場合
や、第1基板120及び第2基板122がステンレス鋼
もしくはニッケルであり、エッチング停止層125がチ
タン,銀,金のいずれかである場合には、確実に第1基
板120及び第2基板122のエッチングを停止できる
うえ、流路ユニット101を構成する部材の線膨張率を
略均一にできるため、そりの発生が少なく、大型化が可
能となる。さらに、圧力室107同士の隔壁の剛性も高
くなり、圧力室107を高密度に配置することができ
る。
【0130】図12は、本発明の他の実施形態のインク
ジェット式記録ヘッドを示す。この記録ヘッドは、たわ
み振動モードの圧電振動子106Aを用いた記録ヘッド
であり、流路ユニット101の振動板105に、上部電
極116および下部電極117に挟まれた圧電振動子1
06Aが貼着されている。
【0131】この記録ヘッドでは、圧電振動子106A
に駆動信号が入力されると、圧電振動子106Aが横方
向にたわみ振動することにより圧力室107の圧力が変
動し、圧力室107内のインクがインク滴としてノズル
開口108から吐出されるようになっている。それ以外
は、図11に示すものと同様であり、同様の部分には同
じ符号を付している。
【0132】この記録ヘッドでも、図11に示した上記
実施形態と同様の作用効果を奏する。
【0133】図13は、本発明のインクジェット式記録
ヘッドの製造方法の一実施形態を示す工程説明図であ
る。この例では、まず、図13(a)に示すように、第
1基板120と第2基板122をエッチング停止層12
5を介してラミネートして、板状の部材を成す積層体を
形成する。この例では、エッチング停止層25として接
着剤を用い、例えば、第1基板120若しくは第2基板
122の片面に接着剤を塗布したのち両基板120,1
22を接着することによりラミネートが行われる。
【0134】ついで、図13(b)、(c)に示すよう
に、両基板120,122の表面に、感光性樹脂124
を塗布し、連通孔121に対応する連通孔パターン12
3’、及び圧力室107,インク流路110,インク貯
留室109に対応する流路パターン123の露光,現像
を行なうことにより、第1基板120の連通孔パターン
123’及び第2基板122の流路パターン123に対
応する部分を露出させ、それ以外の表面のマスキングを
行う。
【0135】ここで、前記感光性樹脂124としては、
エッチング浴に耐えるものであれば特に限定するもので
はなく、各種のものを用いることができるが、厚みの均
一性や比較的厚い皮膜を形成させることができることか
ら、ドライフィルムフォトレジストが好適に用いられ
る。
【0136】ついで、前記積層体をエッチング浴に浸漬
し、第1基板120及び第2基板122を陽極として直
流電圧を印可することにより、図13(d)に示すよう
に、第1基板120の連通孔パターン123’および第
2基板122の前記流路パターン123の部分を溶解し
て圧力室107,インク流路110,インク貯留室10
9および連通孔121を形成する。ここで、前記エッチ
ング浴としては、特に限定するものではなく、各種の浴
を用いることができ、例えば、塩化第2鉄水溶液浴等が
用いられる。
【0137】そののち、図13(e)に示すように、感
光性樹脂124を除去したのち、図13(f)に示すよ
うに、連通孔121の部分に残ったエッチング停止層1
25をブラスト,プレス,レーザ加工等の手法により除
去し、流路形成板104を形成する。つぎに、必要に応
じ、図13(g)に示すように、圧力室107,インク
流路110,インク貯留室109内に露出したエッチン
グ停止層125を、ブラスト,レーザ加工等の手法によ
り除去することが行われる。このようにすることによ
り、特に、エッチング停止層125とインクとの濡れ性
が悪い場合に、気泡の付着等が防止され、効果的であ
る。
【0138】このように、図13に示した記録ヘッドの
製造方法では、第1基板120及び第2基板122をエ
ッチング停止層125までエッチングすることにより連
通孔121、及び圧力室107,インク流路110,イ
ンク貯留室109となる流路を形成させるため、流通孔
121の深さが第1基板120の厚みで決定され、流路
の深さが第2基板122の厚みで決定され、これらの深
さ寸法が極めて高精度な記録ヘッドを得ることができ
る。また、圧力室107同士の隔壁も剛性が高く、圧力
室107を高密度に配置することができる。さらに、剥
離工程等を必要としないため、精度が低下することもな
く、コスト的にも有利である。また、圧力室107と連
通孔121との位置合わせ精度を向上させることができ
る。
【0139】図14は、本発明のインクジェット式記録
ヘッドの他の実施形態を示す。この記録ヘッドは、第1
基板120のインク貯留室109と対応する部分に、イ
ンク貯留室109に連通してインク貯留室109の一部
(追加のインク貯留室)となる開口部109Aが形成さ
れている。この開口部109Aは、第1基板120に対
するエッチングによって連通孔121と共に形成され
る。本実施形態による記録ヘッドは、開口部109Aを
備えている点以外は、図11に示す記録ヘッドと同様で
あり、同様の部分には同じ符号を付している。
【0140】この記録ヘッドでは、第2基板122だけ
でなく第1基板120にも追加のインク貯留室となる空
間109Aが設けられ、スペースを有効活用することが
できるとともに、インク貯留室109,109Aの容量
に余裕ができて流路抵抗が低減されるとともにインク貯
留室109,109Aを介したクロストークも低減され
る。それ以外は、図11に示した上記実施形態と同様の
作用効果を奏する。
【0141】図15は、本発明のインクジェット式記録
ヘッドの製造方法の他の実施形態を示す工程説明図であ
る。この例は、図14に示す記録ヘッドの製造方法であ
り、まず、図15(a)に示すように、第1基板120
と第2基板122をエッチング停止層125を介してラ
ミネートする。ついで、図15(b)、(c)に示すよ
うに、両基板120,122の表面に、感光性樹脂12
4を塗布し、圧力室107,インク流路110,インク
貯留室109に対応する流路パターン123および連通
孔121,開口部109Aに対応する連通孔・開口部パ
ターン123’の露光,現像を行なうことにより、第1
基板120の連通孔・開口部パターン123’及び第2
基板122の流路パターン123の部分を露出させ、そ
れ以外の表面のマスキングを行う。
【0142】ついで、積層体にエッチングを施すことに
より、図15(d)に示すように、第1基板120およ
び第2基板122の連通孔・開口部パターン123’及
び流路パターン123の部分を溶解して圧力室107,
インク流路110,インク貯留室109、連通孔121
および開口部109Aを形成する。
【0143】そののち、図15(e)に示すように、感
光性樹脂124を除去したのち、図15(f)に示すよ
うに、連通孔121および開口部109Aの部分に残っ
たエッチング停止層125をブラスト,プレス,レーザ
加工等の手法により除去し、流路形成板104を形成す
る。つぎに、必要に応じ、図15(g)に示すように、
圧力室107,インク流路110内に露出したエッチン
グ停止層125を、ブラスト,レーザ加工等の手法によ
り除去することが行われる。
【0144】この記録ヘッドの製造方法は、第1基板1
20に対するエッチングによって連通孔121と共に開
口部109Aを形成する点以外は図13に示した記録ヘ
ッドの製造方法と同様であり、図13に示した製造方法
と同様の作用・効果を奏する。
【0145】図16は、本発明のインクジェット式記録
ヘッドの他の実施形態を示す。
【0146】この記録ヘッドは、エッチング停止層12
5を介して第1および第2基板120,122が積層さ
れた積層体から成る流路形成板104を2組備えてお
り、両流路形成板104が互いに積層されている。流路
形成板104同士の界面は、エポキシ系接着剤,両面テ
ープ,ポリオレフィン系接着剤等で接着されている。ま
た、インク貯留室109と対応する部分の第1基板12
0に、インク貯留室109に連通してインク貯留室10
9の一部となる開口部109Aが形成されている。流路
形成板104を2枚備えている点以外は図14に示す記
録ヘッドと同様であり、同様の部分には同じ符号を付し
ている。
【0147】この記録ヘッドでは、第2基板122を2
枚備えているので、圧力室107やインク貯留室109
の容積を十分に確保することができる。また、第2基板
122だけでなく第1基板120にも追加のインク貯留
室109Aとなる空間が設けられ、スペースを有効活用
することができるとともに、インク貯留室109,10
9Aの容量に余裕ができて流路抵抗が低減されるととも
にインク貯留室109,109Aを介したクロストーク
も低減される。それ以外は、図11及び図14に示した
上記実施形態と同様の作用効果を奏する。
【0148】図17は、本発明のインクジェット式記録
ヘッドの他の実施形態を示す。
【0149】この記録ヘッドは、圧力室107側の振動
板105の表面に、金属層105Bが設けられ、前記金
属層105Bのインク貯留室109および圧力室107
に対応する部分に、インク貯留室109および圧力室1
07の一部となる空間が形成されている。前記第2基板
122と金属層105Bとの界面は、エポキシ系接着
剤,両面テープ,ポリオレフィン系接着剤等で接着され
ている。それ以外は、図14に示すものと同様であり、
同様の部分には同じ符号を付している。
【0150】この記録ヘッドでは、第2基板122だけ
でなく金属層105Bにもインク貯留室109や圧力室
107となる空間が設けられ、スペースを有効活用する
ことができるとともに、インク貯留室109の容量に余
裕ができて流路抵抗が低減されるとともにインク貯留室
109を介したクロストークも低減される。それ以外
は、図11,図14に示した上記実施形態と同様の作用
効果を奏する。
【0151】図18は、本発明のインクジェット式記録
ヘッドの他の実施形態を示す。
【0152】この記録ヘッドは、第1基板120に形成
された連通孔121の開口がノズル開口108になって
おり、前記第1基板120がノズルプレート103を兼
ねるようになっている。それ以外は、図11に示す記録
ヘッドと同様であり、同様の部分には同じ符号を付して
いる。この記録ヘッドでは、流路ユニット101を構成
する部材数や工程数や減少し、精度向上やコスト低下の
面で有利である。それ以外は、図11に示した上記実施
形態と同様の作用効果を奏する。
【0153】なお、上記各実施形態においてはエッチン
グ停止層125として接着剤を用いた場合を示したが、
エッチング停止層125としてチタン,金,銀等の金属
材料を用いた場合は、第1および第2基板120,12
2とのラミネートは、例えば、クラッド等の手法により
行うことができる。また、前記各実施形態では、本発明
を圧電振動子の振動によりインク滴を吐出させる記録ヘ
ッドに適用した例を説明したが、いわゆるバブルジェッ
ト(登録商標)式の記録ヘッドにも適用することができ
る。これらの場合でも、同様の作用効果を奏する。
【0154】また、上述した実施形態の変形例として
は、流路形成板104をステンレス鋼等の単一材料にて
一体に形成し、流路形成板104の表面104a及び裏
面4bに対して流路形成板104の厚さ方向の途中まで
エッチングすることにより、連通孔121,圧力室10
7,インク貯留室109等を形成することもできる。こ
の場合にはエッチングの終了点を、例えばエッチング時
間によって管理する。
【0155】次に、本発明の参考例としての他の実施形
態について説明する。図19〜図23は、本発明のイン
クジェット式記録ヘッドの一実施形態を示す図である。
【0156】図19に示したように本実施形態による記
録ヘッドは、縦振動モードの圧電振動子206を用いた
記録ヘッドであり、ノズル開口208と圧力室207が
形成された流路ユニット201と、この流路ユニット2
01が貼着されるとともに、圧電振動子206が収容さ
れるヘッドケース202とを備えている。
【0157】前記流路ユニット201は、ノズル開口2
08が列設されたステンレス鋼製のノズルプレート20
3と、前記各ノズル開口208に連通する圧力室207
と、前記圧力室207に供給するインクが貯留されるイ
ンク貯留室209が形成されるとともに、前記圧力室2
07の開口を塞ぐ振動板205を含む流路形成板204
とが積層されて構成されている。
【0158】前記流路形成板204は、圧力室207が
形成された第1流路基板223と、前記圧力室207を
ノズル開口208に連通させる連通孔219とインク貯
留室209とが形成された第2流路基板228と、前記
第1および第2流路基板223,228の間に配設さ
れ、前記圧力室207をノズル開口208に連通させる
連通孔219ならびにインク貯留室209のインクを圧
力室207に供給する供給口217が形成された供給口
プレート224とが積層されて構成されている。図21
は、圧力室207,連通孔219、ノズル開口298、
及び供給口217の位置関係を示してる。
【0159】前記第1流路基板223は、エッチングに
より圧力室207が形成された第1エッチング板220
と、振動板295として作用する第1エッチング停止層
222と、図23に示したように前記振動板205の表
面に島部205Aを形成する第2エッチング板221と
が積層されて構成されている。図20は、圧力室207
と島部205Aとの位置関係を示している。
【0160】また、前記第2流路基板228は、図22
に示したようにエッチングによりインク貯留室209が
形成された第3エッチング板225と、インク貯留室2
09の圧力変動を吸収するダンパ室218がエッチング
により形成された第4エッチング板226と、前記第3
および第4エッチング板225,226の間に存在し、
ダンパフィルム(可撓板)216として作用する第2エ
ッチング停止層227とが積層されて構成されている。
【0161】そして、前記記録ヘッドは、第1流路基板
223と第2流路基板228とが供給口プレート224
を介して積層された流路形成板204を備えることによ
り、圧力室207のノズルプレート203側にインク貯
留室209が重ねられて設けられている。また、前記イ
ンク貯留室209のノズルプレート203側にダンパ室
218が設けられている。図19において、符号232
はノズルプレート203に穿設され、前記ダンパ室21
8内を大気と連通させる大気連通孔である。
【0162】前記各エッチング板220,221,22
5,226の材質としては、ある程度の剛性と被エッチ
ング性を備えたものであれば特に限定するものではな
く、各種のものを用いることができ、例えば、ステンレ
ス鋼やニッケル,アルミニウム,鉄,銅,亜鉛等各種の
金属材料をあげることができる。特に、ステンレス鋼や
ニッケルは、耐食性に優れるうえ比較的エッチング加工
もしやすいことから好ましく用いられる。
【0163】さらに、前記各エッチング停止層222,
227を形成する材料としては、前記各エッチング板2
20,221,225,226が各エッチング停止層2
22,227を介して積層された状態で、この積層体が
エッチングされたときに、各エッチング板220,22
1,225,226のエッチングがそこで停止しうるも
のであれば、特に限定するものではなく、各種のものを
用いることができる。例えば、エポキシ系接着剤,ウレ
タン系接着剤,ポリエステル系接着剤等の熱硬化樹脂系
接着剤や、ポリイミド系接着剤等の熱可塑性樹脂接着剤
等の各種接着剤があげられる。これらの接着剤は、揮発
成分が少なく、揮発後のポーラス化が防止されるため、
好適に用いることができる。また、チタン,金,銀等、
各エッチング板220,221,225,226を形成
する金属材料よりもエッチングされにくい金属材料や樹
脂フィルム(高分子材料フィルム)等も用いることがで
きる。
【0164】そして、前記第1流路基板223では、第
1エッチング板220が図19中の上面側から第1エッ
チング停止層222までエッチングされることにより圧
力室207が形成され、第2エッチング板221が図1
9中の下面側から第1エッチング停止層222までエッ
チングされることにより島部205Aが形成されてい
る。そして、エッチングされずにフィルム状に残った第
1エッチング停止層222が、振動板205として機能
するようになっている。
【0165】また、前記第2流路基板228では、第3
エッチング板225が図19中の下面側から第2エッチ
ング停止層227までエッチングされることによりイン
ク貯留室209が形成され、第4エッチング板226が
図19中の上面側から第2エッチング停止層227まで
エッチングされることによりダンパ室218が形成され
ている。そして、エッチングされずにフィルム状に残っ
た第2エッチング停止層227が、ダンパフィルム21
6として機能するようになっている。
【0166】一方、前記ヘッドケース202は、合成樹
脂製で、上下に貫通する空間212に圧電振動子206
が収容されるようになっている。前記圧電振動子206
は、縦振動モードの圧電振動子206であり、後端側が
ヘッドケース202に取り付けられた固定基板211に
固着されるとともに、先端面が振動板205上の島部2
05Aに固着されている。
【0167】そして、駆動回路214で発生させた駆動
信号をフレキシブル回路板213を介して圧電振動子2
06に入力することにより、圧電振動子206を長手方
向に伸縮させる。この圧電振動子206の伸縮により、
振動板205の島部205Aを上下振動させて圧力室2
07内の圧力を変化させ、圧力室207内のインクをノ
ズル開口208からインク滴として吐出させるようにな
っている。
【0168】このように、本実施形態による記録ヘッド
では、圧力室207とインク貯留室209とが重なり合
うように設けられているため、従来の記録ヘッドにくら
べ、流路ユニット201の面積を大幅に小さくすること
ができ、記録ヘッドを大幅に小型化でき、集積率の向上
に有利となる。また、流路ユニット201の厚み寸法も
比較的大きくできるため、縦振動モードの圧電振動子2
06の振動方向の剛性が大幅に向上し、流路ユニット2
01の変形によるクロストーク等が生じにくくなる。さ
らに、圧力室207のノズルプレート203側にダンパ
室218が設けられているため、それほど構造を複雑化
したり大型化したりすることなくインク貯留室209の
圧力変動を吸収でき、インク貯留室209を介したクロ
ストークの発生等を防止できる。
【0169】また、前記記録ヘッドでは、前記第1およ
び第2エッチング板220,221が第1エッチング停
止層222までエッチングされることにより圧力室20
7および島部205Aが形成されている。また、前記第
3および第4エッチング板225,226が第2エッチ
ング停止層227までエッチングされることによりイン
ク貯留室209およびダンパ室218が形成されてい
る。したがって、圧力室207,インク貯留室209,
ダンパ室218の深さや島部205Aの厚みは、各エッ
チング板220,221,225,226の厚みで決定
されるため、深さ寸法・厚み寸法が極めて高精度なもの
となる。また、圧力室207同士の隔壁も剛性が高く、
圧力室207を高密度に配置することができる。さら
に、剥離工程等を必要としないため、精度が低下するこ
ともなく、コスト的にも有利である。また、エッチング
停止層222,227を接着剤で形成することにより、
エッチングを確実に停止できると共に流路形成板204
の製造が容易となる。
【0170】また、エッチング停止層222,227
が、エッチング板220,221,225,226を形
成する金属よりもエッチングされにくい金属層である場
合や、エッチング板220,221,225,226が
ステンレス鋼もしくはニッケルであり、エッチング停止
層222,227がチタン,銀,金のいずれかである場
合には、確実にエッチング板220,221,225,
226のエッチングを停止できるうえ、流路形成板20
4を構成する部材の線膨張率を略均一にできるため、そ
りの発生が少なくなる。さらに、圧力室207同士の隔
壁の剛性も高くなり、圧力室207を高密度に配置する
ことができる。
【0171】また、エッチング停止層222,227が
樹脂フィルム(高分子材料フィルム)であり、前記エッ
チング停止層222,227が接着層を介してエッチン
グ板220,221,225,226とラミネートされ
ている場合には、確実にエッチング板220,221,
225,226のエッチングを停止できるうえ、エッチ
ング停止層222,227の強度が高く、エッチング停
止層222,227を振動板205やダンパフィルム2
16として機能させることが容易となる。
【0172】つぎに、前記インクジェット式記録ヘッド
の製造方法について説明する。図24は、前記記録ヘッ
ドの第1流路基板223の製造工程を示し、図25は、
第2流路基板228の製造工程を示し、図26は、流路
ユニット201の製造工程を示す。
【0173】前記第1流路基板223は、つぎのように
してつくられる。まず、図24(a)に示すように、第
1および第2エッチング板220,221を準備し、前
記第1エッチング板220と第2エッチング板221と
を、第1エッチング停止層222を介してラミネートし
て積層体を形成する。
【0174】この例では、エッチング停止層222とし
て、図27に示すように、樹脂フィルム236を用い、
例えば、樹脂フィルム236の両面に接着剤237を塗
布したのち両エッチング板220,221を接着するこ
とによりラミネートが行われる。
【0175】ついで、図24(b)に示すように、前記
第1エッチング板220および第2エッチング板221
の表面に、感光性樹脂229を塗布したのち、図24
(c)に示すように、圧力室207ならびに島部205
Aの外周部に対応する流路パターン230の露光,現像
を行なうことにより、両エッチング板220,221表
面の前記流路パターン230に対応する部分を露出さ
せ、それ以外の表面のマスキングを行う。
【0176】ここで、前記感光性樹脂229としては、
エッチング浴に耐えるものであれば特に限定するもので
はなく、各種のものを用いることができるが、厚みの均
一性や比較的厚い皮膜を形成させることができることか
ら、ドライフィルムフォトレジストが好適に用いられ
る。
【0177】つぎに、前記積層体をエッチング浴に浸漬
し、前記第1および第2エッチング板220,221を
陽極として直流電圧を印可することにより、図24
(d)に示すように、両エッチング板220,221の
流路パターン230の部分を溶解し、圧力室207およ
び島部205Aを形成する。ここで、前記エッチング浴
としては、特に限定するものではなく、各種の浴を用い
ることができ、例えば、塩化第2鉄水溶液浴等が用いら
れる。
【0178】そののち、図24(e)に示すように、感
光性樹脂229を除去することにより、第1流路基板2
23が形成される。
【0179】つぎに、第2流路基板228は、つぎのよ
うにしてつくられる。まず、図25(a)に示すよう
に、第3および第4エッチング板225,226を準備
し、前記第3エッチング板225と第4エッチング板2
26とを、第2エッチング停止層227を介してラミネ
ートする。この例でも、前記第2エッチング停止層22
7として、図27に示した第1エッチング停止層222
と同様に、両面に接着剤237が塗布された樹脂フィル
ム236が用いられている。
【0180】ついで、図25(b)に示すように、前記
第3エッチング板225および第4エッチング板226
の表面に、感光性樹脂229を塗布したのち、図25
(c)に示すように、インク貯留室209,ダンパ室2
18ならびに連通孔219に対応する流路パターン23
0の露光,現像を行なうことにより、両エッチング板2
25,226表面の前記流路パターン230に対応する
部分を露出させ、それ以外の表面のマスキングを行う。
【0181】つぎに、前記第3および第4エッチング板
225,226をエッチングすることにより、図25
(d)に示すように、両エッチング板225,226の
流路パターン230の部分を溶解し、インク貯留室20
9,ダンパ室218ならびに連通孔219を形成する。
【0182】そののち、図25(e)に示すように、感
光性樹脂229を除去したのち、図25(f)に示すよ
うに、連通孔219の部分に残った第2エッチング停止
層227をブラスト,プレス,レーザ加工等の手法によ
り除去し、第2流路基板228が形成される。
【0183】一方、板状体にプレス,レーザ加工等を施
すことによりノズル開口208および大気連通孔232
を穿設してノズルプレート203を準備するとともに、
板状体に同じくプレス,レーザ加工等を施して連通孔2
19および供給口217を穿設して供給口プレート22
4を準備する。
【0184】そして、図26に示すように、前記ノズル
プレート203,第2流路基板228,供給口プレート
224,第1流路基板223を、積層して接着剤等で接
合することにより、流路ユニット201を完成させ、こ
の流路ユニット201を圧電振動子206が収容された
ヘッドケース202と接合することにより図19に示し
た記録ヘッドが得られる。
【0185】このように、本実施形態による記録ヘッド
の製造方法では、前記各エッチング板220,221,
225,226を各エッチング停止層222,227ま
でエッチングすることにより圧力室207,島部205
A,インク貯留室209,ダンパ室218となる流路を
形成させるため、前記流路の深さ等が各エッチング板2
20,221,225,226の厚みで決定され、深さ
寸法・厚み寸法が極めて高精度な記録ヘッドを得ること
ができる。また、圧力室207同士の隔壁も剛性が高
く、圧力室207を高密度に配置することができる。さ
らに、剥離工程等を必要としないため、精度が低下する
こともなく、コスト的にも有利である。
【0186】図28は、本発明の参考例としての他の実
施形態のインクジェット式記録ヘッドを示す。
【0187】この記録ヘッドは、ノズルプレート20
3,第2流路基板228,供給口プレート224,第1
流路基板223が、フィルム接着剤231A,231
B,231Cを介して接合されている。それ以外は、図
19に示すものと同様であり、同様の部分には同じ符号
を付している。この記録ヘッドでも、図19に示した上
記実施形態と同様の作用効果を奏する。
【0188】図29は、図28に示したインクジェット
式記録ヘッドの製造方法を示す工程説明図である。この
方法では、第1流路基板223の上面に、あらかじめ圧
力室207に対応する開口部に合わせて型抜きされたフ
ィルム接着剤231Cを貼着するとともに、第2流路基
板228の上面に、あらかじめダンパ室218に対応す
る開口部に合わせて型抜きされたフィルム接着剤231
Aを貼着し、第2流路基板228の下面にあらかじめイ
ンク貯留室209に対応する開口部に合わせて型抜きさ
れたフィルム接着剤231Bを貼着する。
【0189】つぎに、前記各フィルム接着剤231A,
231B,231Cが貼着された第1流路基板223と
第2流路基板228を、ノズルプレート203および供
給口プレート224と積層して接合することにより、流
路ユニット201を完成させる。それ以外は、図24〜
図27に示した上記製造方法と同様にして記録ヘッドが
つくられる。
【0190】図29に示した製造方法によれば、流路内
に接着剤がはみ出して、吐出に悪影響を及ぼしたり、気
泡が付着することによる吐出不良等の発生を防止でき
る。それ以外は、図24〜図27に示した上記製造方法
と同様の作用効果を奏する。
【0191】なお、前記各実施形態では、エッチング停
止層222,227として両面に接着剤237が塗布さ
れた樹脂フィルム236を用いた例を示したが、エッチ
ング停止層222,227としてチタン,金,銀等の金
属材料を用いた場合は、各エッチング板220,22
1,225,226とのラミネートは、例えば、クラッ
ド等の手法により行うことができる。また、エッチング
停止層222,227として接着剤を用いた場合は、各
エッチング板220,221,225,226とのラミ
ネートは、例えば、各エッチング板220,221,2
25,226に接着剤を塗布して接合する等の手法によ
り行うことができる。これらの場合でも、同様の作用効
果を奏する。
【0192】
【発明の効果】以上述べたように本発明の参考例によれ
ば、板状部材の表面及び裏面に対する第1及び第2のエ
ッチングによって、表面側に隔壁を、裏面側に島状部を
それぞれ形成するようにしたので、従来技術において問
題であった圧力室、インク供給口等への接着剤のはみ出
しの問題がなく、また、圧力室と島状部との位置合わせ
の精度が向上し、このため、ノズル開口毎のインク吐出
特性のばらつきを抑制することができる。
【0193】また、第1層、第2層、及びこれら両層間
の中間層によって板状部材を形成し、第1層を中間層に
対して選択的にエッチングすることによって、中間層を
エッチングすることなく第1層のみをその全厚にわたっ
てエッチングすることが可能であり、その結果、第1層
の厚みによってインク供給口の流路断面積が決定される
ことになり、インク供給口毎の流路断面積のばらつきが
抑制されてノズル開口毎のインク吐出特性のばらつきが
抑制される。
【0194】本発明のインクジェット式記録ヘッドによ
れば、流路形成基板の表面及び裏面には第1及び第2の
エッチングによって連通孔及び流路が形成されているの
で、感光性樹脂を積層した流路形成板を備えた従来の記
録ヘッドに比べて、圧力室同士の隔壁の剛性を向上させ
て圧力室を高密度に配置したものとすることができる。
さらに、電鋳部の剥離工程等を必要としないため、精度
が低下することもなく、コスト的にも有利である。ま
た、圧力室と連通孔との位置合わせ精度を向上させるこ
とができる。
【0195】また、第1基板とエッチング停止層と第2
基板とを積層して流路形成板を構成すれば、連通孔及び
流路は、第1基板及び第2基板がエッチング停止層まで
エッチングされることにより形成されたものであるか
ら、連通孔及び流路の深さは、エッチング時間によって
制御されるのではなく第1基板及び第2基板の厚みで決
定されるため、連通孔及び流路の深さ寸法が極めて高精
度なものとなる。
【0196】本発明のインクジェット式記録ヘッドの製
造方法によれば、板状の部材の表面及び裏面に、第1及
び第2のエッチングによって連通孔及び流路を形成する
ので、感光性樹脂を積層して流路形成板を形成する従来
の記録ヘッドの製造方法に比べて、圧力室同士の隔壁の
剛性を向上させて圧力室を高密度に配置したものとする
ことができる。さらに、電鋳部の剥離工程等を必要とし
ないため、精度が低下することもなく、コスト的にも有
利である。また、圧力室と連通孔との位置合わせ精度を
向上させることができる。
【0197】また、第1基板とエッチング停止層と第2
基板とを積層して板状の部材を構成すれば、連通孔及び
流路は、第1基板及び第2基板がエッチング停止層まで
エッチングされることにより形成されるから、連通孔及
び流路の深さは、エッチング時間によって制御されるの
ではなく第1基板及び第2基板の厚みで決定されるた
め、連通孔及び流路の深さ寸法が極めて高精度なものと
なる。
【0198】本発明のインクジェット式記録ヘッドによ
れば、同じ平面に圧力室とインク貯留室が設けられるの
ではなく、これらが少なくとも部分的に重なり合うよう
に設けられているため、従来の記録ヘッドにくらべ、流
路ユニットの面積を大幅に小さくすることができ、記録
ヘッドを大幅に小型化でき、集積率の向上に有利とな
る。また、流路ユニットの厚み寸法を比較的大きくでき
るため、縦振動モードの圧電振動子の振動方向の剛性が
向上し、流路ユニットの変形によるクロストーク等が生
じにくくなる。
【0199】また、本発明の参考例としてのインクジェ
ット式記録ヘッドの製造方法によれば、第1エッチング
板と第2エッチング板を第1エッチング停止層までエッ
チングして圧力室および島部を形成させるため、圧力室
の深さならびに島部の厚みをエッチング時間によって制
御するのではなく、第1エッチング板および第2エッチ
ング板の厚みで決定するため、圧力室の深さおよび島部
の厚み寸法が極めて高精度な記録ヘッドを得ることがで
きる。また、圧力室同士の隔壁も剛性を向上させて圧力
室を高密度に配置させることができる。さらに、剥離工
程等を含まないため、精度が低下することもなく、コス
ト的にも有利である。
【0200】また、好ましくは、第3エッチング板及び
第4エッチング板を第2エッチング停止層までエッチン
グしてインク貯留室ならびにダンパ室を形成することに
より、インク貯留室およびダンパ室の深さがエッチング
時間によって制御するのではなく、第3エッチング板と
第4エッチング板の厚みで決定するため、インク貯留室
およびダンパ室の深さ寸法が極めて高精度な記録ヘッド
を得ることができる。また、剥離工程等を含まないた
め、精度が低下することもなく、コスト的にも有利であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の参考例の一実施形態によるインクジェ
ット式記録ヘッドの要部を示した断面図。
【図2】図1のA−A線に沿った断面図。
【図3】図1のB−B線に沿った断面図。
【図4】図2のC−C線に沿った断面図。
【図5】板状部材の各種構成を示した断面図であり、
(a)はPI層の両側にSUS層を設けた構成、(b)
はPPS層の両側に接着剤層を介してSUS層を設けた
構成、(c)はSUS層の両側に接着剤層を介してSU
S層を設けた構成。
【図6】図1に示した実施形態の一変形例における板状
部材及びノズルプレートを示した断面図。
【図7】図1に示した実施形態の他の変形例における板
状部材、基材、及びノズルプレートを示した断面図。
【図8】本発明の参考例の他の実施形態における板状部
材、基材、及びノズルプレートを示した断面図。
【図9】本発明の参考例の他の実施形態における板状部
材の隔壁を表面側から見た図。
【図10】本発明の参考例の他の実施形態における板状
部材、基材、及びノズルプレートを示した断面図。
【図11】本発明のインクジェット式記録ヘッドの一実
施形態を示す図であり、(a)は縦断面図、(b)は
(a)のA−A断面図、(c)は(b)のB−B断面図
である。
【図12】本発明のインクジェット式記録ヘッドの他の
実施形態を示す図であり、(a)は縦断面図、(b)は
(a)のA−A断面図である。
【図13】本発明のインクジェット式記録ヘッドの製造
方法の一実施形態を示す工程説明図である。
【図14】本発明のインクジェット式記録ヘッドの他の
実施形態を示す縦断面図である。
【図15】本発明のインクジェット式記録ヘッドの製造
方法の他の実施形態を示す工程説明図である。
【図16】本発明のインクジェット式記録ヘッドの他の
実施形態を示す縦断面図である。
【図17】本発明のインクジェット式記録ヘッドの他の
実施形態を示す縦断面図である。
【図18】本発明のインクジェット式記録ヘッドの他の
実施形態を示す縦断面図である。
【図19】本発明の参考例としてのインクジェット式記
録ヘッドの一実施形態を示す縦断面図である。
【図20】図19のA面に沿ったインクジェット式記録
ヘッドの部分断面図である。
【図21】図19のB面に沿ったインクジェット式記録
ヘッドの部分断面図である。
【図22】図19のC面に沿ったインクジェット式記録
ヘッドの部分断面図である。
【図23】図19のD面に沿ったインクジェット式記録
ヘッドの部分断面図である。
【図24】図19に示したインクジェット式記録ヘッド
の第1流路基板の製造工程を示す図である。
【図25】図19に示したインクジェット式記録ヘッド
の第2流路基板の製造工程を示す図である。
【図26】図19に示したインクジェット式記録ヘッド
の流路ユニットの製造工程を示す図である。
【図27】図19に示したインクジェット式記録ヘッド
のエッチング停止層を示す要部拡大断面図である。
【図28】本発明の参考例としてのインクジェット式記
録ヘッドの他の実施形態を示す縦断面図である。
【図29】図28に示したインクジェット式記録ヘッド
の製造工程を示す図である。
【図30】従来のインクジェット式記録ヘッドを示した
断面図。
【図31】図30に示した記録ヘッドの圧力室及びその
周辺を拡大して示した断面図。
【図32】図31に示した圧力室の内部に接着剤がはみ
出した状態を示した断面図。
【図33】従来のインクジェット式記録ヘッドを示す分
解斜視図である。
【図34】従来のインクジェット式記録ヘッドを示す縦
断面図である。
【符号の説明】
1 インクジェット式記録ヘッド 2 板状部材 2a 板状部材の表面 2b 板状部材の裏面 3 ケース 4 第1層 5 第2層 6 中間層 7 隔壁 8 圧力室 9 インク供給口 10 共通インク室 11 島状部 12 圧力発生素子 15 弾性変形部 16 基材 17 連通孔 18 ノズルプレート 19 ノズル開口 21 第1接着剤層 22 第2接着剤層 23 ポリオレフィンフィルム接着剤 30 拡張インク室 31 拡張圧力室 40 接着剤捕捉溝 101 流路ユニット 103 ノズルプレート 104 流路形成板 105 振動板 106 圧電振動子 107 圧力室 108 ノズル開口 120 第1基板 121 連通孔 122 第2基板 125 エッチング停止層 201 流路ユニット 203 ノズルプレート 204 流路形成板 205 振動板 206 圧電振動子 207 圧力室 209 インク貯留室

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ノズル開口が穿設されたノズルプレート
    と、前記ノズル開口に連通する圧力室を含む流路が形成
    された流路形成板と、前記圧力室の開口を塞ぐ振動板と
    が積層された流路ユニットと、 前記振動板を変位させて前記圧力室に圧力変動を与える
    圧力発生素子と、を備え、 前記流路形成板は表面及び裏面を有し、前記流路形成板
    の前記表面には第1のエッチングによって前記ノズル開
    口と連通する連通孔が形成されており、前記流路形成板
    の前記裏面には第2のエッチングによって前記流路が形
    成されていることを特徴とするインクジェット式記録ヘ
    ッド。
  2. 【請求項2】前記流路形成板は、前記表面を含み、前記
    第1のエッチングによって前記連通孔が穿設された第1
    基板と、エッチング停止層と、前記裏面を含み、前記第
    2のエッチングによって前記流路が形成された第2基板
    との積層体を有し、 前記連通孔は、前記第1基板の前記表面に対する前記第
    1のエッチングが前記エッチング停止層にて停止される
    ことにより形成されたものであり、 前記流路は、前記第2基板の前記裏面に対する前記第2
    のエッチングが前記エッチング停止層にて停止されるこ
    とにより形成されたものであることを特徴とする請求項
    1記載のインクジェット式記録ヘッド。
  3. 【請求項3】前記第1基板に形成された前記連通孔の開
    口が前記ノズル開口を構成し、前記第1基板が前記ノズ
    ルプレートを兼ねるように構成されている請求項2記載
    のインクジェット式記録ヘッド。
  4. 【請求項4】前記エッチング停止層が接着剤層である請
    求項2又は3に記載のインクジェット式記録ヘッド。
  5. 【請求項5】前記第2基板は金属により形成されてお
    り、前記エッチング停止層は前記第2基板を形成する金
    属よりもエッチングされにくい金属により形成された層
    である請求項2乃至4のいずれか一項に記載のインクジ
    ェット式記録ヘッド。
  6. 【請求項6】前記第2基板がステンレス鋼もしくはニッ
    ケルであり、エッチング停止層がチタン,銀,金のいず
    れかである請求項5記載のインクジェット式記録ヘッ
    ド。
  7. 【請求項7】前記流路形成板は単一材料にて一体に形成
    されており、前記第1及び第2のエッチングは、前記流
    路形成板の前記表面及び前記裏面における、前記流路形
    成板の厚さ方向の途中までのエッチングである請求項1
    記載のインクジェット式記録ヘッド。
  8. 【請求項8】前記流路形成板はステンレス鋼にて形成さ
    れている請求項7記載のインクジェット式記録ヘッド。
  9. 【請求項9】前記圧力発生素子が、縦振動モードの圧電
    振動子である請求項1乃至8のいずれか一項に記載のイ
    ンクジェット式記録ヘッド。
  10. 【請求項10】前記圧力発生素子が、たわみ振動モード
    の圧電振動子である請求項1乃至8のいずれか一項に記
    載のインクジェット式記録ヘッド。
  11. 【請求項11】前記第2のエッチングによって前記流路
    形成板の前記裏面に形成された前記流路は、前記圧力室
    と、前記圧力室にインクを供給するインク供給路と、前
    記圧力室に供給されるインクを貯留するインク貯留室と
    に対応する空間である請求項1乃至10のいずれか一項
    に記載のインクジェット式記録ヘッド。
  12. 【請求項12】前記流路形成板の前記表面に、前記イン
    ク貯留室に連通する追加のインク貯留室が前記第1のエ
    ッチングよって前記連通孔と共に形成されている請求項
    11記載のインクジェット式記録ヘッド。
  13. 【請求項13】互いに積層された一対の前記流路形成板
    を備えている請求項1乃至12のいずれか一項に記載の
    インクジェット式記録ヘッド。
  14. 【請求項14】前記流路形成板の前記裏面には金属層が
    積層されており、前記金属層にも前記流路が形成されて
    いる請求項1乃至13のいずれか一項に記載のインクジ
    ェット式記録ヘッド。
  15. 【請求項15】ノズル開口が穿設されたノズルプレート
    と、前記ノズル開口に連通する圧力室と前記圧力室に供
    給するインクが貯留されるインク貯留室とが形成される
    と共に、前記圧力室の開口を塞ぐ振動板を有する流路形
    成板と、を含んでなる流路ユニットと、 前記振動板を変位させることにより前記圧力室に圧力変
    動を与える圧力発生素子と、を備え、 前記流路形成板は、エッチング停止層を間に挟んで一対
    のエッチング板を積層して形成した積層体を含み、前記
    インク貯留室は、前記エッチング板を前記エッチング停
    止層までエッチングすることによって形成されたもので
    あり、前記エッチング停止層は、前記インク貯留室の一
    部を画成する可撓板を構成することを特徴とするインク
    ジェット式記録ヘッド。
  16. 【請求項16】ノズル開口が穿設されたノズルプレート
    と、前記ノズル開口に連通する圧力室を含む流路が形成
    された流路形成板と、前記圧力室の開口を塞ぐ振動板と
    が積層された流路ユニットと、 前記振動板を変位させて前記圧力室に圧力変動を与える
    圧力発生素子と、を備えたインクジェット式記録ヘッド
    を製造するための方法において、 表面及び裏面を有する板状の部材の前記表面に、前記ノ
    ズル開口と連通する連通孔をエッチングによって形成す
    る第1のエッチング工程と、 前記板状の部材の前記裏面に、前記圧力室を含む前記流
    路をエッチングによって形成する第2のエッチング工程
    と、 前記第1及び第2のエッチング工程によって前記板状の
    部材から形成された前記流路形成板の前記表面側及び前
    記裏面側に前記ノズルプレート及び前記振動板を積層し
    て前記流路ユニットを形成する工程と、を備えたことを
    特徴とするインクジェット式記録ヘッドの製造方法。
  17. 【請求項17】前記板状の部材は、前記表面を含む第1
    部材と、エッチング停止層と、前記裏面を含む第2部材
    とを積層して構成されており、前記第1及び第2のエッ
    チングは前記エッチング停止層にて停止される請求項1
    6記載のインクジェット式記録ヘッドの製造方法。
  18. 【請求項18】前記流路形成板は単一材料にて一体に形
    成されており、前記第1及び第2のエッチングは、前記
    流路形成板の前記表面及び前記裏面における、前記流路
    形成板の厚さ方向の途中までのエッチングである請求項
    16記載のインクジェット式記録ヘッドの製造方法。
  19. 【請求項19】前記第2のエッチング工程において前記
    流路形成板の前記裏面に形成された前記流路は、前記圧
    力室と、前記圧力室にインクを供給するインク供給路
    と、前記圧力室に供給されるインクを貯留するインク貯
    留室とに対応する空間である請求項16乃至18のいず
    れか一項に記載のインクジェット式記録ヘッドの製造方
    法。
  20. 【請求項20】前記第1のエッチング工程において、前
    記板状の部材の前記表面に、前記インク貯留室に連通す
    る追加のインク貯留室を前記連通孔と共に形成する請求
    項19記載のインクジェット式記録ヘッドの製造方法。
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