JP7203337B2 - インクジェットヘッド - Google Patents
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Description
低コストで微細パターンを形成する方法として、所望するパターンの材料をインク化して基材上に印刷を行う印刷法、とりわけ印刷版が不要なインクジェット法が注目されている。しかし近年、インクジェット法で形成するパターンの微細化への要求に伴ってノズル列のノズル間ピッチが小さくなり、それに伴いインクジェットヘッドを構成する各部材の接合部の面積が小さくなっている。
はじめに、図2を用いて本開示における実施の形態1について説明する。図2は、本開示の実施の形態1に係るインクジェットヘッド100の断面図を示している。
図2の(a)は、本開示のインクジェットヘッド100の断面図であり、複数のノズル2の配列方向、かつインクの吐出方向に沿う面で切断した断面を示している。なお、インクジェットヘッド100のうち、複数のノズル2の配列方向における両端部は、破断され省略されている。本実施の形態のインクジェットヘッド100は、少なくともノズルプレート1と、流路形成基板4と、圧電素子5と、振動板8と、基台10と、を備える。
ノズルプレート1は、基板上に複数のノズル2を所望の数と間隔で形成したものである。ノズルプレート1上に、複数のノズル2を形成する方法としては、レーザ加工、ドリル加工、プレス加工、エッチング法、および電鋳法などがある。ノズル2の形状の加工自由度、および形状制御のし易さ等を考えるとノズル2はレーザ加工によって形成されることが好ましい。
流路形成基板4は、ノズル配置に応じた隔壁が基板に等間隔で設けられた部材である。それぞれの隔壁と隔壁との間に形成される空間が圧力発生室3となり、圧力発生室3には、図2の紙面手前奥方向に配置される共通流路(図示せず)からインクが供給される。流路形成基板4も同様に、レーザ加工、およびエッチング法などの手法により形成することができる。
圧電素子5は、表面電極、裏面電極、及び内部電極と、圧電体とによって構成される。より具体的には、圧電素子5は、圧電体、表面電極に接続された内部電極、圧電体、裏面電極に接続された内部電極の順に積層された単位素子をさらに複数積層することによって構成される。したがって、表面電極、及び裏面電極それぞれに接続された内部電極どうしは、互いに噛み合う櫛歯状の二種の内部電極を形成し、チタン酸ジルコン酸鉛などで構成された圧電体がこれらの間に介在する形に積層される。
振動板8は、圧電素子5の駆動部6で発生した変位によって振動し、圧力発生室3内部の容積を変動させることで、圧力発生室3内部に充填されたインクに圧力を発生させ、ノズル2よりインクを吐出させる。
接着材層9は、圧電素子5と振動板8とを接合する際に用いられる接着材が硬化することで形成される所定の膜厚(層厚)を有する接合層である。したがって接着材層9は、圧電素子5と振動板8との間に配置される。なお、本開示において接着剤と接着材層9とは、未硬化のものを接着材と記述し、塗布され、所定の膜厚で硬化した後のものを接着材層9と記述する。
接着材層9に含有されるビーズ11は、振動板8よりも硬度が高いビーズであり、硬化前の接着材に混錬して用いられる。接着材に混錬されるビーズ11としては、ジルコニア、アルミナ、およびシリカなどのセラミックビーズ、もしくはガラスビーズ、もしくは金属ビーズなどを用いることができる。特に液晶ディスプレイのスペーサビーズとして用いられるビーズは、粒径の精度が高く、好適に用いることができる。このようなビーズの一例としては、「ハイプレシカ(宇部エクシモ(株)製)」などを挙げることができる。
上記ビーズ11を混錬した接着材は、スクリーン印刷やフレキソ印刷、グラビア印刷などによって圧電素子5、または振動板8に塗布される。また、圧電素子5側に接着材を塗布する場合は、接着材はベタ膜として平面に塗布され、その後圧電素子5が当該平面に押し当てられ、当接する面に接着材が転写されることによって、塗布されることもできる。
次に図3を用いて、本開示における実施の形態2について説明する。図3は、本開示の実施の形態2に係るインクジェットヘッド100bを示している。
図3の(a)は、本開示のインクジェットヘッド100bの断面図であり、図2の(a)と同一断面における断面を示している。
そこで本実施の形態では、前述したように振動板8bは、図3の(b)のように、振動部81、ならびに圧電素子5との接合位置、および形状に対応し振動部81よりも圧電素子5側に凸状に厚くなっている接合部82とを備える。これにより、振動部81の厚みを厚くせずにビーズ11の食い込みによる振動板8bの流路形成基板4側の表面の変形83を抑制することが可能である。
次に、図4を用いて本開示における実施の形態3について説明する。図4は、本開示の実施の形態3に係るインクジェットヘッド100cの断面図を示している。
図4は、図3における領域b2を拡大したもの(即ち図3の(b)と同じ箇所)であるが、図3の(b)と比較すると、図4では、圧電素子5cは、振動板8bに対向する接合面(振動板8b側の表面)に窪み部51を有する。つまり、本実施の形態は、実施の形態2に比べ圧電素子5cの接合面に窪み部51を有する(形成されている)点で異なっている。このような窪み部51は接着材に混錬されたビーズ11の一部が入り込める大きさになっている。したがって、ビーズ11のうち少なくとも一部は、窪み部51の中に配置される。
以上に説明した窪み部51の形状や配置密度を適切に調整することで、圧電素子5cと振動板8bとを接合する押圧の際に、圧電素子5cの表面に位置するビーズ11の振動板8b側の頂部は、ビーズ11よりも柔軟な振動板8の接合部82に食い込む。ビーズ11の食い込みは振動板8bの接合部82の表面を変形させ、振動板8bには凹部90bが形成される。一方、窪み部51に位置するビーズ12は、振動板8b側の頂部において、振動板8の接合部82に接するが、食い込まない。本実施の形態ではこのような構成の接着材層9cを形成させることが可能になる。
さらに以下では、図5を用いて、本開示における実施の形態4について説明する。図5は、本開示の実施の形態4に係るインクジェットヘッド100dを示している。
図5は、図3における領域b2を拡大したもの(即ち図3の(b))、および図4と同じ箇所について示した断面図である。図5には、図3の(b)に示したビーズ11が単一の粒径のものによる構成ではなく、粒径分布があるもの、または単一の粒径のビーズ11等を複数混ぜたものなどを用いた場合における、振動板8bと圧電素子5とが接合されている部分を示している。
第1ビーズ13と、第2ビーズ14との濃度(ビーズ数濃度)を適切に調整することで、圧電素子5と振動板8bとを接合する押圧の際に第1ビーズ13の振動板8b側の頂部は第1ビーズ13よりも柔軟な振動板8bに食い込み、振動板8bの表面に凹部90bを形成する。一方、第2ビーズ14は、の振動板8b側の頂部において、振動板8bに接するが、食い込まない。
以上、実施の形態について説明したが、本開示は、上記実施の形態に限定されるものではない。
2 ノズル
3 圧力発生室
4 流路形成基板
5、5a、5c 圧電素子
6 駆動部
7 柱部
8、8a、8b 振動板
9、9a、9b、9c、9d 接着材層
10 基台
11、12、13、14 ビーズ
51 窪み部
81 振動部
82、82a 接合部
83 変形
90、90b 凹部
91、92、94、95 膜厚
93 はみ出し部
100、100a、100b、100c、100d インクジェットヘッド
Claims (4)
- インクジェットヘッドであって、
圧電素子と、
振動板と、
前記圧電素子と前記振動板との間に配置され、前記圧電素子と前記振動板とを接合する接着材層と、を備え、
前記接着材層は、前記振動板よりも硬度が高いビーズを含有しており、かつ前記接着材層の膜厚が、前記ビーズの粒径よりも小さく、
前記圧電素子は、前記振動板に対向する接合面に窪み部を有し、
前記ビーズのうち少なくとも一部は、前記窪み部の中に配置される
インクジェットヘッド。 - 前記振動板は樹脂によって構成される
請求項1に記載のインクジェットヘッド。 - 前記振動板は、
振動部と、
前記振動部よりも前記圧電素子側に凸状に厚くなっている接合部と、を備え、
前記接着材層により前記接合部と前記圧電素子とが接合される
請求項1または2に記載のインクジェットヘッド。 - 前記ビーズは、粒径が異なる第1ビーズ、および第2ビーズを含み、
前記第2ビーズの粒径よりも大きい前記第1ビーズの粒径よりも、前記膜厚は小さい
請求項1乃至3記載のインクジェットヘッド。
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