JP2002103608A - インクジェット式記録ヘッド - Google Patents

インクジェット式記録ヘッド

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JP2002103608A
JP2002103608A JP2000294333A JP2000294333A JP2002103608A JP 2002103608 A JP2002103608 A JP 2002103608A JP 2000294333 A JP2000294333 A JP 2000294333A JP 2000294333 A JP2000294333 A JP 2000294333A JP 2002103608 A JP2002103608 A JP 2002103608A
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ink
recording head
jet recording
pressure generating
film
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Ryoichi Tanaka
良一 田中
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 長期保存状態において、流路内のインクの粘
度上昇を防止しうるインクジェット式記録へッドを提供
する。 【解決手段】 ノズル開口8と圧力発生室7とインク貯
留室9を有する流路ユニット1と、上記流路ユニット1
が貼着されるヘッドケース2と、上記圧力発生室7およ
びインク貯留室9の開口を塞ぐ振動板5とを備え、上記
ヘッドケース2のインク貯留室9に対応する部分に、振
動板5を介してインク貯留室9内の圧力変動を逃がすダ
ンパ用凹部12が形成されるとともに上記ダンパ用凹部
12を外部と連通させる外部連通孔14が形成され、上
記外部連通孔14の外部開口をフィルム17で封止した
ことにより、記録ヘッドを長期間使用せずに保管等した
場合にも、インク貯留室9内にあるインク中の水分の蒸
発が上記フィルム17によって遮られ、インク貯留室9
内のインクの粘度上昇を防止した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、圧電振動子の伸縮
等によりノズル開口からインク滴を吐出させて画像や文
字を記録用紙に記録するインクジェット式記録ヘッドに
関するものである。
【0002】
【従来の技術】縦振動の圧電振動子を用いたインクジェ
ット式記録ヘッド(以下「記録ヘッド」という)は、一
般に、図5に示すように、多数のノズル開口8と圧力発
生室7が形成された流路ユニット1と、この流路ユニッ
ト1が貼着されるとともに、圧電振動子6が収容される
ヘッドケース2とを備えている。
【0003】上記流路ユニット1は、ノズル開口8が紙
面と垂直方向に列設されたノズルプレート3と、上記各
ノズル開口8に連通する圧力発生室7が列設された流路
基板4と、上記各圧力発生室7の下部開口を塞ぐ振動板
5とが積層されて構成されている。上記流路基板4に
は、各圧力発生室7とインク供給路10を介して連通
し、各圧力発生室7に供給されるインクを貯留するイン
ク貯留室9が形成されている。この例では、ノズル開口
8および圧力発生室7の列は2列設けられている。
【0004】上記ヘッドケース2は、合成樹脂製で、上
下に貫通する空間16に圧電振動子6が収容されるよう
になっている。上記空間16は、ノズル開口8が列設さ
れる方向に延び、ノズル開口8の列に対応して2つ設け
られている。上記圧電振動子6は、後端側がヘッドケー
ス2に取り付けられた固定基板11に固着されるととも
に、先端面が振動板5下面の島部5Aに固着されてい
る。
【0005】そして、駆動回路(図示せず)で発生させ
た駆動信号をフレキシブル回路板13を介して圧電振動
子6に入力することにより、圧電振動子6を長手方向に
伸縮させる。この圧電振動子6の伸縮により、振動板5
の島部5Aを振動させて圧力発生室7内の圧力を変化さ
せ、圧力発生室7内のインクをノズル開口8からインク
滴として吐出させるようになっている。図において、1
5はインクカートリッジ(図示せず)からインク貯留室
9にインクを補給するインク補給管である。
【0006】一方、上記ヘッドケース2のインク貯留室
9に対応する部分には、ポリフェニレンサルファイドフ
ィルム(以下「PPSフィルム」という)製の振動板5
を介して吐出時のインク貯留室9内の圧力変動を逃がす
ダンパ用凹部12が形成されている。このダンパ用凹部
12は、外部と連通しない独立空間として存在させる
と、ダンパ用凹部12内の空気がPPSフィルム製の振
動板5を透過してインク内に溶出し、ダンパ用凹部12
内の気圧が下がって振動板5の張力が高くなって十分な
ダンパ効果を得られなくなりやすい。そこで、上記ダン
パ用凹部12の奥面からヘッドケース2の反対側面に向
かって貫通してダンパ用凹部12を外部に連通させる外
部連通孔14を穿設することにより、上述したようなダ
ンパ用凹部12内の圧力低下を防止している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記記
録ヘッドでは、ダンパ用凹部12が大気に開放される構
造となっているため、長期間記録ヘッドが使用されない
で保管等された場合に、インク貯留室9内のインク中の
水分が水蒸気となってPPSフィルム製の振動板5を透
過し、次第にインク貯留室9内のインクの粘度が上昇し
やすい。そして、保管状態から再び使用を開始するとき
に流路内のインクを強制的に吸引するクリーニング動作
等を行なっても流路の詰まりが回復せずにインクを正常
に吐出できなくなるおそれがある。このような傾向は特
に粘度上昇しやすい顔料系のインクで顕著であり、最近
では、多様な印字品質を実現するため、顔料系のインク
が用いられることも多くなっていることから、このよう
な長期保存によるインクの粘度上昇を防止しうるインク
ジェット式記録ヘッドの開発が強く望まれていた。
【0008】本発明は、このような事情に鑑みなされた
もので、長期保存状態において、流路内のインクの粘度
上昇を防止しうるインクジェット式記録へッドの提供を
その目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明のインクジェット式記録ヘッドは、ノズル開
口と上記ノズル開口に連通する圧力発生室および上記圧
力発生室に供給するインクを貯留するインク貯留室と上
記圧力発生室およびインク貯留室の開口を塞ぐ封止板と
を有する流路ユニットと、上記流路ユニットが貼着され
るヘッドケースと、上記ヘッドケースに収容されて上記
圧力発生室に圧力変動を与える圧力発生素子とを備えた
インクジェット式記録ヘッドであって、上記ヘッドケー
スのインク貯留室に対応する部分に、上記封止板を介し
てインク貯留室内の圧力変動を逃がすダンパ用凹部が形
成されるとともに、上記ダンパ用凹部を外部と連通させ
る外部連通孔が形成され、上記封止板として水蒸気透過
率の低いフィルムを用いたことを第1の要旨とする。
【0010】また、本発明のインクジェット式記録ヘッ
ドは、ノズル開口と上記ノズル開口に連通する圧力発生
室および上記圧力発生室に供給するインクを貯留するイ
ンク貯留室と上記圧力発生室およびインク貯留室の開口
を塞ぐ封止板とを有する流路ユニットと、上記流路ユニ
ットが貼着されるヘッドケースと、上記ヘッドケースに
収容されて上記圧力発生室に圧力変動を与える圧力発生
素子とを備えたインクジェット式記録ヘッドであって、
上記ヘッドケースのインク貯留室に対応する部分に、上
記封止板を介してインク貯留室内の圧力変動を逃がすダ
ンパ用凹部が形成されるとともに、上記ダンパ用凹部を
外部と連通させる外部連通孔が形成され、上記ダンパ用
凹部の封止板に覆われた開口から外部連通孔の外部開口
までのいずれかの箇所をフィルムで封止したことを第2
の要旨とする。
【0011】すなわち、本発明の第1のインクジェット
式記録ヘッドは、ヘッドケースのインク貯留室に対応す
る部分に、封止板を介してインク貯留室内の圧力変動を
逃がすダンパ用凹部が形成されるとともに、上記ダンパ
用凹部を外部と連通させる外部連通孔が形成され、上記
封止板として水蒸気透過率の低いフィルムを用いてい
る。また、本発明の第2のインクジェット式記録ヘッド
は、ヘッドケースのインク貯留室に対応する部分に、封
止板を介してインク貯留室内の圧力変動を逃がすダンパ
用凹部が形成されるとともに、上記ダンパ用凹部を外部
と連通させる外部連通孔が形成され、上記ダンパ用凹部
の封止板に覆われた開口から外部連通孔の外部開口まで
のいずれかの箇所をフィルムで封止している。
【0012】このように、ダンパ用凹部が直接大気開放
されるのではなくフィルムで封止されることから、記録
ヘッドを長期間使用せずに保管等した場合にも、インク
貯留室内にあるインク中の水分の蒸発がフィルムによっ
て遮られ、インク貯留室内のインクの粘度上昇を防止す
る。したがって、長期保管状態から再び使用を開始する
ときに、通常のクリーニング動作等を行なえばインクを
正常に吐出できるようになり、従来のような吐出不良が
ほとんど生じなくなる。
【0013】本発明のインクジェット式記録ヘッドにお
いて、上記フィルムが外部連通孔の外部への開口部に貼
着されている場合には、インク貯留室内にあるインクの
水分蒸発を有効に防止できるうえ、フィルムをヘッドケ
ースに貼着しやすく、製造工程等をあまり複雑化しな
い。
【0014】本発明のインクジェット式記録ヘッドにお
いて、上記フィルムが外部連通孔のダンパ用凹部への開
口部に貼着されている場合には、インク貯留室内にある
インクの水分蒸発を有効に防止できる。
【0015】本発明のインクジェット式記録ヘッドにお
いて、上記フィルムの水蒸気透過率が封止板の水蒸気透
過率以下である場合や、封止板がポリフェニレンサルフ
ァイドフィルムである場合には、封止板を透過するイン
クの水分蒸発を有効に防止できる。
【0016】本発明のインクジェット式記録ヘッドにお
いて、吐出するインクが顔料系のインクである場合に
は、顔料系のインクでは水分蒸発による粘度上昇が激し
いことから、インク貯留室内にあるインクの水分蒸発を
有効に防止して長期保管後の再使用をスムーズにする効
果が顕著で効果的である。
【0017】本発明のインクジェット式記録ヘッドにお
いて、上記圧力発生素子が圧電振動子である場合には、
圧力発生室として圧電振動子を用いたタイプの記録ヘッ
ドにおいて、インク貯留室内にあるインクの水分蒸発を
有効に防止し、長期保管後の再使用をスムーズにでき
る。
【0018】本発明のインクジェット式記録ヘッドにお
いて、上記圧電振動子が縦振動モードの圧電振動子であ
る場合には、縦振動モードの圧電振動子を用いたタイプ
の記録ヘッドでは、封止板として例えばポリフェニレン
サルファイドフィルムのような水蒸気を透過させやすい
樹脂フィルムが多く用いられることから、インク貯留室
内にあるインクの水分蒸発を有効に防止して長期保管後
の再使用をスムーズにする効果が顕著で効果的である。
【0019】本発明のインクジェット式記録ヘッドにお
いて、上記圧力発生素子が流路内のインクを加熱する加
熱素子である場合には、圧力発生室として加熱素子を用
いたタイプの記録ヘッドにおいて、インク貯留室内にあ
るインクの水分蒸発を有効に防止し、長期保管後の再使
用をスムーズにできる。
【0020】
【発明の実施の形態】つぎに、本発明の実施の形態を詳
しく説明する。
【0021】図1および図2は、本発明のインクジェッ
ト式記録ヘッドの一実施の形態を示す図である。この記
録ヘッドは、基本的には図5に示すものと同様であり、
以下同様の部分は同じ符号を用いて説明する。
【0022】上記記録ヘッドは、圧電振動子6が収容さ
れるヘッドケース2と、このヘッドケース2のユニット
固着面に接着剤等で固着される流路ユニット1とを備え
ている。
【0023】上記流路ユニット1は、ノズル開口8が列
設されたノズルプレート3と、上記各ノズル開口8に連
通する圧力発生室7が列設され、上記各圧力発生室7に
インク供給路10を介して供給されるインクを貯留する
インク貯留室9が形成された流路基板4と、上記各圧力
発生室7およびインク貯留室9の下部開口を塞ぐ振動板
(封止板)5とが積層されて構成されている。この例で
は、ノズル開口8および圧力発生室7の列は、それぞれ
2列設けられている。
【0024】上記ヘッドケース2は、熱硬化性樹脂や熱
可塑性樹脂が射出成形されてなり、上下に貫通する空間
16に、上記各圧力発生室7に対応するよう圧電振動子
6が収容されるようになっている。上記空間16は、ノ
ズル開口8が列設される方向に延び、ノズル開口8の列
に対応して2つ設けられている。上記圧電振動子6は、
縦振動モードの圧電振動子6であり、後端側がヘッドケ
ース2に取り付けられた固定基板11に固着されるとと
もに、先端面が振動板5下面の島部5Aに固着されてい
る。
【0025】ここで、上記振動板5は、ポリフェニレン
サルファイドフィルム(以下「PPS」フィルムとい
う)からなり、ステンレス板製の島部5Aがラミネート
されている。そして、上記ヘッドケース2には、そのイ
ンク貯留室9に対応する部分に、インク貯留室9内に発
生する圧力変動を振動板5を介して逃がすダンパ用凹部
12が形成されている。
【0026】上記ダンパ用凹部12は、外部と連通しな
い独立空間として存在させると、ダンパ用凹部12内の
空気がPPSフィルム製の振動板5を透過してインク内
に溶出し、ダンパ用凹部12内の気圧が下がって振動板
5の張力が高くなって十分なダンパ効果を得らなくなり
やすい。そこで、上記ヘッドケース2には、上記ダンパ
用凹部12の奥面からヘッドケース2の反対側面に向か
って貫通し、ダンパ用凹部12を外部に連通させる外部
連通孔14を穿設し、上述したようなダンパ用凹部12
内の圧力低下を防止している。
【0027】そして、上記記録ヘッドでは、ヘッドケー
ス2の外部連通孔14が外部に開口する面にフィルム1
7を貼着することにより、上記外部連通孔14の外部へ
の開口部をフィルム17で封止している。このようにす
ることにより、ダンパ用凹部12がフィルム17で封止
されることから、記録ヘッドを長期間使用せずに保管等
した場合にも、インク貯留室9内にあるインク中の水分
の蒸発が上記フィルム17によって遮られ、インク貯留
室9内のインクの粘度上昇が防止される。
【0028】上記フィルム17の水蒸気透過率は、少な
くとも振動板5を構成するPPSフィルムの水蒸気透過
率以下に設定するのが好ましい。このようにすることに
より、インク貯留室9内のインク中の水分がダンパ用凹
部12および外部連通孔14を通じて蒸発するのを有効
に防止できるからである。
【0029】具体的には、上記フィルム17の水蒸気透
過率は、10g/m2・24hr以下が好ましく、5以
下であればなお好ましい。一層好ましくは、1以下であ
る。また、上記水蒸気透過率の低いフィルム17の具体
例としては、例えば、ポリプロピレン(PP:約8),
高密度ポリエチレン(HDPE:約5)、さらには、蒸
着ナイロン(約3),蒸着ポリプロピレン(PP:約
2),蒸着ポリエステル(約0.5)等をあげることが
できる。さらに、上記フィルム17の厚みを変化させる
ことにより、上記フィルム17の水蒸気透過量をコント
ロールすることも可能となる。なお、上述した水蒸気透
過率の数値は、いずれもフィルム厚みが25μmのとき
のものである。
【0030】そして、駆動回路(図示せず)で発生させ
た駆動信号をフレキシブル回路板13を介して圧電振動
子6に入力することにより、圧電振動子6を長手方向に
伸縮させる。この圧電振動子6の伸縮により、振動板5
の島部5Aを振動させて圧力発生室7内の圧力を変化さ
せ、圧力発生室7内のインクをノズル開口8からインク
滴として吐出させるようになっている。図において、1
5はインクカートリッジ(図示せず)等からインク貯留
室9にインクを補給するインク補給管、18は振動板5
およびフィルム17のインク補給管15に対応する位置
に設けられたインク補給穴である。
【0031】上記記録ヘッドでは、ダンパ用凹部12が
直接大気開放されるのではなく、水蒸気透過率の低いフ
ィルム17で封止されていることから、記録ヘッドを長
期間使用せずに保管等した場合にも、インク貯留室9内
にあるインク中の水分の蒸発が上記フィルム17によっ
て遮られ、インク貯留室9内のインクの粘度上昇を防止
する。したがって、長期保管状態から再び使用を開始す
るときに、通常のクリーニング動作等を行なえばインク
を正常に吐出できるようになり、従来のような吐出不良
がほとんど生じなくなる。特に、顔料系のインクでは水
分蒸発による粘度上昇が激しいことから効果的である。
また、上記フィルム17が、外部連通孔14の外部への
開口部に貼着されているため、インク貯留室9内にある
インクの水分蒸発を有効に防止できるうえ、上記フィル
ム17をヘッドケース2に貼着しやすく、製造工程等を
あまり複雑化しない。
【0032】また、圧力発生室7を構成する振動板(封
止板)5とは別にフィルム17を貼着するため、上記フ
ィルム17として抗張力が高く変形しにくい蒸着系フィ
ルムを用いたとしても、記録ヘッドのインク滴吐出特性
を著しく損なうことなく水蒸気透過率を小さくすること
が可能となる。
【0033】図3は、本発明のインクジェット式記録ヘ
ッドの第2の実施の形態を示す図である。この記録ヘッ
ドでは、水蒸気透過率の低いフィルム17が、外部連通
孔14の外部への開口部に貼着されているのではなく、
外部連通孔14のダンパ用凹部12への開口部に貼着さ
れている。それ以外は、図1および図2に示すものと同
様であり、同様の部分には同じ符号を付している。この
記録ヘッドでも、図1および図2に示すものと同様の作
用効果を奏し、インク貯留室9内のインクの粘度上昇を
防止しうる。
【0034】なお、上記第1および第2の実施の形態で
は、水蒸気透過性の低いフィルム17を外部連通孔14
の開口部に貼着するようにしたが、これに限定するもの
ではなく、上記ダンパ用凹部12の振動板5に覆われた
開口から外部連通孔14の外部開口までのいずれかの箇
所を、水蒸気透過率の低いフィルム17で封止すればよ
い。
【0035】図4は、本発明のインクジェット式記録ヘ
ッドの第3の実施の形態を示す図である。この記録ヘッ
ドでは、水蒸気透過率の低いフィルム17が、外部連通
孔14の開口部に貼着されておらず、振動板5を構成す
るフィルムとして、PPSフィルムではなく、水蒸気透
過率がPPSフィルムの水蒸気透過率以下のフィルム1
7を使用している。それ以外は、図1および図2に示す
ものと同様であり、同様の部分には同じ符号を付してい
る。この記録ヘッドでも、図1および図2に示すものと
同様の作用効果を奏し、インク貯留室9内のインクの粘
度上昇を防止しうる。
【0036】ただし、水蒸気透過率の低いフィルム17
を振動板5を構成するフィルムとして用いる場合には、
フィルム17の抗張力が記録ヘッドのインク滴吐出特性
に影響を与える可能性がある。このため、特に、抗張力
が大きなフィルム17を用いる場合には、インク滴を吐
出するのに必要な圧力発生室7の容積変化を確保できる
よう変形力の大きな圧力発生素子を用いる等の対策を講
じることが好ましい。
【0037】なお、上記各実施の形態では、本発明を縦
振動モードの圧電振動子6が用いられた記録ヘッドに適
用した例を示したが、これに限定するものではなく、撓
み振動モードの圧電振動子が用いられた記録ヘッドに適
用することもできるし、圧力発生素子として流路内のイ
ンクを加熱する加熱素子が用いられた記録ヘッドに適用
することも可能である。
【0038】
【発明の効果】以上のように、本発明のインクジェット
式記録ヘッドによれば、ダンパ用凹部が直接大気開放さ
れるのではなくフィルムで封止されることから、記録ヘ
ッドを長期間使用せずに保管等した場合にも、インク貯
留室内にあるインク中の水分の蒸発がフィルムによって
遮られ、インク貯留室内のインクの粘度上昇を防止す
る。したがって、長期保管状態から再び使用を開始する
ときに、通常のクリーニング動作等を行なえばインクを
正常に吐出できるようになり、従来のような吐出不良が
ほとんど生じなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のインクジェット式記録ヘッドの一実施
の形態を示す分解斜視図である。
【図2】上記インクジェット式記録ヘッドの断面図であ
る。
【図3】本発明の第2の実施の形態のインクジェット式
記録ヘッドを示す断面図である。
【図4】本発明の第3の実施の形態のインクジェット式
記録ヘッドを示す断面図である。
【図5】従来のインクジェット式記録ヘッドを示す断面
図である。
【符号の説明】
1 流路ユニット 2 ヘッドケース 5 振動板 7 圧力発生室 8 ノズル開口 9 インク貯留室 12 ダンパ用凹部 14 外部連通孔 17 フィルム

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ノズル開口と上記ノズル開口に連通する
    圧力発生室および上記圧力発生室に供給するインクを貯
    留するインク貯留室と上記圧力発生室およびインク貯留
    室の開口を塞ぐ封止板とを有する流路ユニットと、上記
    流路ユニットが貼着されるヘッドケースと、上記ヘッド
    ケースに収容されて上記圧力発生室に圧力変動を与える
    圧力発生素子とを備えたインクジェット式記録ヘッドで
    あって、上記ヘッドケースのインク貯留室に対応する部
    分に、上記封止板を介してインク貯留室内の圧力変動を
    逃がすダンパ用凹部が形成されるとともに、上記ダンパ
    用凹部を外部と連通させる外部連通孔が形成され、上記
    封止板として水蒸気透過率の低いフィルムを用いたこと
    を特徴とするインクジェット式記録ヘッド。
  2. 【請求項2】 ノズル開口と上記ノズル開口に連通する
    圧力発生室および上記圧力発生室に供給するインクを貯
    留するインク貯留室と上記圧力発生室およびインク貯留
    室の開口を塞ぐ封止板とを有する流路ユニットと、上記
    流路ユニットが貼着されるヘッドケースと、上記ヘッド
    ケースに収容されて上記圧力発生室に圧力変動を与える
    圧力発生素子とを備えたインクジェット式記録ヘッドで
    あって、上記ヘッドケースのインク貯留室に対応する部
    分に、上記封止板を介してインク貯留室内の圧力変動を
    逃がすダンパ用凹部が形成されるとともに、上記ダンパ
    用凹部を外部と連通させる外部連通孔が形成され、上記
    ダンパ用凹部の封止板に覆われた開口から外部連通孔の
    外部開口までのいずれかの箇所をフィルムで封止したこ
    とを特徴とするインクジェット式記録ヘッド。
  3. 【請求項3】 上記フィルムが外部連通孔の外部への開
    口部に貼着されている請求項2記載のインクジェット式
    記録ヘッド。
  4. 【請求項4】 上記フィルムが外部連通孔のダンパ用凹
    部への開口部に貼着されている請求項2記載のインクジ
    ェット式記録ヘッド。
  5. 【請求項5】 上記フィルムの水蒸気透過率が封止板の
    水蒸気透過率以下である請求項2〜4のいずれか一項に
    記載のインクジェット式記録ヘッド。
  6. 【請求項6】 上記封止板がポリフェニレンサルファイ
    ドフィルムである請求項2〜5のいずれか一項に記載の
    インクジェット式記録ヘッド。
  7. 【請求項7】 吐出するインクが顔料系のインクである
    請求項1〜6のいずれか一項に記載のインクジェット式
    記録ヘッド。
  8. 【請求項8】 上記圧力発生素子が圧電振動子である請
    求項1〜7のいずれか一項に記載のインクジェット式記
    録ヘッド。
  9. 【請求項9】 上記圧電振動子が縦振動モードの圧電振
    動子である請求項8記載のインクジェット式記録ヘッ
    ド。
  10. 【請求項10】 上記圧力発生素子が流路内のインクを
    加熱する加熱素子である請求項1〜7のいずれか一項に
    記載のインクジェット式記録ヘッド。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP1849605A2 (en) 2006-04-26 2007-10-31 Ricoh Company, Ltd. Image forming apparatus
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