JP2009262463A - 液体噴射ヘッド、および、これを備えた液体噴射装置 - Google Patents

液体噴射ヘッド、および、これを備えた液体噴射装置 Download PDF

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雄輔 平澤
Haruhisa Uesawa
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Abstract

【課題】微小な貫通孔が接着剤で塞がれることを抑制しつつ気泡の排出性を高めることが可能な液体噴射ヘッド、および、液体噴射装置を提供する。
【解決手段】ノズル開口8や供給口20などの微小な第1貫通孔の第1の大きさよりも大きい第2の大きさに設定され、これらの第1貫通孔に連通してインク流路の一部を構成する第2貫通孔、即ち、第1連通口24、リザーバ23、及び供給側連通口14の内周面の接着剤に対する親和性を、少なくとも第1貫通孔の開口周囲の接着剤に対する親和性よりも高く設定し、プレート部材の接合時にプレート部材間から流れ出た接着剤を第2貫通孔の内周面に積極的に導くように構成した。
【選択図】図3

Description

本発明は、例えば、インクジェット式記録ヘッドなどの液体噴射ヘッド、および、液体噴射装置に関し、特に、気泡の排出性を高めた液体噴射ヘッド、および、これを備えた液体噴射装置に関する。
圧力室内の液体に圧力変動を生じさせることでノズル開口から液体を噴射(吐出)させる液体噴射ヘッドとしては、例えば、インクジェット式記録装置(以下、単にプリンタという)等の画像記録装置に用いられるインクジェット式記録ヘッド(以下、単に記録ヘッドという)、液晶ディスプレー等のカラーフィルタの製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレー、FED(面発光ディスプレー)等の電極形成に用いられる電極材噴射ヘッド、バイオチップ(生物化学素子)の製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド等がある。
例えば、上記の記録ヘッドでは、複数の構成部品を積層して構成されている。例えば、特許文献1に開示されている記録ヘッドは、圧力発生手段としてのアクチュエータユニットと、圧力室を形成する圧力室ユニットと、液体流路を形成する流路ユニットとから成り、これらを重ね合わせた状態で一体化して構成されている。
圧力室ユニットは、複数の圧力室(圧力発生室)を形成した圧力室プレート(スペーサ)、ノズル連通口や供給側連通口を形成した連通口プレート(第2の蓋体)、及び、圧電振動子を実装した振動板(第1の蓋板)とを積層し、焼成等により一体化することで構成されている。上記流路ユニットは、供給口を形成した供給口プレート(インク供給口形成基板)、リザーバ(共通液室)を形成したリザーバプレート(リザーバ形成基板)、及び、複数のノズル開口を列設してノズル列が形成されたノズルプレートから成るプレート部材を積層し、各プレート部材の間を接着剤で接合して一体化することで構成されている。そして、記録ヘッドによってインクを噴射する場合、インクを噴射するのに先だって圧力室を予備的に膨張させると、リザーバ側から供給口を通じて圧力室内にインクが供給され、この予備膨張の後に圧力室を急激に収縮させるとノズル開口からインクが噴射される。
上記構成の記録ヘッドでは、記録ヘッド内部のインク流路(液体流路)が全てインクで満たされている状態が最も望ましいが、記録ヘッド内へのインクの充填(初期充填)時やインクカートリッジの交換時に空気を巻き込んだり、外気がヘッドの構造体の壁面を透過するなどして、インク流路内に気泡が生じることがあり、これを完全に阻止することは困難である。インク流路内に入り込んだ気泡は、互いに合体し次第に大きくなる。そして、このような気泡がインク流路内に滞留すると、噴射動作(記録動作)時の圧力変動を気泡が吸収することによる圧力損失や、気泡が流路を塞ぐことによるインクの供給不足等の不具合を招く虞がある。
このような気泡による不具合を防止するために、上記の記録ヘッドを搭載するインクジェット式記録装置においては、さまざまな回復動作が行われている。例えば、ノズル開口を通じて記録ヘッド内のインクと共に気泡を強制的に吸引して排出するクリーニング動作が行われている。
特開平11−277743号公報
ところが、図5に示すように、各プレート部材の間を接合している接着剤Aが、インク流路52の内壁面に対して窪んでいると、この窪んだ部分に気泡Bが入り込む虞がある。このような窪みに気泡Bが入り込んだ場合、クリーニング動作によってもこの気泡Bを排出することが困難となり、上述の不具合が解消されないという問題があった。その一方で、上記の窪みが生じないように、接合時の接着剤を多めにして流路側に接着剤がはみ出すようにした場合、この流れ出た接着剤がノズル開口や供給口などの微小な貫通孔53を塞いでしまう虞があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、微小な貫通孔が接着剤で塞がれることを抑制しつつ気泡の排出性を高めることが可能な液体噴射ヘッド、および、液体噴射装置を提供することにある。
本発明の液体噴射ヘッドは、上記目的を達成するために提案されたものであり、第1の大きさの第1貫通孔を有する第1プレートと、前記第1の大きさよりも大きい第2の大きさの第2貫通孔を有する第2プレートと、を含む複数のプレートを積層して成る流路ユニットを備えた液体噴射ヘッドであって、
前記第1貫通孔と前記第2貫通孔とが連通する状態で前記第1プレートと前記第2プレートとが接着剤によって接合され、
前記第2貫通孔の内周面の前記接着剤に対する親和性が、少なくとも前記第1プレートの第2プレート接合面における前記第1貫通孔の開口周囲の前記接着剤に対する親和性よりも高く設定され、
前記第1プレートと前記第2プレートとの接合時に両プレートの間から流れ出た接着剤が第2貫通孔の内周面に導入されたことを特徴とする。
上記構成によれば、第2貫通孔の内周面の接着剤に対する親和性が、少なくとも第1プレートの第2プレート接合面における第1貫通孔の開口周囲の接着剤に対する親和性よりも高く設定され、第1プレートと第2プレートとの接合時に両プレートの間から流れ出た接着剤が第2貫通孔の内周面に導入されるので、第1プレートと第2プレートとの間において接着剤が流路の内周面に対して窪むことを防止することができ、尚かつ、径の小さい第1貫通孔側に接着剤が流動することを抑制することができる。これにより、接着剤が第1貫通孔を塞ぐことを防止しつつ、気泡の排出性を向上することができる。
上記構成において、前記第1プレートの第2プレート接合面において、前記第1貫通孔の開口周囲の領域である第1領域の前記接着剤に対する親和性よりも、該第1領域の周囲の第2領域の前記接着剤に対する親和性が高いことが望ましい。
また、前記第2貫通孔の内周面の前記接着剤に対する親和性が、前記第2領域の前記接着剤に対する親和性よりも高いことが望ましい。
この構成によれば、第1領域の接着剤に対する親和性よりも第2領域の接着剤に対する親和性を高めることによって、第1プレートと第2プレートとの間から接着剤を流れ出易くすることができ、流れ出た接着剤を積極的に第2貫通孔の内周面に導くことができる。また、流れ出た接着剤を少なくとも第2領域で留めることができ、第1貫通孔が接着剤で塞がれることを効果的に抑制することができる。
上記構成において、前記第2プレートの第1プレート接合面とは反対側の面に第3プレートが接合され、該第3プレートの第2プレート接合面の前記接着剤に対する親和性が、前記第2貫通孔の内周面の前記接着剤に対する親和性よりも低いことが望ましい。
この構成によれば、第2貫通孔の内周面の接着剤に対する親和性を第3プレートの第2プレート接合面の接着剤に対する親和性よりも高くすることによって、第2貫通孔の内周面に接着剤を留めることができ、接着剤の流れすぎを防止することができる。
上記構成において、前記第2貫通孔の内周面に接着剤に対する親和化膜を形成する構成を採用することができる。
また、前記第2プレートを前記第1プレートの材料よりも前記接着剤に対する親和性の高い材料で作製する構成を採用することもできる。
また、本発明の液体噴射装置は、上記各構成の液体噴射ヘッドを備えることを特徴とする。
上記の発明によれば、上記構成の液体噴射ヘッドを備えるので、クリーニング動作時の液体流路内の気泡の排出効率が向上し、これにより、クリーニング動作で消費される液体量を低減することが可能となる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を、添付図面を参照して説明する。なお、以下に述べる実施の形態では、本発明の好適な具体例として種々の限定がされているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。また、以下の説明は、本発明における液体噴射ヘッドとして、インクジェット式記録装置(液体噴射装置の一種。以下、単にプリンタという。)に搭載されるインクジェット式記録ヘッド(以下、単に記録ヘッドという。)を例に挙げて行う。
図1は、記録ヘッド6を備えるヘッドユニット1を記録ヘッド6のノズルプレート側から見た斜視図、図2は記録ヘッド6を圧電振動子側から見た斜視図、図3は記録ヘッド6の要部断面図である。
図1に示すように、ヘッドユニット1はキャリッジ2を備えており、キャリッジ2におけるベース板部3の上面にはインクカートリッジ等の液体供給源が取り付け可能なホルダ部5が形成されている。一方、ホルダ部5とは反対側となるベース板部3の底面側には、記録ヘッド6が取り付けられている。この記録ヘッド6と、ホルダ部5に保持された液体供給源とはインク供給路7によって連通される。従って、記録ヘッド6には、インク供給路7を通じてインク(液体の一種)が供給される。なお、本実施形態のように、インクカートリッジをキャリッジ2に装着する構成には限らず、プリンタの筐体側にインクカートリッジを装着してインク供給チューブを介して記録ヘッド6に供給するタイプ(所謂オフキャリッジタイプ)の構成を採用することもできる。
そして、記録ヘッド6に供給されたインクは、記録ヘッド6の外側表面に複数形成されたノズル開口8から吐出される。このノズル開口8はドット形成密度に対応したピッチで列状に穿設されており、本実施形態においてはノズル列が2列横並びに形成されている。本実施形態におけるノズル開口8の内径は、20(μm)に設定されている。
図2,3に示すように、記録ヘッド6は、圧力室ユニット9と流路ユニット10と圧電振動子16とから構成されており、これらを重ね合わせた状態で一体化してある。圧力室ユニット9は、圧力室11を区画するための圧力室プレート12、第3連通口13や供給側連通口14を形成した連通口プレート15、及び、圧電振動子16を実装した振動板17とを積層し、焼成等により一体化することで構成されている。また、流路ユニット10は、供給口20や第2連通口21を形成した供給口プレート22、リザーバ23や第1連通口24を形成したリザーバプレート25、及び、ノズル開口8が形成されたノズルプレート26からなるプレート部材(ヘッド構成部材)を接着剤によって接着して積層することで構成されている。
圧力室プレート12は、圧力室を形成するのに適した厚さのセラミックス材の薄板、例えばアルミナやジルコニア等によって構成され、圧力室を区画するための空部がプレートの厚さ方向に貫通した状態で形成されている。圧力室11は、ノズルプレート26のノズル開口8のピッチと同じ一定のピッチで列状に開設され、列設方向と直交する左右方向に細長い長孔である。
連通口プレート15は、圧力室プレート12と同様のジルコニア等のセラミックス材であって、第3連通口13と供給側連通口14とを開設した薄板によって構成されている。第3連通口13は、圧力室11のノズル開口8側の一端部に連通し、ノズル開口8よりも十分に大きい寸法に設定された貫通孔である。そして、この第3連通口13は、後述する第2連通口21及び第1連通口24と一連となってノズル連通口として機能する。また、供給側連通口14は、第3連通口13とは反対側の圧力室11の他端部に連通し、板厚方向を貫通する円形の孔である。この供給側連通口14は、供給口20と共にリザーバ23と圧力室11との間を連通する。なお、図3に示すように、供給側連通口14を圧力室11の端部よりも圧力室長手方向の外側に僅かにずらして配置することにより、圧力室11と供給側連通口14との間に段差部18が形成されている。このように段差部18を設けることで、後述する接着剤が圧力室11側に進入し難いようにしている。
振動板17は、弾性を有するセラミックス材の薄板で構成されている。圧力室11とは反対側となる振動板17の外側表面には、各圧力室11に対応した状態で複数の圧電振動子16が配設される。例示した圧電振動子16は、撓み振動モードの振動子であり、駆動電極16aと共通電極16bとによって圧電体16cを挟んで構成されている。そして、圧電振動子16の駆動電極16aに駆動信号が印加されると、駆動電極と共通電極との間には電位差に応じた電場が発生する。この電場は圧電体に付与され、圧電体が付与された電場の強さに応じて変形する。即ち、駆動電極16aの電位を高くする程、圧電体層は電場と直交する方向に収縮し、圧力室11の容積を少なくするように振動板17を変形させる。
圧力室ユニット9の供給口プレート22は、ステンレス鋼等の金属材料によって作製された薄手の板材である。この供給口プレート22には、板厚方向を貫通する供給口20を上記の供給側連通口14に対応させて形成し、また、板厚方向を貫通する第2連通口21を上記の第3連通口13に対応させて形成している。この第2連通口21は、第3連通口13と同じ直径の円形の孔である。また、供給口20の内径は、供給側連通口14の内径よりも十分に絞られた微小な貫通孔であり、円筒形状のストレート部と、圧力室11側からリザーバ23側に向けて縮径するテーパー部とから構成されている。
リザーバプレート25は、供給口プレート22と同様にステンレス鋼等の金属材料によって構成された板材である。このリザーバプレート25には、リザーバ23を区画するための空部が板厚方向を貫通した状態で形成されている。このリザーバ23は、共通液室として機能する部分であり、インクの種類(色)毎に設けられる。また、リザーバプレート25には、板厚方向を貫通する第1連通口24が上記の第2連通口21に対応させて形成されている。
ノズルプレート26は、ステンレス鋼等の金属材料によって構成された薄い板状部材である。このノズルプレート26には、複数のノズル開口8を列設してノズル列(ノズル群の一種)が横並びに形成されており、本実施形態においてノズル列は一定のピッチ(例えば、180dpi)で開設された180のノズル開口8によって構成されている。
そして、圧力室ユニット9と供給口プレート22との間、供給口プレート22とリザーバプレート25との間、および、リザーバプレート25とノズルプレート26との間を、それぞれ接着剤Aによって接合する。この接着剤Aとしては、エポキシ樹脂系接着剤、或いは、EVA(エチレン-酢酸ビニル共重合体:Ethylene-Vinyl Acetate)樹脂系接着剤等が用いられる。接着剤Aは、常温で固形のシート状に成型されており、これを各プレート部材間に介在させた状態でヒートツールによって加熱しつつプレート部材の積層方向に圧力を掛けることで接着剤Aが溶融し、その後の硬化によって各プレート部材が接合されて一体化される。
各プレート部材を一体化することにより、図3に示すように、リザーバ23と圧力室11の他端部とが、供給口20および供給側連通口14を通じて連通する。また、圧力室11の一端部とノズル開口8とが、リザーバプレート25の第1連通口24、供給口プレート22の第2連通口21、および連通口プレート15の第3連通口13からなるノズル連通口を通じて連通する。そして、リザーバ23から圧力室11を通ってノズル開口8に至る一連のインク流路(液体流路)がノズル開口8毎に形成される。そして、上記構成の記録ヘッド6では、圧電振動子16を変形させることで対応する圧力室11が収縮或いは膨張し、圧力室11内のインクに圧力変動が生じる。このインク圧力を制御することで、ノズル開口8からインクを噴射(吐出)させることができる。
ところで、この種の記録ヘッドでは、各プレート部材の間を接合している接着剤Aの量が不足した場合、硬化した接着剤がインク流路の内壁面に対して窪み、この窪んだ部分に気泡が入り込む虞がある。このような窪みに気泡が入り込むと、クリーニング動作によってもこの気泡を排出することが困難となる。その一方で、上記の窪みが生じないように、接着剤の量を多めにしてインク流路側に接着剤がはみ出すようにした場合、流れ出た接着剤がノズル開口8や供給口20などの微小な貫通孔を塞いでしまう虞があった。
このような問題に鑑み、本発明に係る記録ヘッド6では、接合時にプレート部材の間から流れ出る程度に接着剤の量を調整し、尚且つ、流れ出た接着剤を積極的に誘導することで、上記問題を解決している。具体的には、ノズル開口8や供給口20などの微小な第1貫通孔の第1の内径(第1の内寸。本発明における第1の大きさに相当)よりも大きい第2の内径(第2の内寸。本発明における第2の大きさに相当)に設定され、これらの第1貫通孔に連通してインク流路の一部を構成する第2貫通孔、即ち、第1連通口24、リザーバ23、及び供給側連通口14の内周面の接着剤に対する親和性を、少なくとも第1貫通孔の開口周囲の接着剤に対する親和性よりも高く設定し、プレート部材の接合時にプレート部材間から流れ出た接着剤Aを第2貫通孔の内周面に積極的に導くように構成している。したがって、本実施形態においては、ノズルプレート26及び供給口プレート22が本発明における第1プレートに相当し、リザーバプレート25及び連通口プレート15が本発明における第2プレートに相当する。
以下、第1貫通孔として供給口20、第2貫通孔として供給側連通口14を例に挙げて説明するが、ノズル開口8を第1貫通孔、第1連通口24を第2貫通孔とする場合、及び、供給口20を第1貫通孔、リザーバ23を第2貫通孔とする場合においても以下と同様であるため、その説明は省略する。
図4(a)は、供給口20及び供給側連通口14周辺の構成を説明する拡大断面図であり、(b)は、供給口20周辺の構成を説明する平面図である。本実施形態において、第1プレートとしての供給口プレート22と第2プレートとしての連通口プレート15とは、同じステンレス鋼で作製されているため、何らの対策をしない状態では両者の接着剤に対する親和性(親液性)は同程度である。そこで、供給側連通口14の内周面に親液化剤を塗布することで親液化膜28(接着剤に対する親和化膜の一種)を形成し、供給側連通口14の内周面の接着剤に対する親和性を、供給口プレート22の連通口プレート接合面における供給口20の開口周囲部の接着剤に対する親和性よりも高めている。ここで、親液化剤としては、例えばポリビニルピロリドン(PVP)を用いることができる。その他、供給側連通口14の内周面に二酸化チタンをコーティングし、このコーティング膜に紫外線照射することにより親液化することも可能である。
このように、供給口20に連通する供給側連通口14の内周面に親液化膜28を形成することにより、供給口プレート22と連通口プレート15との接合時に両プレートの間から流れ出た接着剤Aが、親液性が高い供給側連通口14の内周面側に導入されて堆積するので、供給口プレート22と連通口プレート15との間において接着剤Aが流路の内周面に対して窪むことを防止することができ、尚かつ、供給側連通口14よりも径が小さい供給口20側に接着剤Aが流れることを抑制することができる。これにより、接着剤Aが供給口20を塞ぐことを防止しつつ、クリーニング動作時における気泡の排出性を向上することができる。そして、上記構成の記録ヘッド6を備えるプリンタでは、クリーニング動作時において記録ヘッド6のインク流路内の気泡の排出効率が向上するので、クリーニング動作で消費されるインク量を低減することが可能となる。
また、本実施形態においては、図4(b)に示すように、供給口プレート22の連通口プレート側の面において、供給口20の開口周囲の領域である第1領域29(同図において薄いハッチングの部分)の接着剤に対する親和性を、この第1領域29の周囲に設定された第2領域30(濃いハッチングの部分)の接着剤に対する親和性よりも低くしている。換言すると、第2領域30を親液化することにより、この第2領域30の接着剤に対する親和性を第1領域29の接着剤に対する親和性よりも高めている。ここで、第1領域29は、供給口20の開口縁から供給側連通口14の内周面に至るまでの範囲の半分程度の幅に設定された領域であり、第2領域30は、上記範囲のうちの第1領域29よりも外側の領域である。そして、供給側連通口14の内周面の接着剤に対する親和性は、第2領域30の接着剤に対する親和性よりも高くなっている。つまり、第1領域29、第2領域30、供給側連通口14の内周面の順に親液性が高くなっている。
このように、第1領域29の接着剤に対する親和性よりも第2領域30の接着剤に対する親和性を高めることによって、供給口プレート22と連通口プレート15との間から接着剤Aを流れ出易くすることができ、流れ出た接着剤Aを積極的に供給側連通口14の内周面に導くことができる。また、流れ出た接着剤Aを少なくとも第2領域30で留めることができ、供給口20が接着剤Aで塞がれることを抑制することができる。また、第1領域29、第2領域30、供給側連通口14の内周面の順に接着剤に対する親和性を高めることによって、第2領域30から供給側連通口14の内周面にかけて接着剤Aが傾斜するように付着するので、この部分のインクや気泡が円滑に流れやすくなり、気泡の排出性を一層向上させることが可能となる。そして、このような記録ヘッド6を備えるプリンタでは、クリーニング動作時のインク流路内の気泡の排出効率が向上し、これにより、クリーニング動作で消費されるインク量を低減することが可能となる。
さらに、本実施形態では、連通口プレート15の供給口プレート接合面とは反対側の面に接合された圧力室プレート12(本発明における第3プレートに相当)に関し、連通口プレート15との接合面の接着剤に対する親和性を、供給側連通口14の内周面の接着剤に対する親和性よりも低くしている。特に、供給側連通口14と連通する圧力室11の他端部近傍(段差部18)の接着剤に対する親和性を供給側連通口14の内周面の接着剤に対する親和性よりも低くしている。これにより、最も親和性が高い供給側連通口14の内周面に接着剤Aを留めることができ、圧力室11側への接着剤Aの流れすぎを防止することができる。接着剤に対する親和性を低くする方法としては、例えば、フッ素系の撥液剤を塗布すること等が挙げられる。
なお、上記実施形態においては、第2貫通孔の内周面に親液化膜28を形成することで、この第2貫通孔の内周面の接着剤に対する親和性を第1貫通孔の開口周囲の接着剤に対する親和性よりも高くした構成を例示したが、これには限られない。例えば、第2プレート(即ち、連通口プレート15及びリザーバプレート25)を、第1プレート(即ち、供給口プレート22及びノズルプレート26)の材料よりも接着剤に対する親和性の高い材料で作製する構成を採用することも可能である。この構成によっても上記第1実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
また、上記実施形態では、本発明に係る液体噴射ヘッドとして、プリンタ(液体噴射装置の一種)に搭載される記録ヘッド6を例示したが、本発明は、複数のプレート部材を接着剤によって接合して構成される他の液体噴射ヘッドにも適用することができる。例えば、液晶ディスプレー等のカラーフィルタの製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレー、FED(面発光ディスプレー)等の電極形成に用いられる電極材噴射ヘッド、バイオチップ(生物化学素子)の製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド等にも本発明を適用することができる。
ヘッドユニットをノズルプレート側から見た斜視図である。 記録ヘッドを圧力室ユニット側から見た斜視図である。 記録ヘッドの要部断面図である。 (a)は供給口及び供給側連通口周辺の構成を説明する拡大断面図であり、(b)は供給口周辺の構成を説明する平面図である。 従来構成の記録ヘッドの要部断面図である。
符号の説明
6…記録ヘッド,8…ノズル開口,9…圧力室ユニット,10…流路ユニット,11…圧力室,12…圧力室プレート,13…第3連通口,14…供給側連通口,15…連通口プレート,16…圧電振動子,17…振動板,20…供給口,21…第2連通口,22…供給口プレート,23…リザーバ,24…第1連通口,25…リザーバプレート,26…ノズルプレート,28…親液化膜,29…第1領域,30…第2領域

Claims (7)

  1. 第1の大きさの第1貫通孔を有する第1プレートと、前記第1の大きさよりも大きい第2の大きさの第2貫通孔を有する第2プレートと、を含む複数のプレートを積層して成る流路ユニットを備えた液体噴射ヘッドであって、
    前記第1貫通孔と前記第2貫通孔とが連通する状態で前記第1プレートと前記第2プレートとが接着剤によって接合され、
    前記第2貫通孔の内周面の前記接着剤に対する親和性が、少なくとも前記第1プレートの第2プレート接合面における前記第1貫通孔の開口周囲の前記接着剤に対する親和性よりも高く設定され、
    前記第1プレートと前記第2プレートとの接合時に両プレートの間から流れ出た接着剤が第2貫通孔の内周面に導入されたことを特徴とする液体噴射ヘッド。
  2. 前記第1プレートの第2プレート接合面において、前記第1貫通孔の開口周囲の領域である第1領域の前記接着剤に対する親和性よりも、該第1領域の周囲の第2領域の前記接着剤に対する親和性が高いことを特徴とする請求項1に記載の液体噴射ヘッド。
  3. 前記第2貫通孔の内周面の前記接着剤に対する親和性が、前記第2領域の前記接着剤に対する親和性よりも高いことを特徴とする請求項2に記載の液体噴射ヘッド。
  4. 前記第2プレートの第1プレート接合面とは反対側の面に第3プレートが接合され、該第3プレートの第2プレート接合面の前記接着剤に対する親和性が、前記第2貫通孔の内周面の前記接着剤に対する親和性よりも低いことを特徴とする請求項1から請求項3の何れか一項に記載の液体噴射ヘッド。
  5. 前記第2貫通孔の内周面に接着剤に対する親和化膜が形成されたことを特徴とする請求項1から請求項4の何れか一項に記載の液体噴射ヘッド。
  6. 前記第2プレートが、前記第1プレートの材料よりも前記接着剤に対する親和性の高い材料で作製されたことを特徴とする請求項1から請求項4の何れか一項に記載の液体噴射ヘッド。
  7. 請求項1から請求項6の何れか一項に記載の液体噴射ヘッドを備えた液体噴射装置。
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