JP3108774B2 - インクジェットヘッド - Google Patents

インクジェットヘッド

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JP3108774B2
JP3108774B2 JP13026292A JP13026292A JP3108774B2 JP 3108774 B2 JP3108774 B2 JP 3108774B2 JP 13026292 A JP13026292 A JP 13026292A JP 13026292 A JP13026292 A JP 13026292A JP 3108774 B2 JP3108774 B2 JP 3108774B2
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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、印字信号に応じてイン
ク滴を吐出して、記録紙等の記録媒体上にインク像を形
成するインクジェットヘッド、特に必要な時にだけイン
ク滴を吐出するオンデマンド型インクジェットヘッドに
関する。
【0002】
【従来の技術】インク滴を必要な時にだけ吐出するオン
デマンド型インクジェットヘッドとしては、圧電素子に
電気エネルギーを与え変形させインク室の圧力を高めて
インク吐出口からインクを吐出させる方式と、発熱体に
電気エネルギーを与え発熱により気化したインクの膨張
によりインク室の圧力を高めてインクを吐出口から吐出
する方式が一般に知られている。圧電素子による方式に
おいては、特開平2ー276649号のように、流路を
形成するガラスや金属からなる基板と振動板と圧電素子
の積層構造で構成されている。(図10)そして圧電素
子に電気エネルギーを選択的に印加、放電することによ
り、圧電素子が収縮、伸張する。圧電素子は振動板に固
着されているため、圧電素子の収縮、伸張振動は振動板
のたわみ振動に変換され、圧力室の容積が変化すること
により、インクがインク吐出口から吐出される。振動板
と流路形成基板との接合は、例えばポリイミドフィルム
にふっ素樹脂膜を被覆し、加熱圧着する。インク室内は
インク充填性、インク吐出性よりインクと濡れ性のよい
材料で構成する必要がある。そのため、その後インクと
接触する部分のふっ素樹脂膜をふっ素樹脂除去材により
除去する必要がる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、振動板
のインクと接触している部分は前述したようにインクと
の濡れ性がよい必要がある。例えば、インクをインク流
路に毛細管力による自然充填をさせるためには、少なく
ともインクとの接触角は90゜以下である必要がある。
そのため、前述の従来技術においては、インクと接触す
る部分のふっ素樹脂膜を除去する必要があり、結果的に
インクと圧電素子との間にはポリイミドフィルムが介在
するだけである。使用するインクにもよるが、インクの
主溶媒を水で構成するインクは最も一般的であるが、ポ
リイミドは吸水率が高くまた水蒸気透過率が高い。その
ため、インク中の水分が振動板を透過し、外部に浸透し
てしまう。圧電素子の周囲に浸透した場合、圧電素子の
電極間が短絡してしまいインクジェットヘッドの破壊を
招いてしまう可能性が非常に高いという課題を有してい
た。また、ポリイミドフィルム以外の一般的な有機材
料、例えばポリサルフォン、ポリカーボネイト、ポリフ
ェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、
アクリルニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体等の
材料を用いた時においても、程度の差はあるがポリイミ
ドを用いた時と同様な現象が発生する。
【0004】このような課題を解決するために、本出願
人は特公昭62ー33076号に示すような構造を考案
した(図11)。すなわち、振動板は低弾性率材料によ
り作られており、この振動板上にインク室間に対応した
部分に振動分離部を設けた高弾性部材が配置されてお
り、この高弾性部材上にインク室に対応した位置に圧電
素子を配置する構成である。高弾性部材は例えばステン
レス等の金属でなっており、気体透過率は実質的にな
い。そのためインクの外部への漏れ、蒸発が極めて少な
い構造である。さらに、隣接するインク室への振動の伝
搬を最小に抑える等の効果にも優れ、高密度にインク吐
出口が配列したインクジェットヘッドにも適している。
【0005】圧電素子の変位効率をより高めるために
は、振動板の剛性を低くする必要がある。特に圧電素子
の変形をたわみ変形に変換せず、圧電素子の収縮、伸張
振動、すなわち厚みまたは長さの振動をそのままインク
室への圧力変化に変換する構成のインクジェットヘッド
においては、振動板の剛性は低い程変位効率を高くする
ことができる。しかしながら、高弾性部材の剛性を低く
することは前述のようにインクの外部への漏れ、蒸発の
問題が発生してしまう。すなわち、高弾性部材の剛性を
低下させる1手段として厚さを薄くする方法が考えられ
るが、一般に金属の厚みを薄くしていくに従って、金属
に微小なピンホールが発生しやすくなり、インクの外部
との遮断が困難になっていくという課題を有している。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明のインクジェット
ヘッドは、インク室の圧力を高めインク吐出口からイン
ク滴を吐出させるインクジェットヘッドにおいて、少な
くともインク室を構成する基板と、該基板上に積層され
る少なくとも2層構造から成る蓋板と、インク室に対応
して蓋板上に配設される圧力発生器とを備え、蓋板のイ
ンク室側の層はインクとの接触角が90゜以下であり、
圧力発生器側の層はインクとの接触角が90゜以上であ
ることを特徴とする。また、係るインクジェットヘッド
において、蓋板は、インク室側の層であるインクとの接
触角が90゜以下の第1の層、インクとの接触角が90
゜以上の第2の層、第3の層の順で積層される構成であ
り、第1の層及び/または第3の層は、第2の層より高
剛性であることを特徴とする。また、係るインクジェッ
トヘッドにおいて、圧力発生器は、圧力発生方向と平行
な方向に伸縮する圧電素子であり、圧電素子の端部と、
前記第2の層より高剛性である第3の層とが接合されて
いることを特徴とする。また、係るインクジェットヘッ
ドにおいて、圧電素子と接合する第3の層は、インク室
に対応した位置に島部を形成していることを特徴とす
る。また、本発明のインクジェットヘッドは、インク室
の圧力を高めインク吐出口からインク滴を吐出させるイ
ンクジェットヘッドにおいて、少なくとも流路とインク
室を構成する基板と、インク室内に設けられた発熱素子
と、流路及びインク室を封止する蓋板とを具備し、蓋板
は、流路に当接するインクとの接触角が90゜以下であ
る第1の層、インクとの接触角が90゜以上の第2の
層、第3の層の順で積層された構成であり、第3の層
は、第2の層よりも高剛性であることを特徴とする。
【0007】
【実施例】図1は本発明を適用したインクジェットプリ
ンタの実施例の構成を示す斜視図、図2は本実施例のイ
ンク吐出部を示す断面図、図3は本実施例の振動板の詳
細を示す斜視図、図4は本実施例の振動板の詳細を示す
部分断面図である。
【0008】これらの図において、1は印字ヘッドであ
り、インク室2内のインク3の圧力を圧電素子4を駆動
することにより高め、インク吐出口5からインク滴とし
て吐出させるものである。圧電素子4は第1の固定板6
aと第2の固定板6bに挟まれて固定されており、第1
の固定板6a上には圧電素子4に駆動信号を電圧として
与えるための駆動回路7が設置されている。インク室2
はインク吐出口5が形成されているノズルプレート8と
隣接するインク室間を隔離する壁部9と振動板10とで
囲まれて形成されている。圧電素子4は振動板10に固
着されており、圧電素子4が変形することにより振動板
10が変位し、インク室2内の圧力が高まりインク吐出
口からインクが吐出する。インク室2は第1の供給口1
1を介して第1のリザーバ部12と連通しており、第1
のリザーバ部12からインク3がインク室2に供給され
るようになっている。第1のリザーバ部12は図示して
いないインクタンクと連通している。
【0009】さらに、インク室2には第1の供給口11
と対向する位置に第2の供給口13が設けられており、
この第2の供給口13を介してインク室2と第2のリザ
ーバ部14とが連通している。
【0010】このような構成をとることにより、一方の
リザーバ部例えば第1のリザーバ部12の圧力をポンプ
手段等により高めることにより、インク室2内のインク
は第1の供給口11、インク室2、第2の供給口13を
介して第2のリザーバ部14にインクを流すことがで
き、インク室2内の気泡あるいは増粘等劣化したインク
をインク室外に排除することができる。この時例えばイ
ンク吐出口5にキャッピング等閉塞手段を講じることに
より、インク吐出口5からのインクを排出することなし
にインク室2内の気泡あるいは劣化インクをインク室外
に排除することができる。
【0011】振動板10は図4に示されるような3層の
積層構造となっており、最もインク室側の第1の層15
は例えば厚さ0.012mmのポリイミドフィルムであ
り、中間の第2の層16は例えば厚さ0.0125mm
の4ふっ化エチレン樹脂層、圧電素子4側の第3の層1
7は例えば厚さ0.1mmのステンレス等からなる金属
層である。本実施例において使用するインクは主溶媒と
して水を用いており、色材として顔料を分散したインク
であるが、本発明はこれに限定されるものではなく、色
材に染料を用いたもの、あるいは主溶媒として有機溶剤
を用いたもの等のインクにおいても可能であることは明
白である。本実施例におけるインクにおいて、インクと
第1、第2の層15、16との接触角の測定結果を下記
に示す。
【0012】 第1の層15とインクとの接触角 51゜ 第2の層16とインクとの接触角 98゜ この測定結果から明かなように、インク3と接触する振
動板10の第1の層15はインク3との接触角は90゜
より十分小さく、インクのインク室2内への充填性に問
題ない。また、第2の層16とインクとの接触角は90
゜より大きい材質となっている。第2の層16に用いた
4ふっ化エチレンは、水蒸気の透過は実質的に皆無であ
り、インクの外部への蒸発、透過等を防ぐことができ
る。また、第2の層16に微小なピンホールが発生して
いた場合においても、インクとの接触角が90゜以上あ
るため、インク物性値やピンホールの大きさと第2の層
の厚みによるが、図5に示すようにピンホールを通過し
てインクが外部に浸入する確率を極めて低くすることが
できる。すなわち、液体とピンホールとの接触角が90
゜を境界にして、ピンホールへの液体の浸入状態が大き
く変化する。ピンホールは一般的に非常に小さい(0.
001mm程度以下が大半)が、接触角90゜以下にお
いては、ピンホールの大きさが小さいほどピンホール内
部へ液体が浸入しやすくなる。しかし、接触角90゜以
上においては、ピンホールが小さいほどピンホール内部
への浸入はしにくくなる。少なくとも毛細管力だけでは
浸入は不可能であり、液体と大気との間に圧力差を発生
させないとピンホール内には浸入しない。0.001m
m程度の大きさのピンホールであれば、第2の層の厚み
が0.005mm程度以上あれば実質的にインクの外部
への漏れは発生しない。
【0013】振動板10の第3の層17の振動部18は
図4に示すようにインク室2と対応する位置に島状に形
成されている。さらに、振動部18とある適正な間隔L
をもって、固定部19が梯子状に形成され、第3の層1
7が形成されている。振動部18と圧電素子4とが接合
されており、固定部19と圧電素子4とは接合されてい
ない。また、振動部18と固定部19とは間隔Lをもっ
て配置されているため、間隔Lの部分は第1の層15と
第2の層16のみである。前述したように、第1の層1
5は厚さ0.012mmのポリイミドで形成、第2の層
は厚さ0.0125mmの4ふっ化エチレン樹脂で形成
されている。ポリイミドの弾性率は約3×109N/
2、4ふっ化エチレン樹脂の弾性率は約4×108N/
2であり、圧電素子の弾性率約6×1010N/m2やス
テンレスの弾性率2×1011N/m2と比較して十分小
さいため、圧電素子による振動を阻害することなく振動
効率の優れた構成とすることができる。
【0014】梯子状の固定部19は、流路を構成する基
板20および壁部9に接合されている。この固定には本
実施例ではエポキシ系接着材を用いて接合したが、使用
するインクや各部の材質、寸法、環境条件等を考慮し、
例えばポリイミド系接着剤やふっ素系の樹脂、セラミッ
ク微粉末をバインダーに混合した接着剤等適宜選択する
ことができる。また、第1の層15よりもさらに流路側
にふっ素樹脂層の第4の層を設け、加熱加圧接合する方
法もある。この場合には接合後流路中のふっ素樹脂を取
り除き、流路内のインク充填性を上げることが望まし
い。基板20は図6に示すようにインク室2と対応する
ように開口部21が固定部19と同様な形状で形成され
ている。そして、開口部21の両側に第1のリザーバ部
と第2のリザーバ部が溝状に形成されている。基板20
は例えばエポキシ樹脂系の材質を成形により形成されて
いる。このように隣接するインク室間を構成することに
より、隣接インク室への振動の伝搬を抑えることができ
る。基板20はエポキシ系樹脂以外にも他のプラスチッ
ク材料の成形、あるいはガラスのエッチング加工、感光
性セラミックスのエッチング加工、金属のエッチング加
工、金属のプレス加工、金属の粉末成形等によっても同
様であるが、隣接インク室への振動の伝搬を抑えるため
には、弾性率の高い材料であることが望ましい。振動板
の第1の層15としては、本実施例に用いたポリイミド
フィルムの他にも例えば、ポリサルフォン(PS)、ポ
リカーボネイト(PC)、ポリフェニレンサルファイド
(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEE
K)、アクリルニトリル・ブタジエン・スチレン共重合
体(ABS)、ポリエチレンテレフタレート(PE
T)、ポリエチレン等の有機材料やステンレス箔、ニッ
ケル箔等の金属材料を用いてもよい。以下に本実施例に
用いたインクといくつかの部材との接触角、および弾性
率を示す。
【0015】 第1の層15として一般的な有機材料を用いる場合には
弾性率が低いため、その厚さは例えば0.01mm前後
において最適な寸法を得られるが、金属を用いた場合に
は弾性率が高いため、その厚みは非常に薄くする必要が
あり、例えば0.003mm程度にする必要がある。こ
のように薄肉の金属箔を微小なピンホールなしで形成す
るのは困難であり、微小なピンホールが発生してしまう
可能性がある。本発明によれば、図7に示すように微小
なピンホールの発生している第1の層115に4ふっ化
エチレン樹脂からなる第2の層116を被覆し、加熱溶
融することにより、ピンホールを塞ぐことができる。前
述したように4ふっ化エチレンは水分を実質的に透過す
ることがないため、インクの外部への漏れ、蒸発を防ぐ
ことができる。この場合インク室2内には第2の層11
6が一部露出するが、一般的に第1の層115のピンホ
ールは非常に小さいため、実質的にインク3のインク室
2内への充填性を阻害することはない。
【0016】図8は本発明の第2の実施例を示す部分透
視図であり、図9は部分断面図である。図面において2
05はインク吐出口であり、インク室202のインク2
03の圧力を高めインクを吐出するものである。220
は流路形成基板であり、例えばシリコン上に感光性樹脂
を所望形状に形成してなっている。流路形成基板220
上には発熱体204が形成されている。インク室202
は流路形成基板220と、隣接するインク室202間を
遮断する壁部209と、蓋板210とで形成されてい
る。蓋板210は第1の実施例と同様にインク室202
側より順次第1の層215、第2の層216、第3の層
217の3層の積層構造となっており、第1の層は低剛
性のインクとの接触角が90゜以下の材質からなり、第
2の層は低剛性のインクとの接触角が90゜以上の材質
からなっている。第3の層はリザーバ部212の上部に
対応した位置が部分的に開口部213を有する高剛性部
材である。本実施例においては、インク室202のイン
ク圧力を高める圧力発生手段として、発熱体204が振
動板を形成してなっている。発熱体204に電極221
を介して図示していない信号発生回路から電気エネルギ
ーを選択的に与えることにより、発熱体周囲のインクが
急速に気化し、その膨張によりインク室202内のイン
ク圧力を高め、インク吐出口205よりインクを吐出す
るものである。第3の層217は例えば厚さ0.5mm
のガラスよりなっており、インク室202内の圧力変動
に対して実質的に十分な剛性をもっている。インク室2
02内に発生した圧力波はインク吐出口203方向に伝
搬すると同時にリザーバ部212方向にも伝搬する。リ
ザーバ部212に伝搬した圧力波は例えば隣接するイン
ク室202’にも伝搬し、202’内の圧力変動をも引
き起こし、印字品質を著しく低下させる可能性がある。
しかしながら、本実施例においては、蓋板210の第3
の層217がリザーバ部212上に設けられた開口部2
21を有する。そのため、開口部においては低剛性であ
る第1の層と第2の層の積層部分があるだけであり、リ
ザーバ部212に伝搬した圧力波を低剛性部分に一時的
に待避させることができ、隣接するインク室202’へ
の圧力伝搬を抑えることが可能となる。なお、低剛性部
分は第1の実施例と同様に、インクとの接触角が90゜
以下の材質と90゜以上の材質との積層構造であるた
め、インクの充填性を阻害することなく、またインクの
外部への漏れ、蒸発を防ぐことが可能であることは、前
述の第1の実施例で述べた通りである。本実施例では第
3の層が高剛性部材であるが、例えば第1の層を開口部
を有する高剛性部材とし、第3の層を低剛性部材として
構成することも可能である。この場合、インクとの接触
角が90゜以上ある第2の層がインクと接触するのを防
ぐために、第1の層と第2の層の間にインクとの濡れ性
がよく低剛性の第4の層を設けることが望ましい。
【0017】本明細書に示した実施例においては、1列
のほぼ印字幅全体の長さをもつラインヘッドであるが、
本発明はこれに限定されるものではなく、例えば2列以
上の千鳥配列されたラインヘッドや、印字幅方向に印字
ヘッドが移動するシリアルヘッド、あるいは異なる色毎
に印字ヘッドを配置したカラーインクジェットプリンタ
の場合にも適合することは明かである。
【0018】
【発明の効果】本発明のインクジェットヘッドは、イン
ク室の圧力を高めインク吐出口からインク滴を吐出させ
るインクジェットヘッドにおいて、少なくともインク室
を構成する基板と、該基板上に積層される少なくとも2
層構造から成る蓋板と、インク室に対応して蓋板上に配
設される圧力発生器とを備え、蓋板のインク室側の層は
インクとの接触角が90゜以下であり、圧力発生器側の
層はインクとの接触角が90゜以上であることにより、
流路内においてインクとの濡れ性がよく、インクの充填
性、気泡排出性に優れ、しかも、流路外、特には蓋板と
当接する圧力発生器への漏れ、蒸発等による透過がな
く、信頼性の高いインクジェットヘッドを提供すること
ができるという効果を有する。また、係るインクジェッ
トヘッドにおいて、蓋板は、インク室側の層であるイン
クとの接触角が90゜以下の第1の層、インクとの接触
角が90゜以上の第2の層、第3の層の順で積層される
構成であり、第1の層及び/または第3の層は、第2の
層より高剛性であることにより、圧力発生器が圧力発生
方向と平行な方向に伸縮する圧電素子であれば、該圧電
素子の先端と高剛性である第3の層で形成された島部と
を接合させることで、上記作用効果に併せて圧電素子の
発生する振動を効率良くインク室に伝達することができ
るという効果が得られる。また、本発明のインクジェッ
トヘッドは、インク室の圧力を高めインク吐出口からイ
ンク滴を吐出させるインクジェットヘッドにおいて、少
なくとも流路とインク室を構成する基板と、インク室内
に設けられた発熱素子と、流路及びインク室を封止する
蓋板とを具備し、蓋板は、流路に当接するインクとの接
触角が90゜以下である第1の層、インクとの接触角が
90゜以上の第2の層、第3の層の順で積層された構成
であり、第3の層は、第2の層よりも高剛性であること
により、流路内においてインクとの濡れ性がよく、イン
クの充填性、気泡排出性に優れ、しかも、流路外へのイ
ンクの漏れ、または蒸発等による透過がなく、信頼性の
高いインクジェットヘッドを提供することができる。ま
た、発熱素子が発生する圧力に対して、インク室に充分
な剛性を持たせることができ、上記作用効果に併せてイ
ンク室内のインクに効率良く圧力を伝達することができ
るという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の構成を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施例のインク吐出部の部分断面図で
ある。
【図3】本発明の実施例の振動板の詳細を示す斜視図で
ある。
【図4】本発明の実施例の振動板の詳細を示す断面図で
ある。
【図5】本発明の実施例のインクのピンホールへの浸入
を説明する図である。
【図6】本発明の実施例の流路形成基板を示す上面図で
ある。
【図7】本発明の実施例のピンホールの発生した第1の
層への第2の層の塗布状況を示す図である。
【図8】本発明の第2の実施例を示す部分透視図であ
る。
【図9】第2の実施例の部分断面図である。
【図10】従来のインクジェットヘッドの構成を示す断
面図である。
【図11】従来のインクジェットヘッドの構成を示す斜
視図である。
【符号の説明】
1 …印字ヘッド 2 …インク室 3 …インク 4 …圧電素子 5 …インク吐出口 10 …振動板 15 …振動板の第1の層 16 …振動板の第2の層 17 …振動板の第3の層 18 …振動板の振動部 19 …振動板の固定部 20 …基板 115 …ピンホールの発生した振動板の第1の層 116 …振動板の第2の層 204 …発熱体 210 …蓋板 212 …リザーバ部 215 …蓋板の第1の層 216 …蓋板の第2の層 217 …蓋板の第3の層 221 …蓋板の第3の層に設けられた開口部

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インク室の圧力を高めインク吐出口から
    インク滴を吐出させるインクジェットヘッドにおいて、少なくともインク室を構成する基板と、該基板上に積層
    される少なくとも2層構造から成る蓋板と、前記インク
    室に対応して前記蓋板上に配設される圧力発生器とを備
    え、 前記蓋板のインク室側の層はインクとの接触角が90゜
    以下であり、圧力発生器側の層はインクとの接触角が9
    0゜以上であることを特徴とするインクジェットヘッ
    ド。
  2. 【請求項2】 前記蓋板は、インク室側の層であるイン
    クとの接触角が90゜以下の第1の層、インクとの接触
    角が90゜以上の第2の層、第3の層の順で積層される
    構成であり、 前記第1の層及び/または前記第3の層は、前記第2の
    層より高剛性であることを特徴とする請求項1記載のイ
    ンクジェットヘッド。
  3. 【請求項3】 前記圧力発生器は、圧力発生方向と平行
    な方向に伸縮する圧電素子であり、前記圧電素子の端部
    と、前記第3の層とが接合されていることを特徴とする
    請求項2記載のインクジェットヘッド。
  4. 【請求項4】 前記圧電素子と接合する第3の層は、イ
    ンク室に対応した位置に島部を形成していることを特徴
    とする請求項3記載のインクジェットヘッド。
  5. 【請求項5】 インク室の圧力を高めインク吐出口から
    インク滴を吐出させるインクジェットヘッドにおいて、 少なくとも流路とインク室を構成する基板と、前記イン
    ク室内に設けられた発熱素子と、前記流路及びインク室
    を封止する蓋板とを具備し、 前記蓋板は、流路に当接するインクとの接触角が90゜
    以下である第1の層、インクとの接触角が90゜以上の
    第2の層、第3の層の順で積層された構成であり、 前記第3の層は、前記第2の層よりも高剛性であること
    を特徴とするインクジェットヘッド。
JP13026292A 1992-05-22 1992-05-22 インクジェットヘッド Expired - Fee Related JP3108774B2 (ja)

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