JP2014113787A - 液体噴射ヘッド及び液体噴射装置 - Google Patents

液体噴射ヘッド及び液体噴射装置 Download PDF

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慎介 一川
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Abstract

【課題】コンプライアンス部からの液体の水分蒸発を抑制すると共に大型化を抑制した液体噴射ヘッド及び液体噴射装置を提供する。
【解決手段】液体を噴射するノズル開口に連通する流路が設けられた流路部材と、該流路部材に固定されて、前記流路の前記ノズル開口が開口する液体噴射面側を封止する可撓部を有するコンプライアンス基板と、前記コンプライアンス基板の前記可撓部の前記流路部材とは反対側の面を封止する固定板と、を具備し、前記流路部材は積層された複数の基板を具備し、前記可撓部と前記固定板との間の空間は、前記流路部材を構成する積層された複数の前記基板の接合面及び前記流路部材と前記コンプライアンス基板との接合面の少なくとも一方に設けられた溝を介して大気開放されている。
【選択図】 図7

Description

本発明は、液体を噴射する液体噴射ヘッド及び液体噴射装置に関し、特に液体としてインクを吐出するインクジェット式記録ヘッド及びインクジェット式記録装置に関する。
液体噴射ヘッドとしては、例えば、圧力発生手段の圧力変化を利用してノズル開口からインク滴を吐出するインクジェット式記録ヘッドが知られている。インクジェット式記録ヘッドは、ノズル開口と連通する圧力発生室と、複数の圧力発生室が共通して連通するマニホールドとを具備し、マニホールドを画成する壁の一部にマニホールド内のインクの圧力変化に応じて変形する可撓性を有するフィルム等の弾性体で形成されたコンプライアンス部が設けられたものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2006−306022号公報
このようなインクジェット式記録ヘッドに設けられたコンプライアンス部は、マニホールド内のインクの圧力変化に応じて変形する必要があるため、インクとは反対面側が大気開放されている必要がある。しかしながら、コンプライアンス部は、フィルム等の弾性体で形成されているため、コンプライアンス部を介してマニホールド内のインクの水分が蒸発し、マニホールド内のインクの濃度が高くなってしまうという問題がある。
また、コンプライアンス部の流路とは反対側の大気側をケース部材等で封止して、ケース部材に大気開放路を形成する方法も考えられるものの、樹脂等のケース部材には開口面積の大きな大気開放孔しか形成できず、断面積の大きな大気開放路では、コンプライアンス部を介する水分蒸発を抑制することができないという問題がある。また、大気開放路を有する他部材を設けると、インクジェット式記録ヘッドが大型化してしまうという問題がある。
なお、このような問題はインクジェット式記録ヘッドに限定されず、インク以外の液体噴射ヘッドにおいても同様に存在する。
本発明はこのような事情に鑑み、コンプライアンス部からの液体の水分蒸発を抑制すると共に大型化を抑制した液体噴射ヘッド及び液体噴射装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明の態様は、液体を噴射するノズル開口に連通する流路が設けられた流路部材と、該流路部材に固定されて、前記流路の前記ノズル開口が開口する液体噴射面側を封止する可撓部を有するコンプライアンス基板と、前記コンプライアンス基板の前記可撓部の前記流路部材とは反対側の面を封止する固定板と、を具備し、前記流路部材は積層された複数の基板を具備し、前記可撓部と前記固定板との間の空間は、前記流路部材を構成する積層された複数の前記基板の接合面及び前記流路部材と前記コンプライアンス基板との接合面の少なくとも一方に設けられた溝を介して大気開放していることを特徴とする液体噴射ヘッドにある。
かかる態様では、流路が形成された流路部材を構成する積層された基板の接合面に設けられた溝を介して大気開放することで、他の部材を必要とすることなく、大気開放することができるため、液体噴射ヘッドが大型化するのを抑制することができる。また、流路を形成する流路部材に溝を形成することで、流路と同様に微細な溝を高精度に形成することができる。したがって、断面積が狭い溝を長い経路で高精度に形成することができ、拡散抵抗を付与して、液体の水分が蒸発するのを抑制することができる。
ここで、前記流路部材を構成する積層された前記基板が、前記流路の一部を構成する圧力発生室が設けられた流路形成基板と、前記流路形成基板と前記ノズル開口が設けられたノズルプレートとの間に設けられた連通板と、であることが好ましい。これによれば、ノズルプレートの面積を狭くして、コストの低減を図ることができる。
また、前記溝が、前記流路形成基板と前記連通板との間と、前記連通板と前記コンプライアンス基板との間とに設けられていることが好ましい。これによれば、微細な溝を高精度に形成することができると共に、長い経路を液体噴射ヘッドが大型化することなく形成することができる。
また、前記大気開放が、前記液体噴射面とは異なる面で行われていることが好ましい。これによれば、液体の噴射に伴う飛沫が大気開放した溝内に侵入するのを抑制することができる。
さらに、本発明の他の態様は、上記態様の液体噴射ヘッドを具備することを特徴とする液体噴射装置にある。
かかる態様では、液体の水分蒸発による不具合を抑制して、小型化した液体噴射装置を実現できる。
本発明の実施形態1に係る記録ヘッドの分解斜視図である。 本発明の実施形態1に係る記録ヘッドの平面図である。 本発明の実施形態1に係る記録ヘッドの断面図である。 本発明の実施形態1に係る記録ヘッドの断面図である。 本発明の実施形態1に係る記録ヘッドの断面図である。 本発明の実施形態1に係る基板の液体噴射面側からの平面図である。 本発明の実施形態1に係る大気開放路の概略構成を示す斜視図である。 本発明の一実施形態に係る記録装置の概略構成を示す図である。
以下に本発明を実施形態に基づいて詳細に説明する。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係る液体噴射ヘッドの一例であるインクジェット式記録ヘッドの分解斜視図であり、図2は、インクジェット式記録ヘッドの液体噴射面側の平面図であり、図3は図2のA−A′線断面図、図4は図2のB−B′線断面図及びその拡大図、図5は図2のC−C′線断面図である。
図示するように、本実施形態の液体噴射ヘッドの一例であるインクジェット式記録ヘッドIは、ヘッド本体11、ケース部材40、カバーヘッド130等の複数の部材を備え、これら複数の部材が接着剤等によって接合されている。本実施形態では、ヘッド本体11は、流路形成基板10と、連通板15と、ノズルプレート20と、保護基板30と、コンプライアンス基板45と、を具備する。本実施形態では、詳しくは後述するが、流路形成基板10及び連通板15が接合面に溝が形成された流路部材の積層された基板に相当する。
ヘッド本体11を構成する流路形成基板10には、複数の圧力発生室12が同じ色のインクを吐出する複数のノズル開口21が並設される方向に沿って並設されている。以降、この方向を圧力発生室12の並設方向、又は第1の方向Xと称する。また、流路形成基板10には、圧力発生室12が第1の方向Xに並設された列が複数列、本実施形態では、2列設けられている。この圧力発生室12が第1の方向Xに沿って形成された圧力発生室12の列が複数列設された列設方向を、以降、第2の方向Yと称する。図4に示すように、このような流路形成基板10の一方の面には弾性膜50が形成されており、圧力発生室12の一方面はこの弾性膜50によって構成されている。
流路形成基板10の開口面側(弾性膜50とは反対側)には、連通板15が接合されている。連通板15には、各圧力発生室12に連通する複数のノズル開口21が穿設されたノズルプレート20が接合されている。連通板15には、圧力発生室12とノズル開口21とを繋ぐノズル連通路16が設けられている。連通板15は、流路形成基板10よりも大きな面積を有し、ノズルプレート20は流路形成基板10よりも小さい面積を有する。このようにノズルプレート20の面積を比較的小さくすることでコストの削減を図ることができる。なお、本実施形態では、ノズルプレート20のノズル開口21が開口して、インク滴が吐出される面を液体噴射面20aと称する。
また、連通板15には、マニホールド100の一部を構成する第1マニホールド部17と、第2マニホールド部18とが設けられている。
第1マニホールド部17は、連通板15を厚さ方向(連通板15と流路形成基板10との積層方向)に貫通して設けられている。
また、第2マニホールド部18は、連通板15を厚さ方向に貫通することなく、連通板15の液体噴射面20a側に開口して設けられている。
さらに、連通板15には、圧力発生室12の第2の方向Yの一端部に連通するインク供給路19が、各圧力発生室12毎に独立して設けられている。このインク供給路19は、第2マニホールド部18と圧力発生室12とを連通する。
一方、流路形成基板10に形成された弾性膜50上には、さらに絶縁体膜55が形成されている。この絶縁体膜55上には、第1電極60と圧電体層70と第2電極80とからなる圧電アクチュエーター(圧力発生手段)300が設けられている。本実施形態では、第1電極60が複数の圧電アクチュエーター300に共通する共通電極として機能し、第2電極80が各圧電アクチュエーター300で独立する個別電極として機能する。また、第2電極80には、リード電極90の一端がそれぞれ接続されている。リード電極90の他端には、駆動回路120が設けられた配線基板121が接続されている。
流路形成基板10の圧電アクチュエーター300側の面には、流路形成基板10と略同じ大きさを有する保護基板30が接合されている。保護基板30は、圧電アクチュエーター300を保護するための空間である保持部31を有する。また、保護基板30には貫通孔32が設けられている。リード電極90の他端側は、この貫通孔32内に露出するように延設され、リード電極90と配線基板121とが貫通孔32内で電気的に接続されている。
また、このような構成のヘッド本体11には、複数の圧力発生室12に連通するマニホールド100をヘッド本体11と共に画成するケース部材40が固定されている。ケース部材40は、平面視において上述した連通板15と略同一形状を有し、保護基板30に接着剤によって固定されると共に、上述した連通板15にも接着剤によって固定されている。具体的には、ケース部材40は、保護基板30側に流路形成基板10及び保護基板30が収容される深さの凹部41を有する。この凹部41は、保護基板30の流路形成基板10に接合された面よりも広い開口面積を有する。そして、凹部41に流路形成基板10等が収容された状態で凹部41のノズルプレート20側の開口面が連通板15によって封止されている。これにより、流路形成基板10の外周部には、ケース部材40とヘッド本体11とによって第3マニホールド部42が画成されている。そして、連通板15に設けられた第1マニホールド部17及び第2マニホールド部18と、ケース部材40と流路形成基板10とによって画成された第3マニホールド部42とによって本実施形態のマニホールド100が構成されている。
また、連通板15の第1マニホールド部17及び第2マニホールド部18が開口する液体噴射面20a側の面には、コンプライアンス基板45が設けられている。このコンプライアンス基板45が、第1マニホールド部17と第2マニホールド部18の液体噴射面20a側の開口を封止している。
このようなコンプライアンス基板45は、本実施形態では、封止膜46と、固定基板47と、を具備する。封止膜46は、可撓性を有する薄膜(例えば、ポリフェニレンサルファイド(PPS)やステンレス鋼(SUS)等により形成された厚さが20μm以下の薄膜)からなり、固定基板47は、ステンレス鋼(SUS)等の金属等の硬質の材料で形成される。この固定基板47のマニホールド100に対向する領域は、厚さ方向に完全に除去された開口部48となっているため、マニホールド100の一方面は可撓性を有する封止膜46のみで封止された可撓部であるコンプライアンス部49となっている。
なお、ケース部材40には、マニホールド100に連通して各マニホールド100にインクを供給するための導入路43が設けられている。また、ケース部材40には、保護基板30の貫通孔32に連通して配線基板121が挿通される接続口44が設けられている。
このような構成のインクジェット式記録ヘッドIでは、インクを噴射する際に、インクカートリッジ等のインク貯留手段から接続口44を介してインクを取り込み、マニホールド100からノズル開口21に至るまで流路内部をインクで満たす。その後、駆動回路120からの信号に従い、圧力発生室12に対応する各圧電アクチュエーター300に電圧を印加することにより、圧電アクチュエーター300と共に弾性膜50及び絶縁体膜55をたわみ変形させる。これにより、圧力発生室12内の圧力が高まり所定のノズル開口21からインク滴が噴射される。なお、本実施形態のインクジェット式記録ヘッドIでは、接続口44からノズル開口21までを液体流路と称する。すなわち、液体流路は、接続口44、マニホールド100、インク供給路19、圧力発生室12、ノズル連通路16及びノズル開口21で構成されている。
また、ヘッド本体11の液体噴射面20a側には、本実施形態の固定板であるカバーヘッド130が設けられている。カバーヘッド130は、コンプライアンス基板45の連通板15とは反対面側に接着剤等により固定されており、コンプライアンス部49の流路(マニホールド100)とは反対側の空間を封止する。なお、カバーヘッド130には、ノズル開口21を露出する露出開口部131が設けられている。また、カバーヘッド130は、ヘッド本体11の側面を覆うように、端部が屈曲して設けられている。
このようなインクジェット式記録ヘッドIでは、コンプライアンス部49と固定板であるカバーヘッド130との間の空間は、流路部材を構成する積層された基板の接合面に設けられた溝を有する大気開放路200を介して大気開放されている。
ここで、大気開放路200について、図6及び図7をさらに参照して詳細に説明する。なお、図6は、コンプライアンス基板、フィルム、連通板及び流路形成基板の液体噴射面側からの平面図であり、図7は、大気開放路の概略構成を示す斜視図である。
図示するように、本実施形態の大気開放路200は、第1大気開放路201、第2大気開放路202、第3大気開放路203、第4大気開放路204、第5大気開放路205、第6大気開放路206、第7大気開放路207及び第8大気開放路208を具備する(以下、第1大気開放路201−第8大気開放路208とも言う)。
第1大気開放路201は、コンプライアンス基板45の固定基板47に、コンプライアンス部49の第1の方向Xの一端側に当該固定基板47を厚さ方向(コンプライアンス基板45と連通板15との積層方向)に貫通して設けられており、コンプライアンス部49(封止膜46)とカバーヘッド130との間の空間に連通して設けられている。
第2大気開放路202は、コンプライアンス基板45の封止膜46に厚さ方向に貫通して設けられている。また、第2大気開放路202は、封止膜46に第1大気開放路201の開口に相対向する位置に配置されており、第1大気開放路201と連通して設けられている。
第3大気開放路203は、連通板15に厚さ方向に貫通して設けられている。また、第3大気開放路203は、連通板15に第2大気開放路202の開口に相対向する位置に配置されており、第2大気開放路202と連通して設けられている。
第4大気開放路204は、流路形成基板10と連通板15との接合面に開口する溝形状を有し、一端側が第3大気開放路203と連通して設けられている。本実施形態では、第4大気開放路204は、流路形成基板10に連通板15との接合面側に開口する溝形状を有する。また、第3大気開放路203は、第3大気開放路203が設けられた圧力発生室12の第1の方向Xの一端部側に、一端が第3大気開放路203に連通するように第2の方向Yに沿って延設され、さらに圧力発生室12の列の間を第1の方向Xに向かって延設され、さらに第1の方向Xの他端部側に第2の方向Yに沿って延設されたものである。すなわち、第4大気開放路204は、第1の方向Xの一端部側から圧力発生室12の列の間を通り、第1の方向Xの他端部側に溝状に設けられている。
なお、本実施形態では、第4大気開放路204を流路形成基板10に溝として設けるようにしたが、特にこれに限定されず、第4大気開放路204を連通板15に流路形成基板10側に開口する溝として形成してもよい。また、第4大気開放路204を流路形成基板10と連通板15とのそれぞれに設けた溝によって形成してもよい。
第5大気開放路205は、第4大気開放路204の第3大気開放路203と連通する一端部とは反対側の他端部側に連通するように、連通板15を厚さ方向に貫通して設けられている。すなわち、第5大気開放路205は、第1大気開放路201が設けられたコンプライアンス部49の第1の方向Xの一端側とは反対側の他端側に配置されている。
第6大気開放路206は、連通板15とコンプライアンス基板45(封止膜46)との接合面に設けられた溝形状を有し、一端側が第5大気開放路205に連通して設けられている。本実施形態では、第6大気開放路206は、連通板15のコンプライアンス基板45(封止膜46)との接合面側に開口する溝形状を有する。また、第6大気開放路206は、第3大気開放路203とは第1の方向Xの反対側に第2の方向Yに沿って延設されている。
なお、本実施形態では、第6大気開放路206を連通板15に溝として設けるようにしたが、特にこれに限定されず、第6大気開放路206をコンプライアンス基板45(封止膜46及び固定基板47)に連通板15側に開口する溝として形成してもよい。また、第6大気開放路206を連通板15とコンプライアンス基板45とのそれぞれに設けた溝によって形成してもよい。
第7大気開放路207は、第6大気開放路206の第5大気開放路205と連通する一端部とは反対側の他端部側に連通するように、連通板15を厚さ方向に貫通して設けられている。
そして、第8大気開放路208は、ケース部材40の第7大気開放路207の開口に相対向する位置に、当該ケース部材40を厚さ方向(ケース部材40と連通板15との積層方向)に貫通して設けられている。この第8大気開放路208の第7大気開放路207と連通する一端部とは反対側の他端部の開口は、大気開放、すなわち、インクジェット式記録ヘッドIの外側に連通する。
このような第1大気開放路201から第8大気開放路208を有する大気開放路200は、本実施形態では、各コンプライアンス部49に対して1つずつ設けられている。すなわち、本実施形態では、1つのマニホールド100に対して1つのコンプライアンス部49が設けられており、合計2つのマニホールド100(コンプライアンス部49)が設けられていることから、1つのインクジェット式記録ヘッドIには2つの大気開放路200が設けられている。
このように、コンプライアンス部49のカバーヘッド130によって封止された空間を第1大気開放路201から第8大気開放路208を有する大気開放路200を介して大気開放することで、コンプライアンス部49の封止膜46とカバーヘッド130とに挟まれた空間を大気開放して、コンプライアンス部49を流路内(マニホールド100内)のインクの圧力変動に合わせて可撓変形させることができる。また、コンプライアンス部49の封止膜46とカバーヘッド130とに挟まれた空間を第1大気開放路201から第8大気開放路208を有する大気開放路200を介して大気開放することで、大気開放路200に拡散抵抗を付与して、流路内のインクに含まれる水分がコンプライアンス部49を介して蒸発するのを抑制することができる。すなわち、大気開放路200は、流路内のインクの水分の蒸発を抑制するために、狭い断面積で長い経路とすることで拡散抵抗を付与することが好ましい。本実施形態では、流路部材を構成する積層された基板、すなわち、流路形成基板10、連通板15、コンプライアンス基板45の接合面に溝状の大気開放路200(第4大気開放路204及び第6大気開放路206)を設けることで、大気開放路200の断面積を狭くして長い経路を確保することができる。また、他の部材等を設けることなく、既存の基板の接合面に溝状の大気開放路200を設けることで、インクジェット式記録ヘッドIの大型化を抑制することができ、インクジェット式記録ヘッドIの小型化を実現できる。
なお、第4大気開放路204は、単結晶シリコン基板である流路形成基板10に圧力発生室12等と同様に異方性エッチング(ウェットエッチング)で形成することができる。したがって、流路形成基板10に微細な溝形状を有する第4大気開放路204を高精度に形成することができる。
同様に、第6大気開放路206は、単結晶シリコン基板である連通板15にノズル連通路16と同様に異方性エッチング(ウェットエッチング)で形成することができる。したがって、連通板15に微細な溝形状を有する第6大気開放路206を高精度に形成することができる。
このため、第4大気開放路204及び第6大気開放路206を用いることで、インクジェット式記録ヘッドIに大気開放路200を形成する他の部材を設けることなく、狭い断面積で長い経路の大気開放路200をインクジェット式記録ヘッドIが大型化することなく形成して、流路内のインクの水分蒸発を抑制することができる。
(他の実施形態)
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明の基本的な構成は上述したものに限定されるものではない。
例えば、上述した実施形態1では、第8大気開放路208をケース部材40の液体噴射面20aとは反対面側に大気開放するようにしたが、特にこれに限定されず、例えば、液体噴射面20a側や液体噴射面20aとは交差する側面側等に大気開放するようにしてもよい。ただし、液体噴射面20a側に大気開放路200が開口していると、吐出されたインクの飛沫等が大気開放路200から侵入し、大気開放路200を閉塞してしまう等の不具合が生じる虞がある。また、大気開放路200に侵入したインクが予期せぬタイミングで被記録媒体上に落下して、被記録媒体を汚してしまう虞がある。すなわち、上述した実施形態1のように、大気開放路200は、液体噴射面20aとは反対面側に開口することで、インク等が大気開放路200内に侵入するのを抑制することができる。
また、上述した実施形態1では、大気開放路200は、流路形成基板10と連通板15との間に設けられた溝形状を有する第4大気開放路204と、連通板15とコンプライアンス基板45との間に設けられた溝形状を有する第6大気開放路206とを介して大気に開放するようにしたが、特にこれに限定されず、何れか一方のみを設けるようにしてもよく、また、何れか一方を2つ以上設けるようにしてもよい。すなわち、流路が形成される積層された基板の接合面に溝状の大気開放路を設けることで、狭い断面積で長い経路の大気開放路を高精度に形成することができると共に、インクジェット式記録ヘッドIが大型化するのを抑制することができる。もちろん、溝形状を有する大気開放路を流路形成基板10と保護基板30との接合面に設けるようにしてもよく、また、保護基板30とケース部材40との接合面に設けるようにしてもよい。すなわち、溝形状を有する大気開放路は、インクジェット式記録ヘッドIを構成する積層された基板(部材)の接合面に設けるようにすれば、他の部材を必要とすることなく、インクジェット式記録ヘッドIの大型化を抑制することができる。ただし、上述のように、微細な流路を形成する基板、例えば、流路形成基板10や連通板15等に溝形状を有する大気開放路を形成することで、微細な溝形状を有する大気開放路を高精度に形成することができ、大気開放路に拡散抵抗を付与して、インク(液体)の水分蒸発を抑制することができる。つまり、ケース部材40は樹脂や金属等で形成することができるが、樹脂や金属等のケース部材40に微細な溝形状を有する大気開放路を形成するのは困難であり、拡散抵抗を付与するのが難しい。
また、上述した実施形態1では、1つのコンプライアンス部49に対して1つの大気開放路200を設けるようにしたが、特にこれに限定されず、各コンプライアンス部49に対応する2つの大気開放路200を大気に開口する側で1つの開口となるように連通させるようにしてもよい。
さらに、上述した実施形態1では、圧力発生室12に圧力変化を生じさせる圧力発生手段として、薄膜型の圧電アクチュエーター300を用いて説明したが、特にこれに限定されず、例えば、グリーンシートを貼付する等の方法により形成される厚膜型の圧電アクチュエーターや、圧電材料と電極形成材料とを交互に積層させて軸方向に伸縮させる縦振動型の圧電アクチュエーターなどを使用することができる。また、圧力発生手段として、圧力発生室内に発熱素子を配置して、発熱素子の発熱で発生するバブルによってノズル開口から液滴を吐出するものや、振動板と電極との間に静電気を発生させて、静電気力によって振動板を変形させてノズル開口から液滴を吐出させるいわゆる静電式アクチュエーターなどを使用することができる。
また、これら各実施形態のインクジェット式記録ヘッドは、インクカートリッジ等と連通するインク流路を具備するインクジェット式記録ヘッドユニットの一部を構成して、インクジェット式記録装置に搭載される。図8は、そのインクジェット式記録装置の一例を示す概略図である。
図8に示すインクジェット式記録装置IIにおいて、複数のインクジェット式記録ヘッドIを有するインクジェット式記録ヘッドユニット1A、1B(以下、ヘッドユニット1A、1Bとも言う)は、インク供給手段を構成するカートリッジ2A及び2Bが着脱可能に設けられ、このヘッドユニット1A、1Bを搭載したキャリッジ3は、装置本体4に取り付けられたキャリッジ軸5に軸方向移動可能に設けられている。このヘッドユニット1A及び1Bは、例えば、それぞれブラックインク組成物及びカラーインク組成物を吐出するものとしている。
そして、駆動モーター6の駆動力が図示しない複数の歯車およびタイミングベルト7を介してキャリッジ3に伝達されることで、ヘッドユニット1を搭載したキャリッジ3はキャリッジ軸5に沿って移動される。一方、装置本体4にはキャリッジ軸5に沿ってプラテン8が設けられており、図示しない給紙ローラーなどにより給紙された紙等の記録媒体である記録シートSがプラテン8に巻き掛けられて搬送されるようになっている。
また、インクジェット式記録装置IIの非印字領域には、ノズル開口21を覆う吸引キャップ140が設けられており、この吸引キャップ140にチューブ142を介して、例えば、真空ポンプ等の吸引装置141が接続されている。吸引キャップ140は、カバーヘッドに当接する大きさを有し、吸引装置141によってカバーヘッドに密着した吸引キャップ140の内部の気体を吸引することで、ノズル開口21を介して圧力発生室12等の流路内のインクを吸引する吸引動作を行う。
なお、上述したインクジェット式記録装置IIでは、インクジェット式記録ヘッドI(ヘッドユニット1)がキャリッジ3に搭載されて主走査方向に移動するものを例示したが、特にこれに限定されず、例えば、インクジェット式記録ヘッドIが固定されて、紙等の記録シートSを副走査方向に移動させるだけで印刷を行う、所謂ライン式記録装置にも本発明を適用することができる。
また、上述した例では、インクジェット式記録装置IIは、液体貯留手段であるインクカートリッジ2A、2Bがキャリッジ3に搭載された構成であるが、特にこれに限定されず、例えば、インクタンク等の液体貯留手段を装置本体4に固定して、貯留手段とインクジェット式記録ヘッドIとをチューブ等の供給管を介して接続してもよい。また、液体貯留手段がインクジェット式記録装置IIに搭載されていなくてもよい。
なお、上記実施の形態においては、液体噴射ヘッドの一例としてインクジェット式記録ヘッドを、また液体噴射装置の一例としてインクジェット式記録装置を挙げて説明したが、本発明は、広く液体噴射ヘッド及び液体噴射装置全般を対象としたものであり、インク以外の液体を噴射する液体噴射ヘッドや液体噴射装置にも勿論適用することができる。その他の液体噴射ヘッドとしては、例えば、プリンター等の画像記録装置に用いられる各種の記録ヘッド、液晶ディスプレイ等のカラーフィルターの製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレイ、FED(電界放出ディスプレイ)等の電極形成に用いられる電極材料噴射ヘッド、バイオchip製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド等が挙げられ、かかる液体噴射ヘッドを備えた液体噴射装置にも適用できる。
I インクジェット式記録ヘッド(液体噴射ヘッド)、 II インクジェット式記録装置(液体噴射装置)、 1A、1B ヘッドユニット、 2A、2B インクカートリッジ、 3 キャリッジ、 4 装置本体、 5 キャリッジ軸、 6 駆動モーター、 7 タイミングベルト、 8 プラテン、 12 圧力発生室、 20 ノズルプレート、 20a 液体噴射面、 21 ノズル開口、 40 ケース部材、 45 コンプライアンス基板、 49 コンプライアンス部、 100 マニホールド、 130 カバーヘッド、 140 吸引キャップ、 200 大気開放路、 300 圧電アクチュエーター(圧力発生手段)

Claims (5)

  1. 液体を噴射するノズル開口に連通する流路が設けられた流路部材と、
    該流路部材に固定されて、前記流路の前記ノズル開口が開口する液体噴射面側を封止する可撓部を有するコンプライアンス基板と、
    前記コンプライアンス基板の前記可撓部の前記流路部材とは反対側の面を封止する固定板と、を具備し、
    前記流路部材は積層された複数の基板を具備し、前記可撓部と前記固定板との間の空間は、前記流路部材を構成する積層された複数の前記基板の接合面及び前記流路部材と前記コンプライアンス基板との接合面の少なくとも一方に設けられた溝を介して大気開放されていることを特徴とする液体噴射ヘッド。
  2. 前記流路部材を構成する積層された前記基板が、前記流路の一部を構成する圧力発生室が設けられた流路形成基板と、
    前記流路形成基板と前記ノズル開口が設けられたノズルプレートとの間に設けられた連通板と、であることを特徴とする請求項1記載の液体噴射ヘッド。
  3. 前記溝が、前記流路形成基板と前記連通板との間と、前記連通板と前記コンプライアンス基板との間とに設けられていることを特徴とする請求項2記載の液体噴射ヘッド。
  4. 前記大気開放が、前記液体噴射面とは異なる面で行われていることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の液体噴射ヘッド。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の液体噴射ヘッドを具備することを特徴とする液体噴射装置。
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