JP2007289105A - トップガイド - Google Patents

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Masahiko Matsumoto
聖比古 松本
Shiyoutaro Tanigawa
尚太郎 谷川
Kazuma Taniguchi
一真 谷口
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Abstract

【課題】 仕掛けを巻き上げ過ぎても、破損しにくく、穂先竿の破断を回避できるトップガイドを提供する点にある。
【解決手段】 トップガイド3を穂先竿1の竿先端に固定される基端固定部3Aとその基端固定部3Aから立設される釣糸ガイド部3Bとで構成し、その釣糸ガイド部3Bを超合金又は形状記憶合金で構成する。
【選択図】図2

Description

本発明は、穂先竿の竿先端に固定されるトップガイドに関する。
従来の穂先竿のトップガイドは、例えば特許文献に開示されているように、チタン材製のものや、ステンレス材製のものが知られている。
特開2004−73047号公報
トップガイドが従来の素材のものでは、次のような不都合があった。つまり、仕掛けを巻き上げ過ぎて、仕掛けがトップガイドに当たると、トップガイドと第1中間移動ガイドとの間隔が縮まるように穂先竿が上向きに凸出する湾曲状態になるとともに、穂先竿やトップガイドに衝撃が加わる。このような巻き上げ操作を繰り返すと、穂先竿が中間位置で破断したり、トップガイドが破損したりすることがあった。特に、磯竿等では、仕掛けが重く、その衝撃も大きいため、穂先竿が破断したりトップガイドが破損したりすることが多かった。
本発明の目的は、上述したような不具合を修正して、仕掛けの巻き上げ過ぎがあっても、破損しにくく、穂先竿の破断を回避できるトップガイドを提供する点にある。
[I]
(構成)
本発明の第1特徴は、穂先竿の竿先端に固定される基端固定部とその基端固定部から立設される釣糸ガイド部とを備えたトップガイドにおいて次のように構成することにある。
前記釣糸ガイド部を超合金又は形状記憶合金によって構成する。
(作用)
一般的に、超合金の一例であるNi−Cr合金は硬質で弾性に富み、変形後に負荷を取り除くと元の形状に復帰するという性質を持つ。一方、形状記憶合金の一例であるAu−Cd合金などは、変形後にある一定の温度以上に加熱すると元の形状に回復するという性質を持つ。
本発明の第1特徴によると、仕掛けを巻き上げ過ぎて、仕掛けがトップガイドに当たって、穂先竿やトップガイドに衝撃が加わっても、超合金又は形状記憶合金からなる釣糸ガイド部が衝撃受けとなり、自ら変形することによって、その衝撃の一部を吸収することができる。そのため、穂先竿に加わる衝撃が軽減される。また、トップガイドが変形しても、衝撃による負荷を取り除くか又は一定の温度以上に加熱することによって元の形状に回復させることができる。
(発明の効果)
本発明の第1特徴によると、穂先竿に加わる衝撃が軽減されるため、穂先竿が中間位置で破断することが回避される。また、トップガイドが元の形状に回復するため、トップガイドの破損が回避される。
また、トップガイドに釣り糸が巻き付いた場合であっても、釣り糸を引っ張る等の措置を行うことによって、トップガイド自体が変形し、容易に釣り糸の巻き付きを解消することができる。
[II]
(構成)
本発明の第2特徴は、本発明の第1特徴に記載のトップガイドを備えた穂先竿を構成することにある。
(作用)
本発明の第2特徴によると、本発明の第1特徴と同様に前項[I]に記載の「作用」を備えており、これに加えて以下のような「作用」を備えている。
釣り竿は先端が細くなっているため、トップガイドを備えた穂先竿が最も破損しやすい。この部分の強度を確保しようとすれば穂先竿を太くすればよいのであるが、微妙なアタリを容易に把握するためには、穂先竿を太くすることもできない。そのため、釣り人は穂先竿が仕掛けの巻き上げ過ぎによる衝撃によって破損しないように、細心の注意を払いながらリール等の操作を行う。仮に、穂先竿が破損した場合には、穂先竿を交換又は修理する必要がある。
本発明の第2特徴によれば、破損しにくい穂先竿を構成することができるため、釣り人が仕掛けの巻き上げ時に注意を払う度合いが緩和されるとともに、釣り竿の修理回数が減る。
(発明の効果)
本発明の第2特徴によると、本発明の第1特徴と同様に前項[I]に記載の「発明の効果」を備えており、これに加えて以下のような「発明の効果」を備えている。
本発明の第2特徴によれば、釣り人が釣りに集中できるとともに、釣り竿の修理費用を節約することができる。
図1(イ)に示すように、穂先竿1、二番竿2等によって、振出式の釣り竿Aを構成してある。穂先竿1には、トップガイド3と三つの中間移動ガイド4を設けてある。二番竿2に、釣り糸ガイド5がその竿体の外周面に取り付けてある。
図2(イ)及び(ロ)に示すように、トップガイド3は、穂先竿1の竿先端に外嵌して装着される基端固定部の一例である基端筒状ボス部3Aとその基端筒状ボス部3Aの先端から立設される釣糸ガイド部3Bとを備えて構成され、釣糸ガイド部3Bは、リング3Cを取り付ける本体取付部3aと、この釣糸ガイド部3Bを支持する左右の支持部材3bとから構成されている。
釣糸ガイド部3Bの素材は、プリプレグより硬質でかつ弾性に富む超合金である。ここに、超合金材としては、INCONEL625等のNi−Cr合金を使用する。その他、チタニュウム、Ni基合金、Cr基合金等を使用可能である。また、超合金の代わりに形状記憶合金を使用することも可能で、形状記憶合金を使用すると弾性変形後の復帰力が大きい。形状記憶合金としては、Au−Cd合金、Cu−AL−Ni合金、Au−Cd合金等が使用される。
基端筒状ボス部3Aは、ステンレス製の素材を用いて形成されており、この基端筒状ボス部3Aに、前記釣糸ガイド3BがAr(アルゴン)等の不活性雰囲気中で、ろう付によって固定されている。釣糸ガイド部3Bには釣り糸aをガイドするリング3Cを装着して構成されている。リング3Cは、セラミック製の素材を用いて形成されており、釣糸ガイド部3Bを製造する際に同時に組み込んで一体に嵌め込み装着されている。
図1(ロ)及び図2(イ)の2点鎖線は、釣糸ガイド部3Bの素材が超合金の場合の、仕掛け6を巻き上げ過ぎて、仕掛け6がトップガイド3に当たった時の釣り竿A及びトップガイド3の状態を示す。仕掛け6を巻き上げ過ぎて、仕掛け6がトップガイド3に当たると、トップガイド3と第1中間移動ガイド4との間隔が縮まるように、穂先竿1が上向きに凸出する湾曲状態となるとともに、釣糸ガイド部3Bの本体取付部3aが下向きでかつ後ろ向きに曲がって弾性変形して、左右の支持部材3bが左右方向に曲がって弾性変形する。これにより、釣糸ガイド部3Bの本体取付部3aと支持部材3bとで仕掛け6の巻き上げ過ぎによる衝撃を吸収し、穂先竿1に加わる衝撃が軽減されるようになっている。
一方、釣り糸aを緩めて釣り糸aの張力を取り除くと、超合金の弾性復元力によって、釣糸ガイド3Bの本体取付部3a及び支持部材3bの上記弾性変形が解除され、元の状態、すなわち、図1(イ)や図2(イ)の実線で示す状態となる。
[発明の実施の第1別形態]
前述の[発明を実施するための最良の形態]においては、基端固定部の一例として基端筒状ボス部3Aを採用した例を示したが、基端固定部の形状は特に問わず、筒状のボス部ではなく、図3に示すように、棒状材3Dで構成し、穂先竿の先端に取り付けてもよい。また、前述の[発明を実施するための最良の形態]においては、釣糸ガイド部3Bを本体取付部3aと支持部材3bで構成した例を示したが、図3に示すように、支持部材3bを省略した構造を採用してもよい。このように構造を単純化することで、製造コスト削減を図ることができる。
[発明の実施の第2別形態]
前述の[発明を実施するための最良の形態]においては、トップガイド3の釣糸ガイド部3Bを超合金又は形状記憶合金で構成した例を示したが、中間移動ガイド4や釣り糸ガイド5にも超合金又は形状記憶合金で構成された釣糸ガイド部を適用できる。この場合には、釣りの最中だけでなく、例えば、釣り竿の運搬中などに、中間移動ガイド4や釣り糸ガイド5が破損することを防止できるという効果がある。
穂先竿の状態を示す側面図であり、(イ)は釣り糸を緩めた状態、(ロ)は本発明のトップガイドで仕掛けを巻き上げ過ぎた状態 トップガイドを示し、(イ)は側面図、(ロ)はトップガイドを上から見た平面図 発明の実施の第1別形態を示す穂先竿の側面図
符号の説明
1 穂先竿
3 トップガイド
3A 基端筒状ボス部
3B 釣糸ガイド

Claims (2)

  1. 穂先竿の竿先端に固定される基端固定部とその基端固定部から立設される釣糸ガイド部とを備えたトップガイドであって、
    前記釣糸ガイド部が超合金又は形状記憶合金からなるトップガイド。
  2. 請求項1に記載のトップガイドを備えた穂先竿。
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