JP2007280661A - 誘導加熱補助具、誘導加熱発熱体、及び誘導加熱容器 - Google Patents

誘導加熱補助具、誘導加熱発熱体、及び誘導加熱容器 Download PDF

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Abstract

【課題】 内容物の加熱に用いる容器が小径のものであっても、電磁調理器を動作させて誘導加熱を可能とする誘導加熱補助具、そのような誘導加熱補助具を利用した誘導加熱発熱体、及びそのような誘導加熱発熱体を備えた誘導加熱容器を提供する。
【解決手段】 円を周方向に等分した扇形状をなす複数の導電部材片を、周方向に沿って一定距離だけ離間させ、互いに非接触で同心状に配置することによって形成された、下位、中位、上位の三層の誘導補助層10,20,30を備え、これらの誘導補助層10,20,30の各層間、下位の誘導補助層10の下側、及び上位の誘導補助層30の上側には、誘電層40を積層させる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電磁調理器などが備える電磁誘導加熱コイルが発生する高周波磁界により、被誘導加熱対象物に渦電流が誘起されて発熱するのを補助する誘導加熱補助具、そのような誘導加熱補助具を利用した誘導加熱発熱体、及びそのような誘導加熱発熱体を備えた誘導加熱容器に関する。
近年、ガス機器が主流であった加熱調理機器に代わって、一般に、電磁調理器と称される加熱調理機器が、安全性、清潔性、利便性、経済性などの観点から、飲食業などにおける業務用のみならず、一般家庭においても広く普及するようになってきている。
しかしながら、この種の電磁調理器は、内部に備えた電磁誘導加熱コイルにより高周波磁界を発生させ、誘起された渦電流によって生じるジュール熱により加熱対象物を加熱するというものである。このため、炎を使わずに加熱調理を行うことができる反面、その原理上、使用できる調理器具が限られてしまい、鉄、鉄ホーローなどの磁性金属からなる専用の調理器具(誘導加熱容器)を用いなければならないという不利があった。
このような状況下、上記した電磁調理器の不利を解消するものとして、例えば、特許文献1には、電磁調理器から生じる渦電流により0.10〜100μmのアルミニウム箔を発熱させる電磁調理器を用いる加熱方法が提案されており、このような加熱方法によれば、非磁性の容器であっても電磁調理器を用いて内容物を容易に加熱することができるとされている。
特開2003−325327号公報
ところで、市販されている電磁調理器は、それが動作しているか否かが見た目だけでは判断しにくいため、種々の安全対策が施されている。
例えば、ナイフやフォークなどの小さな金属体が電磁調理器上に放置されて発熱してしまうと危険である。このため、そのような場合を含めて、適正とされた誘導加熱容器以外のものが電磁調理器上に置かれている場合には、電磁調理器が動作しないようになっている。
このように、電磁調理器で内容物を加熱することができる誘導加熱容器は、その材質のみならず、大きさにおいても制限が課されている。
したがって、例えば、内容物をカップなどに入れて電子レンジで加熱するのと同様にして、小容量の加熱容器に内容物を入れて電磁調理器で加熱しようとしても、加熱容器の径が一定以下の場合には電磁調理器が動作せず、加熱することができないという不便があった。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、内容物の加熱に用いる容器が小径のものであっても、電磁調理器を動作させて誘導加熱を可能とする誘導加熱補助具の提供を目的とする。また、本発明は、そのような誘導加熱補助具を利用した誘導加熱発熱体、及びそのような誘導加熱発熱体を備えた誘導加熱容器の提供を目的とする。
上記課題を解決する本発明に係る誘導加熱補助具は、導電性の金属箔からなる複数の導電部材片を、周方向に沿って一定距離だけ離間させ、互いに非接触で配置してなる誘導補助層を少なくとも一層以上備える構成としてある。
このような構成を採用した本発明の誘導加熱補助具は、市販の電磁調理器の上に敷いて、そのほぼ中央に、直下に位置する誘導補助層を形成する導電部材片の全てと重なるように被誘導加熱対象物としての加熱容器を載せた状態で使用され、その際に、加熱容器が小径のものであっても、電磁調理器を動作させて誘導加熱を可能とすることができる。
また、本発明に係る誘導加熱補助具は、前記導電部材片が、円を周方向に等分した扇形状をなすとともに、前記導電部材片のそれぞれが同心状に配置されている構成とすることができる。
このような構成とすれば、一般に、円形状とされる市販の電磁調理器が備える電磁誘導加熱コイルの形状に対応させて、渦電流を効率よく誘起させることができる。
また、本発明に係る誘導加熱補助具は、前記導電部材片が、周方向に隣接する前記導電部材片と接触しないように、スリット状の離間部が形成されるように配置された構成とすることができる。
このような構成とすれば、より確実に、周方向に隣接する導電部材片間を渦電流が短絡して流れていかないようにすることができる。
また、本発明に係る誘導加熱補助具は、前記誘導補助層に重ねて誘電層を積層し、被誘導加熱対象物との間に前記誘電層が介在するようにしてなる構成とすることができる。
このような構成とすれば、誘導補助層と、被誘導加熱対象物とが、その間に形成されるキャパシタを介して電気的に接続した状態とされ、これによって、直接的な電流の流れを避けて、過剰な発熱による熱損傷を効果的に防止することができる。
また、本発明に係る誘導加熱補助具は、下位に位置する前記誘導補助層において周方向に隣接する前記導電部材片の両方に跨って、上位に位置する前記誘導補助層における一つの前記導電部材片が重なるように、前記誘導補助層を二層以上積層してなる構成とすることができる。
このように構成すれば、誘導補助層が二層以上積層された場合であっても、下位に位置する誘導補助層と、上位に位置する誘導補助層との間で、各導電部材片に誘起される渦電流の受け渡しがなされて、渦電流の流路が形成されるようにすることができる。
また、本発明に係る誘導加熱補助具は、前記導電部材片が、円を周方向に等分した扇形状をなすとともに、前記導電部材片のそれぞれが同心状に配置され、かつ、上位に位置する前記誘導補助層における前記導電部材片の半径が、直下に位置する前記誘導補助層における前記導電部材片の半径以下となっている構成とすることができる。
このような構成とすれば、各誘導補助層を形成する導電部材片が、下位から上位に向かうにしたがって、より内側に集まるようにして、一般に市販されている電磁調理器を使用したときに、電磁誘導加熱コイルの寸法との関係で渦電流が発生しやすい外周寄りの部位から、渦電流が発生しにくい中央部付近へと渦電流を導くことができ、これによって、被誘導加熱対象物を効率よく加熱することが可能となる。
また、本発明に係る誘導加熱補助具は、前記誘導補助層の各層間に、誘電層を積層させた構成とすることができる。
このように構成すれば、誘導補助層の各層間においても、各層間に形成されるキャパシタを介して電気的に接続した状態とすることができ、各層間における過剰な発熱による熱損傷を効果的に防止することができる。
また、本発明に係る誘導加熱発熱体は、上記のような誘導発熱補助具を利用するものであり、導電性の金属箔からなる複数の導電部材片を、周方向に沿って一定距離だけ離間させ、互いに非接触で配置してなる誘導補助層を少なくとも一層以上備えるとともに、発熱層が、直下に位置する前記誘導補助層を形成する導電部材片の全てに重なるように積層されている構成としてある。
このような構成を採用した本発明の誘導加熱発熱体は、電磁調理器上に敷いて使用すると、誘導加熱発熱体上で加熱調理を行うことができる。
そして、このような本発明に係る誘導加熱発熱体においても、前記誘導補助層と前記発熱層との間に、誘電層を介在させることにより、誘導補助層と、発熱層とが、その間に形成されるキャパシタを介して電気的に接続した状態とされ、これによって、直接的な電流の流れを避けて、過剰な発熱による熱損傷を効果的に防止することができる。
また、本発明に係る誘導加熱容器は、上記のような誘導発熱補助具を利用するものであり、導電性の金属箔からなる複数の導電部材片を、周方向に沿って一定距離だけ離間させて、互いに非接触で配置してなる誘導補助層を少なくとも一層以上備えるとともに、発熱層が、直下に位置する前記誘導補助層を形成する導電部材片の全てに重なるように積層されており、前記発熱層の周囲には、前記発熱層を囲繞する収容部が立設されている構成としてある。
このような構成を採用した本発明の誘導加熱発熱体は、電磁調理器上に置いて使用すると、収容部内に収容した内容物を加熱することができる。
そして、このような本発明に係る誘導加熱容器にあっては、不使用時にはコンパクトに収納できるように、前記誘導補助層のうち、記収容部の外方に位置する部分を折り畳み可能とした構成とすることができる。
以上のように、本発明によれば、内容物の加熱に用いる被誘導加熱対象物としての加熱容器が小径のものであっても、電磁調理器を動作させて誘導加熱を可能とする誘導加熱補助具を提供することができる。さらに、本発明によれば、このような誘導加熱補助具を利用した、一般に市販されている電磁調理器による加熱が可能な誘導加熱発熱体、及び誘導加熱容器を提供することができる。
以下、本発明の好ましい実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
[誘導加熱補助具]
まず、本発明に係る誘導加熱補助具の実施形態について説明する。
なお、図1は、本実施形態に係る誘導加熱補助具の一例を模式的に示す説明図であり、図1(a)は、誘導加熱補助具1を平面視している。また、図1(b)は、誘導加熱補助具1の積層構成を示している。
図1に示す誘導加熱補助具1は、下位、中位、上位の三層の誘導補助層10,20,30を備えている。図示する例において、これらの誘導補助層10,20,30は、いずれも、円を周方向に等分した扇形状をなす複数(図示する例では、四つ)の導電部材片を、周方向に沿って一定距離だけ離間させ、互いに非接触で同心状に配置することによって形成されている。
各誘導補助層10,20,30を形成する導電部材片は、電磁調理器などが備える電磁誘導加熱コイルから発生する高周波磁界により渦電流が誘起され、その電気抵抗によりジュール熱が生じ得る導電性材料、例えば、アルミニウム,ニッケル,金,銀,銅,白金,鉄,コバルト,錫,亜鉛など、又はこれらの合金、あるいは、導電性を付与した樹脂フィルムや紙などの導電性材料を用いることができる。より具体的には、例えば、金属材料としてアルミニウムを用いた場合、10〜60μm程度の厚みのアルミニウム箔を用いて形成することができる。
このような導電部材片は、電磁調理器の大きさ、特に、電磁調理器が備える電磁誘導加熱コイルの大きさを考慮して、通常は、半径50〜110mmの円形、また、これに相当する大きさで任意の形状に打ち抜いた金属箔を周方向に等分することによって形成される。特に、図示する例のように、円を周方向に等分した扇形状をなす導電部材片を同心状に配置して誘導補助層10,20,30を形成することにより、一般に、円形状とされる市販の電磁調理器が備える電磁誘導加熱コイルの形状に対応させて、渦電流を効率よく誘起させることができる。
また、図示する例において、誘導補助層10,20,30の各層間には、誘電部材からなる誘電層40が積層されており、下位の誘導補助層10のさらに下側、及び上位の誘導補助層30のさらに上側にも、それぞれ同様の誘電層40が積層されている。
誘電層40を形成する誘電部材としては、ポリフェニルサルファイド、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリアミド、フッ素樹脂、セラミックなどのほか、耐熱性、難燃性を有する樹脂や紙などを用いることができる。また、誘電層40の大きさは、誘導補助層10,20,30の各層を形成する導電部材片が、上下に直接接触することがない程度の大きさとすることができる。
図示する例において、下位、中位、上位の各誘導補助層10,20,30を形成する導電部材片は、周方向に沿って一定距離だけ離間して配置されているが、このとき、導電部材片間の距離は、それぞれの導電部材片に誘起される渦電流が、周方向に隣接する導電部材片間を短絡して流れていかないように適宜調整される。そして、導電部材片間には、図示するようなスリット状の離間部を形成することができ、誘導補助層10,20,30のそれぞれにおいて、周方向に離間させた導電部材片間の幅W1,W2,W3は、1〜50mmの範囲で適宜調整することができる。このようにすることで、より確実に、周方向に隣接する導電部材片間を渦電流が短絡して流れていかないようにすることができる。
また、下位、中位、上位の各誘導補助層10,20,30を形成するそれぞれの導電部材片を同心状に配置するにあたり、上位の誘導補助層20を形成する導電部材片のうち一つの導電部材片が、中位の誘導補助層20を形成する導電部材片のうち周方向に隣接する二つの導電部材片に跨って重なるように配置されている。同様にして、中位の誘導補助層20を形成する導電部材片のうち一つの導電部材片が、下位の誘導補助層10を形成する導電部材片のうち周方向に隣接する二つの導電部材片に跨って重なるように配置されている。
このように、図示する例では、下位側に位置する誘導補助層10(20)において周方向に隣接する導電部材片の両方に跨って、その上位側に位置する誘導補助層20(30)における一つの導電部材片が重なるように、各誘導補助層10,20,30の間で、導電部材片が互い違いに重なるようにしている。
さらに、図示する例では、上位側に位置する誘導補助層30(20)を形成する導電部材片の半径R3(R2)が、その直下に位置する誘導補助層20(10)を形成する導電部材片の半径R2(R1)以下となるようにしてある。そして、導電部材片間の幅W1,W2,W3を必要に応じて適宜調整して、各誘導補助層10,20,30を形成する導電部材片が、下位から上位に向かうにしたがって、より内側に集まるようにすることで、下位側に位置する誘導補助層10(20)を形成する各導電部材片に対して、その上位側に位置する誘導補助層30(20)を形成する各導電部材片の方が、より小径の範囲内に収まるように、各導電部材片を配置している。
以上のような構成の誘導加熱補助具1は、例えば、図2、及び図3に示すように、市販の電磁調理器70の上に敷いて、そのほぼ中央に、上位の誘導補助層30を形成する導電部材片の全てと重なるように、被誘導加熱対象物としての較的小径の加熱容器50を載せた状態で使用することができる。
なお、図2は、誘導加熱補助具1の使用例を示す説明図であり、図3は、加熱容器50の載置位置を鎖線で示した平面概略図である。
そして、このような状態で誘導加熱補助具1を使用するに際し、誘導補助層10,20,30のそれぞれを形成する各誘導部材片に誘起される渦電流は、周方向に隣接する誘導部材片間を短絡して流れていかないようにされているところ、誘導補助層10,20,30の各層間には誘電層40が積層されるとともに、この誘電層40を介して、各誘導補助層10,20,30の間で導電部材片が互い違いに重なっており、誘導補助層10,20,30の各層間にはキャパシタが形成される。
したがって、各導電部材片は直接には接触していないが、誘導補助層10,20,30の各層間に形成されるキャパシタによって、各導電部材片が電気的に接続された状態になっている。
これにより、例えば、図4に示すように、下位の誘導補助層10を形成する導電部材片に誘起された渦電流α1は(図4(a)参照)、キャパシタの相手方となる中位の誘導補助層20を形成する導電部材片に、渦電流β1となって受け渡されることになる(図4(b)参照)。そして、中位の誘導補助層20を形成する導電部材片に誘起された渦電流α2とともに、同様に、上位の誘導補助層30を形成する導電部材片に渦電流β2となって受け渡され(図4(c)参照)、さらに、上位の誘導補助層30を形成する導電部材片に誘起された渦電流α3とともに、誘導加熱容器50に渦電流β3となって受け渡されるというように、各誘導補助層10,20,30のそれぞれを形成する導電部材片の間で、キャパシタを介した渦電流の受け渡しがなされ、加熱容器50へと向かう渦電流の流路が形成される。
その結果、前述した使用状態において、このような渦電流の流路が形成されることを電磁調理器70が検知して、通常では動作しないような小径の加熱容器50を用いた場合であっても、電磁調理器70が動作するようになり、少量の内容物を小容量の加熱容器50に入れて短時間で加熱するというような使用が可能となる。
しかも、図示する例では、各誘導補助層10,20,30のそれぞれを形成する導電部材片の間、及び上位の誘導補助層30を形成する導電部材片と加熱容器50との間では、キャパシタを介しての渦電流の受け渡しがなされ、直接的な電流の流れが生じないため、過剰な発熱による熱損傷を効果的に防止することができる。
さらに、図示する例では、各誘導補助層10,20,30を形成する導電部材片が、下位から上位に向かうにしたがって、より内側に集まるようになっており、一般に市販されている電磁調理器70を使用したときに、誘導加熱コイルの寸法との関係で渦電流が発生しやすい外周寄りの部位から、渦電流が発生しにくい中央部付近へと渦電流を導くことができ、これによって、加熱容器50を効率よく加熱することも可能となる。
[誘導加熱発熱体]
次に、本発明に係る誘導加熱発熱体の実施形態について説明する。
なお、図5は、本実施形態に係る誘導加熱発熱体の一例を模式的に示す説明図であり、図5(a)は、誘導加熱発熱体2を平面視している。また、図1(b)は、誘導加熱発熱体2の積層構成を示している。
図5に示す誘導加熱発熱体2は、前述した誘導加熱補助具1を利用するものであり、直下に位置する上位の誘導補助層30を形成する導電部材片の全てと重なるように、誘導加熱補助具1上に発熱層60が積層され、さらにその上には、前述したのと同様の誘電層40が積層されている。
ここで、発熱層60は、各誘導補助層10,20,30のそれぞれを形成する導電部材片と同様の金属箔を用いて形成することができる。また、その大きさは、上位の誘導補助層30を形成する導電部材片が配置される範囲よりも、より小径の範囲内に収まるものであれば、特に制限されない。
前述した誘導加熱補助具1は、市販の電磁調理器70上に敷いて、そのほぼ中央に、加熱容器50を載せた状態で使用するようにしているが、本実施形態の誘導加熱発熱体2は、単独で電磁調理器70上に敷いて使用することができる。
すなわち、本実施形態の誘導加熱発熱体2にあっては、各誘導補助層10,20,30のそれぞれを形成する導電部材片と、発熱層60との間で、キャパシタを介した渦電流の受け渡しがなされ、これによって前述したのと同様にして渦電流の流路が形成される。そのため、誘導加熱発熱体2を電磁調理器70上に敷いて使用すると、電磁調理器70が、このような渦電流の流路を検知して動作するようになり、電磁調理器70上に敷かれた誘導加熱発熱体2が発熱し、誘導加熱発熱体2上で加熱調理を行うことが可能となる。
そして、誘導補助層10,20,30のそれぞれを形成する各導電部材片や、発熱層60を、アルミニウム箔などの安価な金属箔材料を用いて形成すれば、誘導加熱発熱体2を使い捨て可能とすることができ、加熱調理後は、誘導加熱発熱体2を破棄するだけで後始末を済ませるようにすることもできる。
[誘導加熱容器]
次に、本発明に係る誘導加熱容器の実施形態について説明する。
なお、図6は、本実施形態に係る誘導加熱容器の一例を模式的に示す説明図であり、図6(a)は、誘導加熱容器3を平面視している。また、図6(b)は、図6(a)のA−A断面を示している。
図6に示す誘導加熱容器3は、前述した誘導加熱補助具1を利用するものであり、誘導加熱補助具1上のほぼ中央には、図示するような上方が開口する有底箱状の収容部5が設けられている。そして、この収容部5の底面には、直下に位置する誘導補助層を形成する導電部材片の全てと重なるように、発熱層60が積層されている。
なお、図6に示す例では、作図上、誘導加熱補助具1の図示を簡略化しているが、本実施形態においても、誘導加熱補助具1は、図1に示すのと同様の積層構成を備えたものとすることができる。
したがって、本実施形態の誘導加熱容器3にあっても、各誘導補助層10,20,30のそれぞれを形成する導電部材片と、発熱層60との間で、キャパシタを介した渦電流の受け渡しがなされ、これによって前述したのと同様にして渦電流の流路が形成される。そして、誘導加熱容器3を電磁調理器70上に載置して使用すると、電磁調理器70が、このような渦電流の流路を検知して動作するようになり、これによって発熱層60が発熱する。
その結果、収容部5を形成する素材が制限されることなく、例えば、収容部5が、紙、プラスチックなどの非磁性材から形成されていたとしても、収容部5内に収容した内容物を加熱することが可能となる。
ここで、本実施形態の誘導加熱容器3は、収容部5を有底箱状とする代わりに、図7に示すように、発熱層60の周りを囲む壁面を立設して収容部5を形成するようにすることもでき、発熱層60を囲繞して内容物を収容することができれば、収容部5の具体的な態様は、特に制限されない。また、図示する例では、前述したような誘導加熱補助具1を利用するようにしているが、本実施形態の誘導加熱容器3は、前述したような誘導加熱発熱体2において、その発熱層60の周囲に収容部5を立設したものとしてもよい。
さらに、本実施形態の誘導加熱容器3は、誘導加熱補助具1(誘導補助層)のうち、収容部5の外方に位置する部分を、図8に示すように折り畳み可能として、不使用時にはコンパクトに収納できるようにしてもよい。
次に、具体的な実施例を挙げて、本発明をより詳細に説明する。
1000番系のアルミニウム箔(厚さ40μm)を表1に示す半径で円形状に打ち抜き、周方向に四等分して導電部材片を得た。
次いで、これらの導電部材片を表1に示す幅で同心状に配置して、下位、中位、上位の誘導補助層を形成し、各層間、下位の誘導補助層の下側、及び上位の誘導補助層の上側に、ポリイミド製のフィルム(厚さ25μm)を積層させて、図1に示すような誘導加熱補助具1とした。
Figure 2007280661
このようにして得られた誘導加熱補助具を、図2に示すように、市販の電磁調理器上に敷いて、そのほぼ中央(図3に鎖線で示す位置)に、直径52mm、高さ104mmの円筒状のスチール製の缶入り飲料を開封して載置した。
なお、使用した電磁調理器が備える電磁誘導加熱コイルは、外周の直径が155mm、内周の直径が40mmの扁平なドーナツ形状をしていた。
そして、電磁調理器のスイッチをオンにしたところ、電磁調理器が作動し、加熱容器としてのスチール缶が発熱して、内容物を加熱することができた。
この際、室温22℃の温度環境下で、内容物を60℃に加熱するまでに要した時間は、出力700Wで100秒であった。また、加熱後の誘導加熱補助具に、過剰な発熱による熱損傷はみられなかった。
以上、本発明について、好ましい実施形態を示して説明したが、本発明は、上記した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることは言うまでもない。
例えば、上記した実施形態では、下位、中位、上位の三層の誘導補助層10,20,30を備えた積層構成としたが、誘導補助層は少なくとも一層以上備えていればよく、誘導補助層を何層にするかは、必要に応じて適宜変更することができる。
また、上記した実施形態では、誘電層40を積層してキャパシタを介して渦電流の受け渡しがなされるようにしてあり、このような態様は、過剰な発熱による熱損傷を効果的に防止する上で好ましいが、誘電層40を省略して、誘導補助層の各層を形成する導電部材片の間や、これらの導電部材片と、加熱容器50や発熱層60との間で、直接的に渦電流の受け渡しがなされるようにしてもよい。
以上説明したように、本発明は、内容物の加熱に用いる容器が小径のものであっても、電磁調理器を動作させて誘導加熱を可能とする誘導加熱補助具、さらには、そのような誘導加熱補助具を利用した誘導加熱発熱体、及びそのような誘導加熱発熱体を備えた誘導加熱容器を提供する。
本発明に係る誘導加熱補助具の実施形態を模式的に示す説明図である。 本発明に係る誘導加熱補助具の使用例を示す説明図である。 本発明に係る誘導加熱補助具の使用例において、被誘導加熱対象物の載置位置を鎖線で示した平面概略図である。 本発明に係る誘導加熱補助具による加熱原理を説明する概念図である。 本発明に係る誘導加熱発熱体の一例を模式的に示す説明図である。 本発明に係る誘導加熱容器の一例を模式的に示す説明図である。 本発明に係る誘導加熱容器の他の例を模式的に示す説明図である。 本発明に係る誘導加熱容器の収容部の外側を折り畳み可能とした状態を示す説明図である。
符号の説明
1 誘導加熱補助具
2 誘導加熱発熱体
3 誘導加熱容器
5 収容部
10 下位誘導補助層
20 中位誘導補助層
30 上位誘導補助層
40 誘電層
50 加熱容器
60 発熱層
70 電磁調理器

Claims (11)

  1. 導電性の金属箔からなる複数の導電部材片を、周方向に沿って一定距離だけ離間させ、互いに非接触で配置してなる誘導補助層を少なくとも一層以上備えることを特徴とする誘導加熱補助具。
  2. 前記導電部材片が、円を周方向に等分した扇形状をなすとともに、前記導電部材片のそれぞれが同心状に配置されている請求項1に記載の誘導加熱補助具。
  3. 前記導電部材片が、周方向に隣接する前記導電部材片と接触しないように、スリット状の離間部が形成されるように配置されている請求項1〜2のいずれか1項に記載の誘導加熱補助具。
  4. 前記誘導補助層に重ねて誘電層を積層し、被誘導加熱対象物との間に前記誘電層が介在するようにしてなる請求項1〜3のいずれか1項に記載の誘導加熱補助具。
  5. 下位に位置する前記誘導補助層において周方向に隣接する前記導電部材片の両方に跨って、上位に位置する前記誘導補助層における一つの前記導電部材片が重なるように、
    前記誘導補助層を二層以上積層してなる請求項1〜4のいずれか1項に記載の誘導加熱補助具。
  6. 前記導電部材片が、円を周方向に等分した扇形状をなすとともに、前記導電部材片のそれぞれが同心状に配置され、
    かつ、上位に位置する前記誘導補助層における前記導電部材片の半径が、直下に位置する前記誘導補助層における前記導電部材片の半径以下となっている請求項5に記載の誘導加熱補助具。
  7. 前記誘導補助層の各層間に、誘電層を積層させた請求項4〜5のいずれか1項に記載の誘導加熱補助具。
  8. 導電性の金属箔からなる複数の導電部材片を、周方向に沿って一定距離だけ離間させ、互いに非接触で配置してなる誘導補助層を少なくとも一層以上備えるとともに、
    発熱層が、直下に位置する前記誘導補助層を形成する導電部材片の全てに重なるように積層されていることを特徴とする誘導加熱発熱体。
  9. 前記誘導補助層と前記発熱層との間に、誘電層を介在させた請求項8項に記載の誘導加熱発熱体。
  10. 導電性の金属箔からなる複数の導電部材片を、周方向に沿って一定距離だけ離間させて、互いに非接触で配置してなる誘導補助層を少なくとも一層以上備えるとともに、
    発熱層が、直下に位置する前記誘導補助層を形成する導電部材片の全てに重なるように積層されており、
    前記発熱層の周囲には、前記発熱層を囲繞する収容部が立設されていることを特徴とする誘導加熱容器。
  11. 前記誘導補助層のうち、記収容部の外方に位置する部分を折り畳み可能とした請求項10に記載の誘導加熱容器。
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