JP4848792B2 - 誘導加熱装置 - Google Patents

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本発明は、一般家庭やオフィス、レストラン、工場などで使用される誘導加熱装置に関するものであり、さらに詳しくは誘導加熱調理器や、誘導加熱式湯沸かし器、誘導加熱式アイロン、またはその他の誘導加熱式加熱装置などに関するものである。
従来、この種の誘導加熱装置として、例えば、誘導加熱調理器に関して図を用いて説明する。
図7は、従来の誘導加熱調理器を示す断面図である。図7に示すように、6は略平面渦巻き状に巻かれた加熱コイル、11は加熱コイル6を配設する加熱コイル支持部、2は耐熱絶縁材からなるトッププレート、3はトッププレート2に載置され、加熱コイル6から発生する高周波磁界によって誘導加熱される被加熱物である。
加熱コイル6は、内周側と外周側に分割して同心円状に巻かれており、中央の開口部には、サーミスタからなる第1の温度検知手段13が配置されている。また、内周側加熱コイル6aと外周側加熱コイル6bの空隙には、同じくサーミスタからなる第2の温度検知手段14が配置されている。
第1及び第2の温度検知手段13、14は、トッププレート2の加熱コイル6側の面に当接させられており、被加熱物3の温度をトッププレート2の伝熱を介して間接的に検知している。
図8は、加熱電力分布を示した図である。加熱コイル6中心部では加熱電力が小さいために、比較的、被加熱物3の温度上昇が遅い。しかしながら、加熱コイル6に対向する部分は加熱電力が大きいため、被加熱物3の温度上昇が早い。
使用者が被加熱物3を加熱したまま放置すると、被加熱物3の異常昇温が生じるが、第1の温度検知手段13に加え、加熱電力が大きい部分に第2の温度検知手段14を配置しているため、速やかに異常昇温を検知することができる。
また、小さい径の鍋3を使用した場合や、鍋3が加熱コイル6の中央からずれて載置された場合等でも精度よく温度検知できるように、第1の温度検知手段13及び第2の温度検知手段14の検知温度を比較し、温度の高い方の温度検知手段により温度制御する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2005−347046号公報
しかしながら、前記従来の技術では、内周側加熱コイル6aと外周側加熱コイル6bに分割されており、同心円状に開口部が生じる。
例えば、加熱コイル6中央に配置される第1の温度検知手段13の他に、複数の温度検知手段を設け、さらに冷却条件、被加熱物3の載置条件を鑑みて、複数の温度検知手段を加熱コイル6の異なる径位置に配置すると、加熱コイル6が複数分割された状態となって開口部面積が大きくなる。
加熱コイル6の開口部面積が大きくなると、加熱コイル6特性も変化する。一般に、開口部面積が大きくなると、加熱コイル6インダクタンス(Ls)及び加熱コイル6からみた被加熱物3抵抗(Rs)が低下する。
加熱コイル6に高周波電流を供給するインバータ(図示せず)設計には、Ls及びRsが重要なパラメータであり、所定のLs、Rsを維持しようとすると、加熱コイル6巻き数や形状の検討が必要となる。
また特にアルミニウムなどの低抵抗かつ低透磁率の材質からなる被加熱物3を加熱する際には、その材質の特徴から被加熱物3内部に誘導電流を誘起させても、ジュール熱が発生しにくい。そのため、加熱コイル6から発生する高周波磁界の周波数を上げて、被加熱物3の高周波抵抗を上げてジュール熱を発生しやすくしたり、加熱コイル6巻き数を増加させて高周波磁界強度を上げる対策が取られる。
アルミニウムなどの被加熱物3であった場合、加熱コイル6の状態に非常に影響されやすいため、加熱コイル6開口部面積が大きければ、Ls、Rsが大きく変化し、インバータ設計が困難となる。
さらに、加熱コイル6サイズには制限がある中で、加熱コイル6巻き数を増加させるため、多層巻きする必要がある。しかしながら、開口部面積が大きければ、必要となる巻き数を維持すると、さらに加熱コイル6を多層にする必要が生じる。その結果、加熱コイル6高さが高くなり、加熱コイル6と被加熱物3との距離が離れ、加熱効率の低下にもつながるという課題を有していた。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、精度のよい温度検知を可能にするとともに、インバータ設計の容易な誘導加熱装置を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明の誘導加熱装置は、巻線を第1のコイル開口部の周囲に巻回し面状に形成されるとともに、前記巻線を部分的に外側に湾曲させて形成された第2のコイル開口部を1つ有し被加熱物を誘導加熱する加熱コイルと、前記第2のコイル開口部を通して直接的又は間接的に前記被加熱物の温度を検知する温度検知手段と、前記加熱コイルに高周波電流を発生させるインバータと、前記温度検知手段の検知結果に基づき前記インバータの出力制御を行う制御手段とを備えたものである。
このような開口部は、温度検知手段を配置するのに必要な開口を減少させたものであるため、Ls、Rsに与える影響を非常に少なくすることが可能である。従って、温度検知手段の配置に関わらずインバータ設計を容易に行うことができる。
また、温度検知手段を加熱コイル間に1つ若しくは複数配置しても開口部面積の増加を抑えることが可能であるため、加熱電力分布や被加熱物の載置状態を鑑みて自由度高く配
置することが可能であり、精度よく被加熱物の温度を検知し、安全で使い勝手のよい誘導加熱装置を提供することができる。
本発明の誘導加熱装置は、精度のよい温度検知を可能にするとともに、インバータ設計の容易な誘導加熱装置を提供することができる。
第1の発明は、巻線を第1のコイル開口部の周囲に巻回し面状に形成されるとともに、前記巻線を部分的に外側に湾曲させて形成された第2のコイル開口部を1つ有し被加熱物を誘導加熱する加熱コイルと、前記第2のコイル開口部を通して直接的又は間接的に前記被加熱物の温度を検知する温度検知手段と、前記加熱コイルに高周波電流を発生させるインバータと、前記温度検知手段の検知結果に基づき前記インバータの出力制御を行う制御手段とを備え誘導加熱装置とするものである。
このような開口部は、温度検知手段を配置するのに必要最小限の開口を設けたものであるため、Ls、Rsに与える影響を非常に少なくすることが可能である。従って、温度検知手段の配置に関わらずインバータ設計を容易に行うことができる。
また、温度検知手段を加熱コイル間に1つ若しくは複数配置しても開口部面積の増加を抑えることが可能であるため、加熱電力分布や被加熱物の載置状態を鑑みて自由度高く配置することが可能であり、精度よく被加熱物の温度を検知し、安全で使い勝手のよい誘導加熱装置を提供することができる。
第2の発明は、特に第1の発明において、前記加熱コイルを2つ備え、前記2つの加熱コイルは、一方の加熱コイルの巻き軸中心から他方の加熱コイルの巻き軸中心への方向に対して、前記一方の加熱コイルの前記第2のコイル開口部が+135度〜−135度の範囲内に配置されるように設けられた誘導加熱装置とするものである。
加熱コイルに第2のコイル開口部を設けた場合、加熱コイルの巻き軸中心から見て第2のコイル開口部が設けられている方向は、他の外周部に比べて加熱コイル外径が広がる。そのため、加熱コイルの巻き軸中心からみて第2のコイル開口部が設けられている方向が、隣接した加熱コイルの巻き軸中心同士を相互に結ぶ直線に対して+135度よりも大きく、又は、−135度よりも小さく設定されていれば、絶縁性能を保持するために、加熱コイルと筐体間の距離を加熱コイル外径が広がった分だけ狭める必要がある。
その結果、筐体内部に収納されている他の加熱コイルとの中心間距離が近くなる。その場合、被加熱物を複数載置すると、被加熱物同士が接近して干渉し、取り回しに不便である。
本発明では、第2のコイル開口部を有する加熱コイルの巻き軸中心と隣接した加熱コイルの巻き軸中心とを相互に結ぶ直線に対して、第2のコイル開口部が第2のコイル開口部を有する加熱コイル巻き軸中心からみて、隣接した加熱コイルの巻き軸中心方向を0度として、+135度〜−135度の範囲に向かうよう配置されるため、複数の加熱コイル間距離が近くなることがなく、被加熱物を取り回しやすい。
第3の発明は、特に第1又は第2の発明において、前記加熱コイルを載置する支持部と、前記支持部に突設された円筒部とを備え、前記加熱コイルを前記支持部に載置すると前記円筒部先端が前記第2のコイル開口部嵌合する誘導加熱装置とするものである。
加熱コイルに第2のコイル開口部を設けた、加熱コイル巻き軸中心からみて第2のコイル開口部が設けられている方向は、他の外周部に比べて加熱コイル外径が広がる。そのため、加熱コイル巻き軸中心に対して非軸対称形状となる。
加熱コイルを台に設置する際、非軸対称である加熱コイルの位置を決めて取り付けるのが困難である。また、支持部は、加熱コイルの位置ずれを防止するような構成であることが望ましい。
本発明によれば、第2のコイル開口部が円筒部に嵌合するように加熱コイルを台に設置することにより、取り付け時の位置決めが容易になり、かつ加熱コイルずれ防止を可能にする。
さらに、円筒部が高電圧となる加熱コイルと温度検知手段との絶縁手段としての役割を果たすことが可能であり、高電圧の影響を抑えつつ、温度検知を行うことができる。
第4の発明は、特に第1から第3の発明において、前記温度検知手段は赤外線センサーを有し、前記赤外線センサーは、前記第2のコイル開口部の下方に設けられ、第2のコイル開口部通過する赤外線を検知する誘導加熱装置とするものである。
本発明によれば、被加熱物の温度に応じて発せられる赤外線を検知することにより、熱伝達、熱伝導に頼ることなく、応答速度が速く、精度よく被加熱物温度を検知することが可能である。
第5の発明は、特に第1から第4の発明において、前記加熱コイルは、アルミニウムと同等以上の導電率を有する非磁性体を誘導加熱するために使用される誘導加熱装置とするものである。
被加熱物がアルミニウムと略同等又はそれ以上の導電率を有する非磁性体であった場合、加熱コイルからみたRsも低くなるため、誘導電流によるジュール熱を得ることが難しい。従って、所定の加熱出力を得るためには加熱コイルから発生する磁界強度を高める必要がある。
発生する磁界強度を高めるためには、加熱コイルの巻き数の増加が非常に効果的である。このとき同時に、従来手法に従って加熱コイルの内周―外周間に温度検知手段を設けた場合には、加熱コイル厚みが大きくなり、加熱効率の低下につながる。
特に被加熱物が高導電率の非磁性金属であった場合には、加熱コイルの厚みの変化、加熱コイル−被加熱物間の距離などによって大きく加熱効率やLs、Rsが変化するため、温度検知手段を設けることで生じる影響を可能な限り抑えなければならない。
本発明では、温度検知手段を設けた際の加熱コイル形状の変化を抑えることで、Rsの変化を抑制し、被加熱物が高導電率非磁性体であった場合にも効率よく誘導加熱することを可能にし、かつ被加熱物の温度を精度よく検知することができる。
第6の発明は、特に第の発明において、前記加熱コイルは巻線端子部を有し、前記巻線端子部は、前記第2のコイル開口部から見て、前記温度検知手段と前記巻き軸中心とを結ぶ直線に直交する直線より向こう側に設けられる誘導加熱装置とするものである。
特に高導電率非磁性金属からなる被加熱物を誘導加熱する場合、加熱コイルの巻き数を増加させたり、加熱コイルに供給する高周波電流を増加させる必要が生じる。その結果、
特に加熱コイルの巻線端子間は、過大な電圧が発生する。
温度検知手段は一般に数V程度の検知出力信号をしかるべき回路へ伝達する。そのため、加熱コイルの巻線端子で発生する高電圧の影響を受けやすい。
本発明では、加熱コイルの巻線端子部を温度検知手段から遠い方向から引き出して構成しているために、温度検知手段出力に対する加熱コイルの巻線端子で発生する高電圧の影響を抑制することが可能である。
第7の発明は、特に第2の発明において、前記2つの加熱コイルのおのおのは、前記加熱コイルを載置する支持部と、前記支持部に設けられ前記加熱コイルの巻線端子部と前記加熱コイルに電力を供給する回路とを接続するための端子台とを備え、前記端子台は、前記2つの加熱コイルの巻き軸中心を結ぶ直線に対して前記第2のコイル開口部が設けられる側とは反対側の、前記巻き軸中心から前記直線と略直角な方向から+45度〜−45度の範囲内に設けられる誘導加熱装置とするものである。
加熱コイルの巻き軸中心から見て第2のコイル開口部が設けられている方向は、他の外周部に比べて加熱コイル外径が広がるのと同様に、端子台が設けられている方向についても、支持部、端子台を含めた加熱コイルユニット外径が広がる。
また、加熱コイル巻線端子部は大電流が流れるため、比較的形状が大きくなるが、端子部を配設する端子台はさらに形状が大型になる。そのため、端子台は加熱コイルユニットから大きく張り出す部分であり、隣接する加熱コイルへ向かって設けられた場合、隣接する加熱コイル間の絶縁距離を確保することが難しくなる。
本発明では、端子台を第2のコイル開口部と反対側で、かつ加熱コイル巻き軸中心から見て略+45度〜−45度の範囲に向かうよう設けているため、隣接する加熱コイル間の絶縁と、筐体−加熱コイル間の絶縁を確保し、隣接する加熱コイル間距離が近くなることがなく、被加熱物を取り回しやすい。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における誘導加熱装置を示すものであり、特に誘導加熱調理器の要部の概略断面図である。
図1において、外郭を構成する略矩形状の本体1の上部に、絶縁体であり、耐熱セラミックス製のトッププレート2が設けられている。
アルミニウム若しくは銅またはこれらと略同等以上の電気伝導率を有する低透磁率材料からなる被加熱物3は、トッププレート2上に載置される。
本体1とトッププレート2からなる誘導加熱調理器内部には、高周波スイッチングによって高周波電流を発生させるインバータ4が設けられている。
また、インバータ4には、加熱コイル6が接続されており、インバータ4から高周波電流の供給を受けて、高周波磁界を発生させ、加熱コイル6上面に対向してトッププレート2上に配設される被加熱物3を誘導加熱する。
インバータ4には、さらに制御手段7が接続されている。制御手段7は、入力電流検知やインバータ出力検知を行いつつ、使用者が設定した加熱出力となるよう、インバータ4の出力制御を行う。
素線を束ねた巻線5を第1のコイル開口部8の周囲に巻回し面状に形成される加熱コイル6は、トッププレート2の下方に設けられていて、形状は、図2に示すように、内径80mm、外径180mm、厚み約8mmの略ドーナツ形状をなしている。
本実施の形態では、加熱コイル6の巻き数は43ターンであるが、前記形状に成形するために、3段―2段を繰り返す多層巻きとなっている。
加熱コイル6には、第2のコイル開口部9が設けられていて、第2のコイル開口部9中心は、加熱コイル6中心から約50mmの位置で、その開口直径は約20mmとなっている。
第2のコイル開口部9は、加熱コイル6作成時に所定の形状をした治具を挟み込んで、隣り合って巻回される巻線5の間に外側の巻線5を部分的に湾曲させて形成されるものである。このため、加熱コイル6は、加熱コイル6中心からみて第2のコイル開口部9方向の外周部がふくらんだ形状をしていて、中心から外周までの距離は約110mmとなっている。
一般に、加熱コイル6第2のコイル開口部9面積が大きくなると、加熱コイル6特性も変化する。具体的には、加熱コイル6インダクタンス(Ls)及び加熱コイル6からみた被加熱物3抵抗(Rs)が低下する。
一例として、図3に加熱コイル6を略ドーナツ形状に形成し、最内周部と最外周部間にコイル開口部を設けない場合、最内周部と最外周部間に同心円状にコイル開口部を設けて、内周側加熱コイルと外周側加熱コイルに分割した場合、本実施の形態で示すように第2のコイル開口部9を設けた場合の、Ls、Rsを示す。
図3に示すように、同心円状に開口部を設けた場合、同じ加熱コイル6巻き数であっても、Ls、Rsが変化していることが分かる。一方で、第2のコイル開口部9を設けた場合と、開口部を設けない場合は、ほとんど特性に差がない。
加熱コイル6に高周波電流を供給するインバータ4設計には、Ls及びRsが重要なパラメータであり、所定のLs、Rsを維持しようとすると、加熱コイル6巻き数や形状の検討が必要となるため、開口部に関わらず、Ls、Rsが変化しないことが望ましい。
また特にアルミニウムと略同等又はそれ以上の導電率を有する非磁性体金属からなる被加熱物3を加熱する際には、その材質の特徴から被加熱物3内部に誘導電流を誘起させても、ジュール熱が発生しにくいため、加熱コイル6から発生する高周波磁界の周波数を上げて、被加熱物3の高周波抵抗を上げてジュール熱を発生しやすくしたり、加熱コイル6巻き数を増加させて高周波磁界強度を上げる対策が取られる。
本実施の形態では、加熱コイル6に接続される共振コンデンサ(図示せず)の容量設計により、加熱コイル6に流れる高周波電流周波数を約90kHzになるようにしている。これは、一般の鉄系の被加熱物3のみを加熱する誘導加熱調理器に比べて、約4倍の周波数となっている。
さらに本実施の形態では、加熱コイル6巻き数を43ターンとしており、一般の鉄系の
被加熱物3のみを加熱する誘導加熱調理器に比べて、約2倍となっている。
アルミニウムなどの被加熱物3であった場合、特に加熱コイル6の状態に非常に影響されやすいため、Ls、Rsが大幅に変化して、インバータ4設計が困難となる。
Ls、Rsを一定に保つため、加熱コイル6サイズには制限がある中で、加熱コイル6巻き数を増加させると、さらに多層巻きする必要がある。しかしながら、加熱コイル6高さが高くなり、加熱コイル6と被加熱物3との距離が離れ、加熱効率の低下にもつながる。
本実施の形態で示すような第2のコイル開口部9は、温度検知手段を配置するのに必要最小限の開口を設けたものであるため、Ls、Rsに与える影響を非常に少なくすることが可能である。従って、温度検知手段の配置に関わらずインバータ4設計を容易に行うことができる。
また、図1において、棒状のフェライト10は、加熱コイル6面と略並行に配置されており、特にその両端を、トッププレート2へ向けて上方垂直に折り曲げた形状となっている。
加熱コイル6及びフェライト10は、樹脂を成形した支持部11に接着されて設置されている。
支持部11には支持面に略鉛直方向に突設された円筒部12を備えており、円筒部12形状は高さ約9mm、内径約17mm、外径約19mmである。これは、図4に示すように、円筒部12先端が第2のコイル開口部9内部に嵌合するように支持部11に配置されている。
加熱コイル6中心からみて第2のコイル開口部9が設けられている方向は、他の外周部に比べて加熱コイル6外径が広がっているため、加熱コイル6中心軸に対して非軸対称形状となる。
加熱コイル6を支持部11に設置する際、支持部11が軸対称であると、非軸対称である加熱コイル6の位置を決めて取り付けるのが困難である。また、支持部11は、加熱コイル6の位置ずれを防止するような構成であることが望ましい。
本実施の形態では、第2のコイル開口部9が円筒部12先端に嵌合するように加熱コイル6を支持部11に設置することにより、取り付け時の位置決めが容易になり、かつ加熱コイル6ずれ防止を可能である。
支持部11には、サーミスタからなる第1の温度検知手段13及び第2の温度検知手段14が取り付けられている。
特に第1の温度検知手段13は、第1コイル開口部8からトッププレート2の加熱コイル6側の面に当接するよう配置されている。
また、第2の温度検知手段14は、第2のコイル開口部9に対向する被加熱物3の部分の温度を直接的又は間接的に測定するため、第2のコイル開口部9に嵌合される円筒部12内部を通してトッププレート2の加熱コイル6側の面に当接するよう配置されている。
以上のように構成された誘導加熱装置について、以下その動作、作用を説明する。
第1の温度検知手段13及び第2の温度検知手段14は、トッププレート2を介して間接的に被加熱物3の温度を検知し、検知信号を制御手段7に出力する。制御手段7は、検知信号に基づいて被加熱物3温度を推定し、インバータ4出力制御を行う。
つまり、第1の温度検知手段13及び第2の温度検知手段14の検知結果に基づき、被加熱物3の温度を所定の温度に制御すべく加熱コイル6に供給する電力を可変制御する。
加熱コイル6の最内周部と最外周部のほぼ中間に対向する被加熱物3の部分は、他の部分に比べて加熱電力密度が高く、温度上昇が大きい。使用者がフライパンの予熱などのため、被加熱物3を誘導加熱させたまま放置した場合、被加熱物3の状態によっては急速に局部的な被加熱物3温度上昇が生じる。
しかしながら、加熱コイル6中央に設けられた第1の温度検知手段13に加えて、被加熱物3の加熱電力密度が高くなる部分に相当する位置に第2の温度検知手段14を備えているため、温度上昇が急速であっても、また局部的であっても精度よく検知することが可能である。
サーミスタからなる第2の温度検知手段14は、いわゆる小信号回路である。一方で、インバータ4から高周波電流を供給される加熱コイル6は、その両端電圧が非常に高電圧となっており、定格出力時には約3kVrms程度にもなる。
従って、第2の温度検知手段14と加熱コイル6間に十分な絶縁を施す必要があるが、本実施の形態では、円筒部12が高電圧となる加熱コイル6と第2の温度検知手段14との絶縁手段としての役割を果たすことが可能である。
また、図2に示すように、加熱コイル6巻線5端子部15と、加熱コイル6に電力を供給する回路(インバータ4)とを接続するための端子台16を備えた支持部11において、第2のコイル開口部9を有する加熱コイル6の巻線5端子部15を、第1の温度検知手段13及び第2の温度検知手段14の接続部17と略直角方向から略反対の方向の間で引き出している。本実施の形態では、具体的には略反対の方向となっている。
この配線引き回しによって、小信号回路である温度検知手段出力が、加熱コイル6端子部15に発生する高電圧の影響を受けにくくすることが可能である。
図5は、本体1に加熱コイル6を2つ設けた場合において、トッププレート2を外した状態で、本体1を上方からみた概略俯瞰図である。
隣接した加熱コイル6の巻き軸中心とを相互に結ぶ直線Aに対して、第2のコイル開口部9が加熱コイル6巻き軸中心からみて+135度〜−135度の範囲となる範囲A内の略直角方向に向かうよう配置されている。
さらに、端子台16を直線Aに対して第2のコイル開口部9と反対側で、加熱コイル6巻き軸中心からみて略直角+45度〜略直角−45度の範囲となる範囲B内の略直角方向に向かうよう設けられている。
図5に示すように、加熱コイル6中心からみて第2の開口部9が設けられている方向は、他の外周部に比べて加熱コイル6外径が広がっている。また、端子台16が設けられている方向も、加熱コイル6ユニット全体として外径が広がっている。
そのため、加熱コイル6又はユニット外径が広がっている方向が、本体1と干渉するよう配置した場合には、本体1との絶縁距離を保つため、隣接した加熱コイル6の中心間距離が近くなってしまう。
一方で、隣接する加熱コイル6と干渉するよう配置した場合には、加熱コイル6間での絶縁を確保することが難しい。
本実施の形態では、第2のコイル開口部9によって膨らんだ加熱コイル6外周部や、端子台16が相互又は本体などと干渉しないような配置とすることにより、隣接する加熱コイル6との中心間距離が近くならないよう、絶縁距離が確保されるよう配慮されている。従って、被加熱物3を複数載置しても、被加熱物3同士の接近、干渉を抑制し、取り回しが容易である。
また、第2のコイル開口部9は、第2の温度検知手段14形状によっても小さく構成することが可能であるため、加熱コイル6巻き軸中心から見た第2のコイル開口部9向きは比較的自由度が高く、隣接する加熱コイル6方向に向けても大きな問題は生じない。
しかしながら、加熱コイル6に供給する電流が大きいため、加熱コイル6巻線5端子部15を大きく設定する必要があり、端子台16形状も端子部15以上に大型となる。従って、端子台16が隣接する加熱コイル6方向に向けて配置された場合、絶縁距離の確保が困難である。
本実施の形態では、端子台16向きを直線Aに対して略直角+45度〜略直角−45度に限定することによって、隣接する加熱コイル6との干渉を抑制したものである。
なお、本実施の形態では、被加熱物3温度をトッププレート2を介して間接的に検知するサーミスタ方式の温度検知手段の例を挙げたが、これに限定するものではない。被加熱物3が温度に応じて放射する赤外線を受光して、非接触で温度検知を行う方式であってもよいし、トッププレート2に穴を設けて金属部品などで覆ったサーミスタを露出させ、被加熱物3に直接当接させる方式であってもよい。
また、本実施の形態では、第2のコイル開口部9及び第2の温度検知手段14が1つの場合を挙げたが、これに限定するものではない。本体1形状や冷却条件、被加熱物3の載置条件を鑑みて、第2のコイル開口部9を複数設け、対応する第2の温度検知手段14を設置してもよい。
冷却風の流れにくく、被加熱物3の温度が上がりやすい方向に第2のコイル開口部9及び第2の温度検知手段14を設置してもよい。さらに、トッププレート2幅を長くして被加熱物3を載置できる面積を大きくし、取り扱いを改善した誘導加熱調理器であれば、トッププレート2端部に被加熱物3が載置されることを配慮して、可能な限り第2のコイル開口部9及び第2の温度検知手段14をトッププレート2端部に近い位置に配置してもよい。
(実施の形態2)
図6は、本発明の実施の形態2における誘導加熱装置を示すものであり、特に誘導加熱調理器の要部の概略断面図である。構成は本発明の実施の形態1とほぼ同様であるため、異なる部分についてのみ説明する。
図6において、第2の温度検知手段14は、被加熱物3が温度に応じて放射する赤外線を受光して、非接触で温度検知を行う方式、つまり赤外線センサーを採用している。
赤外線センサー14は、支持部11の突設された円筒部12の下方に設置されており、その視野角が円筒部12先端を結ぶ角度内になるよう設定されている。
赤外線センサー14は非常に感度のよい温度検知手段であるため、外乱による影響を受けやすい。例えば、近傍に加熱コイル6をはじめとする高温部品が配置されている場合、輻射される熱によって赤外線センサー14出力精度が下がる可能性がある。
本実施の形態では、円筒部12を設けており、加熱コイル6からの直接の影響を抑制する構成であるため、赤外線センサー14は精度よく被加熱物3温度を検知することが可能である。
また、円筒部12内壁を鏡面加工する、単一色で塗装するなどの加工により、赤外線センサー14精度を向上させることが可能である。
以上のように、本発明にかかる誘導加熱装置は、精度のよい温度検知を可能にするとともに、インバータ設計の容易な誘導加熱装置を提供することができるので、誘導加熱調理器としてはもちろんのこと、誘導加熱式湯沸かし器、誘導加熱式アイロン、またはその他の誘導加熱式加熱装置としても有用である。
本発明の実施の形態1における誘導加熱装置の要部概略断面図 同誘導加熱装置の加熱コイル6周辺概略構成図 各種形状の加熱コイル6における電気的特性比較図 本発明の実施の形態1における誘導加熱装置の支持部11及び円筒部12と、加熱コイル6の位置関係を示す図 同誘導加熱装置の加熱コイル6配置を示した俯瞰図 本発明の実施の形態2における誘導加熱装置の要部概略断面図 従来の誘導加熱装置の要部概略断面図 同誘導加熱装置の加熱電力分布を示す図
3 被加熱物
5 巻線
6 加熱コイル
8 第1のコイル開口部
9 第2のコイル開口部
11 支持部
12 円筒部
13 第1の温度検知手段
14 第2の温度検知手段
15 端子部
16 端子台

Claims (7)

  1. 巻線を第1のコイル開口部の周囲に巻回し面状に形成されるとともに、前記巻線を部分的に外側に湾曲させて形成された第2のコイル開口部を1つ有し被加熱物を誘導加熱する加熱コイルと、前記第2のコイル開口部を通して直接的又は間接的に前記被加熱物の温度を検知する温度検知手段と、前記加熱コイルに高周波電流を発生させるインバータと、前記温度検知手段の検知結果に基づき前記インバータの出力制御を行う制御手段とを備え誘導加熱装置。
  2. 前記加熱コイルを2つ備え、前記2つの加熱コイルは、一方の加熱コイルの巻き軸中心から他方の加熱コイルの巻き軸中心への方向に対して、前記一方の加熱コイルの前記第2のコイル開口部が+135度〜−135度の範囲内に配置されるように設けられた請求項1に記載の誘導加熱装置。
  3. 前記加熱コイルを載置する支持部と、前記支持部に突設された円筒部とを備え、前記加熱コイルを前記支持部に載置すると前記円筒部先端が前記第2のコイル開口部嵌合する請求項1または2に記載の誘導加熱装置。
  4. 前記温度検知手段は赤外線センサーを有し、前記赤外線センサーは、前記第2のコイル開口部の下方に設けられ、第2のコイル開口部通過する赤外線を検知する請求項1〜3のいずれか1項に記載の誘導加熱装置。
  5. 前記加熱コイルは、アルミニウムと同等以上の導電率を有する非磁性体を誘導加熱するために使用される請求項1〜4のいずれか1項に記載の誘導加熱装置。
  6. 前記加熱コイルは巻線端子部を有し、前記巻線端子部は、前記第2のコイル開口部から見て、前記温度検知手段と前記巻き軸中心とを結ぶ直線に直交する直線より向こう側に設けられる請求項に記載の誘導加熱装置。
  7. 前記2つの加熱コイルのおのおのは、前記加熱コイルを載置する支持部と、前記支持部に設けられ前記加熱コイルの巻線端子部と前記加熱コイルに電力を供給する回路とを接
    続するための端子台とを備え、前記端子台は、前記2つの加熱コイルの巻き軸中心を結ぶ直線に対して前記第2のコイル開口部が設けられる側とは反対側の、前記巻き軸中心から前記直線と略直角な方向から+45度〜−45度の範囲内に設けられる請求項2に記載の誘導加熱装置。
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