JP3888190B2 - 誘導加熱装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、一般家庭やオフィス、レストラン、工場などで使用される誘導加熱装置に関するものであり、さらに詳しくはアルミニウムや銅といった低透磁率かつ高電気伝導率なる特性の材料でできた被加熱物を加熱する誘導加熱調理器、誘導加熱式湯沸かし器、誘導加熱式アイロン、またはその他の誘導加熱式加熱装置等で、特にアルミニウムを加熱可能とする誘導加熱装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
以下従来の誘導加熱装置として、誘導加熱コイルから高周波磁界が発生し、電磁誘導による渦電流で鍋等の被加熱物が加熱される誘導加熱調理器を図13を用いて説明する。
【0003】
図13において1は鍋形状をした被加熱物である。2は加熱コイルで、図示しない高周波インバータから高周波電流を供給され高周波磁界を発生し、被加熱物1に磁界を照射する。3はフェライトなどの高透磁率の磁性体で、加熱コイル2からの高周波磁界を効率よく被加熱物1に伝達するために設けている。4は絶縁体で、具体的にはセラミック材の厚み4mmなるプレートであり、被加熱物1が載置される。
【0004】
また、絶縁体4の裏面には、コンデンサ7を介してアースあるいは整流器の入力または出力電位に接続されたカーボン製の導電性塗膜5が印刷され、さらに、加熱コイル2の周部にはリング状に加工された磁気シールドリング6が設けられている。
【0005】
この構成において、加熱コイル2から高周波磁界が発生すると、底部に誘起した電磁誘導による渦電流のために被加熱物1が加熱される。また、導電性塗膜5の静電シールド作用により、加熱コイル2に発生する高周波高電圧と浮游容量によって加熱コイル2から人体を介して大地へと漏洩する漏れ電流が抑制される。また、磁気シールドリング6には、加熱コイル2から発生する高周波磁界により、誘導電流が発生しその誘導電流が反磁界を発生し結果的に加熱コイル2周囲に漏洩する磁界を抑制することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の構成において、被加熱物1の底面には電流が誘起され、この電流は加熱コイル電流との相互作用で被加熱物1の底に加熱コイル2から遠ざかろうとする反発力を生じる。一方被加熱物1が鉄などの高透磁率材料で、抵抗率がある程度大きい鉄製である場合には、所定の出力を得ようとする場合に、誘導される電流値が少なくてよく上記の反発力が小さいと同時に、磁束が被加熱物1に吸収されるので吸引力が働き、被加熱物1が浮き上がったりずれたりする恐れはなかった。
【0007】
一方、特に被加熱物1がアルミニウムや銅といった低透磁率かつ高電気伝導率なる材料製である場合には、所定の加熱出力を得るために加熱コイル2に流す電流を大きくして被加熱物1に電流を多く流す必要があり、反発力が大きくなると同時に、被加熱物1が鉄などの高透磁率材料である場合のような吸引力が働かない。従って、加熱コイル2の磁界と誘導電流の作用により被加熱物1に加熱コイル2から遠ざかる方向に浮力が強く働き、被加熱物1の重量が軽い場合には、被加熱物1が浮力によりずれたり、被加熱物1の戴置面からの浮きが生じるおそれがある。
【0008】
図15にこの時の加熱コイル2の電流の流れと被加熱物1に流れる渦電流のマクロ的な流れを示す。図15(ア)は加熱コイル2に流れる電流の向きを被加熱物1側からみた図である。同図(イ)は、被加熱物1に流れる渦電流を加熱コイル2と逆側((ア)と同方向側)から見た図である。図に示すように被加熱物1に流れる渦電流は加熱コイル2に流れる電流と逆向きかつ略同形状のループ状で流れる。従って同じ断面積(略加熱コイル2の面積)の永久磁石2つが異極(例えばN極とN極)で存在することとほぼ等価になって、大きな反発力となるものである。
【0009】
この現象は、被加熱物1の材料がアルミニウムや銅である場合に顕著である。すなわち同じ低透磁率材料であっても、非磁性SUSのようなアルミニウムや銅よりも電気伝導率が低い材料の場合は、加熱コイル2に流す電流が少なくても十分な発熱が得られるので、被加熱物1に誘導される電流が発生する反発磁界が小となるものである。図14に、アルミニウムで作られた被加熱物1を加熱時の入力電力と浮力の相関の一例を示す。図14のグラフにおいて、横軸は入力電力で、縦軸は浮力で示している。この図で分かるように、入力電力の増加に伴い、浮力も増加し、その浮力が被加熱物1の重量を超えると、被加熱物1のずれ、浮き等が生じることになる。
【0010】
こういった背景から昨今、特開昭61−128492号公報や、特開昭62−276787号公報で開示されているような重量センサを用いて被加熱物の移動を検出する技術、特開昭61−71582号公報で開示されているような磁気センサを用いて被加熱物1の位置を検出する技術、さらに特開平4−765633号公報で開示されているような共振周波数検出手段を用いて被加熱物1が浮力により移動したことを検出する技術等が開示されている。
【0011】
しかしながら、いずれの技術も被加熱物1に所定以上の浮力が作用したこと、あるいは被加熱物1が浮いたあるいは移動したことを検出した場合に、それ以上浮かないように、あるいは移動しないように被加熱物1を加熱するための加熱電力を抑制したりあるいは加熱動作そのものを停止するものであり、このような場合には、十分な火力が得られず、更には調理動作の継続が中断されるという状況に陥ってしまうという課題があった。
【0012】
例えば、質量300gのアルミニウム製の雪平鍋で、200ccの水を加熱する場合、図14より約850W以上の入力電力で浮力が鍋と調理物(水)の合計質量を上回り、鍋が浮き上がってこの電力以上の入力電力で加熱することが困難となる。従って上記従来の方式においては、例えばアルミ負荷鍋と検知した場合に鍋の浮き上がる入力電力以下、例えば800Wに入力電力を抑制することが鍋浮きを生じない様にするための対策手段として想定できるが、発明者らの実験によれば、この様な入力電力で加熱しても上記の水を沸騰状態にすることは困難であり、アルミニウム製の鍋を加熱できる誘導加熱調理器としては加熱性能が極めて低いものとなる(入力1000W程度であれば200ccの水は沸騰状態とすることは可能であるが加熱速度は遅い)。
【0013】
そこで本発明は、上記従来の課題を解決するもので、簡単な構成で被加熱物に働く浮力を低減し、被加熱物が軽量であっても十分な入力電力を確保できる、使い勝手の良い誘導加熱調理器、あるいはアルミニウム製の負荷を安定的に加熱することのできる誘導加熱装置を実現することを主たる目的とし、さらには加熱コイル2に高周波電流を供給する高周波回路のスイッチング素子の損失を同時に低減することを目的としたものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
前記従来の課題を解決するために、本発明の誘導加熱装置は、アルミニウム若しくは銅又はこれらと略同等以上の電気伝導率を有する低透磁率材料からなる被加熱物と、加熱コイルとの間に電気導体を設け、この電気導体は、加熱コイルの等価直列抵抗(被加熱物及び電気導体を加熱状態と同様の位置配置で、加熱周波数近傍の周波数を使用して測定した加熱コイルの入力インピーダンスにおける等価直列抵抗(以下単に加熱コイルの等価直列抵抗と呼ぶ)を前記電気導体が存在しない場合の前記加熱コイルの等価直列抵抗に比べて大きくするものである。
【0015】
このような電気導体は、同一出力を得る場合の加熱コイルに流れる電流を低減して、加熱コイルの発生する磁界と前記被加熱物に誘導される誘導電流の作用により前記被加熱鍋に対して働く浮力を低減する浮力低減機能を有する。この結果アルミニウム若しくは銅又はこれらと略同等以上の電気伝導率を有しかつ低透磁率材料からなる被加熱物を加熱した時に浮き上がったりずれたりするのを防止するとともに、加熱コイルに高周波電流を供給するスイッチング素子や共振コンデンサ等の部品の損失を低減することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の誘導加熱装置は、アルミニウム若しくは銅又はこれらと略同等以上の電気伝導率を有する低透磁率材料からなる被加熱物を誘導加熱可能な加熱コイルと、前記加熱コイルと前記被加熱物との間に設けられた電気導体とを備え、前記電気導体は前記加熱コイルに対向して前記被加熱物を配置した時の前記加熱コイルの等価直列抵抗を前記電気導体が存在しない場合の前記加熱コイルの等価直列抵抗に比べて大きくするとともに、前記加熱コイルの発生する磁界と前記被加熱物に誘導される誘導電流の作用により前記被加熱物に対して働く浮力を低減する浮力低減機能を有してなることにより、加熱コイルから発生する磁界は電気導体の影響を受けて向き及び強度分布が変わる。
【0017】
一方、電気導体がない場合には、加熱コイルから発生する高周波磁界は、加熱コイルから発生した磁界を相殺する様に被加熱物に誘導電流が誘起する。この結果、加熱コイル電流と方向が逆で平行な誘導電流が高電気伝導率の被加熱体に誘導され、その電流と加熱コイルから放射される磁界との相互作用により、被加熱体に浮力が発生する。
【0018】
しかしながら、当該電気導体が存在することにより、加熱コイルから発生する磁界は、電気導体と被加熱物に鎖交するため、両者に誘導電流電流を発生することになる。すなわち、電気導体に誘導された誘導電流の発生する磁界と被加熱物に誘導された電流の発生する磁界の重畳磁界が、加熱コイルの発生する磁界の変化を妨げるように電気導体及び被加熱物に誘導電流が流れることになる。
【0019】
つまり、被加熱物に誘導される電流の分布が、電気導体に誘導電流が発生することにより変わることになる。この電流分布の変化で、加熱コイルの等価直列抵抗が大きくなることにより、同一出力を得る場合の加熱コイルに流す電流値を小さくすることができ、被加熱物に作用する浮力が低減するとともに、電気導体が被加熱物に働くべき浮力の一部を分担することで被加熱物に作用する浮力が低減できることになるわけである。併せて、加熱コイル、加熱コイルを駆動する共振電流を発生するインバータに使用されるスイッチング素子、及び共振コンデンサ等の高周波部品のスイッチング損失を低減することができるという作用をも有するものである。
【0020】
そして、特に、電気導体は加熱コイルの一部または全部と対向し略板状に形成されてなる、加熱コイルから発生する磁界を被加熱物に到達する前に、当該電気導体に鎖交させ、電気導体に鎖交する磁束量を増加させて等価直列抵抗を大きくしやすい。電気導体は被加熱物よりも、加熱コイルに近く、加熱コイルとの磁気結合を良くできる。
【0021】
また、電気導体を迂回した磁束、通りぬけた磁束、及び電気導体の影響をあまり受けずに通過した磁束が被加熱物に到達することにより、被加熱物における誘導電流の分布範囲が変わる。この結果、加熱コイルの等価直列抵抗が増加し、加熱コイル電流低減作用及び被加熱物に働く浮力低減作用を大きくすることができる。ここで、電気導体の板の面積は大きいほど、また電気導体が加熱コイルに近いほど電気導体に加熱コイルの磁束が多く通過し、等価直列抵抗増加作用を大きくすることができることから、当該電気導体の表面積は、必要とする浮力低減効果を得るように、また、電気導体と加熱コイル間の距離、電気導体の発熱等の条件を考慮して決めれば良い。
【0022】
また、特に、電気導体は加熱コイルの中央またはその近傍を覆わないようにすれば、中央部またはその近傍を、加熱コイルから発生して被加熱物へ鎖交させる磁界の経路とすべく磁界をそこに集中させ、当該電気導体を付設することに伴う加熱効率の大幅な低下を抑制するものである。
【0023】
また、特に、電気導体内で、加熱コイル電流の流れる方向と略平行に周回して流れる誘導電流の分布を制限する周回電流制限手段を設けると、電気導体が加熱コイル電流により誘導加熱されて発熱する発熱量を抑制するとともに、電気導体の等価直列抵抗の増加作用を有するようにし、加熱コイル電流低減作用と被加熱物に働く浮力低減作用が得られるものである。
【0024】
また、特に、周回電流制限手段は、電気導体板の一部に切り欠き、開口、スリットを設けると、加熱コイルの発生する磁界により電気導体に誘導される電流の向き及び大きさを変え、被加熱物に作用する浮力の低減効果をある程度保持しながら、電気導体に発生する発熱量を低減することができる。例えば電気導体に誘導される上記周回電流は、スリットにより遮断することが可能なので発熱量を低減できる。ただ、その場合に被加熱物への浮力低減効果が低下する場合がある。スリットの形状、加熱コイルが鎖交する面積、電気導体の材質などにより、等価直列抵抗の大きさと電気導体の発熱量が異なるので、これらの要素の組み合わせで最適なものを選択して、浮力の低下効果をできるだけ大きく、電気導体の発熱量を許容できるようなレベルとする組み合わせを決定すれば良い。さらに、この電気導体は複数の電気導体に分離されないので組み立て時等の場合における取り扱いが容易である。
【0025】
請求項1に記載の発明は、特に、相互に間隔を設けて複数の電気導体を配置してなることにより、電気導体相互の間隔が加熱コイルの磁界により発生する電気導体における誘導電流(周回電流)を遮断するので、電気導体の誘導加熱による発熱量を抑制するとともに、加熱コイルで誘導される電流の分布を変え、加熱コイルの等価直列抵抗を大きくすることで、加熱コイル電流低減作用と被加熱物に働く浮力低減作用を得ることができるものである。
【0026】
請求項2に記載の発明は、特に、電気導体は、その厚みを加熱コイル電流により誘導される高周波電流の浸透深さよりも大としてなることにより、加熱コイルからの磁束の大部分が電気導体を通過しなくなるため、被加熱物に鎖交する磁界の向き及び誘導される誘導電流の向きの変更作用を確実に得ることができ、被加熱物に誘導される電流分布を変える作用を大きくし、浮力低減作用と、被加熱物を含めた加熱コイルの等価直列抵抗を増加させる作用を効果的に生じさせることができる。
【0027】
請求項3に記載の発明は、特に、電気導体は、低透磁率の材料で形成されてなることにより、磁束がその電気導体に吸収されにくく(被加熱物に到達しない磁束量が多くならない)、かつ電気導体に誘導された電流で磁界の向きが変更されるので、電気導体内を通過させ被加熱物に鎖交させるか、または電気導体を迂回させ被加熱物に鎖交させるかのいずれかの経路で、磁束を効率的に被加熱物に鎖交させることができ、加熱効率の低下を抑制しながら等価直列抵抗を大きくすることができる。
【0028】
請求項4に記載の発明は、特に、電気導体は、高電気伝導率の材料で形成されてなることにより、電気導体により多くの誘導電流が誘起されることで、誘導電流で磁界の向きや分布が変更される程度が大きくなり、被加熱物における誘導電流の分布の変化および、電気導体における電流の発生による、前記の等価直列抵抗を増加させる効果を大きくし、かつ電気導体自身の誘導電流による発熱を抑制することができる。
【0029】
請求項に記載の発明は、特に、加熱コイル下方に設けた高透磁率の磁性体を備え、前記磁性体は電気導体の外周外側で略被加熱物の方向に立ち上がる立ち上がり部を設けたことにより、加熱コイルから出た磁束が加熱コイル外側周囲に広がらないようにして効率良く被加熱物に磁束が鎖交するようにして加熱効率を高めるとともに、磁性体の立ち上がり部から出てその近傍で電気導体に直接突き当たる磁束量を減らし電気導体の過度の発熱を抑制するものである。
【0030】
請求項に記載の発明は、特に、電気導体は中央部に開口を設けるとともに、加熱コイルの被加熱物のない側に高透磁率の磁性体を設け、前記磁性体は電気導体の開口周部より中央側に略被加熱物方向に立ち上がる立ち上がり部を設けたことにより、効率良く被加熱物に磁束が鎖交するようにして加熱効率を高めるとともに、磁性体の立ち上がり部から出てその近傍で電気導体に直接突き当たる磁束量を減らし電気導体の過度の発熱を抑制するものである。
【0031】
請求項に記載の発明は、特に、加熱コイルを収納する本体と、前記加熱コイルと被加熱物との間に位置すべく前記本体に固定された絶縁体とを有し、電気導体は、前記絶縁体の前記被加熱物側に設けたことにより、電気導体と加熱コイル間の絶縁が絶縁体により確保できる。
【0032】
また、高電気伝導率かつ低透磁率の被加熱物を加熱する場合に当該電気導体を使用して浮力を低減し、加熱コイルを含め高周波の流れる電気部品の損失を低減するとともに、鉄製あるいは磁性ステンレス若しくは非磁性のステンレス製の被加熱物を加熱する場合には当該電気導体を取り除いて使用できるので、当該電気導体で消費される電力をなくし、被加熱物の加熱効率の低下を抑制することができる。
【0033】
請求項に記載の発明は、特に、電気導体に一体に設けられた付設物を有し、前記電気導体及び前記付設物の総重量を、それらが被加熱物と分離されて加熱コイルで加熱されても浮き上がらない重量としたことにより、電気導体及び付設物単体で加熱コイルにより加熱される状態となっても浮き上がったりしないので使用者に与える不安感をなくすことができる。
【0034】
また、その電気導体の浮力低減作用を十分大きくしておけば、どのような被加熱物をその上方に配置されても被加熱物が浮くことが無く安全である。
【0035】
また、被加熱物と電気導体を熱的に接続したことにより、電気導体の発熱を被加熱物へ伝達することが可能となり、電気導体自身が誘導加熱された結果発生する熱損失の一部を被加熱物に移動させることができ、電気導体自身の発熱による被加熱物の加熱効率の低下を抑制することができるものである。
【0036】
請求項に記載の発明は、電気導体は、被加熱物と機械的に接続されてなることにより、高電気伝導率かつ低透磁率材料製の被加熱物自身を誘導加熱すると同時に被加熱物への浮力の低減を行うことができ、さらに電気導体が被加熱物から分離されないので取り扱いが容易になる。
【0037】
請求項1に記載の発明は、特に、絶縁体の加熱コイル側に温度検出手段を有し、電気導体は前記絶縁体を介して前記温度検出手段と熱的に接続されてなることにより、被加熱物の底が平坦でない場合にも電気導体が被加熱物の裏面の熱を効率よく集めて温度検出手段に伝えることができるので、加熱コイル電流低減効果及び浮力低減効果を奏するとともに被加熱物の温度制御性能が良好となるものである。
【0038】
【実施例】
以下本発明の実施例について、図面を参照しながら説明する。
【0039】
(実施例1)
図1は、本発明の第1の実施例における誘導加熱装置(誘導加熱調理器)の加熱コイル21及びその周辺の構成を示す斜視図であり、図2は誘導加熱装置本体(図示せず)に収納された加熱コイル21と、前記本体上部に固定された天板28と、前記天板28に載置される被加熱物29を示す断面図である。
【0040】
図1及び図2において、加熱コイル21は素線を束ねた撚り線を2層にして平板状に巻回され、保持板22上部に載置される。保持板22は耐熱樹脂製で4本の略直方体をした棒形状の強磁性体であるファライトコア23b〜26bを加熱コイル21の下部に位置し、加熱コイル21の下面に略平行に、そしてそれらと一体的に成形されている。また、フェライトコア23b〜26bの両端にはフェライトコア23a〜26aとフェライトコア23c〜26cが接して設けられる。このためフェライトコアは全体として断面が被加熱物29に向けて開いたコの字状に形成される。保持板22はファライトコアの表面を覆うように(部分的に冷却のため覆っていない)成形され加熱コイル21と電気的に絶縁される構成になっている。
【0041】
加熱コイル21上部にはカーボン材料で形成された導電塗膜32がマイカ製の絶縁板30、31の間に形成されている。この導電膜32は端子33と接続され、さらにコンデンサ34を介して商用電源電位あるいは加熱コイル21に高周波電流を供給するインバータの入力する商用電源を整流した電位あるいは大地に接続される。
【0042】
電気導体27は、厚さが略1mmの材料がアルミニウムの板により形成され、製絶縁板31と天板28の間に設けられており、図1に示すように、外径及び内径が加熱コイル21のものとほぼ同じの略ドーナツ状をして、幅約6mmのスリット27aが外周から内周に渡って設けられている。電気導体27の位置は3箇所ある脚部27bと保持板22により規制される。
【0043】
電気導体27は中央に開口部37を設け、上部(被加熱物29側)から見て、外側の立ち上がり部であるフェライトコア23a〜26aの上端面は電気導体27の外周より外側に位置し、内側の立ち上がり部であるフェライトコア23c〜26cの上端面は開口37の周部より内側に位置している。サーミスタ35はホルダー36にはめ込まれて、天板28裏面に当接される。絶縁体である天板28は耐熱セラミックス製で、その上にアルミニウム製の被加熱物29が加熱コイル22に対向する様に載置される。
【0044】
以下上記実施例の動作を説明する。加熱コイル21には約70kHzの高周波電流が供給される。加熱コイル21は、高周波電流が供給されると磁界を発生するが、加熱コイル21下方では高透磁率材料であるフェライトコア23b〜26bがあり磁束がフェライトコアに集中するので、磁界が被加熱物29と反対側に膨らむのを防止できる。
【0045】
一方、加熱コイル21の上部に出た磁界は電気導体27に鎖交するので電気導体27に誘導電流が誘起される。電気導体27の厚みは約1mmで浸透深さ以上の厚みを有するので電気導体に鎖交した磁界の大部分はほとんど電気導体を通過せず外周側または内周側に迂回してから被加熱物29方向に導かれる。フェライトコア23a〜26a、23c〜26cは上方の被加熱物の方向に磁界を効率良く導く作用する。
【0046】
なお、フェライトコア23a〜23c、24a〜24c、またはフェライトコア25a〜25cはそれぞれ、別の3つのフェライトコアを接した状態で組み合わせて配置しているが、それぞれ略同形状となるように一体に成形しても開磁路であるので同様の効果が得られる。
【0047】
被加熱物29に誘起された誘導電流は加熱コイル21の発生する磁界分布と、電気導体27に誘起された電流の発生する磁界分布の重畳した磁界分布が被加熱物29に鎖交することにより発生するものである。このように、電気導体27が介在することにより、被加熱物29に誘導される電流分布が変化し、さらに電気導体27に発生する電流分布が加わるということから、加熱コイル21の等価直流抵抗が大きくなる。
【0048】
等価直列抵抗が大きくなると、同じ加熱コイル電流でも被加熱物29における発熱量が大きくなるので同一消費電力を得ようとする場合には加熱コイル電流を小さくすることができ、それに伴い浮力も低減することができる。
【0049】
図3に被加熱物がアルミニウム製の鍋の場合の消費電力と浮力の関係を、アルミニウム製の電気導体27がある場合(Bで示す)とその電気導体がない場合(Aで示す)について、また、図4には、消費電力と加熱コイル電流の関係を、電気導体27がある場合(Bで示す)と電気導体がない場合(Aで示す)について測定結果の一例をしめしている。ただし、インバータの共振周波数は約70kHzである。
【0050】
これらの測定結果によると、電気導体27を挿入することにより、等価直流抵抗(Rs)は1.09Ωから2.3Ωに増加し、消費電力が2kWに出力を設定した場合に、鍋に働いた浮力は約900gから約500gに低減するとともに、加熱コイル21の電流も約40Armsから約33Armsに低減した。また、加熱コイル21の電流の低減に伴いインバータを駆動するパワースイッチング素子の損失、加熱コイル21の損失も大幅に低減する。(なお、鉄系の被加熱物の場合には電気導体27を挿入することにより、加熱コイルの等価直列抵抗大きくするという作用はほとんど得られない。)また、電気導体27を設けることで、電気導体の損失が発生する。発明者らの実験によれば、消費電力が2kWであったとき、前記電気導体の損失は一例として約270Wと推定された。この時、加熱コイル21を含めた誘導加熱装置内部の損失は加熱コイル電流低減の作用により約210Wと推定された。このように、電気導体27を挿入することにより、その発熱による損失が発生するものの、内部損失が低減することにより、その差は約60Wと大幅な加熱効率の低下を防止することができる。
【0051】
また、図2のように電気導体27を天板28当接させて、電気導体27の熱を、熱伝導で天板28を介して被加熱物29に与えれば、前記の加熱効率の低下をカバーすることが可能である。このように、電気導体27の発熱による損失の増加は、機器全体の加熱効率でみれば、加熱コイル21の電流が低減するので、相当な部分が他の部分の損失低下で相殺される。
【0052】
また、電気導体27には、スリット27aを設けている。このスリット27aを設け無いほうが等価直流抵抗(Rs)を増加する作用が大きい。しかしながら、この場合には、電気導体27に誘導される電流量が多いため発熱量が極めて大きく加熱効率の低下も大きい。スリット27aを設けることで、このスリット27aを設けない場合より等価直流抵抗は小さくなるが、電気導体27に誘起される加熱コイル21の電流と逆方向の略平行な加熱コイル21の中心の周りを周回するように流れる周回電流が流れないようにし、分布の異なる誘導電流を電気導体27内に分布せしめるものである。これにより、電気導体27の発熱を抑制するとともに、等価直流抵抗を増加させる作用を生じさせるものである。
【0053】
導電膜32は加熱コイル22の上部に近接して設けられ、コンデンサ34を介して、商用電源電位、インバータの入力電位となる電源電流整流器の出力電位、またはアース電位に接続されるので加熱コイル21から使用者に漏洩するリーク電流を低減することができる。しかしながら、この導電膜32は膜圧が薄く電気伝導率も低いので、誘導電流の発生量が極めて少なく、加熱コイル21から発生する磁界の分布を変える作用はほとんどないので、電気導体27のような等価直列抵抗の増加作用、加熱コイル電流の低減作用、そして浮力低減作用はほとんど得られない。
【0054】
図5は、上記第1の実施例における電気導体の厚みと浮力に関する傾向である。加熱コイル21からの磁束を遮蔽する場合に必要な厚みは浸透深さ以上必要であり、本実施例の場合加熱コイル21に流れる電流の周波数は70kHzであり、材質をアルミニウムとした場合浸透深さはδ=0.3mm程度となる。従って電気導体27の厚み浸透深さ以上にすることにより、浮力低減の効果を大きく得ることが可能となる。発明者らは実験により、浸透深さよりもやや大きく約1mm程度にすると十分な浮力低減の効果が得られることを確認している。
【0055】
以上のように、本実施例によれば、アルミニウム製の被加熱物29を誘導加熱可能な加熱コイル21と被加熱物29との間に設けられた電気導体27を有し、電気導体27は加熱コイル21に対向して被加熱物29を配置した時の加熱コイル21の等価直列抵抗を大きくするとともに、加熱コイル21の発生する磁界が被加熱物29に対して働く浮力を低減する浮力低減機能を有してなるので、所定の消費電力を得ようとする場合に、加熱コイル電流値を低減することができ、被加熱物29に働く浮力を低減するとともに、スイッチング素子(図示せず)や加熱コイル21に発生する損失を低減して冷却が容易になり、アルミニウム、銅、または黄銅など高電気伝導率低透磁率の被加熱物29を加熱できる安全かつ低価格な誘導加熱調理器を提供することができる。
【0056】
また、電気導体27は、加熱コイル21をスリット27a部以外のほぼ全部に渡って上部で覆うように、すなわち、電気導体27は加熱コイル21における被加熱物29側の面の一部または全部と対向し板状に形成されてなることにより、加熱コイル21から発生する磁界の一部を被加熱物29に到達する前に、電気導体27に効率良く鎖交させ、電気導体27の周囲から迂回して被加熱物29に加熱コイル21に磁界を鎖交させることになる。電気導体27と加熱コイル21との間隔は、電気導体27と被加熱物29との間隔よりも小さく、電気導体27と加熱コイル21との磁気結合が良いので、電気導体27に鎖交する磁束量が大きくなり、電気導体27に誘導電流が分布し加熱コイル21の等価直列抵抗を大きくするという作用がある。
【0057】
また、加熱コイル21から出て、電気導体27を迂回した、通り抜けた、あるいは鎖交しなかった磁界が、被加熱物29に到達することにより、被加熱物29を誘導加熱するので、加熱コイル21の等価直列抵抗が増加し、加熱コイル電流低減作用と被加熱物に働く浮力低減作用を大きくすることができる。
【0058】
なお、本実施例では、加熱コイル21のほぼ全部と対向するように電気導体27の大きさを決めたが、電気導体27の板の面積は大きいほど、また電気導体27が加熱コイル21に近いほど電気導体27に加熱コイル21の磁束が多く通過し、等価直列抵抗増加作用を大きくすることができることから、電気導体27の表面積は、必要とする浮力低減効果を得るように、また、電気導体27と加熱コイル21間の距離、電気導体27の発熱等の条件を考慮して決めれば良い。
【0059】
また、電気導体27に開口37を設けて、加熱コイル21の中央部近傍を覆わないようにしたことにより、中央部近傍を、加熱コイル21から発生して被加熱物29へ鎖交させる磁界の経路とするよう集中させ、当該電気導体を付設することに伴う加熱効率の大幅な低下を抑制するものである。
【0060】
また、電気導体板27にスリット27aを設けてなることにより、加熱コイル21の発生する磁界により電気導体27に誘導される電流の向き及び大きさを変え、被加熱物29に作用する浮力の低減効果をある程度保持しながら、電気導体27に発生する発熱量を低減することができる。すなわち電気導体27に誘導される加熱コイル21に流れる電流と逆方向に流れる周回電流は、スリット27aにより遮断し電流分布を変えることが可能なので大電流の発生が無くなり、発熱量を低減できる。ただ、その場合に被加熱物29への浮力低減効果がある程度低下する。スリット27aの形状、加熱コイルが鎖交する面積、電気導体の材質などにより、等価直列抵抗の大きさと電気導体27の発熱量が異なるので、これらの要素の組み合わせで最適なものを選択して、浮力の低減効果をできるだけ大きく、電気導体27の発熱量を許容できるようなレベルとする組み合わせを決定すれば良い。さらに、この電気導体27は複数の電気導体に分離されないので組み立て時等の場合における取り扱いが容易である。
【0061】
また、電気導体27は、その厚みを加熱コイル電流により誘導される高周波電流の浸透深さよりも大としてなるので、電気導体27に誘導電流が十分多く発生し、加熱コイル21からの磁界が通過せず磁界分布を大きく変える作用が得られることにより、形状を工夫することにより上記の等価直列抵抗を増加させる作用を確実に得ることができるものである。
【0062】
また、電気導体27はアルミニウム製であるので、低透磁率であり磁束がその電気導体27に吸収されにくく(被加熱物に到達しない磁束量が多くならない)、かつ電気導体に誘導された電流で磁界の向きが変更されるので、電気導体27内を通過させ被加熱物29に鎖交させるか、または電気導体27を迂回させ被加熱物29に鎖交させるかのいずれかの経路で、磁束を効率的に被加熱物29に鎖交させることができ、加熱効率の低下を抑制しながら等価直列抵抗を大きくすることができる。
【0063】
また、電気導体27はアルミニウム製であり、高電気伝導率の材料であるので加熱コイル21の磁束が鎖交することにより、誘導電流で磁界の向きや分布が変更される程度が大きくなり、被加熱物29における誘導電流の分布の変化および、電気導体27における電流の発生による、等価直列抵抗を増加させる効果を大きくし、かつ電気導体27自身の誘導電流による発熱を抑制することができる。
【0064】
また、加熱コイル21を収納する本体と、加熱コイル21と被加熱物29との間に位置すべく前記本体に固定された絶縁体28とを有し、電気導体27は、前記絶縁体28の加熱コイル21側に設けたことにより、電気導体27を加熱コイル21に近づけて、加熱コイル21との磁気結合を大きくして、等価直列抵抗を大きくし易い、動作中に加熱コイル21の磁界で電気導体27に誘導される電流の作用により電気導体27が発熱する場合があるが、絶縁体28表面に電気導体27が露出せず、電気導体27に直接手が触れて火傷する恐れが少ない、あるいは絶縁体28の表面が凸凹しないことから見栄えが良いなどの効果を奏する。
【0065】
また、加熱コイル21下方に放射状に設けた高透磁率の磁性体であるフェライトコアを四本備え、これらのフェライトコアは電気導体の外周より外側に被加熱物の方向に立ち上がる立ち上がり部を設けたことにより、加熱コイル21から出た磁束が加熱コイル21外側周囲に広がらないようにして効率良く被加熱物29に磁束が鎖交するようにして加熱効率を高めるとともに、フェライトコア23a〜26aの立ち上がり部から出る磁束が電気導体27に突き当たらないようにして電気導体27の発熱を抑制するものである。
【0066】
また、電気導体27は中央部に開口37を設けるとともに、加熱コイル下方に設けた高透磁率の棒状フェライトコア23b〜26bを設け、前記フェライトコア23b〜26bは電気導体27の開口37周部37aより中央側に被加熱物29の方向に立ち上がる立ち上がり部23c〜26cを設けたことにより、フェライトコアの立ち上がり部23c〜26cから出る磁束が電気導体27に突き当たらないようにして加熱コイル21からの磁束を効率良く被加熱物29に導き加熱効率を高めることができる。
【0067】
また、サーミスタ35に鎖交する磁束を抑制してサーミスタ35の検知回路にノイズを誘導しにくくすることもできる。
【0068】
なお、本実施例では、加熱コイル21下方に設けた高透磁率の棒状フェライトコア23b〜26bの両端をフェライトコア23a〜26a、及びフェライトコア23c〜26cにより略垂直に立ち上げているが、この立ち上げ角度はこれにかぎるものではない。
【0069】
また、電気導体27は、被加熱物29とセラミック製天板28より電気的に絶縁されているが熱的に接続されてなるので電気導体27が発熱する場合にはその熱の一部が天板28を介して被加熱物29に伝わり電気導体27の発熱による加熱効率の低減を抑制することができる。
【0070】
参考
図6は、本発明の第参考例における誘導加熱装置の断面を模式的に示す図である。
【0071】
図で40は電気導体、41は約70kHzの高周波電流が供給され、高周波磁界を発生する加熱コイル、42は加熱コイル41下面に対向して配置され、加熱コイル40からの高周波磁界を効率よく被加熱物43へ供給するための磁性体で、具体的にはフェライトを用いている。被加熱物43は、本参考例の場合、高電気伝導率(高導電率)かつ低透磁率のアルミニウムまたは銅としている。
【0072】
電気導体40の形状を図7に示す。電気導体40は、略円盤状で厚み約1mmのアルミニウム板をベースとし、さらに放射状に切り欠き40aを4箇所設けている。このように電気導体40に切り欠き40aを設けることにより、加熱コイル40の電流の流れに対して電気伝導率が不連続となるようにして、電気導体40に加熱コイル41に周回するように流れる電流(図7の破線Aで模式的に示す)の流れの向きと異なる(平行でない)方向に誘導電流が流れるようにしている。
【0073】
加熱コイル41に高周波電流が供給された時の電気導体40に誘導される大きな電流の流れを図7の実線矢印Bに模式的に示す。図に示すように放射状切り欠き40a部分に電流が誘導されないため、加熱コイル41から発生する磁界が透過する。誘導された渦電流の電流密度の大きい部分はこの部分を回避し、クローバー状に蛇行したような分布(図7の実線Bで模式的に示す)となる。
【0074】
一方、電気導体40により、加熱コイル41の磁界は遮蔽され、迂回して被加熱物43に到達し、切り欠き40aのところでは、加熱コイル41の磁界は通過して被加熱物43に到達する。したがって、従来被加熱物43において、加熱コイル41に流れる電流とほぼ平行な向きに周回するように分布して発生し、大きな反発力となっていた渦電流の分布と異なるものとなる。
【0075】
上記のように、電気導体40に加熱コイル41の磁界を照射し、一部の磁界を迂回させて被加熱物43に鎖交させ、被加熱物43において加熱コイル41電流に対向した誘導電流分布が発生することを抑制して、等価直流抵抗を増加させるとともに、電気導体40においても、切り欠き40aを設けることにより発熱を防止することができる。
【0076】
切り欠き40aのある電気導体40を設けた場合の等価直流抵抗の大きくなる度合いは、切り欠き40aのない電気導体40を設けた場合に比して少なくなるが、電気導体40がない場合に対する増加効果自体は維持される。従って、同一消費電力を得る場合において、加熱コイル41に流れる電流が減少して被加熱物43に作用する浮力が低減できるとともに、電気導体40の発熱を抑制することができるものである。
【0077】
以上のように、本参考例によれば、電気導体40も誘導加熱され発熱するが、電気導体40の固有抵抗や切り欠きの形状を最適化することにより、等価直列抵抗を大きくし、電気導体40の発熱を低減しつつ、被加熱物43への入力電力を大とすることが可能である。
【0078】
また、電気導体40を挿入した場合、加熱コイル41の等価直列抵抗が上昇するため、同じ入力電力を得る場合、加熱コイル41に流す電流が少なくすることもできるので、加熱コイル41の損失が低減し、さらに図示しない高周波電流を供給するインバータ回路の損失も低減することが可能となる。発明者らの測定によれば、被加熱物43が、φ240mmのアルミニウム鍋とし、加熱コイル41の外径φ180mm、内径φ50mm、加熱コイル41と被加熱物43との距離8mmの条件において、等価直列抵抗は電気導体40がない場合約1.0Ω程度、電気導体40がある場合、1.7Ω程度であった。これにより加熱コイル41に流れる電流は1600W入力で36Armsから29Armsに低減できた。本参考例の場合加熱コイル41の高周波抵抗は70kHz、常温0.16Ωであるので、損失は常温で約207Wから135Wに低減したものと推定できる。
【0079】
また、電気導体の切り欠き40aの形状を放射状に電気伝導率が低くなるようなものとしたが、この形状に限定されるものでなく、加熱コイルに流れる電流に誘起して発生し周回するように流れる渦電流の分布を阻害する作用のある形状であれば同様の効果が得られるものである。
【0080】
また、被加熱物43がアルミニウムや銅の単一材料で形成されず、一層目が例えば0.1mm厚みの非磁性ステンレス、2層目が1mm厚みのアルミニウムといった多層構造となっている場合においても、1層目の非磁性ステンレスは薄いために実質2層目のアルミニウムを加熱することと等価となるので、上記のように電気導体40は同様な効果を奏することができる。
【0081】
(実施例
図8は、本発明の第の実施例における電気導体40と加熱コイル41を示す平面図である。断面図は図6と同様である。図8で電気導体40は厚み約1mm、幅約10mm、長さ約70mmのアルミニウム板で形成され、これらを8枚、間隔を設けて放射状に配置している。本配置により、電気導体40がない部分の電気伝導率は略ゼロとなるため、加熱コイル41の電流が流れる方向に電気伝導率が不連続な状態を簡単に実現できるものである。
【0082】
図8において電気導体(アルミニウム板)40の存在する部分では、加熱コイル41から発生する磁界が遮蔽され一部は電気導体40に吸収され電気導体40に電流が誘導され、他は迂回して被加熱物43(図6)に鎖交する。
【0083】
以上のように本実施例においては複数の電気導体40を配置することにより、電気導体40に誘導電流を発生させるとともに、被加熱物43に流れる渦電流(誘導電流)の向きや密度分布を加熱コイル41に流れる電流と異なる形にすることが可能となる。この結果、被加熱物43に鎖交する磁界分布を変更し加熱コイルの等価直列抵抗大きくすることができるとともに、電気導体40の温度上昇を抑制することができる。
【0084】
尚、本実施例では放射状に電気導体40を配置する構成としたが、これに限定されるものでなく例えば図9に示すような電気導体である四角形状の板44を4つ加熱コイル45上方に並べる構成などとしてもよい。
【0085】
また、図8で電気導体40の本数を8本としたが、本数を少なくすれば浮力低減の効果が小となり、多くすれば浮力低減の効果が大となる傾向にある。また本数を増やすと電気導体のトータルの損失が大となるため、最適な本数に設計する必要があり、本実施例の場合6〜8本程度が効果的である。材質はアルミニウムとしたがこれに限定されるものでなく、例えば銅、黄銅といった材料でも同様の効果が得られる。
【0086】
(実施例
図10は、本発明の第の実施例における誘導加熱装置の要部断面図である。図で電気導体49は絶縁体53と被加熱物52の間に設けられている。絶縁体53は誘導加熱調理器であれば、例えば、加熱コイル50、フェライトコア51、あるいはこれらを駆動するインバータ(図示せず)等を収納している機器本体の上部に固定され、被加熱物52を加熱するために載置するために設けるセラミック製の天板に対応する。
【0087】
本実施例においては、電気導体49は任意に取り外しが可能になるため、被加熱物52が、例えば(浮力によるずれ、浮きの問題が発生しない程度に)充分質量が大きい場合や、原理上浮力が問題とならない鉄などの材料の時に電気導体49の設置が不要となり、かつ電気導体49の発熱も発生しない。また電気導体49と被加熱物52を接触させることにより、電気導体49の発熱を被加熱物52へ効果的に伝達することが可能となり、この点においても効率よい加熱が可能となるものである。
【0088】
(実施例
図11は、本発明の第の実施例における誘導加熱装置の断面図である。図で天板28上に載置される電気導体54と被加熱物55は機械的に接続され、一体となっている。57はフェライトコアである。
【0089】
以上より本実施例においては使用時に電気導体54と被加熱物55を別々に天板28上に載置する必要がなく、より使い勝手の向上した誘導加熱装置を実現することができる。尚電気導体54と被加熱物55は任意に取り付け、取り外しできる構成としてもよい。また、その時電気導体54を取り外した状態で加熱して浮かないような重量に電気導体54及びそれに付設したものの合計重量を浮力より重くしておけば、加熱しようとした時に電気導体54が被加熱物55を押し上げる力が働かず被加熱物54がさらに浮きにくくなり安全である。
【0090】
(実施例
図12は、本発明の第の実施例における誘導加熱装置の断面図である。図で58は被加熱物59の温度を間接的に検出する温度検出手段で、具体的にはサーミスタを用いている。
【0091】
温度検出手段59は、絶縁体61と電気導体60を介して被加熱物59の温度を検出するので、電気導体60が集熱板の役割を果たすため、例えば被加熱物59の底面が反っていた場合においても、応答性良く被加熱物59の温度上昇を検出することができる。また、電気導体60が発熱していても精度良く検知できるので、電気導体60が高温である旨の表示を精度良く行うことができる。
【0092】
以上のように、本実施例によれば、絶縁体61の加熱コイル62側に温度検出手段を有し、電気導体60は絶縁体60を介して温度検出手段と熱的に接続されてなることにより、被加熱物59の底が平坦でない場合にも電気導体60が被加熱物59の裏面の熱を効率よく集めて温度検出手段に伝えることができるので、加熱コイル電流低減効果及び浮力低減効果を奏するとともに被加熱物59の温度制御性能、あるいは火傷防止表示機能が良好となるものである。
【0093】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、アルミニウムや銅など低透磁率かつ高電気伝導率の材質の被加熱物を加熱可能で、加熱時における加熱コイル等の内部部品損失及び被加熱物に働く浮力の低減が可能な誘導加熱装置を実現できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施例における誘導加熱装置の要部斜視図
【図2】 本発明の第1の実施例における誘導加熱装置の要部断面図
【図3】 本発明の第1の実施例における誘導加熱装置の加熱コイルの等価直列抵抗と浮力の相関を示す図
【図4】 本発明の第1の実施例における誘導加熱装置の加熱コイルの等価直列抵抗と加熱コイル電流値の相関を示す図
【図5】 本発明の第1の実施例における誘導加熱装置の電気導体の厚みと被加熱体に作用する浮力の相関を示す図
【図6】 本発明の第参考例における誘導加熱装置の要部断面図
【図7】 本発明の第参考例における誘導加熱装置の電気導体に流れる電流を示す図
【図8】 本発明の第の実施例における誘導加熱装置の電気導体を示す要部平面図
【図9】 本発明の第の実施例における誘導加熱装置の他の電気導体を示す要部平面図
【図10】 本発明の第の実施例における誘導加熱装置の誘導加熱装置の要部断面図
【図11】 本発明の第の実施例における誘導加熱装置の要部断面図
【図12】 本発明の第の実施例における誘導加熱装置の要部断面図
【図13】 従来の誘導加熱装置の要部断面図
【図14】 従来の誘導加熱装置の入力電力と浮力の相関図
【図15】 従来の誘導加熱装置の加熱コイルと被加熱物に流れる電流を示す図
【符号の説明】
29、43、52、55、59 被加熱物
21、41、45、50、56、62 加熱コイル
27、40、44、46、49、54、60 電気導体
37 開口
28、53、61 天板(絶縁体)
58 温度検知手段

Claims (10)

  1. アルミニウム若しくは銅またはこれらと略同等以上の電気伝導率を有する低透磁率材料からなる被加熱物を誘導加熱可能な加熱コイルと、前記加熱コイルと前記被加熱物との間に設けられた電気導体とを備え、前記電気導体は前記加熱コイルに対向して前記被加熱物を配置した時の前記加熱コイルの等価直列抵抗を前記電気導体が存在しない場合の前記加熱コイルの等価直列抵抗に比べて大きくするとともに、前記加熱コイルの発生する磁界と前記被加熱物に誘導される誘導電流の作用により前記被加熱物に対して働く浮力を低減する浮力低減機能を有し、相互に間隔を設けて複数の電気導体を配置してなる誘導加熱装置。
  2. アルミニウム若しくは銅またはこれらと略同等以上の電気伝導率を有する低透磁率材料からなる被加熱物を誘導加熱可能な加熱コイルと、前記加熱コイルと前記被加熱物との間に設けられた電気導体とを備え、前記電気導体は前記加熱コイルに対向して前記被加熱物を配置した時の前記加熱コイルの等価直列抵抗を前記電気導体が存在しない場合の前記加熱コイルの等価直列抵抗に比べて大きくするとともに、前記加熱コイルの発生する磁界と前記被加熱物に誘導される誘導電流の作用により前記被加熱物に対して働く浮力を低減する浮力低減機能を有し、前記電気導体は、その厚みを加熱コイル電流により誘導される高周波電流の浸透深さよりも大としてなる誘導加熱装置。
  3. 電気導体は、低透磁率の材料で形成されてなる請求項1または2に記載の誘導加熱装置。
  4. 電気導体は、高電気伝導率の材料で形成されてなる請求項1乃至3のいずれか1項に記載の誘導加熱装置。
  5. アルミニウム若しくは銅またはこれらと略同等以上の電気伝導率を有する低透磁率材料からなる被加熱物を誘導加熱可能な加熱コイルと、前記加熱コイルと前記被加熱物との間に設けられた電気導体と、加熱コイル下方に設けた高透磁率の磁性体を備え、前記電気導体は前記加熱コイルに対向して前記被加熱物を配置した時の前記加熱コイルの等価直列抵抗を前記電気導体が存在しない場合の前記加熱コイルの等価直列抵抗に比べて大きくするとともに、前記加熱コイルの発生する磁界と前記被加熱物に誘導される誘導電流の作用により前記被加熱物に対して働く浮力を低減する浮力低減機能を有し、かつ、前記磁性体は電気導体の外周外側で略被加熱物の方向に立ち上がる立ち上がり部を設けた誘導加熱装置。
  6. アルミニウム若しくは銅またはこれらと略同等以上の電気伝導率を有する低透磁率材料からなる被加熱物を誘導加熱可能な加熱コイルと、前記加熱コイルと前記被加熱物との間に設けられた電気導体とを備え、前記電気導体は前記加熱コイルに対向して前記被加熱物を配置した時の前記加熱コイルの等価直列抵抗を前記電気導体が存在しない場合の前記加熱コイルの等価直列抵抗に比べて大きくするとともに、前記加熱コイルの発生する磁界と前記被加熱物に誘導される誘導電流の作用により前記被加熱物に対して働く浮力を低減する浮力低減機能を有し、前記電気導体は中央部に開口を設けるとともに、加熱コイルの被加熱物のない側に高透磁率の磁性体を設け、前記磁性体は電気導体の開口周部より中央側に略被加熱物方向に立ち上がる立ち上がり部を設けた誘導加熱装置。
  7. アルミニウム若しくは銅またはこれらと略同等以上の電気伝導率を有する低透磁率材料からなる被加熱物を誘導加熱可能な加熱コイルと、前記加熱コイルと前記被加熱物との間に設けられた電気導体と、前記加熱コイルを収納する本体と、前記加熱コイルと被加熱物との間に位置すべく前記本体に固定された絶縁体を備え、前記電気導体は前記加熱コイルに対向して前記被加熱物を配置した時の前記加熱コイルの等価直列抵抗を前記電気導体が存在しない場合の前記加熱コイルの等価直列抵抗に比べて大きくするとともに、前記加熱コイルの発生する磁界と前記被加熱物に誘導される誘導電流の作用により前記被加熱物に対して働く浮力を低減する浮力低減機能とを有し、かつ前記絶縁体の前記被加熱物側に設けた誘導加熱装置。
  8. 電気導体に一体に設けられた付設物を有し、前記電気導体及び前記付設物の総重量を、それらが被加熱物と分離されて加熱コイルで加熱されても浮き上がらない重量とした請求項に記載の誘導加熱装置。
  9. アルミニウム若しくは銅またはこれらと略同等以上の電気伝導率を有する低透磁率材料からなる被加熱物を誘導加熱可能な加熱コイルと、前記加熱コイルと前記被加熱物との間に設けられた電気導体とを備え、前記電気導体は前記加熱コイルに対向して前記被加熱物を配置した時の前記加熱コイルの等価直列抵抗を前記電気導体が存在しない場合の前記加熱コイルの等価直列抵抗に比べて大きくするとともに、前記加熱コイルの発生する磁界と前記被加熱物に誘導される誘導電流の作用により前記被加熱物に対して働く浮力を低減する浮力低減機能を有し、前記電気導体は、前記被加熱物と機械的に接続されてなる誘導加熱装置。
  10. 絶縁体の加熱コイル側に温度検知手段を有し、電気導体は、前記絶縁体を介して前記温度検知手段と熱的に接続されてなる請求項7または8に記載の誘導加熱装置。
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