JP2007035473A - 誘導加熱装置 - Google Patents

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Toshihiro Yoshijima
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Abstract

【課題】人体への感電をなくし、かつ被加熱物の浮き上がりを防止した信頼性が高く、ばらつきの少ない効果的な静電シールド機能を有する品質の安定した誘導加熱装置を提供すること。
【解決手段】加熱コイルとトッププレートの間に設けた電気導体は、電気導体と加熱コイルは同一中心で、電気導体の内径を加熱コイルの内径以下とし、電気導体の内径は、被加熱物に対する漏洩電流の変極点以下とすることにより、人体への感電をなくし、かつ被加熱物の浮き上がりを防止し、ばらつきの少ない効果的な静電シールド機能を有する品質の安定した誘導加熱装置が実現できることとなる。
【選択図】図1

Description

本発明は、被加熱物と加熱コイルとの間に電気導体を設けた誘導加熱装置に関するものである。
従来、加熱コイルの発生する高周波磁界により負荷となる鍋等の被加熱物に渦電流を誘起して加熱する誘導加熱装置が、熱効率が高く、安全で且つ清潔であるという特性から注目されている。近年は、鉄のような高透磁率の被加熱物だけでなく、アルミニウム又は銅のような低透磁率で高電気伝導率の被加熱物を加熱することができる誘導加熱装置が開発されている。
ところで、このような誘導加熱装置では、加熱コイルと被加熱物との間に浮遊容量(等価容量)が存在し、ユーザが被加熱物に触ると、浮遊容量及びユーザの身体の内部抵抗(等価抵抗)を通じて、加熱コイルからグラウンドに電流が流れる。
低透磁率で高電気伝導率の被加熱物を加熱する場合は、高透磁率の被加熱物を加熱する場合よりも、加熱コイルの巻数が多く、加熱コイルに印加される電圧が高いため、高圧の加熱コイルから人体に所定以上の電流が漏洩することは危険である。このため、低透磁率で高電気伝導率の被加熱物を加熱する誘導加熱装置の場合、人体に漏洩電流が流れることを防止する必要があり、トッププレートの裏面に導電膜を設け、その導電膜を接地することにより、人体に漏洩電流が流れることを防止するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、誘導加熱装置は、被加熱物に到達する磁束の量により、被加熱物の加熱温度を調整することができる。このため、加熱コイルと被加熱物との間に環状の電気導体を用いて温度分布を調節するものが知られている(例えば、特許文献2参照)。この場合、電気導体は、外周縁と内周縁との間にスリットを有する。電気導体の外周縁には、加熱コイルの高周波電流と反対方向の誘導電流が流れ、この誘導電流はスリットで遮断される。電気導体の内周縁には、外周縁の誘導電流と逆向き(加熱コイルと同一方向)の誘導電流が流れる。この加熱コイルに流れる高周波電流と、電気導体の外周縁及び内周縁に流れる誘導電流とによって、磁界の強度を調節し、被加熱物を加熱するものである。
低透磁率で高電気伝導率の被加熱物を加熱する場合、浮力低減機能を有する電気導体は発熱するが、被加熱物の温度を検知するトッププレートに対して接触型のまたは非接触型のセンサへの熱影響が少なからず存在し、センシングに影響する。特に近年、普及してきた沸騰検知方式の自動湯沸し機能などに対しては、センシングしている温度が100℃近傍までに対し、電気導体は200℃以上になっており、その影響は大きい。
一方、静電シールド機能のみの従来の導電膜は、浮力低減機能がなく、そのため発熱もあまりないので、センシングに対する影響もあまりない。
特開昭50−82046号公報 特開平7−249480号公報
しかしながら、前記従来の構成では、人体に漏洩電流が流れることを防ぐ導電膜、温度分布の調整を行う電気導体は、それぞれ別個の部品であった。そのため、これらの機能を全て有する誘導加熱装置となると、高価になるという課題を有していた。また、センシングの観点からみると、浮力低減機能を有し、発熱する電気導体はできるだけ加熱コイルの略中心に設けられたセンサから距離を離すのがよい。つまり、電気導体の内径が大きいのがよい。一方、漏洩電流の観点からみると、電気導体の内径は小さいほうが漏洩電流も小さくなるので、電気導体の内径は小さいほうがよい。この相反する特性をバランスよく満足させる必要があった。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、電気導体が浮力低減機能及び静電シールド機能の両方の機能を有することにより、部品数を減らすことができ、安価で、センサへの熱影響を低減し、ばらつきの少ない効果的な静電シールド機能を有する品質の安定した誘導加熱装置を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明の誘導加熱装置は、被加熱物を載置するトッププレートと、前記トッププレートの下方に設けたアルミニウム若しくは銅またはこれらと略同等以上の電気伝導率を有する低透磁率材料からなる被加熱物を誘導加熱可能な加熱コイルと、前記被加熱物と前記加熱コイルとの間に設けられ、前記加熱コイルに対向して前記被加熱物を配置した時の前記加熱コイルの等価直列抵抗を大きくして、自身が磁界を受け自己発熱しつつ、前記加熱コイルの発生する磁界が前記被加熱物に対して働く浮力を低減する浮力低減機能と、低電位部に電気的に接続して、前記加熱コイルと前記被加熱物との静電結合を小さくする静電シールド機能と、前記加熱コイル側から前記トッププレートに当接して前記被加熱物と熱的に接続されてなる電気導体と、前記電気導体と電気的に接続し、前記加熱コイルに誘導電流を流して駆動する制御回路とを有する誘導加熱装置において、前記電気導体と前記加熱コイルは同一中心で、前記電気導体の内径を前記加熱コイルの内径以下とし、前記電気導体の内径は、前記被加熱物に対する漏洩電流の変極点以下となるようにしたものである。
これによって、電気導体が浮力低減機能及び静電シールド機能の両機能を有し、部品数を少なくし、安価で、人体への感電をなくし、かつ被加熱物の浮き上がりを防止した誘導加熱装置となる。
さらに、センサへの熱影響を低減し、ばらつきの少ない効果的な静電シールド機能を有する品質の安定した誘導加熱装置を実現できる。
本発明の誘導加熱装置は、人体への感電をなくし、かつ被加熱物の浮き上がりを防止し、さらに、センサへの熱影響を低減し、センサ性能が向上するとともに、ばらつきの少ない効果的な静電シールド機能を有する品質を安定させることができる。
第1の発明は、被加熱物を載置するトッププレートと、前記トッププレートの下方に設けたアルミニウム若しくは銅またはこれらと略同等以上の電気伝導率を有する低透磁率材料からなる被加熱物を誘導加熱可能な加熱コイルと、前記被加熱物と前記加熱コイルとの間に設けられ、前記加熱コイルに対向して前記被加熱物を配置した時の前記加熱コイルの等価直列抵抗を大きくして、自身が磁界を受け自己発熱しつつ、前記加熱コイルの発生する磁界が前記被加熱物に対して働く浮力を低減する浮力低減機能と、低電位部に電気的に接続して、前記加熱コイルと前記被加熱物との静電結合を小さくする静電シールド機能と、前記加熱コイル側から前記トッププレートに当接して前記被加熱物と熱的に接続されてなる電気導体と、前記電気導体と電気的に接続し、前記加熱コイルに誘導電流を流して駆動する制御回路とを有する誘導加熱装置において、前記電気導体と前記加熱コイルは同一中心で、前記電気導体の内径を前記加熱コイルの内径以下とし、前記電気導体の内径は、前記被加熱物に対する漏洩電流の変極点以下となることを特徴とする誘導加熱装置である。
これによって、電気導体が浮力低減機能及び静電シールド機能の両機能を有し、部品数を少なくし、人体への感電をなくし、かつ被加熱物の浮き上がりを防止した誘導加熱装置となる。また、ばらつきの少ない効果的な静電シールド機能を有する品質の安定させたものとすることができる。
第2の発明は、被加熱物を載置するトッププレートと、前記トッププレートの下方に設けたアルミニウム若しくは銅またはこれらと略同等以上の電気伝導率を有する低透磁率材料からなる被加熱物を誘導加熱可能な加熱コイルと、前記被加熱物と前記加熱コイルとの間に設けられ、前記加熱コイルに対向して前記被加熱物を配置した時の前記加熱コイルの等価直列抵抗を大きくして、自身が磁界を受け自己発熱しつつ、前記加熱コイルの発生する磁界が前記被加熱物に対して働く浮力を低減する浮力低減機能と、低電位部に電気的に接続して、前記加熱コイルと前記被加熱物との静電結合を小さくする静電シールド機能と、前記加熱コイル側から前記トッププレートに当接して前記被加熱物と熱的に接続されてなる電気導体と、前記電気導体と電気的に接続し、前記加熱コイルに誘導電流を流して駆動する制御回路とを有する誘導加熱装置において、前記電気導体の内寸を前記加熱コイルの内寸以下とし、前記電気導体の内寸は前記被加熱物に対する漏洩電流の変極点以下となることを特徴とする誘導加熱装置である。
これによって、電気導体が浮力低減機能及び静電シールド機能の両機能を有し、部品数を少なくし、人体への感電をなくし、かつ被加熱物の浮き上がりを防止した誘導加熱装置となる。また、ばらつきの少ない効果的な静電シールド機能を有する品質の安定させたものとすることができる。
第3の発明は、特に第1または第2の発明において、被加熱物の温度を検知し、トッププレートに対して接触型のまたは被接触型のセンサを加熱コイルの略中心かつ電気導体の内径より内側に配したものである。これによって、電気導体が浮力低減機能及び静電シールド機能の両機能を有し、部品数を少なくし、人体への感電をなくし、かつ被加熱物の浮き上がりを防止した誘導加熱装置となる。また、センサへの熱影響を低減し、センサ性能が向上するとともに、ばらつきの少ない効果的な静電シールド機能を有する品質の安定させたものとすることができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における誘導加熱装置の断面図を示すものである。
図1において、誘導加熱装置は、鍋、フライパンなどの被加熱物13を載置するトッププレート5と、トッププレート5の下方に設けて被加熱物13を誘導加熱する加熱コイル1と、加熱コイル1側からトッププレート5に設けた電気導体4とを備え、前記電気導体4は、その外周部から屈曲部11で屈曲され下方に向けて形成された帯状の延長部7と、延長部7の先端に設け低電位部と接続する接続部8とを有する。
延長部7は、加熱コイル1を支持した支持体2より下側に突出させるとともに、支持体2の下側で曲げた曲げ部15(接続部8を内側にもってくる)を有している。これにより、電気導体4から延長部7の先端の接続部8までの距離を伸ばしている。そして、曲げ部15の断面形状は一様になっている。
曲げ部15の曲げは支持体2に案内部16にあてることにより行われる。
支持体2には、延長部7が下側へ移動するのを規制するストッパ17が設けてある。さらに、支持体2には接続部8と接続端子14を接続したとき、延長部7が、上側へ移動するのを規制するストッパ18が設けてある。
また、支持体2には、曲げ部15の曲げ角度を調整する曲げ角度調整部19を設けてある。
加熱コイル1は、制御回路(図示せず)から高周波電流を供給されると、高周波磁界を発生し、被加熱物13を誘導加熱するものであり、内側を高電位側にし、外側を低電位側にしている。そして、加熱コイル1は支持体2上部に載置され支持されている。
支持体2は耐熱樹脂製で、加熱コイル1の下面に強磁性体のフェライトコア3を略平行に配置している。支持体2はフェライトコア3の表面を覆うように形成され、フェライトコア3が加熱コイル1と電気的に絶縁される構成になっている。
電気導体4は、加熱コイル1とトッププレート5の間に設けられ、好ましくは、トッププレート5のすぐ下で、絶縁板6の上に載置されトッププレート5に設けている。電気導体4は、絶縁板6の上に載置されることにより、空間10を介して加熱コイル1と電気的に絶縁される。電気導体4の位置は絶縁板6を介して、支持体2から突出した電気導体支持部9により規制される。電気導体支持部9は内周側に巾約2mmで4箇所、外周側に巾約15mmで12箇所等間隔に配置されており、冷却風が加熱コイル1の上面を流れる妨げにならないようになっている。
電気導体4は、厚さが略1mmのアルミニウムの板により形成され、外径及び内径が加熱コイル1のものとほぼ同じ略ドーナツ状で、幅約10mmのスリットで2分割されている(図示せず)。
延長部7の先端の接続部8で接続端子14による接続が行われ、コンデンサ12を介して商用電源電位、あるいは加熱コイル1に高周波電流を供給するインバータの入力する商用電源を整流した電位、あるいは大地に電気的に接続される。
絶縁体であるトッププレート5は耐熱セラミックス製であり、その上にアルミニウム等の被加熱物13が加熱コイル1に対向するように載置される。
また、センサ20はばねを介して支持体2に取り付けられており、トッププレート5の裏面に押し当てられている。センサ20は接触式サーミスタであり、トッププレート5の裏面とセンサ20の間に受感向上のため熱拡散コンパウンドが塗布されている。
加熱コイル1と電気導体4は同一中心で、電気導体4の内径は加熱コイル1の内径以下になっており、センサ20からは一定の距離をとっている。これにより、センサ20が電気導体4の発熱の影響を低減するとともに、センサ20を保持する耐熱性樹脂やセンサ20を覆う周辺の樹脂(支持体2)が熱損傷することを防止している。
以上のように構成された誘導加熱装置について、以下その動作、作用を説明する。
加熱コイル1に制御回路(図示せず)から高周波電流が供給されると、加熱コイル1は磁界を発生する。加熱コイル1の発生する高周波磁界により、被加熱物13の底面に電流が誘起される。電気導体4がない場合、誘導電流は加熱コイル1から発生した磁界を相殺する様に被加熱物13に誘起される。この結果、加熱コイル電流と方向が逆で平行な誘導電流が高電気伝導率の被加熱物13に誘導される。誘導電流と加熱コイル電流との相互作用で被加熱物13の底に加熱コイル2から遠ざかろうとする反発力が生じ、被加熱物13に浮力が発生する。特に、被加熱物13がアルミニウムや銅といった低透磁率かつ高電気伝導率なる材料である場合に、浮力が生じる。
電気導体4がある場合は、加熱コイル1の発生する磁界が電気導体4に鎖交して、電気導体4に誘導電流が誘起される。電気導体4の厚みは約1mmで浸透深さ以上の厚みを有するので、電気導体4に鎖交した磁界の大部分はほとんど電気導体4を通過せず、外周側または内周側に迂回してから被加熱物13方向に導かれる。つまり、被加熱物13に誘導される電流の分布は、電気導体4に誘導電流が発生することにより変わる。
加熱コイル1が発生する磁界は、電気導体4と被加熱物13に鎖交し、両者に誘導電流を発生させる。被加熱物13に誘起された誘導電流は、加熱コイル1の発生する磁界分布と、電気導体4に誘起された電流の発生する磁界分布の重畳した磁界分布が被加熱物13に鎖交することにより発生する。このように、電気導体4が介在することにより、被加熱物13に誘導される電流分布が変化し、さらに電気導体4に発生する電流分布が加わるということから、加熱コイル1の等価直列抵抗(被加熱物13及び電気導体4を加熱状態と同様の位置配置で、加熱周波数近傍の周波数を使用して測定した加熱コイル1の入力インピーダンスにおける等価直列抵抗)が大きくなる。
等価直列抵抗が大きくなると、同じ加熱コイル電流でも被加熱物13における発熱量が大きくなるので、同一消費電力を得ようとする場合には加熱コイル1に流す電流値を小さくすることができ、それに伴い被加熱物13に作用する浮力が低減する。更に、電気導体4が被加熱物13に働くべき浮力の一部を分担することで被加熱物13に作用する浮力を低減できる。
このように、電気導体4は、同一出力を得る場合の加熱コイル1に流れる電流を低減して、加熱コイル1の発生する磁界により被加熱物13に対して働く浮力を低減する浮力低減機能を有する。この結果アルミニウム若しくは銅又はこれらと略同等以上の電気伝導率を有し、かつ低透磁率材料からなる被加熱物13を加熱した時に浮き上がったりずれたりするのを防止することができる。
電気導体4はアルミニウム製であるので低透磁率であり、磁束がその電気導体4に吸収されにくい(被加熱物13に到達しない磁束量が多くならない)。加熱コイル1の磁束が鎖交することにより、電気導体4に誘導された電流で磁界の向きや分布が変更される。電気導体4内を通過させ被加熱物13に鎖交させるか、または電気導体4を迂回させ被加熱物13に鎖交させるかのいずれかの経路で、磁束を効率的に被加熱物13に鎖交させることができる。
電気導体4は、加熱コイル1における被加熱物13側の面の一部または全部と対向し板状に形成されてなる。これにより、加熱コイル1から発生する磁界の一部を被加熱物13に到達する前に、電気導体4に効率良く鎖交させ、電気導体4の周囲から迂回して被加熱物13に加熱コイル1の磁界を鎖交させることになる。
なお、本実施の形態では、加熱コイル1のほぼ全部と対向するように電気導体4の大きさを決めたが、電気導体4の板の面積は大きいほど、また電気導体4が加熱コイル1に近いほど電気導体4に加熱コイル1の磁束が多く通過し、等価直列抵抗増加作用を大きくすることができることから、電気導体4の表面積は、必要とする浮力低減効果を得るように、また、電気導体4と加熱コイル1間の距離、電気導体4の発熱等の条件を考慮して決めれば良い。
電気導体4はトッププレート5のすぐ下に載置されることにより、電気導体4の熱はトッププレート5を介して放熱される。電気導体4の接続部8を低電位部(例えば入力する電源電圧、その整流後の直流電圧あるいはそれに近い電位など、加熱コイル1の高電位部より電位の低い部分)に接続することにより、加熱コイル1に発生する高電圧部分と被加熱物13との静電結合が小さくなる。加熱コイル1に発生する高周波高電圧が加熱コイル1と被加熱物13間の浮遊容量を介して使用者の体に印加し使用者の体に流れるリーク電流を抑制することができる。
言いかえれば、電気導体4とグラウンドとの間に、電気導体4の内部抵抗(等価抵抗)と、電気導体4と使用者の身体との間の浮遊容量(等価容量)及び使用者の身体の内部抵抗(等価抵抗)と、が並列に接続される。電気導体4の内部抵抗(等価抵抗)のインピーダンスは、浮遊容量(等価容量)及び使用者の身体の内部抵抗(等価抵抗)のインピーダンスと比較して非常に小さいので、加熱コイル1からの漏洩電流はほとんど電気導体4を通じてグラウンドに流れ、使用者の身体にはほとんど電流が漏洩しない。
上記のように電気導体4が低電位部に電気的に結合されていれば、被加熱物13と電気導体4との間の電位差が小さくなるため、被加熱物13に人体が触れた場合の漏れ電流が大幅に低減される。したがって、被加熱物13に人体が触れても安全である。
また、図2は、電気導体4の内径に対する漏洩電流の関係を示したものである。この図からわかるように、電気導体4の内径が、加熱コイル1の内径になるところで、変極点が存在する。変極点以上の内径では、内径に対する漏洩電流の変化が大きいのに対し、変極点以下の内径では、内径に対する漏洩電流の変化が小さい。つまり、電気導体4の内径を変極点(加熱コイル1の内径)以下とすれば、漏洩電流そのものが小さくなるとともに、電気導体4の内径がばらついたり、加熱コイル1との相対位置がずれても、漏洩電流の変化も小さくなり、品質が安定する。
また、センサ20のセンシングの観点からみると、浮力低減機能を有し、発熱する電気導体4はできるだけセンサ20から距離を離すのがよいが、前述の変極点以下かつ変極点近傍に電気導体4の内径を設定すると、センシングと漏洩電流両方をバランスよく満足させる位置関係となる。これにより、センサ20への熱影響も低減し、センサ性能が向上するとともに、漏洩電流もばらつきの少ない小さいレベルの抑えることができる。
以上のように、本実施の形態においては、電気導体4は、加熱コイル1に対向して被加熱物13を配置した時の加熱コイル1の等価直列抵抗を大きくするとともに、加熱コイル1の発生する磁界が被加熱物13に対して働く浮力を低減する浮力低減機能を有する。アルミニウム、銅、または黄銅など高電気伝導率低透磁率の被加熱物13を、調理中に浮き上がることを防止しつつ加熱できる。
また、電気導体4を直接低電位部に接続することにより、加熱コイル1に発生する高周波高電圧が加熱コイル1と被加熱物13間の浮遊容量を介して使用者の体に流れるリーク電流を抑制することができる。
また、電気導体4が浮力低減機能と静電シールド機能の両方の機能を有することにより、部品数少なく、安全かつ低価格な誘導加熱装置を実現できる。
さらに、センサへの熱影響を低減し、センサ性能が向上するとともに、ばらつきの少ない効果的な静電シールド機能を有する品質の安定した誘導加熱装置を実現できる。なお、本実施の形態1においてセンサ20は接触式サーミスタであったが、非接触の赤外センサなどでも同様の効果がある。
また、電気導体4の外周部から下方に向けて形成され、加熱コイル1を支持する支持体2の下側で外側又は内側に曲げられた曲げ部15を具備する延長部7を設けているので、接続部8までの距離を伸ばすことで接続部8への熱伝導を低減し、接続部8の温度を下げることができる。また、曲げ部15近傍の断面形状を一様にしたことにより、曲げ部15の応力集中がなくなり、曲げ部15の強度(耐折損性)が向上する。これらにより、電気的接続が確実なものとなり、信頼性が高くコンパクト設計可能な誘導加熱装置が実現できる。
また、曲げ部15の曲げは支持体2に案内部16にあてることにより行われるので、曲げアールが安定するとともに、屈曲せず、滑らかに曲がるので、応力集中がなく、曲げ部の耐折損性を向上させ、信頼性を高めたものである。
支持体2には、延長部7が下側へ移動するのを規制するストッパ17が設けてあるので、延長部7(接続部8)の下側への移動量が規制されるので、下側の部品との干渉防止が容易になり、構造的に安定した信頼性のあるものにすることができる。
さらに、支持体2には接続部8と接続端子14を接続したとき、延長部7が、上側へ移動するのを規制するストッパ18が設けてあるので、接続端子14(接続部8)の上側への移動量が規制されるので、上側の部品との干渉防止が容易になり、構造的に安定した信頼性のあるものにすることができる。
支持体2に曲げ部15の曲げ角度を調整する曲げ角度調整部19を設けたことにより、曲げ時のスプリングバックを加味して一定の曲げ角度で曲げることが容易になり、作業性が向上する。
なお、本実施の形態1において各電気導体と低電位部(商用電源電位や大地等)との接続を接続部8の1箇所のみで行っていたが、複数個設けて、単純に信頼性を増したり、複数の接続部8間に電流を流して接続の有無を検知したりして、接続が良好の時のみ加熱コイル1に通電する構成とすればより安全性を向上できる。
なお、加熱コイル1はアルミ若しくは銅またはこれらと略同等以上の電気伝導率を有する低透磁率材料からなる被加熱物13を誘導加熱できるだけでなく、鉄やステンレス、多層鍋も加熱できることはいうまでもない。
以上のように、本発明にかかる誘導加熱装置は、人体への感電をなくし、かつ被加熱物の浮き上がりを防止し、センサへの熱影響を低減し、ばらつきの少ない効果的な静電シールド機能を有する品質の安定したものであるので、誘導加熱調理器などの用途にも適用できる。
本発明の実施の形態1における誘導加熱装置の断面図 本発明の実施の形態1における電気導体内径と漏洩電流の関係を示すグラフ
符号の説明
1 加熱コイル
4 電気導体
5 トッププレート
13 被加熱物
20 センサ

Claims (3)

  1. 被加熱物を載置するトッププレートと、前記トッププレートの下方に設けたアルミニウム若しくは銅またはこれらと略同等以上の電気伝導率を有する低透磁率材料からなる被加熱物を誘導加熱可能な加熱コイルと、前記被加熱物と前記加熱コイルとの間に設けられ、前記加熱コイルに対向して前記被加熱物を配置した時の前記加熱コイルの等価直列抵抗を大きくして、自身が磁界を受け自己発熱しつつ、前記加熱コイルの発生する磁界が前記被加熱物に対して働く浮力を低減する浮力低減機能と、低電位部に電気的に接続して、前記加熱コイルと前記被加熱物との静電結合を小さくする静電シールド機能と、前記加熱コイル側から前記トッププレートに当接して前記被加熱物と熱的に接続されてなる電気導体と、前記電気導体と電気的に接続し前記加熱コイルに誘導電流を流して駆動する制御回路とを有する誘導加熱装置において、前記電気導体と前記加熱コイルは同一中心で、前記電気導体の内径を前記加熱コイルの内径以下とし、前記電気導体の内径は、前記被加熱物に対する漏洩電流の変極点以下となることを特徴とする誘導加熱装置。
  2. 被加熱物を載置するトッププレートと、前記トッププレートの下方に設けたアルミニウム若しくは銅またはこれらと略同等以上の電気伝導率を有する低透磁率材料からなる被加熱物を誘導加熱可能な加熱コイルと、前記被加熱物と前記加熱コイルとの間に設けられ、前記加熱コイルに対向して前記被加熱物を配置した時の前記加熱コイルの等価直列抵抗を大きくして、自身が磁界を受け自己発熱しつつ、前記加熱コイルの発生する磁界が前記被加熱物に対して働く浮力を低減する浮力低減機能と、低電位部に電気的に接続して、前記加熱コイルと前記被加熱物との静電結合を小さくする静電シールド機能と、前記加熱コイル側から前記トッププレートに当接して前記被加熱物と熱的に接続されてなる電気導体と、前記電気導体と電気的に接続し、前記加熱コイルに誘導電流を流して駆動する制御回路とを有する誘導加熱装置において、前記電気導体の内寸を前記加熱コイルの内寸以下とし、前記電気導体の内寸は前記被加熱物に対する漏洩電流の変極点以下となることを特徴とする誘導加熱装置。
  3. 被加熱物の温度を検知し、トッププレートに対して接触型のまたは被接触型のセンサを加熱コイルの略中心かつ電気導体の内径より内側に配した請求項1または2に記載の誘導加熱装置。
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