JP2006216430A - 誘導加熱装置 - Google Patents

誘導加熱装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2006216430A
JP2006216430A JP2005028750A JP2005028750A JP2006216430A JP 2006216430 A JP2006216430 A JP 2006216430A JP 2005028750 A JP2005028750 A JP 2005028750A JP 2005028750 A JP2005028750 A JP 2005028750A JP 2006216430 A JP2006216430 A JP 2006216430A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electric conductor
induction heating
heating coil
heated
extension
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2005028750A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4654701B2 (ja
Inventor
Toshihiro Yoshijima
敏弘 慶島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority to JP2005028750A priority Critical patent/JP4654701B2/ja
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to ES06712441T priority patent/ES2341882T3/es
Priority to EP06712441A priority patent/EP1811812B1/en
Priority to CNB2006800010543A priority patent/CN100527904C/zh
Priority to US11/575,921 priority patent/US8129664B2/en
Priority to PCT/JP2006/301275 priority patent/WO2006082753A1/ja
Publication of JP2006216430A publication Critical patent/JP2006216430A/ja
Priority to HK08100802.0A priority patent/HK1107161A1/xx
Application granted granted Critical
Publication of JP4654701B2 publication Critical patent/JP4654701B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Induction Heating Cooking Devices (AREA)
  • General Induction Heating (AREA)

Abstract

【課題】人体への感電をなくし、かつ被加熱物の浮き上がりを防止した信頼性が高くコンパクト設計可能な誘導加熱装置を提供することを目的とする。
【解決手段】トッププレート5に設けた電気導体4は、その外周部から下方に向けて形成された延長部8と、延長部8の先端に設け低電位部を接続する接続部9と、延長部8に設けた熱的接続低減手段13とを有する。これによって、電気導体4が浮力低減機能および静電シールド機能の両機能を有し、部品数少なく、人体への感電をなくし、かつ被加熱物15の浮き上がりを防止できる。また、接続部9を電気導体4の外周部から下方に向けて形成しているので、径方向に電気導体4が大きくなることなく、コンパクトとなり、周囲部品への電気導体4からの熱的悪影響がない。さらに、熱的接続低減手段13により、接続部9への熱伝導を低減し、信頼性が高くコンパクト設計可能となる。
【選択図】図1

Description

本発明は、被加熱物と加熱コイルとの間に電気導体を設けた誘導加熱装置に関するものである。
従来、加熱コイルの発生する高周波磁界により負荷となる鍋などの被加熱物に渦電流を誘起して加熱する誘導加熱装置が、熱効率が高く、安全で且つ清潔であるという特性から注目されている。近年は、鉄のような高透磁率の被加熱物だけでなく、アルミニウムまたは銅のような低透磁率で高電気伝導率の被加熱物を加熱することができる誘導加熱装置が開発されている。
ところで、このような誘導加熱装置では、加熱コイルと被加熱物との間に浮遊容量(等価容量)が存在し、ユーザが被加熱物に触ると、浮遊容量およびユーザの身体の内部抵抗(等価抵抗)を通じて、加熱コイルからグラウンドに電流が流れる。これは低透磁率で高電気伝導率の被加熱物を加熱する場合は、高透磁率の被加熱物を加熱する場合よりも、加熱コイルの巻数が多く、加熱コイルに印加される電圧が高いため、高圧の加熱コイルから人体に所定以上の電流が漏洩することは危険である。このため、低透磁率で高電気伝導率の被加熱物を加熱する誘導加熱装置の場合、人体に漏洩電流が流れることを防止する必要があり、トッププレートの裏面に導電膜を設け、その導電膜を接地することにより人体に漏洩電流が流れることを防止するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、誘導加熱装置は、被加熱物に到達する磁束の量により、被加熱物の加熱温度を調整することができる。このため、加熱コイルと被加熱物との間に環状の電気導体を用いて温度分布を調節するものが知られている(例えば、特許文献2参照)。この場合、電気導体は、外周縁と内周縁との間にスリットを有する。電気導体の外周縁には、加熱コイルの高周波電流と反対方向の誘導電流が流れ、この誘導電流はスリットで遮断される。電気導体の内周縁には、外周縁の誘導電流と逆向き(加熱コイルと同一方向)の誘導電流が流れる。この加熱コイルに流れる高周波電流と、電気導体の外周縁および内周縁に流れる誘導電流とによって、磁界の強度を調節し、被加熱物を加熱するものである。
特に、低透磁率で高電気伝導率の被加熱物を加熱する場合、電気導体は発熱するが、近年普及してきた天面操作型の機器などに対しては、電気導体の熱影響が天面操作のLCDなどに害を及ぼさないように、電気導体はできるだけ天面操作部から離す必要がある。また、さらなる高性能化の要望に伴い、筐体内は高密度化し、横方向、高さ方向ともにコンパクトな設計が要求される。
実開昭50−82046号公報 特開平7−249480号公報
しかしながら、前記従来の構成では、人体に漏洩電流が流れることを防ぐ導電膜、温度分布の調整を行う電気導体は、それぞれ別個の部品であった。そのため、これらの機能を全て有する誘導加熱装置となると高価になるという課題があった。また、コンパクト設計への対応は十分なされていないものであった。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、人体への感電をなくし、かつ被加熱物の浮き上がりを防止した信頼性が高くコンパクト設計可能な誘導加熱装置を提供することを目的とするものである。
前記従来の課題を解決するために、本発明の誘導加熱装置は、加熱コイル側からトッププレートに設けた電気導体は、その外周部から下方に向けて形成された延長部と、延長部の先端に設け低電位部を接続する接続部と、延長部に設け電気導体から接続部への熱伝導を低減する熱的接続低減手段とを有するものである。
これによって、電気導体が浮力低減機能および静電シールド機能の両機能を有し、部品数少なく、人体への感電をなくし、かつ被加熱物の浮き上がりを防止した誘導加熱装置となる。また、接続部を電気導体の外周部から下方に向けて形成されているので、特に、径方向に電気導体が大きくなることなく、コンパクトとなり、天面LCDなど周囲部品への電気導体からの熱的悪影響がない。さらに、延長部には熱伝導低減手段が設けられているので、接続部への熱伝導を低減し、接続部の温度を下げることができ、電気的接続が確実なものとなり、信頼性が高くコンパクト設計可能な誘導加熱装置が実現できる。
本発明の誘導加熱装置は、人体への感電をなくし、かつ被加熱物の浮き上がりを防止した信頼性が高くコンパクト設計可能なものである。
第1の発明は、被加熱物を載置するトッププレートと、トッププレートの下方に設けて被加熱物を誘導加熱する加熱コイルと、加熱コイル側からトッププレートに設けた電気導体とを備え、前記電気導体は、その外周部から下方に向けて形成された延長部と、延長部の先端に設け低電位部を接続する接続部と、延長部に設け電気導体から接続部への熱伝導を低減する熱的接続低減手段とを有する誘導加熱装置である。これによって、電気導体が浮力低減機能および静電シールド機能の両機能を有し、部品数少なく、人体への感電をなくし、かつ被加熱物の浮き上がりを防止した誘導加熱装置となる。また、接続部を電気導体の外周部から下方に向けて形成されているので、特に、径方向に電気導体が大きくなることなく、コンパクトとなり、天面LCDなど周囲部品への電気導体からの熱的悪影響がない。さらに、延長部には熱伝導低減手段が設けられているので、接続部への熱伝導を低減し、接続部の温度を下げることができ、電気的接続が確実なものとなり、信頼性が高くコンパクト設計可能な誘導加熱装置が実現できる。
第2の発明は、特に、第1の発明において、熱的接続低減手段は、延長部の断面積を部分的または全体的に小さくして形成したことにより、伝熱面積を小さくすることで熱的縁切りを行って接続部の温度を低減し、温度低減させた接続部で低電位部への接続を行い、電気的接続を確実なものにし信頼性を高めたものである。
第3の発明は、特に、第1または第2の発明において、熱的接続低減手段は、延長部に穴を1箇所または複数箇所設けて形成したことにより、比較的簡素な手段で熱的接続低減手段を実現でき、構造的にも延長部の穴の両側面はつながっている安定した形状となるため、簡素でかつ安定し信頼性を高めたものである。
第4の発明は、特に、第1〜第3のいずれか1つの発明において、下方に向けて形成された延長部の屈曲部は、他の部分の断面積と同等または大きくしたことにより、強度が低下しやすい屈曲部の断面積を必要程度以上確保し耐折損性を向上することで構造的に安定した信頼性のあるものとすることができる。
第5の発明は、特に、第1〜第4のいずれか1つの発明において、下方に向けて形成された延長部は、加熱コイルを支持した支持体より下方に突出させるとともに、支持体の下側で外側に曲げた曲げ部を有することにより、電気導体から延長部の先端の接続部までの距離を伸ばすことで、接続部の温度をさらに低減することができ、さらに信頼性を高めることができる。さらに、曲げ部を設けることで、特に、高さ方向の出っ張りをなくすることができ、省スペース化を実現できる。
第6の発明は、特に、第5の発明において、曲げ部にスリットを設けたことにより、曲げ部を曲げ易くすることができ、加工性が向上する。
第7の発明は、特に、第1〜第6のいずれか1つの発明において、加熱コイルと電気導体の間に空間を設け、冷却風を空間に通す構成とし、延長部に冷却風を当てるようにしたことにより、接続部の温度をより低減することができ、さらに信頼性を高めることができる。
第8の発明は、特に、第1〜第7のいずれか1つの発明において、加熱コイルより外側でかつ延長部より内側の位置に、接続部に向けて冷却風を送り込むダクトを設けたことにより、延長部だけでなく、接続部にも冷却風を積極的に当て、接続部の温度をより低減することができ、さらに信頼性を高めることができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1、図2は、本発明の実施の形態1における誘導加熱装置を示すものである。
本実施の形態における誘導加熱装置は、鍋、フライパンなどの被加熱物15を載置するトッププレート5と、トッププレート5の下方に設けて被加熱物15を誘導加熱する加熱コイル1と、加熱コイル1側からトッププレート5に設けた電気導体4とを備え、前記電気導体4は、その外周部から屈曲部14で屈曲され下方に向けて形成された帯状の延長部8と、延長部8の先端に設け低電位部を接続する接続部9と、延長部8に設け電気導体4から接続部9への熱伝導を低減する熱的接続低減手段13とを有する。
加熱コイル1は、制御回路(図示せず)から高周波電流を供給されると、高周波磁界を発生し、被加熱物15を誘電加熱するものであり、内側を高電位側にし、外側を低電位側にしている。そして、加熱コイル1は支持体2上部に載置され支持されている。
支持体2は耐熱樹脂製で、加熱コイル1の下面に強磁性体のフェライトコア3を略平行に配置している。支持体2はフェライトコア3の表面を覆うように形成され、フェライトコア3が加熱コイル1と電気的に絶縁される構成になっている。
電気導体4は、加熱コイル1とトッププレート5の間に設けられ、好ましくは、トッププレート5のすぐ下で、絶縁板6の上に載置されトッププレート5に設けている。電気導体4は、絶縁板6の上に載置されることにより、空間11を介して加熱コイル1と電気的に絶縁される。電気導体4の位置は絶縁板6を介して、支持体2から突出した電気導体支持部10により規制される。電気導体支持部10は内周側に巾約2mmで4箇所、外周側に巾約15mmで12箇所等間隔に配置されており、冷却風が加熱コイル1の上面を流れる妨げにならないようになっている。
電気導体4は、厚さが略1mmのアルミニウムの板により形成され、外径および内径が加熱コイル1のものとほぼ同じ略ドーナツ状で、幅約10mmのスリットで2分割されている(図示せず)。
熱的接続低減手段13は、延長部8の略中心線上に穴を1箇所または複数箇所設けて形成した(本実施の形態では、穴を2箇所設けている)。また、屈曲部14には穴を設けていない。その接続部9の先端で平形接続子16による接続が行われ、コンデンサ12を介して商用電源電位、あるいは加熱コイル1に高周波電流を供給するインバータの入力する商用電源を整流した電位、あるいは大地に電気的に接続される。
接続部9の接続は、かしめ、溶接などの方法を用い、異種金属の接続とした時に腐食の心配がある場合は、シリコン等を塗布し、空気と遮断してもよい。
絶縁体であるトッププレート5は、耐熱セラミックス製であり、その上に被加熱物15アルミニウムや銅といった低透磁率でかつ高電気伝導率材料からなる被加熱物15が加熱コイル1に対向するように載置される。シールドリング7は、リード線またはダイキャストのリングまたはプレス品で形成され、加熱コイル1やフェライトコア3の外側に設けられる。
このように組み立てられた誘導加熱装置の動作を説明する。
加熱コイル1に制御回路(図示せず)から高周波電流が供給されると、加熱コイル1は磁界を発生する。加熱コイル1の発生する高周波磁界により、被加熱物15の底面に電流が誘起される。電気導体4がない場合、誘導電流は加熱コイル1から発生した磁界を相殺する様に被加熱物15に誘起される。この結果、加熱コイル電流と方向が逆で平行な誘導電流が高電気伝導率の被加熱物15に誘導される。誘導電流と加熱コイル電流との相互作用で被加熱物15の底に加熱コイル1から遠ざかろうとする反発力が生じ、被加熱物15に浮力が発生する。特に、被加熱物15がアルミニウムや銅といった低透磁率かつ高電気伝導率材料である場合に、浮力が生じる。
電気導体4がある場合は、加熱コイル1の発生する磁界が電気導体4に鎖交して、電気導体4に誘導電流が誘起される。電気導体4の厚みは約1mmで浸透深さ以上の厚みを有するので、電気導体4に鎖交した磁界の大部分はほとんど電気導体4を通過せず、外周側または内周側に迂回してから被加熱物15方向に導かれる。つまり、被加熱物15に誘導される電流の分布は、電気導体4に誘導電流が発生することにより変わる。
加熱コイル1が発生する磁界は、電気導体4と被加熱物15に鎖交し、両者に誘導電流を発生させる。被加熱物15に誘起された誘導電流は、加熱コイル1の発生する磁界分布と、電気導体4に誘起された電流の発生する磁界分布の重畳した磁界分布が被加熱物15に鎖交することにより発生する。このように、電気導体4が介在することにより、被加熱物15に誘導される電流分布が変化し、さらに電気導体4に発生する電流分布が加わるということから、加熱コイル1の等価直列抵抗(被加熱物15および電気導体4を加熱状態と同様の位置配置で、加熱周波数近傍の周波数を使用して測定した加熱コイル1の入力インピーダンスにおける等価直列抵抗)が大きくなる。
等価直列抵抗が大きくなると、同じ加熱コイル電流でも被加熱物15における発熱量が大きくなるので、同一消費電力を得ようとする場合には加熱コイル1に流す電流値を小さくすることができ、それに伴い被加熱物15に作用する浮力が低減する。さらに、電気導体4が被加熱物15に働くべき浮力の一部を分担することで、被加熱物15に作用する浮力を低減できる。
このように、電気導体4は、同一出力を得る場合の加熱コイル1に流れる電流を低減して、加熱コイル1の発生する磁界により被加熱物15に対して働く浮力を低減する浮力低減機能を有する。この結果、アルミニウム若しくは銅またはこれらと略同等以上の電気伝導率を有し、かつ低透磁率材料からなる被加熱物15を加熱した時に浮き上がったりずれたりするのを防止することができる。
電気導体4はアルミニウム製であるので低透磁率であり、磁束がその電気導体4に吸収されにくい(被加熱物15に到達しない磁束量が多くならない)。加熱コイル1の磁束が鎖交することにより、電気導体4に誘導された電流で磁界の向きや分布が変更される。電気導体4内を通過させ被加熱物15に鎖交させるか、または電気導体4を迂回させ被加熱物15に鎖交させるかのいずれかの経路で、磁束を効率的に被加熱物15に鎖交させることができる。
電気導体4は、加熱コイル1における被加熱物15側の面の一部または全部と対向し板状に形成されてなる。これにより、加熱コイル1から発生する磁界の一部を被加熱物15に到達する前に、電気導体4に効率良く鎖交させ、電気導体4の周囲から迂回して被加熱物15に加熱コイル1の磁界を鎖交させることになる。
なお、本実施の形態では、加熱コイル1のほぼ全部と対向するように電気導体4の大きさを決めたが、電気導体4の板の面積は大きいほど、また電気導体4が加熱コイル1に近いほど電気導体4に加熱コイル1の磁束が多く通過し、等価直列抵抗増加作用を大きくすることができることから、電気導体4の表面積は、必要とする浮力低減効果を得るように、また、電気導体4と加熱コイル1間の距離、電気導体4の発熱などの条件を考慮して決めれば良い。
電気導体4はトッププレート5のすぐ下に載置されることにより、電気導体4の熱はトッププレート5を介して放熱される。電気導体4の接続部9を低電位部(例えば、入力する電源電圧、その整流後の直流電圧あるいはそれに近い電位など、加熱コイル1の高電位部より電位の低い部分)に接続することにより、加熱コイル1に発生する高電圧部分と被加熱物15との静電結合が小さくなる。加熱コイル1に発生する高周波高電圧が加熱コイル1と被加熱物15間の浮遊容量を介して使用者の体に流れるリーク電流を抑制することができる。
言いかえれば、電気導体4とグラウンドとの間に、電気導体4の内部抵抗(等価抵抗)と、電気導体4と使用者の身体との間の浮遊容量(等価容量)および使用者の身体の内部抵抗(等価抵抗)とが並列に接続される。電気導体4の内部抵抗(等価抵抗)のインピーダンスは、浮遊容量(等価容量)および使用者の身体の内部抵抗(等価抵抗)のインピーダンスと比較して非常に小さいので、加熱コイル1からの漏洩電流はほとんど電気導体4を通じてグラウンドに流れ、使用者の身体にはほとんど電流が漏洩しない。
被加熱物15が低透磁率でしかも低抵抗のアルミニウムや銅などからなる鍋のとき、加熱コイル1に流れる周波数が高くなり、加熱コイル1に印加されるピーク電圧が1KV以上になる。
上記のように電気導体4が低電位部に電気的に結合されていれば、被加熱物15と電気導体4との間の電位差が小さくなるため、被加熱物15に人体が触れた場合の漏れ電流が大幅に低減される。したがって、被加熱物15に人体が触れても安全である。
加熱コイル1に高周波電流を供給すると、加熱コイル1の発生する磁界により、シールドリング7に高周波電流が誘導される。シールドリング7に誘導された高周波電流は、リングの内側においては加熱コイル1の磁界と同一方向に、リングの外側においては加熱コイル1による磁界と反対方向の磁界を発生するため、加熱コイル1から外周に漏洩する磁界を低減する。なお、フェライトコア3による防磁効果が十分であれば、シールドリングを有しない構成としても良い。
以上のように、本実施の形態においては、電気導体4は、加熱コイル1に対向して被加熱物15を配置した時の加熱コイル1の等価直列抵抗を大きくするとともに、加熱コイル1の発生する磁界が被加熱物15に対して働く浮力を低減する浮力低減機能を有する。アルミニウム、銅、または黄銅など低透磁率かつ高電気伝導率材料の被加熱物15を、調理中に浮き上がることを防止しつつ加熱できる。
また、電気導体4を直接低電位部に接続することにより、加熱コイル1に発生する高周波高電圧が加熱コイル1と被加熱物15間の浮遊容量を介して使用者の体に流れるリーク電流を抑制することができる。
また、電気導体4が浮力低減機能と静電シールド機能の両方の機能を有することにより、部品数少なくコンパクト設計可能で安全かつ低価格な誘導加熱装置を実現できる。
また、延長部8の断面積を部分的(全体的でもよい)に小さくすることで熱的接続低減手段13を形成することもでき、伝熱面積を小さくすることで、熱的縁切りを行い、接続部9の温度を低減することにより、温度を低減させた接続部9で低電位部への接続を行い、電気的接続を確実なものにし、信頼性のある誘導加熱装置を実現できる。
また、延長部8の略中心線上に穴を2箇所(1箇所、または、複数箇所でもよい)設け、伝熱面積を小さくすることで熱的縁切りを行い、接続部9の温度を低減することにより、比較的簡素な手段で熱的接続低減手段13を実現でき、構造的にも延長部8の穴の両側面が2箇所つながっている形状となり安定した形状となるため、簡素でかつ安定した信頼性のある誘導加熱装置を実現できる。
また、延長部8の屈曲部14は他の部分の断面積と同等または大きくしたことにより、強度が低下しやすい曲げ部の断面積を必要程度以上確保し耐折損性を向上することで構造的に安定した信頼性のある誘導加熱装置を実現できる。
また、接続部9への伝熱距離を稼ぐために必要以上に電気導体4の面積(外周側)を広げていないので、トッププレート5との熱的接続部が必要以上に増えることはなく(熱交換がトッププレート5のみと行われる場所が増えると、被加熱物15との有効熱的接続面積が減ってしまう)、電気導体4が有効に被加熱物15と熱的接続でき、性能を維持することができる。
また、加熱コイル1と電気導体4の間に空間11を設け、冷却風を空間11に通す構成とし、冷却風を延長部8に当てることによって、延長部8を冷却風で冷却することにより、接続部9の温度を低減することができ、さらに信頼性のある誘導加熱装置を実現できる。
(実施の形態2)
図3、図4は、本発明の実施の形態2における誘導加熱装置を示すものである。実施の形態1と同一要素については同一符号を付して説明を省略する。
本実施の形態における誘導加熱装置は、下方に向けて形成された延長部8は、加熱コイル1を支持した支持体2より下方に突出させるとともに、支持体2の下側で外側に曲げた曲げ部17(曲げた後の接続部9は支持体2の外側に突出させない、または、できるだけ突出を少なくする)を有している。これにより、電気導体4から延長部8の先端の接続部9までの距離を伸ばしている。そして、曲げ部17にはスリット19を設けて曲げ易くしている。また、加熱コイル1より外側でかつ延長部8より内側の位置に、接続部9に向けて冷却風を送り込むダクト18を設け、延長部8だけでなく、接続部9にも冷却風を積極的に当て、接続部9の温度をより低減することができ、さらに信頼性を高めたものである。他は実施の形態1と同一である。
以上のように、本実施の形態においては、電気導体4から延長部8の先端の接続部9までの距離を伸ばすことにより、接続部9の温度をより低減することができ、さらに信頼性のある誘導加熱装置を実現できる。
また、曲げ部17を設けることで、特に、高さ方向の出っ張りをなくすることができ、省スペース化を実現できる。
さらに、接続部9に向けて冷却風を送り込むダクト18を設けることにより、接続部9の温度をより低減することができ、さらに信頼性のある誘導加熱装置を実現できる。
なお、本実施の形態1、2においては、各電気導体と低電位部(商用電源電位や大地など)との接続を接続部9の1箇所のみで行っているが、複数個設けて、単純に信頼性を増したり、複数の接続部9間に電流を流して接続の有無を検知したりして、接続が良好の時のみ加熱コイル1に通電する構成とすればより安全性を向上できる。
以上のように、本発明にかかる誘導加熱装置は、人体への感電をなくし、かつ被加熱物の浮き上がりを防止した信頼性が高くコンパクト設計可能なものであるので、誘導加熱調理器などとして有用である。
本発明の実施の形態1における誘導加熱装置の断面図 同誘導加熱装置の要部を示す斜視図 本発明の実施の形態2における誘導加熱装置の断面図 同誘導加熱装置の要部を示す斜視図
符号の説明
1 加熱コイル
2 支持体
4 電気導体
5 トッププレート
8 延長部
9 接続部
11 空間
13 熱的接続低減手段
14 屈曲部
15 被加熱物
17 曲げ部
18 ダクト
19 スリット

Claims (8)

  1. 被加熱物を載置するトッププレートと、トッププレートの下方に設けて被加熱物を誘導加熱する加熱コイルと、加熱コイル側からトッププレートに設けた電気導体とを備え、前記電気導体は、その外周部から下方に向けて形成された延長部と、延長部の先端に設け低電位部を接続する接続部と、延長部に設け電気導体から接続部への熱伝導を低減する熱的接続低減手段とを有する誘導加熱装置。
  2. 熱的接続低減手段は、延長部の断面積を部分的または全体的に小さくして形成した請求項1に記載の誘導加熱装置。
  3. 熱的接続低減手段は、延長部に穴を1箇所または複数箇所設けて形成した請求項1または2に記載の誘導加熱装置。
  4. 下方に向けて形成された延長部の屈曲部は、他の部分の断面積と同等または大きくした請求項1〜3のいずれか1項に記載の誘導加熱装置。
  5. 下方に向けて形成された延長部は、加熱コイルを支持した支持体より下方に突出させるとともに、支持体の下側で外側に曲げた曲げ部を有する請求項1〜4のいずれか1項に記載の誘導加熱装置。
  6. 曲げ部にスリットを設けた請求項5に記載の誘導加熱装置。
  7. 加熱コイルと電気導体の間に空間を設け、冷却風を空間に通す構成とし、延長部に冷却風を当てるようにした請求項1〜6のいずれか1項に記載の誘導加熱装置。
  8. 加熱コイルより外側でかつ延長部より内側の位置に、接続部に向けて冷却風を送り込むダクトを設けた請求項1〜7のいずれか1項に記載の誘導加熱装置。
JP2005028750A 2005-02-04 2005-02-04 誘導加熱装置 Expired - Fee Related JP4654701B2 (ja)

Priority Applications (7)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005028750A JP4654701B2 (ja) 2005-02-04 2005-02-04 誘導加熱装置
EP06712441A EP1811812B1 (en) 2005-02-04 2006-01-27 Induction heater
CNB2006800010543A CN100527904C (zh) 2005-02-04 2006-01-27 感应加热装置
US11/575,921 US8129664B2 (en) 2005-02-04 2006-01-27 Induction heater
ES06712441T ES2341882T3 (es) 2005-02-04 2006-01-27 Calentador de induccion.
PCT/JP2006/301275 WO2006082753A1 (ja) 2005-02-04 2006-01-27 誘導加熱装置
HK08100802.0A HK1107161A1 (en) 2005-02-04 2008-01-22 Induction heater

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005028750A JP4654701B2 (ja) 2005-02-04 2005-02-04 誘導加熱装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006216430A true JP2006216430A (ja) 2006-08-17
JP4654701B2 JP4654701B2 (ja) 2011-03-23

Family

ID=36979460

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005028750A Expired - Fee Related JP4654701B2 (ja) 2005-02-04 2005-02-04 誘導加熱装置

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP4654701B2 (ja)
CN (1) CN100527904C (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007035473A (ja) * 2005-07-28 2007-02-08 Matsushita Electric Ind Co Ltd 誘導加熱装置
JP2008147057A (ja) * 2006-12-12 2008-06-26 Matsushita Electric Ind Co Ltd 誘導加熱装置
JP2010033885A (ja) * 2008-07-29 2010-02-12 Mitsubishi Electric Corp 誘導加熱調理装置
JP2012178369A (ja) * 2012-06-20 2012-09-13 Mitsubishi Electric Corp 誘導加熱調理装置

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10125898A (ja) * 1996-09-02 1998-05-15 Fuji Electric Co Ltd 無接点式半導体接触器
JP2003264054A (ja) * 2002-03-12 2003-09-19 Matsushita Electric Ind Co Ltd 誘導加熱装置
WO2004016047A1 (ja) * 2002-08-07 2004-02-19 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. 誘導加熱装置
JP2004146149A (ja) * 2002-10-23 2004-05-20 Matsushita Electric Ind Co Ltd 誘導加熱装置
JP2005222822A (ja) * 2004-02-05 2005-08-18 Matsushita Electric Ind Co Ltd 誘導加熱装置

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10125898A (ja) * 1996-09-02 1998-05-15 Fuji Electric Co Ltd 無接点式半導体接触器
JP2003264054A (ja) * 2002-03-12 2003-09-19 Matsushita Electric Ind Co Ltd 誘導加熱装置
WO2004016047A1 (ja) * 2002-08-07 2004-02-19 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. 誘導加熱装置
JP2004146149A (ja) * 2002-10-23 2004-05-20 Matsushita Electric Ind Co Ltd 誘導加熱装置
JP2005222822A (ja) * 2004-02-05 2005-08-18 Matsushita Electric Ind Co Ltd 誘導加熱装置

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007035473A (ja) * 2005-07-28 2007-02-08 Matsushita Electric Ind Co Ltd 誘導加熱装置
JP2008147057A (ja) * 2006-12-12 2008-06-26 Matsushita Electric Ind Co Ltd 誘導加熱装置
JP2010033885A (ja) * 2008-07-29 2010-02-12 Mitsubishi Electric Corp 誘導加熱調理装置
JP2012178369A (ja) * 2012-06-20 2012-09-13 Mitsubishi Electric Corp 誘導加熱調理装置

Also Published As

Publication number Publication date
CN100527904C (zh) 2009-08-12
JP4654701B2 (ja) 2011-03-23
CN101044796A (zh) 2007-09-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1811812B1 (en) Induction heater
US7057144B2 (en) Induction heating device
US20130270260A1 (en) Induction heating coil and induction heating device
JP4654701B2 (ja) 誘導加熱装置
JP3888190B2 (ja) 誘導加熱装置
JP4173825B2 (ja) 誘導加熱装置
JP6446288B2 (ja) 誘導加熱装置
JP3888290B2 (ja) 誘導加熱装置
JP4693846B2 (ja) 誘導加熱装置
JP4148212B2 (ja) 誘導加熱調理器
JP4654755B2 (ja) 誘導加熱装置
JP3883478B2 (ja) 誘導加熱装置
JP2010129175A (ja) 誘導加熱装置
JP6379353B2 (ja) Dc−dcコンバータ
JP3465712B2 (ja) 誘導加熱装置
JP2007035473A (ja) 誘導加熱装置
JP2010267423A (ja) 誘導加熱装置
JP4848792B2 (ja) 誘導加熱装置
JP3465711B2 (ja) 誘導加熱装置
JP2007329020A (ja) 電磁調理器
JP2006120336A (ja) 誘導加熱装置
JPS59114788A (ja) 誘導加熱調理器
JP2006164722A (ja) 誘導加熱装置
JP2010287364A (ja) 誘導加熱装置
JP2010282910A (ja) 誘導加熱調理器

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080130

RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20080213

RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20091120

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100323

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100521

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20101124

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20101207

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140107

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140107

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees