JP2005222822A - 誘導加熱装置 - Google Patents

誘導加熱装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2005222822A
JP2005222822A JP2004029897A JP2004029897A JP2005222822A JP 2005222822 A JP2005222822 A JP 2005222822A JP 2004029897 A JP2004029897 A JP 2004029897A JP 2004029897 A JP2004029897 A JP 2004029897A JP 2005222822 A JP2005222822 A JP 2005222822A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heating coil
electric conductor
heated
induction heating
peripheral portion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2004029897A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4173825B2 (ja
Inventor
Akira Kataoka
章 片岡
Shinji Kondo
信二 近藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP2004029897A priority Critical patent/JP4173825B2/ja
Publication of JP2005222822A publication Critical patent/JP2005222822A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4173825B2 publication Critical patent/JP4173825B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • General Induction Heating (AREA)
  • Induction Heating Cooking Devices (AREA)

Abstract

【課題】安価で感電する恐れのない信頼性のある誘導加熱装置を提供する。
【解決手段】本発明の誘導加熱装置は、アルミニウム若しくは銅またはこれらと略同等以上の電気伝導率を有する低透磁率材料からなる被加熱物を誘導加熱可能な加熱コイルと、被加熱物と加熱コイルとの間に設けられ、加熱コイルに対向して被加熱物を配置した時の加熱コイルの等価直列抵抗を大きくして、加熱コイルの発生する磁界が被加熱物に対して働く浮力を低減する浮力低減機能と、低電位部に電気的に接続して、加熱コイルと被加熱物との静電結合を小さくする静電シールド機能と、を有する電気導体と、電気導体と電気的に接続し、加熱コイルに誘導電流を流して駆動する制御回路と、を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、被加熱物と加熱コイルとの間に電気導体を設けた誘導加熱装置に関する。
加熱コイルの発生する高周波磁界により負荷となる鍋等に渦電流を誘起して加熱する誘導加熱装置が、熱効率が高く、安全で且つ清潔であるという特性から注目されている。従来の誘導加熱装置は、鉄のような高透磁率の被加熱物を加熱するのに適していた。近年、アルミニウム又は銅のような低透磁率で高電気伝導率の被加熱物を加熱できる誘導加熱装置が開発されてきている。
加熱コイルと被加熱物との間に浮遊容量(等価容量)が存在し、ユーザが被加熱物に触ると、浮遊容量及びユーザの身体の内部抵抗(等価抵抗)を通じて、加熱コイルからグラウンドに電流が流れる。
低透磁率で高電気伝導率の被加熱物を加熱する場合の方が、高透磁率の被加熱物を加熱する場合よりも、加熱コイルの巻数が多く、加熱コイルに印加される電圧が高い。高圧の加熱コイルから人体に所定以上の電流が漏洩することは危険であるため、低透磁率で高電気伝導率の被加熱物を加熱する誘導加熱装置の場合、人体に漏洩電流が流れることを防止する必要があった。
実開昭50−82046号公報に、導電膜を用いて人体に漏洩電流が流れることを防止する従来例1の誘導加熱装置が開示されている。トッププレートの裏面に導電膜を設け、その導電膜を接地する。加熱コイルからの漏洩電流はほとんど導電膜を通じてグラウンドに流れるため、被加熱物を通じて人体に漏洩電流がほとんど流れない。
誘導加熱装置は、被加熱物に到達する磁束の量により、被加熱物の加熱温度を調整することができる。特開平7−249480号公報に、環状の電気導体を用いて温度分布を調節する従来例2の誘導加熱装置が開示されている。電気導体は、加熱コイルと被加熱物との間に配設される。環状の電気導体は外周縁と内周縁との間にスリットを有する。電気導体の外周縁には、加熱コイルの高周波電流と反対方向の誘導電流が流れ、この誘導電流はスリットで遮断される。電気導体の内周縁には、外周縁の誘導電流と逆向き(加熱コイルと同一方向)の誘導電流が流れる。従来例2の誘導加熱装置は、加熱コイルに流れる高周波電流と、電気導体の外周縁及び内周縁に流れる誘導電流とによって、磁界の強度を調節し、被加熱物を加熱する。
加熱コイルが発生する磁界は、加熱コイルを中心に周辺に及ぶ。特開平7−22170号公報に、周囲に漏洩する磁界を抑制する従来例3の誘導加熱装置が開示されている。従来例3の誘導加熱装置は、シールドリングを加熱コイルの外側に配設している。加熱コイルに高周波電流が供給されると、加熱コイルから高周波磁界が発生する。その磁界がシールドリングに鎖交すると、シールドリングに加熱コイルの電流と逆方向の誘導電流が流れる。シールドリングに流れる誘導電流によって、シールドリングは磁界を発生する。シールドリングの発生する磁界は、シールドリングの内側においては加熱コイルの磁界を強める方向になり、シールドリングの外側おいては、加熱コイルの磁界と反対方向になる。シールドリングは、その外側において加熱コイルの発生する磁界を打ち消して、加熱コイルの磁界が周囲に漏洩することを抑制している。
実開昭50−82046号公報 特開平7−249480号公報 特開平7−22170号公報
従来例1〜3の誘導加熱装置において、人体に漏洩電流が流れることを防ぐ導電膜、温度分布の調整を行う電気導体、外周への漏洩電流を防ぐシールドリングは、それぞれ別個の部品であった。そのため、これらの機能を全て有する誘導加熱装置となると、高価になるという問題があった。
更に、従来のカーボン等の導電性の塗料と接着剤とを混合した静電シールド体に接続端子を設けて低電位部に接続する場合、導線性の塗料が均一に塗られていない、又は静電シールド体と接続端子との接合が弱い等の問題があり、信頼性を確保するための構成が複雑になったり、部品検査に時間を要するなど、信頼性確保のための費用がかかっていた。
本発明は、静電シールドに対して安価で信頼性のある誘導加熱装置を提供することを目的とする。
本発明は、更に加熱コイルが発生する磁界によって被加熱物が浮き上がることを防止しつつ、アルミニウム若しくは銅またはこれらと略同等以上の電気伝導率を有する低透磁率材料からなる被加熱物に対し誘導加熱可能な誘導加熱装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は下記の構成を有する。請求項1に記載の発明は、アルミニウム若しくは銅またはこれらと略同等以上の電気伝導率を有する低透磁率材料からなる被加熱物を誘導加熱可能な加熱コイルと、前記被加熱物と前記加熱コイルとの間に設けられ、前記加熱コイルに対向して前記被加熱物を配置した時の前記加熱コイルの等価直列抵抗を大きくして、前記加熱コイルの発生する磁界が前記被加熱物に対して働く浮力を低減する浮力低減機能と、低電位部に電気的に接続して、前記加熱コイルと前記被加熱物との静電結合を小さくする静電シールド機能と、を有する電気導体と、前記電気導体と電気的に接続し、前記加熱コイルに誘導電流を流して駆動する制御回路と、を有することを特徴とする誘導加熱装置である。
本発明の誘導加熱装置は、被加熱物を通じて人体に漏洩電流が流れることを確実に防ぐと共に、高い電気伝導率を有する低透磁率材料からなる被加熱物を誘導加熱することができる。本発明によれば、電気導体が浮力低減機能及び静電シールド機能の両方の機能を有することになり、部品数を減らすことができ、安価な誘導加熱装置を実現できる。
請求項2に記載の発明は、前記電気導体は内周部と、前記内周部の一端に接続され、その接続部以外の部分において内周部との間に隙間を有する外周部とで構成され、前記内周部と前記外周部の接続部から略最も離れた前記外周部の端部で前記低電位部に接続されることを特徴とする請求項1に記載の誘導加熱装置である。
電気導体に隙間で隔てられた内周部と外周部とを設け、内周部の熱が外周部の端部(低電位部に接続される。)に伝わるまでの経路を長くすることにより、外周部の端部の温度を低くしている。本発明によれば、電気導体において温度が最も低い端部で低電位部への接続をすることにより、電気的接続を確実なものにし、更に信頼性のある誘導加熱装置を実現できる。
請求項3に記載の発明は、前記電気導体の外周部の幅は、内周部の幅に比べて十分に狭いことを特徴とする請求項2に記載の誘導加熱装置である。
電気導体の外周部の幅を狭くすることにより、外周部自体の発熱量を低減できる。外周部は内周部に比べて温度が低くなる。本発明によれば、低電位部に電気的に接続される電気導体の外周部の温度が十分に低くなるような構成により、高い信頼性を実現する。
請求項4に記載の発明は、被加熱物を誘導加熱する加熱コイルと、前記被加熱物と前記加熱コイルとの間に設けられる第1の電気導体と、前記第1の電気導体と電気的に接続され、前記加熱コイルの磁界が周囲に漏洩することを抑制する環状の第2の電気導体と、前記加熱コイルに誘導電流を流して駆動する制御回路と、を有し、前記制御回路の低電位部に前記第2の電気導体を電気的に接続して、前記加熱コイルと前記被加熱物との静電結合を小さくすることを特徴とする誘導加熱装置である。
本発明の誘導加熱装置は、第2の電気導体を低電位部に電気的に接続し、低電位部に電気的に接続される第2の電気導体の端部の温度が十分に低くなるような構成により、高い信頼性を実現する。
本発明によれば、第1の電気導体で静電シールド効果を発揮し、又第2の電気導体を適切な位置に設けることにより、加熱コイルの発生する磁界が外周に漏れることを防ぐ防磁効果を有することになり、部品数を減らすことができ、安価な誘導加熱装置を実現できる。
請求項5に記載の発明は、アルミニウム若しくは銅またはこれらと略同等以上の電気伝導率を有する低透磁率材料からなる被加熱物を誘導加熱する場合に、前記第1の電気導体は、前記加熱コイルの発生する磁界が前記被加熱物に対して働く浮力を低減する浮力低減機能を有することを特徴とする請求項4に記載の誘導加熱装置である。
本発明によれば、アルミニウム又は銅のような低透磁率で高電気伝導率の被加熱物を、被加熱物が浮き上がることを防止しつつ加熱できる誘導加熱装置を実現できる。
請求項6に記載の発明は、前記第1の電気導体は、前記加熱コイルの上部を覆うことを特徴とする請求項4又は請求項5のいずれかの請求項に記載の誘導加熱装置である。
本発明によれば、アルミニウム又は銅のような低透磁率で高電気伝導率の被加熱物を被加熱物が浮き上がることを防止しつつ、高効率で加熱できる誘導加熱装置を実現できる。
請求項7に記載の発明は、前記第2の電気導体は、前記加熱コイルの外側に設けられることを特徴とする請求項4又は請求項5のいずれかの請求項に記載の誘導加熱装置である。
本発明によれば、第2の電気導体により加熱コイルの周辺に漏洩する磁界を抑制することができる安価な誘導加熱装置を実現できる。
請求項8に記載の発明は、前記加熱コイルの外側に更にフェライトを有し、前記第2の電気導体は前記フェライトの外側に設けられることを特徴とする請求項4又は請求項5のいずれかの請求項に記載の誘導加熱装置である。
本発明によれば、防磁効果の高い誘導加熱装置を実現できる。本発明によれば、第2の電気導体がフェライトから放出される磁束を遮らない故に、第2の電気導体が加熱され高温になることがなく、高効率の誘導加熱装置を実現できる。
請求項9に記載の発明は、前記第2の電気導体は、前記加熱コイルと略同一の高さに設けられることを特徴とする請求項4又は請求項5のいずれかの請求項に記載の誘導加熱装置である。
本発明によれば、加熱コイルからの磁界が外周に漏れることを防止し、且つ第2の電気導体が加熱され高温になることを防ぐ高効率の誘導加熱装置を実現できる。
請求項10に記載の発明は、前記第1の電気導体と前記第2の電気導体とを一体の導体で形成したことを特徴とする請求項4又は請求項5のいずれかの請求項に記載の誘導加熱装置である。
本発明によれば、浮力低減機能を有する第1の電気導体と、静電シールド機能と防磁効果とを有する第2の電気導体とを一体で形成することにより、部品数を減らすことができ、安価な誘導加熱装置を実現できる。
請求項11に記載の発明は、前記電気導体、前記電気導体の内周部、及び前記第1の電気導体は、スリットを有することを特徴とする請求項1から請求項10のいずれかの請求項に記載の誘導加熱装置である。
本発明の誘導加熱装置は、電気導体にスリットを設けることにより、加熱コイルの発生する磁界により電気導体に誘導される電流の向き及び大きさを変え、電気導体に発生する発熱量を低減することができる。
本発明によれば、安価で感電する恐れのない信頼性のある誘導加熱装置を実現できるという効果を得られる。
本発明によれば、更に加熱コイルが発生する磁界によって被加熱物が浮き上がることを防止しつつ、アルミニウム若しくは銅またはこれらと略同等以上の電気伝導率を有する低透磁率材料からなる被加熱物を誘導加熱可能な誘導加熱装置を実現できるという効果を得られる。
以下本発明の実施をするための最良の形態を具体的に示した実施例について、図面とともに記載する。
図1及び図2を用いて、実施例1の誘導加熱装置を説明する。図1は、本発明の実施例1における誘導加熱装置の加熱コイル及びその周辺の構成を示す斜視図である。図2は誘導加熱装置本体(図示せず)に収納された加熱コイルと、本体上部に固定されたトッププレートと、トッププレートに載置される被加熱物を示す断面図である。
本発明の実施例1の誘導加熱装置は、加熱コイル1、保持部2、フェライトコア3(3a、3b、3cを有する。)、4(4a、4b、4cを有する。)、5(5a、5b、5cを有する。)、6(6a、6b、6cを有する。)、電気導体7、トッププレート8、絶縁板9、シールドリング10、端子13、サーミスタ15、ホルダー16を有する。被加熱物11は、トッププレート8の上に載置される。
加熱コイル1は、制御回路(図示していない。)から高周波電流を供給されると、高周波磁界を発生し、被加熱物11を加熱する。本発明において、加熱コイルは内側を高電位側にし、外側を低電位側にしている。加熱コイル1は、保持部2上部に載置される。
保持部2は耐熱樹脂製で、フェライトコア3b〜6bと一体的に形成され、加熱コイル1の下面に略平行に位置する。フェライトコア3b〜6bは、4本の略直方体をした棒形状の強磁性体である。フェライトコア3b〜6bは、加熱コイル1の下部に位置する。フェライトコア3b〜6bの両端にはフェライトコア3a〜6aとフェライトコア3c〜6cが接して設けられる。このためフェライトコアは全体として断面が被加熱物11に向けて開いたコの字状に形成される。保持部2はフェライトコアの表面を覆うように(部分的に冷却のため覆っていない)形成され、フェライトコアが加熱コイル1と電気的に絶縁される構成になっている。
電気導体7は、加熱コイル1とトッププレート8の間に設けられている。好ましくは、電気導体7は、トッププレートのすぐ下で、絶縁板9の上に載置される。電気導体7は、絶縁板9の上に載置されることにより、加熱コイル1と電気的に絶縁される。電気導体7の位置は3箇所ある脚部7bと保持部2により規制される。
電気導体7は、厚さが略1mmのアルミニウムの板により形成され、外径及び内径が加熱コイル1のものとほぼ同じ略ドーナツ状で、幅約6mmのスリット7aが外周から内周に渡って設けられている。
電気導体7は中央に開口部12を有する。被加熱物11側から見て、外側の立ち上がり部であるフェライトコア3a〜6aの上端面は電気導体7の外周より外側に位置し、内側の立ち上がり部であるフェライトコア3c〜6cの上端面は開口部12の周部より内側に位置している。
電気導体7の脚部7bに端子13を接続し、その端子13はコンデンサ14を介して商用電源電位、あるいは加熱コイル1に高周波電流を供給するインバータの入力する商用電源を整流した電位、あるいは大地に電気的に接続される。
絶縁体であるトッププレート8は耐熱セラミックス製で、その上にアルミニウム製の被加熱物11が加熱コイル1に対向するように載置される。絶縁板9は、加熱コイル1と電気導体7との間に載置される。シールドリング10は、リード線又はダイキャストのリングで形成され、フェライトコア3a〜6aの外側に設けられる。サーミスタ15はホルダー16にはめ込まれて、トッププレート8裏面に当接され、被加熱物11の温度を間接的に検出する。
このように組み立てられた誘導加熱装置の動作を説明する。加熱コイル1に制御回路(図示していない。)から高周波電流が供給されると、加熱コイル1は磁界を発生する。加熱コイル1の発生する高周波磁界により、被加熱物11の底面に電流が誘起される。電気導体7がない場合、誘導電流は加熱コイルから発生した磁界を相殺する様に被加熱物11に誘起される。この結果、加熱コイル電流と方向が逆で平行な誘導電流が高電気伝導率の被加熱物11に誘導される。誘導電流と加熱コイル電流との相互作用で被加熱物11の底に加熱コイル2から遠ざかろうとする反発力が生じ、被加熱物11に浮力が発生する。特に、被加熱物11がアルミニウムや銅といった低透磁率かつ高電気伝導率なる材料である場合に、浮力が生じる。
電気導体7がある場合は、加熱コイル1の発生する磁界が電気導体7に鎖交して、電気導体7に誘導電流が誘起される。電気導体7の厚みは約1mmで浸透深さ以上の厚みを有するので、電気導体に鎖交した磁界の大部分はほとんど電気導体を通過せず、外周側または内周側に迂回してから被加熱物11方向に導かれる。つまり、被加熱物11に誘導される電流の分布は、電気導体7に誘導電流が発生することにより変わる。
加熱コイルが発生する磁界は、電気導体7と被加熱物11に鎖交し、両者に誘導電流を発生させる。被加熱物11に誘起された誘導電流は、加熱コイル1の発生する磁界分布と、電気導体7に誘起された電流の発生する磁界分布の重畳した磁界分布が被加熱物11に鎖交することにより発生する。このように、電気導体7が介在することにより、被加熱物11に誘導される電流分布が変化し、さらに電気導体7に発生する電流分布が加わるということから、加熱コイル1の等価直列抵抗(被加熱物及び電気導体を加熱状態と同様の位置配置で、加熱周波数近傍の周波数を使用して測定した加熱コイルの入力インピーダンスにおける等価直列抵抗)が大きくなる。
等価直列抵抗が大きくなると、同じ加熱コイル電流でも被加熱物11における発熱量が大きくなるので、同一消費電力を得ようとする場合には加熱コイルに流す電流値を小さくすることができ、それに伴い被加熱物に作用する浮力が低減する。更に、電気導体が被加熱物に働くべき浮力の一部を分担することで被加熱物に作用する浮力を低減できる。
このように、電気導体は、同一出力を得る場合の加熱コイルに流れる電流を低減して、加熱コイルの発生する磁界により被加熱鍋に対して働く浮力を低減する浮力低減機能を有する。この結果アルミニウム若しくは銅又はこれらと略同等以上の電気伝導率を有し、かつ低透磁率材料からなる被加熱物を加熱した時に浮き上がったりずれたりするのを防止することができる。
電気導体7はアルミニウム製であるので低透磁率であり、磁束がその電気導体7に吸収されにくい(被加熱物に到達しない磁束量が多くならない)。加熱コイル1の磁束が鎖交することにより、電気導体に誘導された電流で磁界の向きや分布が変更される。電気導体7内を通過させ被加熱物11に鎖交させるか、または電気導体7を迂回させ被加熱物11に鎖交させるかのいずれかの経路で、磁束を効率的に被加熱物11に鎖交させることができる。
電気導体7は、加熱コイル1をスリット7a部以外のほぼ全部に渡って上部で覆うように、すなわち、加熱コイル1における被加熱物11側の面の一部または全部と対向し板状に形成されてなる。これにより、加熱コイル1から発生する磁界の一部を被加熱物11に到達する前に、電気導体7に効率良く鎖交させ、電気導体7の周囲から迂回して被加熱物11に加熱コイル1の磁界を鎖交させることになる。
電気導体7と加熱コイル1との間隔は、電気導体7と被加熱物11との間隔よりも小さく、電気導体7と加熱コイル1との磁気結合が良いので、電気導体7に鎖交する磁束量が大きくなり、電気導体7に誘導電流が分布し加熱コイル1の等価直列抵抗を大きくするという作用がある。
なお、本実施例では、加熱コイル1のほぼ全部と対向するように電気導体7の大きさを決めたが、電気導体7の板の面積は大きいほど、また電気導体7が加熱コイル1に近いほど電気導体7に加熱コイル1の磁束が多く通過し、等価直列抵抗増加作用を大きくすることができることから、電気導体7の表面積は、必要とする浮力低減効果を得るように、また、電気導体7と加熱コイル1間の距離、電気導体7の発熱等の条件を考慮して決めれば良い。
電気導体7にスリット7aを設けない場合、電気導体に周回電流が流れ、電気導体が発熱する。更に、加熱コイルの電流と逆向きの周回電流が電気導体7に流れると、磁界が相殺され、その部分においては被加熱物を誘導加熱することができない。
電気導体7にスリット7aを設けることで、加熱コイル1の電流と逆方向の略平行な周回電流が加熱コイル1の中心の周りを周回するように電気導体7に流れることを防ぐ。電気導体7に誘導される加熱コイル1に流れる電流と逆方向に流れる周回電流は、スリット7aにより遮断され、電気導体7に誘導される電流の向き及び大きさを変える。これにより、大電流の発生が無くなり、電気導体7に発生する発熱量を低減できる。更に、電気導体7をトッププレート8のすぐ下に載置することにより、電気導体7の熱はトッププレート8を介して放熱される。
スリットを設けることにより、被加熱物11への浮力低減効果がある程度低下する場合がある。スリット7aの形状、加熱コイルが鎖交する面積、電気導体の材質などにより、等価直列抵抗の大きさと電気導体7の発熱量が異なるので、これらの要素の組み合わせで最適なものを選択して、浮力の低減効果をできるだけ大きく、電気導体7の発熱量を許容できるようなレベルとする組み合わせを決定すれば良い。
電気導体7に端子13を接続し、端子13を低電位部(例えば入力する電源電圧、その整流後の直流電圧あるいはそれに近い電位など、加熱コイルの高電位部より電位の低い部分)に接続することにより、加熱コイルに発生する高電圧部分と被加熱物との静電結合が小さくなる。加熱コイルに発生する高周波高電圧が加熱コイルと被加熱物間の浮遊容量を介して使用者の体に印加し使用者の体に流れるリーク電流を抑制することができる。
言いかえれば、電気導体7とグラウンドとの間に、電気導体7の内部抵抗(等価抵抗)と、電気導体7とユーザの身体との間の浮遊容量(等価容量)及びユーザの身体の内部抵抗(等価抵抗)と、が並列に接続される。電気導体7の内部抵抗(等価抵抗)のインピーダンスは、浮遊容量(等価容量)及びユーザの身体の内部抵抗(等価抵抗)のインピーダンスと比較して非常に小さいので、加熱コイル1からの漏洩電流はほとんど電気導体7を通じてグラウンドに流れる。ユーザの身体にはほとんど電流が漏洩しない。
被加熱物11が低透磁率でしかも低抵抗のアルミニウムや銅等からなる鍋のとき、加熱コイル1に流れる周波数が高くなり、加熱コイル1に印加されるピーク電圧が1KV以上になる。
上記のように電気導体7が低電位部に電気的に結合されていれば、被加熱物11と電気導体との間の電位差が小さくなるため、被加熱物11に人体が触れた場合の漏れ電流が大幅に低減される。したがって、被加熱物11に人体が触れても安全である。
電気導体7は中央部に開口部12を設け、フェライトコアの立ち上がり部3c〜6cから出る磁束が電気導体7に突き当たらないようにして加熱コイル1からの磁束を効率良く被加熱物11に導き、加熱効率を高める。
フェライトコアの立ち上がり部3a〜6aを電気導体の外周より外側に位置させ、被加熱物の方向に設けたことにより、加熱コイル1から出た磁束が加熱コイル1の外側周囲に広がらないようにして効率良く被加熱物11に磁束が鎖交するようにして加熱効率を高める。
加熱コイル1下方では高透磁率材料であるフェライトコア3b〜6bに磁束が集中し、磁界が被加熱物11と反対側に膨らむのを防止している。
なお、フェライトコア3a〜3c、4a〜4c、またはフェライトコア5a〜5cはそれぞれ、別の3つのフェライトコアを接した状態で組み合わせて配置しているが、それぞれ略同形状となるように一体に成形しても開磁路であるので同様の効果が得られる。本実施例では、加熱コイル1下方に設けた高透磁率の棒状フェライトコア3b〜6bの両端をフェライトコア3a〜6a、及びフェライトコア3c〜6cにより略垂直に立ち上げているが、この立ち上げ角度はこれにかぎるものではない。
実施例1において、4本のフェライトコア3〜6を有したが、フェライトコアの数はこれに限定されない。フェライトコアの数は多い方が、外周部に対しての防磁効果が高くなり、且つ鍋に磁力を伝えやすくなる。
加熱コイル1に高周波電流を供給すると、加熱コイルの発生する磁界により、シールドリング10に高周波電流が誘導される。シールドリング10に誘導された高周波電流は、リングの内側においては加熱コイルの磁界と同一方向に、リングの外側においては加熱コイルによる磁界と反対方向の磁界を発生するため、加熱コイルから外周に漏洩する磁界を低減する。なお、フェライトコアによる防磁効果が十分であれば、シールドリングを有しない構成としても良い。
以上のように、本実施例によれば、電気導体7は、加熱コイル1に対向して被加熱物11を配置した時の加熱コイル1の等価直列抵抗を大きくするとともに、加熱コイル1の発生する磁界が被加熱物11に対して働く浮力を低減する浮力低減機能を有する。アルミニウム、銅、または黄銅など高電気伝導率低透磁率の被加熱物11を、調理中に浮き上がることを防止しつつ加熱できる。
本発明によれば、電気導体7を直接低電位部に接続することにより、加熱コイル1に発生する高周波高電圧が加熱コイルと被加熱物間の浮遊容量を介して使用者の体に印加し使用者の体に流れるリーク電流を抑制することができる。
本発明によれば、電気導体が浮力低減機能と静電シールド機能の両方の機能を有することにより、安全かつ低価格な誘導加熱装置を実現できる。
図3を用いて、実施例2の誘導加熱装置を説明する。図3は、実施例2の誘導加熱装置が有する電気導体の平面図である。実施例2の誘導加熱装置が実施例1の誘導加熱装置と異なる点は、電気導体の形状である。その他の構成については、実施例1と同一であるため、詳細な説明を省略する。実施例2の電気導体について説明する。
実施例1は、低電位部に接続する端子13を電気導体7の脚部7bに接続するため、端子13が高温になるという問題があった。端子が高温になると、電気的接続が腐食やゆるむ等で信頼性が悪化する等の問題が発生する。実施例2の電気導体31は、端子13が高温になることを防ぐ構成である。実施例2の電気導体31は、実施例1と同様にトッププレート8と絶縁板9との間に載置され、浮力低減機能を有する。
実施例2の電気導体31は、厚さが略1mmのアルミニウムの板により形成され、内周部31aと外周部31bとで構成される。電気導体31の内周部31aの外径及び内径は、加熱コイル1の外径及び内径とほぼ同じ略ドーナツ状である。内周部31aと外周部31bとは一端31dで接続され、その接続部31d以外において内周部31aと外周部31bとの間に幅略1mmの隙間32が設けられている。電気導体の外周部31bの幅は、内周部31aの幅に比べて十分に狭い。電気導体の外周部の幅を狭くすることにより、外周部自体の発熱量を低減でき、外周部31bは内周部31aに比べて温度が低くなる。
更に、電気導体31の外周部31bにおいては接続部31dから遠ざかるに従って温度が下がり、接続部31dから最も遠い外周部の端部が最も温度が低い。低電位部に接続される端子13は、内周部と外周部の接続部から略1/2周以上離れた場所に設けられた外周部の端部の脚部31cに接続される。好ましくは且つ実施例2においては、低電位部に接続される端子13は、内周部と外周部の接続部から最も遠い外周部の端部の脚部31cに接続される。脚部31cは、図1と同様に下側に折り曲げられており、所定の高さで内周部31a及び外周部31bを支える。
更に、電気導体31は、スリット33を有することが実施例1と異なる。電気導体31は、スリット7a及びスリット33を有することにより、電気導体31に加熱コイル1の電流と反対方向の周回電流が流れることを防ぎ、電気導体31の発熱量を低減する。
これにより、実施例2の誘導加熱装置は、端子13が高温になることを防ぎ、確実に感電防止ができる。
図4を用いて、実施例3の誘導加熱装置を説明する。図4は、実施例3の誘導加熱装置が有する電気導体の平面図である。実施例3の誘導加熱装置が実施例1の誘導加熱装置と異なる点は、電気導体の形状である。その他の構成については、実施例1と同一であるため、詳細な説明を省略する。実施例3の電気導体について説明する。
実施例3の誘導加熱装置は、左右対称の2つの電気導体41と電気導体42とを有する。電気導体41と電気導体42は、厚さが略1mmのアルミニウムの板により形成される。実施例3の電気導体41及び42は、実施例1と同様にトッププレート8と絶縁板9との間に載置され、浮力低減機能を有する。
電気導体41は、内周部41aと外周部41bとで構成され、その接続部41d以外において内周部41aと外周部41bとの間に幅略1mmの隙間41eが設けられている。電気導体41の内周部41aは略180度の円周角を有する略扇形の形状を有し、その外径及び内径は、加熱コイル1の外径及び内径とほぼ同じである。外周部41bは略180度の円周角を有するリング形状を有する。電気導体の外周部41bの幅は、内周部41aの幅に比べて十分に狭い。電気導体の外周部41bの幅を狭くすることにより、外周部自体の発熱量を低減でき、外周部41bは内周部41aに比べて温度が低くなる。
更に、電気導体41の外周部41bにおいては接続部41dから遠ざかるに従って温度が下がり、接続部41dから最も遠い外周部の端部が最も温度が低い。低電位部に接続される端子13は、内周部と外周部の接続部から最も遠い外周部の端部の脚部41cに接続される。脚部41cは、図1と同様に下側に折り曲げられており、所定の高さで内周部41a及び外周部41bを支える。電気導体42においても同様で、端子13は脚部42cに接続される。
これにより、実施例3の誘導加熱装置は、端子13が高温になることを防ぎ、確実に感電防止ができる。
電気導体41a、42aは中央部に開口部12を設け、フェライトコアの立ち上がり部3c〜6cから出る磁束が電気導体41a、42aに突き当たらないようにして加熱コイル1からの磁束を効率良く被加熱物11に導き、加熱効率を高める。
図5及び図6を用いて、実施例4の誘導加熱装置を説明する。図5は、実施例4の誘導加熱装置が有する電気導体の平面図である。図6は誘導加熱装置本体(図示せず)に収納された加熱コイル1と、電気導体51及び52と、本体上部に固定されたトッププレート8と、トッププレート8に載置される被加熱物11とを示す断面図である。図6において、図2と同一部には同一符号を付している。実施例4の誘導加熱装置が実施例1の誘導加熱装置と異なる点は、異なる形状の電気導体51及び52を有することと独立したシールドリング10を有さない点である。その他の構成については、実施例1と同一であるため、詳細な説明を省略する。実施例4の電気導体について説明する。
実施例4の電気導体は、第1の電気導体51と、第2の電気導体52とで構成される。第1の電気導体51と第2の電気導体52とは、1枚のアルミニウムの板で一体に構成されている。第1の電気導体51と第2の電気導体52とは接続部52dで接続され、それ以外において隙間53が設けられている。実施例4において第1の電気導体51と第2の電気導体52とは保持部2(又は加熱コイル1)に対する高さが異なり、接続部52dで両者の間の段差52eが設けられている。
第1の電気導体51は、トッププレート8と絶縁板9との間に設けられている。実施例4の第1の電気導体51は、実施例1の電気導体7とほぼ同一の機能を有する。第1の電気導体51は、外径及び内径が加熱コイル1の外径及び内径とほぼ同じで360度よりわずかに小さい円周角を有する略扇形の形状で、スリット7a、スリット33、開口部12を有する。第1の電気導体51は、加熱コイル1に対向して被加熱物11を配置した時の加熱コイル1の等価直列抵抗を大きくして、被加熱物11に対して働く浮力を低減する浮力低減機能を有する。第1の電気導体51は、スリット7a及び33を有することにより、第1の電気導体51に加熱コイル1の電流と反対方向の周回電流が流れることを防ぎ、第1の電気導体51の発熱量を低減する。
第1の電気導体51は中央部に開口部12を設け、フェライトコアの立ち上がり部3c〜6cから出る磁束が第1の電気導体51に突き当たらないようにして加熱コイル1からの磁束を効率良く被加熱物11に導き、加熱効率を高める。
第1の電気導体51と第2の電気導体52との間の隙間53に、フェライトコアの立ち上がり部3a〜6aを被加熱物の方向に設ける。フェライトコアの立ち上がり部3a〜6aから出る磁束が第1の電気導体51と第2の電気導体52とに突き当たらないようにして加熱コイル1からの磁束を効率良く被加熱物11に導く。又、シールドリング(閉ループ)を構成する第2の電気導体52が、加熱コイル1から出た磁束を第2の電気導体52の外側に広がらないようにする。この構成により、磁束が効率良く被加熱物11に鎖交し、高い加熱効率を実現する。隙間53の幅は実施例1等と比較し広い。隙間53の幅は、フェライトコアの立ち上がり部3a〜6a、第1の電気導体51と第2の電気導体52との間の高さの差等の諸条件に基づいて最適に設計する。実施例4では第1の電気導体51と第2の電気導体52とを1枚のアルミニウムの板で一体的に形成する故、第1の電気導体51と第2の電気導体52との間の高さの差が大きいと、隙間53の幅を広くする必要がある。
第1の電気導体51をトッププレート8のすぐ下に載置すると、第1の電気導体の熱がトッププレート8を介して放熱される。第1の電気導体51は加熱コイル1に近いほど第1の電気導体51に加熱コイル1の磁束が多く通過し、等価直列抵抗増加作用を大きくすることができるが、第1の電気導体51が高温になる。第1の電気導体51の位置は、浮力低減機能及び第1の電気導体の発熱等の条件を考慮して決めれば良い。
第2の電気導体52は、環状であって加熱コイル1及びフェライトコア3a〜6aの外側に設けられる。第2の電気導体52は、加熱コイル1から出た磁束が第2の電気導体52の外側に広がらないようにするために最適の半径及び及び高さ(加熱コイル1に対する相対的な高さ)の円周上に設けられている。第2の電気導体52を取り付ける円周の最適な半径及び高さは実験により求められる。第2の電気導体52は、シールドリング10とほぼ同一の効果を有する。加熱コイル1に高周波電流を供給すると、加熱コイルの発生する磁界により、第2の電気導体52に高周波電流が誘導される。第2の電気導体52に誘導された高周波電流は、リングの内側においては加熱コイルの磁界と同一方向に、リングの外側においては加熱コイルによる磁界と反対方向の磁界を発生するため、加熱コイルから外周に漏洩する磁界を低減する。
第2の電気導体52は、3つの脚部52bを有し、脚部52bを保持部2に固定する。第2の電気導体52の幅は、第1の電気導体51の幅に比べて十分に狭い。第2の電気導体52は加熱コイル1から離れており、加熱コイル1からの磁束を受けにくい。このため、第2の電気導体自体の発熱量を低減でき、第2の電気導体52は第1の電気導体51に比べて温度が低くなる。更に、第2の電気導体52においては第1の電気導体51との接続部52dから遠ざかるに従って温度が下がる。第2の電気導体52と第1の電気導体51との接続部から最も遠い脚部52b(接続部52dから略180度離れた位置に設けられている。)に端子13を接続する。端子13は、コンデンサ14を介して低電位部(例えば、商用電源電位、加熱コイル1に高周波電流を供給するインバータの入力する商用電源を整流した電位、又は大地)に接続される。これにより、加熱コイルに発生する高電圧部分と被加熱物との静電結合が小さくなる。加熱コイルに発生する高周波高電圧が加熱コイルと被加熱物間の浮遊容量を介して使用者の体に印加し使用者の体に流れるリーク電流を抑制することができる。
脚部52bは、図1と同様に付け根の部分52fで第2の電気導体52から下側に折り曲げられて構成されており、所定の高さで第1の電気導体51及び第2の電気導体52を支える(実施例4において、第1の電気導体51の高さと第2の電気導体52の高さとは異なる。)。
上記の実施例において、電気導体をアルミ以外の高い導電性を有する材料で形成しても良い。
上記の実施例において、電気導体をダイキャストで構成しても同様の効果が得られる。例えば実施例4の電気導体をダイキャストで構成することにより、第2の電気導体52の断面をL字型に構成することもできる。
実施例4において、第2の電気導体52を、加熱コイル1と略同一の高さ(第1の電気導体51の取り付け高さと保持部2の上面との間の高さ)に設けた。これに代えて、第2の電気導体52を第1の電気導体51と同一の高さ又は保持部2の上面に設けても良い。
なお、本実施例1〜4において各電気導体と低電位部(商用電源電位や大地等)との接続を端子13の1箇所のみで行っていたが、複数個設けて、単純に信頼性を増したり、複数の端子間に電流を流して接続の有無を検知し、接続が良好の時のみ加熱コイル1に通電する構成とすればより安全性を向上できる。
本発明は、誘導加熱調理器等の誘導加熱装置に有用である。
本発明の実施例1の誘導加熱装置の構成を示す斜視図 本発明の実施例1の誘導加熱装置の構成を示す断面図 本発明の実施例2の誘導加熱装置の電気導体の平面図 本発明の実施例3の誘導加熱装置の電気導体の平面図 本発明の実施例4の誘導加熱装置の電気導体の平面図 本発明の実施例4の誘導加熱装置の構成を示す断面図
符号の説明
1 加熱コイル
2 保持部
3、4、5、6 フェライトコア
7、31、41、42 電気導体
8 トッププレート
9 絶縁板
10 シールドリング
11 被加熱物
13 端子
51 第1の電気導体
52 第2の電気導体

Claims (11)

  1. アルミニウム若しくは銅またはこれらと略同等以上の電気伝導率を有する低透磁率材料からなる被加熱物を誘導加熱可能な加熱コイルと、
    前記被加熱物と前記加熱コイルとの間に設けられ、前記加熱コイルに対向して前記被加熱物を配置した時の前記加熱コイルの等価直列抵抗を大きくして、前記加熱コイルの発生する磁界が前記被加熱物に対して働く浮力を低減する浮力低減機能と、低電位部に電気的に接続して、前記加熱コイルと前記被加熱物との静電結合を小さくする静電シールド機能と、を有する電気導体と、
    前記電気導体と電気的に接続し、前記加熱コイルに誘導電流を流して駆動する制御回路と、
    を有することを特徴とする誘導加熱装置。
  2. 前記電気導体は内周部と、前記内周部の一端に接続され、その接続部以外の部分において内周部との間に隙間を有する外周部とで構成され、前記内周部と前記外周部の接続部から略最も離れた前記外周部の端部で前記低電位部に接続されることを特徴とする請求項1に記載の誘導加熱装置。
  3. 前記電気導体の外周部の幅は、内周部の幅に比べて十分に狭いことを特徴とする請求項2に記載の誘導加熱装置。
  4. 被加熱物を誘導加熱する加熱コイルと、
    前記被加熱物と前記加熱コイルとの間に設けられる第1の電気導体と、
    前記第1の電気導体と電気的に接続され、前記加熱コイルの磁界が周囲に漏洩することを抑制する環状の第2の電気導体と、
    前記加熱コイルに誘導電流を流して駆動する制御回路と、
    を有し、
    前記制御回路の低電位部に前記第2の電気導体を電気的に接続して、前記加熱コイルと前記被加熱物との静電結合を小さくすることを特徴とする誘導加熱装置。
  5. アルミニウム若しくは銅またはこれらと略同等以上の電気伝導率を有する低透磁率材料からなる被加熱物を誘導加熱する場合に、前記第1の電気導体は、前記加熱コイルの発生する磁界が前記被加熱物に対して働く浮力を低減する浮力低減機能を有することを特徴とする請求項4に記載の誘導加熱装置。
  6. 前記第1の電気導体は、前記加熱コイルの上部を覆うことを特徴とする請求項4又は請求項5のいずれかの請求項に記載の誘導加熱装置。
  7. 前記第2の電気導体は、前記加熱コイルの外側に設けられることを特徴とする請求項4又は請求項5のいずれかの請求項に記載の誘導加熱装置。
  8. 前記加熱コイルの外側に更にフェライトを有し、
    前記第2の電気導体は前記フェライトの外側に設けられることを特徴とする請求項4又は請求項5のいずれかの請求項に記載の誘導加熱装置。
  9. 前記第2の電気導体は、前記加熱コイルと略同一の高さに設けられることを特徴とする請求項4又は請求項5のいずれかの請求項に記載の誘導加熱装置。
  10. 前記第1の電気導体と前記第2の電気導体とを一体の導体で形成したことを特徴とする請求項4又は請求項5のいずれかの請求項に記載の誘導加熱装置。
  11. 前記電気導体、前記電気導体の内周部、及び前記第1の電気導体は、スリットを有することを特徴とする請求項1から請求項10のいずれかの請求項に記載の誘導加熱装置。
JP2004029897A 2004-02-05 2004-02-05 誘導加熱装置 Expired - Fee Related JP4173825B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004029897A JP4173825B2 (ja) 2004-02-05 2004-02-05 誘導加熱装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004029897A JP4173825B2 (ja) 2004-02-05 2004-02-05 誘導加熱装置

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008000020A Division JP4693846B2 (ja) 2008-01-04 2008-01-04 誘導加熱装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005222822A true JP2005222822A (ja) 2005-08-18
JP4173825B2 JP4173825B2 (ja) 2008-10-29

Family

ID=34998287

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004029897A Expired - Fee Related JP4173825B2 (ja) 2004-02-05 2004-02-05 誘導加熱装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4173825B2 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006082753A1 (ja) * 2005-02-04 2006-08-10 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. 誘導加熱装置
JP2006216430A (ja) * 2005-02-04 2006-08-17 Matsushita Electric Ind Co Ltd 誘導加熱装置
JP2006310117A (ja) * 2005-04-28 2006-11-09 Matsushita Electric Ind Co Ltd 誘導加熱装置
JP2007080653A (ja) * 2005-09-14 2007-03-29 Matsushita Electric Ind Co Ltd 誘導加熱装置
JP2009289449A (ja) * 2008-05-27 2009-12-10 Mitsubishi Electric Corp 誘導加熱調理器
KR101531215B1 (ko) * 2014-12-04 2015-06-24 (주)피스월드 코일베이스

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105397445B (zh) * 2015-12-18 2019-01-18 广东水利电力职业技术学院 一种电磁炉磁盘磁条自动装配装置

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006082753A1 (ja) * 2005-02-04 2006-08-10 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. 誘導加熱装置
JP2006216430A (ja) * 2005-02-04 2006-08-17 Matsushita Electric Ind Co Ltd 誘導加熱装置
JP4654701B2 (ja) * 2005-02-04 2011-03-23 パナソニック株式会社 誘導加熱装置
US8129664B2 (en) 2005-02-04 2012-03-06 Panasonic Corporation Induction heater
JP2006310117A (ja) * 2005-04-28 2006-11-09 Matsushita Electric Ind Co Ltd 誘導加熱装置
JP4654755B2 (ja) * 2005-04-28 2011-03-23 パナソニック株式会社 誘導加熱装置
JP2007080653A (ja) * 2005-09-14 2007-03-29 Matsushita Electric Ind Co Ltd 誘導加熱装置
JP2009289449A (ja) * 2008-05-27 2009-12-10 Mitsubishi Electric Corp 誘導加熱調理器
KR101531215B1 (ko) * 2014-12-04 2015-06-24 (주)피스월드 코일베이스

Also Published As

Publication number Publication date
JP4173825B2 (ja) 2008-10-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7057144B2 (en) Induction heating device
EP1811812B1 (en) Induction heater
JPWO2005006813A1 (ja) 誘導加熱装置
JP2006194539A (ja) 加熱調理器
JP2014186843A (ja) 誘導加熱調理器
JP4173825B2 (ja) 誘導加熱装置
JP3888190B2 (ja) 誘導加熱装置
JP4693846B2 (ja) 誘導加熱装置
JP4654701B2 (ja) 誘導加熱装置
JP3888290B2 (ja) 誘導加熱装置
JPH10302953A (ja) 誘導加熱装置
KR102187884B1 (ko) 워킹 코일 베이스
EP0748577B1 (en) Induction heating element
JP3861731B2 (ja) 誘導加熱装置
JP3925388B2 (ja) 誘導加熱装置
JP2010129175A (ja) 誘導加熱装置
JP3883478B2 (ja) 誘導加熱装置
JP3465712B2 (ja) 誘導加熱装置
JP4654755B2 (ja) 誘導加熱装置
JP3465711B2 (ja) 誘導加熱装置
JP2007035473A (ja) 誘導加熱装置
JP2006120336A (ja) 誘導加熱装置
JP2007329020A (ja) 電磁調理器
JP4444068B2 (ja) 誘導加熱装置
JP2006164722A (ja) 誘導加熱装置

Legal Events

Date Code Title Description
RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20050526

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060406

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20061129

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20071019

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20071106

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080104

A25B Written notification of impossibility to examine because of no request for precedent application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A2522

Effective date: 20080129

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080715

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080814

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110822

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees