JP3883478B2 - 誘導加熱装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は誘導加熱装置に関するものであり、特にアルミニウムや銅などの低透磁率かつ高電気伝導率の材料でできた被加熱物を加熱する誘導加熱調理器、誘導加熱式湯沸かし器、誘導加熱式アイロンなどの誘導加熱装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
誘導加熱コイルで高周波磁界を発生させ、電磁誘導による渦電流で鍋等の被加熱物を加熱する従来の誘導加熱調理器を図8から図10を用いて説明する。
【0003】
図8は従来の誘導加熱調理器の断面図である。図8において、鍋の形状をした被加熱物29が、加熱コイル21を有する誘導加熱部40の上方に設けられたプレート28の上に載置されている。プレート28は例えば厚み4mmのセラミック材等の絶縁板である。加熱コイル21は高周波インバータ41から高周波電流が供給されて高周波磁界を発生し、被加熱物29に高周波磁界を与える。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記の従来の誘導加熱調理器では、被加熱物29の底部に誘起される電流と加熱コイル21の電流との相互作用で、被加熱物29の底部に加熱コイル21から遠ざかろうとする反発力が生じる。被加熱物29が鉄などの抵抗率がある程度大きい高透磁率材料で作られている場合には、所望の加熱出力を得るために必要な電流値が少なくてよいのでこの反発力は比較的小さい。また鉄などでは磁束が被加熱物29を流れるので磁気的引力が働き、被加熱物29が浮き上がったりずれたりする恐れはない。
【0005】
被加熱物29がアルミニウムや銅といった低透磁率かつ高電気伝導率の材料で作られている場合には、所望の加熱出力を得るために加熱コイル21に流す電流を大きくして被加熱物29に大電流を誘起させる必要がある。その結果反発力が大きくなる。また、アルミニウムの被加熱物29には鉄などの高透磁率材料の場合のような磁気的引力が働かないので、加熱コイル21の磁界と誘起電流の磁界の作用により被加熱物29を加熱コイル21から遠ざける方向に大きな力が働く。この力は被加熱物29に浮力として働く。被加熱物29の重量が軽い場合には、被加熱物29がこの浮力によりプレート28の載置面から浮き上がって移動するおそれがある。
【0006】
図9の(a)は加熱コイル21に流される電流の向きを被加熱物29の側からみた図であり、同(b)は、加熱コイル21に流される電流にもとづいて被加熱物29に誘導により生じて流される渦電流を図9の(a)と同じ方向から見た図である。図9の(a)及び(b)に示すように被加熱物29を流れる渦電流は加熱コイル21に流れる電流と逆向きでかつ略同形状のループ状である。従ってこの2つの環状の電流は加熱コイル21の面積と実質的に同じ断面積の2つの永久磁石が同種の極同士(例えばN極とN極)を対向して置いたするのと同じ状態になる。その結果被加熱物29と加熱コイル21の間には大きな反発力が生じる。
【0007】
この現象は、被加熱物29の材料がアルミニウムや銅と言う電気的伝導率が小さい物質である場合に顕著である。これに対して同じ低透磁率材料であっても、非磁性SUSはアルミニウムや銅よりも電気伝導率が低い材料であるから、加熱コイル21に流す電流が少なくても十分な発熱が得られる。したがって被加熱物29に流れる渦電流も小さく、それ故被加熱物29に誘導される磁界は小さい。図10は、アルミニウムで作られた被加熱物29を加熱する時の、入力電力と浮力との関係の一例を示すグラフである。図10のグラフにおいて、横軸は入力電力(W:ワット)、縦軸は浮力(g:グラム)を示している。この図から分かるように入力電力の増加に伴い浮力も増加するので、浮力が被加熱物29の重量を超えると、被加熱物29のずれや浮き等が生じることになる。
【0008】
誘導加熱調理器における被加熱物29の浮きに関する先行技術には以下に示すものがある。特開昭61−128492号公報及び特開昭62−276787号公報では、重量センサを用いて被加熱物の浮きや移動を検出している。特開昭61−71582号公報では磁気センサを用いて被加熱物の位置を検出している。特開平4−765633号公報では共振周波数検出手段を用いて被加熱物が浮力により移動したことを検出している。
【0009】
上記のいずれの先行技術も被加熱物に所定以上の浮力が作用したとき、あるいは被加熱物が浮いたり移動したことを検出した場合に、それ以上浮かないように、あるいは移動しないように加熱電力を抑制したりあるいは加熱動作そのものを停止する。しかし加熱電力を抑制したのでは十分な火力が得られず、時には調理動作の継続が中断される状況に陥ってしまうという問題がある。
【0010】
例えば、重量300gのアルミニウム製の雪平鍋に200ccの水を入れた、合計重量500gの被加熱物を加熱する場合、図10によると、約850Wの入力電力で浮力が鍋と調理物(水)の合計重量500gを上回る。そのため鍋が浮き上がってこれ以上の入力電力で加熱することが困難となる。上記の先行技術においては、例えばアルミ鍋を検知した場合に鍋の浮き上がる入力電力以下の、例えば800Wに入力電力を抑制して鍋浮きを生じない様にする。しかし発明者らの実験によれば、800Wの入力電力で加熱しても上記の300ccの水を沸騰状態にすることは困難であった。従ってアルミニウム製の鍋を加熱できる誘導加熱調理器としては加熱性能が極めて低いものとなる。
【0011】
発明者は、このような従来の問題を解決するため本発明に先立って鋭意研究開発を行い、「アルミニウム若しくは銅またはこれらと略同等以上の電気伝導率を有する低透磁率材料からなる被加熱物を誘導加熱可能な加熱コイルと、前記加熱コイルと前記被加熱物との間に設けられた電気導体とを備える誘導加熱装置」について先に特願2002−66553号(未公開)の特許出願を行った。しかしその先行開発の発明のものでは円環状の電気導体の1箇所に間隙を設けたCの字に似た形の構造であった。その先行発明ではその中心の周りに非対称である円環状の電気導体を用いたためか、円形の鍋をその上部に載せて誘導加熱した場合、鍋の一偶だけが少し浮き上がり、または鍋が電気導体の間隙のある方向にすべって動くと言う不都合な現象が生じた。このような非中心対称的な動作を鍋が行うことは危険でもあり、またそのような不均等浮き上がりや横すりを防ぐため従来例と同じく電力を抑制する必要が生じたりして、好ましくなかった。
そこで発明者はさらに研究を行った結果、上記の未公開の先願の発明より優れた作用と効果が得られる発明を完成した。
本発明は、簡単な構成でアルミニウム製の被加熱物に働く浮力を被加熱物の中心に関して均一に対称性をもって低減し、被加熱物が軽量であっても浮き上ることなく、十分な入力電力による加熱を確保できる誘導加熱調理器を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の誘導加熱装置は、アルミニウム若しくは銅又はこれらと同等かそれ以上の電気伝導率を有する低透磁率材料からなる被加熱物と加熱コイルとの間に電気導体を設けている。この電気導体により、加熱コイルの等価直列抵抗が前記電気導体が存在しない場合の前記加熱コイルの等価直列抵抗に比べて増加する。「等価直列抵抗」とは、発明者が名付けた用語であり、被加熱物及び電気導体を加熱状態と同様の位置に配置して、加熱周波数近傍の周波数を使用して測定した加熱コイルの入力インピーダンスにおける直列抵抗分である。
【0013】
前記電気導体は、同一熱出力を得るために必要な加熱コイルの電流を低減して、加熱コイル電流が発生する磁界と前記被加熱物に誘起される電流の相互作用により前記被加熱物に生じる浮力を低減する浮力低減機能を有する。これによりアルミニウム若しくは銅又はこれらと同等かそれ以上の電気伝導率を有しかつ低透磁率材料からなる被加熱物を加熱した時に被加熱物が浮き上がったりずれたりするのを防止できる。また電流の低減により、加熱コイルに高周波電流を供給するスイッチング素子や共振コンデンサ等の部品の損失を低減することができる。
また、前記電気導体が、弾性及び断熱性を有する断熱部材とプレートとの間に挿入され前記断熱部材により前記プレートの方向に押しつけられている。この構成により、電気導体の熱を効率よくプレートに伝導することができ、電気導体の熱が加熱コイルや周囲の部品に伝わりこれらに温度上昇による悪影響を及ぼすのを抑制できる。また伝導熱で被加熱物の温度を上げ、加熱効率を高めることもできる。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について以下説明する。
請求項1に記載の発明の誘導加熱装置は、アルミニウム若しくは銅またはこれらと同等かそれ以上の電気伝導率を有する低透磁率材料からなる被加熱物を誘導加熱するための加熱コイル、前記被加熱物を載置するための電気絶縁性を有する非磁性物のプレート、及び前記加熱コイルと前記プレートとの間に設けられ、少なくとも一部が前記プレートに直接または熱伝導性を有する部材を介して接し、前記加熱コイルに対向して前記被加熱物を配置した時、前記加熱コイルの等価直列抵抗を前記電気導体が存在しない場合の前記加熱コイルの等価直列抵抗に比べて増加させかつ、前記加熱コイルの電流と前記被加熱物に誘起される電流の相互作用により前記被加熱物に与える浮力を低減させる電気導体を備え、前記電気導体は、弾性及び断熱性を有する断熱部材と前記プレートとの間に挿入され、前記断熱部材により前記プレートの方向に押しつけられている。
【0015】
電気導体を設けることにより、被加熱物の浮上がりは効果的に低減された。その理由は次の通りであろうと推論される。加熱コイルが発生する磁界が、電気導体と被加熱物に鎖交し、両者に誘導電流を発生する。電気導体に誘起された誘導電流が発生する磁界と被加熱物に誘起された電流が発生する磁界との重畳磁界により、加熱コイルが発生する磁界の変化を妨げるような誘導電流が電気導体及び被加熱物を流れる。つまり、被加熱物の誘導電流の分布が、電気導体に発生する誘導電流によって変わる。この電流分布の変化で、加熱コイルの等価直列抵抗が大きくなり、同一熱出力を得る場合の加熱コイルに流す電流値を小さくすると考えられる。結果的に被加熱物に働く浮力が低減する。また被加熱物に働く浮力の一部を電気導体が分担すると考えられ被加熱物に働く浮力が更に低減すると考えられる。電流値を小さくできるので加熱コイル、加熱コイルを駆動する共振電流を発生するインバータに使用されるスイッチング素子、及び共振コンデンサ等の高周波部品のスイッチング損失を低減することができる。また電気導体の少なくとも一部がプレートに密接していることから、電気導体に発生した熱が磁器などのプレートに伝導し、電気導体の温度上昇を抑制することができ、周囲の部品に対して温度上昇による悪影響を与えるのを防止できる。また、加熱コイルが絶縁部材を介して電気導体をプレート方向に押しつける、あるいは加熱コイルを保持する部材が直接あるいは他の部材を介して同様に押しつけることによりプレートに電気導体を当接させることで加熱コイルとプレート間の距離を正確に設定できる。
【0016】
また、前記電気導体が、弾性及び断熱性を有する断熱部材とプレートとの間に挿入され前記断熱部材により前記プレートの方向に押しつけられていることを特徴とする。この構成により、電気導体の熱を効率よくプレートに伝導することができ、電気導体の熱が加熱コイルや周囲の部品に伝わりこれらに温度上昇による悪影響を及ぼすのを抑制できる。また伝導熱で被加熱物の温度を上げ、加熱効率を高めることもできる。
【0017】
請求項に記載の発明の誘導加熱装置は、アルミニウム若しくは銅またはこれらと同等かそれ以上の電気伝導率を有する低透磁率材料からなる被加熱物を誘導加熱するための加熱コイル、前記被加熱物を載置するための電気絶縁性を有する非磁性物のプレート、及び所定の幅を有し前記加熱コイルの巻き線の巻き方向に略沿った形状で相互に間隔を設けて前記加熱コイルと前記プレートとの間に設けられ、前記加熱コイルに対向して前記被加熱物を配置した時、前記加熱コイルの等価直列抵抗を前記電気導体が存在しない場合の前記加熱コイルの等価直列抵抗に比べて増加させかつ、前記加熱コイルの電流と前記被加熱物に誘起される電流の相互作用により前記被加熱物に与える浮力を低減させる作用を与える複数の電気導体を備える。
【0018】
電気導体を複数にすることにより、単数の電気導体を用いた前記の未公開の同一発明者の発明にくらべると加熱コイルの磁界により電気導体に発生する誘導電流が複数に分断される。その結果誘導加熱による電気導体の発熱を抑制するとともに被加熱体に作用する浮力の偏りを緩和することができる。また、電気導体が所定の幅を有し、加熱コイルの巻き線の巻き方向に沿った形状で複数の箇所で相互に間隔を設けて配置されているので、効率よく電気導体に電流が誘導されて等価直列抵抗を大きくするので浮力低減効果が増す。
【0019】
請求項に記載の発明の誘導加熱装置は、前記複数の電気導体はほぼ(実質的に)均等な大きさであり、相互の間隔がほぼ均等であることを特徴とする。複数の電気導体の大きさと相互の間隔をほぼ均等にすることにより、加熱コイルから出て被加熱物に鎖交する磁束の分布が実質的に回転対称になる。その結果、被加熱物に働く浮力のアンバランスが少ない。したがって一部分の浮上がりにより加熱が低く抑制されることがなく、また被加熱物体が横滑りすることがなく、安定して高い効率の加熱ができる。
【0020】
請求項に記載の発明の誘導加熱装置は、複数の電気導体の相互間に設けた前記間隔に対向する位置においては配置されないように、前記加熱コイルの下方に磁気遮蔽用の磁性体を配置している。
前記間隔に対向する位置には前記磁性体が配置されないようにしたので間隔の部分の方向に強くもれ出ようとする磁界を他の方向に分散させて磁界を均一にすることができる。
【0021】
請求項に記載の誘導加熱装置は、アルミニウム若しくは銅またはこれらと同等かそれ以上の電気伝導率を有する低透磁率材料からなる被加熱物を誘導加熱するための加熱コイル、前記被加熱物を載置するための電気絶縁性を有する非磁性物のプレート、前記加熱コイルと前記プレートとの間に相互に間隔を隔てて設けられ、前記加熱コイルに対向して前記被加熱物を配置した時、前記加熱コイルの等価直列抵抗を前記電気導体が存在しない場合の前記加熱コイルの等価直列抵抗に比べて増加させ、かつ前記加熱コイルの電流と前記被加熱物に誘起される電流の相互作用により前記被加熱物に与える浮力を低減させる作用を与える複数の電気導体、及び前記加熱コイルの前記電気導体に対向する側とは反対の側のすぐ近くの位置に配置された磁気遮蔽用の第1の磁性体を備え、前記加熱コイルに対して前記第1の磁性体よりも遠くの位置に第2の磁性体を設けて前記複数の電気導体相互の間の間隔に起因する前記磁界の分布のひずみを緩和するようにしている。
【0022】
加熱コイルの前記電気導体に対向する側の反対側に第2の磁性体を備えたことにより、第1の磁性体で吸収できなかった加熱コイルの磁束を吸収して、漏洩磁界を低減できる。また第2の磁性体には強い磁界が通らないので渦電流の誘起量が少ない。したがってフェライトなどを用いずにコストの安い透磁率の高いケイ素鋼板を使用できる。ただし第2の磁性体をケイ素鋼板に限定するものではなく、フェライトを含め磁性体であればよい。
【0023】
【実施例】
以下本発明の誘導加熱装置の好適な実施例について、図1から図7を参照しながら説明する。
図1は、本発明の実施例における誘導加熱装置(例えば誘導加熱調理器)の加熱コイル21を含む誘導加熱部42の構成を示す分解斜視図であり、図2は誘導加熱部42の組立斜視図である。図3は誘導加熱部42と誘導加熱調理器の本体の上部に固定されたプレート28及びプレート28に載置された被加熱物29を示す断面図である。
【0024】
図1、図2及び図3において、耐熱樹脂製のコイルベース22の上面に4つのコの字型の強磁性体である、第1の磁性体のフェライトコア23、24、25、26が放射状に配置され、前記コイルベース22に一体成型で取り付けられている。各フェライトコア23、24、25、26は図4の斜視図に示すように、棒状の各フェライトコア23a〜26aの両端にフェライトコア23b〜26bとフェライトコア23c〜26cがそれぞれ設けられており、フェライトコア23、24、25、26は全体として加熱コイル21に向って開いたコの字状に形成されている。コイルベース22はフェライトコア23〜26の表面を覆うように成形され、加熱コイル21とフェライトコア23〜26とを電気的に絶縁する構成になっている。なおフェライトコア23〜26の放熱のため一部を露出させてもよい。加熱コイル21は細い素線を束ねた撚り線を平板状に巻回したコイルである。加熱コイル21の両端末はコイルベース22に設けられた端子板61、62にそれぞれ接続されている。端子板61、62は図示していない高周波電源に接続されている。
【0025】
加熱コイル21を保持するために、加熱コイル21の上には、耐熱プラスチックの成形品によるコイルホルダ37が設けられている。コイルホルダ37の上にはカーボン等の材料で形成された導電膜32が集積マイカ製の熱遮蔽板30、31の間に挟まれて設けられている。導電膜32は英文字のCの形をしている。導電膜32に接続されている2個の端子33A、33Bは、コネクタ34Aに接続されている。端子33A、33Bはコネクタ34Aを経て切り換え装置34Bに接続される。切り替え装置34Bは端子33A、33B間の導通をチェックする機能と端子33A、33Bをコンデンサ34に接続する機能を有する。切り換え装置34Bは加熱コイル動作時は端子33A、33Bをコンデンサ34に接続する。コンデンサ34は一端を商用電源の電位、あるいは加熱コイル21に高周波電流を供給するインバータに入力される商用電源を整流した出力の電位あるいは大地電位あるいはその他の低電位部に接続される。
【0026】
熱遮蔽板30の上にシート状のフエルト等で形成された弾性(クッション性)を有する耐熱シート63が設けられている。耐熱シート63の上に電気導体である浮力低減板27が設けられている。浮力低減板27は2つの所定の幅を有する円弧状の浮力低減板半体27a、27bから構成されている。浮力低減板27はその上部にある被加熱物29を載せるためのプレート28の下面に当接しまたは接着されている。浮力低減板27は必ずしも接着されている必要はなく直接又は熱を伝導する電気絶縁性を有する部材や導電性部材を介してプレート28に押し当てるようにしてもよい。プレート28の材料は好ましくは耐熱セラミックであり高い電気絶縁性と金属より小さな所定の熱伝導性を有する。浮力低減板半体の数は2つに限定されるものではなく、更に分割して多くの数にしてもよい。多くの数(複数)に分割した浮力低減板はそれぞれほぼ均等な大きさにし、相互の間隔をほぼ均等にするのが被加熱物への浮上がり力の中心周りでの均等な配分と加熱力の均等な配分の上で望ましい。たとえば同発明者の先発明である特願2002−066553の実施例のように単数のC字状の浮力低減板を用いたものでは浮上抑制力が中心周りに均等でないから被加熱部の一隅が浮き上がろうとしたり、被加熱物がある方向に横すべりしやすい点があった。
【0027】
浮力低減板を複数にすることにより、加熱コイルの磁界により浮力低減板に発生する誘導電流が分断される。その結果誘導加熱による浮力低減板の発熱を抑制することができる。また加熱コイルの磁界により誘導される被加熱物の誘導電流の分布が変わるので、加熱コイルの等価直列抵抗が大きくなる。その結果加熱コイルの電流が低減し、被加熱体に与える浮力も低減する。また、浮力低減板が所定の幅を有し、加熱コイルの巻き線の巻き方向に沿った形状で相互に間隔を設けて配置されているので、効率よく浮力低減板に電流が誘導されて等価直列抵抗を大きくするので浮力低減効果が増す。
複数の浮力低減板の大きさと相互の間隔をほぼ均等にすることにより、加熱コイルから出て被加熱物に鎖交する磁束の分布が実質的に回転対称になる。その結果、被加熱物に働く浮力が中心の周りにバランス(平衡)をもって配分される。またフェライトコア23〜26が、複数に分割された浮力低減板27の隙間の部分に対向しないようにするのが望ましい。これにより、隙間の部分で強くなる磁界を他の方向に分散させて磁界を均一にすることができる。
【0028】
浮力低減板半体27a、27bはそれぞれ厚さが約1mm、幅が約35mmのアルミニウムの板により形成され、半円の円弧状に形成されている。浮力低減板半体27aと27bとの間隙27cは約10mmである。浮力低減板半体27a、27bは、それぞれの脚部27e、27fによりコイルホルダー37を挟んでコイルーベース22にねじ止めされる。浮力低減板27の具体的寸法の実施例は、外径が180mm、内径が約110mm(加熱コイル21の外径が約180mm、内径が約165mmの場合)である。
【0029】
浮力低減板27の中央の開口部39において、図4に示すフェライトコア23〜26の外側の立ち上がり部であるフェライトコア23b〜26bの上端面は浮力低減板27の外周より外側に位置している。また内側の立ち上がり部であるフェライトコア23c〜26cの上端面は開口部39の内周より内側に位置するようにしてある。図3において、誘導加熱部42の下方に第2の磁性体45が設けられている。磁性体45は、例えば透磁率の高い厚さ0.15mmの珪素鋼板等を縦横が15mm及び20mm程度のほぼ扇形に形成した部材である。磁性体45は、加熱コイル21により被加熱物29周囲に漏洩する磁界が不均一である場合に、その磁界分布を均一に調整して低減するために用いる。サーミスタ35がホルダー36にはめ込まれて、プレート28の裏面に当接されプレート28の温度を検出する。プレート28は絶縁物である耐熱セラミックス製で、その上にアルミニウム製の被加熱物29が加熱コイル22に対向する様に載置される。
【0030】
以下に本実施例の誘導加熱装置の動作を説明する。加熱コイル21に図示を省略した高周波電源から約70kHzの高周波電流を流すと、加熱コイル21は、高周波磁界を発生する。加熱コイル21の下方には、高透磁率材料であるフェライトコア23〜26があるので下方へ向かう磁束はフェライトコア23〜26によって集束され、磁界が加熱コイル21の下方に拡がるのを防止できる。すなわちフェライトコア23〜26は加熱コイル下方及び側方での損失を抑制し加熱効率を高める作用をする。
【0031】
なお、フェライトコア23〜26は、それぞれ3つのフェライトコア23a〜23c、24a〜24c、25a〜25c、26a〜26cをコの字形に組み合わせているが、形状が同じであれば一体に成形したものでも同様の効果が得られる。
【0032】
加熱コイル21の上方に出た磁束は浮力低減板27に鎖交し、浮力低減板27に誘導電流が誘起される。浮力低減板27の厚みは前記のとおり約1mmで磁束の浸透深さ以上の厚みを有するので、浮力低減板27に鎖交する磁束の大部分はほとんど浮力低減板27を貫通せず外周側または内周側に迂回してから被加熱物29の方向に導かれる。
【0033】
被加熱物29に誘起される誘導電流は、加熱コイル21の発生する磁界と、浮力低減板27に誘起される電流により発生する磁界とが重畳した磁界が被加熱物29に鎖交することにより発生する。従って浮力低減板27が存在することにより、被加熱物29に誘導される電流分布が変化する。さらに浮力低減板27に発生する電流の分布の影響が加わることにより、加熱コイル21の等価直列抵抗が大きくなることを発明者は実験によって確認した。
【0034】
加熱コイル21の等価直列抵抗が大きくなると、同じ加熱コイル電流において被加熱物29の発熱量が大きくなる。その結果同一の熱出力を得ようとする場合の加熱コイル電流を小さくすることができ、それに伴い浮力も低減する。
【0035】
図5は本実施例の誘導加熱装置において被加熱物29がアルミニウム製の鍋の場合の、消費電力と浮力の関係を示す測定結果のグラフである。図において、実線Aはアルミニウム製の浮力低減板27がない場合を示し、点線Bは浮力低減板27がある場合を示す。図6は、消費電力と加熱コイル電流の関係を示す測定結果のグラフである。図において、実線Aは浮力低減板27がない場合を示し、点線Bは浮力低減板27がある場合を示す。インバータの出力の周波数は約70kHzであった。
【0036】
これらの測定結果によると、図5に示すように、浮力低減板27を挿入することにより、等価直列抵抗(Rs)は1.09Ωから2.3Ωに増加した。消費電力を2kWに設定した場合に、鍋に働く浮力は約900gから約500gに低減した。また図6に示すように、加熱コイル21の電流も約40Armsから約33Armsに低減する。加熱コイル21の電流の低減に伴いインバータを駆動するパワースイッチング素子の損失及び加熱コイル21の損失も大幅に低減する。なお、鉄系の被加熱物の場合には、浮力低減板27を設けることにより加熱コイル21の等価直列抵抗が大きくなるという作用はほとんどなかった。したがってこの浮力低減板27は常時設置しておいても実用上差し支えない。
【0037】
浮力低減板27を設けることで、浮力低減板27において電力損失が発生するが、発明者らの実験によれば、消費電力が2kWのとき、前記浮力低減板27の損失は約270Wと推定された。浮力低減板27を設けたときの、加熱コイル21を含めた誘導加熱装置内部の損失の減少は約210Wと推定された。このように、浮力低減板27を設けると、その中での発熱による損失が発生するものの、誘導加熱装置内部の損失も低減する。したがって差引の損失の増加分は約60Wとなり加熱効率の低下は比較的小幅になる。このように、浮力低減板27の発熱による電力損失の増加は、加熱コイル21の電流の低減による損失の減少でかなり相殺されることは注目に値する。
【0038】
また、図3に示すように浮力低減板27をプレート28当接させて、浮力低減板27の熱を熱伝導でプレート28に逃がし一部の熱を被加熱物29に与ることにより浮力低減板27の温度上昇を抑制することができ、周囲の部品に対する温度による悪影響を与えるのを防止できる。それとともに、前記の加熱効率の低下をカバーすることが可能である。またプレート28の下面に浮力低減板27を当接させることにより、その下側に耐熱シート63、熱遮蔽板30、31、導電膜32、コイルホルダ37などを積層して位置決めされる加熱コイル21と前記プレート28間の距離を正確に設定できる。
この構成により、浮力低減板27の発熱は効率よくプレート28に伝導させて放散させることができる。それ故浮力低減板27の発熱が加熱コイル21や周囲の部品に温度上昇による悪影響を及ぼすのを抑制する。また伝導熱で被加熱物29の温度を上げ、加熱効率を高めることもできる。
浮力低減板27をプレート28に耐熱接着剤を用いて接着してもよい。その構造によると、接着により浮力低減板27がプレートに密着するので、浮力低減板27の熱がプレートに熱伝導で伝わって放熱され浮力低減板の放熱性が向上する。また、接着後の浮力低減板の取り扱いに手間がかからない。なお浮力低減板27は導電膜32を介在させてプレート28の下面に当接させたりまたは接着しても良い。
【0039】
浮力低減板27は、2つの浮力低減板半体27a、27bの間に被加熱物29の底面に対向するよう面内において約10mmの間隙27c(図1,図2)を設けて配設している。この間隙27cを設けないほうが等価直列抵抗(Rs)の増加効果は大きい。しかし、間隙27cを設けない場合には、浮力低減板半体27a、27bの誘導電流が多いため発熱量が極めて大きく加熱効率の低下も大きい。間隙27cを設けると、間隙27cを設けない場合より等価直列抵抗の増加は少なくなる。しかし間隙27cを設けることにより、浮力低減板27に誘起される電流と逆方向でかつ略平行に加熱コイル21の中心の回りを流れる周回電流が流れないようになる。これにより結果的に分布の異なる誘導電流が浮力低減板27内に流れることになる。それ故、浮力低減板27の発熱が抑制されるとともに等価直列抵抗を増加させる作用を生じる。
【0040】
加熱コイル22の上部に熱遮蔽板30と31に挟んで設けた導電膜32は、コンデンサ34(図1、図2)を介して商用電源電位、インバータの入力電位となる電源電流整流器の出力電位、またはアース電位に接続される。これにより加熱コイル21から漏洩するリーク電流を低減することができる。この導電膜32は膜厚が約30ミクロン程度と薄く選ばれる。したがって電気伝導率も小さいので誘導電流も極めて少ない。そのため加熱コイル21から発生する磁界の分布を変える作用はほとんどない。また導電膜32は浮力低減板27のような等価直列抵抗の増加作用、加熱コイル電流の低減作用及び浮力低減作用もほとんどない。
【0041】
図7は、浮力低減板27の厚みと浮力との関係を示すグラフである。加熱コイル21から出る磁束を遮蔽する場合には、浮力低減板27の厚みを磁束の浸透深さ以上にする必要がある。本実施例の場合加熱コイル21に流れる電流の周波数は70kHzであり、材質をアルミニウムとした場合の浸透深さδは0.3mm程度となる。従って浮力低減板27の厚みを0.3mm以上にすると浮力低減の効果を得ることが可能となる。発明者らは実験により、浮力低減板27の厚みは浸透深さよりも大きく選ぶことが好ましい。すなわち、厚みを浸透深さよりも大きい約1mm程度にしたことにより十分な浮力低減の効果が得られたことを実験により確認した。
【0042】
以上のように、本実施例の誘導加熱装置では、浮力低減板27を設けることにより、加熱コイル21に対向してアルミニウムの被加熱物29を配置した時の加熱コイル21の等価直列抵抗が増加する。また浮力低減板27は、加熱コイル21の発生する磁界により被加熱物29が受ける浮力を低減する浮力低減機能を有している。すなわち所定の消費電力を得ようとする場合に、加熱コイル21の電流値を低減することができ、その結果として被加熱物29に働く浮力が低減される。また電流値の低減によりスイッチング素子(図示せず)や加熱コイル21に発生する損失が低減されて冷却が容易になり、アルミニウム、銅、黄銅などの高電気伝導率で低透磁率の鍋などの被加熱物29を加熱できる。したがって安全でかつ低価格の誘導加熱調理器を提供することができる。
【0043】
浮力低減板27は、加熱コイル21と被加熱物29との間に設けられて、間隙27c及び開口39の部分以外で加熱コイル21を覆っている。そのため加熱コイル21から発生する磁束の一部分は被加熱物29に到る前に浮力低減板27と鎖交し、浮力低減板には、鎖交した磁界を打ち消す方向に浮力低減板27を流れる誘導電流が発生する。この浮力低減板27に発生した誘導電流による磁界と加熱コイル21で発生する磁界とが重畳した結果、見掛け上加熱コイル21で発生する磁界の一部分は浮力低減板27の周囲を迂回して被加熱物29に鎖交する。浮力低減板27と加熱コイル21との間隔は、浮力低減板27と被加熱物29との間隔よりも小さい。従って被加熱物29と加熱コイル21との間の磁気結合の度合いよりも浮力低減板27と加熱コイル21との間の磁気結合の度合いの方が大きくなる。一般に、加熱コイル21と被加熱物29の間の磁気結合が大きくなると、加熱コイル21に同じ大きさの電流を流した時、被加熱物29に鎖交する磁束密度が大きくなる。そのため被加熱物に誘導される誘導電流が増え、加熱コイル21の等価直列抵抗が大きくなる。すなわち、浮力低減板27を設けることにより、被加熱物29を加熱位置に配置した際の加熱コイル21の等価直列抵抗が大きくなるという作用が生じる。
【0044】
上記のように、加熱コイル21から出て、浮力低減板27を迂回したり通り抜けたり、あるいは鎖交しなかった磁束が被加熱物29に到達し被加熱物29の誘導加熱に寄与するので、加熱コイル21の電流低減効果と被加熱物29に働く浮力低減効果を大きくすることができる。
【0045】
浮力低減板27は開口39を有するので、加熱コイル21の中央部近傍が覆われず、中央部から出て被加熱物29に鎖交する磁界の経路が確保される。この経路に磁束が集中するので、浮力低減板27を設けることに伴う加熱効率の大幅な低下を抑制することができる。
【0046】
浮力低減板半体27a、27b間に間隙27cを設けることにより、加熱コイル21の発生する磁界により浮力低減板27に誘導される電流の向き及び大きさが変わる。これにより、被加熱物29に作用する浮力の低減効果をある程度保持しながら、浮力低減板27に発生する発熱量を低減することができる。浮力低減板27に誘導される、加熱コイル21に流れる電流と逆の方向の周回電流は間隙27cにより遮断される。そのため浮力低減板27内の電流が制限されその発熱量を低減できる。その場合に被加熱物29への浮力低減効果がある程度低下する。間隙27cの形状、加熱コイル21の磁束が鎖交する面積、浮力低減板27の材質などにより、等価直列抵抗の大きさと浮力低減板27の発熱量が異なる。従ってこれらの要素の最適な組み合わせを選択して、浮力の低減効果をできるだけ大きくし、浮力低減板27の発熱量を許容できる範囲に抑制する最適な組み合わせを決定することが好ましい。
【0047】
加熱コイル21の下方に放射状に配置した4つの高透磁率の磁性体23b〜26bであるフェライトコア23〜26は、浮力低減板27の外周より外側において被加熱物29の方向に立ち上がる立ち上がり部23b〜26bを有する。この立上がり部23b〜26bにより、加熱コイル21から出た磁束が加熱コイル21の外側周辺に広がらず、磁束が無駄なく被加熱物29に鎖交する。その結果加熱効率が高くなるとともに、フェライトコア23〜26の立ち上がり部23b〜26bから出る磁束が浮力低減板27に遮断されないので浮力低減板27の発熱が抑制される。また、サーミスタ35に鎖交する磁束を抑制してサーミスタ35の検知回路にノイズを誘導しにくくすることもできる。
【0048】
なお、本実施例では、加熱コイル21の下方に設けた高透磁率のフェライトコア23〜26の両端部をフェライトコア23b〜26b、及びフェライトコア23c〜26cにより略垂直に曲げているが、この曲げ角度は垂直にかぎるものではない。
【0049】
【発明の効果】
以上の実施例で詳細に説明したように、請求項1に記載の本発明によれば、アルミニウムや銅など低透磁率でかつ高電気伝導率の材質の被加熱物を加熱する誘導加熱装置において、加熱コイルと被加熱物との間に電気導体を設けることにより、被加熱物に対する浮力を減少させることができるとともに、当該電気導体の温度上昇を抑制することができる。
また、請求項に記載の発明によれば、更に浮力が被加熱体に不均一に作用して被加熱体の傾きや横すべりが起きるのを防ぐことができる。
また、請求項に記載の発明によれば、更に当該電気導体による漏洩磁界分布の歪みを緩和することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例における誘導加熱部の要部の分解斜視図
【図2】本発明の実施例における誘導加熱部の要部の組立斜視図
【図3】図1の誘導加熱部のIII−III断面図
【図4】フェライトコア23、24、25、及び26に共通の斜視図
【図5】本発明の実施例における誘導加熱装置の加熱コイルの等価直列抵抗をパラメータとした消費電力と浮力の関係を示すグラフ
【図6】本発明の実施例における誘導加熱装置の加熱コイルの等価直列抵抗をパラメータとした消費電力と加熱コイル電流の関係を示すグラフ
【図7】本発明の実施例における誘導加熱装置の浮力低減板の厚みと被加熱体に作用する浮力との関係を示すグラフ
【図8】従来の誘導加熱装置の断面図
【図9】(a)及び(b)はそれぞれ従来の誘導加熱装置の加熱コイルと被加熱物に流れる電流を示す図
【図10】従来の誘導加熱装置における入力電力と浮力との関係を示すグラフ
【符号の説明】
21 加熱コイル
22 コイルベース
23〜26 フェライトコア
27 浮力低減板(電気導体)
27a、27b 浮力低減板半体
27c 間隙
27e、27f 脚部
28 プレート
29 被加熱物
30、31 熱遮蔽板
32 導電膜
34 コンデンサ
35 サーミスタ
36 ホルダー
37 コイルホルダ
39 開口部
63 耐熱シート

Claims (5)

  1. アルミニウム若しくは銅またはこれらと同等かそれ以上の電気伝導率を有する低透磁率材料からなる被加熱物を誘導加熱するための加熱コイル、
    前記被加熱物を載置するための電気絶縁性を有する非磁性物のプレート、及び
    前記加熱コイルと前記プレートとの間に設けられ、少なくとも一部が前記プレートに直接または熱伝導性を有する部材を介して接し、前記加熱コイルに対向して前記被加熱物を配置した時、前記加熱コイルの等価直列抵抗を前記電気導体が存在しない場合の前記加熱コイルの等価直列抵抗に比べて増加させかつ、
    前記加熱コイルの電流と前記被加熱物に誘起される電流の相互作用により前記被加熱物に与える浮力を低減させる電気導体を備え、前記電気導体は、弾性及び断熱性を有する断熱部材と前記プレートとの間に挿入され、前記断熱部材により前記プレートの方向に押しつけられていることを特徴とする誘導加熱装置。
  2. アルミニウム若しくは銅またはこれらと同等かそれ以上の電気伝導率を有する低透磁率材料からなる被加熱物を誘導加熱するための加熱コイル、
    前記被加熱物を載置するための電気絶縁性を有する非磁性物のプレート、及び
    所定の幅を有し前記加熱コイルの巻き線の巻き方向に略沿った形状で相互に間隔を設けて前記加熱コイルと前記プレートとの間に設けられ、前記加熱コイルに対向して前記被加熱物を配置した時、前記加熱コイルの等価直列抵抗を前記電気導体が存在しない場合の前記加熱コイルの等価直列抵抗に比べて増加させかつ、前記加熱コイルの電流と前記被加熱物に誘起される電流の相互作用により前記被加熱物に与える浮力を低減させる作用を与える複数の電気導体を備える誘導加熱装置。
  3. 前記複数の電気導体はほぼ(実質的に)均等な大きさであり、相互の間隔がほぼ均等であることを特徴とする請求項に記載の誘導加熱装置。
  4. 記複数の電気導体の相互間に設けた前記間隔に対向する位置においては配置されないように、前記加熱コイルの下方に磁気遮蔽用の磁性体を配置した請求項2または3に記載した誘導加熱装置。
  5. アルミニウム若しくは銅またはこれらと同等かそれ以上の電気伝導率を有する低透磁率材料からなる被加熱物を誘導加熱するための加熱コイル、
    前記被加熱物を載置するための電気絶縁性を有する非磁性物のプレート、
    前記加熱コイルと前記プレートとの間に相互に間隔を隔てて設けられ、前記加熱コイルに対向して前記被加熱物を配置した時、前記加熱コイルの等価直列抵抗を前記電気導体が存在しない場合の前記加熱コイルの等価直列抵抗に比べて増加させ、かつ前記加熱コイルの電流と前記被加熱物に誘起される電流の相互作用により前記被加熱物に与える浮力を低減させる作用を与える複数の電気導体、及び
    前記加熱コイルの前記電気導体に対向する側とは反対の側のすぐ近くの位置に配置された磁気遮蔽用の第1の磁性体を備え
    前記加熱コイルに対して前記第1の磁性体よりも遠くの位置に第2の磁性体を設けて前記複数の電気導体相互の間の間隔に起因する前記磁界の分布のひずみを緩和するようにした誘導加熱装置。
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