JP2014176609A - 誘導加熱容器 - Google Patents
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Abstract
【課題】容器本体に誘導加熱発熱体を取り付けて、収容された被加熱物を電磁調理器などにより加熱する誘導加熱容器として使用することができ、そのような使用態様において、空焚き状態となった場合に選択的に破断する部位を設けて、その安全性を高めながらも、通常の使用時には、加熱効率が損なわれないようにするとともに、容器本体の熱による損傷や、誘導加熱発熱体そのものの破損などを有効に回避することができる誘導加熱容器を提供する。
【解決手段】誘導加熱発熱体3のヒューズ部31が突出する側の面が、容器本体2の内底面21に対向するようにして、誘導加熱発熱体3を容器本体2に取り付け、誘導加熱発熱体3のヒューズ部31が突出する側とは反対側の面に、誘導加熱発熱体3の表面側が平坦となるように表面被覆層32を設ける。
【選択図】 図1
【解決手段】誘導加熱発熱体3のヒューズ部31が突出する側の面が、容器本体2の内底面21に対向するようにして、誘導加熱発熱体3を容器本体2に取り付け、誘導加熱発熱体3のヒューズ部31が突出する側とは反対側の面に、誘導加熱発熱体3の表面側が平坦となるように表面被覆層32を設ける。
【選択図】 図1
Description
本発明は、電磁調理器などが備える電磁誘導加熱コイルにより発生する高周波磁界によって渦電流が誘起され、そのジュール熱により発熱する誘導加熱発熱体を備えた誘導加熱容器に関する。
近年、ガス機器が主流であった加熱調理機器に代わって、一般に、電磁調理器と称される加熱調理機器が、安全性、清潔性、利便性、経済性などの観点から、飲食業などにおける業務用のみならず、一般家庭においても広く普及するようになってきている。
しかしながら、この種の電磁調理器は、内部に備えた電磁誘導加熱コイルにより高周波磁界を発生させ、誘起された渦電流によって生じるジュール熱により加熱対象物を加熱するというものである。このため、炎を使わずに加熱調理を行うことができる反面、その原理上、使用できる調理器具が限られてしまい、鉄、鉄ホーローなどの磁性金属からなる専用の調理器具を用いなければならないという不利があった。
このような状況下、上記した電磁調理器の不利を解消するものとして、例えば、特許文献1、特許文献2などにおいて、非磁性(又は非導電性)の容器本体を備えた電磁調理器用の容器が提案されている。
ここで、特許文献1には、電磁調理器から生じる渦電流により、0.10〜100μmのアルミニウム箔を発熱させる電磁調理器を用いる加熱方法が提案されており、特許文献1の加熱方法によれば、非磁性の容器であっても電磁調理器を用いて内容物を容易に加熱することができるとされている。
しかしながら、このような加熱方法には、誤って空焚きしてしまった場合などに、アルミニウム箔が急激に昇温して容易に燃えて飛散してしまうという危険や、熱により容器が損傷してしまうおそれがあるという問題があった。
しかしながら、このような加熱方法には、誤って空焚きしてしまった場合などに、アルミニウム箔が急激に昇温して容易に燃えて飛散してしまうという危険や、熱により容器が損傷してしまうおそれがあるという問題があった。
一方、特許文献2には、非導電体製の容器本体の内底面に、導電体製の薄膜状の発熱体を積層してなる電磁調理用容器において、発熱体の中央部を所定形状に打ち抜くなどして、外周からの径方向の幅を狭くした幅狭部を発熱体に設けた安全機構付きの電磁調理用容器が提案されている。そして、このような特許文献2の電磁調理容器によれば、発熱体に設けられた幅狭部が、空焚きなどの誤操作時に選択的に溶断されることで、空焚きなどによる容器の発熱や発火などを防止することができるとされている。
しかしながら、本発明者らが鋭意検討を重ねたところ、これらの従来技術を現実の利用に供するには、未だ解決すべき課題が残されているという知見を得るに至った。
すなわち、特許文献2では、発熱体に設けられた幅狭部が局所的に高温となることで、この幅狭部が選択的に溶断されるようにしていることから、発熱体の出力は、最も高温になる幅狭部で規定されてしまう。このため、発熱体の他の部分は有効に発熱せず、加熱効率が悪いという問題があった。
また、特許文献2では、幅狭部下面と容器本体内底面とを離間する非接触部を設けるようにした例を挙げているものの、幅狭部における発熱が過剰となりすぎる傾向が強く、このような非接触部を設けたところで、依然として容器本体を損傷するおそれがあった。
さらに、特許文献2では、鍋物のように加熱調理しながら食するような使用態様に供したときに、使用者が発熱体を箸などで突っついてしまい、発熱体そのものを破損させてしまうおそれがあることについては何ら考慮されていなかった。
また、特許文献2では、幅狭部下面と容器本体内底面とを離間する非接触部を設けるようにした例を挙げているものの、幅狭部における発熱が過剰となりすぎる傾向が強く、このような非接触部を設けたところで、依然として容器本体を損傷するおそれがあった。
さらに、特許文献2では、鍋物のように加熱調理しながら食するような使用態様に供したときに、使用者が発熱体を箸などで突っついてしまい、発熱体そのものを破損させてしまうおそれがあることについては何ら考慮されていなかった。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、非磁性(又は非導電性)の容器本体に誘導加熱発熱体を取り付けて、収容された被加熱物を電磁調理器などにより加熱する誘導加熱容器として使用することができ、そのような使用態様において、空焚き状態となった場合に選択的に破断する部位を設けて、その安全性を高めながらも、通常の使用時には、加熱効率が損なわれないようにするとともに、容器本体の熱による損傷や、誘導加熱発熱体そのものの破損などを有効に回避することができる誘導加熱容器の提供を目的とする。
本発明に係る誘導加熱容器は、液状の被加熱物を収容できるようにした容器本体と、高周波磁界により渦電流が誘起されて発熱する導電層を有する誘導加熱発熱体とを備え、前記誘導加熱発熱体から前記被加熱物への熱移動がなされない空焚きの状態となったときに、選択的に過剰に発熱して破断するようにされたヒューズ部が、前記誘導加熱発熱体の一方の面側に突出するようにして形成されており、前記誘導加熱発熱体の前記ヒューズ部が突出する側の面が、前記容器本体の内底面に対向するようにして、前記誘導加熱発熱体が前記容器本体に取り付けられているとともに、前記誘導加熱発熱体の前記ヒューズ部が突出する側とは反対側の面には、前記誘導加熱発熱体の表面側が平坦となるように表面被覆層が設けられている構成としてある。
本発明の誘導加熱容器によれば、空焚き状態となった場合に選択的に破断する部位を誘導加熱発熱体に設けて、その安全性を高めることができることに加え、通常の使用時には、加熱効率が損なわれないようにするとともに、容器本体の熱による損傷や、誘導加熱発熱体そのものの破損などを有効に回避することができる。
以下、本発明の好ましい実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1(a)は、本実施形態に係る誘導加熱容器の概略を示す平面図であり、図1(b)は、図1(a)のA−A断面図である。また、図1(c)は、図1(b)において一点鎖線で示す部分の要部拡大断面図である。
図1(a)は、本実施形態に係る誘導加熱容器の概略を示す平面図であり、図1(b)は、図1(a)のA−A断面図である。また、図1(c)は、図1(b)において一点鎖線で示す部分の要部拡大断面図である。
図1に示す容器1は、非導電性材料からなる容器本体2と、この容器本体2の内底面21側に取り付けられた誘導加熱発熱体3とを備えている。
容器本体2の内底面21は、ほぼ正方形状とされており、容器本体2は、この内底面21の周りを囲むように側壁部22を立設させることで、水などの液状の被加熱物を収容できるようにしてあるが、内底面21の形状は、図示する例には限定されない。例えば、矩形状、円形状とするほか、三角形、五角形、六角形などの多角形状としてもよい。容器本体2の全体的な形状も、使い勝手などを考慮して種々の形状とすることができる。
容器本体2の内底面21は、ほぼ正方形状とされており、容器本体2は、この内底面21の周りを囲むように側壁部22を立設させることで、水などの液状の被加熱物を収容できるようにしてあるが、内底面21の形状は、図示する例には限定されない。例えば、矩形状、円形状とするほか、三角形、五角形、六角形などの多角形状としてもよい。容器本体2の全体的な形状も、使い勝手などを考慮して種々の形状とすることができる。
ただし、容器1は、一般に、市販の電磁調理器の上に置いて使用されることから、容器本体2の内底面21や、容器本体2の内底面21側に取り付けられる誘導加熱発熱体3の大きさは、使用する電磁調理器が備える加熱コイルの大きさに応じて設定するのが好ましい。例えば、市販の家庭用電磁調理器が備える一般的な加熱コイルは、内径5cm程度、外径20cm程度であり、業務用のものであれば、これよりも大きいものもあるが、使用が想定される電磁調理器に応じて大きさを適宜定めておくものとする。
本実施形態において、容器本体2は、ポリスチレン等のポリスチレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂などの合成樹脂材料、さらには、紙や、ガラスなど、種々の汎用の非導電性材料にて形成することができる。これらの材料にて容器本体2を形成することにより、電磁調理器を用いた加熱調理が可能な誘導加熱容器を安価に提供することが可能となる。
また、誘導加熱発熱体3は、容器本体2に取り付けて、非導電性材料からなる容器本体2を電磁調理器による誘導加熱が可能な誘導加熱容器として使用できるようにするためのものである。そして、このような誘導加熱発熱体3は、電磁調理器などが備える電磁誘導加熱コイルが発する高周波磁界により渦電流が誘起され、その電気抵抗によりジュール熱が生じて発熱する導電性材料からなる導電層30を有している。
導電層30を形成する導電性材料としては、例えば、アルミニウム,ニッケル,金,銀,銅,白金,鉄,コバルト,錫,亜鉛などの金属、又はこれらの合金など、高周波磁界による誘導加熱によって発熱する種々の導電性材料を用いて形成することができる。より具体的には、例えば、導電性材料としてアルミニウムを用いる場合、好ましくは0.10〜100μm程度、より好ましくは1〜40μm程度の厚みのアルミニウム箔を用いて導電層30を形成することができる。アルミニウム箔などの金属箔を用いて導電層30を形成すれば、誘導加熱発熱体3を容器本体2に取り付ける際に、誘導加熱発熱体3を容器本体2の内底面21や側壁部22に沿って折り曲げるなどの立体加工を施して、容器本体2の形状に適合させるのが容易となる。
また、誘導加熱発熱体3には、容器内に被加熱物が収容されていなかったり、容器内の被加熱物が無くなってしまったりするなどして、誘導加熱発熱体3から被加熱物への熱移動がなされない空焚きの状態となったときに、選択的に過剰に発熱して破断するようにされたヒューズ部31が形成されている。
誘導加熱発熱体3に形成されるヒューズ部31は、例えば、図2に示すように、径方向に沿って垂下させた導電層30の先端側を長手方向に沿って分断し、これによって形成された一対のヒューズ部形成片311,312のそれぞれの端縁311a,312aを揃えて重ね合わされるように固定することによって形成することができる。
なお、図2(a)は、誘導加熱発熱体3を裏面側からみた斜視図である。また、図2(b)は、図2(a)のB−B断面図であり、誘導加熱発熱体3の径方向に直交する断面を示しているが、このようなヒューズ部31が形成された誘導加熱発熱体3のより具体的な製造方法については後述する。
なお、図2(a)は、誘導加熱発熱体3を裏面側からみた斜視図である。また、図2(b)は、図2(a)のB−B断面図であり、誘導加熱発熱体3の径方向に直交する断面を示しているが、このようなヒューズ部31が形成された誘導加熱発熱体3のより具体的な製造方法については後述する。
このようにして形成されたヒューズ部31にあっては、導電層30が分断された部分、すなわち、一方のヒューズ部形成片311の端縁311aと、他方のヒューズ部形成片312の端縁312aとを揃えて、ヒューズ部形成片311,312同士を部分的に溶接するなどして(後述する図4(c)、図5参照)、高周波磁界によって誘起される渦電流を導通させる電流路を適宜形成する。これにより、被加熱物への熱移動がなされない空焚きの状態にあるときには、ヒューズ部31が選択的に過剰に発熱するようになる。そして、そのまま発熱し続けると、ヒューズ部31の部分的に溶接などした接合部分の温度が著しく上昇し、かかる接合部分の溶断によってヒューズ部31が破断する。ヒューズ部31が破断すると渦電流の導通が妨げられ、電磁調理器が備える安全機構が異常を検知して、電磁調理器が自動的に停止するので、これによって、空焚きを防止することができる。
本実施形態では、ヒューズ部31が誘導加熱発熱体3の一方の面側に突出するようにして形成されており、ヒューズ部31が突出する側の面が、容器本体2の内底面21に対向するようにして、誘導加熱発熱体3が容器本体2に取り付けられる(図1(b)参照)。そして、ヒューズ部31が突出する側とは反対側の面には、誘導加熱発熱体3の表面側が平坦となるように導電層30を覆う表面被覆層32が設けられている(図2(b)参照)。
このようにすることで、鍋物のように加熱調理しながら食するような使用態様に供した場合にであっても、使用者が箸などで引っ掛けてしまうような突出した部位が誘導加熱発熱体3の表面側に現れないので、誘導加熱発熱体3を使用者が箸などで破損してしまうのを有効に回避することができる。
このようにすることで、鍋物のように加熱調理しながら食するような使用態様に供した場合にであっても、使用者が箸などで引っ掛けてしまうような突出した部位が誘導加熱発熱体3の表面側に現れないので、誘導加熱発熱体3を使用者が箸などで破損してしまうのを有効に回避することができる。
誘導加熱発熱体3を容器本体2に取り付けるには、誘導加熱発熱体3の裏面側、すなわち、容器本体2の内底面21に対向する側に、容器本体2に対してヒートシール性を有するヒートシール層33を設けておき、ヒートシールによって接着することができる。
このとき、ヒートシール層33からヒューズ部31に重なる部分を取り除いておくのが好ましい。これにより、ヒューズ部31が破断する際に生じる火花などによってヒートシール層33が燃え出してしまうのを未然に防ぐことができる。
さらに、容器本体2の内底面21にヒューズ部31が接触しないように、誘導加熱発熱体3は、容器本体2の内底面21から離間させて取り付けるのが好ましい。これにより、ヒューズ部31が破断する際に生じる火花などによって容器本体2が燃え出してしまうなどの不都合を有効に回避することができる。
このとき、ヒートシール層33からヒューズ部31に重なる部分を取り除いておくのが好ましい。これにより、ヒューズ部31が破断する際に生じる火花などによってヒートシール層33が燃え出してしまうのを未然に防ぐことができる。
さらに、容器本体2の内底面21にヒューズ部31が接触しないように、誘導加熱発熱体3は、容器本体2の内底面21から離間させて取り付けるのが好ましい。これにより、ヒューズ部31が破断する際に生じる火花などによって容器本体2が燃え出してしまうなどの不都合を有効に回避することができる。
また、誘導加熱発熱体3を容器本体2の内底面21から離間させて取り付けることで、容器本体2に収容された水などの液状の被加熱物が、誘導加熱発熱体3と容器本体2の内底面21との間にも行き渡るようになる。これによって、被加熱物に対する加熱効率を高めるとともに、誘導加熱発熱体3からの熱によって容器本体2が損傷するのを有効に回避することができる。このとき、誘導加熱発熱体1の裏面側に被加熱物が滞留してしまわないように、被加熱物の対流を促すためには、誘導加熱発熱体3の中央又はその近傍に、円形状、又は楕円形状等の任意の形状に切り抜いた抜き孔3aを設けたり、スリット状の切り込みを設けたりするとよい。
誘導加熱発熱体3を容器本体2の内底面21から離間させて取り付けるには、容器本体2の内底面21から突出する支持部22に、ヒートシール層33を介して誘導加熱発熱体3をヒートシールするようにすればよい。
ヒートシール層33を形成する樹脂は、前述したような材料にて形成された容器本体2に、ヒートシールによって誘導加熱発熱体1を取り付けることができるものを適宜選択して用いる。例えば、ポリプロピレン,ポリエチレン等のポリオレフィン系樹脂を用いることができるが、表面被覆層32にも同様の樹脂を用いることができる。
ヒートシール層33を形成する樹脂は、前述したような材料にて形成された容器本体2に、ヒートシールによって誘導加熱発熱体1を取り付けることができるものを適宜選択して用いる。例えば、ポリプロピレン,ポリエチレン等のポリオレフィン系樹脂を用いることができるが、表面被覆層32にも同様の樹脂を用いることができる。
本実施形態にあっては、容器本体2の内底面21側に誘導加熱発熱体3を取り付けることで、電磁調理器による誘導加熱によって、容器本体2に収容された被加熱物を加熱できるようにしているが、前述したようなヒューズ部31が形成された誘導加熱発熱体3は、次のようにして製造することができる。
誘導加熱発熱体3を製造するには、先ず、導電層30を形成する導電性材料からなる導電層原反130(例えば、長尺状のアルミニウム箔)と、表面被覆層32を形成する樹脂からなる表面被覆層原反132(例えば、長尺状のポリプロピレン樹脂シート)と、ヒートシール層33を形成する樹脂からなるヒートシール層原反133(例えば、長尺状のポリプロピレン樹脂シート)とを連続的に繰り出しながら、導電層原反130を表面被覆層原反132とヒートシール層原反133とで挟むようにこれらを積層してブランクシート100を形成する。
この際、ヒューズ部31が形成される被加工領域131において、表面被覆層原反132と導電層原反130とは、これらの間に好ましくは1〜30mmの幅W1の非接着部101aが帯状に形成されるように、接着剤層101を介して積層されるようにする。これとともに、ヒートシール層原反133と導電層原反130とは、これらの間に好ましくは1〜30mmの幅W2の非接着部102aが帯状に形成されるように、接着剤層102を介して積層されるようにする(図3(a)参照)。
次に、非接着部101aの幅方向両端に沿って表面被覆層原反132にハーフカット処理を施して、表面被覆層原反132から非接着部101aに重なる部分を引き剥がすようにして取り除く。これとともに、非接着部102aの幅方向両端に沿ってヒートシール層原反133にハーフカット処理を施して、ヒートシール層原反133から非接着部102aに重なる部分を引き剥がすようにして取り除く(図3(b)参照)。
ハーフカット処理を施すには、トムソン刃、ピナクル刃などの切断刃や、レーザーなどを用いて図3(a)に示すような切り込みを入れるようにすればよい。
ハーフカット処理を施すには、トムソン刃、ピナクル刃などの切断刃や、レーザーなどを用いて図3(a)に示すような切り込みを入れるようにすればよい。
そして、表面被覆層原反132の非接着部101aに重なる部分と、ヒートシール層原反133の非接着部102aに重なる部分とが取り除かれて、導電層原反130の帯状に露出した部分の幅方向中央部を、長手方向に沿って谷折りに折り曲げる。これとともに、表面被覆層原反132の残部の端縁132aを揃えて重ね合わせながら、重ね合わされた表面被覆層原反132の端縁132a側を、好ましくは0.5〜10mmの高さH1で残して、当該端縁132aに沿って山折りに折り曲げて垂下部131aを形成する(図4(a)参照)。
次いで、このようにして形成された垂下部131aにおいて、重ね合わされている表面被覆層原反132の端縁132a側の対向面同士を熱融着するとともに、垂下部131aの先端部を長手方向に沿って分断する(図4(b)参照)。
このとき、垂下部131aの先端部を折り曲げ線に沿って切り開いても良く、折り曲げ線を含む所定の範囲を切除するようにしても良い。このようにすることで、それぞれの端縁311a,312aを揃えて重なり合わされた一対のヒューズ部形成片311,312が形成される。このとき、ヒューズ部形成片311,312は、1〜25mmの高さH2で形成されるようにするのが好ましい。
このとき、垂下部131aの先端部を折り曲げ線に沿って切り開いても良く、折り曲げ線を含む所定の範囲を切除するようにしても良い。このようにすることで、それぞれの端縁311a,312aを揃えて重なり合わされた一対のヒューズ部形成片311,312が形成される。このとき、ヒューズ部形成片311,312は、1〜25mmの高さH2で形成されるようにするのが好ましい。
次いで、一方のヒューズ部形成片311の端縁311aと、他方のヒューズ部形成片312の端縁312aとを揃えた状態で固定する(図4(c)参照)。
そして、一方のヒューズ部形成片311の端縁311aと、他方のヒューズ部形成片312の端縁312aとを揃えた状態で固定するには、端縁311a,312a同士を揃えた状態でヒューズ部形成片311,312の端縁311a,312a側を長手方向に沿って折り曲げることでも固定できるが、ヒューズ部形成片311,312の端縁311a,312a側同士を部分的に溶接するのが好ましい。このとき、ヒューズ部形成片311,312の端縁311a,312a側同士を部分的に溶接するには、例えば、溶接しようとする部位を超音波ホーンとアンビルとの間に挟み、超音波振動によって導電性材料を溶融することによって溶接するなどすれば良い。
これによって、ヒューズ部形成片311,312の端縁311a,312a同士が離れないようにして、両者の間に高周波磁界によって導電層11に誘起された渦電流が導通する電流路を形成することで、ヒューズ部31が形成される。
ここで、図4(c)は、ヒューズ部形成片311,312の端縁311a,312a側同士を部分的に溶接した状態を示しており、部分的に溶接された部位を図中、符号31aで示す。
これによって、ヒューズ部形成片311,312の端縁311a,312a同士が離れないようにして、両者の間に高周波磁界によって導電層11に誘起された渦電流が導通する電流路を形成することで、ヒューズ部31が形成される。
ここで、図4(c)は、ヒューズ部形成片311,312の端縁311a,312a側同士を部分的に溶接した状態を示しており、部分的に溶接された部位を図中、符号31aで示す。
前述したように、ヒューズ部31が形成される被加工領域131において、ヒートシール層原反133から非接着部102aに重なる部分を取り除いておく。これによって、誘導加熱発熱体3の裏面側に形成されたヒートシール層33から、ヒューズ部31に重なる部分が取り除かれることになり、ヒューズ部31が破断する際に生じる火花などによってヒートシール層33が燃え出してしまうのを避けるとともに、ヒューズ部形成片311,312の端縁311a,312a側同士を部分的に溶接する際の妨げとならないようにすることができる。
ヒューズ部形成片311,312の端縁311a,312a側同士を溶接する際に、その長手方向にわたって全ての部位を溶接してしまうと、その部位における抵抗値が小さくなり、ヒューズ部31の機能を発揮する上での妨げになってしまうことが考えられる。そのため、ヒューズ部形成片311,312の端縁311a,312a側同士を溶接するにあたっては、このことを考慮して、導電層30を分断することによって形成された、一方のヒューズ部形成片311の端縁311aと、他方のヒューズ部形成片312の端縁312aとの間に高抵抗値の渦電流の導通部分が形成され、前述したようなヒューズ部31の機能を発揮させることが出来る範囲で、溶接する部位の面積や、その位置、及び溶接する部位の数等を適宜設定するのが好ましい。
このようにして導電層30にヒューズ部31を形成した後に、ヒューズ部31が径方向に位置するように、所定の形状に切り抜くことによって誘導加熱発熱体3を製造することができる。図1に示す例では、容器本体2の内底面21の平面形状に合わせて、誘導加熱発熱体3を円形状に切り抜いているが、誘導加熱発熱体3を切り抜く形状は、これに限定されない。容器本体2の内底面21に取り付けることが出来る形状であれば、任意の形状とすることができる。
また、ヒューズ部形成片311,312の端縁311a,312a側同士を溶接するにあたっては、最終的に得られる誘導加熱発熱体3の形状を考慮して、例えば、所定の形状で切り抜かれた誘導加熱発熱体3の半径方向の中央や、半径方向の両端寄りに相当する位置などの一〜五カ所に、0.5〜5mm角程度の大きさで溶接する部位を設定することが出来る。
以上、本発明について、好ましい実施形態を示して説明したが、本発明は、前述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることは言うまでもない。
例えば、前述した実施形態では、径方向に沿って垂下させた導電層30の先端側を長手方向に沿って分断し、これによって形成された一対のヒューズ部形成片311,312のそれぞれの端縁311a,312aを揃えて重ね合わされるように固定してヒューズ部31を形成した例を挙げて説明したが、ヒューズ部31の態様はこれに限定されない。ヒューズ部31の他の例としては、例えば、図5に示すようなものが挙げられる。
すなわち、図4(c)に示すようにして形成された垂下部131aの先端側を、部分的に溶接された部位31aを避けて部分的に切り欠いて、当該先端側に切り欠き部31bを設けることによってもヒューズ部31を形成することができる。この場合、垂下部131aの先端側の切り欠き部31bを除く残部に渦電流が集中して誘起され、渦電流がヒューズ部31の部分的に溶接された部位31aに効率よく、安定して確実に導通し、当該残部が選択的に過剰に発熱するためヒューズ部31としての機能をより一層向上させることができる。
すなわち、図4(c)に示すようにして形成された垂下部131aの先端側を、部分的に溶接された部位31aを避けて部分的に切り欠いて、当該先端側に切り欠き部31bを設けることによってもヒューズ部31を形成することができる。この場合、垂下部131aの先端側の切り欠き部31bを除く残部に渦電流が集中して誘起され、渦電流がヒューズ部31の部分的に溶接された部位31aに効率よく、安定して確実に導通し、当該残部が選択的に過剰に発熱するためヒューズ部31としての機能をより一層向上させることができる。
また、前述した実施形態では、誘導加熱発熱体3の裏面側にヒートシール層33を設けた例を挙げて説明したが、ヒートシール層33は必要に応じて省略することもできる。この場合、例えば、図6に示すように、誘導加熱発熱体3の四隅を裏面側に折り返したり、誘導加熱発熱体3の中央を十字に切り込んでなる各片を裏面側に折り返したりするなどして、表面被覆層32をヒートシール層としてヒートシールすることで、誘導加熱発熱体3を容器本体2に取り付けるようにしてもよい。
また、このような態様とする場合には、誘導加熱発熱体3の中央付近に誘起される渦電流を整流するために、誘導加熱発熱体3の中央付近において、導電層30に円形状の切り込み3bを入れるのが好ましい。
なお、図6(a)は、誘導加熱容器の他の例を示す平面図であり、図6(b)は、図6(a)のC−C断面図であるが、表面被覆層32を裏側に折り返す部位や、折り返すために設ける切り込みの形状は、図示の例に限定されない。
また、このような態様とする場合には、誘導加熱発熱体3の中央付近に誘起される渦電流を整流するために、誘導加熱発熱体3の中央付近において、導電層30に円形状の切り込み3bを入れるのが好ましい。
なお、図6(a)は、誘導加熱容器の他の例を示す平面図であり、図6(b)は、図6(a)のC−C断面図であるが、表面被覆層32を裏側に折り返す部位や、折り返すために設ける切り込みの形状は、図示の例に限定されない。
以上説明したように、本発明は、市販の電磁調理器により、安全、かつ、手軽に、被加熱物を加熱することができる誘導加熱容器を提供する。
1 容器
2 容器本体
3 誘導加熱発熱体
30 導電層
31 ヒューズ部
31b 切り欠き部
311,312 ヒューズ部形成片
311a,312a 端縁
32 表面被覆層
33 ヒートシール層
2 容器本体
3 誘導加熱発熱体
30 導電層
31 ヒューズ部
31b 切り欠き部
311,312 ヒューズ部形成片
311a,312a 端縁
32 表面被覆層
33 ヒートシール層
Claims (4)
- 液状の被加熱物を収容できるようにした容器本体と、高周波磁界により渦電流が誘起されて発熱する導電層を有する誘導加熱発熱体とを備え、
前記誘導加熱発熱体から前記被加熱物への熱移動がなされない空焚きの状態となったときに、選択的に過剰に発熱して破断するようにされたヒューズ部が、前記誘導加熱発熱体の一方の面側に突出するようにして形成されており、
前記誘導加熱発熱体の前記ヒューズ部が突出する側の面が、前記容器本体の内底面に対向するようにして、前記誘導加熱発熱体が前記容器本体に取り付けられているとともに、
前記誘導加熱発熱体の前記ヒューズ部が突出する側とは反対側の面には、前記誘導加熱発熱体の表面側が平坦となるように表面被覆層が設けられていることを特徴とする誘導加熱容器。 - 前記導電層を前記誘導加熱発熱体の径方向に沿って垂下させるとともに、谷折りに折り曲げられた前記導電層の先端側を長手方向に沿って分断して一対のヒューズ部形成片を形成し、前記ヒューズ部形成片のそれぞれの端縁を揃えて重ね合わされるように固定することにより前記ヒューズ部を形成した請求項1に記載の誘導加熱容器。
- 前記導電層を前記誘導加熱発熱体の径方向に沿って垂下させるとともに、谷折りに折り曲げられた前記導電層の先端側を部分的に切り欠くことにより前記ヒューズ部を形成した請求項1に記載の誘導加熱容器。
- 前記誘導加熱発熱体の裏面側にヒートシール層が設けられ、前記ヒートシール層から前記ヒューズ部に重なる部分が取り除かれた請求項1〜3のいずれか一項に記載の誘導加熱容器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013241671A JP2014176609A (ja) | 2013-02-14 | 2013-11-22 | 誘導加熱容器 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013027178 | 2013-02-14 | ||
JP2013027178 | 2013-02-14 | ||
JP2013241671A JP2014176609A (ja) | 2013-02-14 | 2013-11-22 | 誘導加熱容器 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2014176609A true JP2014176609A (ja) | 2014-09-25 |
Family
ID=51697257
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2013241671A Pending JP2014176609A (ja) | 2013-02-14 | 2013-11-22 | 誘導加熱容器 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2014176609A (ja) |
-
2013
- 2013-11-22 JP JP2013241671A patent/JP2014176609A/ja active Pending
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