JP2007278199A - 可変容量圧縮機 - Google Patents

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Abstract

【課題】連結機構の負担を軽減できる可変容量圧縮機の提供を図る。
【解決手段】可変容量圧縮機であって、回転軸10に固定されて一体に回転する回転部材としてのロータ21と、回転軸10に摺動自在で且つ傾斜自在に装着された傾動部材としての斜板24と、斜板24の上死点に対応する位置でロータ21と斜板24とを連結してロータ21の回転を斜板24に伝達するとともに斜板24の傾動をガイドする連結機構40と、ロータ21と斜板24との間において連結機構40よりも回転方向R前側に設けられ、斜板24の回転軸10に対する傾斜角の変更をガイドする傾動ガイド部60と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、可変容量圧縮機に関する。
可変容量圧縮機は、回転軸と、回転軸に固定されて回転軸と一体的に回転するロータと、回転軸に摺動自在に取り付けられた斜板と、ロータと斜板との間に設けられ且つロータから斜板へ回転トルクを伝達しながら斜板の傾斜角を変化をガイドする連結機構と、を備え、斜板の傾斜角を変化させることでピストンストロークを変化させて吐出容量を変化させることができるようになっている(例えば特許文献1、2)。
特許文献1の連結機構は、ロータから斜板に向けて突設された突起と、斜板からロータに向けて突設され且つ前記ロータの突起と回転方向に重なり合う突起と、ロータの突起の基端に設けられ、斜板の突起の先端部を摺動ガイドすることで斜板の傾斜角の変更をガイドするとともに斜板に作用する軸方向荷重を受圧するガイド面と、を備えて構成されている。ロータの突起は、斜板の突起を挿入して狭持するスリットを有する二股状に形成されている。これにより、ロータの突起と斜板の突起とが回転方向に互いに重なり合い、ロータの回転が斜板に伝達されるようになっている。
特許文献2、3の連結機構は、ロータから斜板に向けて突設されたアームと、斜板からロータに向けて突設されたアームと、両アームと回転方向に重なりあう中間リンクと、ロータのアームと中間リンクとを連結するヒンジピンと、斜板のアームと中間リンクとを連結するヒンジピンと、を備えて構成されている。この特許文献2の連結機構では、中間リンクと、ロータおよび斜板と、が狭持構造によって回転方向に重なり合う構造となっており、これによりロータの回転トルクが斜板に伝達されるようになっており、また、斜板に作用するピストンからの軸方向荷重は両ヒンジピンで受け止められるようになっている。
特開2004−068756号公報 特開2003−172417号公報 特開平10−176658号公報
図16〜18は、特許文献1相当の一従来技術を示すものである。図16〜18に示す従来技術の可変容量圧縮機の連結機構は、ロータ103から斜板101に向けて突設されたアーム104と、斜板101からロータ103に向けて突設されたアーム102と、ロータのアーム104の基端に設けられ、斜板のアーム102の先端部を摺動ガイドすることで斜板の傾斜角の変更をガイドするとともに斜板101に作用するピストンからの圧縮反力(軸方向荷重)Fpを受圧するガイド面105と、 を備えて構成されている。ロータのアーム104は、図17に示すように、斜板のアーム102を挿入して狭持するスリット106を有した二股状に形成されている。これにより、ロータのアーム104と斜板のアーム102とが回転方向Rに互いに重なり合い、ロータ103の回転が斜板101に伝達されるようになっている。
ここで、ピストンから斜板101に加わるの圧縮反力Fpは、斜板101の上死点TDCと下死点BDCとを通る線に対して左右対称には加わらず(図17、18参照)、上死点位置よりも若干回転方向R前方に最大圧縮反力Fpが加わる。そのため、斜板101には、その上死点位置TDCよりも回転方向R前側に最大圧縮反力Fpが加わり、これにより斜板101には捻れモーメントが加わることになる。なお、上死点位置よりも若干回転方向R前方に最大圧縮反力Fpが加わる理由は、各ピストンに加わる圧縮反力が、各ピストンの圧縮行程において圧縮行程終点である上死点の直前で最大となって被圧縮冷媒が吐出されることによる。
この従来技術では、図17〜図18に示すように、斜板101のアーム102をロータ103のアーム104に狭持しているため、圧縮反力Fpによりねじれモーメントが加わると、図18のように上死点TDCと下死点BDCとを通る線に対して斜板101が傾いてしまい、斜板101のアーム102の2つの角部K、Kがそれぞれロータ103のアーム104の内側面に食い込んでしまう。つまり、スリット106内で“こじれ”が生じてしまう。このような“こじれ”が生じると、斜板101の傾斜角を変更する際に過大な摺動抵抗となって、斜板101の傾斜角の変更がスムーズにいかない。また、大きな摺動抵抗により、寿命が短くなる虞がある。
本発明はこのような従来技術をもとに為されたもので、その目的は、狭持構造により回転伝達をするとともに斜板の傾斜角の変更をガイドする連結機構で、こじれが起きにくい可変容量圧縮機の提供である。
請求項1に記載の発明は、可変容量圧縮機であって、回転軸に固定されて一体に回転する回転部材と、前記回転軸に傾斜自在に取り付けられた傾動部材と、前記傾動部材の上死点に対応する位置で前記回転部材と前記傾動部材とを連結して、回転方向に向けた狭持構造によって前記回転部材の回転を前記傾動部材に伝達するとともに前記傾動部材の傾動をガイドする連結機構と、前記回転部材と前記傾動部材との間において前記連結機構よりも回転方向前側に設けられ、前記傾動部材の前記回転軸に対する傾斜角の変更をガイドする傾動ガイド部と、を備えることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の可変容量圧縮機であって、前記傾動ガイド部は、前記連結機構よりも、前記回転軸を挟んで前記連結機構と反対位置となる前記傾動部材の下死点側に、設けられていることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の可変容量圧縮機であって、前記傾動ガイド部は、前記上死点と前記下死点との略中間点にあることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の可変容量圧縮機であって、前記傾動ガイド部は、前記回転部材および前記傾動部材からぞれぞれに設けられ且つ互いに当接する当接部であることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の可変容量圧縮機であって、前記回転部材と前記傾動部材との間に設けられ、前記回転部材の回転を前記傾動部材に伝達する回転伝達補助部を、さらに備えることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜4に記載の可変容量圧縮機であって、前記回転部材と前記傾動部材との間において前記連結機構よりも回転方向後側に設けられ、前記傾動部材の前記回転軸に対する傾斜角の変更をガイドする回転伝達補助部を、さらに備えることを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の可変容量圧縮機であって、前記回転伝達補助部は、前記上死点と前記下死点との略中間点にあることを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の可変容量圧縮機であって、前記傾動ガイド部と前記回転伝達補助部とは前記回転軸を挟んで正反対に位置することを特徴とする。
請求項9に記載の発明は、請求項7に記載の可変容量圧縮機であって、前記傾動ガイド部と前記回転伝達補助部とは前記回転軸を挟んで鏡面対称に設けられていることを特徴とする。
請求項10に記載の発明は、請求項5〜9のいずれか1項に記載の可変容量圧縮機であって、前記回転伝達補助部は、前記回転部材および前記傾動部材のそれぞれに設けられ且つ互いに当接する当接部であることを特徴とする。
請求項11に記載の発明は、請求項1〜10のいずれか1項に記載の可変容量圧縮機であって、前記連結機構は、前記回転部材から前記傾動部材に向けて突設されたアームと、前記傾動部材から前記回転部材に向けて突設されたアームと、前記両アームと回転方向に重なりあう中間リンクと、前記回転部材のアームと前記中間リンクとを連結する第1のヒンジピンと、前記傾動部材のアームと前記中間リンクとを連結する第2のヒンジピンと、を備え、前記中間リンクと、前記回転部材およびまたは前記傾動部材と、は回転方向に沿う狭持構造によって前記回転方向に重なりあっていることを特徴とする。
請求項12に記載の発明は、請求項11に記載の可変容量圧縮機であって、前記連結機構は、前記回転部材から前記傾動部材に向けて突設され且つスリットを隔てて二股状に形成されたアームと、前記傾動部材から前記回転部材に向けて突設され且つスリットを隔てて二股状に形成されたアームと、前記両アームのスリット内に挿入されて前記両アームと回転方向に重なりあう中間リンクと、前記回転部材のアームと前記中間リンクとを連結する第1のヒンジピンと、前記傾動部材のアームと前記中間リンクとを連結する第2のヒンジピンと、を備えて構成されていることを特徴とする。
請求項13に記載の発明は、請求項1〜10に記載の可変容量圧縮機であって、前記連結機構は、前記回転部材から前記傾動部材に向けて突設されたアームと、前記傾動部材から前記回転部材に向けて突設され且つ前記アームと回転方向に向けて重なりあうアームと、前記両アームの一方に設けられた円弧状の長孔と、前記両アームの他方に固定され且つ前記長孔に挿入されたピンと、を備え、前記回転部材のアームが前記傾動部材のアームを摺動自在に狭持するスリットを備えた二股状であるか前記傾動部材のアームが前記回転部材のアームを摺動自在に狭持するスリットを備えた二股状であることを特徴とする。
請求項14に記載の発明は、請求項1〜10に記載の可変容量圧縮機であって、前記連結機構は、前記回転部材から前記傾動部材に向けて突設されたアームと、前記傾動部材から前記回転部材に向けて突設されたアームと、を有し、前記回転部材のアームが前記傾動部材のアームを摺動自在に狭持するスリットを備えた二股状であるか前記傾動部材のアームが前記回転部材のアームを摺動自在に狭持するスリットを備えた二股状であることで、前記回転部材のアームと前記傾動部材のアームとが回転方向に重なり合うものであり、且つ、前記前記回転部材のアームまたは前記傾動部材のアームの基端部に、前記傾動部材のアームまたは前記回転部材のアームの先端部と当接して、前記傾動部材に作用する軸方向荷重を受けとめるとともに前記傾動部材の前記回転軸に対する傾斜角の変更をガイドする傾動ガイド面を備えて構成されていることを特徴とする。
請求項1の発明によれば、連結機構よりも回転方向前側に設けられた傾動ガイド部で、傾動部材に作用する軸方向荷重を受けとめることができる。つまり、連結機構が位置する上死点位置よりも回転方向前側に偏って圧縮反力が加わっても、傾動ガイド部で、この偏った圧縮反力を受けとめることができる。そのため、連結機構にねじれモーメントが小さくなり、連結機構に生じるこじれが抑制される。これにより、傾動部材の傾斜角の変更がスムーズになり、制御性が良好となる。また、連結機構の寿命も延びる。
請求項2の発明によれば、傾動ガイド部が連結機構よりも下死点側に設けられているため、上死点側に偏りやすい重心を下死点側に移動させることができ、これにより、ロータおよび斜板のバランスがよくなる。
請求項3の発明によれば、傾動ガイド部が上死点と下死点との略中間点にあるため、重量バランスがさらに向上する。
請求項4の発明によれば、傾動ガイド部の構造が簡素となる。
請求項5の発明によれば、回転伝達補助部をさらに備えるため、連結機構で伝達する回転トルクが小さくなる。これにより傾動部材の傾斜角の変更がスムーズになり、制御性が良好となる。また、連結機構の寿命も延びる。
請求項6に発明によれば、回転伝達補助部は、回転部材と傾動部材との間において連結機構よりも回転方向後側に設けられ、傾動部材の傾斜角の変更をガイドするように構成されている。そのため、回転伝達補助部は、回転部材の回転を傾動部材に伝達する付随機能も有することとなる。そのため、連結機構で伝達する回転トルクが小さくなる。
また、傾動ガイド部が連結機構よりも回転方向前側に設けられる一方で回転伝達補助部が連結機構よりも回転方向後側に設けられているため、回転部材および傾動部材の重量バランスがさらに良好となる。
また、回転軸を中央にして、傾動ガイド部と連結機構と回転伝達補助部によって3角形が作られることとなる。つまり、傾動ガイド部と連結機構と回転伝達補助部の3点支持により、回転部材に対して傾動部材を支持することができ、傾動部材の支持状態が安定する。
請求項7の発明によれば、回転伝達補助部が上死点と下死点との略中間点にあるため、さらに回転部材および傾動部材の重量バランスが良好となる。
請求項8に発明によれば、傾動ガイド部と回転伝達補助部とは回転軸を挟んで正反対に位置するため、さらに回転部材および傾動部材の重量バランスが良好となる。
請求項9の発明によれば、傾動ガイド部と回転伝達補助部とは回転軸を挟んで鏡面対称に設けられているため、さらに回転部材および傾動部材の重量バランスが良好となる。しかも対称形状であるため、製造が容易となる。
請求項10発明によれば、回転伝達補助部が回転部材および傾動部材のそれぞれに設けられ且つ互いに当接する当接部であるため、回転伝達補助部の構造が簡素となる。
請求項11の発明によれば、狭持構造を備える連結機構を簡素に構成できる。
請求項12に記載の発明は、狭持構造を備える連結機構を簡素に構成できる。
請求項13に記載の発明は、狭持構造を備える連結機構を簡素に構成できる。
請求項14に記載の発明は、狭持構造を備える連結機構を簡素に構成できる。
以下、本発明の実施形態にかかる可変容量圧縮機を図面を参照しつつ説明する。
まず、図1〜5を参照しつつ本実施形態の可変容量圧縮機の概略を説明する。図1は可変容量圧縮機の一部破断部を含む全体図、図2は同可変容量圧縮機の回転軸とロータと斜板を組み立てたアッセンブリの概略断面図、図3は同アッセンブリの斜板の最大傾斜状態を示す側面図、図4は同アッセンブリの斜板の中間傾斜状態を示す側面図、図5は同アッセンブリの斜板の最小傾斜状態を示す側面図である。
図1に示すように、可変容量圧縮機1は、円周方向に複数の等間隔に配置されたシリンダボア3を有するシリンダブロック2と、該シリンダブロック2の前端面に接合され該シリンダブロック2との間にクランク室5を形成するフロントハウジング4と、シリンダブロック2の後端面にバルブプレート9を介して接合され吸入室7および吐出室8を形成するリアハウジング6と、を備えている。これらシリンダブロック2とフロントハウジング4とリアハウジング6とは、複数のスルーボルトによって締結固定される。
バルブプレート9は、シリンダボア3と吸入室7とを連通する吸入孔11と、シリンダボア3と吐出室8とを連通する吐出孔12と、を備えている。
バルブプレート9のシリンダブロック2側には、吸入孔11を開閉する図示せぬ弁機構が設けられ、一方、バルブプレート9のリアハウジング6側には、吐出孔12を開閉する図示せぬ弁機構が設けられている。
シリンダブロック2およびフロントハウジング4の中心の支持孔19、20には軸受17、18を介して回転軸10が軸支され、この回転軸10がクランク室5内で回転自在となっている。
クランク室5内には、前記回転軸10に固設された「回転部材」としてのロータ21と、回転軸10に摺動自在に装着された「傾動部材」としての斜板24と、が設けられている。斜板24は、その中央の貫通孔に回転軸10が貫通した状態で回転軸10に装着されることで、回転軸10の軸心に沿って摺動自在であるとともに軸心に対して傾動自在となっている。なお、この実施形態の斜板24は、図2に示すように、筒状のハブ25と、この筒状のハブ25に固着された円板状の斜板本体26と、を備えて構成されている。
各シリンダボア3にはピストン29が摺動自在に収容されており、このピストン29は半球状の一対のピストンシュー30、30を介して斜板24の外周部に連結されている。
回転部材としてのロータ21と、傾動部材としての斜板24と、の間には連結機構40が介在しており、この連結機構40によりロータ21の回転トルクを斜板24に伝達できるようになっている。
回転軸10が回転するとこの回転軸10と一体にロータ21が回転し、このロータ21の回転が連結機構40を介して斜板24に伝達される。斜板24の回転は、一対のピストンシュー30、30によってピストン29の往復動に変換され、ピストン29がシリンダボア3内を往復動する。このピストン29の往復動により、吸入室7内の冷媒がバルブプレート9の吸入孔11を通じてシリンダボア3内に吸入されたのち圧縮され、バルブプレート9の吐出孔12を通じて吐出室8へと吐出される。
前記連結機構40は、上述のごとくロータ21の回転を斜板24に伝達しつつも、図3〜5に示すように斜板24の傾斜角の変更をガイドする。連結機構40によって変更ガイドされる斜板24の傾斜角は、スリーブ22がリターンスプリング51に抗してシリンダブロック2から離れる方向に移動すると斜板24の傾斜角が大きくなり(図3参照)、逆に、スリーブ22がシリンダブロック2側に近接移動すると斜板24の傾斜角が小さくなる(図5参照)。例えば、図3に示すように斜板24の傾斜角が最大の状態で回転軸10を回転させると、ピストン29は最大ストロークでピストン運動して圧縮機1の吐出量が最大となるし、逆に図5に示すように斜板24の傾斜角が最小の状態で回転軸10を回転させると、ピストン29は最小ストロークでピストン運動して圧縮機1の吐出量が最小となる。このように斜板24の傾斜角を変動させることで、ピストン29のピストンストロークを変更し、圧縮機1の冷媒吐出量を変更する。なお、この実施形態では、回転軸10の直交面に対する斜板24の傾斜角が45°程度でピストンが最大ストロークとなり、0°程度で最小ストロークとなる。また、この実施形態では、斜板24には、スリーブ22を介して、回転軸10に沿う軸方向の双方からリターンスプリング51、52の付勢力が付与されており、回転停止時にはこれら付勢力が釣り合う位置で斜板24の傾斜角が安定する。この例では、回転停止時には最大傾斜角(図3)と最小傾斜角(図5)との中間位置を初期位置として斜板24が復帰する。
吐出容量の制御
この可変容量圧縮機1では、吐出容量を制御するために、ピストン29の後面側のクランク室圧Pcとピストン29の前面側の吸入室圧Psの差圧(圧力バランス)を調整して斜板24の傾角を変化させる圧力制御機構が設けられている。圧力制御機構は、クランク室5と吸入室7とを連通する抽気通路(図示せぬ)と、クランク室5と吐出室8とを連通する給気通路(図示せぬ)と、この給気通路の途中に設けられ給気通路を開閉制御する制御弁33と、を備える。
制御弁33で給気通路を開くと給気通路を通じて吐出室8の冷媒がクランク室5に流れこんでクランク室圧Pcが上昇し、これによりクランク室圧Pcと吸入室圧Psとの圧力バランスにより斜板24の回転軸10の直交面に対する傾斜角が小さくなる。結果、ピストンストロークが小さくなり、吐出量が減少する。逆に、制御弁33で給気通路を閉じると抽気通路を通じてクランク室5の冷媒が吸入室7に除々に抜けていくことでクランク室圧Pcが低下し、これによりクランク室圧Pcと吸入室圧Psとの圧力バランスにより斜板24の傾斜角が大きくなる。結果、ピストンストロークが大きくなり、吐出量が増加する。
連結構造
本実施形態では、ロータ21と斜板24とは、上述の連結機構40の他に傾動ガイド部60および回転伝達補助部70によって連結されており、次に図6〜図14を参照しつつロータ21と斜板24の連結構造について説明する。
図6は可変容量圧縮機1の回転軸10とロータ21と斜板24を組み立てたアッセンブリの斜視図、図7は図6中のVII方向からの側面図、図8は図6中のVIII方向からの側面図、図9は図6中のIX方向からの側面図、図10は図6中のX方向からの側面図、図11はロータの斜視図、図12はロータの側面図、図13は斜板の斜視図、図14は斜板の側面図である。
連結機構
まず、図6を参照しつつ連結機構40について説明する。
連結機構40は、ロータ21から斜板24に向けて突設されたアーム41と、斜板24からロータ21に向けて突設されたアーム43と、を備えている。ロータのアーム41は軸方向(回転方向Rと直交する方向)に延びるスリット41sを有して二股状に形成されており、また、斜板のアーム43が同じく軸方向(回転方向Rと直交する方向)に延びるスリット43sを有して二股状に形成されている。これらスリット41s、43sに中間リンク45が摺動自在に嵌合され両アーム21、24に中間リンク45狭持されている。このような回転方向Rに沿う狭持構造により、ロータ21の回転が斜板24に伝達されるようになっている。
また、中間リンク45の一端部とロータのアーム41とが第1のヒンジピン46で連結されており、また、中間リンク45の他端部と斜板のアーム43とが第2のヒンジピン47で連結されており、これらヒンジピン46、47によるヒンジ構造により、図4〜6に示す如く、斜板24の傾動がガイドされる。
このような連結機構40により、連結機構40がある位置が斜板24の上死点TDCに対応し、回転軸10を挟んで連結機構40の逆側が斜板24の下死点BDCに対応することとなる。
圧縮機1の作動時には、連結機構40は、ロータ21から斜板24に回転トルクFtを伝達するとともに、ピストン29からの圧縮反力Fpによって斜板24からロータ21に伝達される軸方向荷重を受け、また、最大圧縮反力Fpが連結機構40が位置する上死点TDC位置よりも回転方向R前側にズレることによって生じる捻れモーメントを受けている。
本実施形態では、この連結機構40に加わる回転トルクFtおよび軸方向荷重および捻れモーメントを、後述する傾動ガイド部60および回転伝達補助部70により軽減することで、斜板24の傾斜角の変更をスムーズにできるようにしてある。以下、図7〜図14を参照しつつ傾動ガイド部60および回転伝達補助部70について説明する。
傾動ガイド部および回転伝達補助部
上述した連結機構40の回転方向R前側で且つ連結機構40よりも下死点BDC側には、連結機構40と離間して、傾動ガイド部60が設けられており、また連結機構40の回転方向R後側で且つ連結機構40よりも下死点BDC側には、連結機構40に離間して、回転伝達補助部70が設けられている。
傾動ガイド部60および回転伝達補助部70は、上死点TDCと下死点BDCとの略中間点にあり、互いに回転軸10を挟んで正反対に位置し、互いに鏡面対称に設けられている。
傾動ガイド部60は、ロータ21および斜板24のそれぞれに設けられ且つ互いに当接する当接部としての突部61、63を備えて構成されており、また、回転伝達補助部70も、ロータ21および斜板24のそれぞれに設けられ且つ互いに当接する当接部としての突部71、73を備えて構成されている。
傾動ガイド部60も回転伝達補助部70も、ロータ21から突設された突部61、71に、斜板24から突設された突部63、73の先端部の移動軌跡に沿って形成された傾斜面61a、71aを備える。これにより、斜板24を連結機構40のガイドによって傾斜角を変更すると、いずれの傾斜角においても斜板24の突部63、73がロータの突部61、71の傾斜面61a、71aに摺動接触するようになっている(図3〜5参照)。なお、いずれの傾斜面61a、71aも、上死点TDC側に向いている。このような構成により、これら傾動ガイド部60と回転伝達補助部70は、いずれも連結機構40の傾動ガイドを補助するように、斜板24の傾斜角の変更をガイドする。より具体的には、これら傾動ガイド部60と回転伝達補助部70は、連結機構40の傾動ガイドを補助することで、斜板24がいずれの傾斜角にあっても連結機構40に加わる軸方向荷重を分散している。
また、回転伝達補助部70はロータの突部71が斜板の突部73より回転方向R後側に配置されることで、ロータ21の回転トルクを斜板24に伝達する回転伝達補助機能を備えることとなる。そのため、従来構造では連結機構40のみで担っていた回転トルク伝達を、回転伝達補助部70が分担して、連結機構40に加わる回転トルクを低減している(図9参照)。
一方、傾動ガイド部60はロータの突部61が斜板の突部63より回転方向R前側に配置されることで、ロータ21の回転トルクを斜板24に伝達する機能は備えない。しかし傾動ガイド部60は、上死点位置となる連結機構40よりも回転方向R前側にあるため、連結機構40よりも回転方向R前側に加わる最大圧縮反力Fpを受け、これにより、従来構造では連結機構40に加わっていた捻れモーメントを、低減している(図7参照)。
以上のように、本実施形態では、連結機構40に加わる回転トルクおよび捻れモーメントを、傾動ガイド部60および回転伝達補助部70により軽減することで、連結機構40への負荷を軽減するとともに連結機構40に生じるこじれを防止して斜板24の傾斜角の変更がスムーズになる。
また、本実施形態では、連結機構40に加えて傾動ガイド部60および回転伝達補助部70を付加したことにより、傾動ガイド部60および回転伝達補助部70を備えてない構造に比べ、重量バランスが向上する。図15は、回転軸10の軸心10sに対するアッセンブリの重心位置のズレ量を示すグラフであって、グラフ中、実線が本実施形態のアッセンブリを示し、点線が比較例のアッセンブリを示すもので本実施形態のアッセンブリから傾動ガイド部60および回転伝達補助部70を取り除いた比較例を示すものである。図15に示すように、斜板24の傾斜角度を変更しても本実施形態のアッセンブリの重心位置が回転軸10の軸心10sに近くにあり、重量バランスが向上していることが分かる。
「効果」
以下、本実施形態の効果を列挙する。
まず第1に、この実施形態の可変容量圧縮機1は、回転軸10に固定されて一体に回転する回転部材としてロータ21と、回転軸10に摺動自在に取り付けられるとともに回転軸10に対して傾斜自在に取り付けられた傾動部材としての斜板24と、斜板24の上死点TDCに対応する位置でロータ21と斜板24とを連結して、回転方向Rに向けた狭持構造によってロータ21の回転を斜板24に伝達するとともに斜板24の傾動をガイドする連結機構40と、ロータ21と斜板24との間において連結機構40よりも回転方向R前側に設けられ、斜板24の回転軸10に対する傾斜角の変更をガイドする傾動ガイド部60と、を備える。
そのため、連結機構40よりも回転方向R前側に設けられた傾動ガイド部60で、斜板24に作用する軸方向荷重Fpを受けとめることができる。つまり、連結機構40が位置する上死点TDC位置よりも回転方向R前側に偏って圧縮反力Fpが加わってても、傾動ガイド部60で、この偏った圧縮反力Fpを傾動ガイド部60で受けとめることができる。そのため、連結機構40にねじれモーメントが小さくなり、連結機構40に生じるこじれが抑制される。これにより、斜板24の傾斜角の変更がスムーズになり、制御性が良好となる。また、連結機構40の寿命も延びる。
第2に、本実施形態の可変容量圧縮機1は、傾動ガイド部60は、連結機構40よりも下死点BDC側に設けられている。
そのため、傾動ガイド部60が連結機構40よりも下死点BDC側に設けられているため、上死点TDC側に偏りやすい重心を下死点BDC側に移動させることができ、これにより、ロータ21および斜板24のバランスがよくなる。
第3に、本実施形態の可変容量圧縮機1は、傾動ガイド部60は、上死点TDCと下死点BDCとの略中間点にある。そのため、重量バランスがさらに向上する。
第4に、本実施形態の可変容量圧縮機1は、傾動ガイド部60は、ロータ21および斜板24のそれぞれに設けられ且つ互いに当接する当接部61、63である。そのため、傾動ガイド部の構造が簡素となる。
第5に、本実施形態の可変容量圧縮機1は、ロータ21と斜板24との間に設けられ、ロータ21の回転を斜板24に伝達する回転伝達補助部70を、さらに備える。そのため、連結機構40で伝達する回転トルクが小さくなる。これにより斜板24の傾斜角の変更がスムーズになり、制御性が良好となる。また、連結機構40の寿命も延びる。
第6に、本実施形態の可変容量圧縮機1は、ロータ21と斜板24との間において回転方向R後側に設けられ、斜板24の傾斜角の変更をガイドする回転伝達補助部70を、さらに備える。
つまり、回転伝達補助部70は、ロータ21と斜板24との間において連結機構40よりも回転方向R後側に設けられ且つ斜板24の傾斜角の変更をガイドするように構成されているため、ロータ21の回転を斜板24に伝達する付随機能も有することとなる。そのため、連結機構40で伝達する回転トルクが小さくなる。また、回転伝達補助部70が連結機構40よりも回転方向R後側に設けられているため、連結機構40よりも回転方向R前側に設けられた傾動ガイド部60と重量バランスが取れる。これにより、ロータ21および斜板24の重量バランスがさらに良好となる。
また、傾動ガイド部60と連結機構40と回転伝達補助部70によって、回転軸10を中央にして3角形が形成されることとなる。つまり、斜板24がロータ21に対して、傾動ガイド部60と連結機構40と回転伝達補助部70によって3点支持されることで、斜板24の支持状態が安定する。
第7に、本実施形態の可変容量圧縮機1は、回転伝達補助部70は、上死点TDCと下死点BDCとの略中間点にある。そのため、さらにロータ21および斜板24の重量バランスが良好となる。
第8に、本実施形態の可変容量圧縮機1は、傾動ガイド部60と回転伝達補助部70とは回転軸10を挟んで正反対に位置する。そのため、さらにロータ21および斜板24の重量バランスが良好となる。
第9に、本実施形態の可変容量圧縮機1は、傾動ガイド部60と回転伝達補助部70とは回転軸10を挟んで鏡面対称に設けられている。そのため、さらにロータ21および斜板24の重量バランスが良好となる。しかも対称形状であるため、製造が容易となる。
第10に、本実施形態の可変容量圧縮機1は、回転伝達補助部70は、ロータ21および斜板24のそれぞれに設けられ且つ互いに当接する当接部71、73である。そのため、回転伝達補助部70の構造が簡素となる。
第11に、連結機構40は、ロータ21から斜板24に向けて突設され且つスリット41sを隔てて二股状に形成されたアーム41と、斜板24からロータ21に向けて突設され且つスリット43sを隔てて二股状に形成されたアーム43と、両アーム41、43のスリット41s、43s内に挿入されて両アーム41、43と回転方向Rに重なりあう中間リンク45と、ロータ21のアーム41と中間リンク45とを連結する第1のヒンジピン46と、斜板24のアーム43と中間リンク45とを連結する第2のヒンジピン47と、を備えて構成されている。そのため、狭持構造を備える連結機構40を簡素に構成できる。
なお、連結機構40は、回転方向Rに沿う狭持構造を備えてロータ21の回転を斜板24伝達するとともに斜板24の傾動をガイドするものであれば、上述の実施形態に限定されるものではなくその他の構成を採用してもよい。
例えば、二股状に形成されるのは中間リンク45であって、この中間リンク45に、ロータ21およびまたは斜板24が狭持される構造であってもよい。例えば、特許文献2、3などがこの構造に相当する。
また、連結機構は、ロータ21から斜板24に向けて突設されたアームと、斜板24からロータ21に向けて突設され且つロータのアームと回転方向Rに向けて重なりあうアームと、両アームの一方に設けられた円弧状の長孔と、両アームの他方に固定され且つ長孔に挿入されたピンと、を備え、ロータのアームが斜板のアームを摺動自在に狭持するスリットを備えた二股状であるか斜板のアームがロータのアームを摺動自在に狭持するスリットを備えた二股状である構造であってもよい。
また、連結機構は、図16〜図18に示す如くロータ103から斜板101に向けて突設されたアーム104と、斜板101からロータ103に向けて突設されたアーム102と、を有し、ロータのアーム104が斜板のアーム102を摺動自在に狭持するスリット106を備えた二股状であるか斜板のアーム102がロータのアームを摺動自在に狭持するスリットを備えた二股状であることで、ロータのアーム104と斜板のアーム102とが回転方向Rに重なり合うものであり、且つ、ロータのアーム104または斜板のアーム102の基端部に、斜板のアーム102またはロータのアーム104の先端部と当接して、斜板に作用する軸方向荷重を受けとめるとともに斜板101の回転軸10に対する傾斜角の変更をガイドする傾動ガイド面105を備えて構成されていてもよい。
また、連結機構は、回転方向Rに沿う狭持構造を備えてロータ21の回転を斜板24伝達するとともに斜板24の傾動をガイドするものであれば、その他の構造を採用してよい。
なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されることはない。
例えば上述の実施形態では、斜板24は略球状のスリーブを介して回転軸10に装着されていてもよいし、また斜板24はスリーブを介さず直接回転軸10に装着されていてもよい。
また、上述実施形態ではスワッシュ式の斜板を用いているが本発明ではウォボル式の斜板を用いてもよいし、本発明の技術的範囲に属する限りその他の種々の態様で本発明は実施し得る。
図1は本発明の一実施形態にかかる可変容量圧縮機の一部破断部を有する全体部。 図2は同可変容量圧縮機の回転軸とロータと斜板を組み立てたアッセンブリの概略断面図。 図3は同アッセンブリの最大ストローク状態を示す側面図。 図4は同アッセンブリの中間ストローク状態を示す側面図。 図5は同アッセンブリの最小ストローク状態を示す側面図である。 図6は可変容量圧縮機の回転軸とロータと斜板を組み立てたアッセンブリの斜視図。 図7は図6中のVII方向からの側面図。 図8は図6中のVIII方向からの側面図。 図9は図6中のIX方向からの側面図。 図10は図6中のX方向からの側面図。 図11は同可変容量圧縮機のロータの斜視図。 図12は同可変容量圧縮機のロータの側面図。 図13は同可変容量圧縮機の斜板の斜視図。 図14は同可変容量圧縮機の斜板の側面図である。 図15は回転軸の軸心に対するアッセンブリの重心位置のズレ量を示すグラフであって、本実施形態と、傾動ガイド部および回転伝達補助部を備えない比較例と、を比較する図。 図16は一従来例の可変容量圧縮機の回転軸とロータと斜板を組み立てたアッセンブリの側面図。 図17は図16中のXVII方向からみた側面図。 図18の図17において大きな圧縮反力が加わった際の状態を示す側面図。
符号の説明
1…可変容量圧縮機
10…回転軸
21…ロータ(回転部材)
24…斜板(傾動部材)
40…連結機構
41…アーム(回転部材のアーム)
41s…スリット
43…アーム(傾動部材のアーム)
43s…スリット
45…中間リンク
46…第1のヒンジピン
47…第2のヒンジピン
60…傾動ガイド部
61、63…突部(当接部)
70…回転伝達補助部
71、73…突部(当接部)
101…斜板(傾動部材)
102…アーム
103…ロータ(回転部材)
104…アーム
Fp…圧縮反力
TDC…上死点
BDC…下死点

Claims (14)

  1. 回転軸(10)に固定されて一体に回転する回転部材(21)と、
    前記回転軸(10)に傾斜自在に取り付けられた傾動部材(24)と、
    前記傾動部材(24)の上死点に対応する位置で前記回転部材(21)と前記傾動部材(24)とを連結して、回転方向(R)に向けた狭持構造によって前記回転部材の回転を前記傾動部材に伝達するとともに前記傾動部材の傾動をガイドする連結機構(40)と、
    前記回転部材(21)と前記傾動部材(24)との間において前記連結機構(40)よりも回転方向(R)前側に設けられ、前記傾動部材(24)の前記回転軸(10)に対する傾斜角の変更をガイドする傾動ガイド部(60)と、
    を備えることを特徴とする可変容量圧縮機。
  2. 請求項1に記載の可変容量圧縮機であって、
    前記傾動ガイド部(60)は、前記連結機構(40)よりも、前記回転軸(10)を挟んで前記連結機構(40)と反対位置となる前記傾動部材(24)の下死点(TDC)側に、設けられていることを特徴とする可変容量圧縮機。
  3. 請求項2に記載の可変容量圧縮機であって、
    前記傾動ガイド部(60)は、前記上死点(TDC)と前記下死点(BDC)との略中間点にあることを特徴とする可変容量圧縮機。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の可変容量圧縮機であって、
    前記傾動ガイド部(60)は、前記回転部材(21)および前記傾動部材(24)のそれぞれに設けられ且つ互いに当接する当接部(61、63)であることを特徴とする可変容量圧縮機。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の可変容量圧縮機であって、
    前記回転部材(21)と前記傾動部材(24)との間に設けられ、前記回転部材(21)の回転を前記傾動部材(24)に伝達する回転伝達補助部(70)を、さらに備えることを特徴とする可変容量圧縮機。
  6. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の可変容量圧縮機であって、
    前記回転部材(21)と前記傾動部材(24)との間において前記連結機構(40)よりも回転方向(R)後側に設けられ、前記傾動部材(24)の傾斜角の変更をガイドする回転伝達補助部(70)を、さらに備えることを特徴とする可変容量圧縮機。
  7. 請求項6に記載の可変容量圧縮機であって、
    前記回転伝達補助部(70)は、前記上死点(TDC)と前記下死点(BDC)との略中間点にあることを特徴とする可変容量圧縮機。
  8. 請求項7に記載の可変容量圧縮機であって、
    前記傾動ガイド部(60)と前記回転伝達補助部(70)とは前記回転軸(10)を挟んで正反対に位置することを特徴とする可変容量圧縮機。
  9. 請求項7に記載の可変容量圧縮機であって、
    前記傾動ガイド部(60)と前記回転伝達補助部(70)とは前記回転軸(10)を挟んで鏡面対称に設けられていることを特徴とする可変容量圧縮機。
  10. 請求項5〜9のいずれか1項に記載の可変容量圧縮機であって、
    前記回転伝達補助部(70)は、前記回転部材(21)および前記傾動部材(24)のそれぞれに設けられ且つ互いに当接する当接部(71、73)であることを特徴とする可変容量圧縮機。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の可変容量圧縮機であって、
    前記連結機構(40)は、前記回転部材(21)から前記傾動部材(24)に向けて突設されたアーム(41)と、前記傾動部材(24)から前記回転部材(21)に向けて突設されたアーム(43)と、前記両アーム(41、43)と回転方向(R)に重なりあう中間リンク(45)と、前記回転部材(21)のアーム(41)と前記中間リンク(45)とを連結する第1のヒンジピン(46)と、前記傾動部材(24)のアーム(43)と前記中間リンク(45)とを連結する第2のヒンジピン(47)と、を備え、前記中間リンク(45)と、前記回転部材(21)およびまたは前記傾動部材(24)と、は回転方向(R)に沿う狭持構造によって前記回転方向(R)に重なりあっていることを特徴とする可変容量圧縮機。
  12. 請求項11に記載の可変容量圧縮機であって、
    前記連結機構(40)は、前記回転部材(21)から前記傾動部材(24)に向けて突設され且つスリット(41s)を隔てて二股状に形成されたアーム(41)と、前記傾動部材(24)から前記回転部材(21)に向けて突設され且つスリット(43s)を隔てて二股状に形成されたアーム(43)と、前記両アーム(41、43)のスリット(41s、43s)内に挿入されて前記両アーム(41、43)と回転方向(R)に重なりあう中間リンク(45)と、前記回転部材(21)のアーム(41)と前記中間リンク(45)とを連結する第1のヒンジピン(46)と、前記傾動部材(24)のアーム(43)と前記中間リンク(45)とを連結する第2のヒンジピン(47)と、を備えて構成されていることを特徴とする可変容量圧縮機。
  13. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の可変容量圧縮機であって、
    前記連結機構は、前記回転部材(21)から前記傾動部材(24)に向けて突設されたアームと、前記傾動部材(24)から前記回転部材(21)に向けて突設され且つ前記回転部材のアームと回転方向(R)に向けて重なりあうアームと、前記両アームの一方に設けられた円弧状の長孔と、前記両アームの他方に固定され且つ前記長孔に挿入されたピンと、を備え、前記回転部材のアームが前記傾動部材のアームを摺動自在に狭持するスリットを備えた二股状であるか前記傾動部材のアームが前記回転部材のアームを摺動自在に狭持するスリットを備えた二股状であることを特徴とする可変容量圧縮機。
  14. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の可変容量圧縮機であって、
    前記連結機構は、前記回転部材(103)から前記傾動部材(101)に向けて突設されたアーム(104)と、前記傾動部材(101)から前記回転部材(103)に向けて突設されたアーム(102)と、を有し、前記回転部材のアーム(104)が前記傾動部材のアーム(102)を摺動自在に狭持するスリット(106)を備えた二股状であるか前記傾動部材のアーム(102)が前記回転部材のアームを摺動自在に狭持するスリットを備えた二股状であることで、前記回転部材のアーム(104)と前記傾動部材のアーム(102)とが回転方向(R)に重なり合うものであり、且つ、前記前記回転部材のアーム(104)または前記傾動部材のアーム(102)の基端部に、前記傾動部材のアーム(102)または前記回転部材のアーム(104)の先端部と当接して、前記傾動部材に作用する軸方向荷重を受けとめるとともに前記傾動部材(101)の前記回転軸(10)に対する傾斜角の変更をガイドする傾動ガイド面(105)を備えて構成されていることを特徴とする可変容量圧縮機。
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