JP2007277809A - 硬化性材料の硬化工法 - Google Patents

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Abstract

【課題】作業の完全性・作業の制御性・作業の高速性・作業の安定性・十分な処理強度・高度の処理品質などを満足させることのできる硬化性材料の硬化工法を提供する。
【解決手段】処理対象物11の処理空間12内に未硬化の硬化性材料21を供給してこれを硬化させるための工法である。処理空間12を気密に保持するための処理を処理対象物11に施す。処理対象物11の表面側において硬化性材料21の供給系31と硬化性材料21の吸引系41とを処理空間12にそれぞれ接続する。吸引系41を介した吸引により供給系31の硬化性材料21を処理対象物11の処理空間12内に進入させてこれを硬化させる。
【選択図】 図2

Description

本発明は硬化性材料を用いてこれを処理空間内で硬化させるための工法に関し、とくに各種構造物の補修や補強などに適した硬化性材料の硬化工法に関する。
コンクリート構造物については下記の特許文献1〜2などで明らかなように、床板・橋脚・梁・外壁・架台・堰堤・ダム・トンネル・ビルディングなど多種多様のものが存在する。コンクリート構造物が経年変化で劣化することは周知である。劣化の多くは亀裂・割れ目・裂け目・ひび割れ・隙間のようなものである。かかる劣化(強度低下)が原因でコンクリートの剥落事故が発生したりする。劣化の甚だしいときは内部鉄筋なども腐食して構造破壊に至ることがある。その対策としてコンクリート建造物を定期的に点検したり、補修や補強を行ったりしている。
コンクリート建造物の補修とか補強については、接着剤注入工法・Uカットシール材充填工法・シール工法・パッカー工法などがすでに開発されている。特許文献1〜2の技術もこれらのうちのいずれかの工法に属するものである。
接着剤注入工法の場合は、手動式・機械式のいずれであってもエポキシ樹脂系二液型接着剤をコンクリート構造物の各ひび割れ箇所に加圧注入してそれらを塞ぐものが多い。特許文献1〜2の方法も接着剤としてエポキシ樹脂系の二液型を用いている。
Uカットシール材充填工法は、コンクリート構造物のひび割れ箇所に沿って電動カッタでU字溝を形成し、該溝内にコーキングガンでエポキシ樹脂系二液型接着剤(シーリング材)を加圧充填した後、これをヘラで押さえて下地と密着させ、表面を平滑に仕上げるというものである。
シール工法では、シーリング材であるところのエポキシ樹脂系二液型接着剤をパテベラでひび割れ箇所に塗り付ける。より詳しくは、パテベラで押し込むように圧迫しながら当該接着剤をひび割れ箇所に塗り付け、その表面を平滑に仕上げるというものである。
パッカー工法の場合は、エポキシ樹脂系二液型接着剤を注入機械でコンクリートの空洞化した部分に加圧充墳して、この種の欠陥を解消する。
上記で明らかなように、コンクリート構造物の補修や補強ではエポキシ樹脂系二液型接着剤がよく用いられる。その理由は接着性・耐久性・耐水性・耐アルカリ性・寸法安定性などの諸要求をエポキシ樹脂系が満足させるからである。
特開平05−065768号公報 特開2002−121901号公報
従来の工法において、エポキシ樹脂系二液型接着剤を硬化性材料にしてコンクリート構造物を補修したり補強したりするとき、たとえばコンクリート構造物に生じた亀裂・割れ目・裂け目・ひび割れ・隙間などの処理空間を硬化性材料で補修したり補強したりするときは、その硬化性材料を低圧の加圧手段で処理空間内に注入充填するのが一般である。しかしながら加圧手段で硬化性材料を注入充填する従来工法には、下記[A]〜[E]のような課題が残されている。
[A]処理空間内の空気が硬化性材料により押し込まれてその内奥へ進入かつ残留するときは、硬化性材料の行きわたらない未補修(未補強)部分が生じる。このような場合は補修や補強を十分に達成することができない。
[B]処理空間内で硬化性材料と空気とが混ざり合うときは、硬化後の硬化性材料層にボイドが発生する。こうしたボイドの発生した硬化性材料層は所定の強度に至らないことが多い。したがって所期の補修強度や補強強度を確保するのが難しい。
[C]ゴミなどの夾雑物を処理空間内から取り除くことができない。このような夾雑物も補修強度や補強強度を低下させるおそれがある。
[D]加圧状態で処理空間内に進入する硬化性材料が、その空間内で空気抵抗や空気の圧縮反発力を受けたりするので制御性が低い。
[E]加圧手段が低圧であるため硬化性材料の注入充填速度を速くするのが難しい。したがって施工時間が長くなりがちである。それに外気温の影響を受けやすい夏期や冬期において作業の実施が困難になることもある。
[F]以上に述べた事項は、処理対象物・処理空間・硬化性材料などの種類や状況にかかわらず、各種の工法に共通した課題である。したがってコンクリート構造物の補修や補強に関する分野以外でも、これの解決が希求されている。
本発明はこのような技術課題に鑑み、作業の完全性・作業の制御性・作業の高速性・作業の安定性・十分な処理強度・高度の処理品質などを満足させることのできる硬化性材料の硬化工法を提供しようとするものである。
本発明に係る硬化性材料の硬化工法は所期の目的を達成するために下記(01)〜(12)のような課題解決手段をそれぞれ特徴とする。
(01)本発明は、処理対象物の処理空間内に未硬化の硬化性材料を供給してこれを硬化させるための工法であること、および、処理空間を気密に保持するための処理を処理対象物に施すこと、および、処理対象物の表面側において硬化性材料の供給系と硬化性材料の吸引系とを処理空間にそれぞれ接続すること、および、吸引系を介した吸引により供給系の硬化性材料を処理対象物の処理空間内に進入させてこれを硬化させることを特徴とする。
(02)本発明は、処理対象物の処理空間内に未硬化の硬化性材料を供給してこれを硬化させるための工法であること、および、処理空間に通じる連絡通路を構造物の表面側から構造物の内部に向けて形成すること、および、処理空間を気密に保持するための処理を処理対象物に施すこと、および、処理対象物の表面側において硬化性材料の供給系を処理空間に接続するとともに硬化性材料の吸引系を連絡通路に接続すること、および、吸引系を介した吸引により供給系の硬化性材料を処理対象物の処理空間内に進入させてこれを硬化させることを特徴とする。
(03)本発明は、処理対象物の処理空間内に未硬化の硬化性材料を供給してこれを硬化させるための工法であること、および、処理空間に通じる連絡通路を構造物の表面側から構造物の内部に向けて形成すること、および、連絡通路や処理空間の各内部から処理対象物の外部へと向かう流体の流動性を流体流動手段により発生させてこれら連絡通路内部や処理空間内部を清掃すること、および、処理空間を気密に保持するための処理を処理対象物に施すこと、および、処理対象物の表面側において硬化性材料の供給系を処理空間に接続するとともに硬化性材料の吸引系を連絡通路に接続すること、および、吸引系を介した吸引により供給系の硬化性材料を処理対象物の処理空間内に進入させてこれを硬化させることを特徴とする。
(04)本発明は、上記(01)〜(03)のいずれかにおいて、硬化性材料の供給系が常圧供給系および/または加圧供給系からなることを特徴とする。
(05)本発明は、上記(02)〜(04)のいずれかにおいて、一つ以上の処理空間に通じる単一の連絡通路を構造物の表面側から構造物の内部に向けて形成することを特徴とする。
(06)本発明は、上記(02)〜(04)のいずれかにおいて、一つ以上の処理空間に通じる複数の連絡通路を構造物の表面側から構造物の内部に向けて形成することを特徴とする。
(07)本発明は、上記(02)〜(06)のいずれかにおいて、連絡通路が孔および/または溝からなることを特徴とする。
(08)本発明は、上記(02)〜(07)のいずれかにおいて、連絡通路が直状・曲状・蛇行状・傾斜状・分岐状・交差状・放射状・並列状・階層状のうちのいずれか一つ以上の形状を含むものであることを特徴とする。
(09)本発明は、上記(02)〜(08)のいずれかにおいて、吸引系を接続された連絡通路の吸引端部が処理空間よりも高位置にあることを特徴とする。
(10)本発明は、上記(01)〜(09)のいずれかにおいて、処理対象物における亀裂・割れ目・裂け目・ひび割れ・隙間・長孔のうちのいずれか一つ以上を処理空間として選択し、その処理空間内に未硬化の硬化性材料を供給してこれを硬化させることを特徴とする。
(11)本発明は、上記(01)〜(10)のいずれかにおいて、処理対象物の一部または処理対象物全体をシール材で覆うことにより処理空間を気密状態に保持することを特徴とする。
(12)本発明は、上記(01)〜(11)のいずれかにおいて、硬化性材料がエポキシ樹脂系二液型接着剤からなり、当該接着剤の主剤と硬化剤とを混合状態にしてこれを処理対象物の処理空間内に供給することを特徴とする。
本発明に係る硬化性材料の硬化工法は下記<101>〜<112>のような効果を有する。
<101> 処理空間内を吸引することで処理空間内の空気が排除されるから、硬化性材料が処理空間のほぼ全域に行きわたるようになる。すなわち処理空間内では、硬化性材料の行きわたらない箇所が全くといってよいほど生じない。したがって、処理空間内に供給した硬化性材料の機能を十分に発揮させて処理対象物の補修や補強など所期の目的を十分に達成することができる。これが作業の完全性を満足させることになる。
<102> 処理空間内を吸引してそこに硬化性材料を進入させるときは、また、吸引で進入する硬化性材料と吸引で排出される空気とが混ざり合うこともほとんどない。したがって硬化性材料層は空気混合に起因したボイドを生じることなく所定の強度を発揮する。これが十分な処理強度や高度の処理品質を満足させることになる。
<103> 処理空間内を吸引するときは、さらに、ゴミなどの夾雑物を処理空間内から取り除くことができる。したがって、処理空間内に介在させた硬化性材料に夾雑物の混入するおそれがなく、この点でも硬化後における硬化性材料層の強度や品質を低下させることがない。これも処理強度や処理品質を満足させることになる。
<104> 吸引による減圧状態で処理空間内に進入させるときの硬化性材料は空気抵抗を受けたりしないので、取り扱いが容易で処理空間内へ円滑に進入する。ゆえに硬化性材料に対する制御性がよくなり、これが作業の制御性を満足させることになる。
<105> 処理空間内を減圧しながらそこへ硬化性材料を進入させるときは、また、硬化性材料の流動性もよい。これにより処理空間内への硬化性材料の進入速度が高速化するから作業時間の短縮も実現する。とくに外気温の影響を受けやすい夏期や冬期などは、その外気温の影響を作業の高速性により回避する。したがって外気温にかかわらず安定した作業が行える。
<106> 連絡通路や処理空間の各内部から処理対象物の外部へと向かう流体の流動性を流体流動手段により発生させて連絡通路内部や処理空間内部を清掃するときは、その後に供給される硬化性材料が処理空間内全域に円滑に行きわたるようになる。この清掃に加え、処理空間内の吸引時にも清掃が行われるから、この数次にわたる処理空間内の清掃が、処理対象物に対する処理強度や処理品質の高度化を確たるものにする。
<107> 上記清掃時における各部からの流体噴出状況を観察することで処理空間の状況を事前にチェックすることができる。これに基づき、処理空間と連絡通路との関係やその他を適切に設定して処理作業をミスなく行うことができる。
<108> 硬化性材料については連絡通路の吸引端部へ至るまでに各処理空間内に行きわたるべきである。その理由は、ここに至った以降の吸引を続行しても、硬化性材料が処理空間内に供給されず連絡通路の吸引端部から無駄に排出されるからである。これについて、連絡通路の吸引端部が処理空間よりも高位置にあるときは、吸引供給される硬化性材料が重力の支配下で各処理空間の下位部分から上位部分へと順次供給されていくため、連絡通路の吸引端部に至ったと時点で各処理空間内への当該材料の供給を確実に終えることができる。したがって無駄な材料使用を排して効率よく硬化性材料を処理空間内に供給することができる。
<109> 処理対象物に気密保持処理を施して処理空間を気密に保持するから、吸引による処理空間内への硬化性材料進入が確実になる。こうして気密保持するときは、処理対象物表面部の気密性が乏しい場合でも処理空間内のみを効果的に吸引することができ、硬化性材料もそこへ難なく進入するようになるから、処理対象物の表面状況にかかわらず安定した作業を行うことができる。
<110> 加圧系として加圧供給系を用いるときは、吸引系との相乗効果で処理空間内への硬化性材料の進入速度がより高まり、処理空間内への硬化性材料の供給もより確実になる。したがって作業の高速性や作業の安定性がより高いものになる。
<111> 連絡通路の形成工程・連絡通路や処理空間の清掃工程・処理空間の気密保持工程・吸引または吸引と加圧とによる硬化性材料の進入処理工程など主要工程が少なく作業難度も低いので、低コストで合理的に工法を実施することができる。
<112> 吸引系を連絡通路に接続する工法であっても、供給系については一部または全部の処理空間に直接接続する。これはこの種の工法において連絡通路を形成するだけでよいから工法実施上の負担が少ない。とくに単一の連絡通路で複数の処理空間に対応させるときは、このような効果がより顕著なものになる。
本発明に係る硬化性材料の硬化工法について、はじめに図1〜図2に例示された実施形態を説明する。
図1〜図2の実施形態において、11は処理対象物、21は硬化性材料、31は硬化性材料の供給系、41は吸引系をそれぞれ示す。
図1〜図2に例示された処理対象物11はコンクリート構造物(鉄筋コンクリート構造物やセメントモルタル構造物なども含む)・土構造物(土地や地盤などと称するものも含む)・陶磁製構造物(セラミック製構造物)・煉瓦製構造物・アスファルト製構造物・石膏製構造物(石膏モルタル構造物なども含む)・石灰製構造物・ガラス製構造物・木製構造物・合成樹脂製構造物・金属製構造物などのいずれか、または、これらの材料のうちの任意の二つ以上を複合した複合材料製構造物からなるものである。処理対象物11は、寸法・形状・構造などを問わず、静的な構造物から動的な構造物までも含むものである。これについて具体的にいうと、処理対象物11は、固定式建造物(例:ビルディング)・移動可能な設置物(例:仮小屋のような設置式建物)・可搬物(例:臨時の観覧席に付帯する別体構造の階段用構造物)・移動体(例:牽引車で牽引される車輪付きの小屋)など、いずれの構造物であってもよいものである。処理対象物11としての構造物で代表的なものはコンクリート構造物である。具体的には、前述した床板・橋脚・梁・外壁・架台・堰堤・ダム・トンネル・ビルディングなどがこれに該当する。
図1〜図2に例示された処理対象物11には、後述の硬化性材料21を用いて処理するところの処理空間12がある。処理対象物11の処理空間12はそれぞれの処理対象物ごとに大きさ・形状・数などの異なることが多い。処理空間12で断定的にいえるのは、硬化性材料21の受け入れができるということである。処理空間12の具体例をあげると、それは亀裂・割れ目・裂け目・ひび割れ・隙間・長孔などである。したがって処理対象物11は、これらのうちのいずれか一つ以上を処理空間12として有している。クラックの語を用いて亀裂・割れ目・裂け目・ひび割れなどの処理空間12を説明すると、これには処理対象物11の表層に存在する表面クラックや、処理対象物11の表層から中間層に至る中間クラックや、処理対象物11の表層から深層にまで達している深部クラックなどがある。この種のクラックは通常、処理対象物11に加わる振動や衝撃に起因して発生したり成長したりすることが多い。これに対し隙間のような処理空間12は、接合部の界面遊離で発生することが多い。長孔のような処理空間12はクラックには該当しないが、用済み・不要・その他の事情で塞ぐ必要が生じた場合にその長孔が処理空間12となる。
図2に示された連絡通路13は、削孔機(ドリリングマシン)・切削機(カッティングマシン)・鋸盤(ソーイングマシン)などによる周知の機械加工手段で処理対象物11に形成されるものである。連絡通路13は、具体的には処理対象物11の表面からその内部へと形成されて処理対象物11の処理空間12と交差し、これによって処理空間12と通じるものである。連絡通路13はこれの内部や処理空間12の内部を吸引したり加圧したりするために用いることができるものである。連絡通路13については単数の場合と複数の場合とがあるが、そのいずれの場合でも連絡通路13は上記のとおり処理空間12と通じる。連絡通路13としては孔からなるものと溝からなるものとがある。一例として連絡通路13は孔からなり、他の一例として連絡通路13は溝からなり、さらに他の一例として連絡通路13は孔と溝との組み合せからなる。連絡通路用の孔は断面円形・断面角形のいずれであってもよいが、断面円形がよく採用される。連絡通路用の溝にはスリットのような細隙も含まれる。連絡通路用の溝は、処理対象物11の処理空間12に応じて幅・深さ・長さなどが設定される。孔および/または溝からなる連絡通路13は、直状・曲状・蛇行状・傾斜状・分岐状・交差状・放射状・並列状・階層状のうちのいずれか一つ以上の形状を含むものである。孔からなる連絡通路13を吸引用とするときの望ましい例の一つは、図1のように、その連絡通路13の吸引端部(処理対象物11の表面側にある連絡通路端部)が各処理空間12よりも高い位置に設定されていることである。孔ならなる単一の連絡通路13が図1のように二つ以上の処理空間12と対応していることも望ましい。典型的な実施形態において連絡通路13は、[連絡通路13:処理空間12]=[1:複数]となるように形成されるが、処理空間12と[1:1]または[複数:1]で対応するように連絡通路13が形成されることもある。孔ならなる連絡通路13は、また、処理対象物11の表面に対して傾斜状に形成されることが多い。傾斜状に形成される孔タイプの連絡通路13は、連絡通路13のうちの一本または二本以上であり、孔ならなる連絡通路13の全部が傾斜状に形成されることもある。この場合の「傾斜状」とは、両者の相対関係において、処理対象物11の表面と連絡通路13とのなす角度が「直角よりも大」または「直角よりも小」ということである。したがって、処理対象物11の表面が「非垂直面」または「非水平面」のように傾斜しているときなどは、これに対して、連絡通路13が「垂直方向」または「水平方向」に形成されることもある。もちろん、処理対象物11における処理空間12の状況いかんでは、連絡通路13が処理対象物11の表面に対して直角に形成されることもある。ゆえに孔ならなる連絡通路13が複数本のときは、傾斜状の連絡通路13と直角の連絡通路13とが組み合わされることもある。連絡通路13の口径・向き・深さなども、処理空間12の状況や後述する硬化性材料21の種類に応じて設定される。連絡通路13に関するその他について、意図的にまたは作業ミスで処理対象物11を貫通するような連絡通路13を形成したときは、これが非貫通状態となるようにその一方の貫通端部などをシール手段で閉鎖する。
処理対象物11の表面には後述のとおり、処理空間12や連絡通路13に供給系31の端部や吸引系41の端部が接続されるものである。このほか、処理対象物11の表面にはシール材14が設けられたりする。シール材14は処理対象物11に対する粘着性ないし接着性を有して当該処理対象物11に密着するものである。シール材14は、所定のシール機能を有するものであるかぎり無色透明・有色透明・有色不透明のいずれであってもよい。シール材14のうちで、処理対象物11の表面に貼り付けるタイプのものは一例としてフィルム状またはシート状のものからなり、その貼り付け面に粘着層ないし接着層を有している。シール材14のうちで、処理対象物11の表面に吹き付けるタイプのものは、その吹き付けによって処理対象物表面に付着した薄い層が被膜になる。シール材14は一例として処理対象物11の表面全体に設けられたり、他の一例として処理対象物11の一部(処理対象物表面の一部であって処理空間12の露出部を含む部分)に設けられたりする。シール材14については、これを処理対象物11の表面保護層としても兼用することがあり、そのような場合は施工後、処理対象物11の表面にシール材14がそのまま残置される。
図1〜図2に示された硬化性材料21は未硬化状態から硬化状態に変化するものである。かかる硬化性材料21としては、樹脂系のもの・ゴム糊系のもの・セメント系のもの・石膏系のもの・石灰系のもの・タール類・ピッチ類・ゼラチン系のもの・膠系のもの・漆系のもの・澱粉糊系・ワックス系のものなどがあり、そのほかに、これらのうちで混合可能なものを二種以上混ぜ合わせた混合系のものなどがある。
硬化性材料21で樹脂系のものには、常温(20℃)を中心とする6℃〜40℃の常温域で硬化するタイプの樹脂系(常温硬化性樹脂)や、5℃以下の低温域で硬化するタイプの樹脂系(低温硬化性樹脂)や、41℃以上の中高温域で熱硬化するタイプの樹脂系(熱硬化性樹脂)などがある。これらについては合成接着剤ということもできる。
樹脂系の硬化性材料21でよく採用されるのは樹脂系であり、なかでもよく採用されるのは常温前後の温度域で硬化するタイプのエポキシ樹脂系二液型接着剤である。エポキシ樹脂系二液型接着剤は主剤と硬化剤とからなる。これらについては主剤がA液で、硬化剤がB液といわれたりする。主剤については、ビスフェノールA型エポキシ樹脂・ビスフェノールF型エポキシ樹脂・ビスフェノールAD型エポキシ樹脂・ノボラック型エポキシ樹脂などをあげることができる。これらは単独で用いられたり併用されたりする。そのうちの代表的な二例をあげると、1例目の主剤はビスフェノールA型エポキシ樹脂100%からなり、2例目の主剤はビスフェノールA型エポキシ樹脂60〜70重量%と顔料10〜20重量%と充填材20〜30重量%とからなる。硬化剤については脂肪族アミン・変性脂肪族アミン・変性脂肪族ポリアミンなどが単独または組み合わせで用いられる。硬化剤がエーテル系の希釈剤を含んでいることもある。硬化剤を上記の具体的な各主剤に対応させるならば、上記1例目の主剤のための硬化剤は脂肪族アミン45〜55重量%と変性脂肪族アミン20〜30重量%と希釈剤20〜30重量%からなり、上記2例目の主剤ための硬化剤は変性脂肪族ポリアミン90〜100%からなる。樹脂系の硬化性材料21については、粘度30〜30000mPa・s(25℃の値、以下同じ)の範囲内で任意に粘度調整されたもの採用したりする。とくにエポキシ樹脂系二液型接着剤からなる硬化性材料21などは、流動性や処理空間12内への浸透性をよくするため、粘度30〜1000mPa・sのものがよく用いられる。さらにエポキシ樹脂系二液型接着剤からなる硬化性材料21の典型的な一例でいえば、その粘度は700mPa・sである。
図1〜図2に例示された硬化性材料21の供給系(常圧供給系)31は、加圧も減圧もしない常圧タイプ(大気圧にほぼ等しい)のものである。供給系31は、硬化性材料21を収容するためのタンクのような容器32と、容器32の口に接続されたパイプ33と、パイプ33の先端に取り付けられたフランジ継手式の接続具34とからなる。パイプ33は開閉自在なコックまたはバルブを有するものであることが望ましい。供給系31においては、パイプ33が省略されて容器32の口に接続具34が直接取り付けられることもある。供給系31の各構成材料については所定の強度がありさえすれば各種ものが採用できる。具体例をあげると、容器32・パイプ33・接続具34などは金属製または合成樹脂製のいずれかかである。接続具34についは硬質がよく、容器32やパイプ33については軟質・半硬質(軟質と硬質との間の硬さ)・硬質のいずれであってもよい。接続具34がパイプ33の先端部から省略されることもある。このような場合、パイプ33の先端部は接着剤などで所定部(処理対象物11の処理空間12)に気密に接続されたりする。
図1〜図2に例示された吸引系41において、吸引機械42として採用されているものは公知ないし周知のものである。吸引系41にあって主要な構成要素をなす吸引機械42は、吸引口43と排出口44とを有する吸引タンク45、吸引ファン(図示せず)とその動力源(図示せず)、フィルタ(図示せず)、圧力計(図示せず)などを供えている。吸引系41の他の構成要素は、吸引口46と排出口47とを備えた中継タンク48であり、中継タンク48にフィルタ(図示せず)が備えられている。吸引タンク45の吸引口43と中継タンク48の排出口47とはホース(二次側の可撓性ホース)49を介して相互に接続されており、中継タンク48の排出口47には先端にフランジ継手式の接続具50を有するホース(一次側の可撓性ホース)51が接続されている。吸引系41における各構成要素の材質は公知ないし周知である。ちなみに吸引タンク45や中継タンク48は金属製であったり合成樹脂製であったり複合材料製であったりする。このような吸引系41については、中継タンク48とホース49とが省略され、接続具50付きのホース51が吸引タンク45の吸引口43に直接接続されることもある。ホース51については、硬化性材料21がその内部に達したことを視認するため透明なものにすることがある。このほか接続具50がホース51の先端部から省略されることもある。このような場合も、ホース51の先端部は接着剤などで所定部(処理対象物11の連絡通路13)に気密に接続されたりする。
上述した吸引系41は加圧系としても使用することができる。その一例は、吸引タンク45の排出口44にホースを接続してそこから吹き出される空気の圧力を加圧に利用するケースである。他の一例は、吸引機械42を吸引ファンを逆回転させることでホース51側に加圧用の圧力を取り出すケースである。このような実施形態は、後述する清掃の際に活用できる。
本発明に係る硬化性材料の硬化工法で図1〜図2に例示されたものは、つぎのようなステップを主体にして実施される。
図1〜図2の処理対象物11についていうと、これは一例として既述のコンクリート構造物である。このコンクリート構造物には、振動・衝突・破壊・加工など何らかの原因で生じた既述の処理空間12がある。それは処理対象物11の表面から内部にわたるものであって処理対象物表面に露出(露見)している。さらにこの例の処理対象物11の内部では、図2の符号a〜bで示すように、処理空間12が二つに分かれて存在する。
図1〜図2において、処理対象物11の処理空間12内に未硬化の硬化性材料21を供給してこれを硬化させるときの第1ステップでは、処理空間12に通じるようにして処理対象物11に連絡通路13を形成する。具体的には電動ドリルのような削孔機を介して、処理対象物11の表面からその内部に向けて連絡通路13を傾斜状に形成する。こうすることで連絡通路13は、これが一つであっても二つの処理空間12と交差してこれらに通じるようになる。つぎの第2ステップでは処理対象物11の表面において、処理空間12の露出部を囲うようにして、その部分をシール材14で覆う。具体的には、内面に粘着層ないし接着層を有するフィルム状あるいはシート状のシール材14を処理対象物表面の該当部に貼り付けて処理空間12の露出部を覆う。これによって、処理対象物11の処理空間12や連絡通路13は処理対象物11外との気密状態を保持するようになる。さらに第3ステップでは、処理対象物11の表面において、図2のa側で示す処理空間12の端部に供給系31のパイプ33を接続する。具体的には、シール材14の一部を穿孔または切除して処理空間12の端部を露出させた後、パイプ33の先端にある接続具34を処理空間12の端部にあてがい、これを接着剤および/または止具で処理対象物表面に取り付ける。かくて硬化性材料21入りの容器32を備えた供給系31と処理空間12との接続が完了する。この接続後は、また、処理空間12や連絡通路13は処理対象物11外との気密状態を再度保持するようになる。つぎの第4ステップでは、処理対象物11の表面において、連絡通路13の端部に吸引系41のホース51を接続する。具体的には、シール材14の一部を穿孔して連絡通路13の端部を露出させた後、ホース51の先端にある接続具50を連絡通路13の端部にあてがい、これを接着剤および/または止具で処理対象物表面に取り付ける。かくて吸引手段を備えた吸引系41と連絡通路13との接続が完了する。この接続後も、また、処理空間12や連絡通路13は処理対象物11外との気密状態を再度保持するようになる。
図1〜図2の実施形態で硬化性材料21を処理対象物11の処理空間12内に供給かつ充填するための準備は、上述した第1ステップ〜第4ステップを終えたときに完了する。この後の第5ステップでは、吸引系41の吸引機械42を運転状態にして所定の吸引力を発生させ、それによって供給系31の容器32内にある硬化性材料21を処理空間12内に吸引充填する。その詳細はつぎのとおりである。すなわち吸引系41の吸引機械42を介して吸引力を発生させたときは、処理空間12→連絡通路13→ホース51→中継タンク48→ホース49→吸引タンク45で示す方向の流動性が生じるため、処理空間12内や連絡通路13内の空気が吸引されて吸引タンク45まで至るようになる。このような流動性が生じて処理空間12内や連絡通路13内が減圧されると、それらの内部にある塵埃その他の夾雑物がその内部空気と共に中継タンク48側へ吸引排除(清掃除去)されるので、処理空間12の内部や連絡通路13の内部は、硬化性材料21の充填前にクリーン状態になる。この清掃後も引き続き生じる吸引作用によって、容器32内の硬化性材料21は、この系のバルブなどが開放されるため、供給系31の処理空間12内や連絡通路13内など、相互に連通したすべての空間内に行きわたるようになる。すなわち容器32内の硬化性材料21は、図2a側の処理空間12内に流入してから連絡通路13の一部を通じて図2b側の処理空間12内に流入し、さらに、連絡通路13の残部にも行きわたるというように、処理空間12や連絡通路13の内部空気と置換されてこれら全体を余すところなく充填するようになる。
図1〜図2の実施形態で、処理空間12内や連絡通路13内など処理対象物11内の各空間が硬化性材料21で上記のように満たされたとき、これ以降において吸引される硬化性材料21はホース51内に流入したり、または、中継タンク48内にまで流れ込んだりする。したがって、この時点で吸引系41の吸引機械42を停止させる。ちなみにホース51が透明であるとき、このホース51内への硬化性材料流入を作業員の視認して吸引機械42を停止させる。さらにホース51内および/または中継タンク48内にフローセンサが設けられているとき、このセンサによる硬化性材料21の流入検知で吸引機械42を自動停止させる。通常は後者の場合が多い。
図1〜図2の実施形態で、処理対象物11の処理空間12について上記のように硬化性材料21の充填処理を完了したときは、供給系31や吸引系41を処理対象物11から取り外せばよい。硬化性材料21の硬化後は必要に応じて事後処理を行う。たとえば処理対象物11を表面仕上げして接続具34・50の跡形を消すなどの事後処理を行う。シール材14については、処理対象物11の表面に残置するか、そこから取り除くかのいずれかである。ちなみにシール材14は、これを表面保護層として残置する場合などを除き、処理対象物11の表面から取り除いたりする。シール材14を取り除いた場合の跡も、上記の同様に表面仕上げすることがある。
上記において、使用した硬化性材料21が常温(20℃)で硬化するタイプのエポキシ樹脂系二液型接着剤であるときは、使用量0.12kg/mのものが4〜24時間の養生で硬化する。硬化性材料21が熱硬化性であるときは、処理対象物11の表面に電熱式などの面状ヒータをあてがうとか、温風や熱風を吹き付けるとかして、熱硬化を促進すればよい。
図1〜図2の実施形態において、処理対象物11の処理空間12内に硬化性材料21を供給するとき、これを複数回行うことがある。その一例はシール忘れの箇所・シール困難な箇所・検出できない亀裂箇所などが処理対象物11にあって処理空間12の一部がシールのない部位で外部と通じ、そこから硬化性材料21が漏れ出るような場合である。このような場合は、処理空間12に対する1回目の硬化性材料21の供給を終えた後、これが50%以上ゲル化するのを待って、あるいは、完全に硬化するのを待って2回目以降の当該供給を行う。
図1〜図2の実施形態では清掃ステップを介在させることもある。すなわちこれは、連絡通路13を形成する第1ステップ(通路形成ステップ)と、処理対象物11の処理空間12をシール材14で覆う第2ステップ(シールステップ)との間に清掃ステップを介在させて実施するというものである。清掃ステップで用いられる流体流動手段には、体噴射式のものと流体吸引式のものとがある。流体噴射式や流体吸引式の流体流動手段は、そのいずれか一方だけを採用してもよいし、両方を採用してもよい。
流体噴射式の流体流動手段については、たとえば、吸引系41を既述の内容にしたがい加圧系に切り替えて使用する。この場合は、切り替えによる加圧系のホース先端を連絡通路13の端部(処理対象物11の表面側にある端部)に差し込むなり接続するなりして連絡通路13の内部や処理空間12の内部に空気などの流体を吹き込むようにする。吹き込まれた流体は連絡通路13内や処理空間12内の夾雑物をともないながら連絡通路13の露出部(処理対象物11の表面側にある裂け目)より噴出するから、それによって上記の夾雑物が処理対象物11外に排除される。このときは、また、どの箇所の処理空間12から吹き込み流体や夾雑物が出てくるかも観察したりする。すなわち、複数の処理空間12が互いに通じているか否か、他と通じていない処理空間12はどれか、などをチェックする。このチェックで他と通じていない処理空間12のあることが判明したときは、連絡通路13を追加形成したりして事後処理(処理空間12内への硬化性材料21の充填処理)を確実なものにする。吸引噴射式の流体流動手段については、たとえば、吸引系41をそのまま使用することができる。このときは前記と同様、処理対象物11の表面において連絡通路13の端部に吸引系41のホース51を接続し、それから所定の吸引を行う。この吸引によるときは、連絡通路13内や処理空間12内の夾雑物が前記と同様にして処理対象物11外に排除される。もちろん清掃ステップについては、流体噴射式流体流動手段による清掃と吸引噴射式流体流動手段による清掃とを交互に実施してもよいものである。
第1ステップ(通路形成ステップ)のつぎに清掃ステップを実施したり、または、清掃ステップと通路追加形成ステップとを実施したりするときは、その分だけ、前記シールステップ以降の各ステップ順位が繰り下がる。
上記流体噴射式の流体流動手段としては、気体噴射式・液体噴射式・噴霧式のいずれでもよい。また、この流体流動手段のいずれにおいても、前処理剤・下地剤・硬化促進剤・防黴剤・防腐剤・殺菌剤・殺虫剤・酸化防止剤・洗浄剤・その他、任意の薬剤や処理剤を含むものであってよい。
本発明に係る硬化性材料の硬化工法について、つぎに図3〜図4に例示された実施形態を説明する。
図3〜図4の実施形態において、処理対象物11・硬化性材料21・吸引系41などは図1〜図2の実施形態で述べたものと同じである。しかし硬化性材料21の供給手段としては、前例と異なる供給系(加圧供給系)61が用いられるので以下これを説明する。
図3〜図4に例示された供給系61は、テーブル型のサポート台62・中空のガイドコラム66・上下伸縮式の容器69・ホース72・ウエイト74・ロック用のセットプレート75などを構成要素とするものである。これらのうちでサポート台62は、中央に開口部63のある台板64と、台板64の下面外周部(下面四隅部)から下向きに突出した四本の脚65とからなる。中空のガイドコラム66は、上下方向に間隔をおいて配置された複数個のリング67と、これらリング67に内接して放射状に配置された複数本のパイプ材68とが相互に固定されて中空状に組み立てられたものである。このガイドコラム66は、サポート台62の台板64上において開口部63との同心関係を保持してに立て込まれ、当該台板64上に組み付けられる。すなわちガイドコラム66は、各パイプ材68が開口部63の縁に沿って立ち上がるという場合に、台板64の下面側からこれを貫通して各パイプ材68の下端部内にねじ込んだ止ネジ(図示せず)により固定され、または、各パイプ材68を台板64に接着または溶接することで固定されるものである。上下伸縮式の容器69は一端側が閉鎖された蛇腹状の胴部70と当該胴部70の他端側に設けられた硬化性材料出入用の口部71とを有していて、蛇腹状の胴部70がその軸線方向に伸縮するものである。容器69の胴部外径は、開口部63の口径やガイドコラム66の内径をわずかに下回るものである。したがって容器69は、開口部63内を通過させたりガイドコラム66内に内装したりすることができる。ホース72はその基端部にキャップ形状の接続具73を有するほか、その中間部(基端部付近および/または先端部付近)に図示しないコックまたはバルブを有するものである。ホース72は、接続具73の内周面に設けられた雌ネジと口部71の外周面に設けられた雄ネジとをネジ結合することで容器69に連結できるものである。それぞれのウエイト74はガイドコラム66内に装填することのできる外形を有するものである。その一例として図示のウエイト74は短い円柱形をしている。このようなウエイト74の一揃え(1セット)は「重量が同一のもの」および/または「重量が相違したもの」を組み合わたものからなる。セットプレート75はガイドコラム66内に装填された容器69をサポート台62上にロックするためのものである。そための構成としてセットプレート75は、ガイドコラム66のパイプ材68間に差し入れることのできる幅と、サポート台62の台板64の開口部63を上回る長さと、容器69の口部71を導入することできる二股部76とを備えている。
供給系61を構成をするための部品や部材に関する材質は、硬質で強度のあるものや軟質で強靱なものが使い分けられる。サポート台62は金属・硬質合成樹脂・木材のいずれか、または、これらの複合体からなる。ガイドコラム66は金属・硬質合成樹脂のいずれか、または、これらの複合体からなる。容器69の場合は軟質ゴムや軟質合成樹脂など軟質で強靱な材料でつくられる。ホース72は可撓性を有するゴム・合成樹脂・金属などでつくられる。この場合において、ホース72の接続具73を除く部分は軟質であることが望ましく、接続具73は硬質であることが望ましい。ウエイト74は所定の重量さえありさえすれば、金属・合成樹脂・石・コンクリート・これらの複合体のいずれであってもよく、また、液体・粉体・粒体・粘性体などを充填した容器であってもよい。
上述したところの供給系(加圧供給系)61は、図3を参照してつぎのように組み立てられる。容器69については、はじめ、硬化性材料21が充填された容器69の口部71に接続具73を介してホース72を接続する。つぎに、口部71を下側に向けた容器69をサポート台62の台板64下から開口部63内に通してガイドコラム66内に装填し、かつ、台板64上において、口部71(接続具73)の外周部が二股部76内に嵌り込むようにセットプレート75を口部71(接続具73)の外周部介在させる。その後、容器69を自重降下させてセットプレート75を台板64の上面に当接させる。このとき、台板64の開口部63を通過することのできないセットプレート75が容器下面と台板上面との間に挟まれてその台板64上に保持されるので、このセットプレート75を口部71の外周に付された容器69も、当該台板64上に保持される。複数のウエイト74については、これらがガイドコラム66の上部側からその内部に装填される。かくて容器69は各ウエイト74による重力を受けて加圧されるが、容器出口側のコックまたはバルブが閉止されているので、容器69内の硬化性材料21は流出しない。
本発明に係る硬化性材料の硬化工法で図3〜図4に例示されたものは、前述した吸引系41と上述した供給系(加圧供給系)61とを介して実施されるものである。その場合のステップはつぎのとおりである。
図3〜図4において、はじめの第1ステップは前例と同様、処理空間12に通じるようにして処理対象物11に連絡通路13を形成する。つぎの第2ステップも前例と同様、処理対象物11の表面において処理空間12の露出部を囲うようにその部分をシール材14で覆う。さらに第3ステップのときは、処理対象物11の表面側に供給系61を配置し、かつ、図3のa側で示す処理空間12の端部に供給系61のパイプ72を接続する。具体的には、シール材14の一部を穿孔または切除して処理空間12の端部を露出させた後、パイプ72の先端を直接または該パイプ先端の接続具を処理空間12の端部にあてがい、これを接着剤および/または止具で処理対象物表面に取り付ける。こうすることにより、硬化性材料21入りの容器69を備えた供給系61と処理空間12との接続が完了する。つぎの第4ステップも前例と同様、処理対象物11の表面において、連絡通路13の端部に吸引系41のホース51を接続する。
図3〜図4の実施形態で硬化性材料21を処理対象物11の処理空間12内に供給かつ充填するための準備は、上述した第1ステップ〜第4ステップを終えたときに完了する。この後の第5ステップでは、吸引系41の吸引機械42を運転状態にして所定の吸引力を発生させ、これと同時に供給系61の稼動を開始するか、または、吸引機械42の運転開始後、数分ないし数十分の時間差をおいてから吸引系41の稼動を開始する。吸引系41について吸引機械42の吸引力を発生させたきは、前記と同様、処理空間12→連絡通路13→ホース51→中継タンク48→ホース49→吸引タンク45で示す方向の流動性が生じて処理空間12内や連絡通路13内が減圧状態になり、かつ、既述の清掃作用が生じるので、このケースでも処理空間12内や連絡通路13内はクリーン状態になる。この供給系(加圧供給系)61の稼動については、各ウエイト74を介して重力加圧状態にある容器69がホース72のコック(バルブ)開放にともなって収縮変形することや、これによって硬化材料21を容器69外へ押し出すことによりスタートする。処理対象物11に接続された吸引系41や供給系61にこのような吸引作用や加圧作用が生じるとき、容器69内の硬化性材料21は、空間吸引作用と容器加圧による材料押出作用(硬化材料21の加圧注入作用)とによって、前例よりも速い速度で処理空間12内や連絡通路13内などの各空間内に行きわたるようになる。すなわち容器69内の硬化性材料21は、図3a側の処理空間12内に流入してから連絡通路13の一部を通じて図3b側の処理空間12内に流入し、さらには連絡通路13の残部にも行きわたるというように、処理空間12や連絡通路13の内部空気と置換されてこれら全体を余すところなく高速充填するようになる。
図3〜図4の実施形態で、処理空間12内や連絡通路13内など処理対象物11内の各空間が硬化性材料21で上記のように満たされたとき、これ以降において吸引される硬化性材料21は、前例と同様、ホース51内または中継タンク48内にまで流れ込んだりする。この時点で吸引系41・供給系(加圧供給系)61などの運転や稼動を止める。
図3〜図4の実施形態で、処理対象物11の処理空間12について上記のように硬化性材料21の充填処理を完了したときは、吸引系41や供給系61を処理対象物11から取り外せばよい。硬化性材料21の硬化後に行う事後処理は、図1〜図2の前例と同じでよい。シール材14の残置や撤去も図1〜図2の前例と同じでよく、シール材14を取り除いた場合の跡処理も前例と同じでよい。図3〜図4の実施形態で説明を省略した事項は、図1〜図2の前例と実質的に同じかそれに準ずるものである。したがって図3〜図4の実施形態の詳細は、図1〜図2の実施形態に関する説明を参照することで省略する。
図3〜図4の実施形態でも、第1ステップ(通路形成ステップ)のつぎに、清掃ステップ、または、清掃ステップと通路追加形成ステップとを実施することがある。これら清掃ステップ・通路追加形成ステップは前例と同じ内容であるから、それを参照することで当ギア両ステップの説明を省略する。図3〜図4の実施形態において、第1ステップ(通路形成ステップ)のつぎに清掃ステップを実施したり、または、清掃ステップと通路追加形成ステップとを実施したりするときも、その分だけ、前記シールステップ以降の各ステップ順位が繰り下がる。
本発明に係る硬化性材料の硬化工法について、図5に例示された実施形態を以下に説明する。
図5の実施形態での処理対象物11・硬化性材料21・吸引系41・供給系61などは図3〜図4の実施形態で述べたものと同じである。図5の実施形態で図3〜図4の前例と異なるところは、処理対象物11の処理空間12が前例よりも高所にあり、これに対応して連絡通路13も高い位置に形成されていることである。それで図5の実施形態では、処理対象物11の表面側において、クレーン・ウインチ・チェーンブロック・レバーブロック・チルホールなど周知の揚重機械81を用いて供給系61を所定の高さに吊り支える。ちなみに図5では、揚重機械81の固縛手段(例:吊り下げ用ワイヤやフックなど)82のみが示されている。なお、図5の実施形態で吸引系41の配置は前例と同じでよく、たとえば吸引タンク45や中継タンク48はホース49・50を長くして地上に設置すればよい。
図5の実施形態も、図3〜図4の前例と同様、処理対象物11の処理空間12に供給系61のパイプ72を接続するとともに処理対象物11の連絡通路13に吸引系41のホース51を接続するものである。これ以外の作業やこれ以降の作業も、前例と同様または前例に準じて実施するものである。さらに図5の実施形態において、第1ステップ(通路形成ステップ)のつぎに、清掃ステップ、または、清掃ステップと通路追加形成ステップとを採用したりすることも前例と同様である。したがって図5の実施形態の詳細は、図3〜図4の実施形態に関する説明を参照することで省略する。
図6は本発明に係る硬化性材料の硬化工法について、上記以外の実施形態を略示している。これらの実施形態は概略つぎのようなものである。図6(a)の実施形態では、複数の処理空間12を有する処理対象物11において、各処理空間12の端部に一つあて供給系31または供給系61を接続するようにしている。図6(b)の実施形態では、複数の処理空間12を有する処理対象物11に対し、それぞれの処理空間12と交差する複数の連絡通路13を形成した後、各処理空間12の端部に供給系31または供給系61をそれぞれ接続したり、連絡通路13の端部に吸引系41をそれぞれ接続したりするようにしている。図6(c)の実施形態では、処理対象物11における一つの処理空間12に対して複数の連絡通路13を形成し、それぞれの連絡通路13の端部に吸引系41を接続するようにしている。図6(d)の実施形態では、処理対象物11に対して複数の処理空間12と交差するように連絡通路13を形成するが、この場合に処理空間12の少なくとも一つを連絡通路に利用してこれに吸引系41を接続し、かつ、連絡通路13を硬化性材料供給用の材料供給通路に転用してこれに供給系31または供給系61を接続するようにしている。図6の各実施態様で説明を省略した事項は、清掃ステップや通路追加形成ステップを採用するケースをも含め、図1〜図5の前例と実質的に同じかそれに準ずるものである。したがって図6の各実施形態の詳細は、図1〜図5の実施形態に関する説明を参照することで省略する。
本発明に係る硬化性材料の硬化工法について、図7〜図8に例示された実施形態を以下に説明する。
図7〜図8の処理対象物11において、処理空間12は、部分的な形状が直状・曲状・蛇行状・傾斜状のいずれかに該当し、全体的な形状が分岐状・交差状・放射状・並列状・階層状のいずれか一つ以上に該当するものである。このような処理空間12のみられる処理対象物11としては、白蟻による営巣被害を受けた木材・立ち木・建築物・土地などがある。その一例として木造構造物をあげることができる。
図7〜図8の実施形態における各ステップはつぎのとおりである。第1ステップで処理対象物11には、処理空間12と通じるように連絡通路13を形成する。具体的には鋸引き機(例:回転丸鋸刃を備えた電動ノコギリ)で、処理対象物11の表面からその内部に向けてスリット状の連絡通路13を形成する。連絡通路13の寸法は、たとえば〔連絡通路13の幅=2〜50mm〕、〔連絡通路13の長さ<処理対象物11の長さ〕、〔連絡通路13の深さ<処理対象物11の厚さ〕となるように設定する。ただし連絡通路13を図7(平面図)の対角線方向や図8(断面図)の対角線方向など斜め方向に連絡通路13を切り込み形成するときは、連絡通路13の長さや深さが処理対象物11の長さや厚さと同等以上になることもある。こうして形成される連絡通路13は、処理空間12が複雑な形状構造であってもこれと通じるものである。第2ステップでは、流体噴射式および/または流体吸引式の流体流動手段を用いて処理空間12の内部や連絡通路13の内部を清掃する。この場合に用いられる流体流動手段としては、既述の吸引系41(吸引系41を逆サイクルで使用する加圧系も含む)のほか、公知ないし周知の空気噴射機・液体噴射機・薬液噴霧機などをあげることができる。第2ステップにおいて、ホース84の先端に噴射ノズル85を有する噴射式の流動性発生機83を流体流動手段として用いるときは、処理対象物11の表面側において噴射ノズル85を連絡通路13の一端部にあてがうとともに噴射ノズル85を連絡通路13の他端部側に向けて移動させたり復帰させたりして高速流体を連絡通路13内に吹き込む。この吹き込み流体は、連絡通路13内から処理空間12内に回流した後、処理空間12内から連絡通路13内に逆流するとともに流体噴射箇所以外のところから処理対象物11外に吹き出る。このときの吹き出し流体中には、処理空間12内や連絡通路13内の夾雑物が混在しており、それが吹き出し流体により搬送されて処理対象物11外に噴出排除される。処理空間12の一部が処理対象物11の表面にまで達しているときなどは、そこからも夾雑物が処理対象物11外に噴出排除される。処理空間12内や連絡通路13内はこのような流動性によって清掃される。ちなみに流動性発生機83からの噴射流体が前処理剤や薬剤などであったりそれらを含むものであったりするときは、処理空間12に対する薬剤処理ステップなどが清掃ステップと同期して進行し完了する。このときには、また、処理対象物11の表面から流体が噴出するか否かを観察したり、流体の噴出箇所がどこであるか突き止めたりして処理空間12の状況をチェックすることがある。その結果いかんで連絡通路13を追加形成することもある。第2ステップにおいて、噴射式のものに代えて吸引式の流体流動手段を用いるとき、たとえば前述の吸引系41などを用いるときは、ホース49または51の先端を処理対象物11の表面側において連絡通路13の一端部にあてがい、かつ、そのホース先端を連絡通路13の他端部側に向けて移動させたり復帰させたりして処理空間12内や連絡通路13内を吸引する。この吸引によって処理空間12内や連絡通路13内の夾雑物が処理対象物11外に吸引排出される。第2ステップのとき、噴射式流体流動手段と吸引式流体流動手段とを交互に実施して清掃などを行ってもよい。第3ステップでは、前例に準じ、処理対象物11の表面において、少なくとも処理空間12の露出部や連絡通路13の露出部を囲うようにしてそれらの部分をシール材14で覆う。第4ステップでは、図7で明らかなように、連絡通路13の一端部に供給系31のパイプ33(または供給系61のパイプ72)を接続するとともに連絡通路13の他端部に吸引系41のホース51を接続する。具体的には、シール材14を部分的に穿孔または切除して連絡通路13の両端部を露出させたのち、前例と同様にして所定のパイプ端部や所定のホース端部を気密に接続する。
図7〜図8の実施形態で硬化性材料21を処理対象物11の処理空間12内に供給かつ充填するための準備は、上記の各ステップを終えたときに完了する。この後の第5ステップは、供給系が常圧供給系31であるか、加圧供給系61であるかによって、実施内容が異なる。常圧供給系31と吸引系41との組み合わせでは、吸引系41の吸引機械42を稼動させて所定の吸引力を発生させ、それによって常圧供給系31の容器32内にある硬化性材料21を処理空間12内に吸引充填する。その詳細は前例と同じでである。すなわち処理空間12や連絡通路13は、これらの内部が再度吸引清掃されるとともに硬化材料21で満たされるようになる。吸引系41と加圧供給系61との組み合わせでは、吸引系41の吸引機械42を稼動させて所定の吸引力を発生させるとともに、これと同時か数分ないし数十分の時間差をおいて吸引系41の稼動させ、これによって加圧供給系61の容器69内にある硬化性材料21を処理空間12内に吸引充填する。その詳細も前例と同じである。すなわち処理空間12や連絡通路13は、これらの内部が再度吸引清掃されるとともに硬化材料21で満たされるようになる。
図7〜図8の実施形態でも、処理空間12内や連絡通路13内など処理対象物11内の各空間が硬化性材料21で上記のように満たされたときは、これ以降において吸引される硬化性材料21が前例と同様にホース51内または中継タンク48内にまで流れ込んだりする。この時点で吸引系41・供給系(加圧供給系)61などの運転や稼動を止めるようにする。
図7〜図8の実施形態において処理対象物11にスリット状の連絡通路13を形成する面は、処理対象物11の平面・底面・正面・背面・右側面・左側面のいずれであってもよし、そのうちの複数面に形成してもよいものである。これらの場合の処理対象物11の表面が傾斜していることもある。スリット状の連絡通路13の形状としては、直状・曲状・蛇行状・傾斜状・分岐状・交差状・放射状・並列状・階層状のいずれでもよく、これらのうちの二つ以上の形状を含むものであってもよい。このようなスリット状連絡通路13でも前例と同じく処理空間12内や連絡通路13内を清掃することができる。また、このようなスリット状連絡通路13対して供給系31・61や吸引系41を接続するときも、前例と同様に気密性が保持される。
図7〜図8の実施形態の場合、図1〜図6を参照して説明した全ての事項が技術的互換性の範囲内で実施することができる。
これまで説明した以外の例として、本発明工法では、処理空間12に通じる硬化材料供給用の通路を処理対象物11の表面側からその内部に向けて形成し、その硬化材料供給用通路の端部に供給系31または61を接続することもある。この場合も吸引系41と供給系31または61とを主体にし、前記と同様に硬化性材料21を処理対象物11の処理空間12内に供給充填する。この硬化材料供給用の通路を処理対象物11に形成する実施形態においては、処理空間12の端部にも供給系31または61を接続する場合と、硬化材料供給用通路のみに供給系31または61を接続する場合とがある。
本発明に係る硬化性材料の硬化工法は、処理対象物11の種類・処理空間12の状況などに応じた各種の実施態様がある。その場合の硬化性材料21も既述の種類のうちから適当なものが選定され、吸引系41や、供給系31または61も、硬化性材料21に応じたものが選択される。これらは既述の開示内容を参照したりすることで当業者が容易に実施できるものである。
本発明工法は、作業の完全性・作業の制御性・作業の高速性・作業の安定性・十分な処理強度・高度の処理品質などを満足させることができるものであるから、産業上の利用可能性がたかい。
本発明工法の第一実施形態を略示した斜視図である。 本発明工法の第一実施形態を略示した断面図である。 本発明工法の第二実施形態を略示した断面図である。 本発明工法の第二実施形態における供給系を略示した斜視図である。 本発明工法の第三実施形態を略示した断面図である。 本発明工法の第四実施形態〜第七実施形態を略示した断面図である。 本発明工法の第八実施形態を略示した切り欠き平面図である。 本発明工法の第八実施形態を略示した断面図である。
符号の説明
11 処理対象物
12 処理空間
13 連絡通路
14 シール材
21 硬化性材料
31 供給系
32 容器
33 パイプ
34 接続具
41 吸引系
42 吸引機械
43 吸引口
44 排出口
45 吸引タンク
46 吸引口
47 排出口
48 中継タンク
49 ホース
50 接続具
51 ホース
61 供給系
62 サポート台
63 開口部
64 台板
65 脚
66 ガイドコラム
67 リング
68 パイプ材
69 容器
70 胴部
71 口部
72 ホース
73 接続具
74 ウエイト
75 セットプレート
76 二股部
81 揚重機械
82 固縛手段
83 流動性発生機
84 ホース
85 噴射ノズル

Claims (12)

  1. 処理対象物の処理空間内に未硬化の硬化性材料を供給してこれを硬化させるための工法であること、および、処理空間を気密に保持するための処理を処理対象物に施すこと、および、処理対象物の表面側において硬化性材料の供給系と硬化性材料の吸引系とを処理空間にそれぞれ接続すること、および、吸引系を介した吸引により供給系の硬化性材料を処理対象物の処理空間内に進入させてこれを硬化させることを特徴とする硬化性材料の硬化工法。
  2. 処理対象物の処理空間内に未硬化の硬化性材料を供給してこれを硬化させるための工法であること、および、処理空間に通じる連絡通路を処理対象物の表面側から処理対象物の内部に向けて形成すること、および、処理空間を気密に保持するための処理を処理対象物に施すこと、および、処理対象物の表面側において硬化性材料の供給系を処理空間に接続するとともに硬化性材料の吸引系を連絡通路に接続すること、および、吸引系を介した吸引により供給系の硬化性材料を処理対象物の処理空間内に進入させてこれを硬化させることを特徴とする硬化性材料の硬化工法。
  3. 処理対象物の処理空間内に未硬化の硬化性材料を供給してこれを硬化させるための工法であること、および、処理空間に通じる連絡通路を処理対象物の表面側から処理対象物の内部に向けて形成すること、および、連絡通路や処理空間の各内部から処理対象物の外部へと向かう流体の流動性を流体流動手段により発生させてこれら連絡通路内部や処理空間内部を清掃すること、および、処理空間を気密に保持するための処理を処理対象物に施すこと、および、処理対象物の表面側において硬化性材料の供給系を処理空間に接続するとともに硬化性材料の吸引系を連絡通路に接続すること、および、吸引系を介した吸引により供給系の硬化性材料を処理対象物の処理空間内に進入させてこれを硬化させることを特徴とする硬化性材料の硬化工法。
  4. 硬化性材料の供給系が常圧供給系および/または加圧供給系からなる請求項1ないし3のいずれかに記載された硬化性材料の硬化工法。
  5. 一つ以上の処理空間に通じる単一の連絡通路を処理対象物の表面側から処理対象物の内部に向けて形成する請求項2ないし4のいずれかに記載された硬化性材料の硬化工法。
  6. 一つ以上の処理空間に通じる複数の連絡通路を処理対象物の表面側から処理対象物の内部に向けて形成する請求項2または4のいずれかに記載された硬化性材料の硬化工法。
  7. 連絡通路が孔および/または溝からなる請求項2ないし6のいずれかに記載された硬化性材料の硬化工法。
  8. 連絡通路が直状・曲状・蛇行状・傾斜状・分岐状・交差状・放射状・並列状・階層状のうちのいずれか一つ以上の形状を含むものである請求項2ないし7のいずれかに記載された硬化性材料の硬化工法。
  9. 吸引系を接続された連絡通路の吸引端部が処理空間よりも高位置にある請求項2ないし8のいずれかに記載された硬化性材料の硬化工法。
  10. 処理対象物における亀裂・割れ目・裂け目・ひび割れ・隙間・長孔のうちのいずれか一つ以上を処理空間として選択し、その処理空間内に未硬化の硬化性材料を供給してこれを硬化させる請求項1ないし9のいずれかに記載された硬化性材料の硬化工法。
  11. 処理対象物の一部または処理対象物全体をシール材で覆うことにより処理空間を気密状態に保持する請求項1ないし10のいずれかに記載された硬化性材料の硬化工法。
  12. 硬化性材料がエポキシ樹脂系二液型接着剤からなり、当該接着剤の主剤と硬化剤とを混合状態にしてこれを処理対象物の処理空間内に供給する請求項1ないし11のいずれかに記載された硬化性材料の硬化工法。
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