JP2018080556A - コンクリート構造物の補修方法 - Google Patents

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幸彦 大井川
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Abstract

【課題】 コンクリート構造物の表面に発生したひび割れの補修を容易に行うことができるようにしたコンクリート構造物の補修方法を得る。
【解決手段】 コンクリート構造物1の表面に発生したひび割れ2に沿ってコンクリート構造物1の表面に補修用溝3を形成し、補修用溝3の開口部をシール材5で塞いで補修用溝3内に、補修用溝3の長さ方向にひび割れ2に連通する密閉空間6を形成し、補修用溝3の開口部を塞いでいるシール材5の適所に注入孔12を穿ち、注入孔12から浸透型補修剤13を注入して密閉空間内6を流動させ、浸透型補修剤13を密閉空間6に連通しているひび割れ2に送り込み充填する。
【選択図】 図13

Description

本発明は、建築物、橋梁、トンネル、管渠などのコンクリート構造物の表面に発生したひび割れを補修するコンクリート構造物の補修方法に関する。
経年による劣化、地盤変状、地震被害、荷重による疲労などの原因によりコンクリート構造物の表面に発生したひび割れを補修する方法として、ひび割れ面をシート等で覆い、注入器によりシート等で覆われているひび割れに硬化性樹脂組成物からなる充填剤を注入し充填する補修方法が多用されている。
このようなコンクリート構造物の補修方法として、例えば、コンクリート構造物のひび割れに沿って、板状シール部と、該板状シール部に所定間隔を有して一体化した注入パイプと、前記板状シール部に所定間隔を有して形成したジャバラ部とを備えたひび割れ補修用シール注入器具を用意し、板状シール部をコンクリート構造物のひび割れ部位にひび割れに沿って接着固定し、前記注入パイプから充填剤を注入し、充填剤が硬化した後、ひび割れ補修用シール注入器具をコンクリート構造物から剥離するようにしたコンクリート構造物の補修方法が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2015−110862号公報
しかしながら、特許文献1に記載されたコンクリート構造物の補修方法では、コンクリート構造物のひび割れに沿って板状シール部を接着固定するためその作業に手間がかかり、また、ひび割れへの充填剤の注入にあっては、1つの注入箇所からひび割れへ充填剤を注入できる長さは短く、そのため板状シール部に有する注入パイプの間隔が短くならざるを得ず、注入パイプに取り付ける注入器の数も多くなるとともに、注入作業に手間がかかるといった問題がある。
本発明の目的は、コンクリート構造物の表面に発生したひび割れの補修を容易に行うことができるようにしたコンクリート構造物の補修方法を提供することにある。
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、コンクリート構造物の表面に発生したひび割れに沿ってコンクリート構造物の表面に補修用溝を形成し、前記補修用溝の開口部をシール材で塞いで前記補修用溝内に、前記補修用溝の長さ方向に前記ひび割れに連通する密閉空間を形成し、前記補修用溝の開口部を塞いでいるシール材の適所に注入孔を穿ち、該注入孔から浸透型補修剤を注入して密閉空間内を流動させ、浸透型補修剤を前記密閉空間に連通しているひび割れに送り込み充填することを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の、前記補修用溝内には、前記補修用溝内に前記密閉空間を確保する棒状物を配置したことを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の、前記補修用溝内に配置した前記棒状物は、外周面長さ方向に前記補修用溝内壁とに間に前記密閉空間となる隙間を形成する凸状部を有していることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項2に記載の、前記補修用溝内に配置した前記棒状物は筒状体からなり、内部を前記密閉空間とし、筒壁には前記ひび割れに連通する穴部が形成されていることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の、前記シール材は高粘度硬化性樹脂組成物であることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の、前記シール材はセメント系モルタルであることを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、コンクリート構造物の表面に発生したひび割れに沿ってコンクリート構造物の表面に補修用溝を形成する工程と、前記補修用溝の開口部をシール材で塞いで前記補修用溝内に、前記補修用溝の長さ方向に前記ひび割れに連通する密閉空間を形成する工程と、前記補修用溝の開口部を塞いでいるシール材の適所に注入孔を穿ち、該注入孔から浸透型補修剤を注入して密閉空間内を流動させ、浸透型補修剤を前記密閉空間に連通しているひび割れに送り込み充填する工程と、コンクリート構造物の表面に形成した補修溝と交叉するように補強用溝を形成する工程と、前記補強用溝内に補強筋材を配置し、前記補強用溝の開口部をシール材で塞ぐ工程と、前記補強用溝を塞いでいるシール材の適所に注入孔を穿ち、該注入孔から浸透型充填剤を注入して浸透型充填剤を前記補強用溝と前記補強筋材との間に充填する工程を含むことを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の、前記補修用溝内には、前記補修用溝内に前記密閉空間を確保する棒状物を配置したことを特徴とする。
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の、前記補修用溝内に配置した前記棒状物は、外周面長さ方向に前記補修用溝内壁とに間に前記密閉空間となる隙間を形成する凸部を有していることを特徴とする。
請求項10に記載の発明は、請求項8に記載の、前記補修用溝内に配置した前記棒状物は筒状体からなり、内部を前記密閉空間とし、筒壁には前記ひび割れに連通する穴部が形成されていることを特徴とする。
請求項11に記載の発明は、請求項7乃至10のいずれか1項に記載の、前記シール材は高粘度硬化性樹脂組成物であることを特徴とする。
請求項12に記載の発明は、請求項7乃至10のいずれか1項に記載の、前記シール材はセメント系モルタルであることを特徴とする。
請求項1に記載のコンクリート構造物の補修方法によれば、コンクリート構造物の表面に発生したひび割れに沿ってコンクリート構造物の表面に形成した補修用溝の開口部をシール材で塞いで前記補修用溝内に、前記補修用溝の長さ方向に前記ひび割れに連通する密閉空間を形成し、前記補修用溝の開口部を塞いでいるシール材の適所に注入孔を穿ち、該注入孔から浸透型補修剤を前記密閉空間内に注入することにより、注入した前記浸透型補修剤は前記密閉空間内を流動し、ひび割れに沿って送り出されるとともにひび割れ内に送り込まれ充填されることになる。
したがって、特許文献1に記載されたコンクリート構造物の補修方法のように、板状シール部に短い間隔で注入パイプを設ける必要はなく、特許文献1に記載された補修方法に比べ簡単な作業で容易に前記浸透型補修剤をひび割れ内へ注入することができるので、特許文献1に記載されたコンクリート構造物の補修方法に例示される従来のコンクリート構造物の補修方法に比較し、コンクリート構造物の表面に発生したひび割れの補修を簡単な作業で容易に行うことができる。
請求項2に記載のコンクリート構造物の補修方法によれば、請求項1に記載の、前記補修用溝内には、前記補修用溝内に前記密閉空間を確保する棒状物を配置したので、前記補修用溝内にひび割れと連通する前記密閉空間を容易に且つ確実に形成することができ、そして、前記密閉空間内に注入した前記浸透型補修剤が硬化することにより前記棒状物は補強筋としての機能を発揮することになり、コンクリート構造物の補強効果を図ることができる。
請求項3に記載のコンクリート構造物の補修方法によれば、請求項2に記載の、前記補修用溝内に配置した前記棒状物は、外周面長さ方向に前記補修用溝の内壁とに間に前記密閉空間となる隙間を形成する凸状部を有しているので、前記シール材で開口部が塞がれた前記補修用溝内に前記密閉空間を容易に且つ確実に形成することができる。
請求項4に記載のコンクリート構造物の補修方法によれば、請求項2に記載の、前記補修用溝内に配置した前記棒状物は筒状体からなり、内部を前記密閉空間とし、筒壁には前記ひび割れに連通する穴部が形成されているので、前記シール材で開口部が塞がれた前記補修用溝内に前記ひび割れに連通する前記密閉空間を容易に且つ確実に形成することができる。また、前記筒状体の内部を前記密閉空間としているので、前記密閉空間を広くすることができることから、浸透型補修剤の流動量を多くすることができ、浸透型補修剤のひび割れ内への充填時間の短縮化を図ることができる。
請求項5に記載のコンクリート構造物の補修方法によれば、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の、前記シール材は高粘度硬化性樹脂組成物であるので、コンクリート構造物の表面に形成した前記補修用溝に前記シール材を充填するといった簡単な作業により前記補修用溝の開口部を塞ぐことができ、前記シール材は高粘度なので前記補修用溝の開口部から垂れ落ちること無く確実に前記補修用溝の開口部を塞ぐことができる。
そして、前記補修用溝の開口部を塞いでいる硬化した前記シール材に設けた注入孔から注入されひび割れに充填された前記浸透型補修剤が硬化した後に、前記シール材をコンクリート構造物から剥離する必要は無く、そのままの状態にしておけるので、コンクリート構造物の表面に発生したひび割れの補修を一層簡単な作業で容易に行うことができる。
請求項6に記載のコンクリート構造物の補修方法によれば、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の、前記シール材はセメント系モルタルであるので、コンクリート構造物の表面に形成した前記補修用溝に前記シール材を充填するといった簡単な作業により前記補修用溝の開口部を塞ぐことができる。
そして、前記補修用溝の開口部を塞いでいる硬化した前記シール材に設けた注入孔から加圧注入されひび割れに充填された前記浸透型補修剤が硬化した後に、前記シール材をコンクリート構造物から剥離する必要は無く、そのままの状態にしておけるので、コンクリート構造物の表面に発生したひび割れの補修を一層簡単な作業で容易に行うことができる。
請求項7に記載のコンクリート構造物の補修方法によれば、コンクリート構造物の表面に発生したひび割れに沿ってコンクリート構造物の表面に形成した補修用溝の開口部をシール材で塞いで前記補修用溝内に、前記補修用溝の長さ方向に前記ひび割れに連通する密閉空間を形成し、前記補修用溝の開口部を塞いでいるシール材の適所に注入孔を穿ち、該注入孔から浸透型補修剤を前記密閉空間内に注入することにより、注入した前記浸透型補修剤は前記密閉空間内を流動し、ひび割れに沿って送り出されるとともにひび割れ内に送り込まれ充填されることになる。
したがって、特許文献1に記載されたコンクリート構造物の補修方法のように、板状シール部に短い間隔で注入パイプを設ける必要はなく、特許文献1に記載された補修方法に比べ簡単な作業で容易に前記浸透型補修剤をひび割れ内へ注入することができるので、特許文献1に記載されたコンクリート構造物の補修方法に例示される従来のコンクリート構造物の補修方法に比較し、コンクリート構造物の表面に発生したひび割れの補修を簡単な作業で容易に行うことができる。
また、コンクリート構造物の表面に、前記ひび割れに交叉するように前記補強用溝を形成し、前記補強用溝内に補強筋材を配置し、前記補強用溝の開口部を前記シール材で塞ぎ、前記シール材の適所に注入孔を穿ち、該注入孔から前記浸透型補修剤を注入することにより、注入した前記浸透型補修剤は前記補強用溝と前記補強筋材との間を流動し、前記浸透型補修剤は前記補強用溝と前記補強筋材との間に充填されることになる。
このようにして前記補強用溝と前記補強筋材との間に充填された前記浸透型補修剤が硬化することにより、前記補強用溝に配置された前記補強筋材が補強筋としての機能を発揮し、前記補強筋となった補強筋材がコンクリート構造物の表面に発生した前記ひび割れの進展(広がり)を抑制することになことから、コンクリート構造物の一層の補強効果を図ることができる。
請求項8に記載のコンクリート構造物の補修方法によれば、請求項7に記載の、前記補修用溝内には、前記補修用溝内に前記密閉空間を確保する棒状物を配置したので、前記補修用溝内にひび割れと連通する前記密閉空間を容易に且つ確実に形成することができ、そして、前記密閉空間内に注入した前記浸透型補修剤が硬化することにより前記棒状物は補強筋としての機能を発揮することになり、コンクリート構造物の補強効果を図ることができる。
請求項9に記載のコンクリート構造物の補修方法によれば、請求項8に記載の、前記補修用溝内に配置した前記棒状物は、外周面長さ方向に前記補修用溝内壁とに間に前記密閉空間となる隙間を形成する凸部を有しているので、前記シール材で開口部が塞がれた前記補修用溝内に前記密閉空間を容易に且つ確実に形成することができる。
請求項10に記載のコンクリート構造物の補修方法によれば、請求項8に記載の、前記補修用溝内に配置した前記棒状物は筒状体からなり、内部を前記密閉空間とし、筒壁には前記ひび割れに連通する穴部が形成されているので、前記シール材で開口部が塞がれた前記補修用溝内に前記ひび割れに連通する前記密閉空間を容易に且つ確実に形成することができる。また、前記筒状体の内部を前記密閉空間としているので、前記密閉空間を広くすることができることから、浸透型補修剤の流動量を多くすることができ、浸透型補修剤のひび割れ内への充填時間の短縮化を図ることができる。
請求項11に記載のコンクリート構造物の補修方法によれば、請求項7乃至10のいずれか1項に記載の、前記シール材は高粘度硬化性樹脂組成物であるので、コンクリート構造物の表面に形成した前記補修用溝及び前記補強用溝に前記シール材を充填するといった簡単な作業により前記補修用溝及び前記補強用溝の開口部を塞ぐことができ、前記シール材は高粘度なので前記補修用溝及び前記補強用溝の開口部から垂れ落ちること無く確実に前記補修用溝及び前記補強用溝の開口部を塞ぐことができる。
そして、前記補修用溝及び前記補強用溝の開口部を塞いでいる硬化した前記シール材に設けた注入孔から加圧注入されひび割れに充填された前記浸透型補修剤が硬化した後に、前記シール材をコンクリート構造物から剥離する必要は無く、そのままの状態にしておけるので、コンクリート構造物の表面に発生したひび割れの補修を一層簡単な作業で容易に行うことができる。
請求項12に記載のコンクリート構造物の補修方法によれば、請求項7乃至10のいずれか1項に記載の、前記シール材はセメント系モルタルであるので、コンクリート構造物の表面に形成した前記補修用溝及び前記補強用溝に前記シール材を充填するといった簡単な作業により前記補修用溝及び前記補強用溝の開口部を塞ぐことができる。
そして、前記補修用溝及び前記補強用溝の開口部を塞いでいる硬化した前記シール材に設けた注入孔から加圧注入されひび割れに充填された前記浸透型補修剤が硬化した後に、前記シール材をコンクリート構造物から剥離する必要は無く、そのままの状態にしておけるので、コンクリート構造物の表面に発生したひび割れの補修を一層簡単な作業で容易に行うことができる。
表面にひび割れが発生したコンクリート構造物の一例を示す斜視図である。 図1に示すコンクリート構造物の補修方法の実施の形態の第1例の工程を示す説明図である。 図2のA−A拡大断面図である。 図2のB−B拡大断面図である。 本発明に係るコンクリート構造物の補修方法の実施の形態の第1例の工程を示す説明図である。 図5のC−C拡大断面図である。 本発明に係るコンクリート構造物の補修方法の実施の形態の第1例の工程を示す説明図である。 図7のD−D拡大断面図である。 図7のE−E拡大断面図である。 図5に示す棒状物の他例を使用した第1例の工程を示す説明図である。 本発明に係るコンクリート構造物の補修方法の実施の形態の第1例の工程を示す説明図である。 図11のF−F拡大断面図である。 本発明に係るコンクリート構造物の補修方法の実施の形態の第1例の工程を示す説明図である。 本発明に係るコンクリート構造物の補修方法の実施の形態の第1例の工程を示す説明図である。 図1に示すコンクリート構造物の補修方法の実施の形態の第2例の工程を示す説明図である。 図15のG−G拡大断面図である。 図15のH−H拡大断面図である。 図15のI−I拡大断面図である。 本発明に係るコンクリート構造物の補修方法の実施の形態の第2例の工程を示す説明図である。 図19のJ−JI拡大一部省略断面図である。 図19のK−K拡大断面図である。 本発明に係るコンクリート構造物の補修方法の実施の形態の第2例の工程を示す説明図である。 図22のL−L拡大断面図である。 図22のM−M拡大断面図である。 図22のN−N拡大断面図である。 本発明に係るコンクリート構造物の補修方法の実施の形態の第2例の工程を示す説明図である。 図26のO−O拡大断面図である。 図26のP−P拡大断面図である。 本発明に係るコンクリート構造物の補修方法の実施の形態の第2例の工程を示す説明図である。 本発明に係るコンクリート構造物の補修方法の実施の形態の第2例の工程を示す説明図である。 本発明に係るコンクリート構造物の補修方法の実施の形態の第2例の工程を示す説明図である。
以下、本発明に係るコンクリート構造物の補修方法を実施するための形態を詳細に説明する。
図1乃至図14は本発明に係るコンクリート構造物の補修方法の第1例を示し、図1は表面にひび割れが発生したコンクリート構造物の一例を示す斜視図、図2は図1に示すコンクリート構造物の補修方法の実施の形態の第1例の工程を示す説明図、図3は図2のA−A拡大断面図、図4は図2のB−B拡大断面図、図5は第1例の工程を示す説明図、図6は図5のC−C拡大断面図、図7は第1例の工程を示す説明図、図8は図7のD−D拡大断面図、図9は図7のE−E拡大断面図、図10は図5に示す棒状物の他例を使用した第1例の工程を示す説明図、図11は第1例の工程を示す説明図、図12は図11のF−F拡大断面図、図13は第1例の工程を示す説明図、図14は第1例の工程を示す説明図である。
本発明に係るコンクリート構造物の補修方法の第1例は、以下の工程で実施される。
先ず、下準備として、図1に示すコンクリート構造物1の表面のひび割れ2の周辺を洗浄して表面に付着している埃などを除去する。
次に、コンクリート構造物1の表面に発生しているひび割れ2に沿ってコンクリート構造物1の表面に補修用溝3を形成する。
ひび割れ2に沿ってコンクリート構造物1の表面に形成される補修用溝3はひび割れ2の長さ方向に向かって、ひび割れ2の多くの部分に重なるように形成されていればよく、ひび割れ2の一部が補修用溝3から外れていてもよい。本例では、補修用溝3はひび割れ2の長さ方向に向かって一直線状に形成されている(図2参照。)。
この工程で、コンクリート構造物1に、その表面からひび割れ2の深部2bに連通する空気抜き孔4を穿つ(図3参照。)。ひび割れ2が長い場合は、空気抜き孔4を複数箇所に穿っても良い。
次に、補修用溝3の開口部をシール材5で塞いで補修用溝3内に密封空間5を形成する。
シール材5にあっては、補修用溝3の開口部を液密的に塞ぐことができるものであれば特に限定されない。シール材5としては、例えば、従来のコンクリート構造物の補修方法で用いられているテープを使用し、テープを補修用溝3の開口部に貼着して塞ぐようにしてもよく、また、高粘度硬化性樹脂組成物やセメント系モルタルをシール材5としてし使用し、補修用溝3に充填して開口部を塞ぐようにしてもよい。
本例では、シール材5として高粘度硬化性樹脂組成物11を使用している。高粘度硬化性樹脂組成物7にあっては、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、シリコン樹脂等が使用される。また、高粘度硬化性樹脂組成物7の粘度は、補修用溝3の開口部から垂れ落ちること無く確実に補修用溝3の開口部を塞ぐことができ程度の粘度であることが好ましい。
本例では、補修用溝3内に密封空間6を確実に形成するものとして、補修用溝3内に密閉空間6を確保する棒状物7を配置し(図5参照)、その上からシール材5で補修用溝3の開口部を塞いでいる(図7、図8、図9参照。)。棒状物7としては、密閉空間6を確保することができるものであれば特に限定されるものではない。本例では、棒状物7は筒状体8からなり、内部を密閉空間6とし、筒壁にはひび割れ2に連通する穴部9が形成されている(図6参照。)。
また、ひび割れ2の一部が補修用溝3から外れている場合は、シール材5で補修用溝3の開口部を塞ぐとともに、補修用溝3から外れているひび割れ2の部分の裂け口2aをシール材5で塞ぐ(図7、図9参照)。
図10は棒状物7の他例を使用した説明図であり、外周面長さ方向に補修用溝3の内壁とに間に密閉空間6となる隙間を形成する凸状部10を有した形状となっている。
次に、補修用溝3の開口部を塞いでいる高粘度硬化性樹脂組成物11からなるシール材5が硬化したら、シール材5の適所に後述する浸透型補修剤を注入する注入孔12を穿つ(図11、図12参照。)。注入孔12は補修用溝3内に形成された密閉空間6に浸透型補修剤を送り込めるようになっている。
注入孔12は、補修用溝3の開口部を塞いでいるシール材5の長さ方向の適所に穿つ。例えば、補修用溝3に沿ったシール材5の長さ方向の中央位置、或いは一端側に設ける。補修用溝3が長い場合は、複数箇所に穿っても良い。
また、上記した工程のいずれかの途中で、コンクリート構造物1に、その表面からひび割れ2の深部2aに連通する空気抜き孔4を穿つ。ひび割れ2が長い場合は、空気抜き孔4を複数箇所に穿っても良い。本例では、前記のように、コンクリート構造物1の表面に補修用溝3を形成する工程で、空気抜き孔4を穿っている。
次に、注入孔12から適宜の注入器を用いて浸透型補修剤13を注入して補修用溝3内に形成された密閉空間6内を流動させ、密閉空間6を介して浸透型補修剤13をひび割れ2に送り込み充填する(図13、図14参照。)。
本例では、補修用溝3内に筒状体8からなる棒状物7が配置されているので、注入孔12から注入した浸透型補修剤13は、筒状体8の筒壁に形成されている穴部9から筒状体8内へ入り、筒状体8内を流動する過程で穴部9から筒状体8外へ流れ出し、ひび割れ2に送り込まれる。
注入孔12からの浸透型補修剤13の注入にあっては、空気抜き孔4にアスピレーター等の減圧装置を接続し、ひび割れ2内を減圧しながら行うことにより、浸透型補修剤13の注入を容易に且つ短時間で行うことができる。
ひび割れ2への浸透型補修剤13の充填にあっては、浸透型補修剤13を注入して補修用溝3内に形成された密閉空間6内を流動させることにより、浸透型補修剤13が補修用溝3の底に開口する裂け口2aからひび割れ2内に入り、ひび割れ2内の空気が空気抜き孔4から押し出されて浸透型補修剤13がひび割れ2内に充填される。
また、ひび割れ2の一部が補修用溝3から外れている場合は、シール材5で塞がれている補修用溝3から外れているひび割れ2の部分にも、浸透型補修剤13が流入したひび割れ2を介して浸透型補修剤13が流入し充填される(図14参照。)。
注入孔12からの浸透型補修剤13の注入は、空気抜き孔4から浸透型補修剤13が流れ出るまで行う。浸透型補修剤13が空気抜き孔4から流れでることにより、浸透型補修剤9がひび割れ2の深部2bまで充填したことを確認できる。
ここで使用される浸透型補修剤13は、例えば、従来のコンクリート構造物の補修方法で用いられているエポキシ樹脂、アクリル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等を主成分とする低粘度硬化性樹脂組成物が使用される。低粘度硬化性樹脂組成物の粘度としては、200〜700mPa・s/20°が好ましい。
このようにして浸透型補修剤13をひび割れ2に充填したら、浸透型補修剤13が硬化するまで養生する。浸透型補修剤13が硬化したら、シール材5がテープの場合はコンクリート構造物1の表面からテープを撤去し、シール材5が高粘度硬化性樹脂組成物11である場合はそのままの状態としてコンクリート構造物1の補修が完了する。
上記の工程よりなる第1例によれば、コンクリート構造物1の表面に発生したひび割れ2に沿ってコンクリート構造物1の表面に形成した補修用溝3の開口部をシール材5で塞いで補修用溝3内に、補修用溝3の長さ方向に前記ひび割れ2に連通する密閉空間6を形成し、補修用溝3の開口部を塞いでいるシール材5の適所に注入孔12を穿ち、注入孔12から浸透型補修剤13を密閉空間6内に注入するので、注入した浸透型補修剤13が密閉空間6内を流動することにより、浸透型補修剤13をひび割れ2に沿って送り出さすことができ、この過程で浸透型補修剤13をひび割れ2内に送り込み充填することができる。
したがって、特許文献1に記載されたコンクリート構造物の補修方法のように、板状シール部に短い間隔で注入パイプを設ける必要はなく、特許文献1に記載された補修方法に比べ簡単な作業で容易に浸透型補修剤13をひび割れ2内へ注入することができる。
本例では、補修用溝3内に密閉空間6を確保する棒状物7を配置したので、補修用溝3内に密閉空間6を容易に且つ確実に形成することができる。
そして、棒状物7は筒状体8からなり、内部を密閉空間6とし、筒壁にはひび割れ2に連通する穴部9が形成されているので、シール材5で開口部が塞がれた補修用溝3内にひび割れ2に連通する密閉空間6を容易に且つ確実に形成することができるとともに、筒状体8の内部を密閉空間6としているので密閉空間6を広くすることができることから、浸透型補修剤13の流動量を多くすることができ、浸透型補修剤13のひび割れ2内への充填時間の短縮化を図ることができる。
そして、密閉空間6内に注入した浸透型補修剤13が硬化することにより棒状物7は補強筋としての機能を発揮する。
また、本例では、シール材5は高粘度硬化性樹脂組成物11からなるので、コンクリート構造物1の表面に形成した補修用溝3にシール材5を充填するといった簡単な作業により補修用溝3の開口部を塞ぐことができ、シール材5は高粘度なので補修用溝3の開口部から垂れ落ちること無く確実に補修用溝3の開口部を塞ぐことができる。
そして、補修用溝3の開口部を塞いでいる硬化したシール材5に設けた注入孔12から注入されひび割れ2に充填された浸透型補修剤13が硬化した後に、シール材5をコンクリート構造物1から剥離する必要は無く、そのままの状態にしておけるので、コンクリート構造物1の表面に発生したひび割れ2の補修を一層簡単な作業で容易に行うことができる。
図15乃至図31は本発明に係るコンクリート構造物の補修方法の第2例を示し、図15は図1に示すコンクリート構造物の補修方法の実施の形態の第2例の工程を示す説明図、図16は図15のG−G拡大断面図、図17は図15のH−H拡大断面図、図18は図15のI−I拡大断面図、図19は第2例の工程を示す説明図、図20は図19のJ−JI拡大一部省略断面図、図21は図19のK−K拡大断面図、図22は第2例の工程を示す説明図、図23は図22のL−L拡大断面図、図24は図22のM−M拡大断面図、図25は図22のN−N拡大断面図、図26は第2例の工程を示す説明図、図27は図26のO−O拡大断面図、図28は図26のP−P拡大断面図、図29は第2例の工程を示す説明図、図30は第2例の工程を示す説明図、図31は第2例の工程を示す説明図である。
本例のコンクリート構造物の補修方法において、第1例のコンクリート構造物の補修方法と同一の工程については、第1例の説明を援用する。
本発明に係るコンクリート構造物の補修方法の第2例は、以下の工程で実施される。
先ず、第1例と同様に、下準備として、コンクリート構造物1の表面のひび割れ2の周辺を洗浄して表面に付着している埃などを除去する。
次に、第1例と同様に、コンクリート構造物1の表面に発生したひび割れ2に沿ってコンクリート構造物1の表面に補修用溝3を形成し、本例では、さらにひび割れ2に交叉するように補強用溝14を形成する(図15参照。)。
補修用溝3は、ひび割れ2に沿ってコンクリート構造物1の表面に形成される補修用溝3はひび割れ2の長さ方向に向かって、ひび割れ2の多くの部分に重なるように形成されていればよく、ひび割れ2の一部が補修用溝3から外れていてもよい。本例では、補修用溝3は第1例と同様に、ひび割れ2の長さ方向に向かって一直線状に形成されている。
また、ひび割れ2に交叉するように形成される補強用溝14は、ひび割れ2に直交するように形成されることが好ましい。また、補強用溝14の長さにあっては特に限定されないが、強度の面から少なくともひび割れ2の長さの半分以上の長さが好ましい。また、補強用溝14はひび割れ2の長さに応じて、ひび割れ2の長さ方向に所定の間隔を空けて複数本形成することが好ましい。
この工程で、コンクリート構造物1に、その表面からひび割れ2の深部2bに連通する空気抜き孔4を穿つ。ひび割れ2が長い場合は、空気抜き孔4を複数箇所に穿っても良いさらに、コンクリート構造物1に、その表面から補強用溝14の長さ方向の両端の溝底に連通する空気抜き孔15を穿つ(図15参照。)。
また、補修用溝3及び補強用溝14の深さにあっては、補強用溝14内には後述する補強筋材が配置されるので、補修用溝3内に後述する密閉空間6を確保するために、補修用溝3と補強用溝14の交叉位置で、補修用溝3が補強用溝14内に配置されている補強筋材の下方に溝底を有する深さに形成されている(図16、図17、図18参照。)。
次に、補強用溝14内には、補修用溝3と交叉するように補強筋材16を配置する(図19参照。)。補強筋材16にあっては、曲げ強度、引っ張り強度があり、補強筋としての機能を発揮できる素材であれば、特に限定されない。補強筋材16としては、本例では第1例で補修用溝3内に配置された筒状体8が使用されている。
次に、補修用溝3及び補強用溝14の開口部をシール材5で塞いで補修用溝3内に密封空間6を形成するとともに、補強用溝14内に補強筋材16を固定する(図22参照。)。
シール材5にあっては、補修用溝3及び補強用溝14の開口部を液密的に塞ぐことができるものであれば特に限定されない。シール材5としては、例えば、従来のコンクリート構造物の補修方法で用いられているテープを使用し、テープを補修用溝3及び補強用溝14の開口部に貼着して塞ぐようにしてもよく、また、高粘度硬化性樹脂組成物やセメント系モルタルをシール材5としてし使用し、補修用溝3及び補強用溝14に充填して開口部を塞ぐようにしてもよい。
本例では、シール材5として高粘度硬化性樹脂組成物11を使用している。高粘度硬化性樹脂組成物11にあっては第1例と同様に、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、シリコン樹脂等が使用される。また、高粘度硬化性樹脂組成物11の粘度は、補修用溝3及び補強用溝14の開口部から垂れ落ちること無く確実に補修用溝3の開口部を塞ぐことができる程度の粘度であることが好ましい。
本例では、第1例と同様に、補修用溝3内に密封空間6を確実に形成するものとして、補修用溝3内に密閉空間6を確保する棒状物7を配置しており、棒状物7として第1例と同様の筒状体8を使用している(図19参照。)。補修用溝3内への棒状物7の配置は、補強用溝14内へ補強筋材16を配置する前に行う。
また、ひび割れ2の一部が補修用溝3から外れている場合は、第1例と同様に、シール材5で補修用溝3の開口部を塞ぐとともに、補修用溝3から外れているひび割れ2の部分の裂け口2aをシール材5で塞ぐ(図22参照)。
次に、補修用溝3及び補強用溝14の開口部を塞いでいる高粘度硬化性樹脂組成物11からなるシール材5が硬化したら、シール材5の適所に後述する浸透型補修剤13を注入する注入孔12を穿つ。注入孔12は補修用溝3内に形成されている密閉空間6に、そして補強用溝14と補強筋材16との間に浸透型補修剤13を送り込めるようになっている。
注入孔12は、補修用溝3及び補強用溝14の開口部を塞いでいるシール材5の長さ方向の適所に穿っている。例えば、補修用溝3及び補強用溝14に沿ったシール材5の長さ方向の中央位置、或いは一端側に設ける。補修用溝3及び補強用溝14が長い場合は、複数箇所に穿っても良い(図26、図27、図28参照。)。
また、上記した工程のいずれかの途中で、コンクリート構造物1に、その表面からひび割れ2の深部2bに連通する空気抜き孔4と、補強用溝14の両端の溝底に連通する空気抜き孔15を穿つ。本例では、前記のように、コンクリート構造物1の表面に補修用溝3及び補強用溝14を形成する工程で、空気抜き孔4,15を穿っている。
次に、注入孔12から適宜の注入器を用いて補修用溝3内及び補強用溝14内に浸透型補修剤13を注入し、補修用溝3内に形成された密閉空間6内を流動させ、密閉空間6を介して浸透型補修剤13をひび割れ2に送り込み充填するとともに(図29、図30参照。)、浸透型補修剤13を補強用溝14と補強筋材16との間に充填する(図31参照。)。
注入孔12からの浸透型補修剤13の注入にあっては、空気抜き孔4,15にアスピレーター等の減圧装置を接続し、ひび割れ2内を減圧しながら行うことにより、浸透型補修剤13の注入を容易に且つ短時間で行うことができる。
ひび割れ2への浸透型補修剤13の充填にあっては、浸透型補修剤13を注入して補修用溝3内に形成された密閉空間6内を流動させることにより、浸透型補修剤13が補修用溝3の底に開口する裂け口2aからひび割れ2内に入り、ひび割れ2内の空気が空気抜き孔4から押し出されて浸透型補修剤13がひび割れ2内に充填される。
また、ひび割れ2の一部が補修用溝3から外れている場合は、シール材5で塞がれている補修用溝3から外れているひび割れ2の部分にも、浸透型補修剤13が流入したひび割れ2を介して浸透型補修剤13が流入し充填される(図30参照。)。
また、補強用溝14と補強筋材16との間への浸透型補修剤13の充填にあっては、浸透型補修剤13を注入して補強用溝14と補強筋材16との間を流動させることにより、浸透型補修剤13は補強用溝14に渡って送り出され、補強用溝14と補強筋材16との間の空気が空気抜き孔15から押し出されて浸透型補修剤13が補強用溝14と補強筋材16との間に充填される。
補修用溝3内及び補強用溝14内への浸透型補修剤13の注入は、コンクリート構造物1に穿った補強用溝14の両端の溝底に連通する空気抜き孔15から浸透型補修剤13が流れでたら適宜閉塞手段により空気抜き孔15の開口部を閉塞し、更に浸透型補修剤13の注入を続け、コンクリート構造物1に穿ったひび割れ2の深部2bに連通する空気抜き孔4から浸透型補修剤13が流れ出るまで行う。
空気抜き孔15から浸透型補修剤13が流れでることにより、浸透型補修剤13が補強用溝14と補強筋材16との間に充填したことを確認でき、浸透型補修剤13が空気抜き孔4から流れでることにより、浸透型補修剤13がひび割れ2の深部2bまで充填したことを確認できる。
ここで使用される浸透型補修剤13は、第1例と同様、例えば、従来のコンクリート構造物の補修方法で用いられているエポキシ樹脂、アクリル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等を主成分とする低粘度硬化性樹脂組成物が使用される。低粘度硬化性樹脂組成物の粘度としては、200〜700mPa・s/20°が好ましい。
このようにして浸透型補修剤13をひび割れ2に充填したら、浸透型補修剤13が硬化するまで養生する。浸透型補修剤13が硬化したら、シール材5がテープの場合はコンクリート構造物1の表面からテープを撤去し、シール材5が高粘度硬化性樹脂組成物11である場合はそのままの状態としてコンクリート構造物1の補修が完了する。
上記の工程よりなる第2例によれば、コンクリート構造物1の表面に発生したひび割れ2に沿ってコンクリート構造物1の表面に形成した補修用溝3の開口部をシール材5で塞いで補修用溝3内に、補修用溝3の長さ方向にひび割れ2に連通する密閉空間6を形成し、補修用溝3の開口部を塞いでいるシール材5の適所に注入孔12を穿ち、注入孔12から浸透型補修剤13を密閉空間6内に注入するので、注入した浸透型補修剤13が密閉空間6内を流動することにより、浸透型補修剤13をひび割れ2に沿って送り出さすことができ、この過程で浸透型補修剤13をひび割れ2内に送り込み充填することができる。
したがって、特許文献1に記載されたコンクリート構造物の補修方法のように、板状シール部に短い間隔で注入パイプを設ける必要はなく、特許文献1に記載された補修方法に比べ簡単な作業で容易に浸透型補修剤13をひび割れ2内へ注入することができる。
本例では、第1例と同様に、補修用溝3内にひび割れ2と連通する密閉空間6を形成する棒状物7を配置したので、補修用溝3内にひび割れ2と連通する密閉空間6を容易に且つ確実に形成することができ、棒状物7は筒状体8からなり、内部を密閉空間6とし、筒壁にはひび割れ2に連通する穴部9が形成されているので、シール材5で開口部が塞がれた補修用溝3内にひび割れ2に連通する密閉空間6を容易に且つ確実に形成することができるとともに、筒状体8の内部を密閉空間6としているので密閉空間6を広くすることができることから、浸透型補修剤13の流動量を多くすることができ、浸透型補修剤13のひび割れ2内への充填時間の短縮化を図ることができる。
そして、密閉空間6内に注入した浸透型補修剤13が硬化することにより棒状物7は補強筋としての機能を発揮する。
また、コンクリート構造物1の表面に、ひび割れ2に交叉するように補強用溝14を形成し、補強用溝14内に補強筋材16を配置し、補強用溝14の開口部をシール材5で塞ぎ、シール材5の適所に注入孔12を穿ち、注入孔12から浸透型補修剤13を注入するので、注入した浸透型補修剤13は補強用溝14と補強筋材16との間を流動し、補強用溝14と補強筋材16との間に充填されることになる。
このようにして補強用溝14と補強筋材16との間に充填された浸透型補修剤13が硬化することにより、補強用溝14に配置された補強筋材16が補強筋としての機能を発揮し、補強筋となった補強筋材16がコンクリート構造物1の表面に発生したひび割れ2の進展(広がり)を抑制する。
また、本例では、シール材5は高粘度硬化性樹脂組成物11であるので、コンクリート構造物1の表面に形成した補修用溝3及び補強用溝14に、シール材5を充填するといった簡単な作業により補修用溝3及び補強用溝14の開口部を塞ぐことができ、シール材5は高粘度なので補修用溝3及び補強用溝14の開口部から垂れ落ちること無く確実に補修用溝3及び補強用溝14の開口部を塞ぐことができる。
そして、補修用溝3及び補強用溝14の開口部を塞いでいる硬化したシール材5に設けた注入孔12から注入された浸透型補修剤13が硬化した後に、シール材5をコンクリート構造物1から剥離する必要は無く、そのままの状態にしておけるので、コンクリート構造物1の表面に発生したひび割れ2の補修を一層簡単な作業で容易に行うことができる。
1 コンクリート構造物
2 ひび割れ
2a 裂け口
2b 深部
3 補修用溝
4 空気抜き孔
5 シール材
6 密閉空間
7 棒状物
8 筒状体
9 穴部
10 凸状部
11 高粘度硬化性樹脂組成物
12 注入孔
13 浸透型補修剤
14 補強用溝
15 空気抜き孔
16 補強筋材

Claims (12)

  1. コンクリート構造物の表面に発生したひび割れに沿ってコンクリート構造物の表面に補修用溝を形成し、前記補修用溝の開口部をシール材で塞いで前記補修用溝内に、前記補修用溝の長さ方向に前記ひび割れに連通する密閉空間を形成し、
    前記補修用溝の開口部を塞いでいるシール材の適所に注入孔を穿ち、該注入孔から浸透型補修剤を注入して密閉空間内を流動させ、浸透型補修剤を前記密閉空間に連通しているひび割れに送り込み充填することを特徴とするコンクリート構造物の補修方法。
  2. 前記補修用溝内には、前記補修用溝内に前記密閉空間を確保する棒状物を配置したことを特徴とする請求項1に記載のコンクリート構造物の補修方法。
  3. 前記補修用溝内に配置した前記棒状物は、外周面長さ方向に前記補修用溝内壁とに間に前記密閉空間となる隙間を形成する凸状部を有していることを特徴とする請求項2に記載のコンクリート構造物の補修方法。
  4. 前記補修用溝内に配置した前記棒状物は筒状体からなり、内部を前記密閉空間とし、筒壁には前記ひび割れに連通する穴部が形成されていることを特徴とする請求項2に記載のコンクリート構造物の補修方法。
  5. 前記シール材は高粘度硬化性樹脂組成物であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のコンクリート構造物の補修方法。
  6. 前記シール材はセメント系モルタルであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のコンクリート構造物の補修方法。
  7. コンクリート構造物の表面に発生したひび割れに沿ってコンクリート構造物の表面に補修用溝を形成する工程と、
    前記補修用溝の開口部をシール材で塞いで前記補修用溝内に、前記補修用溝の長さ方向に前記ひび割れに連通する密閉空間を形成する工程と、
    前記補修用溝の開口部を塞いでいるシール材の適所に注入孔を穿ち、該注入孔から浸透型補修剤を注入して密閉空間内を流動させ、浸透型補修剤を前記密閉空間に連通しているひび割れに送り込み充填する工程と、
    コンクリート構造物の表面に形成した補修溝と交叉するように補強用溝を形成する工程と、
    前記補強用溝内に補強筋材を配置し、前記補強用溝の開口部をシール材で塞ぐ工程と、
    前記補強用溝を塞いでいるシール材の適所に注入孔を穿ち、該注入孔から浸透型充填剤を注入して浸透型充填剤を前記補強用溝と前記補強筋材との間に充填する工程を含む
    ことを特徴とするコンクリート構造物の補修方法。
  8. 前記補修用溝内には、前記補修用溝内に前記密閉空間を確保する棒状物を配置したことを特徴とする請求項7に記載のコンクリート構造物の補修方法。
  9. 前記補修用溝内に配置した前記棒状物は、外周面長さ方向に前記補修用溝内壁とに間に前記密閉空間となる隙間を形成する凸部を有していることを特徴とする請求項8に記載のコンクリート構造物の補修方法。
  10. 前記補修用溝内に配置した前記棒状物は筒状体からなり、内部を前記密閉空間とし、筒壁には前記ひび割れに連通する穴部が形成されていることを特徴とする請求項8に記載のコンクリート構造物の補修方法。
  11. 前記シール材は高粘度硬化性樹脂組成物であることを特徴とする請求項7乃至10のいずれか1項に記載のコンクリート構造物の補修方法。
  12. 前記シール材はセメント系モルタルであることを特徴とする請求項7乃至10のいずれか1項に記載のコンクリート構造物の補修方法。
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