JP4149788B2 - エポキシ樹脂系二液型接着剤硬化工法 - Google Patents

エポキシ樹脂系二液型接着剤硬化工法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は土木・建築の分野でエポキシ樹脂系二液型接着剤を用いて各種の工事を実施するための工法、とくにコンクリート構造物を補修したり補強したりするのに適したエポキシ樹脂系二液型接着剤硬化工法に関する。
【0002】
【従来の技術】
【0003】
【特許文献1】
特開平05−065768号公報
【0004】
【特許文献2】
特開2002−121901号公報
【0005】
コンクリート構造物については特許文献1〜2に記載されているとおり、床板・橋脚・梁・外壁・架台・堰堤・ダム・トンネル・ビルディングなど多種多様のものが存在する。コンクリート構造物が経年変化で劣化することは周知である。代表的な劣化はひび割れである。このような劣化(強度低下)が原因でコンクリートの剥落事故が発生したりする。劣化の甚だしいときは内部鉄筋なども腐食して構造破壊に至ることがある。その対策としてコンクリート建造物を定期的に点検したり、補修や補強を行ったりしている。
【0006】
コンクリート建造物の補修とか補強については、接着剤注入工法・Uカットシール材充填工法・シール工法・パッカー工法などがすでに開発されている。特許文献1〜2の技術もこれらのうちのいずれかの工法に属す。
【0007】
上記のうちの接着剤注入工法には手動式と機械式がある。いずれの注入工法もエポキシ樹脂系二液型接着剤をコンクリート構造物の各ひび割れ箇所に注入してそれらを塞ぐタイプが多い。特許文献1〜2の方法も接着剤としてエポキシ樹脂系の二液型を用いている。
【0008】
Uカットシール材充填工法の場合は、コンクリート構造物のひび割れ箇所に沿って電動カッタでU字溝を形成し、該溝内にコーキングガンでエポキシ樹脂系二液型接着剤(シーリング材)を充填した後、これをヘラで押さえて下地と密着させ、表面を平滑に仕上げる。
【0009】
シール工法は、シーリング材であるところのエポキシ樹脂系二液型接着剤をパテベラでひび割れ箇所に塗り、その表面を平滑に仕上げるというものである。
【0010】
パッカー工法では、エポキシ樹脂系二液型接着剤を注入機械でコンクリートの空洞化した部分に充墳して、この種の欠陥を解消する。
【0011】
以上の説明で明らかなようにコンクリート構造物の補修や補強ではエポキシ樹脂系二液型接着剤がよく用いられる。たとえば平成3年当時に開発された特許文献1の工法や比較的最近のその理由は、接着性・耐久性・耐水性・耐アルカリ性・寸法安定性などの諸要求をエポキシ樹脂系が満足させるからである。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
その一方で、エポキシ樹脂系二液型接着剤には下記(A)〜(E)のような指摘がある。
(A) 二液型であるため、これを混合するのに余分な時間を消費する。
(B) 低圧注入が主流であるため、機械化や自動化が遅れがちである。それが合理的な作業を困難にし、施工時間を長びかせている。
(C) 接着剤の粘性が温度で大きく変化する。これは夏期や冬期において外気温の影響を大きく受けるということである。接着剤の適切な粘性が維持できない場合は安定した作業が行えず、仕上がりも悪化する。
(D) 材料検収が空袋検査となるため、正確なチェックが行えない。
(E) 作業に要した機器や道具の洗浄にもかなりの時間が掛かる。
【0013】
特許文献1の工法はエポキシ系の二液を確実に混合させることにウエイトをおくものであるから(A)〜(E)の課題に対処するのが難しい。特許文献2の工法もコンクリートの微細なひび割れ補修にはよいが、(A)〜(E)の課題を解消する場合に新たな改良が要求される。
【0014】
【発明の目的】
本発明はこのような技術上の課題に鑑みなされたもので、工事成果の向上・作業の安定性・作業能率の向上・作業中断の自由・省力化・コストダウン・作業準備と後始末の簡易化など、これらを満足させることのできるエポキシ樹脂系二液型接着剤硬化工法を提供しようとするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に係るエポキシ樹脂系二液型接着剤硬化工法は所期の目的を達成するために下記の課題解決手段を特徴とする。
すなわち請求項1記載の工法は、
主剤と硬化剤とからなるエポキシ樹脂系二液型接着剤をコンクリート構造物の工事部位に供給してこれを硬化させるための工事において、
主剤を供給するための主剤供給系と、硬化剤を供給するための硬化剤供給系と、これら両系を合流させて主剤と硬化剤の混合物をつくりそれを供給するための混合供給系と備えた接着剤供給手段を用いる方法であること、および、
主剤供給系が、主剤を収容するための液体槽と、主剤用液体槽内の主剤を送り出すための出力調整式の主剤用ポンプ部と、主剤用液体槽と主剤用ポンプ部とにわたる主剤用の供給管と、主剤用ポンプ部と混合供給系とにわたる主剤用の供給管とを備えていて、そのうちの主剤用液体槽が温度調整手段を有していること、および、
硬化剤供給系が、硬化剤を収容するための液体槽と、硬化剤用液体槽内の硬化剤を送り出すための出力調整式の硬化剤用ポンプ部と、硬化剤用液体槽と硬化剤用ポンプ部とにわたる硬化剤用の供給管と、硬化剤用ポンプ部と混合供給系とにわたる硬化剤用の供給管とを備えていて、そのうちの硬化剤用液体槽が温度調整手段を有していること、および、
混合供給系がスタティックミキサと混合供給管とノズルとを備えていて、スタティックミキサの入口ポートには上記主剤用供給管の先端部と上記硬化剤用供給管とが接続されているとともに、スタティックミキサの出口ポートには混合供給管の基端部が接続されており、かつ、混合供給管の先端部にはノズルが着脱自在に接続されていること、および、
主剤供給系と硬化剤供給系とについて、外気の温度が低いときには、その外気温の影響を抑えるために主剤用液体槽内の主剤1や硬化剤用液体槽内の硬化剤をそれぞれの温度調整手段で温度調整すること、および、
主剤供給系と硬化剤供給系とにおいて、主剤用液体槽内の主剤1をポンプ部で圧力調整しつつこれを主剤用供給管より混合供給系のスタティックミキサに送り込むと同時に、硬化剤用液体槽内の硬化剤をポンプ部で圧力調整しつつこれを硬化剤用供給管より混合供給系のスタティックミキサに送り込むこと、および、
主剤と硬化剤とが送り込まれた混合供給系では、この主剤と硬化剤とをスタティックミキサにより混合状態にしてなる未硬化接着剤を当該硬化剤供給系の混合供給管を経由してノズルよりコンクリート構造物の工事部位に向けて供給すること、および、
その未硬化接着剤を工事部位で硬化させること
を特徴とする。
【0016】
本発明の請求項2に係るエポキシ樹脂系二液型接着剤硬化工法は、
請求項1記載された工法において、
混合供給系を清掃するための清掃手段として、溶剤洗浄式の清掃手段と空気噴射式の清掃手段とが接着剤供給手段に組み込まれており、かつ、これら溶剤洗浄式清掃手段の洗浄液管と空気噴射式清掃手段の高圧空気噴射管とがスタティックミキサの入口ポート側の端部に接続されていること、および、
主剤供給系と硬化剤供給系との各ポンプ部を停止して工事を中断したときには、混合供給系を、溶剤洗浄式清掃手段による第1段階の清掃と空気噴射式清掃手段による第2段階 の清掃とで清掃すること
を特徴とする
接着剤供給手段が温度調整手段および/または圧力調整手段を有することを特徴とする。
【0017】
【作用】
本発明工法では、主剤や硬化剤を接着剤供給手段の各供給系より混合供給系に送り込んで混合し、その混合物(未硬化接着剤)を混合供給系の先端からコンクリート構造物の工事部位に供給する。工事部位に対する接着剤の供給態様は工事内容に応じたものを採用する。それは接着剤塗布であったり接着剤積層であったり接着剤注入であったり接着剤充填であったりする。これらのうちの二つ以上を行うこともある。この後は工事部位に供給した未硬化接着剤が硬化するのを待てばよく、かくて主たる工事が完了する。
【0018】
本発明工法は上記のとおり、接着剤供給手段の各系を介して主剤と硬化剤を混合供給する。これの特徴は下記(1)〜(7)のとおりである。
(1) 接着剤の運搬と混合が同期かつ一元化するので作業種が減少する。これは作業の合理化に通じる。
(2) 各供給系で主剤や硬化剤を計量して両者の混合比を実質的に誤差ゼロに抑えることができる。これによって接着剤特性を工事条件にマッチングさせることができるから、補修や補強について設計どおりの工事成果が得られる。
(3) 各系において主剤・硬化剤・混合物(未硬化接着剤)の温度・粘度・圧力などをすべてコントロールすることができる。これらが行えるときは、屋外工事であっても外因性の影響(例:外気温の影響)を抑えて作業の安定性を確保することができる。これは、また、補修や補強の質を高めることにもなる。
(4) 工事内容が塗布・積層・注入・充填のいずれであってもノズルなど混合供給系の先端部を交換するだけでよい。複数種の工事内容が混在する現場もこれのみで難なく対応できる。
(5) 主剤や硬化剤を接着剤供給手段の各系によってコントロールできるから機械化や自動化が確立する。別の観点では作業員への依存が大幅に減り、機械的作業で高度の仕上がりを期すことができる。したがって上記の点とも併せた場合、グレードの高さを維持しながら作業能率の向上や省力化をはかることができ、工事のコストダウンも実現する。
(6) 主剤や硬化剤の供給を停止したときは、混合供給系内に残留した両者の混合物が硬化し、それが混合供給系内を閉塞する。これを放置した場合は、以降の実施や設備使用が困難になる。けれども接着剤供給手段には混合供給系の清掃手段がある。これによれば、上記混合物を残留させることなく混合供給系内を清掃することができる。したがって作業を中断したり終了したりしたときに清掃手段が役立つ。しかも清掃手段は作業中断の自由を保証する。
(7) 主な作業準備は現場において主剤や硬化剤をセットするだけ、主な後始末は清掃手段で混合供給系を清掃するだけであるから、いずれも簡易に行える。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明に係るエポキシ樹脂系二液型接着剤硬化工法の実施形態について、添付の図面を参照して説明する。
【0020】
図1において、エポキシ樹脂系二液型接着剤は主剤1と硬化剤2とからなる。これらについては、主剤1がA液で、硬化剤2がB液といわれたりする。
【0021】
主剤1については、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂などをあげることができる。これらは単独で用いられたり併用されたりする。そのうちの代表的な二例を示すと、第1例の主剤1はビスフェノールA型エポキシ樹脂100%からなり、第2例の主剤1はビスフェノールA型エポキシ樹脂60〜70重量%と顔料10〜20重量%と充填材20〜30重量%とからなる。
【0022】
硬化剤2については、脂肪族アミン、変性脂肪族アミン、変性脂肪族ポリアミンなどが単独または組み合わせで用いられる。硬化剤2がエーテル系の希釈剤を含んでいることもある。硬化剤2を上記具体例の各主剤1に対応させるならば、第1例の主剤1のための硬化剤2は脂肪族アミン45〜55重量%と変性脂肪族アミン20〜30重量%と希釈剤20〜30重量%からなり、上記第2例の主剤1ための硬化剤2は変性脂肪族ポリアミン90〜100%からなる。
【0023】
図1に例示された接着剤供給手段11は主剤供給系21と硬化剤供給系31と混合供給系41とを備えている。
【0024】
図1に例示された主剤供給系21は、主剤1を収容するための液体槽22と主剤1のための流路になる供給管23・24と液体槽22内の主剤1を送り出すためのポンプユニットPUとからなる。一例として上面に開閉蓋を備えている図示の液体槽22は、金属・合成樹脂・それらの複合材など周知の材料で構成されるものである。これについては耐熱性や断熱性を有しているのが望ましい。液体槽22はその内部に収容された主剤1を所望の温度に保持するための温度調整手段たとえば電熱式の加温手段または温水式の加温手段を備えている。このような液体槽22は恒温槽ともいえる。供給管23・24も金属や合成樹脂など周知材料で構成されるものである。そのうちの供給管23は先端側が二分岐されている。供給管23・24も耐熱性や断熱性を有していることが望ましく、とくに外部に曝される部分は断熱材で覆われるのがよい。供給管23・24については一部または全体に可撓性をもたせることがある。ポンプユニットPUは複数のポンプ部P1〜P3が組み合わされたもので、後述の硬化剤供給系31用も兼ねるというものである。ポンプユニットPUは三つの吸引ポートと二つの吐出ポートとを有する。供給管23の基端部は液体槽22の底部に接続され、供給管23の二分岐型先端部はポンプユニットPUの両吸引ポートに接続され、さらに供給管24の基端部はポンプユニットPUの吐出ポートに接続される。
【0025】
図1に例示された硬化剤供給系31は、硬化剤2を収容するための液体槽32と硬化剤2のための流路になる供給管33・34と液体槽32内の硬化剤2を送り出すための前記ポンプユニットPUとからなる。液体槽32の構成は前記液体槽22と実質的に同じかそれに準ずる。したがって液体槽32も恒温槽になる。供給管33・34も前記供給管23・24と同様に構成されてはいるが、供給管33の先端部が分岐されていない。供給管33の基端部は液体槽32の底部に接続され、供給管33の先端部はポンプユニットPUの残る吸引ポートに接続され、さらに供給管34の基端部はポンプユニットPUの残る吐出ポートに接続される。
【0026】
複数のポンプ部P1〜P3からなる上記ポンプユニットPUについては、各ポンプ部の出力調整によって主剤1・硬化剤2・両者の混合物などの圧力が調整できるものである。
【0027】
図1における混合供給系41は、駆動部のない静止型混合器すなわちスタティックミキサ42を主体にして構成される。スタティックミキサ42は一端側の入口ポート(二つ)、他端側の出口ポート(一つ)、および、入口ポートと出口ポートの間にわたる流路を備えている。スタティックミキサ42の流路内には、そこを流れる流体に対して分割・転換・反転などの撹拌を起こさせる撹拌エレメントが内蔵されている。撹拌エレメントの代表例は長方形の板を180度ねじった形で、ねじれ方向により右エレメントと左エレメントがある。各エレメントの寸法は直径に対し1.5倍の長さを基本とする。混合供給系41の他の構成部材は混合供給管43とノズル44である。混合供給管43は既述の各管と同様でよいが、可撓性もあることが望ましい。ノズル44としては、噴霧タイプ・塗布タイプ・注入タイプ・充填タイプなど各種のものが採用できる。ノズル44は図1に例示されたものが噴霧タイプで、図2の(イ)が注入タイプ、図2の(ロ)が塗布タイプ、図2の(ハ)が充填タイプである。スタティックミキサ42の両入口ポートには前記両系21・31の供給管24・34の先端部がそれぞれ接続され、スタティックミキサ42の出口ポートには混合供給管43の基端部が接続される。ノズル44は脱着自在式の接続具を介して混合供給管43の先端部に接続される。スタティックミキサ42に対するノズル44の脱着・交換については、スタティックミキサ42と混合供給管43との接続箇所で行うこともできる。すなわちノズル44に混合供給管43を付けたままこれを交換することもできる。
【0028】
図1を参照して明らかなように、接着剤供給手段11に組み込まれる清掃手段は二種類ある。そのうちの一方の清掃手段51は溶剤洗浄式の洗浄ユニット52と洗浄液管53とからなる。洗浄ユニット52はエポキシ樹脂溶剤(洗浄液)を収容するための容器とそこから溶剤を送り出すためのポンプとを主体にして構成される。バルブ54を有する洗浄液管53は洗浄ユニット52と前記スタティックミキサ42とを接続するためのものである。したがって洗浄液管53は、その一端部が洗浄ユニット52の吐出口に接続され、その他端部がスタティックミキサ42の入口ポート側の端部に接続される。こうして接続された洗浄液管53はスタティックミキサ42の入口ポートに通じる。エポキシ樹脂を溶かすための溶剤としては、一例としてハロゲン化炭化水素とプロピレングリコールとの混合物が採用されるが、これ以外のもので公知や周知溶剤も採用することができる。この溶剤は洗浄ユニット52の容器内に収容される。図1で他方の清掃手段61は空気噴射式の洗浄ユニット62と可撓性のある高圧空気供給管63とからなる。洗浄ユニット62はエアポンプまたはコンプレッサを備えたものからなる。バルブ64を有する高圧空気供給管63も洗浄ユニット62と前記スタティックミキサ42とを接続するためのものである。したがって高圧空気供給管63は、その一端部が洗浄ユニット62の吐出口に接続され、その他端部がスタティックミキサ42の入口ポート側の端部に接続される。こうして接続された高圧空気供給管63もスタティックミキサ42の入口ポートに通じる。
【0029】
図1に例示された接着剤供給手段11については、主剤供給系21・硬化剤供給系31・混合供給系41の各出力を調整したりこれらをオンオフしたりするための制御盤(図示せず)がある。その制御盤は、また、二つの清掃手段51・61の各出力を調整したりこれらをオンオフしたりすることもできるものである。一方で、当該制御盤と同等の機能をもつ遠隔操作用のリモートコントローラ(図示せず)がノズル44側に装備される。この場合のリモートコントローラは有線方式・無線方式のいずれであってもよい。
【0030】
本発明工法によって補修したり補強したりするコンクリート構造物は、既述のコンクリート床板・コンクリート橋脚・コンクリート梁・コンクリート外壁・コンクリート架台・コンクリート堰堤・コンクリート砂防ダム・トンネル・ビルディングなどである。これら以外のものでも、コンクリート構造物であれば本発明工法で補修したり補強したりすることができる。以下本発明工法の実施形態を具体的に説明する。
【0031】
図1を参照して、主剤供給系21の液体槽22内には主剤1が収容されており、硬化剤供給系31の液体槽32には硬化剤2が収容されている。これらの主剤1や硬化剤2は外気の温度が低いときに温度調整手段を介して常温(20℃)程度に保持されたりする。ポンプユニットPUをオンにして各ポンプ部P1〜P3を作動させると、主剤1は圧力調整されながら液体槽22→供給管23→ポンプ部P1・P2→供給管24を経て混合供給系41のスタティックミキサ42に至り、硬化剤2も圧力調整されながら液体槽32→供給管33→ポンプ部P3→供給管34を経て混合供給系41のスタティックミキサ42に至る。スタティックミキサ42に達した主剤1と硬化剤2は、ここを通過する間に均質に撹拌混合されて未硬化接着剤3となり、それが混合供給管43を経由してノズル44へと進入するとともに、ノズル44の先端からコンクリート構造物4の工事部位5に向けて噴射される。かくて工事部位5の表面には未硬化接着剤3の膜ないし層が形成され、その硬化物がコンクリート構造物4の補強材および/または補修材6になる。
【0032】
上記においてコンクリート構造物4のひび割れを補修するときは図2(イ)のノズル44を用いる。この場合はノズル44をコンクリート構造物4の工事部位(ひび割れ箇所)にあてがいながら、ひび割れの中に未硬化接着剤3を注入する。この工事において、ひび割れ箇所に沿って電動カッタでU字溝を形成し、そこから未硬化接着剤3を注入してよい。かかるケースでも、注入した未硬化接着剤3の硬化物がひび割れの補修材になり、かつ、コンクリート構造物4を補強する。このほか、図2(ロ)のノズル44を用いるときは未硬化接着剤3をコンクリート構造物4の表面(工事部位)に塗布することができ、図2(ハ)のノズル44を用いるときは未硬化接着剤3をコンクリート構造物4の内部(工事部位)に充填することができる。もちろんこれらも、コンクリート構造物4を補強したり補修したりするための工事である。
【0033】
図3はパッカー工法による工事を例示したもので、これはコンクリート構造物4内に生じた空洞(構造欠陥)を解消するための方法である。図3の工事を具体的にいうと、あらかじめコンクリート構造物4の空洞(工事部位5)に向けて削孔7を形成しておき、これを利用して空洞5内に未硬化接着剤3を充填する。充填の際のはじめは、スタティックミキサ42のミキサヘッドに組みつけられたパッカーノズル44を削孔7内に挿入してその先端を空洞5の内奥にまで至らせる。それから、接着剤供給手段11でつくられる未硬化接着剤3をノズル44の先端より空洞5内に充填する。以下、空洞5内への接着剤充填量が増すにしたがいノズル44を削孔7内から引き抜いていき、同様にしながら削孔7も未硬化接着剤3で封鎖する。この場合も未硬化接着剤3が硬化することで補修や補強のための工事が完了する。
【0034】
上述した各工事などでは必要に応じて中断したりする。そのために主剤1や硬化剤2の供給を停止すると、混合供給系41内に残留した未硬化接着剤3が硬化し、該硬化物が混合供給系41内を閉塞する。それで以降の実施や設備使用を可能にするためには、原因物質たる未硬化接着剤3を混合供給系41内から速やかに取り除くことを要する。この場合はポンプユニットPUを停止した後、第1段階で清掃手段51を用い、第2段階で清掃手段61を用いて混合供給系41内を清掃すればよい。これについては以下のとおりである。
【0035】
図1を参照して、第1段階では清掃手段51の洗浄ユニット52を稼働させる。このようにすると、洗浄ユニット52の容器内にある洗浄液(溶剤)がポンプ吸引されて洗浄液管53から送り出され、それがスタティックミキサ42の入口ポートよりその内部に進入する。スタティックミキサ42内に進入した洗浄液は、混合供給管43を経由してノズル44の先端より外部へ出るまでの間、これらの経路に残留している未硬化接着剤3を硬化させることなく外部へと搬出する。また、これらの経路で硬化し始めたものがある場合も、洗浄液はそれを外部へと搬出する。図1を参照して、第2段階では清掃手段61の洗浄ユニット62を稼働させる。こうした場合は、空気噴射式洗浄ユニット62で発生した高圧エアが高圧空気供給管63を経由してスタティックミキサ42の入口ポートよりその内部に進入する。スタティックミキサ42内に進入した高圧エアは、混合供給管43を経由してノズル44の先端より外部へ出るまでの間、これらの経路に残留している洗浄液や異物(硬化物の残滓)を外部へと搬出する。かくて混合供給系41内は閉塞のないクリーン状態に保持され、つぎの使用に備えることとなる。
【0036】
本発明工法の接着剤供給手段については図4に例示するような実施態様も採用できる。この図示例のものはポンプユニットPUの要部がモーノポンプで構成されるものである。すなわち図4のポンプ部P4・P5はロータがステータの中で偏心回転することにより接着剤を所定部へ供給するというものである。この場合のロータは金属製で断面が真円の一条ネジからなり、ステータは弾性材製で断面が長円の二条ネジからなる。図4の実施形態で説明を省略した部分は図1〜図3で述べた事項と実質的に同じかそれに準ずる。
【0037】
本発明工法で行うコンクリート構造物の補強工事や補修工事は前記接着剤の塗布・積層・注入・充填などであるが、これらのうちの二つ以上をコンクリート構造物に施すこともある。その場合、図1に例示した工事設備を複数使用すれば、作業種の異なる工事の同期進行も可能になる。
【0038】
【発明の効果】
本発明は主剤と硬化剤とを混合供給系で混合状態にして未硬化接着剤をつくり、その未硬化接着剤を混合供給系の先端からコンクリート構造物の工事部位に向けて供給し、それを工事部位で硬化させるという工法である。したがって本発明工法によるときは従来工法の課題を解消することができ、もって工事成果の向上・作業の安定性・作業能率の向上・作業中断の自由・省力化・コストダウン・作業準備と後始末の簡易化などを満足させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明工法の一実施形態を略示した説明図である。
【図2】本発明工法で用いられる各種ノズルを略示した説明図である。
【図3】本発明工法の他の一実施形態を略示した説明図である。
【図4】本発明工法で用いられるポンプユニットの他例を略示した説明図である。
【符号の説明】
1 主剤
2 硬化剤
3 未硬化接着剤
4 コンクリート構造物
5 工事部位
6 補強材・補修材
7 削孔
11 接着剤供給手段
21 主剤供給系
22 液体槽
23 供給管
24 供給管
31 硬化剤供給系
32 液体槽
33 供給管
34 供給管
41 混合供給系
42 スタティックミキサ
43 混合供給管
44 ノズル
51 清掃手段
52 洗浄ユニット
53 洗浄液管
54 バルブ
61 清掃手段
62 ニット
63 高圧空気供給管
64 バルブ
PU ポンプユニット
P1 ポンプ部
P2 ポンプ部
P3 ポンプ部
P4 ポンプ部
P5 ポンプ部

Claims (2)

  1. 主剤と硬化剤とからなるエポキシ樹脂系二液型接着剤をコンクリート構造物の工事部位に供給してこれを硬化させるための工事において、
    主剤を供給するための主剤供給系と、硬化剤を供給するための硬化剤供給系と、これら両系を合流させて主剤と硬化剤の混合物をつくりそれを供給するための混合供給系と備えた接着剤供給手段を用いる方法であること、および、
    主剤供給系が、主剤を収容するための液体槽と、主剤用液体槽内の主剤を送り出すための出力調整式の主剤用ポンプ部と、主剤用液体槽と主剤用ポンプ部とにわたる主剤用の供給管と、主剤用ポンプ部と混合供給系とにわたる主剤用の供給管とを備えていて、そのうちの主剤用液体槽が温度調整手段を有していること、および、
    硬化剤供給系が、硬化剤を収容するための液体槽と、硬化剤用液体槽内の硬化剤を送り出すための出力調整式の硬化剤用ポンプ部と、硬化剤用液体槽と硬化剤用ポンプ部とにわたる硬化剤用の供給管と、硬化剤用ポンプ部と混合供給系とにわたる硬化剤用の供給管とを備えていて、そのうちの硬化剤用液体槽が温度調整手段を有していること、および、
    混合供給系がスタティックミキサと混合供給管とノズルとを備えていて、スタティックミキサの入口ポートには上記主剤用供給管の先端部と上記硬化剤用供給管とが接続されているとともに、スタティックミキサの出口ポートには混合供給管の基端部が接続されており、かつ、混合供給管の先端部にはノズルが着脱自在に接続されていること、および、
    主剤供給系と硬化剤供給系とについて、外気の温度が低いときには、その外気温の影響を抑えるために主剤用液体槽内の主剤1や硬化剤用液体槽内の硬化剤をそれぞれの温度調整手段で温度調整すること、および、
    主剤供給系と硬化剤供給系とにおいて、主剤用液体槽内の主剤1をポンプ部で圧力調整しつつこれを主剤用供給管より混合供給系のスタティックミキサに送り込むと同時に、硬化剤用液体槽内の硬化剤をポンプ部で圧力調整しつつこれを硬化剤用供給管より混合供給系のスタティックミキサに送り込むこと、および、
    主剤と硬化剤とが送り込まれた混合供給系では、この主剤と硬化剤とをスタティックミキサにより混合状態にしてなる未硬化接着剤を当該硬化剤供給系の混合供給管を経由してノズルよりコンクリート構造物の工事部位に向けて供給すること、および、
    その未硬化接着剤を工事部位で硬化させること
    を特徴とするエポキシ樹脂系二液型接着剤硬化工法。
  2. 請求項1に記載されたエポキシ樹脂系二液型接着剤硬化工法において、
    混合供給系を清掃するための清掃手段として、溶剤洗浄式の清掃手段と空気噴射式の清掃手段とが接着剤供給手段に組み込まれており、かつ、これら溶剤洗浄式清掃手段の洗浄液管と空気噴射式清掃手段の高圧空気噴射管とがスタティックミキサの入口ポート側の端部に接続されていること、および、
    主剤供給系と硬化剤供給系との各ポンプ部を停止して工事を中断したときには、混合供給系を、溶剤洗浄式清掃手段による第1段階の清掃と空気噴射式清掃手段による第2段階の清掃とで清掃すること
    を特徴とするエポキシ樹脂系二液型接着剤硬化工法。
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