JP2007276608A - 自動車用バックドアのシール構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】開閉可能な上ドア及び下ドアを備え、下ドアを閉じたのち上ドアが閉じられる自動車用バックドアのシール構造において、上ドアを閉じた状態でドアウエザストリップとメインシールとの間より侵入した水を車外側に排水するシール構造を提供する。
【解決手段】ドアウエザストリップ端の型成形部は、中空シール部18及びシールリップ19を有し、中空シール部18の車内側を向く面に導入孔31が形成され、メインシールと型成形部と下ドアの上側縁の三者が重なる部分に形成される隙間を通し、中空シール部上に侵入した水を導入孔31から中空シール部18内に流入させる。押出成形部14の中空シール部16には、車外側を向く面に排出孔33が形成されると共に、シールリップ19の側縁にU形状に切り欠いた切欠溝が形成され、中空シール部内に流入した水を排出孔33より中空シール部16外に流出し、切欠溝を通って車外側に排出させる。
【選択図】図2

Description

本発明は、自動車用バックドアのシール構造に関し、ことに開閉可能な上ドア及び下ドアを備え、下ドアを閉じたのち上ドアが閉じられるタイプの自動車用バックドアのシール構造に関する。
開閉可能な上ドア及び下ドアを備えた自動車用バックドアには、図7に示すように下ドア3が縦向きに開閉するタイプのものと、図8に示すように下ドア4が横向きに開閉するタイプのものが知られ、いずれのタイプのものにおいても上ドア2は縦向きに開閉可能で、下ドア3又は4を閉じたのちに閉じられるようになっている。
こうしたバックドアのシール構造は、一般に図7〜図9に示すように、ボディ1のドア開口部1aの周縁に取付けられるメインシール6と、上ドア3の下側部に取付けられるドアウエザストリップ8からなり、メインシール6は図10に示すように、ドア開口部周縁のフランジ9に差込んで取付けられ、芯金10を埋設した略U形断面の取付基部11と、上ドア2及び下ドア3又は4を閉じたとき、両ドア2及び3又は4に弾接してドア2及び3又は4との間をシールする中空シール部12よりなり、全体が押出成形により形成されている。
一方、ドアウエザストリップ8は、押出成形部14と、その両端に一体形成される型成形部15よりなり、押出成形部14は図9のE−E線断面である図11に示すように、上ドア2を閉じたとき下ドア3又は4の上側縁部3a又は4aに弾接して下ドア3又は4との間をシールする中空シール部16及びシールリップ17よりなっている。
また型成形部15は、図9のF−F線断面である図12及び図12のG−G線断面である図13に示すように、上端に向って漸次先細りとなる中空断面形状をなして、上ドア2を閉じたときに下ドア3又は4の上側縁3a又は4aと共にドア開口部周縁に取付けられるメインシール6に弾接してシールする機能を果たしている。このシール構造においては、図12に示すように上ドア2を閉じたとき、メインシール6と型成形部15と、下ドア3又は4の上側縁3a又は4aの三者が重なる部分に隙間Gが発生し、降雨時や洗車時にボディ1のドア開口縁1aと上ドア2との間より吹き込んだ雨水や洗浄水Wが図13に示すように隙間Gより車内側に侵入するおそれがあった。
この問題に対処するため下記特許文献1には、図14に示すように、ドア開口部周縁のフランジ26に差込んで取付けられる取付基部27と、中空シール部22を備えたメインシール21の前記中空シール部22にサブリップ23を一体形成して中空シール部22とサブリップ23をドア2に取付けられるドアウエザストリップの型成形部24に弾接させ、型成形部24と中空シール部22との間をくぐりぬけた水をサブリップ23で遮って車内側への侵入を防ぐと共に、中空シール部22とサブリップ23との間に形成された流水溝25を通して排水するようにしている。
特開平9−132035号
本発明は、自動車用バックドアのシール構造において、上ドアを閉じた状態でドアウエザストリップとメインシールとの間を潜り抜けた潜り水を車外側に導いて排水できるようにした構造のシール構造を提供することを目的とする。
請求項1に係わる発明は、開閉可能な上ドア及び下ドアを備え、下ドアを閉じたのちに上ドアが閉じられる自動車用バックドアのシール構造であって、ボディのドア開口部周縁に取付けられ、上ドア及び下ドアを閉じたとき、両ドアに弾接して両ドアとの間をシールするメインシールと、上ドアの下側部に取付けられるドアウエザストリップよりなり、ドアウエザストリップは押出成形部と、その両端に一体形成される型成形部とで構成され、押出成形部は、上ドアを閉じたとき下ドアの上側縁部に弾接して下ドアとの間をシールする中空シール部を少なくとも有するシール構造において、前記中空シール部又は、該中空シール部と接続して形成される型成形部の中空シール部には、上下のドアを閉じた状態で前記ドアウエザストリップの型成形部と、メインシールと、下ドアの上側縁部の三者が重なる部分に形成される隙間を通して侵入し、中空シール部上に流入した潜り水を中空シール部内に導入する導入孔と、該導入孔を通して中空シール部内に流入した潜り水を車外側に排出する排出孔を有することを特徴とし、導入孔と排出孔は好ましくは横方向に位置をずらして形成される。
請求項2に係わる発明は、請求項1に係わる発明において、前記ドアウエザストリップの押出成形部には、中空シール部の排出孔側に上ドアを閉じたときに下ドアの上側縁部に弾接するシールリップを並設して、中空シール部と二重シール構造を形成し、シールリップには、排出孔より排出された水を排水する排水口が形成されることを特徴とする。
ここで排水口は、例えばシールリップをU形状に切欠いた切欠溝、円形、楕円形、矩形等にあけた孔などが例示される。
請求項3に係わる発明は、請求項1に係わる発明において、前記ドアウエザストリップの押出成形部には、中空シール部の排出孔側に上ドアを閉じたときに下ドアの上側縁部に弾接するシールリップを並設して、中空シール部と二重シール構造を形成し、シールリップが弾接する下ドアの上側縁部には凹状の排水溝が形成されることを特徴とする。
請求項4に係わる発明は、請求項2又は3に係わる発明において、中空シール部に形成される排出孔と排水口又は排水溝は横方向に位置をずらして形成されることを特徴とする。
請求項1に係わる発明によると、上下のドアを閉じた状態でドアウエザストリップの型成形部と、シールリップと、下ドアの上側縁の三者が重なる部分に形成される隙間Gを通して侵入し、中空シール部上に流入した潜り水は、導入孔より中空シール部内に流入し、排出孔より車外側に排出される。導入孔と排出孔を同じ垂直面内に設けた場合、車外側から例えば高圧の洗浄水を吹き付けた場合、排出孔及び導入孔を突き抜けて洗浄水が車内側に吹き出すおそれがあるのに対し、導入孔と排出孔との位置を横方向にずらせば、排出孔を通して洗浄水が中空シール部内に流入したとしても、そのまま導入孔より吹き出すのを防ぐことができる。
請求項2に係わる発明においては、中空シール部とシールリップが下ドアの上側縁に弾接して二重シール構造をなすドアウエザストリップにおいて、中空シール部内に流入し排出孔より排出された水がシールリップの排水口より車外側へ排出され、請求項3に係わる発明においては、シールリップで覆われた排水溝を通して車外側に排出される。
請求項4に係わる発明においては、例え洗浄時に車外側から高圧水を吹き付けるような場合でも、排水口又は排水溝から吹き込んで中空シール部の導入孔から吹き出すのを防止することができる。
以下、本発明の実施形態のシール構造について図面により説明する。図中、図9〜図14に示す構造と同一構造部分には、同一符号を付した。
図1は、押出成形部14に型成形部15を一体形成したドアウエザストリップ8の端部を示すものであり、図2は図1のA−A線断面、図3は同B−B線断面、図4は同C−C線断面を示すもので、図1に示す三角印は黒く塗り潰した部分の側が型成形部15、非塗り潰し部分の側が押出成形部14を示している。
型成形部15は、図12及び図13に示す中空断面形状をなしており、押出成形部側の端部は、図2に示すように図11に示す押出成形部14と同じ断面形状をなしている。
すなわち押出成形部14の中空シール部16及びシールリップ17に接続される中空シール部18及びシールリップ19を有し、中空シール部18の車内側を向く面に導入孔31が形成されている。そして図12に示すメインシール6と型成形部15と下ドア3又は4の上側縁3a又は4aの三者が重なる部分に形成される隙間Gを通し、中空シール部上に侵入した潜り水が図2に示されるように、導入孔31から中空シール部18内に流入するようになっている。
押出成形部14には、図3に示すように中空シール部16の車外側を向く面に排出孔33が形成されると共に、シールリップ19の側縁に排水口であるU形状に切り欠いた切欠溝34が形成され、この切欠溝34は導入孔31と排出孔33の中間に位置し、各孔31、33よりそれぞれ横方向に位置をずらしてあり、洗車時において高圧水が吹き付けられるようなことがあっても、高圧水が各孔を突き抜けて導入孔31より吹き出すことがないようにしている。
本実施形態のシール構造は以上のように構成され、導入孔31を通して中空シール部18及び16内に流入した水は排出孔33より中空シール部16外に流出し、切欠溝34を通って車外側に排出される。
上記実施形態では、前記隙間Gを通った潜り水が流入する導入孔31は、型成型部15の中空シール部18に形成されているが、別の実施形態では押出成形部14の中空シール部16に形成され、潜り水が導入孔31を通って中空シール部16内に流入する。
図5は、シール構造の別の実施形態を示すもので、図1〜図4に示すシール構造と異なる点は、シールリップ17に切欠き溝34を形成しないでシールリップ17が弾接する下ドア3又は4の上側縁部3a又は4aに排水溝36を上下方向に形成し、図6に示すようにシールリップ17で排水溝36を塞いだ形態をなすもので、前記中空シール部16の排出孔33より中空シール部16外に流出した水は排水溝36を通って車外側に排出されるようになっている。
本発明に係わるシール構造は、開閉可能な上ドア及び下ドアを備え、下ドアが縦又は横向きに開閉可能で、下ドアを閉じたのち、上ドアが閉じられるタイプの自動車用バックドアに適用される。
ドアウエザストリップの端部を示す図。 図1のA−A線断面図。 同B−B線断面図。 同C−C線断面図。 図1のB−B線に対応する別の態様のドアウエザストリップの押出成形部の断面図。 図5のD−D線断面図。 下ドアが縦向きに開閉するタイプのバックドアを備えた自動車の要部の斜視図。 下ドアが横向きに開閉するタイプのバックドアを備えた自動車の要部の斜視図。 上ドア及び下ドアを閉じたときのメインシールとドアウエザストリップの位置関係を示す図。 ドアウエザストリップの押出成形部の断面図。 図9のE−E線断面図。 同F−F線断面図。 図12のG−G線断面図。 従来のドアウエザストリップの別の例を示す断面図。
符号の説明
1・・ボディ
2・・上ドア
3、4・・下ドア
3a、4a・・下ドアの上側縁部
6、21・・メインシール
8・・ドアウエザストリップ
11・・取付基部
12、16、18、22・・中空シール部
14・・押出成形部
15、24・・型成形部
17、19・・シールリップ
23・・サブリップ
25・・流水溝
31・・導水孔
33・・排出孔
34・・切欠溝
36・・排水溝

Claims (4)

  1. 開閉可能な上ドア2及び下ドア3又は4を備え、下ドア3又は4を閉じたのちに上ドア2が閉じられる自動車用バックドアのシール構造であって、ボディ1のドア開口部周縁に取付けられ、上ドア2及び下ドア3又は4を閉じたとき、両ドア2、3又は4に弾接して両ドア2、3又は4との間をシールするメインシール6と、上ドア2の下側部に取付けられるドアウエザストリップ8よりなり、ドアウエザストリップ8は押出成形部14と、その両端に一体形成される型成形部15とで構成され、押出成形部14は、上ドア2を閉じたとき下ドア3又は4の上側縁部3a又は4aに弾接して下ドア3又は4との間をシールする中空シール部16を少なくとも有するシール構造において、前記中空シール部16、又は該中空シール部16と接続して形成される型成形部の中空シール部18には、上下のドア2、3又は4を閉じた状態で前記ドアウエザストリップ8の型成形部15と、メインシール6と、下ドア3又は4の上側縁部3a又は4aの三者が重なる部分に形成される隙間Gを通して侵入し、中空シール部16、18上に流入した潜り水を中空シール部16又は18内に導入する導入孔31と、該導入孔31を通して中空シール部16又は18内に流入した潜り水を車外側に排出する排出孔33を有することを特徴とする自動車用バックドアのシール構造。
  2. 前記ドアウエザストリップ8の押出成形部14には、中空シール部16の排出孔33側に上ドア2を閉じたときに下ドア3又は4の上側縁部3a又は4aに弾接するシールリップ17を並設して、中空シール部16と二重シール構造を形成し、シールリップ17には、排出孔33より排出された水を排水する排水口34が形成されることを特徴とする請求項1記載の自動車用バックドアのシール構造。
  3. 前記ドアウエザストリップ8の押出成形部14には、中空シール部16の排出孔33側に上ドア2を閉じたときに下ドア3又は4の上側縁部3a又は4aに弾接するシールリップ17を並設して、中空シール部16と二重シール構造を形成し、シールリップ17が弾接する下ドア3、4の上側縁部3a又は4aには凹状の排水溝36が形成されることを特徴とする請求項1記載の自動車用バックドアのシール構造。
  4. 中空シール部16、18に形成される排出孔33と排水口34又は排水溝36は横方向に位置をずらして形成されることを特徴とする請求項2又は3記載の自動車用バックドアのシール構造。
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