JP2007275801A - 静電霧化装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ペルチェモジュールの回路部にペルチェモジュールのON/OFFに伴うストレスがかかることを確実に防止する。
【解決手段】ペルチェモジュール1の冷却部2を、基板5aと、基板5aに緩衝材33を介して積層した冷却板10とで構成する。収納筒体18にペルチェモジュール1の冷却部2及び回路部9を収納する。基板5a及び冷却板10ちと収納筒体18の間に隙間S2を形成する。冷却板10の基板5aと反対側の面に立設した放電電極4を収納筒体18の底部18aを通して外部に突出する。収納筒体18の端部をペルチェモジュール1の放熱部3に固着して収納筒体18の底部18aと放熱部3とで冷却部2及び回路部9を挟持する。冷却板10の接着面35と収納筒体18の接着面36を封止用接着剤24を介して接着する。収納筒体18の底部18aの内面に接着剤逃がし用凹所38を形成する。
【選択図】図1

Description

本発明は静電霧化現象により帯電微粒子水を発生させる静電霧化装置に関するものである。
例えば特許文献1には従来の静電霧化装置が開示されている。この種の静電霧化装置は、図4に示すように、放電電極4と、放電電極4に対向して位置する対向電極13と、放電電極4に水を供給する供給手段とを備え、放電電極4と対向電極13との間に高電圧を印加することで放電電極4の表面に保持される水を霧化させ、該放電電極4の放電部4aで粒子径がナノメートルサイズで強いマイナスの電荷を持つ帯電微粒子水を発生させる。この帯電微粒子水の粒径は3〜数十nm程度であって、人体の角質細胞の大きさである70nmよりも小さな粒径であるため、この帯電微粒子水の暴露により角質層表面の奥までも水分が十分に補給されて、高い保湿効果が得られるようになっている。また、脱臭効果や毛髪の保湿効果等の他の効果も得られるようになっているので、多様な商品に備えることで多様な効果が得られるものである。
この静電霧化装置は上記水の供給手段として霧化させる水を自動的に生成するペルチェモジュール1を備えている。ペルチェモジュール1は回路部9を冷却部2及び放熱部3で挟持してなり、電圧を印加することで冷却部2を冷却すると共に放熱部3から放熱できる。そしてこの冷却部2を放電電極4に接続することで、放電電極4を冷却して空気中の水分を基に放電電極4の表面に結露水を生成し、この結露水を放電電極4で霧化される水として利用する。
またペルチェモジュール1の回路部9は水や湿気により短絡する恐れがあるため、水や湿気が浸入しない密閉空間に収納する必要がある。このため図4では一端が開口する有底筒状の収納筒体18を備え、この収納筒体18内にペルチェモジュール1の冷却部2及び回路部9を収納し、ペルチェモジュール1の一端に設けた放熱部3と該放熱部3に対向する収納筒体18の開口18c側の端部を固着すると共に、収納筒体18の底部18aの内面と冷却部2とを封止用接着剤24を介して接着することで、収納筒体18の底部18aと放熱部3とで冷却部2及び回路部分9を挟持し、また冷却部2上に立設した放電電極4を収納筒体18の底部18aに形成した電極挿通孔22から外部に突出してその放電部4aを収納筒体18の外部に配置し、これにより収納筒体18と放熱部3で囲まれた密閉空間S1にペルチェモジュール1の回路部9を収納している。
ここで上記図4に示す静電霧化装置にあっては、冷却部2を、回路部9側の基板5aと、基板5aの回路部9とは反対側を向く面に積層した冷却板10とで構成し、該冷却部2を構成する基板5a及び冷却板10の夫々の外周側面と収納筒体18の内周面との間に隙間S2を形成し、また基板5a及び冷却板10を熱伝導性を有するグリースからなる緩衝材33を介して積層してある。これはペルチェモジュール1のON/OFFの切替えにより基板5a及び冷却板10からなる冷却部2が熱変形した際に緩衝材33で基板5aと冷却板10とが一体の剛体となって変形することを防止し、同時にこの熱変形を隙間S2及び緩衝材33で吸収し、これにより回路部9にペルチェモジュール1のON/OFFに伴うストレスがかかることを防止して、ペルチェモジュール1の長寿命化をはかるためである。
ところで上記収納筒体18の底部18aの内面と冷却板10とを接着するにあたってこの間を封止用接着剤24で確実に封止するには封止用接着剤24の量を増やす必要がある。しかし図4の静電霧化装置では、電極挿通孔22が放電電極4の基端部によって塞がれて収納筒体18の底部18aと冷却板10との間の封止用接着剤24が内側に逃げられず、図に示すように収納筒体18の底部18aと冷却板10の間の封止用接着剤24が冷却板10の外側にはみ出して基板5aの外周側面に至り、該封止用接着剤24により冷却板10と基板5aとが接続されて固定される恐れがあり、この場合、冷却板10と基板5aとを緩衝材33を介して積層したにもかかわらず、ペルチェモジュール1のON/OFFに伴う熱変形を許容できないという不具合が生じる。
特開2006−826号公報
本発明は上記従来の問題点に鑑みて発明したものであって、ペルチェモジュールの熱電素子を備えた回路部にペルチェモジュールのON/OFFに伴うストレスがかかることを防止して、ペルチェモジュールの長寿命化を実現でき、尚且つ封止用接着剤により冷却板と基板とが接続されて固定されることを防止できる静電霧化装置を提供することを課題とするものである。
上記課題を解決するために本発明の請求項1に係る静電霧化装置は、熱電素子7を備えた回路部9を冷却部2及び放熱部3で挟持してなるペルチェモジュール1と、放電電極4を具備し、冷却部2により放電電極4を冷却することで空気中の水分を基に放電電極4の表面に結露水を生成し、該放電電極4に高電圧を印加することで前記結露水を放電電極4の放電部4aで霧化させる静電霧化装置において、前記冷却部2を、回路部9側の基板5aと、基板5aの回路部9とは反対側を向く面に熱伝導性を有する緩衝材33を介して積層した冷却板10とで構成し、有底筒状の収納筒体18にペルチェモジュール1の冷却部2及び回路部9を収納すると共に、冷却部2を構成する基板5a及び冷却板10の夫々の外周側面と収納筒体18の内周面との間に隙間S2を形成し、冷却板10の基板5aと反対側の面に立設した放電電極4を収納筒体18の底部18aに形成した電極挿通孔22を通して外部に突出してその放電部4aを収納筒体18の外部に配置し、収納筒体18の開口18c側の端部をペルチェモジュール1の放熱部3に固着して収納筒体18の底部18aと放熱部3とで冷却部2及び回路部9を挟持すると共に、前記冷却板10の放電電極4側の面における放電電極4の周囲部と同部に対向する収納筒体18の底部18aの内面とを接着面35、36として、両接着面35、36を封止用接着剤24を介して接着し、前記収納筒体18の底部18aの内面の接着面36に隣接する箇所に前記両接着面35、36間に連通する接着剤逃がし用凹所38を形成して成ることを特徴とするものである。
上記のように冷却部2を構成する基板5a及び冷却板10の夫々の外周側面と収納筒体18の内周面との間に隙間S2を形成し、基板5a及び冷却板10を熱伝導性を有する緩衝材33を介して積層することで、ペルチェモジュール1のON/OFFの切替えにより基板5a及び冷却板10からなる冷却部2が熱変形した際に緩衝材33で基板5aと冷却板10とが一体の剛体となって変形することを防止でき、同時にこの熱変形を隙間S2及び緩衝材33で吸収でき、これにより熱電素子7を備えた回路部にペルチェモジュール1のON/OFFに伴うストレスがかかることを防止して、ペルチェモジュール1の長寿命化を実現できる。さらには収納筒体18の底部18aの内面の接着面36に隣接する箇所に両接着面35、36間に連通する接着剤逃がし用凹所38を形成したので、両接着面35、36間に介在する封止用接着剤24を接着剤逃がし用凹所38に逃がすことが可能となり、これにより収納筒体18の底部18aと冷却板10の間の封止用接着剤24が冷却板10の外側にはみ出して基板5aの外周側面に至ることを防止でき、封止用接着剤24により冷却板10と基板5aとが接続されて固定されるという不具合が生じない。
また本発明の請求項2に係る静電霧化装置は、熱電素子7を備えた回路部9を冷却部2及び放熱部3で挟持してなるペルチェモジュール1と、放電電極4を具備し、冷却部2により放電電極4を冷却することで空気中の水分を基に放電電極4の表面に結露水を生成し、該放電電極4に高電圧を印加することで前記結露水を放電電極4の放電部4aで霧化させる静電霧化装置において、前記冷却部2を、回路部9側の基板5aと、基板5aの回路部9とは反対側を向く面に熱伝導性を有する緩衝材33を介して積層した冷却板10とで構成し、有底筒状の収納筒体18にペルチェモジュール1の冷却部2及び回路部9を収納すると共に、前記基板5a及び冷却板10の夫々の外周側面と収納筒体18の内周面との間に隙間S2を形成し、冷却板10の基板5aと反対側の面に立設した放電電極4を収納筒体18の底部18aに形成した電極挿通孔22を通して外部に突出してその放電部4aを収納筒体18の外部に配置し、収納筒体18の開口18c側の端部をペルチェモジュール1の放熱部3に固着して収納筒体18の底部18aと放熱部3とで冷却部2及び回路部9を挟持し、前記冷却板10の放電電極4側の面における放電電極4の周囲部と同部に対向する収納筒体18の底部18aの内面とを接着面35、36として、両接着面35、36を封止用接着剤24を介して接着し、前記冷却板10の外周部は基板5aの外周縁よりもさらに外方に突出して成ることを特徴とするものである。
上記のように冷却部2を構成する基板5a及び冷却板10の夫々の外周側面と収納筒体18の内周面との間に隙間S2を形成し、基板5a及び冷却板10を熱伝導性を有する緩衝材33を介して積層することで、ペルチェモジュール1のON/OFFの切替えにより基板5a及び冷却板10からなる冷却部2が熱変形した際に緩衝材33で基板5aと冷却板10とが一体の剛体となって変形することを防止でき、同時にこの熱変形を隙間S2及び緩衝材33で吸収でき、これにより熱電素子7を備えた回路部にペルチェモジュール1のON/OFFに伴うストレスがかかることを防止して、ペルチェモジュール1の長寿命化を実現できる。さらには冷却板10の外周部を基板5aの外周縁よりもさらに外方に突出することで、両接着面35、36間に介在させた封止用接着剤24が冷却板10の外側にはみ出したとしても、この封止用接着剤24は冷却板10の外周部の基板5a側の面に至ることとなり、これにより冷却側封止用接着剤が基板5aの外周側面に至ることを防止でき、封止用接着剤24により冷却板10と基板5aとが接続されて固定されるという不具合が生じない。
本発明では、ペルチェモジュールのON/OFFの切替えにより基板及び冷却板からなる冷却部が熱変形した際に緩衝材で基板と冷却板とが一体の剛体となって変形することを防止でき、同時にこの熱変形を隙間及び緩衝材で吸収でき、これにより熱電素子を備えた回路部にペルチェモジュールのON/OFFに伴うストレスがかかることを防止して、ペルチェモジュールの長寿命化を実現できる。さらには収納筒体の底部と冷却板の間の封止用接着剤が冷却板の外側にはみ出して基板の外周側面に至ることを防止でき、封止用接着剤により冷却板と基板とが接続されて固定されるという不具合が生じない。
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基づいて説明する。図1に示す本例の静電霧化装置は、熱電素子7を備えた回路部9を冷却部2と放熱部3とで挟持して成るペルチェモジュール1を用いたもので、冷却部2に放電電極4を接続して冷却自在としている。
ペルチェモジュール1は、絶縁性で且つ熱伝導率の高い材料(例えばアルミナや窒化アルミニウム)から成り片面側に電気回路6を形成してある一対の平板状の基板5を、互いの電気回路6側が向い合うように対向させ、少なくとも1対(例えば8対)列設してあるBiTe系の熱電素子7を両基板5間で挟持すると共に、隣接する熱電素子7同士が両側の電気回路6で電気的に接続されるように半田付けし、図示しないペルチェ入力回路線を介して為される熱電素子7への通電によって一方の基板5(これが冷却側の基板5aとなる)から他方の基板5(これが放熱側の基板5bとなる)に向けて熱が移動するように設けている。即ち、上記ペルチェモジュール1の回路部9は両側の電気回路6及び熱電素子7で形成されている。
ペルチェモジュール1の冷却部2は、冷却側の基板5aと、基板5aの電気回路6を設けてある側と反対側の面に緩衝材33を挟んだ状態で積層してある冷却板10との二層構造で形成され、基板5aと、冷却板10は平面視で重複し、夫々の外周側面が面一となっている。ここで用いる緩衝材33は、流動性及び熱伝導性を有してゲル状(半固体状)のもの、又は柔軟性及び熱伝導性を有する固体状のものが用いられ、本例では緩衝材33として基板5aや冷却板10よりも線膨張係数が小さいグリースを用いている。冷却板10としては絶縁性で且つ熱伝導率の高い耐電圧用材料(例えばアルミナや窒化アルミニウム)が用いられる。冷却板10の基板5aと反対側の面はその中央部を接合部37としてあり、この接合部37に放電電極4の基端面を接着させることで放電電極4を冷却部2上に立設させている。ここで用いる接着剤は熱伝導率の高いものである。また同じく冷却板10の基板5aと反対側の面の前記接合部37の外側に位置する外周部を後述の収納筒体18の底部18aの内面に接着される接着面35としている。
ペルチェモジュール1の放熱部3は、放熱側の基板5bと、基板5bの電気回路6を設けてある側と反対側の面に熱伝導性膜(例えば熱伝導性グリースや、熱伝導性シート、熱伝導性接着剤等)を挟んだ状態で積層してある放熱フィン11とで形成されている。放熱フィン11としては例えばアルミニウムのような熱伝導率の高い材料が用いられる。なお同様の材料を用いて放熱フィン11を板状に(即ち放熱板として)形成してあっても構わない。
放電電極4は電気伝導率及び熱伝導率の高い材料(例えばアルミニウムや銅系の合金)を用いて形成したものであり、細長い円柱状の主体部の先端に鋭く尖った放電部4aを形成している。また放電電極4の主体部の放電部4aと反対側の基端には主体部よりも大径となった大径部4bを形成してあり、該大径部4bの放電部4aと反対側の面を前記冷却板10の接合部37に接着している。なお放電電極4の表面にはAuやNi等の表面処理が施してあっても良い。
放熱部3は平面視で冷却部2よりも大きく、基板5b及び放熱フィン11の夫々の外周部は基板5aや冷却板10よりも外側に突出している。放熱部3の回路部9を挟む側の面(即ち放熱側の基板5bの電気回路6を設けてある側の面)の前記冷却部2よりも外方に突出した外周部には、収納筒体18の開口18c側の端部を接着剤を用いて固着している。この収納筒体18と放熱部3とで囲まれる密閉空間S1内に冷却部2や回路部9が収容される構造であり、以下、この構造について詳述する。
収納筒体18は例えばLCP樹脂やPBT樹脂のような絶縁性であり且つ遮水性の高い樹脂で一体成形したものであり、底部18aの中央には放電電極4の主体部と略同径の電極挿通孔22を厚み方向に貫設している。また収納筒体18の底部18aの内面において前記冷却板10の接着面35に対応する部分を接着面36としている。また同じく収納筒体18の底部18aの内面において前記接着面36の隣接する箇所には接着剤逃がし用凹所38を形成している。本例では接着剤逃がし用凹所38として、収納筒体18の底部18aの内面中央部に凹部38aを形成してあり、該凹部38aは底部18aにおいて接着面36の内側に位置している。
上記収納筒体18を開口18c側から被せて該収納筒体18内にペルチェモジュール1の冷却部2や回路部9を収容すると共に、収納筒体18の底部18aの電極挿通孔22に放電電極4の主体部を挿通させてその先端側を収納筒体18(密閉空間S1)外に突出させ、該放電電極4の放電部4aを収納筒体18の外部に配置する。そしてこの状態で、収納筒体18の底部18aの接着面36と該接着面36に対向する冷却板10の接着面35同士を冷却側封止用接着剤24を介して接着させ、且つ放熱部3の基板5bの外周部と同部に対向する収納筒体18の開口18c側の端面を放熱側封止用接着剤25を介して接着させる。これにより収納筒体18の開口18c側の端面と放熱部3の間、収納筒体18の底部18aと冷却板10の間は共に封止用接着剤24、25によって完全に封止されて、収納筒体18とペルチェモジュール1の放熱部3で囲まれた密閉空間S1が形成され、この密閉空間S1内にペルチェモジュール1の冷却部2や回路部9が封止状態で収納される。従って収納筒体18と放熱部3との間に形成される密閉空間S1内に冷却部2と回路部9を収容でき、放電電極4上に生成された水や湿気等が回路部9にまで浸入して短絡を生じる等の不具合が防止されるようになっている。またこの状態では、放電電極4の大径部4bが凹部38aの周側面よりも内側に収容され、封止用接着剤24が充填される両接着面35、36間が凹部38a内に連通し、且つ放電電極4の大径部4bの冷却板10とは反対側の面と、同面と対向する凹部38aの底面との間には隙間が形成される。なお上記冷却側封止用接着剤24及び放熱側封止用接着剤25は絶縁性であり且つ遮水性の高いエポキシ樹脂等の熱硬化性接着剤にて構成する。また上記収納筒体18と放熱部3は放熱側封止用接着剤25とねじのような固着具とで固着しても良い。
また上記放電電極13の先端側に所定距離離れた位置には電気伝導率の高い金属材料を用いてリング状に形成した対向電極13を配設してある。対向電極13は高電圧印加部15を介して放電電極4に接続してあり、放電電極4に高電圧を印加できるようにしてある。
上記構成から成る静電霧化装置においては、ペルチェ入力回路線を通じて熱電素子7への通電を行うことで、ペルチェモジュール1の冷却部2を介して放電電極4自体を冷却し、放電電極4の表面上に空気中の水分を基にして帯電微粒子水の基となる結露水を生成できる。ここで、高電圧印加部15によって放電電極4側がマイナス電極となって電荷が集中するように放電電極4と対向電極13との間に高電圧を印加させると、放電電極4の表面に直接生成されて保持される水を放電部4a側に引き寄せると共に放電部4aで静電霧化現象により霧化させ、ナノメータサイズの粒径で且つ高い電荷を持つ帯電微粒子水を発生させることができる。この帯電微粒子水は、リング状をなす対向電極13の中央孔13aを通過して静電霧化装置の外部へと放出されるものである。
また上記静電霧化装置においては、冷却部2を構成する基板5a及び冷却板10の夫々の外周側面と収納筒体18の内周面との間に隙間S2を形成し、また基板5a及び冷却板10を熱伝導性を有する緩衝材33を介して積層したので、ペルチェモジュール1のON/OFFの切替えにより基板5a及び冷却板10からなる冷却部2が熱変形した際に緩衝材33で基板5aと冷却板10とが一体の剛体となって変形することを防止でき、同時にこの熱変形を隙間S2及び緩衝材33で吸収できる。
さらには既述したように収納筒体18の底部18aの内面の接着面36に隣接する箇所に両接着面35、36間に連通する凹部38a(接着剤逃がし用凹所38)を形成したので、図1のように両接着面35、36間に介在させた封止用接着剤24を連通する凹部38a(接着剤逃がし用凹所38)に逃がすことが可能となり、これにより収納筒体18の底部18aと冷却板10の間の冷却側封止用接着剤24が冷却板10の外側にはみ出して基板5aの外周側面に至ることを防止でき、封止用接着剤24により冷却板10と基板5aとが接続されて固定されるという不具合が生じない。
次に、本発明の実施形態における他例の静電霧化装置を図2に基づいて説明する。なお本例の構成のうち上記した一例の構成と同様の構成については同一符号を付して詳しい説明を省略し、特徴的な構成についてのみ異符合を付して以下に詳述する。
本例の静電霧化装置では、収納筒体18の電極挿通孔22の径を放電電極4の大径部4bの外径と略同じとし、大径部4bの基板5aと反対側の部分を電極挿通孔22内に収納して電極挿通孔22を塞いでいる。また冷却板10の接着面35は冷却板10の外周縁よりもやや内側に控えた部分とし、これに対向する収納筒体18の接着面36は電極挿通孔22を形成した底部18aの内周縁部としている。また着剤逃がし用凹所38として底部18aの外周部に凹溝38bを形成してあり、該凹溝38bは底部18aにおいて接着面36の外側に位置している。
このように接着剤逃がし用凹所38として凹溝38bを形成することで、図2のように両接着面35、36間に介在させた冷却側封止用接着剤24を連通する凹溝38b(接着剤逃がし用凹所38)に逃がすことが可能となり、前述した一例と同様、収納筒体18の底部18aと冷却板10の間の冷却側封止用接着剤24が冷却板10の外側にはみ出して基板5aの外周側面に至ることを防止でき、冷却側封止用接着剤24により冷却板10と基板5aとが接続されて固定されるという不具合が生じない。
次に本発明の実施形態における更に他例の静電霧化装置を図3に基づいて説明する。なお本例の構成のうち上記した一例の構成と同様の構成については同一符号を付して詳しい説明を省略し、特徴的な構成についてのみ異符合を付して以下に詳述する。
本例の静電霧化装置では、収納筒体18の電極挿通孔22の径を放電電極4の大径部4bの外径と略同じとし、大径部4bの基板5aと反対側の部分を電極挿通孔22内に挿入して電極挿通孔22を塞いでいる。また接着剤逃がし用凹所38は形成せず、収納筒体18の底部18aの内面は段差のないフラットな面としている。そして冷却側封止用接着剤24により冷却板10と基板5aが接続されることを防止する構造として、冷却板10の外周部を基板5aの外周縁よりもさらに外方に突出している。従って図3のように両接着面35、36間に介在させた冷却側封止用接着剤24が冷却板10の外側にはみ出したとしても、この冷却側封止用接着剤24は冷却板10の外周部の基板5a側の面に至ることとなり、これにより冷却側封止用接着剤が基板5aの外周側面に至ることを防止でき、冷却側封止用接着剤24により冷却板10と基板5aとが接続されて固定されることを防止できる。
本発明の実施形態の一例の静電霧化装置の説明図である。 他例の静電霧化装置の説明図である。 更に他例の静電霧化装置の説明図である。 従来の静電霧化装置の説明図である。
符号の説明
1 ペルチェモジュール
2 冷却部
3 放熱部
4 放電電極
5a 基板
7 熱電素子
9 回路部
10 冷却板
18 収納筒体
18a 底部
24 封止用接着剤
33 緩衝材
35 接着面
36 接着面
38 接着剤逃がし用凹所

Claims (2)

  1. 熱電素子を備えた回路部を冷却部及び放熱部で挟持してなるペルチェモジュールと、放電電極を具備し、冷却部により放電電極を冷却することで空気中の水分を基に放電電極の表面に結露水を生成し、該放電電極に高電圧を印加することで前記結露水を放電電極の放電部で霧化させる静電霧化装置において、前記冷却部を、回路部側の基板と、基板の回路部とは反対側を向く面に熱伝導性を有する緩衝材を介して積層した冷却板とで構成し、有底筒状の収納筒体にペルチェモジュールの冷却部及び回路部を収納すると共に、冷却部を構成する基板及び冷却板の夫々の外周側面と収納筒体の内周面との間に隙間を形成し、冷却板の基板と反対側の面に立設した放電電極を収納筒体の底部に形成した電極挿通孔を通して外部に突出してその放電部を収納筒体の外部に配置し、収納筒体の開口側の端部をペルチェモジュールの放熱部に固着して収納筒体の底部と放熱部とで冷却部及び回路部を挟持すると共に、前記冷却板の放電電極側の面における放電電極の周囲部と同部に対向する収納筒体の底部の内面とを接着面として、両接着面を封止用接着剤を介して接着し、前記収納筒体の底部の内面の接着面に隣接する箇所に前記両接着面間に連通する接着剤逃がし用凹所を形成して成ることを特徴とする静電霧化装置。
  2. 熱電素子を備えた回路部を冷却部及び放熱部で挟持してなるペルチェモジュールと、放電電極を具備し、冷却部により放電電極を冷却することで空気中の水分を基に放電電極の表面に結露水を生成し、該放電電極に高電圧を印加することで前記結露水を放電電極の放電部で霧化させる静電霧化装置において、前記冷却部を、回路部側の基板と、基板の回路部とは反対側を向く面に熱伝導性を有する緩衝材を介して積層した冷却板とで構成し、有底筒状の収納筒体にペルチェモジュールの冷却部及び回路部を収納すると共に、前記基板及び冷却板の夫々の外周側面と収納筒体の内周面との間に隙間を形成し、冷却板の基板と反対側の面に立設した放電電極を収納筒体の底部に形成した電極挿通孔を通して外部に突出してその放電部を収納筒体の外部に配置し、収納筒体の開口側の端部をペルチェモジュールの放熱部に固着して収納筒体の底部と放熱部とで冷却部及び回路部を挟持し、前記冷却板の放電電極側の面における放電電極の周囲部と同部に対向する収納筒体の底部の内面とを接着面として、両接着面を封止用接着剤を介して接着し、前記冷却板の外周部は基板の外周縁よりもさらに外方に突出して成ることを特徴とする静電霧化装置。
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