JP2006080326A - 熱電装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 熱応力の発生を低減させることにより、耐久性を向上させることのできる熱電装置を提供すること。
【解決手段】 熱電装置10を熱電モジュール11とヒートシンク材12とで構成した。熱電モジュール11は、対向させて配置した下側絶縁基板13と、分割絶縁基板14a等からなる上側絶縁基板14との対向面の所定箇所に下部電極15,15aおよび上部電極16をそれぞれ取り付け、下部電極15,15aおよび上部電極16にそれぞれ熱電素子17の端面を接合することにより形成した。そして、ヒートシンク材12における分割絶縁基板14a等に対向する面に溝部12aを形成して、このヒートシンク材を、エポキシ系接着剤19を介して分割絶縁基板14a等に接合した。また、ヒートシンク材12の溝部12aは、分割絶縁基板14a等の隙間14eに沿わせて形成した。
【選択図】 図1

Description

本発明は、熱電変換を行う熱電モジュールを備えた熱電装置に関する。
従来から、ペルチェ効果またはゼーベック効果等を利用して熱変換を行ったり、発電を行ったりする熱電モジュールが加熱・冷却装置や発電装置等に用いられている(例えば、特許文献1参照)。この熱電モジュールは、一対の絶縁基板における相対向する内側の面の所定箇所に複数の電極を形成し、この相対向する電極にそれぞれ熱電素子の上下の端面をハンダ付けすることにより、一対の絶縁基板間に複数の熱電素子を固定して構成されている。また、この熱電モジュールでは、一対の絶縁基板のうちの一方の絶縁基板は、切断された2個のもので構成されている。これにより、一対の絶縁基板間の熱膨張差が吸収されて、熱電モジュールの破壊が防止され、耐久性が向上する。
実開昭59−91765号公報
前述した熱電モジュールは、通常一対の絶縁基板の外面(下側の絶縁基板の下面と上側の絶縁基板の上面)に、グリスを介してヒートシンク材が接した状態で所定の機器に組み付けられる。しかしながら、グリスは、熱伝導性が低いため、絶縁基板とヒートシンク材との境界面で熱抵抗が大きくなってしまう。この結果、熱電モジュールの駆動効率が低下し、消費電力が大きくなってしまうという問題が生じている。また、熱電モジュールとヒートシンク材とが固定されていないため、熱電モジュールを所定の機器に実装する際に取り付けのために要する部材の点数が多くなり、組み立てが面倒になるという問題も生じている。
本発明は、前述した問題に対処するためになされたもので、その目的は、熱応力の発生を低減させることにより、耐久性を向上させることのできる熱電装置を提供することである。
前述した目的を達成するため、本発明に係る熱電装置の構成上の特徴は、対向させて配置した一対の絶縁基板における対向する両面の所定箇所に電極を形成し、対向する電極にそれぞれ熱電素子の端面を接合することにより、一対の絶縁基板間に電極と熱電素子とを接続した状態で配置して構成される熱電モジュールを備えた熱電装置であって、一対の絶縁基板のうちの少なくとも一方の絶縁基板を、電極と熱電素子とを接続した状態を維持したまま分割して複数の分割絶縁基板にするとともに、複数の分割絶縁基板の外側の面に対向する面に溝部が形成されたヒートシンク材を、熱伝導性を有する接合材を介して複数の分割絶縁基板に接合したことにある。
本発明に係る熱電装置では、一対の絶縁基板のうちの少なくとも一方の絶縁基板を分割して複数の分割絶縁基板にするとともに、ヒートシンク材における分割絶縁基板に対向する部分に溝部を形成して、熱電モジュールにヒートシンク材を接合している。このため、一対の絶縁基板間の温度差により、一方の絶縁基板に膨張が生じ、他方の絶縁基板に収縮が生じても、複数の分割基板間によって温度差による膨張・収縮の差が吸収され、絶縁基板や熱電素子等が破壊することが防止される。
また、ヒートシンク材は、接合材を介して複数の分割基板に接合されるが、ヒートシンク材における分割絶縁基板に接合される面には溝部が形成されているため、ヒートシンク材も溝部によって、分割絶縁基板と同様、温度差による膨張・収縮の差を吸収される。このため、熱電モジュールやヒートシンク材自身の破壊が防止される。また、接合材が熱伝導性を有するため、絶縁基板とヒートシンク材との境界面での熱抵抗が小さくなり、熱電装置の駆動効率が低下したり、消費電力が大きくなったりすることを防止できる。さらに、熱電モジュールとヒートシンク材とが固定されているため、熱電装置を所定の機器に実装する際の組み立てが容易になる。
また、本発明に係る熱電装置の他の構成上の特徴は、複数の分割絶縁基板間に隙間を設け、ヒートシンク材の溝部を隙間に沿わせて形成したことにある。これによると、各分割絶縁基板と、ヒートシンク材における溝部によって分割された各部分とが一体となって、膨張したり収縮したりするようになるため、温度差によって熱電装置が破壊されることを確実に防止できる。
また、本発明に係る熱電装置のさらに他の構成上の特徴は、複数の分割絶縁基板間の隙間の幅と、溝部の幅とを略等しい長さに設定したことにある。これによると、分割絶縁基板間の隙間とヒートシンク材に形成される溝部との幅が略等しくなるため、温度差による膨張・収縮をより効果的に吸収することができる。これによって、熱電装置の耐久性をさらに向上させることができる。
また、本発明に係る熱電装置のさらに他の構成上の特徴は、溝部を、ヒートシンク材における複数の分割絶縁基板と反対側の面まで貫通するように形成して、ヒートシンク材を複数の分割ヒートシンク材にしたことにある。これによると、各分割ヒートシンク材が相互に移動可能になるため、温度差による膨張・収縮をより効果的に吸収できるとともに、ヒートシンク材に反りが生じることを防止できる。このため、熱電装置の破壊がさらに確実に防止され、熱電装置の耐久性が向上する。
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態を図面を用いて説明する。図1は、本実施形態に係る熱電装置10を示している。この熱電装置10は、熱電モジュール11とヒートシンク材12とで構成されており、熱電モジュール11は、アルミナからなる四角板状の下側絶縁基板13と上側絶縁基板14とからなる一対の絶縁基板を備えている。上側絶縁基板14は、左右前後各4列に分割された16枚の分割絶縁基板14a,14b,14c,14d等(図3参照)で構成されており、全体形状が下側絶縁基板13と略同形の四角板状に形成されている。また、分割絶縁基板14a等のそれぞれの境界部分には、所定の幅の隙間14eが形成されている。
また、下側絶縁基板13の上面には一定間隔を保って複数の下部電極15,15a(図2参照)が取り付けられ、上側絶縁基板14の下面に一定間隔を保って複数の上部電極16が取り付けられている。そして、直方体に形成されたビスマス・テルル系の合金からなる複数の熱電素子17が、それぞれ下端面を下部電極15,15aにハンダ付けにより固定され、上端面を上部電極16に図示しないハンダにより固定されて下側絶縁基板13と上側絶縁基板14を一体的に連結している。
図2は、下部電極15,15aと熱電素子17とが取り付けられた下側絶縁基板13を上方から見た状態を示している。図示のように、下部電極15は、一定間隔で配置された熱電素子17のうちの2個の熱電素子17が配置された位置にかかる長さの長方形に形成されており、下部電極15aは、3個の熱電素子17が配置される位置にかかるだけの長さの長方形に形成されている。そして、下側絶縁基板13の上面における四隅の角のうちの図1および図2における手前両側に位置する2箇所の角部近傍に下部電極15aが長手方向を前後方向に向けて取り付けられ、下側絶縁基板13の上面におけるその他の部分には下部電極15が取り付けられている。
下部電極15のうちの最前列および最後列(図1および図2の状態で)に配置される下部電極15は、長手方向を左右方向に向けて取り付けられ、その他の部分(下部電極15aが取り付けられた部分も除く。)に配置される下部電極15は、長手方向を前後方向に向けた状態で取り付けられている。そして、すべての下部電極15の上面両側部分にそれぞれ熱電素子17の下面が接合され、2個の下部電極15aの上面後端側部分には、それぞれ1個の熱電素子17の下面が接合されている。また、下部電極15aの上面前端側部分には、それぞれリード線18a,18bが接続されて外部から通電可能になっている。
また、上部電極16は、すべて下部電極15と同形の長方形に形成されており、それぞれ下部電極15に対して熱電素子17の略1個分の配置場所に等しい距離をずらして上側絶縁基板14の下面に取り付けられている。そして、熱電素子17の上端面は、各熱電素子17、下部電極15,15aおよび上部電極16が直列に接続されるようにして、各上部電極16の両側部分にそれぞれ接合されている。すなわち、図3は、上部電極16と熱電素子17とが取り付けられた上側絶縁基板14を上方から見た状態を示しており、図示のように、上部電極16は、すべて長手方向を前後方向に向けた状態で上側絶縁基板14の下面に取り付けられている。このため、リード線18a,18b間は、熱電素子17等を介して直列状態で接続される。
ヒートシンク材12は、四角板状のアルミニウムで構成されており、図4(a),(b),(c)に示したように、下面に、ヒートシンク材12を左右前後各4列に分割するように溝部12aが格子状に形成されている。この溝部12aの間隔および幅は、上側絶縁基板14を構成する分割絶縁基板14a等の間隔および隙間14eと略同じに設定されている。そして、このヒートシンク材12の下面は、エポキシ系接着剤19を介して上側絶縁基板14の上面に固定されている。また、図4(a)における二点鎖線は、上側絶縁基板14を示しており、熱電モジュール11とヒートシンク材12との大きさを比較するために示している。
なお、熱電モジュール11は、縦横の長さがそれぞれ40mmで、高さが3.2mmに設定され、熱電素子17は、上下の端面における縦横の幅がともに、1.8mmに設定され、高さが1.3mmに設定されている。また、この熱電素子17は、P型熱電素子とN型熱電素子とで構成されており、P型熱電素子とN型熱電素子とが交互に配置されている。この熱電モジュール11では、熱電素子17は、隣り合った1個のP型熱電素子と1個のN型熱電素子とを1対として128対で構成されている。また、P型熱電素子とN型熱電素子とは、ともにビスマス・テルル系の合金からなっているが組成は多少異なっている。ヒートシンク材12は、縦横の長さがそれぞれ37.9mmで高さが10mmに設定されている。また、溝部12aの幅は、0.5mm、深さは9mmに設定され、溝部12a間に位置するヒートシンク材12の各部分の長さは、それぞれ9.1mmに設定されている。
このように構成された熱電装置10は、所定の機器内に設置されて、例えば、熱電気変換装置として使用される。すなわち、リード線18a,18bの端部を電源に接続して、熱電装置10に電力を供給すると、熱電装置10の一方の面、例えば、下側絶縁基板13には発熱が生じて下側絶縁基板13側は加熱され、上側絶縁基板14には吸熱が生じて上側絶縁基板14側は冷却される。
つぎに、以上のように構成した熱電装置10と、図5に示した比較例による熱電装置20とに対してパワーサイクルテストを行った結果について説明する。熱電装置20は、図1に示した熱電モジュール11と同一の熱電モジュール21とヒートシンク材22とで構成されている。そして、ヒートシンク材22は、図6(a),(b),(c)に示したように、溝部が形成されてない四角板状のアルミニウムで構成されている。この熱電装置20のそれ以外の部分の構成については、前述した熱電装置10と同一である。したがって、同一部分に同一符号を記している。
パワーサイクルテストは、熱電装置10,20を、表面にグリスを塗布した銅製の台(図示せず)上に設置し、台の温度を80℃に保持した状態で行った。そして、その間、熱電装置10,20に、最大電流である7.4アンペアの電流を、5分間流したのちに5分間停止させる操作を繰り返し、そのパワーサイクルテストを所定回数繰り返したときの熱電装置10,20の電気抵抗変化率を比較した。その結果を図7に示している。図7では、熱電装置10のデータを実線aで示し、熱電装置20のデータを実線bで示した。
図7に示したように、サイクル数が1000回以下では、熱電装置10,20の電気抵抗変化率に大きな変化は見られないが、熱電装置20の電気抵抗変化率は、熱電装置10の電気抵抗変化率よりも大きな値を示した。また、サイクル数が2000回に達したときには、熱電装置20の電気抵抗変化率と、熱電装置10の電気抵抗変化率との間に大きな差が生じ始めた。すなわち、熱電装置10の電気抵抗変化率が、3%程度(推定)であるのに対し、熱電装置20の電気抵抗変化率は、5%程度まで大きくなった。
さらに、サイクル数が3000回に達したときには、熱電装置20の電気抵抗変化率と、熱電装置10の電気抵抗変化率との間にさらに大きな差が生じた。すなわち、この状態では熱電装置10の電気抵抗変化率が、まだ4%程度であるのに対し、熱電装置20の電気抵抗変化率は、15%程度まで大きくなった。ここで、このテストの条件下における熱電装置の電気抵抗変化率の限界値を、例えば、10%としておく。これによると、熱電装置20は、サイクル数が2500回以上で使用可能な範囲を超えてしまっていると判断できる。
また、熱電装置10の電気抵抗変化率は、サイクル数が5000回に達しても5%であった。この結果から、溝部12aが形成されたヒートシンク材12を用いた熱電装置10の方が、溝部のないヒートシンク材22を用いた熱電装置20よりも耐久性が大幅に高くなることがわかる。なお、熱電装置10等の電気抵抗は、初期の段階から、使用や高温加熱等による劣化にしたがって徐々に高くなるように変化していく。したがって、長時間の使用によっても、電気抵抗に変化が生じない、または変化の少ない熱電装置ほど耐久性の優れたものである。
(第2実施形態)
図8(a),(b),(c)は、本発明の第2実施形態に係る熱電装置が備えるヒートシンク材32を示している。このヒートシンク材32では、下面に形成された溝部32aが、ヒートシンク材32を左右前後各8列に分割するように格子状に形成されている。このヒートシンク材32のそれ以外の部分の構成については、前述したヒートシンク材12と同一である。また、本実施形態に係る熱電装置が備える熱電モジュールは、前述した熱電モジュール11と同一のものである。なお、図8(a)における二点鎖線は、上側絶縁基板14を示している。
この熱電装置を用いて前述したパワーサイクルテストと同じパワーサイクルテストを行った。その結果、サイクル数が5000回に達したときの電気抵抗変化率は、4.5%であった。この結果から、上側絶縁基板14の分割数よりも、ヒートシンク材32の分割数を多くすることにより、熱電装置の耐久性はさらに向上することが分かる。すなわち、本実施形態に係る熱電装置では、第1実施形態におけるヒートシンク材12の分割数が16であるのに対して、ヒートシンク材32の分割数を64にすることにより、サイクル数が5000回のときの電気抵抗変化率を、熱電装置10よりも0.5%減少させることができた。
(第3実施形態)
図9(a),(b),(c)は、本発明の第3実施形態に係る熱電装置が備えるヒートシンク材42を示している。このヒートシンク材42では、下面に形成された溝部42aが、ヒートシンク材42を左右前後各2列に分割するように形成されている。このヒートシンク材42のそれ以外の部分の構成については、前述したヒートシンク材12と同一である。また、本実施形態に係る熱電装置が備える熱電モジュールは、前述した熱電モジュール11と同一のものである。なお、図9(a)における二点鎖線も、上側絶縁基板14を示している。
この熱電装置を用いて前述したパワーサイクルテストを行った。その結果、サイクル数が5000回に達したときの電気抵抗変化率は、7.5%であった。この結果から、上側絶縁基板14の分割数よりも、ヒートシンク材42の分割数を少なくすることにより、熱電装置の耐久性は徐々に低下していくことが分かる。すなわち、本実施形態に係る熱電装置では、ヒートシンク材12の分割数が16であるのに対して、ヒートシンク材42の分割数を4にしたことによって、サイクル数が5000回のときの電気抵抗変化率が、熱電装置10よりも2.5%上昇した。ただし、この実施形態に係る熱電装置でも、図5に示した比較例による熱電装置20と比較すると、耐久性は大幅に向上されており、良好な状態での使用が可能である。
(第4実施形態)
図10(a),(b),(c)は、本発明の第4実施形態に係る熱電装置が備えるヒートシンク材52を示している。このヒートシンク材52の上面には、下部側が先細りになった円錐形の穴部51が、左右前後に等間隔で各8列設けられている。そして、ヒートシンク材52の下面には、ヒートシンク材12の溝部12aと同一の溝部52aが形成されている。このヒートシンク材52のそれ以外の部分の構成については、前述したヒートシンク材12と同一である。
また、本実施形態に係る熱電装置が備える熱電モジュールは、前述した熱電モジュール11と同一のものである。なお、図10(a)における二点鎖線も、上側絶縁基板14を示している。この熱電装置では、穴部51に、被冷却物、例えば、DNA増幅液等を容器に充填し、その充填した容器をセットした状態で、熱電装置を作動させることができる。これによると、被冷却物を効率よく冷却できる。この実施形態のそれ以外の作用効果については、前述した熱電装置10と同様である。
(第5実施形態)
図11(a),(b),(c)は、本発明の第5実施形態に係る熱電装置が備えるヒートシンク材62を示している。このヒートシンク材62では、ヒートシンク材62を構成する部分が切断により完全に分割されて、16個の分割ヒートシンク材62aで構成されている。そして、各分割ヒートシンク材62aは、溝部12aと同じ幅の間隔を保って配置されている。このヒートシンク材62のそれ以外の構成については、前述したヒートシンク材12と同一である。また、本実施形態に係る熱電装置が備える熱電モジュールは、前述した熱電モジュール11と同一のものである。なお、図11(a)における二点鎖線も、上側絶縁基板14を示している。
この熱電装置を用いて前述したパワーサイクルテストを行った。その結果、サイクル数が5000回に達したときの電気抵抗変化率は、3%であった。この結果から、ヒートシンク材62を完全に分割することにより、各分割絶縁基板14a等と、それに対応する分割ヒートシンク材62aとが一体となって移動可能になるため熱応力が大幅に減少し、熱電装置の耐久性がさらに向上することが分かる。この実施形態のそれ以外の作用効果については、前述した熱電装置10と同様である。
(第6実施形態)
図12(a),(b),(c)は、本発明の第6実施形態に係る熱電装置が備えるヒートシンク材72を示している。このヒートシンク材72は、16個に分割された各分割ヒートシンク材72aの上面を、厚み0.03mmのポリイミド樹脂71で接合することにより一体化して構成されている。このヒートシンク材72のそれ以外の部分の構成については、前述したヒートシンク材62と同一である。また、本実施形態に係る熱電装置が備える熱電モジュールは、前述した熱電モジュール11と同一のものである。なお、図12(a)における二点鎖線も、上側絶縁基板14を示している。
この熱電装置では、分割ヒートシンク材72aがポリイミド樹脂71によって一体的に接合されているため、ヒートシンク材62を備えた熱電装置と比較して、熱電モジュールとヒートシンク材72との接合が容易になる。また、この熱電装置においては、熱電モジュールとヒートシンク材72とを接合させたのちに、ポリイミド樹脂71を除去することもできる。この実施形態のそれ以外の作用効果については、前述した熱電装置10と同様である。
(第7実施形態)
図13は、本発明の第7実施形態に係る熱電装置80を示している。この熱電装置80は、熱電モジュール81と、ヒートシンク材82と、下部ヒートシンク材88とで構成されている。そして、この熱電装置80では、上側絶縁基板84だけでなく、熱電モジュール81の下側絶縁基板83も所定の個数の分割絶縁基板に分割されており、その下面にエポキシ系接着剤89を介して、下部ヒートシンク材88が固定されている。
下側絶縁基板83における各分割絶縁基板間の隙間83eは、上側絶縁基板84の隙間84eに対して、2個の熱電素子87が配置されたスペース分だけ位置をずらして形成されている。そして、下部ヒートシンク材88の上面における下側絶縁基板83の隙間83eに対向する部分には、溝部88aが形成されている。溝部88aの深さや幅は、ヒートシンク材82の溝部82aと同じ大きさに設定されている。また、下部電極85は、各熱電素子87および上部電極86とともに接続されるようにして、下側絶縁基板83の上面に固定されている。この熱電装置80のそれ以外の部分の構成については、前述した熱電装置10と同一である。したがって、同一部分に同一符号を記して説明は省略する。
このように構成したため、上側絶縁基板84だけでなく、下側絶縁基板83を構成する各部分も移動可能になる。これによって、熱電装置80の破壊防止がさらに確実になり、熱電装置80の耐久性が向上する。また、この場合、熱電装置80を所定の機器に取り付ける際に、下部ヒートシンク材88をスペーサとして用いることができる。これによって、別途、スペーサを容易する必要がなくなり、部品点数が減少するとともに、熱電装置80の取り付けが容易になる。この熱電装置80のそれ以外の作用効果については、前述した熱電装置10と同様である。
(第8実施形態)
図14は、本発明の第8実施形態に係る熱電装置90を示している。この熱電装置90では、ヒートシンク材92が、切断によって完全に分割されて複数個の分割ヒートシンク材92aで構成されている。同様に、下部ヒートシンク材98も、切断によって完全に分割されて複数個の分割下部ヒートシンク材98aで構成されている。この熱電装置90のそれ以外の部分の構成については、前述した熱電装置80と同一である。したがって、同一部分に同一符合を記している。
この熱電装置90によると、各分割絶縁基板14a等と、それに対応する分割ヒートシンク材92aとが一体となって移動可能になるとともに、下側絶縁基板83を構成する各絶縁基板と、それに対応する分割下部ヒートシンク材98aとが一体となって移動可能になる。このため熱電装置90を構成する各部分が、膨張・収縮を吸収するように移動できるようになって熱電装置90に発生する熱応力が大幅に減少する。この結果、熱電装置90の耐久性は大幅に向上する。この熱電装置90のそれ以外の作用効果については、前述した熱電装置80と同様である。
また、本発明に係る熱電装置は、前述した各実施形態に限定するものでなく、適宜変更して実施することができる。例えば、下側絶縁基板13等や上側絶縁基板14等の分割数や切断箇所等は、熱電装置の使用条件等に応じて変更することができる。また、同様に、ヒートシンク材12等や下部ヒートシンク材88等に設ける溝部や切断部等も、使用条件等に応じて適宜変更することができる。さらに、熱電装置を構成する各部分の形状、大きさ、材質等についても本発明の技術的範囲内で変更が可能である。例えば、下側絶縁基板13等や上側絶縁基板14等を構成する材料は、アルミナに限定されず、窒化アルミ、炭化珪素、窒化珪素、表面が絶縁処理されたアルミニウムなどの金属基板等で構成してもよい。
また、ヒートシンク材12等や下部ヒートシンク材88等を構成する材料は、アルミニウムに限定されるものでなく、アルミニウム合金、銅、銅合金など、熱伝導率の大きな材質のものであれば使用することができる。さらに、熱電モジュール11等と、ヒートシンク材12等や下部ヒートシンク材88等とを接合する接合材としても、エポキシ系接着剤19等に限定されず、他系の接着剤やフィラーを含む接着剤を用いてもよい。また、ハンダやろうを用いてもよい。
さらに、複数の分割絶縁基板14a等の隙間の幅と、ヒートシンク材12等の溝部12a等の幅は、等しいことが、熱抵抗を下げ、かつ熱応力を緩和するという点では好ましい。ただし、接合材として接着剤を使用する場合等は、どちらかの隙間の幅を小さくすることが、接合の際に、余った接着剤の逃げ場を確保できることから好ましい。特に、電気伝導性の接着剤を使用する場合は、この接着剤による電気的短絡は絶対に避けなくてはいけないので、接合の際に、余った接着剤の逃げ場を確保することは極めて重要である。また、上部電極16等、熱電素子17等、下部電極15等は、通常電気的に直列に接続されるが、これに限定されるものでなく、並列に接続されてもよい。
また、下側絶縁基板13等や上側絶縁基板14等の下部電極15等あるいは上部電極15等が固定される面と反対の面、つまり熱電モジュール11等の表面にあたる絶縁基板の面に、薄い銅層が形成されても良い。この際には、この銅層とヒートシンク材12等が接合剤によって接着されることになる。なお、この薄い銅層は、反対側にある電極層とのバランスを取るために形成される。この銅層の存在により、熱電モジュール11等を組み立てるためのハンダ付け工程のような高温においても、表裏に銅層があるため、絶縁基板が大きく反ることがなくなり、熱電モジュール11等の組み立てが容易になる。
本発明の第1実施形態に係る熱電装置を示す正面図である。 図1に示した熱電装置が備える下側絶縁基板に下部電極と熱電素子を取り付けた状態を示す平面図である。 図1に示した熱電装置が備える上側絶縁基板に上部電極と熱電素子を取り付けた状態を示す平面図である。 図1の熱電装置が備えるヒートシンク材を示しており、(a)は平面図、(b)は側面図、(c)は底面図である。 比較例による熱電装置を示す正面図である。 図5の熱電装置が備えるヒートシンク材を示しており、(a)は平面図、(b)は側面図、(c)は底面図である。 パワーサイクルテストの結果を示すグラフである。 第2実施形態に係る熱電装置が備えるヒートシンク材を示しており、(a)は平面図、(b)は側面図、(c)は底面図である。 第3実施形態に係る熱電装置が備えるヒートシンク材を示しており、(a)は平面図、(b)は側面図、(c)は底面図である。 第4実施形態に係る熱電装置が備えるヒートシンク材を示しており、(a)は平面図、(b)は(a)のb−b断面図、(c)は底面図である。 第5実施形態に係る熱電装置が備えるヒートシンク材を示しており、(a)は平面図、(b)は側面図、(c)は底面図である。 第6実施形態に係る熱電装置が備えるヒートシンク材を示しており、(a)は平面図、(b)は側面図、(c)は底面図である。 第7実施形態に係る熱電装置を示す正面図である。 第8実施形態に係る熱電装置を示す正面図である。
符号の説明
10,80,90…熱電装置、11,81…熱電モジュール、12,32,42,52,62,72,82,92…ヒートシンク材、12a,32a,42a,52a,88a…溝部、13,83…下側絶縁基板、14,84…上側絶縁基板、14a,14b,14c,14d…分割絶縁基板、14e,83e…隙間、15,15a,85…下部電極、16,86…上部電極、17,87…熱電素子、19,89…エポキシ系接着剤、62a,72a,92a…分割ヒートシンク材、71…ポリイミド樹脂、88,98…下部ヒートシンク材、98a…分割下部ヒートシンク材

Claims (4)

  1. 対向させて配置した一対の絶縁基板における対向する両面の所定箇所に電極を形成し、前記対向する電極にそれぞれ熱電素子の端面を接合することにより、前記一対の絶縁基板間に前記電極と前記熱電素子とを接続した状態で配置して構成される熱電モジュールを備えた熱電装置であって、
    前記一対の絶縁基板のうちの少なくとも一方の絶縁基板を、前記電極と前記熱電素子とを接続した状態を維持したまま分割して複数の分割絶縁基板にするとともに、前記複数の分割絶縁基板の外側の面に対向する面に溝部が形成されたヒートシンク材を、熱伝導性を有する接合材を介して前記複数の分割絶縁基板に接合したことを特徴とする熱電装置。
  2. 前記複数の分割絶縁基板間に隙間を設け、前記ヒートシンク材の溝部を前記隙間に沿わせて形成した請求項1に記載の熱電装置。
  3. 前記複数の分割絶縁基板間の隙間の幅と、前記溝部の幅とを略等しい長さに設定した請求項2に記載の熱電装置。
  4. 前記溝部を、前記ヒートシンク材における前記複数の分割絶縁基板と反対側の面まで貫通するように形成して、前記ヒートシンク材を複数の分割ヒートシンク材にした請求項1ないし3のうちのいずれか一つに記載の熱電装置。
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