JP2008016598A - 熱電モジュール - Google Patents
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Abstract
【課題】 熱応力の発生を低減させることにより、耐久性を向上させることのできる熱電モジュールを提供すること。
【解決手段】 放熱側絶縁基板11の上面に下部電極13を形成し、吸熱側絶縁基板12の下面に上部電極14を形成し、対向する下部電極13と上部電極14にそれぞれ熱電素子15の端面を接合して熱電モジュール10を構成した。また、下部電極13、上部電極14および熱電素子15に通電することにより吸熱側絶縁基板12が吸熱し、放熱側絶縁基板11が放熱するようにした。そして、放熱側絶縁基板11の外面に切り込み部16を設けた。また、放熱側絶縁基板11の厚みを120〜1000μm、放熱側絶縁基板11における切り込み部16の部分の厚みを10〜100μmに設定した。放熱側絶縁基板11の一辺の長さを10mm以上、切り込み部16の間隔を5〜20mmに設定した。
【選択図】 図1
【解決手段】 放熱側絶縁基板11の上面に下部電極13を形成し、吸熱側絶縁基板12の下面に上部電極14を形成し、対向する下部電極13と上部電極14にそれぞれ熱電素子15の端面を接合して熱電モジュール10を構成した。また、下部電極13、上部電極14および熱電素子15に通電することにより吸熱側絶縁基板12が吸熱し、放熱側絶縁基板11が放熱するようにした。そして、放熱側絶縁基板11の外面に切り込み部16を設けた。また、放熱側絶縁基板11の厚みを120〜1000μm、放熱側絶縁基板11における切り込み部16の部分の厚みを10〜100μmに設定した。放熱側絶縁基板11の一辺の長さを10mm以上、切り込み部16の間隔を5〜20mmに設定した。
【選択図】 図1
Description
本発明は、熱電変換を利用して加熱または冷却を行うための熱電モジュールに関する。
従来から、ペルチェ効果またはゼーベック効果を利用して熱変換を行ったり、発電を行ったりする熱電モジュールが加熱・冷却装置や発電装置等に用いられている(例えば、特許文献1参照)。この熱電装置(熱電モジュール)は、一対の絶縁基板における相対向する内側の面の所定箇所に複数の電極を形成し、この相対向する電極にそれぞれ熱電素子の上下の端面を固着することにより、一対の絶縁基板間に複数の熱電素子を配列して構成されている。また、この熱電装置では、一対の絶縁基板が、石英ガラス、低膨張ガラス、アンバー合金等の線膨張係数の小さな材料で構成されている。これにより、一対の絶縁基板が熱歪によって劣化することが防止されて、熱電装置の破損が防止され、耐久性が向上する。
特開平4−85974号公報
通常、熱電装置に用いられる一対の絶縁基板には、絶縁処理やパターン配線の付与等の処理が行われる。しかしながら、前述した熱電装置では、一対の絶縁基板にこのような処理を施すことが難しく、良好な絶縁基板の作成が困難になるという問題がある。
本発明は、前述した問題に対処するためになされたもので、その目的は、熱応力の発生を低減させることにより、耐久性を向上させることのできる熱電モジュールを提供することである。
前述した目的を達成するため、本発明に係る熱電モジュールの構成上の特徴は、対向させて配置した一対の絶縁基板における対向する両内面の所定箇所に電極を形成し、対向する電極にそれぞれ熱電素子の端面を接合することにより、電極と熱電素子とを接続した状態で一対の絶縁基板間に配置して構成され、電極と熱電素子とに通電することにより一対の絶縁基板のうちの一方の絶縁基板が吸熱し、他方の絶縁基板が放熱する熱電モジュールであって、一対の絶縁基板のうちの放熱側の絶縁基板の外面に線状の切り込み部を設けたことにある。
本発明に係る熱電モジュールでは、一対の絶縁基板のうちの放熱により温度が高くなる放熱側の絶縁基板に線状の切り込み部を設けることにより、放熱側の絶縁基板に熱による歪が生じることを防止している。このため、一対の絶縁基板間の温度差により、放熱側の絶縁基板に膨張が生じ、吸熱側の絶縁基板に収縮が生じても、切り込み部によって温度差による膨張・収縮の差が吸収され、一対の絶縁基板や熱電素子等が破壊することが防止される。また、吸熱側の絶縁基板に生じる収縮は熱電モジュールに破損を生じさせるほど大きなものではないが、吸熱側の絶縁基板にも切り込み部を設けることができる。これによると、さらに、熱電モジュールが破損し難くなる。
また、本発明に係る熱電モジュールの他の構成上の特徴は、放熱側の絶縁基板の内面と外面との間の厚みを120〜1000μmとし、放熱側の絶縁基板における切り込み部を設けた部分の内面から切り込み部の底部までの間の厚みを10〜100μmに設定したことにある。この数値は実験により得られたもので、放熱側の絶縁基板の厚みを120〜1000μmとし、放熱側の絶縁基板における切り込み部を設けた部分の厚みを10〜100μmにすることにより、破損し難い良好な熱電モジュールを得ることができる。なお、放熱側の絶縁基板における切り込み部を設けた部分の内面から切り込み部の底部までの間の厚みは、10〜50μmに設定することがより好ましい。
また、本発明に係る熱電モジュールのさらに他の構成上の特徴は、放熱側の絶縁基板を四角板状に形成し、放熱側の絶縁基板における内面および外面に沿った一辺の長さを10mm以上にするととともに、切り込み部を複数設け隣に位置する切り込み部間の間隔を5〜20mmに設定したことにある。これによると、放熱側の絶縁基板の大きさに適した間隔で切り込み部を設けることができるため、温度差による膨張・収縮をより効果的に吸収することができる。これによって、熱電モジュールの耐久性をさらに向上させることができる。なお、この場合の切り込み部の間隔は5〜10mmに設定することがさらに好ましい。
以下、本発明の一実施形態を図面を用いて説明する。図1は、本実施形態に係る熱電モジュール10を示している。この熱電モジュール10は、アルミナからなる四角板状の放熱側絶縁基板11と吸熱側絶縁基板12とからなる一対の絶縁基板を備えている。放熱側絶縁基板11の上面(内面)には一定間隔を保って複数の下部電極13が取り付けられ、吸熱側絶縁基板12の下面(内面)に一定間隔を保って複数の上部電極14が取り付けられている。
そして、直方体に形成されたビスマス・テルル系の合金からなる複数の熱電素子15が、それぞれ下端面を下部電極13にハンダ付けにより固定され、上端面を上部電極14にハンダ付けにより固定されて放熱側絶縁基板11と吸熱側絶縁基板12を一体的に連結している。また、放熱側絶縁基板11の下面(外面)には、一定間隔を保って、線状の切り込み部16が形成されている。この切り込み部16は、図2に示したように、縦横にそれぞれ3本ずつ設けられて格子状に形成されている。
図3は、下部電極13と熱電素子15とが取り付けられた放熱側絶縁基板11を上方から見た状態を示している。図3に示したように、各下部電極13は、縦横に一定間隔で配置された熱電素子15のうちの隣り合った2個の熱電素子15が配置された部分にかかる長さの長方形に形成されている。そして、各下部電極13は、長手方向を前後方向に向けた状態で左右に8列前後に4列配置され合計32個で構成されている。そして、図1および図3に示した最前列の両側に位置する下部電極13の上面後端側部分に、それぞれ1個の熱電素子15の下面が接合され、それ以外のすべての下部電極13の上面両側部分にはそれぞれ熱電素子15の下面が接合されている。
すなわち、熱電素子15は全部で62個用いられている。また、最前列両側の下部電極13の上面前端側部分には、それぞれリード線17a,17bが接続されている。上部電極14は、すべて下部電極13と同形の長方形に形成されており、それぞれ下部電極13に対して熱電素子15の略1個分の配置場所に等しい距離をずらして吸熱側絶縁基板12の下面に取り付けられている。そして、熱電素子15の上端面は、各熱電素子15、下部電極13および上部電極14が直列に接続されるようにして、各上部電極14の両側部分にそれぞれ接合されている。
図4は、上部電極14と熱電素子15とが取り付けられた吸熱側絶縁基板12を上方から見た状態を示しており、図4に示したように、最前列に配置された3個の上部電極14と、最後列に配置された4個の上部電極14が、長手方向を左右方向に向け他の24個の上部電極14は長手方向を前後方向に向けて配置されている。このため、リード線17a,17b間は、下部電極13、上部電極14および熱電素子15を介して直列状態で接続される。なお、すべての上部電極14の両側にはそれぞれ熱電素子15が接合されており、このため上部電極14の数は、下部電極13よりも1個少なくなっている。
なお、熱電モジュール10は、縦横の長さがそれぞれ40mmで、高さが3.9mmに設定され、熱電素子15は、上下の端面における縦横の幅がともに、1.0mmに設定され、高さが2.0mmに設定されている。また、この熱電素子15は、P型熱電素子とN型熱電素子とで構成されており、P型熱電素子とN型熱電素子とが交互に配置されている。なお、P型熱電素子とN型熱電素子とは、ともにビスマス・テルル系の合金からなっているが組成は多少異なっている。また、切り込み部16の幅は0.2mmに設定されている。この切り込み部16は、ダイシングによって形成されており、切り込み幅は、ダイシングのブレードの厚さに対応している。
このように構成された熱電モジュール10は、所定の機器内に設置されて、例えば、熱電気変換装置として使用される。すなわち、リード線17a,17bの端部を電源に接続して、熱電モジュール10に電力を供給すると、熱電モジュール10の吸熱側絶縁基板12には吸熱が生じて吸熱側絶縁基板12側は冷却され、放熱側絶縁基板11には放熱が生じて放熱側絶縁基板11側は加熱される。
つぎに、以上のように構成した熱電モジュール10にそれぞれ所定の変形を加えて形成した実施例による熱電モジュールと、比較例による熱電モジュールとに対して熱冷サイクルテストを行った結果について説明する。実施例としては、切り込み部16の数、放熱側絶縁基板11の一辺の長さ、放熱側絶縁基板11の厚み、切り込み部16の間隔および放熱側絶縁基板11における切り込み部16を入れた部分の厚みのうちの所定の部分の値をそれぞれ変更した熱電モジュールを用いた。また、比較例による熱電モジュールとしては切り込み部のないものを用いた。
熱冷サイクルテストは、図5に示したように、各熱電モジュール(図5には、熱電モジュール10を記載している。)を、上面に熱伝導率のよいグリスからなる接着層21が形成された銅タングステン製のヒートシンク22上に設置し、ヒートシンク22の温度を室温程度に保持した状態で行った。この場合、切り込み部16内にも接着層21を形成した。また、熱電モジュール(10)の上面に、接着層21と同一材料からなる接着層23を形成し、その上面にヒートスプレッダー24を介して発熱体25を設置した。なお、比較例による熱電モジュールには、切り込み部16がないため、接着層21はヒートシンク22に対向する下面だけに形成した。
そして、各熱電モジュールに、電流を流す操作を繰り返し、その間に放熱側絶縁基板11の温度を85℃に15分間保持したのちに、−40℃に15分間保持して1サイクルとした。その熱冷サイクルテストを100サイクル繰り返したときの各熱電モジュールの破損状態を比較した。この場合の破損は、各熱電モジュールに通電したときの交流抵抗の絶対値による変化率|ΔACR|が5%のときを基準として変化率|ΔACR|が5%を超えたときに破損したものとした。その結果を下記の表1に示している。
表1における実施例1〜4の熱電モジュールは、それぞれ切り込み部16の数を5本、放熱側絶縁基板11の一辺の長さを60mm、放熱側絶縁基板11の厚みを635μm、切り込み部16の間隔を10mmとし、放熱側絶縁基板11における切り込み部16を入れた部分の厚みを50〜20μmの範囲で変更した。この実施例1〜4ではすべての熱電モジュールにおいて破損が生じることがなく良好な結果が示された。
また、実施例5,6の熱電モジュールは、それぞれ放熱側絶縁基板11の厚みを635μm、切り込み部16の間隔を10mm、放熱側絶縁基板11における切り込み部16を入れた部分の厚みを50μmとした。そして、実施例5の熱電モジュールでは、切り込み部16の数を3本、放熱側絶縁基板11の一辺の長さを40mmとし、実施例6の熱電モジュールでは、切り込み部16の数を1本、放熱側絶縁基板11の一辺の長さを20mmとした。この実施例5,6の熱電モジュールにおいても破損は発生せず良好な結果が示された。
さらに、実施例7〜11の熱電モジュールでは、前述した各設定値のうちの所定の設定値を、良好な熱電モジュールを得るための限度に近い値に設定した。すなわち、実施例7では放熱側絶縁基板11における切り込み部16を入れた部分の厚みを100μmにし、実施例8では放熱側絶縁基板11における切り込み部16を入れた部分の厚みを10μmに、そして、実施例9では切り込み部16の間隔を20mmにして、放熱側絶縁基板11における切り込み部16を入れた部分の厚みを100μmにそれぞれ設定した。
また、実施例10では切り込み部16の間隔を5mmにして、放熱側絶縁基板11における切り込み部16を入れた部分の厚みを100μmにし、実施例11では放熱側絶縁基板11の厚みを1000μmにして、放熱側絶縁基板11における切り込み部16を入れた部分の厚みを10μmにそれぞれ設定した。この実施例7〜11の熱電モジュールにおいても破損は発生せず良好な結果が示された。
また、実施例12,13の熱電モジュールでは、放熱側絶縁基板11における切り込み部16を入れた部分の厚みを、良好な熱電モジュールを得るための限度を超えていると考えられる値に設定した。すなわち、放熱側絶縁基板11における切り込み部16を入れた部分の厚みを、実施例12では150μmに設定し、実施例13では5μmに設定した。その結果、実施例12の熱電モジュールでは熱冷サイクルテストにより破損が発生し、実施例13の熱電モジュールではハンドリング中に破損が生じた。また、比較例1による熱電モジュールは、放熱側絶縁基板の一辺の長さを60mm、放熱側絶縁基板の厚みを635μmに設定した。その結果、比較例1の熱電モジュールでは熱冷サイクルテストにより破損が発生した。
この結果から、実施例1〜11のように、切り込み部16の数を1〜11本、放熱側絶縁基板11の一辺の長さを20〜60mm、放熱側絶縁基板11の厚みを635μmまたは1000μm、切り込み部16の間隔を5〜20mm、放熱側絶縁基板11における切り込み部16を入れた部分の厚みを10〜20μmの範囲に設定した場合には、破損が生じ難く耐久性に優れた熱電モジュールを得ることができることが分かる。また、放熱側絶縁基板11における切り込み部16を入れた部分の厚みを、実施例12のように100μmよりも大きな150μmにしたり、実施例13のように10μmよりも小さい5μmにしたりした場合には、それぞれの熱電モジュールは破損しやすくなる。
これから、放熱側絶縁基板11の一辺の長さや放熱側絶縁基板11の厚み等を適度な値に設定しても放熱側絶縁基板11における切り込み部16を入れた部分の厚みが所定範囲を超えると良好な熱電モジュールを得ることができないことが分かる。また、比較例1のように、放熱側絶縁基板の一辺の長さや放熱側絶縁基板の厚み等を適度な値に設定しても切り込み部を設けない場合には、良好な熱電モジュールを得ることができないことが分かる。
また、放熱側絶縁基板の一辺の長さを10mmに設定した小型の熱電モジュールを用い、前述した熱冷サイクルテストと同じ条件で、熱冷サイクルテストを500サイクル繰り返したときの各熱電モジュールの破損状態を比較した。その結果を下記の表2に示している。表2における実施例14,15の熱電モジュールは、それぞれ切り込み部16の数を1本、放熱側絶縁基板11の一辺の長さを10mm、切り込み部16の間隔を5mm(放熱側絶縁基板11の中央部を通るようにして切り込み部16を設けた。)に設定した。
そして、実施例14では、放熱側絶縁基板11の厚みを635μmにして、放熱側絶縁基板11における切り込み部16を入れた部分の厚みを50μmにし、実施例15では、放熱側絶縁基板12の厚みを120μmにして、放熱側絶縁基板11における切り込み部16を入れた部分の厚みを100μmに設定した。また、比較例2の熱電モジュールは、放熱側絶縁基板の一辺の長さを10mm、放熱側絶縁基板の厚みを120μmに設定し、切り込み部は設けなかった。
この結果、実施例14の熱電モジュールでは熱冷サイクルテストを500サイクル繰り返しても破損は生じなかった。実施例15の熱電モジュールでは、熱冷サイクルテストを200サイクル繰り返しても破損は生じなかったが、500サイクル繰り返したときには破損が発生した。また、比較例2の熱電モジュールでは、熱冷サイクルテストを200サイクル繰り返したときに、破損が発生した。この結果からも、切り込み部16を設けることによって、熱電モジュールの耐久性を向上させることができることが分かる。また、放熱側絶縁基板11の一辺の長さや厚みに対する放熱側絶縁基板11における切り込み部16を入れた部分の厚みを所定の範囲に設定することにより、さらに熱電モジュールの耐久性を向上させることができることが分かる。
このように、本実施形態に係る熱電モジュール10では、放熱側絶縁基板11に線状の切り込み部16を設けることにより、放熱側絶縁基板11に熱による歪が生じることを防止している。このため、吸熱側絶縁基板12と放熱側絶縁基板11との温度差により、放熱側絶縁基板11に膨張が生じ、吸熱側絶縁基板12に収縮が生じても、切り込み部16によって温度差による膨張・収縮の差が吸収され、熱電モジュール10が破損することが防止される。
すなわち、熱電モジュール10に通電した場合には、図6に示したように、放熱側絶縁基板11の両側部分が中央部よりも上昇するように熱電モジュール10に反りが生じるが、このとき、各切り込み部16の下端開口側部分の幅aを広げるようにして放熱側絶縁基板11が変形する。この放熱側絶縁基板11の変形を切り込み部16の開口部分で受けることによって、熱電モジュール10に歪が生じることが防止され、熱電モジュール10の破損が防止される。また、吸熱側絶縁基板12にも収縮による変形が生じるが、吸熱側絶縁基板12側の温度は通常室温近傍の温度であるため、吸熱側絶縁基板12の変形は熱電モジュール10に破損を生じさせるほど大きなものにはならない。
また、放熱側絶縁基板11の厚みを120〜1000μmとした場合に、放熱側絶縁基板11における切り込み部16を設けた部分の厚みを10〜100μmに設定することにより、破損し難い良好な熱電モジュール10を得ることができる。なお、テスト結果によると、この場合の放熱側絶縁基板11における切り込み部16を設けた部分の厚みを、10〜50μmに設定することにより、さらに良好な熱電モジュール10を得ることができる。
さらに、放熱側絶縁基板11の一辺の長さを10mm以上にした場合に、切り込み部16の間隔を5〜20mmに設定することにより、吸熱側絶縁基板12と放熱側絶縁基板11との温度差による膨張・収縮をより効果的に吸収することができる。これによって、熱電モジュール10の耐久性をさらに向上させることができる。なお、この場合、切り込み部16の間隔を5〜10mmに設定することによりさらに好ましい熱電モジュール10を得ることができる。
また、本発明に係る熱電モジュールは、前述した実施形態に限定するものでなく、適宜変更して実施することができる。例えば、前述した実施形態では、切り込み部16を、放熱側絶縁基板11にだけ設けているが、この切り込み部16は、吸熱側絶縁基板12の外面にも設けることができる。これによると、さらに耐久性に優れた熱電モジュールを得ることができる。また、熱電モジュールを構成する各部分の形状、大きさ、材質等についても本発明の技術的範囲内で変更が可能である。例えば、吸熱側絶縁基板12や放熱側絶縁基板11を構成する材料は、アルミナに限定されず、窒化アルミ、炭化珪素、窒化珪素、表面が絶縁処理されたアルミニウムなどの金属基板等で構成してもよい。
さらに、下部電極13、上部電極14および熱電素子15は、通常電気的に直列に接続されるが、これに限定されるものでなく、並列に接続されてもよい。また、前述した実施形態では、切り込み部16を格子状に形成しているが、この形状は放熱側絶縁基板11に生じる変形を吸収できるものであればどのような形状であってもよい。例えば、縦方向にのみ設けてもよいし、横方向にのみ設けてもよい。また、切り込み部16の断面形状は、四角形の他V形U形等種々の形状にすることができる。
10…熱電モジュール、11…放熱側絶縁基板、12…吸熱側絶縁基板、13…下部電極、14…上部電極、15…熱電素子、16…切り込み部。
Claims (3)
- 対向させて配置した一対の絶縁基板における対向する両内面の所定箇所に電極を形成し、前記対向する電極にそれぞれ熱電素子の端面を接合することにより、前記電極と前記熱電素子とを接続した状態で前記一対の絶縁基板間に配置して構成され、前記電極と前記熱電素子とに通電することにより前記一対の絶縁基板のうちの一方の絶縁基板が吸熱し、他方の絶縁基板が放熱する熱電モジュールであって、
前記一対の絶縁基板のうちの放熱側の絶縁基板の外面に線状の切り込み部を設けたことを特徴とする熱電モジュール。 - 前記放熱側の絶縁基板の内面と外面との間の厚みを120〜1000μmとし、前記放熱側の絶縁基板における前記切り込み部を設けた部分の内面から切り込み部の底部までの間の厚みを10〜100μmに設定した請求項1に記載の熱電モジュール。
- 前記放熱側の絶縁基板を四角板状に形成し、前記放熱側の絶縁基板における内面および外面に沿った一辺の長さを10mm以上にするととともに、前記切り込み部を複数設け隣に位置する切り込み部間の間隔を5〜20mmに設定した請求項1または2に記載の熱電モジュール。
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