JP2008135516A - 熱電変換モジュールの接合体 - Google Patents

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Abstract

【課題】 熱電変換モジュールと金属部材との間に生じる応力の発生を低減させることにより、耐久性を向上させることのできる熱電変換モジュールの接合体を提供すること。
【解決手段】 対向させて配置した放熱側絶縁基板11と吸熱側絶縁基板12を、下部電極13、上部電極14および熱電素子15を介して接合することにより熱電変換モジュール10を構成した。そして、熱電変換モジュール10の放熱側絶縁基板11に金属箔30を介してヒートシンク部20を接合して熱電変換モジュールの接合体Aを構成した。また、金属箔30と放熱側絶縁基板11とをハンダ層31で接合し、金属箔30とヒートシンク部20とをハンダ層32で接合した。ヒートシンク部20を熱膨張係数が1×10-5以上の銅板属で構成した。また、金属箔30を、ビッカース硬度が15〜35で厚さが50〜150μmの金、銀、銅で構成した。
【選択図】 図1

Description

本発明は、熱電変換モジュールと熱電変換モジュールの一方の絶縁基板に接合された金属部材とからなり、一方の絶縁基板と金属部材との間で熱の伝達をしながら熱交換を行う熱電変換モジュールの接合体に関する。
従来から、ペルチェ効果またはゼーベック効果を利用して熱電変換を行う熱電変換モジュールが加熱・冷却装置や発電装置等に用いられている(例えば、特許文献1参照)。このペルチェクーラ(熱電変換モジュール)は、一対の絶縁基板における相対向する内側の面の所定箇所に複数の電極を形成し、この相対向する電極にそれぞれ熱電素子の上下の端面を固着することにより、一対の絶縁基板間に複数の熱電素子を配列して構成されている。
また、このペルチェクーラは、内底面が銅タングステンで構成されたモジュールパッケージの内部に、下方の絶縁基板を内底面に接面させた状態で設置されている。これにより、熱電変換モジュールの下方の絶縁基板とモジュールパッケージとの間の熱交換を行う。
特開平10−65273号公報
銅タングステンは熱膨張係数がセラミックに近いため、接合面に大きな応力が生じることなく、ペルチェクーラが破壊するおそれは低減するが、熱伝導性の面ではさほど良好な効果を発揮できるものではなく、熱電変換モジュールの放熱効果または吸熱効果をさらに発揮させるためには、より熱伝導性のよい金属材料を使用することが要求される。しかしながら、熱伝導性のよい金属材料は熱膨張係数が大きいため、これを用いるとセラミックからなる絶縁基板との間に熱膨張係数の差が生じる。このため、金属材料と絶縁基板との接合面に大きな応力が生じ、ペルチェクーラが破壊するおそれが生じる。
本発明は、前述した問題に対処するためになされたもので、その目的は、熱電変換モジュールと金属部材との間に生じる応力の発生を緩和させることにより、耐久性を向上させることのできる熱電変換モジュールの接合体を提供することである。
前述した目的を達成するため、本発明に係る熱電変換モジュールの接合体の構成上の特徴は、対向させて配置した一対の絶縁基板における対向する両内面の所定箇所に電極を形成し、対向する電極にそれぞれ熱電素子の端面を接合して構成される熱電変換モジュールの一対の絶縁基板のうちの少なくとも一方の絶縁基板を金属部材に接合した熱電変換モジュールの接合体であって、一対の絶縁基板のうちの少なくとも一方の絶縁基板と金属部材の表面との間に、少なくとも一方の絶縁基板と金属部材との間に生じる熱膨張の差による応力を緩和するための金属箔をハンダを介して設置したことにある。
本発明に係る熱電変換モジュールの接合体では、一対の絶縁基板のうちの所定の金属部材に接合される絶縁基板と金属部材との間に金属箔をハンダを介して設けることにより、絶縁基板と金属部材との間に生じる応力を減少させるようにしている。この場合、熱電変換モジュールの用途に応じて一方の絶縁基板は吸熱側の基板にすることができるし、放熱側の基板にすることもできる。このため、絶縁基板と金属部材との間に、膨張や収縮の差が生じても、金属箔によってその膨張・収縮の差が吸収され、絶縁基板や熱電素子等が破壊することが防止される。
この場合の金属部材としては、熱伝導性を優先的に考慮して熱伝導率の大きな金属材料を選択することが好ましい。また、本発明に係る熱電変換モジュールの接合体では、絶縁基板の大きさが所定の大きさ以上、例えば、四角形に形成した場合には、一辺が10mmを超える大きさになったときに、破壊が防止され耐久性の向上が顕著に現われる。
また、本発明に係る熱電変換モジュールの接合体の他の構成上の特徴は、金属箔を、ビッカース硬度による硬度が15〜35の金属材料で構成したことにある。ビッカース硬度が15〜35の金属材料は比較的軟質の金属材料であり、これによると、金属箔が変形し易くなり絶縁基板や金属部材の表面に多少の凹凸があってもその表面に沿って設置することができる。この硬度の数値は実験により得られたもので、金属箔の硬度をビッカース硬度で15〜35にすることにより、破損し難い良好な熱電変換モジュールの接合体を得ることができる。
また、本発明に係る熱電変換モジュールの接合体のさらに他の構成上の特徴は、金属箔の厚さを50〜150μmに設定したことにある。このように、厚さの薄い金属箔を用いることによっても、金属箔を絶縁基板や金属部材の表面に追従させ易くなり、密着性のよい熱電変換モジュールの接合体を得ることができる。この金属箔の厚さの数値も実験により得られたものである。
また、本発明に係る熱電変換モジュールの接合体のさらに他の構成上の特徴は、金属箔を金、銀、銅またはこれらを主成分とする合金で構成したことにある。この場合、金、銀、銅または金銀合金がしめる割合が重量比で90%以上であることが好ましい。これによると、金属箔の延性がよくなるため金属箔の設置が容易になるとともに、金属箔を設けることによって熱伝導率が低下することを防止できる。
また、本発明に係る熱電変換モジュールの接合体のさらに他の構成上の特徴は、絶縁基板をセラミックで構成するとともに、金属部材を熱膨張係数が1×10-5以上の金属で構成したことにある。通常、熱電変換モジュールの絶縁基板に用いられるセラミックは、アルミナ、窒化アルミ二ウム等であり、これらの熱膨張係数は10-6程度であるため、熱膨張係数が1×10-6程度のセラミックと熱膨張係数が1×10-5以上の金属で構成される金属部材とを組み合わせることにより、金属箔を用いない場合には破壊が発生しやすい熱電変換モジュールの接合体に破壊が発生することを防止して耐久性を向上させることができる。このように、金属部材として熱膨張係数が1×10-5以上の金属を用いることにより、金属箔を用いたときの効果がより大きくなる。
また、本発明に係る熱電変換モジュールの接合体のさらに他の構成上の特徴は、金属部材を銅または銅を主成分とする合金または複合材で構成したことにある。これによると、金属部材の熱伝導性がよくなって熱電変換モジュールの冷却効果または加熱効果が向上する。
また、本発明に係る熱電変換モジュールの接合体のさらに他の構成上の特徴は、金属箔の中心部に貫通孔を形成したことにある。これによると、接合時の応力の少ない絶縁基板の中心部において、熱電変換モジュールの絶縁基板と金属部材が直接ハンダ接合されるので熱電変換モジュールの接合位置精度が向上する。なお、この貫通孔の形状としては、円形、楕円形、四角形、三角形、四角形以上の多角形等種々の形状にすることができる。
また、本発明に係る熱電変換モジュールの接合体のさらに他の構成上の特徴は、絶縁基板および金属箔を矩形に形成するとともに、貫通孔の金属箔の所定の一辺に平行する開口径の長さを10mm以下に設定したことにある。この場合の金属箔の大きさは、例えば、縦横40mmの大きさ程度であるものとし、この大きさの金属箔に一方向の長さ、例えば最長の径の長さを10mm以下にすることにより耐久性に優れたより好ましい熱電変換モジュールの接合体を得ることができる。
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態を図面を用いて説明する。図1は、本実施形態に係る熱電変換モジュールの接合体Aを示している。この熱電変換モジュールの接合体Aは、熱電変換モジュール10と、熱電変換モジュール10からの放熱を吸収する本発明の金属部材としてのヒートシンク部20と、熱電変換モジュール10とヒートシンク部20との間に設置された金属箔30と、金属箔30と熱電変換モジュール10との間および金属箔30とヒートシンク部20との間にそれぞれ形成されたハンダ層31,32とで構成されている。
熱電変換モジュール10は、アルミナからなる四角板状の放熱側絶縁基板11と吸熱側絶縁基板12とからなる一対の絶縁基板を備えている。放熱側絶縁基板11の上面(内面)には一定間隔を保って複数の下部電極13が形成され、吸熱側絶縁基板12の下面(内面)には一定間隔を保って複数の上部電極14が形成されている。そして、直方体に形成されたビスマス・テルル系の合金からなる複数の熱電素子15が、それぞれ下端面を下部電極13にハンダ付けにより固定され、上端面を上部電極14にハンダ付けにより固定されて放熱側絶縁基板11と吸熱側絶縁基板12を一体的に連結している。
また、複数の下部電極13のうちの最前列両側の下部電極13の上面前端側部分には、それぞれリード線16a,16bが接続されており、このリード線16a,16bは、下部電極13、上部電極14および熱電素子15を介して直列状態で接続されている。なお、熱電変換モジュール10の放熱側絶縁基板11および吸熱側絶縁基板12は、縦横の長さがそれぞれ40mmで、厚さが0.6mmに設定されている。また、熱電素子15は、ともにビスマス・テルル系の合金からなるP型熱電素子とN型熱電素子とで構成されており、P型熱電素子とN型熱電素子とが交互に配置されている。
ヒートシンク部20は、銅板で構成されており、熱電変換モジュール10の放熱側絶縁基板11が放出する熱を吸収することにより、放熱側絶縁基板11と吸熱側絶縁基板12との間の温度差をより大きくする。これによって、吸熱側絶縁基板12側の冷却効果がより大きくなる。金属箔30は、放熱側絶縁基板11の下面と同じ形状に形成された厚さが75μmの銀箔で構成されており、上面がハンダ層31によって放熱側絶縁基板11の下面に接合され、下面がハンダ層32によってヒートシンク部20の上面に接合されている。
このように構成された熱電変換モジュール10をヒートシンク部20に接合して熱電変換モジュールの接合体Aを組み付ける場合には、まず、放熱側絶縁基板11の下面と、ヒートシンク部20の上面とを洗浄用のアルコールを用いて洗浄する。つぎに、図2に示したように、箱状の治具40内に、ヒートシンク部20、ハンダ層32を形成するためのハンダシート32a、金属箔30、ハンダ層31を形成するためのハンダシート31aおよび熱電変換モジュール10を順番に設置する。
この治具40は、中央に上面が開口した凹部が形成された治具本体41と、治具本体41の上面を塞ぐ蓋部42と、蓋部42を治具本体41に固定するための4個(2個しか図示せず)の固定ねじ43とで構成されている。前述したヒートシンク部20等は、治具本体41の凹部に下部側から順番に重ねて設置される。そして、熱電変換モジュール10の上面に蓋部42を置き、この蓋部42を固定ねじ43で治具本体41に固定することにより、ヒートシンク部20等からなる積層体を各部材間に位置ずれが生じないようにして、治具40内に固定する。
つぎに、このように内部にヒートシンク部20等からなる積層体が設置された治具40を、加熱炉(図示せず)内の所定の場所に設置して、略200℃の温度で5分間加熱する。これによって、ハンダシート31a,32aが溶融して、ハンダシート31aは、金属箔30の上面と熱電変換モジュール10の下面に密着し、ハンダシート32aは金属箔30の下面とヒートシンク部20の上面に密着する。
加熱時間が終了すると加熱炉の電源をオフにして、治具40やヒートシンク部20等を室温まで冷却する。これによって、ハンダシート31aは固化してハンダ層31となり、金属箔30の上面と、放熱側絶縁基板11の下面とを接合する。また、ハンダシート32aは固化してハンダ層32となり、金属箔30の下面と、ヒートシンク部20の上面とを接合する。そして、加熱炉から治具40やヒートシンク部20等を取り出すとともに、治具40からヒートシンク部20等を取り出すことにより、熱電変換モジュールの接合体Aが得られる。
このように構成された熱電変換モジュールの接合体Aは、所定の機器内に設置されて、例えば、吸熱側絶縁基板12の上面に半導体レーザ素子(図示せず)を設置し、この半導体レーザ素子を一定温度に冷却するための熱電気変換装置等として使用される。すなわち、リード線16a,16bの端部を電源に接続して、熱電変換モジュール10に電力を供給すると、熱電変換モジュール10の吸熱側絶縁基板12側は冷却され、放熱側絶縁基板11側は加熱される。この場合、放熱側絶縁基板11とヒートシンク部20との間には、熱膨張係数の違いから応力が発生するが、その応力は金属箔30によって緩和され、熱電変換モジュールの接合体Aは、長時間にわたっての使用が可能になる。
つぎに、以上のように構成した熱電変換モジュールの接合体Aにおける金属箔30の厚さを変えるとともに、金属箔30を構成する金属材料を代えた実施例による熱電変換モジュールの接合体と、比較例による熱電変換モジュールの接合体とに対して熱冷サイクルテストを行った結果について説明する。実施例としては、金属箔30を構成する金属材料として、金、銀または銅を用いるとともに、その厚さを50,75,100,150μmとした12種類の熱電変換モジュールの接合体を用いた。また、比較例としては、金属箔を構成する金属材料として、金、銀または銅を用いるとともに、その厚さを10,30μmとした熱電変換モジュールの接合体および金属箔を構成する金属材料として、マグネシウムを用いるとともに、その厚さを10,30,50,75,100,150μmとした12種類の熱電変換モジュールの接合体を用いた。
熱冷サイクルテストは、各熱電変換モジュールの接合体A等を熱冷試験機(図示せず)を用いて加熱、冷却を繰り返すしことにより行った。この場合、−40℃の温度に30分間保持したのちに、+85℃の温度に30分間保持して1サイクルとした。その熱冷サイクルテストを100サイクル繰り返したときの各熱電変換モジュールの接合体A等の破損状態を比較した。また、各熱電変換モジュールの接合体A等はそれぞれ10個用意し、そのうち熱電変換モジュール10の放熱側絶縁基板11とヒートシンク部20との接合部に、剥離、亀裂等の破壊が発生しなかったものを◎、破壊の数が2個未満のものを○、破壊の数が2〜4個のものを△、破壊の数が5個以上のものを×として表した。その結果を下記の表1に示している。
Figure 2008135516
この結果、金属箔30を金で構成し、その厚さを75,100,150μmとした熱電変換モジュールの接合体、金属箔30を銀で構成し、その厚さを100,150μmとした熱電変換モジュールの接合体および金属箔30を銅で構成し、その厚さを150μmとした熱電変換モジュールの接合体においては、破壊は発生しなかった。また、金属箔30を金で構成し、その厚さを50μmとした熱電変換モジュールの接合体、金属箔30を銀で構成し、その厚さを75μmとした熱電変換モジュールの接合体および金属箔30を銅で構成し、その厚さを100μmとした熱電変換モジュールの接合体においては、2個未満のものに破壊が発生した。
さらに、金属箔30を金で構成し、その厚さを30μmとした熱電変換モジュールの接合体、金属箔30を銀で構成し、その厚さを50μmとした熱電変換モジュールの接合体および金属箔30を銅で構成し、その厚さを75μmとした熱電変換モジュールの接合体においては、2〜4個のものに破壊が発生した。また、金属箔30を金で構成し、その厚さを10μmとした熱電変換モジュールの接合体、金属箔30を銀で構成し、その厚さを10,30μmとした熱電変換モジュールの接合体、金属箔30を銅で構成し、その厚さを10,30,50μmとした熱電変換モジュールの接合体および金属箔をマグネシウムで構成した熱電変換モジュールの接合体おいては、5個以上のものに破壊が発生した。
なお、金属箔として用いた金のビッカース硬度は15、銀のビッカース硬度は25、銅のビッカース硬度は35、マグネシウムのビッカース硬度は40である。この結果から、ビッカース硬度が15〜35の金属箔を用い、かつその金属箔の厚さを50〜150μmにしたときに、熱電変換モジュールの接合体には破壊が発生し難くなることが分かる。ただし、実施例の中でも金属箔30を銅で構成し、その厚さを50μmとした熱電変換モジュールの接合体では、他の実施例と比べて良好な結果を得ることができなかった。
また、他の比較例として、金属箔を使用せず、熱電変換モジュールを小型化するとともに、放熱側絶縁基板および吸熱側絶縁基板の大きさをそれぞれ変えて作成した熱電変換モジュールの接合体に対して前述した熱冷サイクルテストを行った。その結果を、下記の表2に示している。この熱冷サイクルテストで用いた放熱側絶縁基板および吸熱側絶縁基板の大きさは、それぞれ縦横の長さを同じ、5,10,15,20mmとした。また、この場合、熱電変換モジュールとヒートシンク部とは直接ハンダで接合した。
Figure 2008135516
この結果、放熱側絶縁基板および吸熱側絶縁基板の大きさを5mm角および10mm角にした熱電変換モジュールの接合体においては、2個未満のものに破壊が発生しただけであった。また、放熱側絶縁基板および吸熱側絶縁基板の大きさを15mm角にした熱電変換モジュールの接合体においては、2〜4個のものに破壊が発生した。さらに、放熱側絶縁基板および吸熱側絶縁基板の大きさを20mm角にした熱電変換モジュールの接合体においては、5個以上のものに破壊が発生した。
この結果から、熱電変換モジュールの接合体の大きさを小さくするほど破壊は発生し難くなり、放熱側絶縁基板および吸熱側絶縁基板の大きさを10mm角以下にした場合には、金属箔を用いなくても耐久性に優れた熱電変換モジュールの接合体が得られることが分かる。発生する応力の大きさは絶縁基板の一辺の長さに比例すると考えられるので、本実施形態に係る熱電変換モジュールの接合体Aでは、放熱側絶縁基板11および吸熱側絶縁基板12の大きさを一辺が10mmを超える大きさにしたときに、大きな効果が得られることが分かる。
このように、本実施形態に係る熱電変換モジュールの接合体Aでは、放熱側絶縁基板11とヒートシンク部20との間に金属箔30をハンダ層31,32を介して設けることにより、放熱側絶縁基板11とヒートシンク部20との間に生じる応力を減少させるようにしている。このため、放熱側絶縁基板11とヒートシンク部20との間に、膨張や収縮の差が生じても、金属箔30によってその膨張・収縮の差が吸収され、熱電変換モジュール10が破壊することが防止される。
また、本実施形態に係る熱電変換モジュールの接合体Aでは、放熱側絶縁基板11および吸熱側絶縁基板12をアルミナからなるセラミックで構成するとともに、ヒートシンク部20を熱伝導性がよく、熱膨張係数が1×10-5以上と大きな銅板で構成している。このため、熱電変換モジュール10の冷却効果が向上する。また、放熱側絶縁基板11および吸熱側絶縁基板12を構成するアルミナの熱膨張係数は10-6程度であるため、ヒートシンク部20に熱膨張係数が1×10-5以上の銅を用いても、本発明の金属箔30を用いることにより、放熱側絶縁基板11とヒートシンク部20の熱膨張係数の差による応力により熱電変換モジュール10が破壊されることを防止でき、熱電変換モジュールの接合体Aは長時間にわたっての使用が可能になる。
さらに、金属箔30を構成する金属材料として、ビッカース硬度が15〜35の金、銀、銅を用いたため、金属箔30が変形し易くなり放熱側絶縁基板11やヒートシンク部20の表面に多少の凹凸があってもその表面に沿って設置することができる。これによって、より破損し難い良好な熱電変換モジュールの接合体Aを得ることができる。また、金属箔30の厚さを50〜150μmに設定することにより、金属箔30を放熱側絶縁基板11やヒートシンク部20の表面にさらに追従させ易くなり、密着性のよい熱電変換モジュールの接合体Aを得ることができる。
(第2実施形態)
また、図3は、本発明の第2実施形態に係る熱電変換モジュールの接合体Bを示している。この熱電変換モジュールの接合体Bでは、金属箔30aの中心部に、図4に示したように四角形の小さな貫通孔33が形成されている。この熱電変換モジュールの接合体Bのこの放熱側絶縁基板11aおよび吸熱側絶縁基板12aの大きさは縦横ともに40mmに設定され、貫通孔33の縦横の長さはそれぞれ5mmに設定されている。この熱電変換モジュールの接合体Bのそれ以外の部分の構成については、前述した熱電変換モジュールの接合体Aと同一である。したがって、同一部分に同一符号を記して説明は省略する。
この熱電変換モジュールの接合体Bでは、金属箔30aの中心部に貫通孔33を形成したため、放熱側絶縁基板11aとヒートシンク部20との間に生じる応力が小さい放熱側絶縁基板11aの中心部において、放熱側絶縁基板11aとヒートシンク部20が直接ハンダ接合されるので、熱電変換モジュールの位置精度が向上する。この熱電変換モジュールの接合体Bのそれ以外の作用効果については、前述した熱電変換モジュールの接合体Aの作用効果と同様である。
このように構成された熱電変換モジュールの接合体Bの金属箔30aとして、厚さが75μmの銀箔を用いその貫通孔33の直径を5,10mmとした実施例にかかる熱電変換モジュールの接合体と、金属箔として、厚さが75μmの銀箔を用いその貫通孔33の直径を15,20mmとした比較例にかかる熱電変換モジュールの接合体とに対して前述した熱冷サイクルテストを行った。その結果を、下記の表3に示している。
Figure 2008135516
この結果、貫通孔33の直径を5mmにした実施例にかかる熱電変換モジュールの接合体においては、破壊は発生しなかった。また、貫通孔33の直径を10mmにした実施例にかかる熱電変換モジュールの接合体においては、2個未満のものに破壊が発生した。また、貫通孔の直径を15mmにした比較例にかかる熱電変換モジュールの接合体においては、2〜4個のものに破壊が発生した。さらに、貫通孔の直径を20mmにした比較例にかかる熱電変換モジュールの接合体においては、5個以上のものに破壊が発生した。この結果から、金属箔30aに貫通孔33を設けることにより熱電変換モジュールの接合体に破壊が発生し難くなり、貫通孔33の直径を5〜10mmにした場合には、より耐久性に優れた熱電変換モジュールの接合体が得られることが分かる。
また、熱電変換モジュールの接合体Bの変形例として、四角形の貫通孔33に変えて、金属箔に円形、楕円形、三角形、菱形、四角形以上の多角形等の種々の形状の貫通孔を形成することもできる。この場合、図5ないし図8に示したように、四角形に形成された各金属箔30b,30c,30d,30eの一辺の長さに平行する貫通孔33b,33c,33d,33eの長さb,c,d,eは10mm以下に設定することが好ましい。これによって、耐久性に優れた熱電変換モジュールの接合体を得ることができる
(第3実施形態)
図9は、本発明の第3実施形態に係る熱電変換モジュールの接合体Cを示している。この熱電変換モジュールの接合体Cでは、吸熱側絶縁基板12bに、金属箔30fを介して銅製のヒートスプレッダー部20aが設置され、吸熱側絶縁基板12bと金属箔30fとの間および金属箔30fとヒートスプレッダー部20aとの間にそれぞれハンダ層31a,32aが形成されている。この熱電変換モジュールの接合体Cのそれ以外の部分の構成については、前述した熱電変換モジュールの接合体Aと同一である。したがって、同一部分に同一符号を記して説明は省略する。
このように、熱電変換モジュール10の吸熱側絶縁基板12b側にヒートスプレッダー部20aを設けることにより、冷却すべき熱電素子15の熱が吸熱側絶縁基板12b上に均一に分散される。また、金属箔30fにより、吸熱側絶縁基板12bとヒートスプレッダー部20aとの間の応力が緩和される。この熱電変換モジュールの接合体Cのそれ以外の作用効果については、前述した熱電変換モジュールの接合体Aの作用効果と同様である。
また、本発明に係る熱電変換モジュールは、前述した実施形態に限定するものでなく、適宜変更して実施することができる。例えば、熱電変換モジュール10の放熱側絶縁基板11,11aや吸熱側絶縁基板12,12a,12bを構成する材料は、アルミナからなるセラミックに限定されず、窒化アルミ、炭化珪素、窒化珪素、表面が絶縁処理されたアルミニウムなどのセラミック基板や金属基板等で構成してもよい。また、ヒートシンク部20やヒートスプレッダー部20aを構成する金属材料は、銅に限らず、銅を主成分とする合金または複合材で構成することができる。
さらに、前述した実施形態では、金属箔30,30aのビッカース硬度による硬度を15〜35とし、その厚さを50〜150μmにしているが、これらの値は、使用する金属材料の特性に応じて変更することができ、使用する金属材料が備える各特性に応じて適宜、適正な組み合わせにして設定することができる。また、前述した各実施形態では、放熱側絶縁基板11,11aとヒートシンク部20とを金属箔30等を介して接合しているが、吸熱側絶縁基板12,12aとヒートシンク部20とを金属箔30等を介して接合することもできる。
本発明の第1実施形態に係る熱電変換モジュールの接合体を示した正面図である。 治具に各部材を設置して熱電変換モジュールの接合体を組み付ける状態を示した断面図である。 第2実施形態に係る熱電変換モジュールの接合体を示した正面図である。 第2実施形態に係る熱電変換モジュールの接合体で用いられる四角形の貫通孔を備えた金属箔を示した平面図である。 変形例に係る熱電変換モジュールの接合体で使用される円形の貫通孔を備えた金属箔を示した平面図である。 他の変形例に係る熱電変換モジュールの接合体で使用される楕円形の貫通孔を備えた金属箔を示した平面図である。 さらに他の変形例に係る熱電変換モジュールの接合体で使用される三角形の貫通孔を備えた金属箔を示した平面図である。 他の変形例に係る熱電変換モジュールの接合体で使用される菱形の貫通孔を備えた金属箔を示した平面図である。 第3実施形態に係る熱電変換モジュールの接合体を示した正面図である。
符号の説明
10…熱電変換モジュール、11,11a…放熱側絶縁基板、12 吸熱側絶縁基板、12,12a,12b…吸熱側絶縁基板、13…下部電極、14…上部電極、15…熱電素子、20…ヒートシンク部、20a…ヒートスプレッダー部、30,30a,30b,30c,30d,30e,30f…金属箔、31,31a,32,32a…ハンダ層、33,33b,33c,33d,33e…貫通孔、A,B,C…熱電変換モジュールの接合体。

Claims (8)

  1. 対向させて配置した一対の絶縁基板における対向する両内面の所定箇所に電極を形成し、前記対向する電極にそれぞれ熱電素子の端面を接合して構成される熱電変換モジュールの前記一対の絶縁基板のうちの少なくとも一方の絶縁基板を金属部材に接合した熱電変換モジュールの接合体であって、
    前記一対の絶縁基板のうちの少なくとも一方の絶縁基板と前記金属部材の表面との間に、前記少なくとも一方の絶縁基板と前記金属部材との間に生じる熱膨張の差による応力を緩和するための金属箔をハンダを介して設置したことを特徴とする熱電変換モジュールの接合体。
  2. 前記金属箔を、ビッカース硬度による硬度が15〜35の金属材料で構成した請求項1に記載の熱電変換モジュールの接合体。
  3. 前記金属箔の厚さを50〜150μmに設定した請求項1または2に記載の熱電変換モジュールの接合体。
  4. 前記金属箔を金、銀、銅またはこれらを主成分とする合金で構成した請求項1ないし3のうちのいずれか一つに記載の熱電変換モジュールの接合体。
  5. 前記絶縁基板をセラミックで構成するとともに、前記金属部材を熱膨張係数が1×10-5以上の金属で構成した請求項1ないし4のうちのいずれか一つに記載の熱電変換モジュールの接合体。
  6. 前記金属部材を銅または銅を主成分とする合金または複合材で構成した請求項1ないし5のうちのいずれか一つに記載の熱電変換モジュールの接合体。
  7. 前記金属箔の中心部に貫通孔を形成した請求項1ないし6のうちのいずれか一つに記載の熱電変換モジュールの接合体。
  8. 前記絶縁基板および前記金属箔を矩形に形成するとともに、貫通孔の前記金属箔の所定の一辺に平行する開口径の長さを10mm以下に設定した請求項7に記載の熱電変換モジュールの接合体。
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