JP2005032833A - モジュール型半導体装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】炭化珪素製半導体素子を300℃以上で稼動させても熱応力により接合部や絶縁基板が損傷しないモジュール型半導体装置を提供する。
【解決手段】炭化珪素製半導体素子3を接合する絶縁基板に、炭化珪素製半導体素子3と熱膨張率が近く、かつ、熱伝達率の高い窒化珪素(Si3N4)を用いた絶縁性セラミックス基板1を用いる。
【選択図】 図1
【解決手段】炭化珪素製半導体素子3を接合する絶縁基板に、炭化珪素製半導体素子3と熱膨張率が近く、かつ、熱伝達率の高い窒化珪素(Si3N4)を用いた絶縁性セラミックス基板1を用いる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、炭化珪素(SiC)を用いた半導体素子によるモジュール型半導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体素子の多くは、珪素(Si)の単結晶が使用されているが、近年、炭化珪素(SiC)を用いた半導体素子(以下、「SiC製半導体素子」と称する)が開発されている。このSiC製半導体素子は従来のSi半導体素子に比べて通電損失が小さく、スイッチング周波数も高く、さらに、Si半導体素子の使用温度が150℃程度であったのに対して、500℃程度の高温でも安定して使用できる。このため、従来のSi半導体素子に比べて、これを冷却するための冷却装置のコンパクト化、簡素化が可能であるなど様々な利点がある。
【0003】
図22は、従来のSi半導体素子を使用した代表的なモジュール型半導体装置の構造を示す断面図である。同図に示すように、従来のモジュール型半導体装置は、絶縁基板7上に、ハンダによりSi半導体素子22が接合されている。ここで絶縁基板7は、窒化アルミニウム(AlN)からなる絶縁性セラミックス基板21の表面にSi半導体素子22をハンダ23により接合するための銅(Cu)またはアルミニウム(Al)板24が接合されており、一方、絶縁性セラミックス基板21の裏面には絶縁基板7をCu製のベース25にハンダ26により接合するために同じくCuまたはAl板27が接合されている。
【0004】
Si半導体素子22は、他のSi半導体素子や外部端子等にボンディング・ワイヤ28により結線されている。そして、これらの部品は絶縁性ゲル29により封止され、さらに絶縁性樹脂ケース30に収容されてモジュール型半導体装置を構成している。
【0005】
また、このモジュール型半導体装置のベース25は、水冷のヒートシンクにボルト9により固定されており、Si半導体素子22から発生した熱を絶縁基板7とベース25を介して放熱板8に逃がす構造になっている。
【0006】
しかし、このようなSi半導体素子を用いた従来のモジュール型半導体装置は、通電によるSi半導体素子の温度上昇が150℃以下の場合には有効であるが、温度上昇が500℃程度またはそれ以上の高温においては熱応力により絶縁性セラミックス基板21に亀裂が発生し絶縁破壊を生じたり、ハンダ26による接合層やボンディング・ワイヤ27に、剥離が発生し通電不良を生じる問題があった。
【0007】
すなわち、モジュール型半導体装置の損傷は、装置を構成する材料の熱膨張差と高温強度に依存するため、SiC半導体素子の熱膨張率は約3.9×10−6/K、絶縁基板に使用されているAlNの熱膨張率が約4.69×10−6/Kに対して、ベース材料として使用されているCuの熱膨張率が約17.1×10−6/Kであることから、温度上昇に伴うベースの熱伸びによりモジュール型半導体装置に曲げ応力が作用し、絶縁性セラミックス基板21やハンダ26の接合層等に亀裂が発生することとなるのである。
【0008】
近年、ベース材料を熱膨張率の小さいセラミックス(例えばSiC粒子)とAlの複合材料(SiC/Al複合材料)に変えることにより、熱膨張率を絶縁性セラミックス基板に近づけ、ハンダ層に発生する熱応力を低減する方法が考案され、Si半導体素子を搭載した半導体装置で一部実用化されている。しかし、このような複合材料の熱膨張率はせいぜい10×10−6/K程度であり、150℃の温度差には耐えられるが、300℃を超える温度差では適用できない。
【0009】
このようなモジュール型半導体装置の熱応力緩和方法に関しては、たとえば、絶縁性セラミックス基板に接合する金属導電層を小さく分割することで、ハンダの熱応力を緩和する技術がある(特許文献1参照)。
【0010】
また、他の技術として、ベース材料に熱膨張率の小さいCuとモリブデン(Mo)の複合材料を使用することで熱応力を緩和する方法がある(特許文献2参照)。
【0011】
【特許文献1】
特開平8−274228号公報
【0012】
【特許文献2】
特開平11−26966号公報
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1の技術では、絶縁性セラミックス基板の金属導電層が接合されていない部分には大きな引張の熱応力が発生するため、強度的に脆い絶縁性セラミックス基板に亀裂が発生し、絶縁破壊を生じる可能性が高い。
【0014】
また、特許文献2の技術では、ハンダの熱疲労寿命の向上にはある程度効果的であるものの、CuとMoの複合材料の熱膨張率はせいぜい9×10−6/K程度であり、300℃以上の温度差に耐えることは困難である。
【0015】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、SiC製半導体素子を300℃で稼動させても熱応力により絶縁基板が損傷しないモジュール型半導体装置を提供することである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
第1の本発明に係るモジュール型半導体装置は、窒化珪素を用いた絶縁性セラミックス基板と、前記絶縁性セラミックス基板に金属層を介して接合された炭化珪素製半導体素子と、を有することを特徴とする。
【0017】
本発明にあっては、絶縁性セラミックス基板の材質に窒化珪素を用いることで、絶縁性セラミックス基板に発生する熱応力が低減するとともに曲げ強さが強くなるので、300℃の高温で稼動させても絶縁基板が損傷しないようにすることができる。
【0018】
また、金属層の材質として、モリブデン、タングステン、タンタル、これらの金属のいずれかを含む合金、ニッケルと鉄を含む合金のうちのいずれかを用いることで、金属層の熱膨張率が炭化珪素製製半導体素子や絶縁性セラミックス基板に近づくので、絶縁性セラミックス基板に発生する熱応力を低減させることができる。さらに、金属層の熱伝導率が高まることから、炭化珪素製半導体素子の熱を効率良く絶縁性セラミックス基板に導くことができ、良好な放熱性を得ることができる。
【0019】
第2の本発明に係るモジュール型半導体装置は、モリブデン、タングステン、タンタル、これらの金属のいずれかを含む合金、ニッケルと鉄を含む合金のうちのいずれかを用いた金属層と、前記金属層の表面と裏面のうちの少なくとも一方に設けられ、ニッケル、銅、これらの金属のいずれかを含む合金のうちのいずれかを用いた軟質金属層と、前記金属層に接合された炭化珪素製半導体素子と、前記軟質金属層を介して前記金属層を固定した放熱板と、を有することを特徴とする。
【0020】
本発明にあっては、炭化珪素製半導体素子を接合する金属層の材質として、モリブデン、タングステン、タンタル、これらの金属のいずれかを含む合金、ニッケルと鉄を含む合金のうちのいずれかを用いることにより、炭化珪素製半導体素子の稼動時に熱膨張率差に起因する絶縁基板の熱応力を低減でき、300℃の高温で稼動させても絶縁基板が損傷しないようにすることができる。また、金属層の表面又は裏面の少なくとも一方に、ニッケル、銅、これらの金属のいずれかを含む合金のうちのいずれかを用いた軟質金属層を設けることにより、炭化珪素製半導体素子と金属層との接触界面における熱抵抗を大幅に低下できるとともに、放熱板による冷却効率を著しく向上させることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、各図面においては、同一または類似の部分には同一または類似の符号を付している。
【0022】
本発明者らは、種々の金属材料、セラミックス材料の熱膨張率、熱伝導率、曲げ強度を評価するとともに、様々な材料の組み合わせについて熱応力解析および熱サイクル試験を実施した。その結果、300℃以上の熱サイクルに耐え得るモジュール型半導体装置の構造は、絶縁特性、導電特性等の個々の構成部材に要求される特性を維持したまま、熱膨張率か小さく、かつ、モジュール型半導体を構成する部品間の熱膨張率差もできるだけ小さくすることが最も効果的であることが判明した。しかしながら、熱膨張率差をゼロにすることは不可能なため、熱応力が発生しても破壊されない十分な強度を有するとともに、熱伝導率が高くSiC製半導体素子で発生した熱を如何に短時間で放熱し、モジュール型半導体装置内部の温度上昇を抑制するかも重要であることが判明した。この点を考慮して、本発明者らは以下に示すモジュール型半導体装置の基本構造を考案した。
【0023】
図1は、本発明を適用したモジュール型半導体装置の基本構造を示す断面図である。同図のモジュール型半導体装置は、絶縁性セラミックス基板1と、この絶縁性セラミックス基板1にSiC製半導体素子3を接合するための接合材2と、SiC製半導体素子3とを有する構成である。
【0024】
図2は、絶縁性セラミックス基板1の候補となる材料の特性を示す表である。この表から、SiC製半導体素子3の熱膨張率は約3.9×10−6/Kであることから、熱膨張率的にはジルコン(ZrO2・SiO2)および窒化珪素(Si3N4)が適していると言える。一方、絶縁性セラミックス基板1の特性としては、SiC製半導体素子3の熱をヒートシンクに効率良く逃がすために、熱伝導率が高いことが好ましく、かつ、曲げ強度が高く、比抵抗が大きいことが適している。
【0025】
このような特性をすべて満たす材料としては、図2の表からSi3N4しかなく、SiC製半導体素子3を用いたモジュール型半導体装置の絶縁性セラミックス基板1の材料としてはSi3N4が最も適していることが分かる。
【0026】
図3は、半導体装置の作動温度に対する絶縁性セラミックス基板の応力を示すグラフである。このグラフは、絶縁性セラミックス基板1に、Si半導体素子で広く用いられているAlNを用いた場合と、本発明によるSi3N4を用いた場合について、半導体装置のオン/オフに伴い絶縁性セラミックス基板1に発生する熱応力を解析により求めた結果を示したものである。
【0027】
このグラフから、AlNを用いた場合は、作動温度200℃を超えた時点で、AlNに発生する熱応力がAlNの曲げ強さを超えて絶縁性セラミックス基板1が破壊することがわかる。一方、Si3N4を用いた場合は、AlNに比べて発生する熱応力が低く、かつ、曲げ強さも1000MPa以上と高いため、600℃の高温の熱サイクルを受けても絶縁性セラミックス基板1が破壊されないことが確認された。
【0028】
また、後述する図7に示すように、絶縁性セラミックス基板1は、その表面にSiC製半導体素子3を接合するために金属層4を設ける必要があるが、絶縁性セラミックス基板1に発生する熱応力を低減させるためには、この金属層4の熱膨張率もSiC製半導体素子3やSi3N4絶縁性セラミックス基板1にできるだけ近いことが好ましく、かつ、SiC製半導体素子3の熱を効率良く絶縁性セラミックス基板1に導くために高い熱伝導率も必要である。
【0029】
金属層4の代表的な候補材料の特性を図4の表に示す。同図と図2の表から、熱膨張率がSi3N4に近く、熱伝導率が高い材料としては、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、タンタル(Ta)、ニッケル(Ni)−鉄(Fe)合金が適切であることが分かる。
【0030】
また、図4に示した候補材料のうち、CuとWを用いた場合のオン/オフ時に金属層4に発生する熱応力値を解析した結果を図5のグラフに示す。ここでは、絶縁性セラミックス基板1の材質にはSi3N4を用いた。
【0031】
図4の表および図5の結果から、金属層4に熱膨張率がSiC製半導体素子3やSi3N4絶縁性セラミックス基板1に近く、かつ、強度が高いWを用いた場合は、W層に発生する熱応力は50MPa程度と低いが、熱膨張率が大きく、高温強度が低いCuを用いた場合は、金属層4に発生する熱応力はCuの降伏応力よりも著しく高く、Cuには塑性変形が生じ短時間の熱サイクルで剥離が発生することが確認された。
【0032】
したがって、金属層4の材質としては、低膨張・高強度のW、Mo、Ta、Ni−Fe合金が適しており、なかでも高熱伝導率の点からは、W、Moが好ましいことが明らかとなった。
【0033】
(第1の実施の形態)
本実施形態におけるモジュール型半導体装置は、図1と同様の構成であり、絶縁性セラミックス基板1としてSi3N4を用い、その表面をメタライズした後に絶縁性セラミックス基板1の表面にろう材を用いた接合材2によりSiC製半導体素子3を接合した構成である。
【0034】
実施例1として、絶縁性セラミックス基板1にSi3N4を用い、その厚さを1.0mmとし、その表面にメタライズ処理によって極薄い金属層(不図示)を形成した後、さらにその表面に接合材2としてろう材を用いてSiC製半導体素子3を接合した試験片を製作した。
【0035】
また、比較のために、比較例1として、絶縁性セラミックス基板1にAlNを用い、その厚さを1.0mmとし、その表面に同じくろう材を用いてSiC製半導体素子3を接合した試験片を製作した。
【0036】
両者の試験片について、放熱板の上に固定し、SiC製半導体素子を通電し、所定の温度に到達した後に、室温まで冷却する通電加熱試験を実施した。その際、到達温度を段階的に上げて絶縁性セラミックス基板の損傷状況を評価した。その評価結果を図6の表に示す。
【0037】
図6の表から、図3に示した解析結果と同様に、SiC製半導体素子に比べて熱膨張が大きく、かつ、曲げ強さも低いAlNを絶縁性セラミックス基板に用いた比較例1では、250℃に加熱した時点で絶縁性セラミックス基板に亀裂が発生したのに対して、SiC製半導体素子との熱膨張差が小さく、かつ、曲げ強さも高いSi3N4を用いた実施例1では300℃に加熱しても絶縁性セラミックス基板1には全く異常が認められなかった。
【0038】
以上の結果より、SiC製半導体素子に用いる絶縁性セラミックス基板1の材料としては、低熱膨張率と高強度を兼ね備えたSi3N4が最も適しており、半導体装置の耐熱性を大幅に改善できることが明らかとなった。
【0039】
したがって、本実施の形態によれば、絶縁性セラミックス基板1の材料としてSi3N4を用いることで、絶縁性セラミックス基板1に発生する熱応力が低減するとともに曲げ強さが強くなるので、300℃の高温で稼動させても絶縁性セラミックス基板が損傷しないようにすることができる。
【0040】
(第2の実施の形態)
図7は、本実施形態におけるモジュール型半導体装置の基本構造を示す断面図である。同図のモジュール型半導体装置は、絶縁性セラミックス基板1の表面にW、Mo、Ta、Ni−Fe合金のうちのいずれかを主成分とする金属層4を設け、この金属層4の表面にSiC製半導体素子3を接合材2によって接合した構成である。その他の構成については図1と同様である。
【0041】
実施例2として、絶縁性セラミックス基板1にSi3N4を用い、その厚さを2.0mmとし、その表面にWからなる金属層4を設け、この金属層4にSiC製半導体素子3をろう材によって接合した試験片を製作した。
【0042】
比較のために比較例2として、金属層4の材質をCuに替えた試験片を製作した。その他の構成は実施例2と同じである。なお、金属層4の厚さは、実施例2も比較例2も0.1mmとした。
【0043】
両者の試験片について、到達温度を300℃一定とし、繰り返し通電加熱を実施することにより熱サイクル試験を行った。このときの通電加熱試験の結果を図8の表に示す。図8の表から、図5に示した解析結果と同様に、金属層4としてSiC製半導体素子3やSi3N4絶縁性セラミックス基板1と比較的熱膨張率が近く、降伏強さも高いWを用いた実施例2では、50サイクル後に金属層4の極僅かな剥離が観察されたが、100サイクル後でも顕著な損傷は認められなかった。
【0044】
これに対して、SiC製半導体素子3やSi3N4絶縁性セラミックス基板1に比べて熱膨張率が著しく大きく、降伏強さも低いCuを金属層4に用いた比較例2では、10サイクル後で金属層4に多数のシワが発生し、20サイクルまでにCu層はすべて著しい剥離が発生した。
【0045】
この実施例2と同様な結果は、たとえばMo、Ta、42%Ni−Fe合金でも観察され、絶縁性セラミックス基板1に接合する金属層4の材質としては、上記のような低熱膨張率、高強度材料が適しており、なかでも熱伝導率が高いWおよびMoが最も適していることが判明した。
【0046】
したがって、本実施の形態によれば、金属層4の材質として、W,Mo、Ta、Ni−Fe合金のうちのいずれかを用いることで、金属層4の熱膨張率がSiC製半導体素子3やSi3N4絶縁性セラミックス基板1に近いことから、金属層4に発生する熱応力を低減でき、絶縁性セラミックス基板1の損傷をさらに防止することができる。
【0047】
(第3の実施の形態)
図9は、本実施形態におけるモジュール型半導体装置の基本構造を示す断面図である。同図のモジュール型半導体装置は、絶縁性セラミックス基板1の表面に金属層4を設けるとともに、接合材2の濡れ性を改善するために、金属層4の表面にさらに軟質金属層5を設け、この軟質金属層5の上面にSiC製半導体素子3を接合材2によって接合した構成である。その他の構成は図7と同様である。
【0048】
実施例3として、絶縁性セラミックス基板1にSi3N4を用い、その厚さを2.0mmとし、その表面に厚さ0.1mmのWからなる金属層4を設け、さらに軟質金属層5として厚さ20μmのNi層を設けて熱処理した後に、その上からSiC製半導体素子3を接合材2(ろう材)によって接合した試験片を製作した。
【0049】
この試験片を用いて熱サイクル試験を実施した。この熱サイクル試験は、第2の実施の形態と同様にして行った。
【0050】
試験の結果を図10の表に示す。同図の表には、実施例2の試験片における熱サイクル試験の結果を合わせて示してある。図10の結果から、実施例2のように、金属層4の上に直接SiC製半導体素子3を接合しただけの場合は、50サイクルで接合部に極僅かな剥離を生じたが、本実施例3のように、金属層4の表面に薄いNi層(軟質金属層5)を設けた場合は、100サイクル後でも全く剥離が生じないことが確認された。
【0051】
したがって、本実施の形態によれば、金属層4の表面にさらに軟質金属層5を設けることで、接合材2の濡れ性が改善されるので、SiC製半導体素子3と絶縁性セラミックス基板1との接合強度を向上させることができる。なお、軟質金属層5としては、Niと同様に接合材2が濡れ易い材料としてCuがあり、Niに代わって金属層4の表面に、薄いCuまたはその合金層を設けても同様な効果が期待できる。
【0052】
(第4の実施の形態)
図11は、本実施形態におけるモジュール型半導体装置の基本構造を示す断面図である。同図のモジュール型半導体装置は、絶縁性セラミックス基板1の表面に設けた金属層4と同一材質の金属層6を、絶縁性セラミックス基板1の裏面にも設けた構成である。同図では、金属層4、絶縁性セラミックス基板1、金属層6により絶縁基板7が構成された様子を示してある。その他の構成は図9と同様である。
【0053】
第2の実施の形態で説明したように、絶縁性セラミックス基板1と、その表面に設けた金属層4とは、両者の熱膨張率をできるだけ近づけることにより熱サイクル寿命を向上できることが判明した。
【0054】
しかし、それでも両者の熱膨張率は僅かに異なる。このため、加熱、冷却時に、図12に示すように、SiC製半導体素子3が搭載されている面の側へ絶縁基板7に反りが発生してしまい、このような反りの発生しない限度が通電加熱温度の限界となっていた。
【0055】
そこで、本実施の形態では、図11に示したように、絶縁性セラミックス基板1の裏面にも金属層4と同一材質の金属層6を設けることにより、曲げ応力のバランスをとるようにした。
【0056】
実施例4として、金属層4および金属層6に厚さ0.1mmのWを用いた試験片を製作し、通電加熱試験熱を行った。実施例4の他の部分の構成は実施例3と同様とした。また、比較のために、実施例3による試験片についても通電加熱試験熱を行った。実施例3,4のいずれについても10個の試験片で試験を開始し、段階的に変化させる各温度において絶縁基板に反りが生じていない試験片の数を記録した。
【0057】
この試験結果を図13の表に示す。同図の表から、実施例4では、到達温度が400℃を超えるまで試験片の全数(10P)が、到達温度に達している。これに対して、実施例3では、到達温度が300℃を超えた辺りから、到達温度に達する試験片が少なくなることが確認された。
【0058】
したがって、本実施の形態によれば、絶縁性セラミックス基板1の裏面にも金属層4と同一材質の金属層6を設けることにより、曲げ応力をバランスさせることができ、絶縁基板7の反りをほぼ完全に防止することができる。その結果、熱サイクル寿命のバラツキを著しく低減することができる。
【0059】
(第5の実施の形態)
図14は、本実施形態におけるモジュール型半導体装置の基本構造を示す断面図である。本モジュール型半導体装置は、第4の実施の形態と同様の構造からなる絶縁性セラミックス基板1の裏面に設けた金属層6を放熱板8に密着させた状態で、ボルト9、接着剤、ろう付け等により放熱板8に固定した構成である。その他の構成は図11と同様である。
【0060】
実施例5として、絶縁基板7を直接的に放熱板8に密着させた状態でボルト9により放熱板8に固定した試験片を製作し、通電加熱試験を行った。実施例5の他の部分の構成は実施例4と同様とした。また、比較のために、絶縁基板7と放熱板8との間に、Cuベースを介した場合(比較例3)、SiC/Al複合材料を介した場合(比較例4)について、同じく通電加熱試験を行った。その結果を図15の表に示す。
【0061】
図15の表から、比較例3および4のように、絶縁基板をベースと呼ばれるCuまたはSiC/Al複合材料に接合し、これらの材料を介して放熱板8に固定した場合、Cu、SiC/Al複合材料の熱膨張率は、各々16.7、10×10−6/Kであり、SiC製半導体素子3やSi3N4絶縁性セラミックス基板1と大きく異なるため、前者は150℃、後者は250℃で接合材2に剥離が発生した。一方、実施例5のように、これらの材料を用いず、絶縁基板7を直接放熱板8に固定した場合は、大きな熱応力が発生せず、300℃の加熱でも接合材2に異常は認められなかった。
【0062】
したがって、本実施の形態によれば、絶縁性セラミックス基板1の裏面に設けた金属層6を放熱板8に密着させた状態で放熱板8に固定したことで、接合材2に大きな熱応力が発生せず、300℃の高温で稼動させても接合材2が損傷しないようにすることができる。
【0063】
(第6の実施の形態)
図16は、本実施形態におけるモジュール型半導体装置の基本構造を示す断面図である。本モジュール型半導体装置は、絶縁性セラミックス基板1の裏面に設けた金属層6の表面に、Ni、Cu、これらの金属のいずれかを含む合金のうちのいずれかを用いた軟質金属層10をさらに設けた構成である。その他の構成は図14と同様である。
【0064】
実施例6として、金属層6の表面に軟質金属層10として厚さ20μmのNi層を設けた試験片を製作し、通電加熱試験を行った。実施例6の他の部分の構成は実施例5と同様とした。その結果を図17の表に示す。なお、比較のために、実施例5の試験片による通電加熱試験の結果を合わせて示してある。
【0065】
図17の表から、実施例5のように金属層6の表面にNi層を設けない場合は、350℃を超えたところで接合材2の剥離が始まったのに対し、実施例6のように金属層6の表面にNi層を設けた場合には、400度℃を超えるまで接合材2の剥離が始まらないことが確認された。
【0066】
したがって、本実施の形態によれば、絶縁性セラミックス基板1の裏面に設けた金属層6の表面に、Ni、Cu、これらの金属のいずれかを含む合金のうちのいずれかを用いた軟質金属層10をさらに設けたことで、絶縁基板7と放熱板8との接触熱抵抗を低減することができ、その分、SiC製半導体素子3と絶縁基板7の温度を下げることが可能となるので、限界加熱温度を向上させることができる。
【0067】
(第7の実施の形態)
図18は、本実施形態におけるモジュール型半導体装置の基本構造を示す断面図である。本モジュール型半導体装置は、複数個のSiC製半導体素子3のコレクタ電極を金属製ブスバー11で電気的に接続し、この金属製ブスバー11の状面に絶縁性セラミックス12を介して放熱板13を密着させた構成である。その他の構成は図16と同様である。
【0068】
本実施の形態では、従来は半導体素子間の電気的結線に使用されていたワイヤボンディングを、金属製ブスバー11に変更することにより、SiC製半導体素子3の上面にも放熱板13を設置することを可能としている。これにより、SiC製半導体素子3の熱を効率良く除去することができる。さらに、金属製ブスバー11と放熱板13の間に絶縁性セラミックス12を介在させることにより、外部との絶縁も維持することができる。
【0069】
(第8の実施の形態)
本実施形態におけるモジュール型半導体装置は、外観構成は図18に示したものと同様であるが、金属製ブスバー11と放熱板13の間に存在する絶縁性セラミックス12の材質として、熱膨張率および熱伝導率が高いAlNまたはSi3N4を用いた構成である。
【0070】
本実施の形態では、このように絶縁性セラミックス12の材料として、熱膨張率がSiC製半導体素子3やSi3N4製の絶縁性セラミックス基板1に近い材料を選定することにより、絶縁性セラミックス12に発生する熱応力を低減することができ、かつ、高い熱伝導率の材料を選定することにより効率良く外部に熱を放出させることができる。
【0071】
(第9の実施の形態)
図19は、本実施形態におけるモジュール型半導体装置の基本構造を示す断面図である。本モジュール型半導体装置は、金属製ブスバー11の材質として、SiC製半導体素子、Si3N4製の絶縁性セラミックス基板1、およびAlN製の絶縁性セラミックス12と熱膨張率が近く、熱伝導率が高いW、Mo、これらの金属を含む合金のうちのいずれかを成分として含み、かつ、その表面または裏面、あるいは表裏面の両面にCuまたはNiを含む金属層14を設けた構成である。その他の構成は、図18と同様である。
【0072】
本実施の形態では、このように金属製ブスバー11の材質として、W、Mo、これらの金属を含む合金のうちのいずれかを用いるとともに、金属製ブスバー11の表面と裏面の少なくとも一方にCuまたはNiを含む金属層14を設けることで、金属製ブスバー11と放熱板13との接合性、接触熱抵抗を低減でき、同部位の熱サイクル寿命の向上や接触熱抵抗の低減による冷却特性を向上させることができる。
【0073】
(第10の実施の形態)
図20は、本実施形態におけるモジュール型半導体装置の基本構造を示す断面図である。本モジュール型半導体装置は、SiC製半導体素子3を接合した金属層4の表面と裏面のうちの少なくとも一方に、Ni、Cu、これらの金属のいずれかを含む合金のうちのいずれかを用いた軟質金属層5、10をそれぞれ設けるとともに、金属層4をボルト9等により軟質金属層10を介して放熱板8に固定した構成である。
【0074】
すなわち、絶縁性セラミックス基板1を省略し、金属層4が絶縁基板に相当する構成である。金属層4としては、SiCと熱膨張率が比較的近いMo、W、Ta、これらの金属のいずれかを含む合金、またはNiとFeからなる合金を用いる。その他の構成については図19と同様である。
【0075】
本実施の形態では、このようにSiC製半導体素子3を接合する金属層4の材質をMo、W、Ta、これらの金属のいずれかを含む合金、またはNiとFeを含む合金とすることにより、SiC製半導体素子の発熱時において熱膨張率差に起因する絶縁基板の熱応力を低減でき、絶縁基板の損傷を防止することができる。また、金属層4の表面又は裏面の少なくとも一方に熱抵抗の小さい軟質金属層5,10を設けることにより、接触界面における熱抵抗も大幅に低下させることができ、放熱板からの冷却効率も著しく向上させることができる。
【0076】
(第11の実施の形態)
図21は、本実施形態におけるモジュール型半導体装置の基本構造を示す断面図である。本モジュール型半導体装置は、第10の実施の形態の構造からなる半導体装置を絶縁性容器15に収め、この絶縁性容器15内に絶縁性ガス16を充填した構成である。絶縁性ガス16としては、たとえば、ドライ窒素(N)ガス、または、アルゴン(Ar)、ヘリウム(He)などの不活性ガスなどを用いる。
【0077】
本実施の形態では、このようにモジュール型半導体装置の内部を絶縁性ガス16により充填することにより、半導体装置の内のアーク放電を防止でき、耐圧性を向上させることができる。
【0078】
なお、絶縁性容器15内には、少なくともSiC製半導体素子3を収納していればよく、この点については第1乃至第9の実施の形態として説明した半導体装置のいずれについても適用でき、いずれの場合も同様の効果を得ることができる。
【0079】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、300℃以上の高温で稼動しても、熱応力により絶縁基板が損傷しないモジュール型半導体装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態におけるモジュール型半導体装置の基本構造を示す断面図である。
【図2】上記半導体装置に用いられる絶縁性セラミックス基板の候補となる材料の特性を示す表である。
【図3】上記半導体装置の作動温度と絶縁性セラミックス基板に作用する熱応力との関係を示すグラフである。
【図4】上記半導体装置の金属層の候補となる材料の特性を示す表である。
【図5】上記半導体装置の作動温度と金属層に作用する熱応力との関係を示すグラフである。
【図6】実施例1と比較例1について通電加熱試験の評価結果を示す表である。
【図7】第2の実施の形態における金属層の接合部分の耐剥離性を向上させたモジュール型半導体装置の基本構造を示す断面図である。
【図8】実施例2と比較例2について熱サイクル試験の評価結果を示す表である。
【図9】第3の実施の形態における金属層の接合部分の耐剥離性を向上させたモジュール型半導体装置の基本構造を示す断面図である。
【図10】実施例2と実施例3について熱サイクル試験の評価結果を示す表である。
【図11】第4の実施の形態における加熱による曲げ変形を抑制したモジュール型半導体装置の基本構造を示す断面図である。
【図12】SiC製半導体素子が搭載されている面の側へ絶縁基板に反りが発生する様子を示す図である。
【図13】実施例3と実施例4について通電加熱試験の評価結果を示す表である。
【図14】第5の実施の形態における絶縁基板での熱応力の発生を抑制したモジュール型半導体装置の基本構造を示す断面図である。
【図15】実施例5と比較例3,4について通電加熱試験の評価結果を示す表である。
【図16】第6の実施の形態における耐熱特性を向上させたモジュール型半導体装置の基本構造を示す断面図である。
【図17】実施例5と実施例6について通電加熱試験の評価結果を示す表である。
【図18】第7の実施の形態における金属製ブスバーを用いたモジュール型半導体装置の基本構造を示す断面図である。
【図19】第9の実施の形態における金属製ブスバーと放熱板との接触熱抵抗を低減したモジュール型半導体装置の基本構造を示す断面図である。
【図20】第10の実施の形態における冷却特性を向上させたモジュール型半導体装置の基本構造を示す断面図である。
【図21】第11の実施の形態における半導体装置内部の耐アーク特性を向上させたモジュール型半導体装置の基本構造を示す断面図である。
【図22】従来のモジュール型半導体装置の基本構造を示す断面図である。
【符号の説明】
1,21…絶縁性セラミックス基板、
2…接合材、3…炭化珪素製半導体素子、
4…金属層、5,10…軟質金属層、
6…金属層、7…絶縁基板、8…放熱板、
9…ボルト、11…金属製ブスバー、
12…絶縁性セラミックス、13…放熱板、
14…金属層、15…絶縁性容器、
16…絶縁性ガス、22…Si半導体素子、
23…ハンダ、24,27…Al板、
25…ベース、26…ハンダ、
28…ワイヤ、29…絶縁性ゲル、
30…絶縁性樹脂ケース
【発明の属する技術分野】
本発明は、炭化珪素(SiC)を用いた半導体素子によるモジュール型半導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体素子の多くは、珪素(Si)の単結晶が使用されているが、近年、炭化珪素(SiC)を用いた半導体素子(以下、「SiC製半導体素子」と称する)が開発されている。このSiC製半導体素子は従来のSi半導体素子に比べて通電損失が小さく、スイッチング周波数も高く、さらに、Si半導体素子の使用温度が150℃程度であったのに対して、500℃程度の高温でも安定して使用できる。このため、従来のSi半導体素子に比べて、これを冷却するための冷却装置のコンパクト化、簡素化が可能であるなど様々な利点がある。
【0003】
図22は、従来のSi半導体素子を使用した代表的なモジュール型半導体装置の構造を示す断面図である。同図に示すように、従来のモジュール型半導体装置は、絶縁基板7上に、ハンダによりSi半導体素子22が接合されている。ここで絶縁基板7は、窒化アルミニウム(AlN)からなる絶縁性セラミックス基板21の表面にSi半導体素子22をハンダ23により接合するための銅(Cu)またはアルミニウム(Al)板24が接合されており、一方、絶縁性セラミックス基板21の裏面には絶縁基板7をCu製のベース25にハンダ26により接合するために同じくCuまたはAl板27が接合されている。
【0004】
Si半導体素子22は、他のSi半導体素子や外部端子等にボンディング・ワイヤ28により結線されている。そして、これらの部品は絶縁性ゲル29により封止され、さらに絶縁性樹脂ケース30に収容されてモジュール型半導体装置を構成している。
【0005】
また、このモジュール型半導体装置のベース25は、水冷のヒートシンクにボルト9により固定されており、Si半導体素子22から発生した熱を絶縁基板7とベース25を介して放熱板8に逃がす構造になっている。
【0006】
しかし、このようなSi半導体素子を用いた従来のモジュール型半導体装置は、通電によるSi半導体素子の温度上昇が150℃以下の場合には有効であるが、温度上昇が500℃程度またはそれ以上の高温においては熱応力により絶縁性セラミックス基板21に亀裂が発生し絶縁破壊を生じたり、ハンダ26による接合層やボンディング・ワイヤ27に、剥離が発生し通電不良を生じる問題があった。
【0007】
すなわち、モジュール型半導体装置の損傷は、装置を構成する材料の熱膨張差と高温強度に依存するため、SiC半導体素子の熱膨張率は約3.9×10−6/K、絶縁基板に使用されているAlNの熱膨張率が約4.69×10−6/Kに対して、ベース材料として使用されているCuの熱膨張率が約17.1×10−6/Kであることから、温度上昇に伴うベースの熱伸びによりモジュール型半導体装置に曲げ応力が作用し、絶縁性セラミックス基板21やハンダ26の接合層等に亀裂が発生することとなるのである。
【0008】
近年、ベース材料を熱膨張率の小さいセラミックス(例えばSiC粒子)とAlの複合材料(SiC/Al複合材料)に変えることにより、熱膨張率を絶縁性セラミックス基板に近づけ、ハンダ層に発生する熱応力を低減する方法が考案され、Si半導体素子を搭載した半導体装置で一部実用化されている。しかし、このような複合材料の熱膨張率はせいぜい10×10−6/K程度であり、150℃の温度差には耐えられるが、300℃を超える温度差では適用できない。
【0009】
このようなモジュール型半導体装置の熱応力緩和方法に関しては、たとえば、絶縁性セラミックス基板に接合する金属導電層を小さく分割することで、ハンダの熱応力を緩和する技術がある(特許文献1参照)。
【0010】
また、他の技術として、ベース材料に熱膨張率の小さいCuとモリブデン(Mo)の複合材料を使用することで熱応力を緩和する方法がある(特許文献2参照)。
【0011】
【特許文献1】
特開平8−274228号公報
【0012】
【特許文献2】
特開平11−26966号公報
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1の技術では、絶縁性セラミックス基板の金属導電層が接合されていない部分には大きな引張の熱応力が発生するため、強度的に脆い絶縁性セラミックス基板に亀裂が発生し、絶縁破壊を生じる可能性が高い。
【0014】
また、特許文献2の技術では、ハンダの熱疲労寿命の向上にはある程度効果的であるものの、CuとMoの複合材料の熱膨張率はせいぜい9×10−6/K程度であり、300℃以上の温度差に耐えることは困難である。
【0015】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、SiC製半導体素子を300℃で稼動させても熱応力により絶縁基板が損傷しないモジュール型半導体装置を提供することである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
第1の本発明に係るモジュール型半導体装置は、窒化珪素を用いた絶縁性セラミックス基板と、前記絶縁性セラミックス基板に金属層を介して接合された炭化珪素製半導体素子と、を有することを特徴とする。
【0017】
本発明にあっては、絶縁性セラミックス基板の材質に窒化珪素を用いることで、絶縁性セラミックス基板に発生する熱応力が低減するとともに曲げ強さが強くなるので、300℃の高温で稼動させても絶縁基板が損傷しないようにすることができる。
【0018】
また、金属層の材質として、モリブデン、タングステン、タンタル、これらの金属のいずれかを含む合金、ニッケルと鉄を含む合金のうちのいずれかを用いることで、金属層の熱膨張率が炭化珪素製製半導体素子や絶縁性セラミックス基板に近づくので、絶縁性セラミックス基板に発生する熱応力を低減させることができる。さらに、金属層の熱伝導率が高まることから、炭化珪素製半導体素子の熱を効率良く絶縁性セラミックス基板に導くことができ、良好な放熱性を得ることができる。
【0019】
第2の本発明に係るモジュール型半導体装置は、モリブデン、タングステン、タンタル、これらの金属のいずれかを含む合金、ニッケルと鉄を含む合金のうちのいずれかを用いた金属層と、前記金属層の表面と裏面のうちの少なくとも一方に設けられ、ニッケル、銅、これらの金属のいずれかを含む合金のうちのいずれかを用いた軟質金属層と、前記金属層に接合された炭化珪素製半導体素子と、前記軟質金属層を介して前記金属層を固定した放熱板と、を有することを特徴とする。
【0020】
本発明にあっては、炭化珪素製半導体素子を接合する金属層の材質として、モリブデン、タングステン、タンタル、これらの金属のいずれかを含む合金、ニッケルと鉄を含む合金のうちのいずれかを用いることにより、炭化珪素製半導体素子の稼動時に熱膨張率差に起因する絶縁基板の熱応力を低減でき、300℃の高温で稼動させても絶縁基板が損傷しないようにすることができる。また、金属層の表面又は裏面の少なくとも一方に、ニッケル、銅、これらの金属のいずれかを含む合金のうちのいずれかを用いた軟質金属層を設けることにより、炭化珪素製半導体素子と金属層との接触界面における熱抵抗を大幅に低下できるとともに、放熱板による冷却効率を著しく向上させることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、各図面においては、同一または類似の部分には同一または類似の符号を付している。
【0022】
本発明者らは、種々の金属材料、セラミックス材料の熱膨張率、熱伝導率、曲げ強度を評価するとともに、様々な材料の組み合わせについて熱応力解析および熱サイクル試験を実施した。その結果、300℃以上の熱サイクルに耐え得るモジュール型半導体装置の構造は、絶縁特性、導電特性等の個々の構成部材に要求される特性を維持したまま、熱膨張率か小さく、かつ、モジュール型半導体を構成する部品間の熱膨張率差もできるだけ小さくすることが最も効果的であることが判明した。しかしながら、熱膨張率差をゼロにすることは不可能なため、熱応力が発生しても破壊されない十分な強度を有するとともに、熱伝導率が高くSiC製半導体素子で発生した熱を如何に短時間で放熱し、モジュール型半導体装置内部の温度上昇を抑制するかも重要であることが判明した。この点を考慮して、本発明者らは以下に示すモジュール型半導体装置の基本構造を考案した。
【0023】
図1は、本発明を適用したモジュール型半導体装置の基本構造を示す断面図である。同図のモジュール型半導体装置は、絶縁性セラミックス基板1と、この絶縁性セラミックス基板1にSiC製半導体素子3を接合するための接合材2と、SiC製半導体素子3とを有する構成である。
【0024】
図2は、絶縁性セラミックス基板1の候補となる材料の特性を示す表である。この表から、SiC製半導体素子3の熱膨張率は約3.9×10−6/Kであることから、熱膨張率的にはジルコン(ZrO2・SiO2)および窒化珪素(Si3N4)が適していると言える。一方、絶縁性セラミックス基板1の特性としては、SiC製半導体素子3の熱をヒートシンクに効率良く逃がすために、熱伝導率が高いことが好ましく、かつ、曲げ強度が高く、比抵抗が大きいことが適している。
【0025】
このような特性をすべて満たす材料としては、図2の表からSi3N4しかなく、SiC製半導体素子3を用いたモジュール型半導体装置の絶縁性セラミックス基板1の材料としてはSi3N4が最も適していることが分かる。
【0026】
図3は、半導体装置の作動温度に対する絶縁性セラミックス基板の応力を示すグラフである。このグラフは、絶縁性セラミックス基板1に、Si半導体素子で広く用いられているAlNを用いた場合と、本発明によるSi3N4を用いた場合について、半導体装置のオン/オフに伴い絶縁性セラミックス基板1に発生する熱応力を解析により求めた結果を示したものである。
【0027】
このグラフから、AlNを用いた場合は、作動温度200℃を超えた時点で、AlNに発生する熱応力がAlNの曲げ強さを超えて絶縁性セラミックス基板1が破壊することがわかる。一方、Si3N4を用いた場合は、AlNに比べて発生する熱応力が低く、かつ、曲げ強さも1000MPa以上と高いため、600℃の高温の熱サイクルを受けても絶縁性セラミックス基板1が破壊されないことが確認された。
【0028】
また、後述する図7に示すように、絶縁性セラミックス基板1は、その表面にSiC製半導体素子3を接合するために金属層4を設ける必要があるが、絶縁性セラミックス基板1に発生する熱応力を低減させるためには、この金属層4の熱膨張率もSiC製半導体素子3やSi3N4絶縁性セラミックス基板1にできるだけ近いことが好ましく、かつ、SiC製半導体素子3の熱を効率良く絶縁性セラミックス基板1に導くために高い熱伝導率も必要である。
【0029】
金属層4の代表的な候補材料の特性を図4の表に示す。同図と図2の表から、熱膨張率がSi3N4に近く、熱伝導率が高い材料としては、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、タンタル(Ta)、ニッケル(Ni)−鉄(Fe)合金が適切であることが分かる。
【0030】
また、図4に示した候補材料のうち、CuとWを用いた場合のオン/オフ時に金属層4に発生する熱応力値を解析した結果を図5のグラフに示す。ここでは、絶縁性セラミックス基板1の材質にはSi3N4を用いた。
【0031】
図4の表および図5の結果から、金属層4に熱膨張率がSiC製半導体素子3やSi3N4絶縁性セラミックス基板1に近く、かつ、強度が高いWを用いた場合は、W層に発生する熱応力は50MPa程度と低いが、熱膨張率が大きく、高温強度が低いCuを用いた場合は、金属層4に発生する熱応力はCuの降伏応力よりも著しく高く、Cuには塑性変形が生じ短時間の熱サイクルで剥離が発生することが確認された。
【0032】
したがって、金属層4の材質としては、低膨張・高強度のW、Mo、Ta、Ni−Fe合金が適しており、なかでも高熱伝導率の点からは、W、Moが好ましいことが明らかとなった。
【0033】
(第1の実施の形態)
本実施形態におけるモジュール型半導体装置は、図1と同様の構成であり、絶縁性セラミックス基板1としてSi3N4を用い、その表面をメタライズした後に絶縁性セラミックス基板1の表面にろう材を用いた接合材2によりSiC製半導体素子3を接合した構成である。
【0034】
実施例1として、絶縁性セラミックス基板1にSi3N4を用い、その厚さを1.0mmとし、その表面にメタライズ処理によって極薄い金属層(不図示)を形成した後、さらにその表面に接合材2としてろう材を用いてSiC製半導体素子3を接合した試験片を製作した。
【0035】
また、比較のために、比較例1として、絶縁性セラミックス基板1にAlNを用い、その厚さを1.0mmとし、その表面に同じくろう材を用いてSiC製半導体素子3を接合した試験片を製作した。
【0036】
両者の試験片について、放熱板の上に固定し、SiC製半導体素子を通電し、所定の温度に到達した後に、室温まで冷却する通電加熱試験を実施した。その際、到達温度を段階的に上げて絶縁性セラミックス基板の損傷状況を評価した。その評価結果を図6の表に示す。
【0037】
図6の表から、図3に示した解析結果と同様に、SiC製半導体素子に比べて熱膨張が大きく、かつ、曲げ強さも低いAlNを絶縁性セラミックス基板に用いた比較例1では、250℃に加熱した時点で絶縁性セラミックス基板に亀裂が発生したのに対して、SiC製半導体素子との熱膨張差が小さく、かつ、曲げ強さも高いSi3N4を用いた実施例1では300℃に加熱しても絶縁性セラミックス基板1には全く異常が認められなかった。
【0038】
以上の結果より、SiC製半導体素子に用いる絶縁性セラミックス基板1の材料としては、低熱膨張率と高強度を兼ね備えたSi3N4が最も適しており、半導体装置の耐熱性を大幅に改善できることが明らかとなった。
【0039】
したがって、本実施の形態によれば、絶縁性セラミックス基板1の材料としてSi3N4を用いることで、絶縁性セラミックス基板1に発生する熱応力が低減するとともに曲げ強さが強くなるので、300℃の高温で稼動させても絶縁性セラミックス基板が損傷しないようにすることができる。
【0040】
(第2の実施の形態)
図7は、本実施形態におけるモジュール型半導体装置の基本構造を示す断面図である。同図のモジュール型半導体装置は、絶縁性セラミックス基板1の表面にW、Mo、Ta、Ni−Fe合金のうちのいずれかを主成分とする金属層4を設け、この金属層4の表面にSiC製半導体素子3を接合材2によって接合した構成である。その他の構成については図1と同様である。
【0041】
実施例2として、絶縁性セラミックス基板1にSi3N4を用い、その厚さを2.0mmとし、その表面にWからなる金属層4を設け、この金属層4にSiC製半導体素子3をろう材によって接合した試験片を製作した。
【0042】
比較のために比較例2として、金属層4の材質をCuに替えた試験片を製作した。その他の構成は実施例2と同じである。なお、金属層4の厚さは、実施例2も比較例2も0.1mmとした。
【0043】
両者の試験片について、到達温度を300℃一定とし、繰り返し通電加熱を実施することにより熱サイクル試験を行った。このときの通電加熱試験の結果を図8の表に示す。図8の表から、図5に示した解析結果と同様に、金属層4としてSiC製半導体素子3やSi3N4絶縁性セラミックス基板1と比較的熱膨張率が近く、降伏強さも高いWを用いた実施例2では、50サイクル後に金属層4の極僅かな剥離が観察されたが、100サイクル後でも顕著な損傷は認められなかった。
【0044】
これに対して、SiC製半導体素子3やSi3N4絶縁性セラミックス基板1に比べて熱膨張率が著しく大きく、降伏強さも低いCuを金属層4に用いた比較例2では、10サイクル後で金属層4に多数のシワが発生し、20サイクルまでにCu層はすべて著しい剥離が発生した。
【0045】
この実施例2と同様な結果は、たとえばMo、Ta、42%Ni−Fe合金でも観察され、絶縁性セラミックス基板1に接合する金属層4の材質としては、上記のような低熱膨張率、高強度材料が適しており、なかでも熱伝導率が高いWおよびMoが最も適していることが判明した。
【0046】
したがって、本実施の形態によれば、金属層4の材質として、W,Mo、Ta、Ni−Fe合金のうちのいずれかを用いることで、金属層4の熱膨張率がSiC製半導体素子3やSi3N4絶縁性セラミックス基板1に近いことから、金属層4に発生する熱応力を低減でき、絶縁性セラミックス基板1の損傷をさらに防止することができる。
【0047】
(第3の実施の形態)
図9は、本実施形態におけるモジュール型半導体装置の基本構造を示す断面図である。同図のモジュール型半導体装置は、絶縁性セラミックス基板1の表面に金属層4を設けるとともに、接合材2の濡れ性を改善するために、金属層4の表面にさらに軟質金属層5を設け、この軟質金属層5の上面にSiC製半導体素子3を接合材2によって接合した構成である。その他の構成は図7と同様である。
【0048】
実施例3として、絶縁性セラミックス基板1にSi3N4を用い、その厚さを2.0mmとし、その表面に厚さ0.1mmのWからなる金属層4を設け、さらに軟質金属層5として厚さ20μmのNi層を設けて熱処理した後に、その上からSiC製半導体素子3を接合材2(ろう材)によって接合した試験片を製作した。
【0049】
この試験片を用いて熱サイクル試験を実施した。この熱サイクル試験は、第2の実施の形態と同様にして行った。
【0050】
試験の結果を図10の表に示す。同図の表には、実施例2の試験片における熱サイクル試験の結果を合わせて示してある。図10の結果から、実施例2のように、金属層4の上に直接SiC製半導体素子3を接合しただけの場合は、50サイクルで接合部に極僅かな剥離を生じたが、本実施例3のように、金属層4の表面に薄いNi層(軟質金属層5)を設けた場合は、100サイクル後でも全く剥離が生じないことが確認された。
【0051】
したがって、本実施の形態によれば、金属層4の表面にさらに軟質金属層5を設けることで、接合材2の濡れ性が改善されるので、SiC製半導体素子3と絶縁性セラミックス基板1との接合強度を向上させることができる。なお、軟質金属層5としては、Niと同様に接合材2が濡れ易い材料としてCuがあり、Niに代わって金属層4の表面に、薄いCuまたはその合金層を設けても同様な効果が期待できる。
【0052】
(第4の実施の形態)
図11は、本実施形態におけるモジュール型半導体装置の基本構造を示す断面図である。同図のモジュール型半導体装置は、絶縁性セラミックス基板1の表面に設けた金属層4と同一材質の金属層6を、絶縁性セラミックス基板1の裏面にも設けた構成である。同図では、金属層4、絶縁性セラミックス基板1、金属層6により絶縁基板7が構成された様子を示してある。その他の構成は図9と同様である。
【0053】
第2の実施の形態で説明したように、絶縁性セラミックス基板1と、その表面に設けた金属層4とは、両者の熱膨張率をできるだけ近づけることにより熱サイクル寿命を向上できることが判明した。
【0054】
しかし、それでも両者の熱膨張率は僅かに異なる。このため、加熱、冷却時に、図12に示すように、SiC製半導体素子3が搭載されている面の側へ絶縁基板7に反りが発生してしまい、このような反りの発生しない限度が通電加熱温度の限界となっていた。
【0055】
そこで、本実施の形態では、図11に示したように、絶縁性セラミックス基板1の裏面にも金属層4と同一材質の金属層6を設けることにより、曲げ応力のバランスをとるようにした。
【0056】
実施例4として、金属層4および金属層6に厚さ0.1mmのWを用いた試験片を製作し、通電加熱試験熱を行った。実施例4の他の部分の構成は実施例3と同様とした。また、比較のために、実施例3による試験片についても通電加熱試験熱を行った。実施例3,4のいずれについても10個の試験片で試験を開始し、段階的に変化させる各温度において絶縁基板に反りが生じていない試験片の数を記録した。
【0057】
この試験結果を図13の表に示す。同図の表から、実施例4では、到達温度が400℃を超えるまで試験片の全数(10P)が、到達温度に達している。これに対して、実施例3では、到達温度が300℃を超えた辺りから、到達温度に達する試験片が少なくなることが確認された。
【0058】
したがって、本実施の形態によれば、絶縁性セラミックス基板1の裏面にも金属層4と同一材質の金属層6を設けることにより、曲げ応力をバランスさせることができ、絶縁基板7の反りをほぼ完全に防止することができる。その結果、熱サイクル寿命のバラツキを著しく低減することができる。
【0059】
(第5の実施の形態)
図14は、本実施形態におけるモジュール型半導体装置の基本構造を示す断面図である。本モジュール型半導体装置は、第4の実施の形態と同様の構造からなる絶縁性セラミックス基板1の裏面に設けた金属層6を放熱板8に密着させた状態で、ボルト9、接着剤、ろう付け等により放熱板8に固定した構成である。その他の構成は図11と同様である。
【0060】
実施例5として、絶縁基板7を直接的に放熱板8に密着させた状態でボルト9により放熱板8に固定した試験片を製作し、通電加熱試験を行った。実施例5の他の部分の構成は実施例4と同様とした。また、比較のために、絶縁基板7と放熱板8との間に、Cuベースを介した場合(比較例3)、SiC/Al複合材料を介した場合(比較例4)について、同じく通電加熱試験を行った。その結果を図15の表に示す。
【0061】
図15の表から、比較例3および4のように、絶縁基板をベースと呼ばれるCuまたはSiC/Al複合材料に接合し、これらの材料を介して放熱板8に固定した場合、Cu、SiC/Al複合材料の熱膨張率は、各々16.7、10×10−6/Kであり、SiC製半導体素子3やSi3N4絶縁性セラミックス基板1と大きく異なるため、前者は150℃、後者は250℃で接合材2に剥離が発生した。一方、実施例5のように、これらの材料を用いず、絶縁基板7を直接放熱板8に固定した場合は、大きな熱応力が発生せず、300℃の加熱でも接合材2に異常は認められなかった。
【0062】
したがって、本実施の形態によれば、絶縁性セラミックス基板1の裏面に設けた金属層6を放熱板8に密着させた状態で放熱板8に固定したことで、接合材2に大きな熱応力が発生せず、300℃の高温で稼動させても接合材2が損傷しないようにすることができる。
【0063】
(第6の実施の形態)
図16は、本実施形態におけるモジュール型半導体装置の基本構造を示す断面図である。本モジュール型半導体装置は、絶縁性セラミックス基板1の裏面に設けた金属層6の表面に、Ni、Cu、これらの金属のいずれかを含む合金のうちのいずれかを用いた軟質金属層10をさらに設けた構成である。その他の構成は図14と同様である。
【0064】
実施例6として、金属層6の表面に軟質金属層10として厚さ20μmのNi層を設けた試験片を製作し、通電加熱試験を行った。実施例6の他の部分の構成は実施例5と同様とした。その結果を図17の表に示す。なお、比較のために、実施例5の試験片による通電加熱試験の結果を合わせて示してある。
【0065】
図17の表から、実施例5のように金属層6の表面にNi層を設けない場合は、350℃を超えたところで接合材2の剥離が始まったのに対し、実施例6のように金属層6の表面にNi層を設けた場合には、400度℃を超えるまで接合材2の剥離が始まらないことが確認された。
【0066】
したがって、本実施の形態によれば、絶縁性セラミックス基板1の裏面に設けた金属層6の表面に、Ni、Cu、これらの金属のいずれかを含む合金のうちのいずれかを用いた軟質金属層10をさらに設けたことで、絶縁基板7と放熱板8との接触熱抵抗を低減することができ、その分、SiC製半導体素子3と絶縁基板7の温度を下げることが可能となるので、限界加熱温度を向上させることができる。
【0067】
(第7の実施の形態)
図18は、本実施形態におけるモジュール型半導体装置の基本構造を示す断面図である。本モジュール型半導体装置は、複数個のSiC製半導体素子3のコレクタ電極を金属製ブスバー11で電気的に接続し、この金属製ブスバー11の状面に絶縁性セラミックス12を介して放熱板13を密着させた構成である。その他の構成は図16と同様である。
【0068】
本実施の形態では、従来は半導体素子間の電気的結線に使用されていたワイヤボンディングを、金属製ブスバー11に変更することにより、SiC製半導体素子3の上面にも放熱板13を設置することを可能としている。これにより、SiC製半導体素子3の熱を効率良く除去することができる。さらに、金属製ブスバー11と放熱板13の間に絶縁性セラミックス12を介在させることにより、外部との絶縁も維持することができる。
【0069】
(第8の実施の形態)
本実施形態におけるモジュール型半導体装置は、外観構成は図18に示したものと同様であるが、金属製ブスバー11と放熱板13の間に存在する絶縁性セラミックス12の材質として、熱膨張率および熱伝導率が高いAlNまたはSi3N4を用いた構成である。
【0070】
本実施の形態では、このように絶縁性セラミックス12の材料として、熱膨張率がSiC製半導体素子3やSi3N4製の絶縁性セラミックス基板1に近い材料を選定することにより、絶縁性セラミックス12に発生する熱応力を低減することができ、かつ、高い熱伝導率の材料を選定することにより効率良く外部に熱を放出させることができる。
【0071】
(第9の実施の形態)
図19は、本実施形態におけるモジュール型半導体装置の基本構造を示す断面図である。本モジュール型半導体装置は、金属製ブスバー11の材質として、SiC製半導体素子、Si3N4製の絶縁性セラミックス基板1、およびAlN製の絶縁性セラミックス12と熱膨張率が近く、熱伝導率が高いW、Mo、これらの金属を含む合金のうちのいずれかを成分として含み、かつ、その表面または裏面、あるいは表裏面の両面にCuまたはNiを含む金属層14を設けた構成である。その他の構成は、図18と同様である。
【0072】
本実施の形態では、このように金属製ブスバー11の材質として、W、Mo、これらの金属を含む合金のうちのいずれかを用いるとともに、金属製ブスバー11の表面と裏面の少なくとも一方にCuまたはNiを含む金属層14を設けることで、金属製ブスバー11と放熱板13との接合性、接触熱抵抗を低減でき、同部位の熱サイクル寿命の向上や接触熱抵抗の低減による冷却特性を向上させることができる。
【0073】
(第10の実施の形態)
図20は、本実施形態におけるモジュール型半導体装置の基本構造を示す断面図である。本モジュール型半導体装置は、SiC製半導体素子3を接合した金属層4の表面と裏面のうちの少なくとも一方に、Ni、Cu、これらの金属のいずれかを含む合金のうちのいずれかを用いた軟質金属層5、10をそれぞれ設けるとともに、金属層4をボルト9等により軟質金属層10を介して放熱板8に固定した構成である。
【0074】
すなわち、絶縁性セラミックス基板1を省略し、金属層4が絶縁基板に相当する構成である。金属層4としては、SiCと熱膨張率が比較的近いMo、W、Ta、これらの金属のいずれかを含む合金、またはNiとFeからなる合金を用いる。その他の構成については図19と同様である。
【0075】
本実施の形態では、このようにSiC製半導体素子3を接合する金属層4の材質をMo、W、Ta、これらの金属のいずれかを含む合金、またはNiとFeを含む合金とすることにより、SiC製半導体素子の発熱時において熱膨張率差に起因する絶縁基板の熱応力を低減でき、絶縁基板の損傷を防止することができる。また、金属層4の表面又は裏面の少なくとも一方に熱抵抗の小さい軟質金属層5,10を設けることにより、接触界面における熱抵抗も大幅に低下させることができ、放熱板からの冷却効率も著しく向上させることができる。
【0076】
(第11の実施の形態)
図21は、本実施形態におけるモジュール型半導体装置の基本構造を示す断面図である。本モジュール型半導体装置は、第10の実施の形態の構造からなる半導体装置を絶縁性容器15に収め、この絶縁性容器15内に絶縁性ガス16を充填した構成である。絶縁性ガス16としては、たとえば、ドライ窒素(N)ガス、または、アルゴン(Ar)、ヘリウム(He)などの不活性ガスなどを用いる。
【0077】
本実施の形態では、このようにモジュール型半導体装置の内部を絶縁性ガス16により充填することにより、半導体装置の内のアーク放電を防止でき、耐圧性を向上させることができる。
【0078】
なお、絶縁性容器15内には、少なくともSiC製半導体素子3を収納していればよく、この点については第1乃至第9の実施の形態として説明した半導体装置のいずれについても適用でき、いずれの場合も同様の効果を得ることができる。
【0079】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、300℃以上の高温で稼動しても、熱応力により絶縁基板が損傷しないモジュール型半導体装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態におけるモジュール型半導体装置の基本構造を示す断面図である。
【図2】上記半導体装置に用いられる絶縁性セラミックス基板の候補となる材料の特性を示す表である。
【図3】上記半導体装置の作動温度と絶縁性セラミックス基板に作用する熱応力との関係を示すグラフである。
【図4】上記半導体装置の金属層の候補となる材料の特性を示す表である。
【図5】上記半導体装置の作動温度と金属層に作用する熱応力との関係を示すグラフである。
【図6】実施例1と比較例1について通電加熱試験の評価結果を示す表である。
【図7】第2の実施の形態における金属層の接合部分の耐剥離性を向上させたモジュール型半導体装置の基本構造を示す断面図である。
【図8】実施例2と比較例2について熱サイクル試験の評価結果を示す表である。
【図9】第3の実施の形態における金属層の接合部分の耐剥離性を向上させたモジュール型半導体装置の基本構造を示す断面図である。
【図10】実施例2と実施例3について熱サイクル試験の評価結果を示す表である。
【図11】第4の実施の形態における加熱による曲げ変形を抑制したモジュール型半導体装置の基本構造を示す断面図である。
【図12】SiC製半導体素子が搭載されている面の側へ絶縁基板に反りが発生する様子を示す図である。
【図13】実施例3と実施例4について通電加熱試験の評価結果を示す表である。
【図14】第5の実施の形態における絶縁基板での熱応力の発生を抑制したモジュール型半導体装置の基本構造を示す断面図である。
【図15】実施例5と比較例3,4について通電加熱試験の評価結果を示す表である。
【図16】第6の実施の形態における耐熱特性を向上させたモジュール型半導体装置の基本構造を示す断面図である。
【図17】実施例5と実施例6について通電加熱試験の評価結果を示す表である。
【図18】第7の実施の形態における金属製ブスバーを用いたモジュール型半導体装置の基本構造を示す断面図である。
【図19】第9の実施の形態における金属製ブスバーと放熱板との接触熱抵抗を低減したモジュール型半導体装置の基本構造を示す断面図である。
【図20】第10の実施の形態における冷却特性を向上させたモジュール型半導体装置の基本構造を示す断面図である。
【図21】第11の実施の形態における半導体装置内部の耐アーク特性を向上させたモジュール型半導体装置の基本構造を示す断面図である。
【図22】従来のモジュール型半導体装置の基本構造を示す断面図である。
【符号の説明】
1,21…絶縁性セラミックス基板、
2…接合材、3…炭化珪素製半導体素子、
4…金属層、5,10…軟質金属層、
6…金属層、7…絶縁基板、8…放熱板、
9…ボルト、11…金属製ブスバー、
12…絶縁性セラミックス、13…放熱板、
14…金属層、15…絶縁性容器、
16…絶縁性ガス、22…Si半導体素子、
23…ハンダ、24,27…Al板、
25…ベース、26…ハンダ、
28…ワイヤ、29…絶縁性ゲル、
30…絶縁性樹脂ケース
Claims (11)
- 窒化珪素を用いた絶縁性セラミックス基板と、
前記絶縁性セラミックス基板に金属層を介して接合された炭化珪素製半導体素子と、を有することを特徴とするモジュール型半導体装置。 - 前記金属層の材質は、モリブデン、タングステン、タンタル、これらの金属のいずれかを含む合金、ニッケルと鉄を含む合金のうちのいずれかを用いたことを特徴とする請求項1記載のモジュール型半導体装置。
- 前記金属層の表面に、ニッケル、銅、これらの金属のいずれかを含む合金のうちのいずれかを用いた軟質金属層を有することを特徴とする請求項1又は2記載のモジュール型半導体装置。
- 前記金属層と同一材質の金属層を、前記絶縁性セラミックス基板の裏面にも有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のモジュール型半導体装置。
- 前記絶縁性セラミックス基板の裏面に設けた金属層を放熱板に密着させた状態で固定したことを特徴とする請求項4記載のモジュール型半導体装置。
- 前記絶縁性セラミックス基板の裏面に設けた金属層の表面に、ニッケル、銅、これらの金属のいずれかを含む合金のうちのいずれかを用いた軟質金属層を有することを特徴とする請求項4又は5記載のモジュール型半導体装置。
- 複数個の炭化珪素製半導体素子のコレクタ電極を電気的に接続する金属製ブスバーを有し、
前記金属製ブスバーを絶縁性セラミックスを介して放熱板に密着させたことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のモジュール型半導体装置。 - 前記絶縁性セラミックスの材質は、窒化アルミニウムまたは窒化珪素であることを特徴とする請求項7記載のモジュール型半導体装置。
- 前記金属製ブスバーの材質は、タングステン、モリブデン、これらの金属を含む合金のうちのいずれかを用いたものであり、前記金属製ブスバーの表面又は裏面の少なくとも一方に銅またはニッケルを用いた金属層を有することを特徴とする請求項7又は8記載のモジュール型半導体装置。
- モリブデン、タングステン、タンタル、これらの金属のいずれかを含む合金、ニッケルと鉄を含む合金のうちのいずれかを用いた金属層と、
前記金属層の表面と裏面うちの少なくとも一方に設けられ、ニッケル、銅、これらの金属のいずれかを含む合金のうちのいずれかを用いた軟質金属層と、
前記金属層に接合された炭化珪素製半導体素子と、
前記軟質金属層を介して前記金属層を固定した放熱板と、を有することを特徴とするモジュール型半導体装置。 - 前記炭化珪素製半導体素子は、絶縁性ガスが充填された絶縁性容器に収納されていることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載のモジュール型半導体装置。
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