JP7013698B2 - 半導体モジュール - Google Patents

半導体モジュール Download PDF

Info

Publication number
JP7013698B2
JP7013698B2 JP2017139435A JP2017139435A JP7013698B2 JP 7013698 B2 JP7013698 B2 JP 7013698B2 JP 2017139435 A JP2017139435 A JP 2017139435A JP 2017139435 A JP2017139435 A JP 2017139435A JP 7013698 B2 JP7013698 B2 JP 7013698B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heat sink
heat
range
slit
semiconductor element
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2017139435A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2019021785A (ja
Inventor
裕孝 大野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp filed Critical Denso Corp
Priority to JP2017139435A priority Critical patent/JP7013698B2/ja
Publication of JP2019021785A publication Critical patent/JP2019021785A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7013698B2 publication Critical patent/JP7013698B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本明細書が開示する技術は、半導体モジュールに関する。
特許文献1に半導体モジュールが開示されている。その半導体モジュールは、半導体素子と、その半導体素子に熱的に接続されるヒートシンクと、そのヒートシンクと熱的に接続される放熱板とを備える。ヒートシンクは、概して直方体の形状を有しており、第1の表面において半導体素子へ熱的に接続され、第1の表面に隣接する第2の表面において放熱板へ熱的に接続されている。
特開2017-50498号公報
このような構成の半導体モジュールでは、通電やその停止に伴って各構成部材の温度が変動し、その温度に応じた熱膨張が各構成部材に生じる。ここで、半導体素子、ヒートシンク及び放熱板は、互い異なる材料を用いて構成されることが多く、それぞれの線膨張係数が互い相違し得る。従って、半導体素子、ヒートシンク及び放熱板のそれぞれに熱膨張が生じたときに、それらの各接合部では比較的に大きな応力が生じやすく、亀裂や剥離といった不具合の発生が懸念される。そこで、特許文献1に記載された半導体モジュールでは、ヒートシンクにスリットを設けることによって、各接合部に生じる応力を低減することを可能にしている。
上述したように、ヒートシンクにスリットを設けることで、接合部に生じる応力を低減することができる。その一方で、ヒートシンクにスリットが設けられていると、ヒートシンクにおける半導体素子から放熱板への熱伝導が、スリットによって阻害されるという新たな問題を招いてしまう。本明細書は、ヒートシンクにスリットが設けられている半導体モジュールにおいて、ヒートシンクにおける熱伝導がスリットによって阻害されることを抑制する技術を提供する。
本明細書が開示する半導体モジュールは、半導体素子と、互いに隣接する第1の表面及び第2の表面を有し、第1の表面において半導体素子へ熱的に接続されたヒートシンクとヒートシンクの第2の表面に熱的に接続された放熱板とを備える。ヒートシンクには、少なくとも一つのスリットが設けられている。第1の表面のなかで半導体素子に熱的に接続された範囲を吸熱範囲とし、第2の表面のなかで放熱板に熱的に接続された範囲を放熱範囲とし、ヒートシンクにおいて吸熱範囲と放熱範囲との間を直線的に接続する領域を伝熱領域とする。この場合、スリットは、伝熱領域の外側に位置するとともに、スリットの深さ方向は、放熱範囲に近づくほど吸熱範囲から離れる方向に沿って延びている。ここで、吸熱範囲と放熱範囲とを直線的に接続する領域(即ち、伝熱領域)とは、一端を吸熱範囲内の任意の点とし、他端を放熱範囲内の任意の点とする線分の全集合によって画定される立体的な領域を意味する。
ヒートシンクでは、半導体素子へ熱的に接続された吸熱範囲から、放熱板へ熱的に接続された放熱範囲に向けて熱伝導が生じるが、この熱伝導は主に、吸熱範囲と放熱範囲とを直線的に接続する伝熱領域において行われる。この点に関して、上記した半導体モジュールでは、ヒートシンクに設けられたスリットが、伝熱領域の外側に位置しているので、ヒートシンクにおける熱伝導が、スリットによって阻害されることが抑制される。加えて、スリットの深さ方向は、放熱範囲に近づくほど、吸熱範囲から離れる方向に沿って延びている。このような構成によると、スリットの深さ方向が、ヒートシンクにおける熱伝導の方向に近くなるので、スリットが比較的に深く形成された場合でも、ヒートシンクにおける熱伝導が阻害され難い。このように、スリットが伝熱領域の外側に位置し、かつ、スリットの深さ方向が放熱範囲に近づくほど吸熱範囲から離れる方向に沿って延びていると、ヒートシンクにおける熱伝導がスリットによって阻害されることを有意に抑制することができる。
実施例1の半導体モジュール10の正面図である。 半導体モジュール10の作用効果を説明する図である。 半導体モジュール10の他の作用効果を説明する図である。 実施例2の半導体モジュール100を示す正面図である。
(実施例1)図面を参照して、実施例1の半導体モジュール10を説明する。図1に示すように、半導体モジュール10は、半導体素子12、第1ヒートシンク20、第2ヒートシンク40、放熱板82を備える。半導体素子12は、第1ヒートシンク20と第2ヒートシンク40との間に位置しており、半導体素子12を挟持する第1ヒートシンク20と第2ヒートシンク40とが、放熱板82上に配置されている。必ずしも必要とされないが、半導体素子12と第1ヒートシンク20との間には、第1導体板14が介挿されており、半導体素子12と第2ヒートシンク40との間には、第2導体板16が介挿されている。第1導体板14及び第2導体板16は、概して板状又はブロック形状をしている。第1導体板14及び第2導体板16は、例えば銅又はその他の金属で構成される。
半導体素子12は、例えばMOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)、又はIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)などのパワー半導体素子である。また半導体素子12は、例えばシリコン(Si)、炭化ケイ素(SiC)、又は窒化ガリウム(GaN)といった各種の半導体材料を用いて構成されることができる。なお、半導体素子の種類や具体的な構造については、特に限定されない。本実施例における半導体素子12は、両面に電極(図示省略)を有する縦型の半導体素子であり、一方の電極が第1導体板14へ電気的、熱的、かつ機械的に接続されており、他方の電極が第2導体板16へ電気的、熱的、かつ機械的に接続されている。
第1ヒートシンク20及び第2ヒートシンク40は、導電性を有し、かつ、熱伝導性に優れた材料を用いて構成されている。このような材料としては、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅合金又はその他の金属が挙げられる。第1ヒートシンク20は、概して直方体形状の部材であり、上面24と、その上面24とは反対側に位置する下面28と、その上面24と下面28との間に位置し、第2ヒートシンク40と互いに向き合うように配置される右側面30と、右側面30とは反対に位置する左側面26とを有する。第1ヒートシンク20の右側面30は、第1導体板14を介して半導体素子12と電気的、熱的、及び機械的に接続されている。これにより、半導体素子12には、第1ヒートシンク20を介して、電流が通電される。そして、通電に伴って半導体素子12で発生した熱は、第1ヒートシンク20を介して、放熱板82へと伝達される。ここで、第1ヒートシンク20の右側面30は、本明細書が開示する技術におけるヒートシンクの第1の表面の一例である。
第1ヒートシンク20と同様に、第2ヒートシンク40もまた、概して直方体形状の部材であり、上面44と、その上面44とは反対側に位置する下面48と、その上面44と下面48との間に位置し、第1ヒートシンク20と互いに向き合うように配置される左側面50と、左側面50とは反対に位置する右側面46とを有する。第2ヒートシンク40の左側面50は、第2導体板16を介して半導体素子12と電気的、熱的、及び機械的に接続されている。これにより、半導体素子12には、第2ヒートシンク40を介して、電流が通電される。そして、通電に伴って半導体素子12で発生した熱は、第2ヒートシンク40を介して、放熱板82へと伝達される。ここで、第2ヒートシンク40の左側面50は、本明細書が開示する技術におけるヒートシンクの第1の表面の一例である。
放熱板82は、例えばアルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅合金又はその他の金属といった、熱伝導性に優れた材料で構成されている。放熱板82は、複数のフィン82aを有する。放熱板82は、絶縁シート84を介して、第1ヒートシンク20の下面28及び第2ヒートシンク40の下面48に熱的に接続されている。絶縁シート84は、例えば樹脂といった、絶縁性を有する材料を用いて構成されることができる。放熱板82は、第1ヒートシンク20及び第2ヒートシンク40から伝達された熱を、複数のフィン82aから外部(例えば大気中や冷媒中)に放出する。ここで、第1ヒートシンク20の下面28及び第2ヒートシンク40の下面48はそれぞれ、本明細書が開示する技術におけるヒートシンクの第2の表面の一例である。
本実施例の半導体モジュール10では、通電やその停止に伴って各構成部材の温度が変動し、その温度に応じた熱膨張が各構成部材に生じる。ここで、半導体素子12、第1ヒートシンク20及び放熱板82は、互い異なる材料を用いて構成されることが多く、それぞれの線膨張係数が互い相違し得る。従って、半導体素子12、第1ヒートシンク20及び放熱板82のそれぞれに熱膨張が生じたときに、それらの各接合部では比較的に大きな応力が生じやすく、亀裂や剥離といった不具合の発生が懸念される。そこで、本実施例における第1ヒートシンク20には、スリット22が設けられている。このようなスリット22が、第1ヒートシンク20に設けられていると、各接合部に生じる応力を低減することができる。
第1ヒートシンク20にスリット22が設けられていると、第1ヒートシンク20における半導体素子12から放熱板82への熱伝導が、スリット22によって阻害されるおそれがある。そこで、本実施例における第1ヒートシンク20では、以下の条件が満たされるように、スリット22が設けられている。図2に示すように、第1ヒートシンク20の右側面30のなかで、半導体素子12と熱的に接続されている範囲を吸熱範囲32とする。本実施例では、第1導体板14に接触している範囲が、吸熱範囲32となる。また、第1ヒートシンク20の下面28のなかで、放熱板82と熱的に接続された範囲を放熱範囲34とする。そして、第1ヒートシンク20において吸熱範囲32と放熱範囲34との間を直線的に接続する領域(ハッチングを付した部分)を伝熱領域36とする。ここで、吸熱範囲32と放熱範囲34とを直線的に接続する領域(即ち、伝熱領域36)とは、一端を吸熱範囲32内の任意の点とし、他端を放熱範囲34内の任意の点とする線分の全集合によって画定される立体的な領域を意味する。このように伝熱領域36を定義したときに、スリット22は、伝熱領域36の外側に位置するとともに、スリット22の深さ方向は、放熱範囲34に近づくほど吸熱範囲32から離れる方向に沿って延びている。
第1ヒートシンク20では、半導体素子12へ熱的に接続された吸熱範囲32から、放熱板82へ熱的に接続された放熱範囲34に向けて熱伝導が生じる。この熱伝導は主に、図2中の矢印群Aで模式的に示すように、吸熱範囲32と放熱範囲34とを直線的に接続する伝熱領域36において行われる。従って、第1ヒートシンク20に設けられたスリット22が、伝熱領域36の外側に位置していると、第1ヒートシンク20における熱伝導が、スリット22によって阻害されることが抑制される。加えて、スリット22の深さ方向は、放熱範囲34に近づくほど、吸熱範囲32から離れる方向に沿って延びている。このような構成によると、スリット22の深さ方向が、ヒートシンク20における熱伝導の方向(図2中の矢印群A)に近くなるので、スリット22が比較的に深く形成された場合でも、第1ヒートシンク20における熱伝導が阻害され難い。このように、スリット22が伝熱領域36の外側に位置し、かつ、スリット22の深さ方向が放熱範囲34に近づくほど吸熱範囲32から離れる方向に沿って延びていることで、第1ヒートシンク20における熱伝導がスリット22によって阻害されることを有意に抑制することができる。
一例ではあるが、本実施例における第1ヒートシンク20では、上面24と右側面30との間に位置する角部から、その対角に位置する角部(即ち、下面28と左側面26との間の角部)に向けて、スリット22が形成されている。このような構成によると、伝熱領域36の外側に位置する限られた領域のなかで、スリット22を比較的に深く形成することができる。ここで、スリット22の深さは、例えば下記のように定めることができる。即ち、スリット22の開口部22aから、スリット22の深さ方向に沿って延長した直線が第1ヒートシンク20の表面と交差する点までの距離に対して、スリット22の深さがその3分の1から3分の2の間の寸法に設定されているとよい。このような構成によると、スリット22による応力緩和の機能を維持しつつ、半導体モジュール10における機械的強度についても十分に確保することができる。この点については、後述する第2ヒートシンク40のスリット42についても同様である。
本実施例のスリット22によって得られる他の効果について、図3を参照して説明する。本実施例の半導体モジュール10では、第1ヒートシンク20のスリット22が、第1ヒートシンク20の上面24と右側面30との間の角部に設けられている。これにより、スリット22は、半導体素子12の近傍に位置しており、かつ、第1ヒートシンク20の上側部分Xと半導体素子12との間に介在している。ここで、第1ヒートシンク20の上側部分Xは、放熱板82から離れて位置するので、比較的に高温となりやすく、生じる熱膨張の程度も大きい。これに対して、第1ヒートシンク20の下側部分Yは、比較的に低温に維持されることから、生じる熱膨張の程度も小さい。このように、第1ヒートシンク20では、上側部分Xと下側部分Yとの間で熱膨張の程度に差が生じるので、上下方向に広がる半導体素子12と第1ヒートシンク20との間の接合部18には、大きな応力が生じやすい。この点に関して、本実施例の半導体モジュール10では、第1ヒートシンク20の上側部分Xと半導体素子12との間にスリット22が介在することで、当該上側部分Xにおける熱膨張の影響が半導体素子12側へ伝わり難く、その結果、半導体素子12と第1ヒートシンク20との間の接合部18に生じる応力が抑制される。
同様に、第2ヒートシンク40にも、スリット42が形成されている。第2ヒートシンク40のスリット42は、構造及び機能の両面において、第1ヒートシンク20のスリット22と共通する。即ち、図2に示すように、第2ヒートシンク40の左側面50のなかで、半導体素子12と熱的に接続されている範囲を吸熱範囲52とする。本実施例では、第2導体板16に接触している範囲が、吸熱範囲52となる。また、第2ヒートシンク40の下面48のなかで、放熱板82と熱的に接続された範囲を放熱範囲54とする。そして、第2ヒートシンク40において吸熱範囲52と放熱範囲54との間を直線的に接続する領域(ハッチングを付した部分)を伝熱領域56とする。ここで、吸熱範囲52と放熱範囲54とを直線的に接続する領域(即ち、伝熱領域56)とは、一端を吸熱範囲52内の任意の点とし、他端を放熱範囲54内の任意の点とする線分の全集合によって画定される立体的な領域を意味する。このように伝熱領域56を定義したときに、スリット42は、伝熱領域56の外側に位置するとともに、スリット42の深さ方向は、放熱範囲54に近づくほど吸熱範囲52から離れる方向に沿って延びている。これにより、第2ヒートシンク40における熱伝導(図2中の矢印群Bを参照)が、スリット42によって阻害されることを有意に抑制することができる。
一例ではあるが、本実施例における第2ヒートシンク40では、上面44と左側面50との間に位置する角部から、その対角に位置する角部(即ち、下面48と右側面46との間の角部)に向けて、スリット42が形成されている。このような構成によると、伝熱領域36の外側に位置する限られた領域のなかで、スリット42を比較的に深く形成することができる。また、前述した第1ヒートシンク20と同様に、第2ヒートシンク40の上側部分と半導体素子12との間にスリット42が介在することで、当該上側部分における熱膨張の影響が半導体素子12側へ伝わり難く、その結果、半導体素子12と第2ヒートシンク40との間の接合部に生じる応力が抑制される。
(実施例2)図4を参照して、実施例2の半導体モジュール100を説明する。半導体モジュール100は、第1半導体素子112、第2半導体素子113、第1ヒートシンク120、第2ヒートシンク140、第3ヒートシンク160及び放熱板182を備える。第1半導体素子112は、第1ヒートシンク120と第2ヒートシンク140との間に位置し、第2半導体素子113は第2ヒートシンク140と第3ヒートシンク160との間に位置している。第1半導体素子112と第2半導体素子113とを挟持する第1ヒートシンク120と第2ヒートシンク140と第3ヒートシンク160とが、放熱板182上に配置されている。
第1半導体素子112と第1ヒートシンク120との間には、第1導体板114が介挿されており、第1半導体素子112と第2ヒートシンク140との間には、第2導体板116が介挿されている。また、第2半導体素子113と第2ヒートシンク140との間には、第3導体板115が介挿されており、第2半導体素子113と第3ヒートシンク160との間には、第4導体板117が介挿されている。各々の導体板114、116、115、117には、実施例1で説明した二つの導体板14、16と同様の構造を適宜採用することができる。本実施例における二つの半導体素子112、113はそれぞれ、両面に電極(図示省略)を有する縦型の半導体素子である。第1半導体素子112の一方の電極は、第1導体板114へ電気的、熱的、かつ機械的に接続されており、他方の電極は、第2導体板116へ電気的、熱的、かつ機械的に接続されている。第2半導体素子113の一方の電極は、第3導体板115へ電気的、熱的、かつ機械的に接続されており、他方の電極は、第4導体板117へ電気的、熱的、かつ機械的に接続されている。各々の半導体素子112、113の種類や具体的な構造については、実施例1における半導体素子12と同様に、特に限定されない。
放熱板182は複数のフィン182aを有する。放熱板182は、絶縁シート184を介して、各々のヒートシンク120、140、160に熱的に接続されている。放熱板182は、各々のヒートシンク120、140、160から伝達された熱を、複数のフィン182aから外部(例えば大気中や冷媒中)に放出する。本実施例における放熱板182には、実施例1で説明した放熱板82と同様の構造を適宜採用することができる。ここで、第1ヒートシンク120の下面128及び第2ヒートシンク140の下面148、第3ヒートシンク160の下面168はそれぞれ、本明細書が開示する技術におけるヒートシンクの第2の表面の一例である。必ずしも必要とされないが、第1ヒートシンク120と第1半導体素子112と第2ヒートシンク140との間それぞれには、第1導体板114と第2導体板116が介挿され、第2ヒートシンク140と第2半導体素子113と第3ヒートシンク160との間それぞれには、第3導体板115と第4導体板117が介挿される。
各々のヒートシンク120、140、160は、導電性を有し、かつ、熱伝導性に優れた材料を用いて構成されている。このような材料としては例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅合金又はその他の金属が挙げられる。第1ヒートシンク120は、概して直方体形状の部材であり、上面124と、その上面124とは反対側に位置する下面128と、その上面124と下面128との間に位置し、第2ヒートシンク140と互いに向き合うように配置される右側面130と、右側面130とは反対に位置する左側面126とを有する。第1ヒートシンク120の右側面130は第1導体板114を介して第1半導体素子112と電気的、熱的、及び機械的に接続されている。これにより、第1半導体素子112には、第1ヒートシンク120を介して、電流が通電される。そして、通電に伴って第1半導体素子112で発生した熱は、第1ヒートシンク120を介して、放熱板182へ伝達される。ここで、第1ヒートシンク120の右側面130は、本明細書が開示する技術におけるヒートシンクの第1の表面の一例である。また、第1ヒートシンク120の下面128は、放熱板182に熱的に接続されており、本明細書が開示する技術におけるヒートシンクの第2の表面の一例である。
第2ヒートシンク140もまた、概して直方体形状の部材であり、上面144と、その上面144とは反対側に位置する下面148と、その上面144と下面148との間に位置し、第1ヒートシンク120と互いに向き合うように配置される左側面146と、第3ヒートシンク160と互いに向き合うように配置される右側面150とを有する。第2ヒートシンク140の左側面146は、第2導体板116を介して第1半導体素子112と電気的、熱的、及び機械的に接続されている。これにより、第1半導体素子112には、第2ヒートシンク140を介して、電流が通電される。そして、通電に伴って、第1半導体素子112で発生した熱は、第2ヒートシンク140を介して、放熱板182へ伝達される。また、第2ヒートシンク140の右側面150は、第3導体板115を介して第2半導体素子113と電気的、熱的、及び機械的に接続されている。これにより、第2半導体素子113には、第1ヒートシンク120を介して、電流が通電される。そして、通電に伴って、第2半導体素子113で発生した熱は、第2ヒートシンク140を介して、放熱板182へ伝達される。ここで、第2ヒートシンク140の左側面146及び右側面150は、本明細書が開示する技術におけるヒートシンクの第1の表面の一例である。
第3ヒートシンク160もまた、概して直方体形状の部材であり、上面164と、その上面164とは反対側に位置する下面168と、その上面164と下面168との間に位置し、第2ヒートシンク140と互いに向きあうように配置される左側面170と、左側面170とは反対に位置する右側面166とを有する。第3ヒートシンク160の左側面170は第4導体板117を介して第2半導体素子113と電気的、熱的、及び機械的に接続されている。これにより、第2半導体素子113には、第3ヒートシンク160を介して、電流が通電される。そして、通電に伴って、第2半導体素子113で発生した熱は、第3ヒートシンク160を介して、放熱板182へ伝達される。ここで、第3ヒートシンク160の左側面170は、本明細書が開示する技術におけるヒートシンクの第1の表面の一例である。また、第3ヒートシンク160の下面168は、放熱板182に熱的に接続されており、本明細書が開示する技術におけるヒートシンクの第2の表面の一例である。
本実施例の半導体モジュール100においても、実施例1の半導体モジュール10と同様に、熱膨張に起因する応力を低減することを目的として、各々のヒートシンク120、140、160に、スリット122、142、143、162が設けられている。また、各々のヒートシンク120、140、160における熱伝導への影響を抑制するために、実施例1におけるスリット22、42と同様の条件を満たすように、各々のスリット122、142、143、162は設計されている。
即ち、図4に示すように、第1ヒートシンク120の右側面130のなかで、第1半導体素子112と熱的に接続されている範囲を吸熱範囲132とする。本実施例では、第1導体板114に接触している範囲が、吸熱範囲132となる。また、第1ヒートシンク120の下面128のなかで、放熱板182と熱的に接続された範囲を放熱範囲134とする。そして、第1ヒートシンク120において吸熱範囲132と放熱範囲134との間を直線的に接続する領域(ハッチングを付した部分)を伝熱領域136とする。伝熱領域136の詳細な定義については、実施例1で説明したとおりである。このように伝熱領域136を定義したときに、スリット122は、伝熱領域136の外側に位置するとともに、スリット122の深さ方向は、放熱範囲134に近づくほど吸熱範囲132から離れる方向に沿って延びている。このような構成のスリット122によると、これまでの説明から理解されるように、第1ヒートシンク120における熱伝導が、スリット122によって阻害されることを有意に抑制することができる。なお、本実施例における第1ヒートシンク120のスリット122は、下面128と左側面126との間に位置する角部から、その対角に位置する角部(即ち、上面124と右側面130との間の角部)に向けて、スリット122が形成されている。
同様に、第2ヒートシンク140にも、スリット142、143が形成されている。第2ヒートシンク140のスリット142、143は、設けられている位置は異なるが、構造及び機能の両面において、第1ヒートシンク120のスリット122と共通する。即ち、図4に示すように、第2ヒートシンク140の左側面146、右側面150のなかで、第1半導体素子112、第2半導体素子113と熱的に接続されている範囲をそれぞれ、第1吸熱範囲152、第2吸熱範囲153とする。本実施例では、第2導体板116に接触している範囲が、第1吸熱範囲152となり、第3導体板115に接触している範囲が、第2吸熱範囲153となる。また、第2ヒートシンク140の下面148のなかで、放熱板182と熱的に接続された範囲を放熱範囲154とする。そして、第2ヒートシンク140において第1吸熱範囲152と放熱範囲154との間を直線的に接続する領域(ハッチングを付した部分)を第1伝熱領域156とする。第2ヒートシンク140において第2吸熱範囲153と放熱範囲154との間を直線的に接続する領域(ハッチングを付した部分)を第2伝熱領域158とする。第1伝熱領域156及び第2伝熱領域158の詳細な定義については、これまでに説明した他のヒートシンク20、40、120と同様である。このように第1伝熱領域156及び第2伝熱領域158を定義したときに、スリット142、143はともに第1伝熱領域156及び第2伝熱領域158の外側に位置する。それに伴い、スリット142の深さ方向は、放熱範囲154に近づくほど第1吸熱範囲152から離れる方向に沿って延び、スリット143の深さ方向は、放熱範囲154に近づくほど第2吸熱範囲153から離れる方向に沿って延びている。これにより、第2ヒートシンク140における熱伝導が、スリット142、143によって阻害されることを有意に抑制することができる。
上記と同様に、第3ヒートシンク160にも、スリット162が形成されている。第3ヒートシンク160のスリット162は、構造及び機能の両面において、第1ヒートシンク120や第2ヒートシンク140のスリット122、142、143と共通する。即ち、図4に示すように、第3ヒートシンク160の左側面170のなかで、第2半導体素子113と熱的に接続されている範囲を吸熱範囲172とする。本実施例では、第4導体板117に接触している範囲が、吸熱範囲172となる。また、第3ヒートシンク160の下面168のなかで、放熱板182と熱的に接続された範囲を放熱範囲174とする。そして、第3ヒートシンク160において吸熱範囲172と放熱範囲174との間を直線的に接続する領域(ハッチングを付した部分)を伝熱領域176とする。伝熱領域176の詳細な定義については、これまでに説明した他のヒートシンク20、40、120、140と同様である。このように伝熱領域176を定義したときに、スリット162は、伝熱領域176の外側に位置するとともに、スリット162の深さ方向は、放熱範囲174に近づくほど吸熱範囲172から離れる方向に沿って延びている。これにより、第3ヒートシンク160における熱伝導が、スリット162によって阻害されることを有意に抑制することができる。なお、第3ヒートシンク160のスリット162は、下面168と右側面166との間に位置する角部から、その対角に位置する角部(即ち、上面164と左側面170との間の角部)に向けて、スリット162が形成されている。
以上、いくつかの具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。本明細書又は図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものである。
10、100:半導体モジュール
12、112、113:半導体素子
14、114:第1導体板
16、116:第2導体板
18:接合部
20、120:第1ヒートシンク
22、42、122、142、143、162:スリット
22a、42a:スリット開口部
24、124:第1ヒートシンクの上面
26、126:第1ヒートシンクの左側面
28、128:第1ヒートシンクの下面(第2の表面の一例)
30、130:第1ヒートシンクの右側面(第1の表面の一例)
32、52、132、172:吸熱範囲
34、54、134、154、174:放熱範囲
36、56、136、176:伝熱領域
40、140:第2ヒートシンク
44、144:第2ヒートシンクの上面
46:第2ヒートシンクの右側面
48、148:第2ヒートシンクの下面(第2の表面の一例)
50、146:第2ヒートシンクの左側面(第1の表面の一例)
82、182:放熱板
82a、182a:放熱板のフィン
84、184:絶縁シート
115:第3導体板
117:第4導体板
150:第2ヒートシンクの右側面(及び第1の表面)
152:第1吸熱範囲
153:第2吸熱範囲
156:第1伝熱領域
158:第2伝熱領域
160:第3ヒートシンク
164:第3ヒートシンクの上面
166:第3ヒートシンクの右側面
168:第3ヒートシンクの下面(第2の表面の一例)
170:第3ヒートシンクの左側面(第1の表面の一例)

Claims (2)

  1. 半導体素子と、
    互いに隣接する第1の表面及び第2の表面を有し、前記第1の表面において前記半導体素子へ熱的に接続されたヒートシンクと、
    前記ヒートシンクの前記第2の表面に熱的に接続された放熱板と、
    を備え、
    前記ヒートシンクには、少なくとも一つのスリットが設けられており、
    前記第1の表面のなかで前記半導体素子に熱的に接続された範囲を吸熱範囲とし、前記第2の表面のなかで前記放熱板に熱的に接続された範囲を放熱範囲とし、前記ヒートシンクのなかで前記吸熱範囲と前記放熱範囲との間を直線的に接続する領域を伝熱領域としたときに、
    前記スリットは、前記伝熱領域の外側に位置するとともに、前記スリットの開口から前記スリットの深さ方向に沿って前記放熱範囲に近づくとともに、前記放熱範囲に近づくほど前記吸熱範囲から離れる方向に沿って延びている、
    半導体モジュール。
  2. 前記ヒートシンクは、前記第1の表面に隣接するとともに前記第2の表面の反対側に位置する第3の表面を有し、
    前記スリットの前記開口は、前記第1の表面と前記第3の表面との間に位置する角部に設けられている、請求項1に記載の半導体モジュール。
JP2017139435A 2017-07-18 2017-07-18 半導体モジュール Active JP7013698B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017139435A JP7013698B2 (ja) 2017-07-18 2017-07-18 半導体モジュール

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017139435A JP7013698B2 (ja) 2017-07-18 2017-07-18 半導体モジュール

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019021785A JP2019021785A (ja) 2019-02-07
JP7013698B2 true JP7013698B2 (ja) 2022-02-01

Family

ID=65354386

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017139435A Active JP7013698B2 (ja) 2017-07-18 2017-07-18 半導体モジュール

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7013698B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2023249976A1 (en) * 2022-06-22 2023-12-28 American Axle & Manufacturing, Inc. Array of heat-sinked power semiconductors

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004158659A (ja) 2002-11-07 2004-06-03 Denki Kagaku Kogyo Kk モジュール構造体とそれを用いたモジュール
JP2008294280A (ja) 2007-05-25 2008-12-04 Showa Denko Kk 半導体装置
JP2013222886A (ja) 2012-04-18 2013-10-28 Toshiba Corp 半導体モジュール
JP2016072354A (ja) 2014-09-29 2016-05-09 トヨタ自動車株式会社 パワーモジュール
JP2017050498A (ja) 2015-09-04 2017-03-09 株式会社東芝 パワー半導体モジュール

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004158659A (ja) 2002-11-07 2004-06-03 Denki Kagaku Kogyo Kk モジュール構造体とそれを用いたモジュール
JP2008294280A (ja) 2007-05-25 2008-12-04 Showa Denko Kk 半導体装置
JP2013222886A (ja) 2012-04-18 2013-10-28 Toshiba Corp 半導体モジュール
JP2016072354A (ja) 2014-09-29 2016-05-09 トヨタ自動車株式会社 パワーモジュール
JP2017050498A (ja) 2015-09-04 2017-03-09 株式会社東芝 パワー半導体モジュール

Also Published As

Publication number Publication date
JP2019021785A (ja) 2019-02-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR20080103913A (ko) 반도체 디바이스
JP2008294280A (ja) 半導体装置
US10170433B2 (en) Insulated circuit board, power module and power unit
WO2016067383A1 (ja) 放熱構造
JP7040032B2 (ja) 半導体装置
WO2013172183A1 (ja) パワーモジュール
KR101461329B1 (ko) 반도체 유닛
JP7013698B2 (ja) 半導体モジュール
JP5070877B2 (ja) 半導体電力変換装置
JP2015122453A (ja) パワーモジュール
CN106992157B (zh) 半导体装置
JP6904122B2 (ja) 半導体装置の製造方法
KR101365501B1 (ko) 반도체장치
JP6684996B2 (ja) 半導体装置
CN106252307B (zh) 半导体装置
JP6750379B2 (ja) 冷却装置
WO2014045758A1 (ja) パワー半導体モジュール
JP6316221B2 (ja) 半導体装置
JP6380076B2 (ja) 半導体装置
US20150179540A1 (en) Semiconductor device
JP6555177B2 (ja) 半導体モジュール
JP5631100B2 (ja) 電子部品搭載基板の冷却構造
JP2021097113A (ja) 半導体装置
JP2008042020A (ja) 半導体モジュール
JP6748082B2 (ja) 半導体モジュール

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20200401

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200623

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20210416

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210511

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210708

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20211221

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220103