JP6750379B2 - 冷却装置 - Google Patents

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Description

本発明は、異方性熱伝導体を用いて発熱体を冷却する冷却装置に関する。
従来、パワーモジュールの冷却装置では、ヒートシンクを用いた冷却装置が知られている。この冷却装置は、パワーモジュールと、異方性熱伝導体と、ヒートシンクと、を備える。異方性熱伝導体は、パワーモジュールの熱をヒートシンクに熱分散させる経路となる。異方性熱伝導体は、ヒートシンクのベース面に沿って配された二層構造を有する。第1層目は、縦方向及び横方向の熱伝導率が高く、奥行方向の熱伝導率が低い。第2層目は、縦方向及び奥行方向の熱伝導率が高く、横方向の熱伝導率が低い(例えば、特許文献1参照)。
特許第5784261号公報
しかし、従来の冷却装置にあっては、異方性熱伝導体の第1層目において、奥行方向の熱伝導率が低く、第2層目において、横方向の熱伝導率が低い。例えば、異方性熱伝導体がグラファイトの場合は、熱伝導率と熱膨張率とが反比例する関係にある。このため、熱伝導率が低い方向ほど熱膨張が起こりやすい。これにより、異方性熱伝導体に発生する応力を抑制できない、という問題がある。また、従来の冷却装置にあっては、熱伝導率の低い面がヒートシンクと接触している。このため、パワーモジュールの熱がヒートシンクに伝わりにくい。これにより、冷却装置の熱抵抗を低減できない、という問題がある。
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、異方性熱伝導体に発生する応力を抑制しつつ、熱抵抗を低減できる冷却装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、冷却装置であって、発熱体と、凸部もしくは凹部を備えるベース面を有するヒートシンクと、凸部もしくは凹部に設けられ、熱伝導率が異なる熱伝導面を有する異方性熱伝導体と、を備えている。熱伝導面のうち、熱伝導率が高い方の熱伝導面を高熱伝導面といい、熱伝導率が低い方の熱伝導面を低熱伝導面というとき、発熱体は、異方性熱伝導体の高熱伝導面の少なくとも一部に接合される。異方性熱伝導体は、ヒートシンクに対して高熱伝導面の少なくとも一面で接合され、ヒートシンクに対して低熱伝導面が接合されない
この結果、異方性熱伝導体に発生する応力を抑制しつつ、熱抵抗を低減できる冷却装置を提供することができる。
実施例1における冷却装置の全体構成を示す斜視図である。 実施例1における冷却装置の全体構成を示す断面図であって、図1のA−A線断面図である。 実施例1における冷却装置の全体構成を示す断面図であって、図1のB−B線断面図である。 実施例1における異方性熱伝導体の構成を示す斜視図である。 実施例2における冷却装置の全体構成を示す斜視図である。 実施例3における冷却装置の全体構成を示す斜視図である。 実施例4における冷却装置の全体構成を示す斜視図である。 実施例4における冷却装置の全体構成を示す断面図であって、図7のC−C線断面図である。 実施例4における冷却装置の全体構成を示す断面図であって、図7のD−D線断面図である。 実施例5における冷却装置の配置構成を示す斜視図である。 実施例5における冷却装置の配置構成を示す断面図であって、図10のE−E線断面図である。 実施例6における冷却装置の配置構成を示す斜視図である。 実施例6における冷却装置の配置構成を示す断面図であって、図12のF−F線断面図である。 実施例7における冷却装置の全体構成を示す斜視図である。 実施例8における冷却装置の全体構成を示す斜視図である。 実施例8における冷却装置の全体構成を示す断面図であって、図15のG−G線断面図である。 実施例9における冷却装置の全体構成を示す斜視図である。 実施例10における冷却装置の全体構成を示す斜視図である。 実施例11における冷却装置の全体構成を示す斜視図である。 実施例12における冷却装置の全体構成を示す斜視図である。
以下、本発明の冷却装置を実現する最良の形態を、図面に示す実施例1〜実施例12に基づいて説明する。また、実施例1〜実施例12を説明するにあたって、用語を下記のとおりに定義付けする。
「異方性熱伝導体」とは、方向によって熱伝導率が異なる性質を有する物質をいう。「熱伝導率」とは、物質の熱伝導のし易さを示すパラメータのことをいう。「熱伝導」とは、物質の高温側から低温側へ熱が伝わる移動現象のことをいう。「熱分散」とは、温度勾配によって物質が移動する現象のことをいう。「温度勾配」とは、任意の2地点間における温度の変化率や変化量のことをいう。「熱膨張率」とは、温度の上昇によって物体の長さや体積が熱膨張する割合を、温度当たりで示したものをいう。「熱膨張」とは、物体の体積が温度の上昇により増加する現象のことをいう。「応力」とは、物体に外部から力が働いたときに、物体に生じる単位面積あたりの力のことをいい、物体の温度変化による引張応力がある。「引張応力」とは、物体に対して外部から引張の力が働いたときに、物体が感じる応力のことをいう。「熱抵抗」とは、物体における熱の通りにくさを意味する。「接合」とは、焼成銀や半田などの接合材を用いて部材同士を熱的に結合することをいう。
まず、構成を説明する。
実施例1における冷却装置は、走行用駆動源などとして車両に搭載されるモータジェネレータのインバータに用いられる半導体素子の冷却装置に適用したものである。以下、実施例1における冷却装置の構成を、「全体構成」と、「配置構成」に分けて説明する。
[全体構成]
図1〜図3は実施例1における冷却装置の全体構成を示す。図4は実施例1における異方性熱伝導体の構成を示す。以下、図1〜図4に基づいて、全体構成を説明する。
以下では、説明の便宜上、XYZ直交座標系を参照しつつ各部材の位置関係を説明する。詳細には、冷却装置の幅方向をX軸方向(+X方向)とする。また、X軸方向に直交して、冷却装置の前後方向をY軸方向(+Y方向)、X軸方向及びY軸方向に直交し、冷却装置の高さ方向をZ軸方向(+Z方向)とする。なお、+X方向を右方向(−X方向を左方向)、+Y方向を前方向(−Y方向を後方向)、+Z方向を上方向(−Z方向を下方向)として、適宜使用する。
実施例1の冷却装置1Aは、図1に示すように、半導体素子2(発熱体)と、銅3(ヒートシンク)と、グラファイト4(異方性熱伝導体)と、接合材5(例えば、焼成銀)と、を備える。
ここで、「グラファイト」とは、炭素材料から成る元素鉱物をいう。「元素鉱物」とは、天然に産する一定の化学組成を有した無機質結晶質物質のこという。
半導体素子2(例えば、SiC)は、インバータ(不図示)のスイッチング回路(不図示)に用いられる。半導体素子2は、図1に示すように、平板状に形成される。半導体素子2は、図1に示すように、グラファイト4に接合される。
銅3は、図1に示すように、半導体素子2の発する熱を熱交換により放熱する。銅3は、熱伝導率(例えば、400W/mK)を有する。銅3は、図1に示すように、直方体状に形成される。銅3は、図1に示すように、ベース面30を有する。ベース面30は、図2及び図3に示すように、−Z方向に窪んだ凹部31を備える。凹部31は、図2及び図3に示すように、側面31a,31bと、側面31c,31dと、底面31eと、を備える。側面31a,31bは、図2に示すように、X方向に対向する。側面31c,31dは、図3に示すように、Y方向に対向する。凹部31の幅は、図2に示すように、グラファイト4の幅などを考慮して設定される。凹部31の深さは、図2に示すように、グラファイト4の高さなどを考慮して設定される。凹部31の前後方向の長さは、図3に示すように、グラファイト4の前後方向の長さなどを考慮して設定される。
グラファイト4は、図1に示すように、半導体素子2で発生した熱を、接合材5を介して銅3に伝導する。グラファイト4は、図4に示すように、直方体状に形成される。グラファイト4は、図2及び図3に示すように、銅3の凹部31に設けられる。グラファイト4は、図4に示すように、グラフェン(不図示)がX方向に積層された構造を有する。積層されたグラフェン(不図示)は、ファンデルワールス力で結合している。グラファイト4は、図4に示すX方向と比べてYZ方向(面内方向)に高い熱伝導率を有する。グラファイト4のYZ方向における熱伝導率は、1000〜1500W/mKである。グラファイト4のX方向における熱伝導率は、5〜100W/mKである。グラファイト4は、図4に示すように、熱伝導率が異なる複数の熱伝導面40〜45を備える。図4に示す熱伝導面40〜45のうち、熱伝導率が高い方の面40〜43を高熱伝導面とし、熱伝導率が低い方の面44,45を低熱伝導面とする。高熱伝導面42,43の間の距離L1は、図4に示すように、低熱伝導面44,45の間の距離L2よりも長く設定される。
ここで、「グラフェン」とは、1原子の厚さのsp結合炭素原子のシートのことをいう。「sp結合」とは、原子価状態の軌道関数を表すために人為的に導入された混成軌道のことをいう。「ファンデルワールス力」とは、原子、イオン、分子間に働く引力または反発力の総称であって、例えば、炭素原子間に働く引力のことをいう。
接合材5は、図3に示すように、銅3の凹部31において、グラファイト4を銅3に対して接合する。
[配置構成]
以下、図2及び図3に基づいて、配置構成を説明する。
半導体素子2は、図2及び図3に示すように、グラファイト4の高熱伝導面40の少なくとも一部に接合される。
ここで、「少なくとも一部」とは、一部又は全部を含む意味であり、グラファイト4の高熱伝導面40の一部に半導体素子2を接合する場合と、高熱伝導面40の全部に半導体素子2を接合する場合とを含む。
グラファイト4の高熱伝導面40,41は、図3に示すように、Z軸方向に互いに対向して配置される。高熱伝導面42,43は、図3に示すように、Y軸方向に互いに対向して配置される。グラファイト4の低熱伝導面44,45は、図2に示すように、X軸方向に互いに対向して配置される。グラファイト4は、図3に示すように、銅3に対して高熱伝導面40〜43の少なくとも一面42,43で接合される。即ち、グラファイト4は、図3に示すように、複数の高熱伝導面40〜43のうち、半導体素子2が接合される高熱伝導面40以外の高熱伝導面42,43を介して銅3に対して接合される。グラファイト4は、図3に示すように、凹部31の側面31cに対して、接合材5を介して高熱伝導面42で接合される。グラファイト4は、図3に示すように、凹部31の側面31dに対して、接合材5を介して高熱伝導面43で接合される。凹部31の側面31aと、低熱伝導面44との間は、図2に示すように、接合材5が介在しない。凹部31の側面31bと、低熱伝導面45との間は、図2に示すように、接合材5が介在しない。そのため、グラファイト4は、図4に示すように、銅3に対して低熱伝導面44,45で接合されない。
ここで、「高熱伝導面の少なくとも一面」とは、複数の高熱伝導面と、単一の高熱伝導面との双方を含む意味である。「高熱伝導面の少なくとも一面で接合される」とは、グラファイト4が銅3に対して複数の高熱伝導面で接合される場合と、銅3に対して一つの高熱伝導面で接合される場合と、の双方を含む。
次に、作用を説明する。
実施例1の冷却装置1Aにおける作用を、「熱膨張の発生メカニズム」と、「冷却装置1Aにおける特徴作用」に分けて説明する。
[熱膨張の発生メカニズム]
一般的なパワーモジュールなどの半導体素子においては、発熱するチップ間で熱干渉を生じることなくすることが必要である。
ここで、「熱干渉」とは、例えば、発熱量の大きな複数のチップが近くに配置されることにより、各チップが発する熱が干渉し合い、各チップが高温になることをいう。
このような問題を解決するために、従来では、即時にヒートシンク全体に熱拡散を行うことができる冷却装置及びこれを用いたパワーモジュールが知られている。このパワーモジュールは、発熱する第1のチップ及び第2のチップを備える。冷却装置は、パワーモジュールを冷却する。冷却装置は、ベース面を有するヒートシンクを備える。ベース面には、パワーモジュールが密着する。ヒートシンクは、ベース面を備えた本体と、平板状の異方性高熱伝導体と、で構成される。異方性高熱伝導体は、縦、横、奥行方向の内の2方向の熱伝導率が高く、1方向の熱伝導率が低い。異方性高熱伝導体は、ヒートシンクの本体よりも熱伝導率の高い、第1の高熱伝導体及び第2の高熱伝導体を備える。第1の高熱伝導体及び第2の高熱伝導体は、ヒートシンクのベース面に沿って配された2層構造の異方性高熱伝導体として構成される。第1層目は、熱伝導率の低い方向が、ヒートシンクの表面と水平な方向、即ち、奥行方向である。第2層目は、熱伝導率の低い方向が、ヒートシンクの表面と水平、かつ、第1層目の熱伝導率が低い方向とは垂直な方向、即ち、横方向である。第1のチップは、第1の高熱伝導体の一端に配線基板を通して当接する。第2のチップは、第2の高熱伝導体の一端に配線基板を通して当接する。第1のチップは、第1の高熱伝導体を介して、第2のチップと別の独立した熱分散経路に接続される。第2のチップは、第2の高熱伝導体を介して、第1のチップと別の独立した熱分散経路に接続される。
しかし、上記のような冷却装置にあっては、積層異方性高熱伝導体の1層目において、奥行方向の熱伝導率が低く、第2層目において、横方向の熱伝導率が低い。例えば、グラファイトは、グラフェンが積層された構造を有する。そのため、グラファイトは、熱伝導率や引張強度に異方性を有する。グラフェンは、ファンデルワールス力で結合しているため、積層方向に引っ張られると、はがれやすい性質を持つ。グラファイトは、熱伝導率と熱膨張率とが反比例する関係にある。このため、異方性熱伝導体にグラファイトを用いると、熱伝導率が低い方向ほど熱膨張が起こりやすい。これにより、異方性熱伝導体に発生する応力を抑制できない、という課題がある。
[冷却装置1Aにおける特徴作用]
これに対し、実施例1では、半導体素子2は、グラファイト4の高熱伝導面40の少なくとも一部に接合され、グラファイト4は、銅3に対して高熱伝導面の少なくとも一面42,43で接合される。
即ち、高熱伝導面40,42は、低熱伝導面44,45よりも熱伝導率が高い。このため、半導体素子2の発生する熱は、高熱伝導面40,42,43を介してYZ方向(高熱伝導方向)に拡散されやすい。これにより、熱膨張が起こりやすい低熱伝導面44,45への熱の拡散が抑制される。つまり、グラファイト4に発生する応力を抑制できる。また、グラファイト4は、高熱伝導面42,43を介して銅3に接合される。このため、半導体素子2の発生する熱が、銅3の広い範囲に拡散される。これにより、冷却装置1Aの熱抵抗を低減できる。
その結果、グラファイト4に発生する応力を抑制しつつ、熱抵抗を低減できる。
加えて、グラファイト4は、銅3に対して低熱伝導面44,45で接合されない。グラファイト4のX方向の熱膨張率は、銅3の熱膨張率よりも大きい。グラファイト4及び銅3の温度が低下する場合、銅3よりもグラファイト4の方が熱収縮時のひずみが大きい。そのため、低熱伝導面44,45を銅3に接合させた状態で温度が低下すると、グラファイト4の引張応力により、グラファイト4が銅3から剥離するおそれがある。これに対し、実施例1では、低熱伝導面44,45を銅3に接合させない。このため、熱収縮による低熱伝導面44,45での引張応力の発生を抑制できる。これにより、グラファイト4の剥離を抑制できる。
従って、冷却装置1Aの信頼性が向上する。
実施例1では、グラファイト4は、複数の高熱伝導面40〜43のうち、半導体素子2が接合される高熱伝導面40以外の高熱伝導面42,43を介して銅3に対して接合される。
即ち、グラファイト4は、2つの高熱伝導面42,43を介して銅3に対して接合される。このため、1つの高熱伝導面を介して銅3に対して接合する場合と比べて接合面積が増える。これにより、半導体素子2の発生する熱がより広い範囲に拡散される。
従って、1つの高熱伝導面を介して銅3にグラファイト4を接合する場合と比べて、冷却装置1Aの熱抵抗を低減できる。
実施例1では、高熱伝導面42,43の間の距離L1は、低熱伝導面44,45の間の距離L2よりも長く設定される。
即ち、対向する高熱伝導面42,43の距離L1が、対向する低熱伝導面44,45の距離L2よりも大きい。このため、半導体素子2で発生する熱がより広い範囲に拡散される。
従って、冷却装置1Aの熱抵抗をより低減できる。
実施例1では、高熱伝導面40〜43の熱伝導率は、銅3の熱伝導率より高く、低熱伝導面44,45の熱伝導率は、銅3の熱伝導率よりも低い。
即ち、銅3の熱伝導率が例えば、400W/mKであるのに対して、グラファイト4の高熱伝導面40〜43における熱伝導率は1000〜1500W/mKである。このため、半導体素子2を直接銅3に接合するよりも、半導体素子2で発生する熱がより広範囲に拡散される。また、低熱伝導面44,45における熱伝導率は5〜100W/mKであり、銅3の熱伝導率と比べて低い。このため、低熱伝導面44,45を銅3に接合しなくても熱抵抗への影響を抑制できる。
従って、半導体素子2で発生する熱を銅3の広い範囲で抜熱できる。
ここで、「抜熱」とは、半導体素子2で発生する熱を拡散させることをいう。
実施例1では、ヒートシンクは、銅である。
即ち、ヒートシンクは、金属の中でも比較的熱伝導率が良い銅3で構成される。
従って、半導体素子2で発生する熱の放熱性を向上できる。
次に、効果を説明する。
実施例1における冷却装置1Aにあっては、下記に列挙する効果が得られる。
(1) 発熱体(半導体素子2)と、
凸部もしくは凹部(凹部31)を備えるベース面(ベース面30)を有するヒートシンク(銅3)と、
凸部もしくは凹部(凹部31)に設けられ、熱伝導率が異なる熱伝導面(熱伝導面40〜45)を有する異方性熱伝導体(グラファイト4)と、を備える冷却装置(冷却装置1A)であって、
熱伝導面(熱伝導面40〜45)のうち、熱伝導率が高い方の熱伝導面を高熱伝導面(高熱伝導面40〜43)といい、熱伝導率が低い方の熱伝導面を低熱伝導面(低熱伝導面44,45)というとき、
発熱体(半導体素子2)は、異方性熱伝導体(グラファイト4)の高熱伝導面(高熱伝導面40)の少なくとも一部に接合され、
異方性熱伝導体(グラファイト4)は、ヒートシンク(銅3)に対して高熱伝導面(高熱伝導面40〜43)の少なくとも一面(高熱伝導面42,43)で接合される(図3)。
このため、異方性熱伝導体(グラファイト4)に発生する応力を抑制しつつ、熱抵抗を低減できる冷却装置(冷却装置1A)を提供することができる。
(2) 異方性熱伝導体(グラファイト4)は、複数の高熱伝導面(高熱伝導面40〜43)を備え、複数の高熱伝導面(高熱伝導面40〜43)のうち、発熱体(半導体素子2)が接合される高熱伝導面(高熱伝導面40)以外の高熱伝導面(高熱伝導面42,43)を介してヒートシンク(銅3)に対して接合される。
このため、1つの高熱伝導面を介してヒートシンク(銅3)に異方性熱伝導体(グラファイト4)を接合する場合と比べて、冷却装置(冷却装置1A)の熱抵抗を低減できる。
(3) 異方性熱伝導体(グラファイト4)は、複数の高熱伝導面(高熱伝導面40〜43)と、複数の低熱伝導面(低熱伝導面44,45)と、を備え、
複数の高熱伝導面(高熱伝導面42,43)は、互いに対向して配置され、
複数の低熱伝導面(低熱伝導面44,45)は、互いに対向して配置され、
複数の高熱伝導面(高熱伝導面42,43)の間の距離(距離L1)は、複数の低熱伝導面(低熱伝導面44,45)の間の距離(距離L2)よりも長く設定される(図2)。
このため、(1)及び(2)の効果に加え、冷却装置(冷却装置1A)の熱抵抗をより低減できる。
(4) 高熱伝導面(高熱伝導面40〜43)の熱伝導率は、ヒートシンク(銅3)の熱伝導率より高く、
低熱伝導面(低熱伝導面44,45)の熱伝導率は、ヒートシンク(銅3)の熱伝導率よりも低い(図1)。
このため、(1)〜(3)の効果に加え、発熱体(半導体素子2)で発生する熱をヒートシンク(銅3)の広い範囲で抜熱できる。
(5) ヒートシンク(銅3)は、銀、銅、アルミニウム及び金のうちいずれか一つである(図1)。
このため、(1)〜(4)の効果に加え、半導体素子2で発生する熱の放熱性を向上できる。
実施例2は、ベース面が凸部を備える例である。
まず、構成を説明する。
実施例2における冷却装置は、実施例1と同様に、モータジェネレータのインバータに用いられる半導体素子の冷却装置に適用したものである。図5は実施例2における冷却装置の全体構成を示す。以下、図5に基づいて、実施例2における冷却装置の構成を、「全体構成」と、「配置構成」に分けて説明する。
[全体構成]
冷却装置1Bは、実施例1と同様に、半導体素子2(発熱体)と、銅3(ヒートシンク)と、グラファイト4(異方性熱伝導体)と、接合材5(例えば、焼成銀)と、を備える。
銅3は、実施例1と同様に、半導体素子2の発する熱を熱交換により放熱する。銅3は、実施例1と同様に、ベース面30を有する。ベース面30は、一対の凸部32を備える。一対の凸部32は、ベース面30において、Y方向に離間した位置に配置される。一対の凸部32間のY方向における離間距離は、グラファイト4のY方向の寸法などを考慮して設定される。一対の凸部32間のZ方向における高さは、グラファイト4のZ方向の高さなどを考慮して設定される。
グラファイト4は、実施例1と同様に、半導体素子2で発生した熱を接合材5を介して銅3に伝導する。グラファイト4は、銅3の一対の凸部32間に設けられる。グラファイト4は、実施例1と同様に、グラフェン(不図示)がX方向に積層された構造を有する。グラファイト4は、実施例1と同様に、X方向(積層方向)と比べてYZ方向(面内方向)に高い熱伝導率を有する。グラファイト4は、実施例1と同様に、熱伝導率が異なる熱伝導面40〜45を有する。実施例1と同様に、熱伝導面40〜45のうち、熱伝導率が高い方の面40〜43を高熱伝導面とし、面44,45を低熱伝導面とする。
なお、他の構成は、実施例1と同様であるので、対応する構成に同一符号を付して説明を省略する。
[配置構成]
半導体素子2は、実施例1と同様に、グラファイト4の高熱伝導面40の少なくとも一部に接合される。
グラファイト4は、複数の高熱伝導面40〜43のうち、半導体素子2が接合される高熱伝導面40以外の高熱伝導面41〜43を介して銅3に対して接合される。グラファイト4の高熱伝導面40,41は、Z軸方向に互いに対向して配置される。高熱伝導面42,43は、Y軸方向に互いに対向して配置される。グラファイト4の低熱伝導面44,45は、X軸方向に互いに対向して配置される。グラファイト4は、一対の凸部32間のベース面30に対して、接合材5を介して高熱伝導面41で接合される。グラファイト4は、一対の凸部32の側面に対して、接合材5を介して高熱伝導面42,43で接合される。低熱伝導面44,45は、冷却装置1Bの外部に露出している。即ち、低熱伝導面44,45は、銅3に対して接合されない。
次に、作用を説明する。
実施例2では、グラファイト4は、複数の高熱伝導面40〜43のうち、半導体素子2が接合される高熱伝導面40以外の高熱伝導面41〜43を介して銅3に対して接合される。
即ち、グラファイト4は、3つの高熱伝導面41〜43を介して銅3に対して接合される。このため、2つ以下の高熱伝導面を介して銅3に対して接合する場合と比べて接合面積が増える。これにより、半導体素子2の発生する熱がより広い範囲に拡散される。
従って、2つ以下の高熱伝導面を介してヒートシンク(銅3)に異方性熱伝導体(グラファイト4)を接合する場合と比べて、冷却装置1Bの熱抵抗を低減できる。
なお、他の作用は、実施例1と同様であるので、説明を省略する。
次に、効果を説明する。
実施例2における冷却装置1Bにあっては、実施例1の(1)〜(5)と同様の効果を得ることができる。
実施例3は、発熱体が接合される高熱伝導面を介して、異方性熱伝導体がヒートシンクに接合される例である。
まず、構成を説明する。
実施例3における冷却装置は、実施例1と同様に、モータジェネレータのインバータに用いられる半導体素子の冷却装置に適用したものである。図6は実施例3における冷却装置の全体構成を示す。以下、図6に基づいて、実施例3における冷却装置の構成を、「全体構成」と、「配置構成」に分けて説明する。
[全体構成]
冷却装置1Cは、実施例1と同様に、半導体素子2(発熱体)と、銅3(ヒートシンク)と、グラファイト4(異方性熱伝導体)と、接合材5(例えば、焼成銀)と、を備える。
銅3は、実施例1と同様に、半導体素子2の発する熱を熱交換により放熱する。銅3は、実施例1と同様に、ベース面30を有する。ベース面30は、一対の凸部33を備える。凸部33は、基端部33Bと、先端部33Tと、を備える。基端部33Bは、Z方向に延びる柱状に形成される。先端部33Tは、各基端部33Bに対してY方向に折れ曲がった形状を有する。一対の基端部33Bは、ベース面30において、Y方向に離間した位置に配置される。一対の基端部33B間のY方向における離間距離は、グラファイト4のY方向の寸法などを考慮して設定される。一対の基端部33B間のZ方向における距離は、グラファイト4のZ方向の寸法などを考慮して設定される。一対の先端部33T間のY方向における離間距離は、半導体素子2のY方向の寸法などを考慮して設定される。
グラファイト4は、実施例1と同様に、半導体素子2で発生した熱を銅3に伝導する。グラファイト4は、銅3の一対の凸部33間に設けられる。グラファイト4は、実施例1と同様に、グラフェン(不図示)がX方向に積層された構造を有する。グラファイト4は、実施例1と同様に、X方向と比べてYZ方向(面内方向)に高い熱伝導率を有する。グラファイト4は、実施例1と同様に、熱伝導率が異なる熱伝導面40〜45を有する。熱伝導面40〜45のうち、熱伝導率が高い方の面40〜43を高熱伝導面とし、熱伝導率が低い方の面44,45を低熱伝導面とする。
なお、他の構成は、実施例1と同様であるので、対応する構成に同一符号を付して説明を省略する。
[配置構成]
半導体素子2は、実施例1と同様に、グラファイト4の高熱伝導面40の少なくとも一部に接合される。
グラファイト4は、半導体素子2が接合される高熱伝導面40を介して銅3に対して接合される。グラファイト4は、複数の高熱伝導面40〜43のうち、高熱伝導面40以外の高熱伝導面41〜43を介しても銅3に対して接合される。グラファイト4の高熱伝導面40,41は、Z軸方向に互いに対向して配置される。高熱伝導面42,43は、Y軸方向に互いに対向して配置される。グラファイト4の低熱伝導面44,45は、X軸方向に互いに対向して配置される。グラファイト4は、各先端部33Tの下面33TDに対して、接合材5を介して高熱伝導面40で接合される。グラファイト4は、各基端部33B間のベース面30に対して、接合材5を介して高熱伝導面41で接合される。グラファイト4は、各基端部33Bの側面に対して、接合材5を介して高熱伝導面42,43で接合される。低熱伝導面44,45は、冷却装置1Cの外部に露出している。即ち、グラファイト4は、銅3に対して低熱伝導面44,45で接合されない。
次に、作用を説明する。
実施例3では、グラファイト4は、半導体素子2が接合される高熱伝導面40を介して銅3に対して接合される。
即ち、グラファイト4は、高熱伝導面40以外の高熱伝導面41〜43に加えて、高熱伝導面40によっても銅3に対して接合される。これにより、高熱伝導面40以外の高熱伝導面で銅3にグラファイト4を接合する場合と比べて、半導体素子2から発生する熱の抜熱経路を拡大できる。
従って、冷却装置1Cの熱抵抗をより低減できる。
なお、他の作用は、実施例1と同様であるので、説明を省略する。
次に、効果を説明する。
実施例3における冷却装置1Cにあっては、上記(1)〜(5)の効果に加え、下記の効果が得られる。
(6) 異方性熱伝導体(グラファイト4)は、発熱体(半導体素子2)が接合される高熱伝導面(高熱伝導面40)を介してヒートシンク(銅3)に対して接合される(図6)。
このため、冷却装置(冷却装置1C)の熱抵抗をより低減できる。
実施例4は、発熱体が接合される高熱伝導面を介して、異方性熱伝導体がヒートシンクに接合される例である。
まず、構成を説明する。
実施例4における冷却装置は、実施例1と同様に、モータジェネレータのインバータに用いられる半導体素子の冷却装置に適用したものである。以下、実施例4における冷却装置の構成を、「全体構成」と、「配置構成」に分けて説明する。
[全体構成]
図7〜図9は実施例4における冷却装置の全体構成を示す。以下、図7〜図9に基づいて、実施例4における冷却装置の全体構成を説明する。
冷却装置1Dは、図7に示すように、半導体素子2(発熱体)と、銅3(ヒートシンク)と、グラファイト4(異方性熱伝導体)と、接合材5(例えば、焼成銀)と、を備える。
銅3は、図7に示すように、半導体素子2の発する熱を熱交換により放熱する。銅3は、図7に示すように、直方体状の本体部3Bと、一対の平板部3Fと、を備える。本体部3Bは、図7に示すように、ベース面30を有する。ベース面30は、図7に示すように、−Z方向に窪んだ凹部31を備える。凹部31は、図8及び図9に示すように、側面31a,31bと、側面31c,31dと、底面31eと、を備える。側面31a,31bは、図8に示すように、X方向に対向する。側面31c,31dは、図9に示すように、Y方向に対向する。各平板部3Fは、図7に示すように、Y方向に離間した位置に配置される。各平板部3FのY方向における離間距離は、図7に示すように、半導体素子2のY方向の寸法などを考慮して設定される。
グラファイト4は、図7に示すように、半導体素子2で発生した熱を銅3に伝導する。グラファイト4は、図8及び図9に示すように、銅3の凹部31に設けられる。グラファイト4は、実施例1と同様に、グラフェン(不図示)がX方向に積層された構造を有する。グラファイト4は、実施例1と同様に、X方向と比べてYZ方向(面内方向)に高い熱伝導率を有する。グラファイト4は、図7〜図9に示すように、熱伝導率が異なる複数の熱伝導面40〜45を備える。熱伝導面40〜45のうち、熱伝導率が高い方の面40〜43(図9)を高熱伝導面とし、熱伝導率が低い方の面44,45(図8)を低熱伝導面とする。
なお、他の構成は、実施例1と同様であるので、対応する構成に同一符号を付して説明を省略する。
[配置構成]
以下、図8及び図9に基づいて、配置構成を説明する。
半導体素子2は、図8及び図9に示すように、グラファイト4の高熱伝導面40の少なくとも一部に接合される。
グラファイト4の高熱伝導面40,41は、図9に示すように、Z軸方向に互いに対向して配置される。高熱伝導面42,43は、図9に示すように、Y軸方向に互いに対向して配置される。低熱伝導面44,45は、図8に示すように、X軸方向に互いに対向して配置される。グラファイト4は、図8及び図9に示すように、銅3に対して高熱伝導面40〜43で接合される。即ち、グラファイト4は、図9に示すように、各平板部3Fの下面3FDに対して、接合材5を介して高熱伝導面40で接合される。グラファイト4は、図9に示すように、凹部31の31eに対して、接合材5を介して高熱伝導面41で接合される。グラファイト4は、図9に示すように、凹部31の側面31cに対して高熱伝導面42で接合される。グラファイト4は、図9に示すように、凹部31の側面31dに対して高熱伝導面43で接合される。グラファイト4は、図8に示すように、銅3に対して低熱伝導面44,45で接合されない。即ち、凹部31の側面31aと、低熱伝導面44との間には、図8に示すように、接合材5が介在しない。凹部31の側面31bと、低熱伝導面45との間には、図8に示すように、接合材5が介在しない。
次に、作用を説明する。
実施例4では、グラファイト4は、半導体素子2が接合される高熱伝導面40を介して銅3に対して接合される。
即ち、グラファイト4は、高熱伝導面40以外の高熱伝導面41〜43に加えて、高熱伝導面40によっても銅3に対して接合される。これにより、高熱伝導面40以外の高熱伝導面で銅3にグラファイト4を接合する場合と比べて、半導体素子2から発生する熱の抜熱経路を拡大できる。
従って、冷却装置1Dの熱抵抗をより低減できる。
なお、他の作用は、実施例1及び実施例3と同様であるので、説明を省略する。
次に、効果を説明する。
実施例4における冷却装置1Dにあっては、実施例1の(1)〜(5)及び実施例3の(6)と同様の効果を得ることができる。
実施例5は、異方性熱伝導体の低熱伝導面と、ヒートシンクとの間に空隙を設けた例である。
まず、構成を説明する。
実施例5における冷却装置は、実施例1と同様に、モータジェネレータのインバータに用いられる半導体素子の冷却装置に適用したものである。以下、実施例5における冷却装置における「配置構成」について説明する。なお、実施例5の冷却装置における「全体構成」については、実施例1と同様であるので説明を省略する。
図10及び図11は実施例5における冷却装置1Eの配置構成を示す。以下、図10及び図11に基づいて、実施例5における冷却装置1Eの配置構成を説明する。
半導体素子2(発熱体)は、図10及び図11に示すように、グラファイト4(異方性熱伝導体)の高熱伝導面40の少なくとも一部に接合される。
グラファイト4の高熱伝導面40,41は、図10に示すように、Z軸方向に互いに対向して配置される。高熱伝導面42,43は、図10に示すように、Y軸方向に互いに対向して配置される。グラファイト4の低熱伝導面44,45は、図11に示すように、X軸方向に互いに対向して配置される。グラファイト4は、図10に示すように、銅3に対して高熱伝導面40〜43の少なくとも一面42,43で接合される。即ち、グラファイト4は、図10に示すように、複数の高熱伝導面40〜43のうち、半導体素子2が接合される高熱伝導面40以外の高熱伝導面42,43を介して銅3に対して接合される。グラファイト4は、図10に示すように、凹部31に対して、接合材5を介して高熱伝導面42,43で接合される。グラファイト4は、図11に示すように、銅3に対して低熱伝導面44,45で接合されない。即ち、凹部31の側面31aと、低熱伝導面44との間には、図11に示すような空隙G1が設けられる。凹部31の側面31bと、低熱伝導面45との間には、図11に示すような空隙G2が設けられる。
次に、作用を説明する。
実施例5では、グラファイト4の低熱伝導面44,45と、銅3との間には、空隙G1,G2が設けられる。
即ち、グラファイト4の低熱伝導面44,45が、いずれも銅3との間に空隙を有する。これにより、温度上昇時における銅3とグラファイト4の熱膨張率の違いによりグラファイト4に発生する圧縮応力が、空隙によって抑制される。
従って、冷却装置1Eの信頼性を向上できる。
なお、他の作用は、実施例1と同様であるので、説明を省略する。
次に、効果を説明する。
実施例5における冷却装置1Eにあっては、上記(1)〜(5)の効果に加え、下記の効果が得られる。
(7) 異方性熱伝導体(グラファイト4)の低熱伝導面(低熱伝導面44,45)と、ヒートシンク(銅3)との間には、空隙(空隙G1,G2)が設けられる(図11)。
このため、冷却装置(冷却装置1E)の信頼性を向上できる。
実施例6は、異方性熱伝導体の低熱伝導面と、ヒートシンクとの間の空隙に応力緩衝剤を充填した例である。
まず、構成を説明する。
実施例6における冷却装置は、実施例1と同様に、モータジェネレータのインバータに用いられる半導体素子の冷却装置に適用したものである。以下、実施例6における冷却装置における「配置構成」について説明する。なお、実施例6の冷却装置における「全体構成」については、実施例1と同様であるので説明を省略する。
図12及び図13は実施例6における冷却装置1Fの配置構成を示す。以下、図12及び図13に基づいて、実施例6における冷却装置1Fの配置構成を説明する。
半導体素子2(発熱体)は、図12及び図13に示すように、グラファイト4(異方性熱伝導体)の高熱伝導面40の少なくとも一部に接合される。
グラファイト4の高熱伝導面40,41は、図12に示すように、Z軸方向に互いに対向して配置される。高熱伝導面42,43は、図12に示すように、Y軸方向に互いに対向して配置される。グラファイト4の低熱伝導面44,45は、図13に示すように、X軸方向に互いに対向して配置される。グラファイト4は、図12に示すように、銅3に対して高熱伝導面40〜43の少なくとも一面42,43で接合される。即ち、グラファイト4は、図12に示すように、複数の高熱伝導面40〜43のうち、半導体素子2が接合される高熱伝導面40以外の高熱伝導面42,43を介して銅3に対して接合される。グラファイト4は、図12に示すように、凹部31に対して、接合材5を介して高熱伝導面42,43で接合される。グラファイト4は、図13に示すように、銅3に対して低熱伝導面44,45で接合されない。即ち、凹部31の側面31aと、低熱伝導面44との間には、図13に示すような空隙G1が設けられる。凹部31の側面31bと、低熱伝導面45との間には、図13に示すような空隙G2が設けられる。空隙G1,G2には、図13に示すような応力緩衝剤C(例えば、ゲル)が充填される。
ここで、「応力緩衝剤」とは、例えば、グラファイト4のX方向における熱伝導率(5〜100W/mK)よりも低い熱伝導率を有し、且つ、X方向に作用する圧縮応力を吸収可能な柔軟性のある材料をいう。「ゲル」とは、分散質のネットワークにより高い粘性を持ち流動性を失い、系全体としては固体状になったものをいう。
次に、作用を説明する。
実施例6では、グラファイト4の低熱伝導面44,45と、銅3との間の空隙G1,G2には、応力緩衝剤Cが充填される。
即ち、グラファイト4の低熱伝導面44,45が、いずれも銅3との間の隙間に応力緩衝剤Cを有する。これにより、温度上昇時における銅3とグラファイト4の熱膨張率の違いによりグラファイト4に発生する圧縮応力が、応力緩衝剤Cによって緩衝される。
従って、冷却装置1Fの信頼性をより向上できる。
なお、他の作用は、実施例1、実施例3及び実施例5と同様であるので、説明を省略する。
次に、効果を説明する。
実施例6における冷却装置1Fにあっては、上記(1)〜(5),(7)の効果に加え、下記の効果が得られる。
(8) 空隙(空隙G1,G2)には、応力緩衝剤(応力緩衝剤C)が充填される(図13)。
このため、冷却装置(冷却装置1F)の信頼性をより向上できる。
実施例7は、発熱体及び異方性熱伝導体の組を複数設けた例である。
まず、構成を説明する。
実施例7における冷却装置は、実施例1と同様に、モータジェネレータのインバータに用いられる半導体素子の冷却装置に適用したものである。図14は実施例7における冷却装置の全体構成を示す。以下、図14に基づいて、実施例7の冷却装置の構成を、「全体構成」と、「配置構成」に分けて説明する。
[全体構成]
冷却装置1Gは、実施例1と同様に、半導体素子2(発熱体)と、銅3(ヒートシンク)と、グラファイト4(異方性熱伝導体)と、接合材5(例えば、焼成銀)と、を備える。実施例7では、半導体素子2(例えば、SiC)と、グラファイト4との組は、二つの組が設けられる。実施例7では、+X方向寄りの半導体素子2を第1半導体素子2Aとし、−X方向寄りの半導体素子2を第2半導体素子2Bとする。実施例7では、+X方向寄りのグラファイト4を第1グラファイト4Aとし、−X方向寄りのグラファイト4を第2グラファイト4Bとする。
第1半導体素子2A及び第2半導体素子2Bは、実施例1と同様に、インバータ(不図示)のスイッチング回路(不図示)に用いられる。第1半導体素子2Aは、第1グラファイト4Aに接合される。第2半導体素子2Bは、第2グラファイト4Bに接合される。
銅3は、実施例1と同様に、第1半導体素子2A及び第2半導体素子2Bの発する熱を熱交換により放熱する。銅3は、実施例1と同様に、ベース面30を有する。ベース面30は、二対の凸部32を備える。実施例7では、ベース面30において+X方向寄りに配置された一対の凸部32を一対の凸部32RHとし、−X方向寄りに配置された一対の凸部32を一対の凸部32LHとする。一対の凸部32RHと、一対の凸部32LHとは、ベース面30において、Y方向に離間した位置に配置される。Y方向における離間距離は、グラファイト4のY方向の寸法などを考慮して設定される。一対の凸部32RHのZ方向における距離は、第1グラファイト4AのZ方向の寸法などを考慮して設定される。一対の凸部32LHのZ方向における距離は、第2グラファイト4BのZ方向の寸法などを考慮して設定される。
第1グラファイト4A及び第2グラファイト4Bは、実施例1と同様に、グラフェン(不図示)がX方向に積層された構造を有する。第1グラファイト4A及び第2グラファイト4Bは、X軸方向に並んで配置される。第1グラファイト4A及び第2グラファイト4Bは、実施例1と同様に、X方向と比べてYZ方向(面内方向)に高い熱伝導率を有する。第1グラファイト4Aは、実施例1と同様に、第1半導体素子2Aで発生した熱を銅3に伝導する。第1グラファイト4Aは、一対の凸部32RH間に設けられる。第1グラファイト4Aは、実施例1と同様に、熱伝導率が異なる熱伝導面40RH〜45RHを有する。実施例1と同様に、熱伝導面40RH〜45RHのうち、熱伝導率が高い方の面40RH〜43RHを高熱伝導面とし、熱伝導率が低い方の面44RH,45RHを低熱伝導面とする。第2グラファイト4Bは、実施例1と同様に、第2半導体素子2Bで発生した熱を銅3に伝導する。第2グラファイト4Bは、一対の凸部32LH間に設けられる。第2グラファイト4Bは、実施例1と同様に、熱伝導率が異なる熱伝導面40LH〜45LHを有する。実施例1と同様に、熱伝導面40LH〜45LHのうち、熱伝導率が高い方の面40LH〜43LHを高熱伝導面とし、熱伝導率が低い方の面44LH,45LHを低熱伝導面とする。
なお、他の構成は、実施例1と同様であるので、対応する構成に同一符号を付して説明を省略する。
[配置構成]
第1半導体素子2Aは、実施例1と同様に、第1グラファイト4Aの高熱伝導面40RHの少なくとも一部に接合される。第2半導体素子2Bは、実施例1と同様に、第2グラファイト4Bの高熱伝導面40LHの少なくとも一部に接合される。
第1グラファイト4Aは、複数の高熱伝導面40RH〜43RHのうち、半導体素子2が接合される高熱伝導面40RH以外の高熱伝導面41RH〜43RHを介して銅3に対して接合される。第1グラファイト4Aの高熱伝導面40RH,41RHは、Z軸方向に互いに対向して配置される。第1グラファイト4Aの高熱伝導面42RH,43RHは、Y軸方向に互いに対向して配置される。第1グラファイト4Aの低熱伝導面44RH,45RHは、X軸方向に互いに対向して配置される。第1グラファイト4Aは、一対の凸部32RH間のベース面30に対して、接合材5を介して高熱伝導面41RHで接合される。第1グラファイト4Aは、一対の凸部32RHの側面に対して、接合材5を介して高熱伝導面42RH,43RHで接合される。第1グラファイト4Aの低熱伝導面44RH,45RHは、冷却装置1Gの外部に露出している。即ち、第1グラファイト4Aは、銅3に対して低熱伝導面44RH,45RHで接合されない。
第2グラファイト4Bは、複数の高熱伝導面40LH〜43LHのうち、半導体素子2が接合される高熱伝導面40LH以外の高熱伝導面41LH〜43LHを介して銅3に対して接合される。第2グラファイト4Bの高熱伝導面40LH,41LHは、Z軸方向に互いに対向して配置される。第2グラファイト4Bの高熱伝導面42LH,43LHは、Y軸方向に互いに対向して配置される。第2グラファイト4Bの低熱伝導面44LH,45LHは、X軸方向に互いに対向して配置される。第2グラファイト4Bは、一対の凸部32LH間のベース面30に対して、接合材5を介して高熱伝導面41LHで接合される。第2グラファイト4Bは、一対の凸部32LHの側面に対して、接合材5を介して高熱伝導面42LH,43LHで接合される。第2グラファイト4Bの低熱伝導面44LH,45LHは、冷却装置1Gの外部に露出している。即ち、第2グラファイト4Bは、銅3に対して低熱伝導面44LH,45LHで接合されない。
第1グラファイト4A及び第2グラファイト4Bは、夫々の低熱伝導面44RH,45LH同士がX方向に離間した位置に対向配置される。
次に、作用を説明する。
実施例7では、半導体素子2及びグラファイト4の組は、二つの組が設けられ、二つの組における第1グラファイト4A及び第2グラファイト4Bは、夫々の低熱伝導面44RH,45LH同士が対向配置される。
即ち、第1グラファイト4Aの低熱伝導面44RHと、第2グラファイト4Bの低熱伝導面45LHと、が接合されない。
これにより、温度上昇時における銅3とグラファイト4の熱膨張率の違いにより低熱伝導面44RH,45LH間に発生する熱応力が抑制される。
従って、冷却装置1Gの信頼性を向上できる。
なお、他の作用は、実施例1と同様であるので、説明を省略する。
次に、効果を説明する。
実施例7における冷却装置1Gにあっては、上記(1)〜(5)の効果に加え、下記の効果が得られる。
(9) 発熱体(半導体素子2)及び異方性熱伝導体(グラファイト4)の組は、複数組(二つの組)が設けられ、
複数組(二つの組)における異方性熱伝導体(第1グラファイト4A及び第2グラファイト4B)は、夫々の低熱伝導面(低熱伝導面44RH,45LH)同士が対向配置される(図14)。
このため、冷却装置(冷却装置1G)の信頼性を向上できる。
実施例8は、発熱体及び異方性熱伝導体の組を複数設けた例である。
まず、構成を説明する。
実施例8における冷却装置は、実施例1と同様に、モータジェネレータのインバータに用いられる半導体素子の冷却装置に適用したものである。図15及び図16は実施例8における冷却装置の全体構成を示す。以下、図15及び図16に基づいて、実施例8の冷却装置の構成を、「全体構成」と、「配置構成」に分けて説明する。
[全体構成]
実施例8の冷却装置1Hは、図15に示すように、半導体素子2(発熱体)と、銅3(ヒートシンク)と、グラファイト4(異方性熱伝導体)と、接合材5(例えば、焼成銀)と、を備える。実施例8では、半導体素子2(例えば、SiC)と、グラファイト4との組は、図15及び図16に示すように、二つの組が設けられる。図15及び図16に示すように、実施例8では、+X方向寄りの半導体素子2を第1半導体素子2Aとし、−X方向寄りの半導体素子2を第2半導体素子2Bとする。図15及び図16に示すように、実施例8では、図15及び図16に示すように、+X方向寄りのグラファイト4を第1グラファイト4Aとし、−X方向寄りのグラファイト4を第2グラファイト4Bとする。
第1半導体素子2A及び第2半導体素子2Bは、実施例1と同様に、インバータ(不図示)のスイッチング回路(不図示)に用いられる。第1半導体素子2Aは、図15及び図16に示すように、第1グラファイト4Aに接合される。第2半導体素子2Bは、図15及び図16に示すように、第2グラファイト4Bに接合される。
銅3は、実施例1と同様に、第1半導体素子2A及び第2半導体素子2Bの発する熱を熱交換により放熱する。銅3は、図15に示すように、直方体状に形成される。銅3は、図15に示すように、ベース面30を有する。ベース面30は、図15に示すように、−Z方向に窪んだ凹部31を備える。凹部31は、図15及び図16に示すように、側面31a,31bと、側面31c,31dと、底面31eと、を備える。側面31a,31bは、図16に示すように、X方向に対向する。側面31c,31dは、図15に示すように、Y方向に対向する。凹部31のY方向の距離は、図15に示すように、第1グラファイト4A又は第2グラファイト4BのY方向の距離などを考慮して設定される。凹部31の深さは、図16に示すように、第1グラファイト4A又は第2グラファイト4BのZ方向の距離などを考慮して設定される。
第1グラファイト4A及び第2グラファイト4Bは、実施例1と同様に、グラフェン(不図示)がX方向に積層された構造を有する。第1グラファイト4A及び第2グラファイト4Bは、図15及び図16に示すように、銅3の凹部31に設けられる。第1グラファイト4A及び第2グラファイト4Bは、図15及び図16に示すように、X軸方向に並んで配置される。第1グラファイト4A及び第2グラファイト4Bは、実施例1と同様に、X方向と比べてYZ方向(面内方向)に高い熱伝導率を有する。第1グラファイト4Aは、図15及び図16に示すように、第1半導体素子2Aで発生した熱を銅3に伝導する。第1グラファイト4Aは、図15及び図16に示すように、熱伝導率が異なる熱伝導面40RH〜45RHを有する。実施例1と同様に、熱伝導面40RH〜45RHのうち、熱伝導率が高い方の面40RH〜43RHを高熱伝導面とし、熱伝導率が低い方の面44RH,45RHを低熱伝導面とする。第2グラファイト4Bは、図15及び図16に示すように、第2半導体素子2Bで発生した熱を銅3に伝導する。第2グラファイト4Bは、図15及び図16に示すように、熱伝導率が異なる熱伝導面40LH〜45LHを有する。実施例1と同様に、熱伝導面40LH〜45LHのうち、熱伝導率が高い方の面40LH〜43LHを高熱伝導面とし、熱伝導率が低い方の面44LH,45LHを低熱伝導面とする。
なお、他の構成は、実施例1と同様であるので、対応する構成に同一符号を付して説明を省略する。
[配置構成]
第1半導体素子2Aは、図15及び図16に示すように、第1グラファイト4Aの高熱伝導面40RHの少なくとも一部に接合される。第2半導体素子2Bは、図15及び図16に示すように、第2グラファイト4Bの高熱伝導面40LHの少なくとも一部に接合される。
第1グラファイト4Aの高熱伝導面40RH,41RHは、図16に示すように、Z軸方向に互いに対向して配置される。第1グラファイト4Aの高熱伝導面42RH,43RHは、図15に示すように、Y軸方向に互いに対向して配置される。第1グラファイト4Aの低熱伝導面44RH,45RHは、図16に示すように、X軸方向に互いに対向して配置される。第1グラファイト4Aは、図15及び図16に示すように、銅3に対して高熱伝導面41RH,42RH,43RHで接合される。第1グラファイト4Aは、図16に示すように、銅3に対して低熱伝導面45RHで接合されない。即ち、凹部31の側面31bと、低熱伝導面45RHとの間には、図16に示すような空隙G3が形成される。
第2グラファイト4Bの高熱伝導面40LH,41LHは、図16に示すように、Z軸方向に互いに対向して配置される。第2グラファイト4Bの高熱伝導面42LH,43LHは、図15に示すように、Y軸方向に互いに対向して配置される。第2グラファイト4Bの低熱伝導面44LH,45LHは、図16に示すように、X軸方向に互いに対向して配置される。第2グラファイト4Bは、図15及び図16に示すように、銅3に対して高熱伝導面41LH,42LH,43LHで接合される。第2グラファイト4Bは、図16に示すように、銅3に対して低熱伝導面44LH,45LHで接合されない。即ち、凹部31の側面31aと、低熱伝導面44LHとの間には、図16に示すような空隙G4が形成される。
第1グラファイト4Aの低熱伝導面44RHと、第2グラファイト4Bの低熱伝導面45LHとは、図16に示すように、X方向に離間した位置に対向して配置される。低熱伝導面44RH,45LH間には、図16に示すような空隙G5が形成される。
次に、作用を説明する。
実施例8では、半導体素子2及びグラファイト4の組は、二つの組が設けられ、二つの組における第1グラファイト4A及び第2グラファイト4Bは、夫々の低熱伝導面44RH,45LH同士が対向配置される。
即ち、第1グラファイト4Aの低熱伝導面44RHと、第2グラファイト4Bの低熱伝導面45LHと、が接合されない。
これにより、温度上昇時における銅3とグラファイト4の熱膨張率の違いにより低熱伝導面44RH,45LH間に発生する熱応力が抑制される。
従って、冷却装置1Hの信頼性を向上できる。
なお、他の作用は、実施例1、実施例5及び実施例7と同様であるので、説明を省略する。
次に、効果を説明する。
実施例8における冷却装置1Hにあっては、実施例1の(1)〜(5)、実施例5の(7)及び実施例7の(9)と同様の効果を得ることができる。
実施例9は、ヒートシンクに放熱フィンを設けた例である。
まず、構成を説明する。
実施例9における冷却装置は、実施例1と同様に、モータジェネレータのインバータに用いられる半導体素子の冷却装置に適用したものである。図17は実施例9における冷却装置の全体構成を示す。以下、図17に基づいて、実施例9の冷却装置の構成を、「全体構成」と、「配置構成」に分けて説明する。
[全体構成]
実施例9の冷却装置1Iは、半導体素子2(発熱体)と、銅3(ヒートシンク)と、グラファイト4(異方性熱伝導体)と、接合材5(例えば、焼成銀)と、放熱フィン6(例えば、アルミニウム)と、を備える。
銅3は、実施例1と同様に、半導体素子2の発する熱を熱交換により放熱する。銅3は、実施例1と同様に、ベース面30を有する。ベース面30は、一対の凸部32を備える。一対の凸部32は、ベース面30において、Y方向に離間した位置に配置される。一対の凸部32間のY方向における離間距離は、グラファイト4のY方向の距離などを考慮して設定される。一対の凸部32のZ方向における距離は、グラファイト4のZ方向の距離などを考慮して設定される。
グラファイト4は、実施例1と同様に、半導体素子2で発生した熱を銅3に伝導する。グラファイト4は、銅3のベース面30において一対の凸部32間に設けられる。グラファイト4は、実施例1と同様に、グラフェン(不図示)がX方向に積層された構造を有する。グラファイト4は、実施例1と同様に、X方向と比べてYZ方向(面内方向)に高い熱伝導率を有する。グラファイト4は、実施例1と同様に、熱伝導率が異なる熱伝導面40〜45を有する。実施例1と同様に、熱伝導面40〜45のうち、熱伝導率が高い方の面40〜43を高熱伝導面とし、熱伝導率が低い方の面44,45を低熱伝導面とする。
放熱フィン6は、銅3の発する熱を熱交換により放熱する。放熱フィン6は、板状のフィンである。
なお、他の構成は、実施例1と同様であるので、対応する構成に同一符号を付して説明を省略する。
[配置構成]
半導体素子2は、実施例1と同様に、グラファイト4の高熱伝導面40の少なくとも一部に接合される。
グラファイト4は、複数の高熱伝導面40〜43のうち、半導体素子2が接合される高熱伝導面40以外の高熱伝導面41〜43を介して銅3に対して接合される。グラファイト4の高熱伝導面40,41は、Z軸方向に互いに対向して配置される。高熱伝導面42,43は、Y軸方向に互いに対向して配置される。グラファイト4の低熱伝導面44,45は、X軸方向に互いに対向して配置される。グラファイト4は、一対の凸部32間のベース面30に対して、接合材5を介して高熱伝導面41で接合される。グラファイト4は、一対の凸部32の側面に対して、接合材5を介して高熱伝導面42,43で接合される。低熱伝導面44,45は、冷却装置1Bの外部に露出している。即ち、グラファイト4は、銅3に対して低熱伝導面44,45で接合されない。
放熱フィン6は、銅3においてにおいてグラファイト4が形成されるベース面30と反対側の面34に設けられる。放熱フィン6は、複数枚の放熱板60を備える。各放熱板60は、X方向に離間した位置に配置される。X方向における離間距離は、面34の面積などを考慮して設定される。
次に、作用を説明する。
実施例9では、銅3においてグラファイト4が形成されるベース面30と反対側の面34に、放熱フィン6が設けられる。
即ち、銅3に放熱フィン6が設けられる。このため、グラファイト4を介して半導体素子2から銅3へ伝導された熱が、放熱フィン6によって放熱される。これにより、半導体素子2の発する熱を放熱する効果を、銅3に放熱フィン6を設けない場合と比べて大きくできる。
従って、冷却装置1Iにおける熱抵抗を、銅3に放熱フィン6を設けない場合と比べて低減できる。
なお、他の作用は、実施例1と同様であるので、説明を省略する。
次に、効果を説明する。
実施例9における冷却装置1Iにあっては、上記(1)〜(5)の効果に加え、下記の効果が得られる。
(10) ヒートシンク(銅3)において異方性熱伝導体(グラファイト4)が形成されるベース面(ベース面30)と反対側の面(面34)に、放熱フィン(放熱フィン6)が設けられる(図17)。
このため、冷却装置(冷却装置1I)における熱抵抗を、ヒートシンク(銅3)に放熱フィン(放熱フィン6)を設けない場合と比べて低減できる。
実施例10は、ヒートシンクに放熱フィンを設けた例である。
まず、構成を説明する。
実施例10における冷却装置は、実施例1と同様に、モータジェネレータのインバータに用いられる半導体素子の冷却装置に適用したものである。図18は実施例10における冷却装置の全体構成を示す。以下、図18に基づいて、実施例10の冷却装置の構成を、「全体構成」と、「配置構成」に分けて説明する。
[全体構成]
冷却装置1Jは、半導体素子2(発熱体)と、銅3(ヒートシンク)と、グラファイト4(異方性熱伝導体)と、接合材5(例えば、焼成銀)と、放熱フィン6(例えば、アルミニウム)と、を備える。
銅3は、実施例1と同様に、半導体素子2の発する熱を熱交換により放熱する。銅3は、実施例1と同様に、ベース面30を有する。ベース面30は、実施例1と同様に、−Z方向に窪んだ凹部31を備える。
グラファイト4は、実施例1と同様に、半導体素子2で発生した熱を銅3に伝導する。グラファイト4は、実施例1と同様に、銅3の凹部31に設けられる。グラファイト4は、実施例1と同様に、グラフェン(不図示)がX方向に積層された構造を有する。グラファイト4は、実施例1と同様に、X方向と比べてYZ方向(面内方向)に高い熱伝導率を有する。グラファイト4は、実施例1と同様に、熱伝導率が異なる熱伝導面40〜45を有する。実施例1と同様に、熱伝導面40〜45のうち、熱伝導率が高い方の面40〜43を高熱伝導面とし、熱伝導率が低い方の面44,45を低熱伝導面とする。
放熱フィン6は、半導体素子2から銅3に伝導される熱を熱交換により放熱する。放熱フィン6は、板状のフィンである。
なお、他の構成は、実施例1と同様であるので、対応する構成に同一符号を付して説明を省略する。
[配置構成]
半導体素子2は、実施例1と同様に、グラファイト4の高熱伝導面40の少なくとも一部に接合される。
グラファイト4は、複数の高熱伝導面40〜43のうち、半導体素子2が接合される高熱伝導面40以外の高熱伝導面41〜43を介して銅3に対して接合される。グラファイト4の高熱伝導面40,41は、Z軸方向に互いに対向して配置される。高熱伝導面42,43は、Y軸方向に互いに対向して配置される。グラファイト4の低熱伝導面44,45は、X軸方向に互いに対向して配置される。グラファイト4は、凹部31の側面に対して、接合材5を介して高熱伝導面41〜43で接合される。グラファイト4は、銅3に対して低熱伝導面44,45で接合されない。即ち、凹部31の側面と、低熱伝導面44との間は、接合材5が介在しない。凹部31の側面と、低熱伝導面45との間は、接合材5が介在しない。
放熱フィン6は、銅3においてグラファイト4が形成されるベース面30と反対側の面34に設けられる。放熱フィン6は、複数枚の放熱板60を備える。各放熱板60は、X方向に離間した位置に配置される。X方向における離間距離は、面34の面積などを考慮して設定される。
次に、作用を説明する。
実施例10では、銅3においてグラファイト4が形成されるベース面30と反対側の面34に、放熱フィン6が設けられる。
即ち、銅3に放熱フィン6が設けられる。このため、グラファイト4を介して半導体素子2から銅3へ伝導された熱が、放熱フィン6によって放熱される。これにより、半導体素子2の発する熱を放熱する効果を、銅3に放熱フィン6を設けない場合と比べて大きくできる。
従って、冷却装置1Jにおける熱抵抗を、銅3に放熱フィン6を設けない場合と比べて低減できる。
なお、他の作用は、実施例1と同様であるので、説明を省略する。
次に、効果を説明する。
実施例10における冷却装置1Jにあっては、実施例1の(1)〜(5)及び実施例9の(10)と同様の効果を得ることができる。
実施例11は、ヒートシンクに電気絶縁層及び冷却器を設けた例である。
まず、構成を説明する。
実施例11における冷却装置は、実施例1と同様に、モータジェネレータのインバータに用いられる半導体素子の冷却装置に適用したものである。図19は実施例11における冷却装置の全体構成を示す。以下、図19に基づいて、実施例11の冷却装置の構成を、「全体構成」と、「配置構成」に分けて説明する。
[全体構成]
冷却装置1Kは、半導体素子2(発熱体)と、銅3(ヒートシンク)と、グラファイト4(異方性熱伝導体)と、接合材5(例えば、焼成銀)と、電気絶縁層7(例えば、窒化ケイ素)と、冷却器8(例えば、アルミニウム)と、を備える。
銅3は、実施例1と同様に、半導体素子2の発する熱を熱交換により放熱する。銅3は、実施例1と同様に、ベース面30を有する。ベース面30は、一対の凸部32を備える。一対の凸部32は、ベース面30において、Y方向に離間した位置に配置される。一対の凸部32間のY方向における離間距離は、グラファイト4のY方向の寸法などを考慮して設定される。一対の凸部32間のZ方向における高さは、グラファイト4のZ方向の高さなどを考慮して設定される。
グラファイト4は、実施例1と同様に、半導体素子2で発生した熱を銅3に伝導する。グラファイト4は、銅3のベース面30において一対の凸部32間に設けられる。グラファイト4は、実施例1と同様に、グラフェン(不図示)がX方向に積層された構造を有する。グラファイト4は、実施例1と同様に、X方向と比べてYZ方向(面内方向)に高い熱伝導率を有する。グラファイト4は、実施例1と同様に、熱伝導率が異なる熱伝導面40〜45を有する。実施例1と同様に、熱伝導面40〜45のうち、熱伝導率が高い方の面40〜43を高熱伝導面とし、熱伝導率が低い方の面44,45を低熱伝導面とする。
電気絶縁層7は、銅3を冷却器8と絶縁する。電気絶縁層7は、平板状に形成される。
冷却器8は、半導体素子2から銅3に伝導される熱を拡散する。冷却器8は、直方体状に形成される。冷却器8は、内部を冷媒(例えば、水)が流通する管路(不図示)を備える。
なお、他の構成は、実施例1と同様であるので、対応する構成に同一符号を付して説明を省略する。
[配置構成]
半導体素子2は、実施例1と同様に、グラファイト4の高熱伝導面40の少なくとも一部に接合される。
グラファイト4は、複数の高熱伝導面40〜43のうち、半導体素子2が接合される高熱伝導面40以外の高熱伝導面41〜43を介して銅3に対して接合される。グラファイト4の高熱伝導面40,41は、Z軸方向に互いに対向して配置される。高熱伝導面42,43は、Y軸方向に互いに対向して配置される。グラファイト4の低熱伝導面44,45は、X軸方向に互いに対向して配置される。グラファイト4は、一対の凸部32間のベース面30に対して、接合材5を介して高熱伝導面41で接合される。グラファイト4は、一対の凸部32の側面に対して、接合材5を介して高熱伝導面42,43で接合される。低熱伝導面44,45は、冷却装置1Bの外部に露出している。即ち、グラファイト4は、銅3に対して低熱伝導面44,45で接合されない。
電気絶縁層7は、銅3においてグラファイト4が形成されるベース面30と反対側の面34に接合される。
冷却器8は、電気絶縁層7において銅3が接合される面70と反対側の面71に接合される。
次に、作用を説明する。
実施例11では、銅3においてグラファイト4が形成されるベース面30と反対側の面34に、電気絶縁層7が接合され、電気絶縁層7において銅3が接合される面70と反対側の面71に、冷却器8が接合される。
即ち、電気絶縁層7を介して銅3が冷却器8に接合される。これにより、半導体素子2で発生した熱が、冷却器8の冷媒に放熱される。つまり、半導体素子2から銅3に伝わる熱が、冷却器8に拡散される。
従って、冷却装置1Kにおける熱抵抗を、銅3に電気絶縁層7及び冷却器8を設けない場合と比べて低減できる。
なお、他の作用は、実施例1と同様であるので、説明を省略する。
次に、効果を説明する。
実施例11における冷却装置1Kにあっては、上記(1)〜(5)の効果に加え、下記の効果が得られる。
(11) ヒートシンク(銅3)において異方性熱伝導体(グラファイト4)が形成されるベース面(ベース面30)と反対側の面(面34)に、電気絶縁層(電気絶縁層7)が接合され、
電気絶縁層(電気絶縁層7)においてヒートシンク(銅3)が接合される面(面70)と反対側の面(面71)に、冷却器(冷却器8)が接合される。
このため、冷却装置(冷却装置1K)における熱抵抗を、ヒートシンク(銅3)に電気絶縁層(電気絶縁層7)及び冷却器(冷却器8)を設けない場合と比べて低減できる。
実施例12は、ヒートシンクに電気絶縁層及び冷却器を設けた例である。
まず、構成を説明する。
実施例12における冷却装置は、実施例1と同様に、モータジェネレータのインバータに用いられる半導体素子の冷却装置に適用したものである。図20は実施例12における冷却装置の全体構成を示す。以下、図20に基づいて、実施例12の冷却装置の構成を、「全体構成」と、「配置構成」に分けて説明する。
[全体構成]
冷却装置1Lは、半導体素子2(発熱体)と、銅3(ヒートシンク)と、グラファイト4(異方性熱伝導体)と、接合材5(例えば、焼成銀)と、電気絶縁層7(例えば、窒化ケイ素)と、冷却器8(例えば、アルミニウム)と、を備える。
銅3は、実施例1と同様に、半導体素子2の発する熱を熱交換により放熱する。銅3は、実施例1と同様に、ベース面30を有する。ベース面30は、実施例1と同様に、−Z方向に窪んだ凹部31を備える。
グラファイト4は、実施例1と同様に、半導体素子2で発生した熱を銅3に伝導する。グラファイト4は、実施例1と同様に、銅3の凹部31に設けられる。グラファイト4は、実施例1と同様に、グラフェン(不図示)がX方向に積層された構造を有する。グラファイト4は、実施例1と同様に、X方向と比べてYZ方向(面内方向)に高い熱伝導率を有する。グラファイト4は、実施例1と同様に、熱伝導率が異なる熱伝導面40〜45を有する。実施例1と同様に、熱伝導面40〜45のうち、熱伝導率が高い方の面40〜43を高熱伝導面とし、熱伝導率が低い方の面44,45を低熱伝導面とする。
電気絶縁層7は、銅3を冷却器8と絶縁する。電気絶縁層7は、平板状に形成される。
冷却器8は、半導体素子2から銅3に伝導される熱を拡散する。冷却器8は、直方体状に形成される。冷却器8は、内部を冷媒(例えば、水)が流通する管路(不図示)を備える。
なお、他の構成は、実施例1と同様であるので、対応する構成に同一符号を付して説明を省略する。
[配置構成]
半導体素子2は、実施例1と同様に、グラファイト4の高熱伝導面40の少なくとも一部に接合される。
グラファイト4は、複数の高熱伝導面40〜43のうち、半導体素子2が接合される高熱伝導面40以外の高熱伝導面41〜43を介して銅3に対して接合される。グラファイト4の高熱伝導面40,41は、Z軸方向に互いに対向して配置される。高熱伝導面42,43は、Y軸方向に互いに対向して配置される。グラファイト4の低熱伝導面44,45は、X軸方向に互いに対向して配置される。グラファイト4は、凹部31の側面に対して、接合材5を介して高熱伝導面41〜43で接合される。グラファイト4は、銅3に対して低熱伝導面44,45で接合されない。即ち、凹部31の側面と、低熱伝導面44,45との間は、接合材5が介在しない。
電気絶縁層7は、銅3においてグラファイト4が形成されるベース面30と反対側の面34に接合される。
冷却器8は、電気絶縁層7において銅3が接合される面70と反対側の面71に接合される。
次に、作用を説明する。
実施例12では、銅3においてグラファイト4が形成されるベース面30と反対側の面34に、電気絶縁層7が接合され、電気絶縁層7において銅3が接合される面70と反対側の面71に、冷却器8が接合される。
即ち、電気絶縁層7を介して銅3が冷却器8に接合される。これにより、半導体素子2で発生した熱が、冷却器8の冷媒に放熱される。つまり、半導体素子2から銅3に伝わる熱が、冷却器8に拡散される。
従って、冷却装置1Lにおける熱抵抗を、銅3に電気絶縁層7及び冷却器8を設けない場合と比べて低減できる。
なお、他の作用は、実施例1と同様であるので、説明を省略する。
次に、効果を説明する。
実施例12における冷却装置1Lにあっては、実施例1の(1)〜(5)及び実施例11の(11)と同様の効果を得ることができる。
以上、本発明の冷却装置を実施例1〜実施例12に基づいて説明してきたが、具体的な構成については、これらの実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加などは許容される。
実施例1〜実施例12では、ヒートシンクを銅とする例を示した。しかし、これに限られない。例えば、ヒートシンクが、銀、アルミニウム及び金などの金属や、AlN(窒化アルミニウム)やアルミナ(酸化アルミニウム)等の電気を通さず熱を通す材料から構成されても良い。
実施例1〜実施例12では、接合材5を焼成銀とする例を示した。しかし、これに限られない。例えば、接合材5が、半田などの合金や、銅やアルミニウムなどの金属から構成されても良い。要するに、接合材5は、部材同士を熱的に結合できる材料であれば良い。
実施例1〜実施例12では、発熱体を、SiC材料の半導体素子とする例を示した。しかし、これに限られない。例えば、発熱体が、Si材料の半導体素子から構成されても良い。また、発熱体が、FET、バイポーラジャンクショントランジスタ(BJT)、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)などの半導体スイッチング素子や、ICから構成されても良い。要するに、発熱体は、基板に実装される部品であれば良い。
実施例6では、応力緩衝剤Cをゲルとする例を示した。しかし、これに限られない。例えば、応力緩衝剤Cが、一般的な樹脂材から構成されても良い。要するに、銅3とグラファイト4の熱膨張率の違いによりグラファイト4に発生する圧縮応力を緩衝できる材料であれば良い。
実施例7及び実施例8では、半導体素子2及びグラファイト4の組を二組設ける例を示した。しかし、これに限られない。例えば、半導体素子2及びグラファイト4の組を一組又は三組以上設けても良い。
実勢例9及び実施例10では、銅3に板状のフィンを設ける例を示した。しかし、これに限られない。例えば、銅3にピンフィンを設けても良い。要するに、フィンは、半導体素子2の冷却に必要な放熱面積を銅3に確保できる形状であれば良い。
実勢例9及び実施例10では、放熱フィン6をアルミニウムとする例を示した。しかし、これに限られない。例えば、放熱フィン6が銅などで構成されても良い。要するに、発熱体からヒートシンクに伝導される熱を熱交換により放熱できる材料であれば良い。
実施例11及び実施例12では、電気絶縁層7を窒化ケイ素とする例を示した。しかし、これに限られない。例えば、電気絶縁層7が窒化アルミニウムなどのセラミック系の材料から構成されても良い。要するに、銅3を冷却器8と絶縁できれば良い。
実施例11及び実施例12では、冷却器8をアルミニウムとする例を示した。しかし、これに限られない。例えば、冷却器8が銅などで構成されても良い。要するに、半導体素子2から銅3に伝導される熱を拡散できれば良い。
実施例11及び実施例12では、冷却器8内の管路を流通する冷媒を水とする例を示した。しかし、これに限られない。例えば、冷却器8内の管路を流通する冷媒を空気で構成しても良い。要するに、半導体素子2から銅3に伝導される熱を吸収し、この熱を運んで放出する物質であれば良い。
実施例1〜実施例12では、本発明の冷却装置を、モータジェネレータの交流/直流の変換装置として用いられるインバータに適用する例を示した。しかし、本発明の冷却装置は、インバータ以外の様々な電力変換装置(例えば、充電器など)に対しても適用することができる。
1A,1B,1C,1D,1E,1F,1G,1H,1I,1J,1K,1L 冷却装置
2,2A,2B 半導体素子(発熱体)
3 銅(ヒートシンク)
4,4A,4B グラファイト(異方性熱伝導体)
6 放熱フィン
7 電気絶縁層
8 冷却器
30 ベース面
31 凹部
32,32RH,32LH,33 凸部
34 ベース面と反対側の面
70 電気絶縁層においてヒートシンクが接合される面
71 電気絶縁層においてヒートシンクが接合される面と反対側の面
40,41,42,43,44,45,40RH,41RH,42RH,43RH,44RH,45RH,40LH,41LH,42LH,43LH,44LH,45LH 熱伝導面
40,41,42,43,40RH,41RH,42RH,43RH,40LH,41LH,42LH,43LH 高熱伝導面
44,45,44RH,45RH,44LH,45LH 低熱伝導面
60 放熱板
C 応力緩衝剤
G1,G2,G3,G4,G5 空隙
L1,L2 距離

Claims (11)

  1. 発熱体と、
    凸部もしくは凹部を備えるベース面を有するヒートシンクと、
    前記凸部もしくは前記凹部に設けられ、熱伝導率が異なる熱伝導面を有する異方性熱伝導体と、を備える冷却装置であって、
    前記熱伝導面のうち、熱伝導率が高い方の熱伝導面を高熱伝導面といい、熱伝導率が低い方の熱伝導面を低熱伝導面というとき、
    前記発熱体は、前記異方性熱伝導体の前記高熱伝導面の少なくとも一部に接合され、
    前記異方性熱伝導体は、前記ヒートシンクに対して前記高熱伝導面の少なくとも一面で接合され、前記ヒートシンクに対して前記低熱伝導面が接合されない
    ことを特徴とする冷却装置。
  2. 請求項1に記載された冷却装置において、
    前記異方性熱伝導体は、複数の高熱伝導面を備え、前記複数の高熱伝導面のうち、前記発熱体が接合される高熱伝導面以外の高熱伝導面を介して前記ヒートシンクに対して接合される
    ことを特徴とする冷却装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載された冷却装置において、
    前記異方性熱伝導体は、前記発熱体が接合される高熱伝導面を介して前記ヒートシンクに対して接合される
    ことを特徴とする冷却装置。
  4. 請求項1から請求項3までの何れか一項に記載された冷却装置において、
    前記異方性熱伝導体は、複数の高熱伝導面と、複数の低熱伝導面と、を備え、
    前記複数の高熱伝導面は、互いに対向して配置され、
    前記複数の低熱伝導面は、互いに対向して配置され、
    前記複数の高熱伝導面の間の距離は、前記複数の低熱伝導面の間の距離よりも長く設定される
    ことを特徴とする冷却装置。
  5. 請求項1から請求項4までの何れか一項に記載された冷却装置において、
    前記異方性熱伝導体の前記低熱伝導面と、前記ヒートシンクとの間には、空隙が設けられる
    ことを特徴とする冷却装置。
  6. 請求項5に記載された冷却装置において、
    前記空隙には、応力緩衝剤が充填される
    ことを特徴とする冷却装置。
  7. 請求項1から請求項6までの何れか一項に記載された冷却装置において、
    前記発熱体及び前記異方性熱伝導体の組は、複数組が設けられ、
    前記複数組における異方性熱伝導体は、夫々の低熱伝導面同士が対向配置される
    ことを特徴とする冷却装置。
  8. 請求項1から請求項7までの何れか一項に記載された冷却装置において、
    前記ヒートシンクにおいて前記異方性熱伝導体が形成される前記ベース面と反対側の面に、放熱フィンが設けられる
    ことを特徴とする冷却装置。
  9. 請求項1から請求項7までの何れか一項に記載された冷却装置において、
    前記ヒートシンクにおいて前記異方性熱伝導体が形成される前記ベース面と反対側の面に、電気絶縁層が接合され、
    前記電気絶縁層において前記ヒートシンクが接合される面と反対側の面に、冷却器が接合される
    ことを特徴とする冷却装置。
  10. 請求項1から請求項9までの何れか一項に記載された冷却装置において、
    前記高熱伝導面の熱伝導率は、前記ヒートシンクの熱伝導率より高く、
    前記低熱伝導面の熱伝導率は、前記ヒートシンクの熱伝導率よりも低い
    ことを特徴とする冷却装置。
  11. 請求項1から請求項10までの何れか一項に記載された冷却装置において、
    前記ヒートシンクは、銀、銅、アルミニウム及び金のうちいずれか一つである
    ことを特徴とする冷却装置。
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